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スレッドオーナー: 土屋
:2026/05/23 (土) 22:39 ID:vJIfgbDU No.32760
- 父が長期の海外出張に出た週末、我が家のリビングはいつものように母の親友たちの喧騒に包まれていた。
母・土屋千春、45歳。大手出版社でバリバリ働いている。若くしてオレを産んだから、中学の頃は友達から人気があった。要は「綺麗なオバサン」。目尻の上がった大きな目、通った鼻筋に厚めの唇。今も美貌と均整の取れたスタイルを維持している。本人も意識しているのか、見た目に手を抜くことがない。耳にかけたミディアムの髪、ゆったりとしたオフホワイトのサマーニット、Vネックにのぞく鎖骨とダイヤ。彼女には常に華やかな女の匂いが漂っていた。 そして、その母の周りには似たような女たちが集まる。IT企業で働く自由奔放で派手な美人の典子さんと、経営者の妻でおっとりとした良妻賢母タイプの薫さん。3人は学生時代からの親友で、事あるごとに我が家に集まってはワインを空けている。 オレ、裕一は20歳の冴えない大学生だ。いつものように自室に籠もっていたが、猛烈に喉が渇き、足音を忍ばせてキッチンへ向かった。 リビングとキッチンを隔てる曇りガラスのドア越しに、女たちの笑い声が響いてくる。冷蔵庫を開けようとしたオレの手は、典子さんの甲高い声にピタリと止まった。
「だからね、あれは冗談抜きで私の人生で一番のバケモノだったのよ!」 だいぶ酔っているのがわかる。オレは息を殺し、ドアの隙間からリビングを覗き込んだ。 「もう、先っぽパンパンで、血管がボコボコ浮いててさ、なんだろ、生き物っていうか凶器?それが奥までズドンって入った瞬間、脳みそがショートしたみたいになっちゃって。」 ワケのわからない話かと思ったが、言葉を咀嚼すると、まさかという気がした。その時、母と薫さんが「ちょっと典子!」「声が大きすぎるってば!」と笑いながら手を叩いている。 「でもさ、ぶっちゃけ大きさって正義じゃない?」と典子さんは身を乗り出した。 「愛だのテクニックだの言うけどさ、絶対的な質量で子宮の入り口をガンガン突かれる快感って、理屈じゃないのよ。メスとしての本能を直接殴られてるみたいでさ」 やはり、オレの勘は当たったと確信する。 と同時に、急に3人の会話に興味を引きつけられた。 「まあ……否定はしないけど」と言ったのは母だ。頬を紅潮させながらワインを煽る。 「確かに、すっごいのが入ってきた時の、あの息が詰まるような圧倒される感じは、忘れられないわよね」 「でしょ!? ねえ、薫はどうなのよ。あんた昔から清純派ぶってるけど、絶対すごいのに当たったことあるでしょ。吐きなさいよ!」 「ええっ、私!?」と矛先を向けられた薫さんは顔を真っ赤にして両手で頬を覆った。普段はおとなしく、二人の息子を育てる母親である薫さんが、身をよじって恥じらっている。 「も、もう……しょうがないなぁ。私は、夫のかな。それだって、そんなに巨大とか、そういうことじゃないんだけど」 「なによ、それ。いい子過ぎて面白くない」と典子さんが冷ややかに言う。 「そんなこと言ったって、経験がないんだから仕方ないでしょ?」 「そうそう、典子、酔い過ぎだよ」。 母が薫さんをフォローした。 「なによ、千春!それなら代わりにアンタが答えなさい。歴代ナンバーワンの男、誰?」 典子さんが容赦なく母に迫る。
母は「えー」と濁そうとしたが、両脇から二人がわかりきったような顔をしている。 母は観念したらしい。 「もぉ、何度も話したでしょ?……澤田!」 その苗字が出た瞬間、典子さんも薫さんも「だよねーー!!」と、声を揃えて爆笑した。 「ごめんごめん、千春のこの話は定番だから、やっぱり言わせちゃった」 助けられたはずの薫さんも笑っている。 「ホント、毎回言わせるの、やめて」。 どうやら3人の間で、母はこの話をさせられるのはいつものことらしい。 すると典子さんが突っ込んだ。 「でも千春、口でした時はどうだったの?それはあんまり聞いてないわよ!」 典子さんの追及に、母はワイングラスの縁を指でなぞりながら、困ったような笑みを浮かべた。 「もう20年以上前だからなぁ。えー、うーん。顎が外れるかと思うぐらい口を開けたのと、がんばって根元までくわえようとしたら喉の奥に当たって、えずいたのは覚えてる」。 「うわー、いやらしい! で、味は? どんな味したのよ?」 典子さんが悪ノリする。 「バカじゃないの!味なんて覚えてないって!」母が吹き出しながら答えた。 「で? で? 入れた時はどうだったのよ!」 典子さんは止まる気配がない。 「もう、前にも話したじゃない!」 母は照れ隠しのように笑いながらも、その顔は完全に昔の記憶をたどっていた。 母が、昔の男との行為を、その男たるモノを思い起こしている。 「……だいたい、典子の言ったのと同じ感じかな。熱くて硬い肉の塊に、中の狭いところを強引にこじ開けられて、内臓を全部押し上げられるみたいな圧迫感で。奥の奥の、一番敏感なところをゴリゴリされて、足の指が勝手に丸まって……。ガクガク、痙攣、しちゃったの……」 母の口から紡がれる、あまりにも生々しい牝としての記憶。 オレは暗闇の中で、自分の股間がちぎれるほど勃起しているのを感じていた。あの、綺麗で、優しくオレを育ててくれた完璧な母が、得体の知れない『澤田』という男の巨大な肉棒に犯され、快感のあまり身体を痙攣させていた。その事実が、オレの脳髄を麻痺させるほどの嫉妬と、狂おしいほどの興奮を呼び起こしていた。
やがてお開きになり、 「もう典子ったら、調子に乗り過ぎよ」と薫さんが嗜めながら帰っていく声が聞こえた。 オレはベッドに横たわっても、まったく眠れなかった。 母の過去。オレの知らない、女としての『千春』。 もっと知りたい。澤田とは何者なのか。母はどんな顔で男に抱かれていたのか。 ふと、典子さんの顔が浮かんだ。 物心ついた頃から『親戚の陽気なおばさん』のごとく接してくれた彼女なら、オレのこの歪んだ欲望を笑い飛ばして、真実を教えてくれるのではないか。母の全てを知るであろう典子さんに、縋ってみようと思った。
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Re: 遍歴
土屋
:2026/07/10 (金) 21:33 ID:/s2UYcao No.32932
- あれは私たちが社会人1年目の、とにかく仕事に追われて、忙しくて自分を見失いそうだった頃の話。と、秀島は語り始めた。
千春ちゃんはね、最初から際立つ存在だった。美人でおしゃれで、気が利いて。すぐに花形部署に配属されて、みんなに可愛がられていた。私も、男たちから彼女を紹介するように何度言われたことか。紹介できるほど仲よくないって返していたけど。私は最初広告担当でね、彼女のことが羨ましかったんだわ。 秋を過ぎて、年末が近づいたころ、私と千春ちゃんはあるプロジェクトで一緒になった。彼女は原作、私は広告担当で。私たちは研修以来、久しぶりに近くで接することになった。実は少し意外だったわ。私の知っている千春ちゃんのキラキラした感じがなかったから。その時は、彼女も仕事に揉まれて大変なんだとしか思わなかったけれど、ある晩、声をかけられたの。『芽衣ちゃん、たまには飲みに行かない?』って。私はOKした。断る理由もなかったし、あの水野千春が自分から誘ってくるなんて、悪い気がしなかったから。
水野は母の旧姓だ。語られているのは、オレの存在しない時間の母の姿なのだと実感する。
千春ちゃんに連れて行かれたのはね、と秀島が続ける。
赤坂にある暗く静かな個室の居酒屋だった。花形部署との差を見せつけられた思いがしたわ。千春ちゃんは普段からこういうところで飲んでいるんだって。私が取引先と行く店はもっとずっと雑多で気安かったから。とりあえずビールで乾杯して、「久しぶりね。声かけてくれてありがとう、うれしい」って、最大限感じよく、親しい同期の女子を装った。だって、対等でいなくちゃ情けないじゃない。 『こっちこそ、ありがとう。パーっと飲みたくって』 その千春ちゃんの言葉に、私は違和感を覚えた。ただ楽しくしたいなら、こんな店を選ぶはずない。パーっとしたくなる、何かを抱えているんだと思った。 「千春ちゃんにもそんな時があるんだね。パーっと飲も飲も。溜まってること、吐き出しちゃお」 私は親友に立候補するような態度で、千春ちゃんの内側をのぞくことに決めたの。
最初は仕事の話をした。私はそれしか関心がなかったから。水野千春が実は仕事に悩んでいるなら、面白いじゃない。でも、どうも違う。出てくる話は順調そのものだった。 なんだ、悩みは男かと、残念に思ったのを覚えている。その類の話は私には関係がない。だから、ただ彼女の不幸を嗅ぎ取りたいためだけに、「彼氏とはどうなの?」と聞いた。 『彼氏なんていないよ。入社してからすれ違っちゃって、配属されてすぐ別れた』 「そっか、忙しいもんね。千春ちゃんなら、また素敵な人が現れるわ」 私は適当に返した。 少し間が空いた。 「ねぇ、千春ちゃん、パーっと飲みたくなるような何か、吐き出せてる?」 『え?楽しいよ』 「私、まだ何か、聞けていないんじゃないかと思って」 『やっぱり鋭いな、芽衣ちゃんは。さすが、同期一の才媛ね』 こういう一言が本当に嫌な女よ。私がうれしくなってしまったから。 彼女は続けた。 『吐き出したいのに話すのが怖くて迷っていたんだけど。私ね、家に帰りたくないの。…嫌な男がいて』 私は一瞬、混乱した。でも、すぐに、家に彼氏とは呼べない男がいて、好ましい関係ではないのだと理解した。それで思ったの。これは、水野千春の内側をのぞく入り口が開いたんだって。そこからは寄り添う親友のフリよ。優しく、丁寧に話を聞いて、千春ちゃんのみっともなくて惨めなエピソード1つでも取れれば成功と思ったわ。
「男って、彼氏ではないのね?」 『うん、そうなの。彼氏ではなくて。家に居ついちゃって』 「つまり、男女の関係ってことよね?」 『そう、…そうなっちゃったの。認めたくないけど』 「何が嫌なの?」 『すべて、すべて嫌なの』 「難しいのかもしれないけど、その人から離れられないのかしら?」 『離れたいよ、今すぐ離れたい。だけど、出て行ってほしいって言っても、いつもはぐらかされて終われなくって。もうどうしたらいいんだか』
初めて見る、千春ちゃんの追い詰められた顔。だけど、それがきれいだったのよ。女の私から見ても艶かしくて。そのまま視線を下ろして、彼女の身体を見たわ。白いブラウスに押し込まれて窮屈そうにしている胸、一点を目指すようにラインが収束するウエスト、タイトなスカートが明らかにしている丸く張ったお尻。組んだ脚の筋肉と足首はヒールと一体化した造形のようだった。この身体が、本人の望まない男に好きにされている。明らかにおかしな話よ。 それで思ったの。この話を解き明かすことは、水野千春を踏みつけるチャンスなんじゃないかって。
オレに語る秀島が歪に笑う。その淫靡な表情に、母を辱めて欲しいという期待が暴走しようとしていた。
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Re: 遍歴
スナフキン
:2026/07/11 (土) 11:53 ID:4foysDFM No.32933
- 予想外の展開です。楽しみでなりません。
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Re: 遍歴
一寸法師
:2026/07/11 (土) 11:56 ID:F7BxavFg No.32934
- いい感じですね。千春さんがどのような人生を送ってきたのか。楽しみです。
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Re: 遍歴
土屋
:2026/07/11 (土) 21:33 ID:XUA9kpmE No.32937
- スナフキン様 楽しみにして頂けて幸いです。続きです。
一寸法師様 ありがとうございます。お言葉を励みに進めます。
男の名前は、藤野といった。千春ちゃんとは就職活動のイベントで知り合っただけの、ただの同学年。もちろん別の大学。当時は情報交換ていう名目で、就活で知り合った学生同士がよく連絡先を交換していたの。だけど、その後も連絡を取るなんていうことは希で、千春ちゃん自身、藤野のことは忘れていたって言ってたわ。
ところが、入社後の新人研修が終わって、配属されてしばらくしたころ、連絡があったって千春ちゃんは言った。
『蒸し暑くなってきた頃だったの、突然メールが来て。「就活イベントで一緒だった藤野です。友達から、水野さんが出版社で活躍しているって聞いて、色々教えて欲しくて連絡しました」って』
私は、そのメールで男のことを思い出したのか聞いた。
『思い出せなかった。そのイベントは覚えていたけど、藤野くんのことは忘れていたの』 「それで、何て返事したの?」 『私は電話で話すぐらいのつもりで返したんだけど、会うことになって。会えないかって言うから』
私は驚いた。忘れてしまう程度の相手と、わざわざ会わないでしょう。どうして会うことにしたのか、聞いたわ。 千春ちゃん、少し考えてから、『今思うと』って付け加えて言った。
『助ける側になりたかったんだと思う。彼氏と別れて1か月ぐらいで、仕事はいっぱいいっぱいで。話を聞かせてって求められるのは、悪い気がしなかった』 「肯定される気がした?」 『…うん、そう…』
私には、既に彼女が惨めに見えていたわ。自分の価値の承認を、そんなワケのわからない男に求めるなんて。だから、もっと貶めてやろうと思った。
「千春ちゃん、聞かせて。何があって、いま、どうしているのか。私、ただ聞くよ」
ありがとうって言って、彼女は話し始めた。醜悪極まりない転落を、物語であるかのように。
『藤野くんとは、表参道のイタリアンで待ち合わせたの。仕事の後で行ったら、もう座っていて。金髪で、根元が黒くなってて、ヨレたTシャツに破れたジーンズだった。顔は、見ても思い出せなかった。あっさり顔だからかな。色白で、まぶたの重そうな目をしているの。無精髭で、お店では浮いていたかな』
もう形容の全てが、冴えない男を描いていたわ。
『藤野くん、私のことをスゴイスゴイって言って、自分は就活うまくいかなくてバイトなんだって。だから私、言ったの。就活は縁もあるから、またチャレンジするんでしょって。そうしたら、一気にしゃべりだした。マスコミ志望で、就職留年も多い業界だからきっと大丈夫。今回は面接官が話の通じない人間で、くじ運が悪かったって言うの。私すぐに、あぁ、この人の感覚は私たちとは違うんだって思ったよ。だけど、そうも言えないから、今はどんなことをがんばっているの?ってきいた。そうしたら、こうやって成功した人に会ってアドバイスもらってるって。だけど、藤野くん、一度も私に質問しなかった。結局、自分は能力があるのに認められないだけ、わからない相手が悪い、世の中が腐っている、そんなことを並べ立てるだけだった』 「その男、本当に最悪ね」 『私もそう思って、ほどほどにして早めに帰ろうと決めた。明日も早いからそろそろって。だけど、もう少し聞いて欲しい、アドバイスが欲しいって、繰り返しで。気がつけば閉店時間。追われるように店を出て、地下鉄に乗った。藤野くん、同じ路線だって言うから。それで一緒に数駅乗って私が先に降りて、地上に出て歩き始めた時だった。水野さんて、呼び止められたの。藤野くんだった。私が驚くと、すぐに謝ってきて、どうしてももう少し話したくて降りてしまったって。明日早いから無理って断った。そうしたら、あと少し話せたら何か見つかる気がする、だから見捨てないで欲しいって。だけど、もう近くに開いているお店なくて』
千春ちゃんはそこで黙った。 私は待った。
『…藤野くんが、水野さんの家に寄っちゃダメかなって。少し話せたら、すぐ帰るからって。…それで私、30分だけならって言ったの』
それを聞いて卒倒しそうになったわ。そんな底辺の男を自分の家に招くなんて。 千春ちゃんにあったのは、見捨てたと思われたくないっていう見栄と、自分に邪気が向けられることなどあるはずがないっていう自惚れだけ。この時、多分本当に、そんな最低の男と自分が肉体関係を持つことになるなんて、思っていなかったのよ。
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Re: 遍歴
一寸法師
:2026/07/12 (日) 19:11 ID:iBWAuTBA No.32939
- そのころの千春さんは男を一人暮らしの女性の部屋へ受け入れる女性だったのですね。
まだ世間知らずだったのでしょうか? 千春さんの人生の中で一番イレギュラーな時期だったのですね。 更新を楽しみにしています。
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Re: 遍歴
土屋
:2026/07/18 (土) 18:33 ID:F9VE2n/. No.32969
- ※このコンテンツに登場する人物は全員が仮名で、実在の人物・団体とは一切関係ありません。一部に過激な表現が含まれますのでご注意ください。
一寸法師様 ありがとうございます。更新します。
千春ちゃんのマンションは都心に程近い住宅街にあった。藤野はその立地に感嘆した。 オートロックを抜けて、2人でエレベーターに乗り、部屋に入る。一人暮らしには十分な1LDK。千春ちゃんがコーヒーを淹れている間、藤野は物珍しそうに部屋を見回していた。
マグカップを渡すと、藤野がしゃべり出した。今度は質問だった。 「水野さんは俺の強みは何だと思った?」「俺が人より優れているのはどこだろう?」「俺を求めてる企業はどこだと思う?」 すべてが自分への承認を求めるものだった。 だけど、そもそも藤野に認められる点なんてなかったから、千春ちゃんは適当に合わせた。 「これからのことを考え続けているのは、思考力があるからだ」とか、「積極的に人に関わろうとする姿勢は、どんな仕事でも強みになる」とか。 ちやほやされるばかりのお姫様は知らなかったの、その程度のお世辞や建前すらラブコールとして受け取る種類の人間がいることを。
藤野は千春ちゃんの隣に擦り寄って、お礼を言った。 「ありがとう。俺の力を認めてくれるのは水野さんだけだ」って。 ここでやっと、千春ちゃんは距離の詰め方を怖いと感じた。でも、もう遅かった。 藤野が肩に腕を回して、千春ちゃんの頭を包もうとしていたの。 『いやっ』 さすがのお姫様も慌てた。力の限り突き放して、脱出した。当たり前よね、誰だってそうするわ。 だけど、おそらく藤野はショックを受けた。自分を認めたはずの女が裏切ったと捉えたんじゃないかしら。
「なんで?水野さん、俺のこと、認めてくれてるんだよね?励ましてくれるんだよね?」
千春ちゃんはやっと自分のミスに気付いた。
『ごめんね、藤野くん、そういうつもりはないから。きょうは帰って。ごめん。本当に。相談ならいつでも乗るから。だから、きょうはもう帰って』
千春ちゃんは懇願した。 藤野の顔から表情が消える。 立ち上がって、1歩2歩と近づく。 次の瞬間だった。 パチンという音がして、千春ちゃんの目の前で火花が散った。床に手をつく。 それで千春ちゃんは、頬を叩かれたことを理解した。 痛い、という声は出なかった。 生まれて初めて、力を行使されたショック。 そして、藤野が怒鳴り声を上げた。 「馬鹿にするなよ!俺を見下すなっ!いい気になって他人を馬鹿にして、満足かよ!!俺だって、俺だって、俺だってさぁっ!!」
藤野は、千春ちゃんの両肩を掴んだ。体重をかけ、そのまま床に押し倒した。 『い、やぁっ』 千春ちゃんも抵抗するけど、男の力には敵わない。藤野の指が千春ちゃんの白いブラウスのボタンにかかる。 『やめてっ、やぁっ、やめっ、てっ』 逃げようと身体をよじる。でも、藤野の体重で自由が効かない。ボタンはあっという間に全て外された。 線の美しい鎖骨が現れる。 藤野はそのままブラウスを剥ぐと、躊躇いもなくキャミソールをまくった。奪われないようにする千春ちゃんの腕をとって、片方ずつ抜く。 千春ちゃんの上半身に残ったのは、他人に見せるはずのなかったパープルのブラだけだった。 「なんだ、水野さん、下着、ちゃんと準備してくれてたんじゃないか」 『やめて…お願い、藤野くん…』 震える声で拒絶しても、男は止まらない。 藤野の骨ばった手が、ブラごと千春ちゃんの豊かな胸を掴む。指が食い込む。 『痛い、痛い、ってぇ』 「うあ、大きいっ、大きいね」 藤野の右手が薄い紫の肩紐にかかる。 「水野さんの勝負下着、キツそうだから外してあげるよ」 『やめてっ』 千春ちゃんの抵抗でうまくいかない。藤野は肩紐を諦めて、両手を背中に回すとホックを探し始めた。 「大丈夫だよ、もうすぐ、水野さんの期待通りだから」 『や、だめ、だめ』 プツッと音がして、千春ちゃんの胸が軽くなった。 「ほらぁ」 藤野がカップをまくる。裏返ったブラが千春ちゃんのアゴの下で涎掛けみたいになる。 「水野さん、きれいだ。こんなにきれいだなんて。ココ、ピンクだよ」 千春ちゃんはブラを元に戻そうとする。 藤野が抜け目なく制し、そのまま千春ちゃんのこぼれるような胸を直につかんだ。 「おほおっ、すげっ、やわらけえっ。なんだこりゃ、なんだこりゃっ」 『やめて、お願い、やめてっ』 「大丈夫だよ。もう大丈夫だから。気持ちいいでしょ?気持ちいいよね?」 藤野は千春ちゃんの胸を揉んだり潰したり、ピンク色の乳首を転がしたりした。 千春ちゃんは抵抗していたけれど、体力だって消耗していく。 「よし、水野さんが楽しみにしていたことしようか」 藤野は膝立ちになり、破れたジーンズを下ろし、下着も脱いだ。千春ちゃんの目の前に、藤野の忌まわしい執行具が姿を現した。
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Re: 遍歴
一寸法師
:2026/07/24 (金) 09:42 ID:0GlQdqKs No.33001
- 藤野との関係は千春さんにとっては黒歴史だと思いますが、そこから脱却して現在の「幸せ」があるのかと想像しています。更新を楽しみにしています。
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Re: 遍歴
土屋
:2026/07/24 (金) 19:35 ID:X/cgG.rs No.33002
- 一寸法師様 いつもありがとうございます。続けます。
藤野にとって、それは処刑だったんじゃないかしら。
千春ちゃんを押さえつけ紺のフレアスカートをめくり上げると、ベージュのストッキングに覆われた千春ちゃんの下半身が露わになった。藤野はストッキングを脱がせようとするけれど、長い両脚が抵抗する。藤野は苛立って、強引に引っ張る。 ビリっと音がしてストッキングが破けた。それが合図かのように、藤野は更に破いて、彼女の股間の周りを露出させた。 『いやぁ、やだっ。やめて、やめてぇ』。 ストッキングに開いた大きな穴に、レースに飾られたパープルのショーツと、血管の透き通る2本の大腿が現れた。 「水野さん、パンティーもブラとお揃いにして、マジでそのつもりだったんでしょ?もうすぐ叶えてあげるからね」 千春ちゃんは呻きながら、首を横に振った。 構わずに、藤野の手が千春ちゃんのショーツのクロッチを横にズラす。 現れた彼女の体内への入り口。 そこに藤野は自らの執行具をあてがった。 『ダメダメ、お願い、藤野くん、やめて、入れないでっ。こんなの、嫌っ。待って、ダメっ、入れちゃ、やっ、やぁっ』 先端が侵入を始める。 「まだ、締まってるかな。ちょっとがんばろうね」 藤野が強引に腰を押し付けた。 『あ、あ、痛いっ、いぃっぎっ、痛い、痛い。いだっ、いたぁいぃっ』 準備もないまま入れられることがどれほど苦痛か。男にはわからないでしょう。 千春ちゃんの身体の中に、藤野のアレが全て押し込まれた。 「水野さん、ひとつになれたよ。どう?まだ乾いてるけど、そのうち気持ちよくなってくるから」。 千春ちゃんは目をぎゅっと閉じて、藤野の腰の運動に耐えた。動かれる度に激痛が走る。 藤野の息が弾んでくる。 「あぁ、だぁいぶスムーズになってきた。水野さん、感じてきたんでしょ?」 千春ちゃんは答えない。 「いいんだよ、声を出して。今は気を張らなくていいから。俺が水野さんの心も身体も受け止めてあげるよ」 本当に救いようのない獣物。 でもね、この時だった。
千春ちゃん、自分の中に違和感が生まれたって言った。 ふと、凄惨な現状を上から見下ろすような自分が現れて、藤野の痩せた背中と前後する尻、その下で顎を上げて仰け反り、シーツを掴み、脚を広げて揺らされる自分自身を見た。想像を絶する屈辱と惨めさ。それなのに、その惨状に、恍惚とする感覚に気づいた。 次の瞬間。
「あ…はっ、んっ… 」 女の声が漏れてしまった。 当然、藤野が気付く。 「ああ、水野さん、やっと正直になったね。いやらしいなぁ」 『んっ、んっ、んんーっ』 「いいんだよ、もっと声出して。気持ちいいなら、そう言わないと」 『だ、だめ、だめぇっ、んぐっ』 「もう、水野さん、ほら、もっと声出して」 藤野の腰がペースを上げる。 『んあっ、んあぁー、あっ、あぁ、あぁ』 「水野、さんっ、どう?俺の、どう?」 『嫌っ、んがっ、あっ、ヤダ、ん、んんっ』 「ヤダじゃないだろぉ?どうなの?言えっ」。 『んっんっ、んんっ、あっ、あっ、いっいっ』 「言えって」 『いんぎぃっ、イイ、イイ、き、きもち、いいぃ』 千春ちゃんの全てが崩れ去った瞬間だった。 「水野さん、ほら、俺たち相性いいだろ?」 そう言うと、藤野はまた千春ちゃんの胸を掴んで揉みしだき、ピンクの乳首に吸い付いた。 『あぁ、あー、イイ、あぁん、あぁ、イイよぉ』 「水野さん、応えてくれるんだね。最高だ。あぁ、スゴイ。愛してあげるよ」
藤野がより深く、腰を使う。 「んん、締まりがいいね」 千春ちゃんの胸を舐めたり吸ったり弄ぶ。 『はっ、はぁ、あ、あふ。はぁん、あぁ』
藤野の息遣いが荒い。 「ふー、水野、さん、俺もう。このまま、いいよね?俺の、あげるから」。 快感に浸り始めていた千春ちゃんは慌てた。中で出される。 『ダメッ、中は、本当にダメッ、やめて、お願い、藤野くん、中は、ダメェッ』 「え?ダメ?あ、出る。間に合わない。このまま、水野さんっ、出すよ。あっ、くっ、ぎ、い、いぃ」 パンパンに膨れた藤野のモノが脈打つ。注ぎ込まれる最底辺の男の種。 『だぁ、あっ、あぁっ、だぁめぇ。おぁ、おあぁぁ、おぉー』 千春ちゃんはお腹の中で迎えるしかなかった。
行為が終わると、藤野は千春ちゃんに擦り寄った。 「ごめん、水野さん。俺、どうしても我慢できなくて。驚かせちゃったよね。ごめん。でも、うれしいよ。俺のこと受け入れてくれて。最高に気持ちよかった、水野さんの中。俺、いま幸せだよ」。 そう言って、千春ちゃんの首筋から鎖骨、乳房へと唇を這わせた。藤野の左手は千春ちゃんのお腹から下腹部を撫でていた。まるで、自分の種が育まれるのを念じるように。 その間、千春ちゃんはただ天井を見ていた。どこを見るでもなく、見ていた。 藤野が千春ちゃんの唇に唇を重ねた。彼女はもう逃れようとすらしなかった。
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Re: 遍歴
土屋
:2026/07/25 (土) 11:03 ID:874d0Qq6 No.33006
- 「震えているわね」
秀島に指摘され、上下する膝と制御できないほど揺れる上体に気づく。呼吸がうまくできない。 オレを産む前、母はアソコに、父ではない最低の男の種を注がれていた。 股間が痛いほどになっている。 秀島が、オレのズボンの膨らみを一瞥する。 「まぁ、コーヒー飲んで、少し落ち着きましょ」 穏やかな目を向けられた。
「私ね、君が生まれたから、編集者になれたの」
オレは目線で疑問を示した。
「千春ちゃんが結婚して妊娠してお休みに入って、花形部署で要員の補充があってね。それで、かねてからの私の希望が叶えられた。千春ちゃんがいなくなったから、道が開けた。こんな屈辱ないわ。でも、せっかく掴んだチャンスだったから、精一杯仕事した。それでわかったの、千春ちゃんには敵わないって。君のお母さんはね、仕事にかけては天才なのよ。誰にも媚びず、腕力も振るわず、ただ存在するだけで人を動かせる。中身がないくせにね。水野はこうだった、こうしていたって言われて、随分心をすり減らしたわ。だから、彼女の復帰が決まった時、私は会社をやめた。出版社の最前線を経験できたし、新人の時からの広告とか宣伝のスキルはあったから、掛け合わせた方が強くなれるって思ってね。今、それは正解だったって思ってる。業界と切れたわけではなかったから、お母さんのウワサは伝わってきていたわ。どれも、天才だと思った私の直感を裏付ける話ばかり。独立すればいいのにね」 最後は独り言のようだった。
秀島が一口コーヒーを飲んだ。 「少しは落ち着いた?」 口をついて出たのは、疑問だった。 『その、母は無理やり犯されたってことですよね?警察に行かなかったんですか?』 「確かに、今の感覚ならそうするわね。でも、あの頃は違った。犯された女の訴えなんて、まだ不当に扱われる時代だった。だいたい、あのプライドの高い千春ちゃんが、家に上げた男に犯されましたなんて、訴えられるわけがない。それに、何よりね、千春ちゃんはこの話を被害としては語らなかった。経緯を明かしただけ。だって、藤野との関係は、それが始まりだったんだから」。 『なんで、暴力を振るわれて無理やりされて、気持ちも何もないのに、母はそんな男と関係を続けたんですか?』 「そうよね。当然そう思うでしょ。大丈夫よ、話はまだ続くから」
穏やかだった目がどこかを眺める。 笑みを押し殺したような表情で、秀島は再び話し始めた。
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Re: 遍歴
一寸法師
:2026/07/25 (土) 17:57 ID:wk5ZMaiQ No.33007
- 秀島さんの千春さんへの複雑な想いは、人間ならば誰でもが持ち合わせる、
ある意味自然な感情だと思います。 私の過日の経験と重ね合わせて感慨深く拝読いたしました。 引き続きよろしくお願いいたします。
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