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[1] スレッドオーナー: 八尾 :2026/08/11 (火) 20:41 ID:OnlBOyrY No.33067
1.

私、八尾和徳、五十七歳。
どこにでもいるようなサラリーマンであり、自分で言うのも変だが、典型的なオッサンだと思う。とは言っても“オッサン体型”というほどではく、他人からも年齢よりも少し若く見られているくらいだ。
身長は一六四センチの中肉中背で、健康診断でも血圧に黄色信号が灯りかけている程度、このまま本格的に赤信号へ突入するのはさすがに嫌なので、最近は意識的に帰宅後にウォーキングを始めた。

勤務先は中堅の電子機器メーカーの国内営業部で、一応は東日本地区の法人開拓チーム長という肩書がある。とはいえ、年収六百五十万ほどの平穏なポジションだ。
同期や後輩が順調に出世していくのを横目に、すでにレースからは外れた身として、マイペースに日々をこなしている。

我が家の一人息子もすでに独立して県外で暮らしており、今は三つ下の妻・由希子と二人きりだ。自分でも少々照れ臭いが、私はかなりの愛妻家だと思う。

ただ、その「愛しさ」と「男としての自信」は、ここ最近うまく噛み合っていない。

気がつけばセックスレスになって約十年ほどが過ぎていたが、最近になって急に EDの兆候が現れ始めたのだ。
愛する妻を目の前にしながら、情けなく萎えていく己の肉体。不甲斐なさと焦燥感が、ふとした瞬間に胸の奥を重く押し潰す。

そんな私は、夕食を終え、風呂も済ませ、パジャマ姿でリビングのソファに腰を下ろしてテレビ画面に釘付けになっていた。

六月に入り、プロ野球はセ・パ交流戦の時期を迎えていたのだ。

この時期になると、普段は対戦することのないセ・リーグとパ・リーグのチームが顔を合わせるので、私はレギュラーシーズン以上にテレビ中継が気になってしまう。

今夜もそうだった。

別に熱狂的なファンというほどではないのだが、昔から応援している贔屓チームがある。勝てばもちろん嬉しいし、負ければ翌朝まで少し気分が悪い。

贔屓チームは交流戦で、目下三連勝中。
そして今夜の相手はパ・リーグの強豪だった。
否が応でも私は期待をするしかなかった。

ところが贔屓チームの今夜の試合は、一点差のビハインド。
何度か巡ってきた得点チャンスを、ことごとく逃してしているのだ。七回裏もそうだった。

「あぁ〜、なんだよ! またダメかぁ〜。今日も負けだな」

缶ビール(発泡酒)片手に、ため息とともに思わず声が出た。
選手に文句を言っているわけではない。五十七歳にもなって、テレビの前で野球に腹を立てても仕方がないことくらい、私だってわかっている。
それでも、長年応援しているチームの試合となると、つい感情が入ってしまう。

そして、まるで私のガッカリした気持ちをあざ笑うかのように、画面はCMに切り替わった。

私はふっと背後を振り返った。
夕食後の食器を洗い終えた妻の由希子が、ダイニングの椅子に座っていた。

私たちは結婚して二十七年になる。
由希子は昔から家事をきちんとこなす女だった。特別几帳面というわけではないが、やるべきことはきちんとやる。仕事もそうだし、家のこともそうだ。

その由希子が、今夜は少し変だった。

ダイニングテーブルの上に置いたスマートフォンを両手で持ち、画面をじっと見つめている。

いつものようにテレビを眺めながら、私と適当に会話をしている様子ではない。
それどころか、眉間にほんの少し皺を寄せ、真剣な表情で画面を追っていた。

私はCMが終わるのを待って、再びテレビに向き直った。

やがて野球中継が再開される。

私は再び試合に集中しようとした。

しかし……
どういうわけか、視線の端に映る由希子の姿が気になった。

(そういえば……)

ここ一週間くらいだろうか。
いや、十日ほど前からだったか。
いや、もしかすると、もっと前からかもしれない。

由希子がスマホを見る時間が、妙に増えている気がする。
もっとも、私が見えている範囲だが。

朝、出勤前に私が身支度を整えている時。
休日の昼間、家事が一段落したとき。
夕方、私が会社から帰ってきたあと。
そして今のような、夕食後の団欒の時間にも。

もちろん、スマホを見ること自体は珍しいことではない。

私だってニュースを見たり、天気予報を確認したりする。
YOUTUBEだって、贔屓チームの応援サイトだって覗くこともある。

だから、それまでは特に気にも留めていなかった。

ただ……

最近の由希子は、何かを楽しんでいるというより、何かを探しているように見える。

(何かあるのかな?)

そう思ったときには、もう私は口にしていた。
試合はそっちのけで。

「なぁ、最近スマホばっかり見てない? 何か面白いサイトでも見つけた?」

由希子は顔を上げなかった。

「うーん…… 別に、というか、ぜんぜん面白くないよ」

彼女は そう言って、少し間を置いた。


[2] Re: 妻の転職  八尾 :2026/08/16 (日) 12:27 ID:3026V4dM No.33087
2.

「だって転職サイトだもん」

由希子は、あっさりというより、どこか投げやりなトーンで返してきた。
リビングの照明は柔らかく、ナイター中継の音声だけが、静かな部屋に響いていた。

「……転職?」

私は思わず聞き返えすと、由希子はそこで初めてスマホから顔を上げた。

「うん。今、行ってるところ、ちょっと疲れてきたというか…… 嫌になってきてるから」

「何? トラブル?」

「うん、まぁ……」

由希子はそう言って、少しだけ困ったような顔をした。

由希子は身長一五六センチ、体型は昔から変わらずどちらかと言えば小柄だ。
若い頃から派手な装いは好まず、今日もボブヘアにノーメイクに近い顔、上はシンプルな綿シャツに、下は定番のネイビー色のパンツという落ち着いた装いは、彼女らしく無難なスタイルだ。
特別な美人というわけではないが、愛嬌のある笑顔と真面目な人柄で、誰からも好かれる可愛らしさがある。だが、根が真面目で少し人見知りな分、他人の感情に敏感すぎるのが玉にキズだった。

そんな彼女が、綿シャツの上から自分の腕を抱え込むようにして小さく肩をすぼめている。

「……どこにでもある、女特有の世界ってやつ……かな」

そして、ようやくスマホをテーブルの上に置いた。
私はテレビの音を少しだけ絞った。

「女特有の?」

「うん…… 人間関係……」

由希子は小さく息を吐いた。
その表情には、怒りとか悲しみといった、はっきりした感情は見えなかった。
むしろ少し疲れたような、諦めたような顔だった。

聞けば、今の勤務先である食品加工工場で、惣菜やお弁当のパック詰めをしているパート仲間は、ほとんどが主婦だという。

そして年齢もかなりの幅がある。

六十代を中心とした、いわゆるベテランのおばさんたち。
そして三十代から四十代を中心とした、いわゆるヤングママ世代。

どうやら、その二つのグループの間に、以前から何となく対立するような空気があったらしい。
もちろん、誰も面と向かって「私たちは対立しています」などと言うわけではない。
しかし、休憩時間に誰と一緒にいるか、誰の愚痴に同調するか、誰が誰の悪口を言っているか、そういう細かなことが積み重なって、いつの間にか二つの陣営を作ってしまったのだと。

そして、その間にいたのが由希子だった。
由希子自身は、どちらにも加担するつもりはなかった。

それが、かえってよくなかったらしい。
片方から愚痴を聞かされれば、もう片方からも愚痴を聞かされる。

「八尾さんは、どう思いますか?」
「誰々さんって、わがままよね、そう思わない?」
「ゆっこ(由希子の愛称)ちゃんは、どっち?」

当初、そんなことを聞かれ 適当に相槌を打っているうちに、今度はそれぞれのグループから、まるで自分たちの側に来てほしい と言わんばかりの“オファー”まで受けるようになった。

そして日を追うごとに、それがますます激しくなってきたという。

「中立のつもり、というか、距離は取っていたつもりなんだけどね」

由希子は苦笑した。

このような険悪な職場環境から逃げ出したい という思いもあって、最近 彼女は工場の加工現場ではなく、最寄りの「道の駅」に展開している直営販売店でコロッケや惣菜の売り子として出向くようなシフトに さりげなく入り込むようにしたという。
意外だが そこで販売しているコロッケ、そこではメロンパンと並ぶご当地人気商品になっているらしく、連日お昼時には行列ができるほどとのこと、忙しさは変わりがないが、加工場の重たい空気とは違い、外の風が通る売り場はまだ気が楽らしい。

ただ、そうなると今度は……

「いつの間にか、両方から裏切り者みたいに思われてるみたいなんだよね……」

「へぇー……」

「女の世界って、ほんと厄介。嫌になっちゃうよぉ」

由希子はそう言って、また小さく息を吐いた。その吐息は、部屋の空気を少しだけ重くした。

そこから更に、ぽつりぽつりと話し始めた。

具体的な出来事、誰と誰が揉めたのか、どんなことを言われたのか、誰が誰に腹を立てているのか、誰が仕切っているのか などなど。

今日は今日で、

「八尾さんは わたしたちの側でしょ?」とか「ゆっこちゃんは、お店にエスケイプ?」

など、言われたらしく、

「それでね……」「だからね……」と由希子は続ける。

もちろん私は、話に出てくる女性たちの顔も知らないし、職場の雰囲気も知らない。
だが なんとなく、由希子の話を聞いているうちに、頭の中に少しずつ相関図のようなものが出来上がっていく。

今夜の由希子は珍しく饒舌だった。
普段の彼女は、家のことでも仕事のことでも、あまり愚痴をこぼさない。
何かあっても、自分の中で適当に処理してしまうところがある。
だから、こんなふうに由希子が次から次へと職場の話をするのは、私には少し珍しいことだった。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

[3] Re: 妻の転職  ファンファン :2026/08/17 (月) 10:33 ID:tWCQvmoc No.33089
文章の上手さと相まって、先の展開が全く読めずドキドキしてきました。五十路半ばの夫婦に何が起こるのか楽しみにしています。

[4] Re: 妻の転職  だいご :2026/08/19 (水) 12:33 ID:bS1LV2Bo No.33101
五十代の良妻賢母のお話、大好きです。
よろしくお願いします。


[5] Re: 妻の転職  八尾 :2026/08/19 (水) 16:07 ID:Yctq0E0Y No.33103
ファンファンさん だいごさん 応援、ありがとうございます。

3.

六月、梅雨のさなかの木曜日午後。
曇天で湿度の高い午後三時前、窓越しの陽射しは鈍く、濁っていた。

午後は雨が降らない、という予報を頼りに我が社の重要取引先のひとつである、ネオプレシス株式会社の本社ビルに着いた私は、いつものように受付を済ませた後で、ロビー片隅のベンチシートに腰を下ろした。

ガラス張りの吹き抜けロビーは強力な冷房が効いているはずなのだが、外から持ち込んだ熱気と過剰なくらいの湿気のせいだろうか、ワイシャツは背中に張りつき、じわりと汗が滲んでいた。

ネオプレシス社は、我が社のような中堅メーカーから見れば雲の上の存在と言っても良いくらいの大手商社だ。
自社ビル内の洗練された内装や受付の女性たちの整ったお辞儀を見るたび、自分が着ている量販店の廉価なスーツの安っぽさを無意識に意識させられる。
五十七歳。出世コースを外れ、泥臭い営業現場で這い回ってきた男の悲しさかもしれない(今更、嘆いても仕方がないことだが……)。

とりあえず、あと5分少々の時間調整だ。
やれやれ、と息をついたとき、社用スマホが震えた。

「ネオプレシス山口です。お世話になりまーす。 暑くなりましたねー お疲れさまです! 八尾さん、今日うちの購買部にお越しいただくみたいですね!」

「こちらこそお世話になります。今日はホント、蒸し暑いですよねー 先日は本当にありがとうございました。 いつもながら山口さんのおかげで助かりましたよ!」

「あっ、いやいや、私は何もしていませんから…… ところで、今 もうウチに?」

電話の向こうの声は、十年来の付き合いになる日欧営業部の山口主任。
彼は私よりも二つ年上の五十九歳、ネオプレシス社の古参で、いわば“番頭”格だ。
メガバンク出身という経歴の堅さと、懐の深さを兼ね備えた人物である。

彼の計らいのおかげで、私の所属するチームの売上目標が達成できていると言っても過言ではない。
特に先月は、こちらのわがままもあったのだが、これまでにないほどの無理な条件を飲んでくれて、なんとか成約まで漕ぎ着けることができた。
それが今月の私どころか、チーム全体の高評価にも直結していて、私は内心ずいぶんと感謝をしている。

「ハイ、たった今 御社に到着してロビーで涼ませてもらってますよ。でも今日は購買部さんと打合せですが?」

電話自体は何の抵抗もない。
しかし、なぜ私が今ここにいると山口が知っていたのか。
どうせ、うちの会社の誰かが、軽々しくも丁寧に情報を流したのだろう。調子の良い年下の上司の顔が、真っ先に頭に浮かんできた。

「いや……八尾さん、お忙しい中申し訳ないですが、今から十分ほどお時間よろしいでしょうか? ほんの十分で構いません、いや、そこまでかからないかも」

十年来の付き合いで、彼がそんな言い回しを使うのは記憶にない。
妙にかしこまった丁寧な口調だったが、どこか切迫した状況のようにも聞こえた。
この山口隆宏という男は、メガバンク時代に培った緻密な計算高さと、泥臭い情を合わせ持つタフネゴシエーターだ。その彼が、まるで上司の機嫌を伺う平社員のようにどこか焦っているように感じられた。

「2階西側の奥の応接室、お取りしていますので。購買部には私から一言いれておきます、というか、入れておきましたから大丈夫ですよ」

長年の関係というのは不思議なもので、相手が“何か言いにくいこと”を抱えているときの声音はすぐに察知できる。

ここまでの強引さと この慌てようだと十数分で済む話ではないな、と私は直感し、先月まとまった比較的大きな商談のことが頭を掠めた。

(何かミスったか? いや、そんなはずはない……)

念のため、私もいちおう予防線を張った。

「えらく急な話みたいですが…… まさか、この前の契約の件でガッカリするような話ではないですよね?」

「実はそうなんですよ、八尾さん……」 山口が低く声を潜めた。

「え? マジですか?」 私は一気に背筋が伸びた。

しかし……

「なーんて、冗談です…… アハハ、少しは涼しくなりましたか?  全く関係のない話ですからご安心を」

「山口さーん! まいったなぁー。 涼しいどころか、一気に冷や汗が出ましたよ」

「そうだと思って、お茶はこちらで用意しておきますから、手ぶらでどうぞ…… お待ちしてますね!」

「アハハ、ありがとうございます! 了解しました。 では、のちほど」

私は心底安堵して苦笑いを浮かべた。
こうした軽口を叩き合える人間関係があるからこその会話であり、先日の件ではないと分かっただけでも気持ちがぐっと落ち着いた。

(手ぶらでどうぞ とか……)

通話を切ったあと、私は思わず苦笑した。
だが同時に、どこかすっきりしない小さな違和感も胸の奥に芽を出していた。

(それにしても、こんなに急に…… なんだろう?)

自然と足早にエスカレーターに乗って、二階へと急いだ。
指定された応接室に入ると、私と変わらぬ背丈(百六十五センチくらい)の山口が笑顔で立っていた。

軽く会釈を交わすと、彼は冷えたペットボトルの緑茶を私に差し出し、着席を促した。

「いやぁ、すみません。お忙しいところ、ホントに申し訳ない」と恐縮する山口。

「かまいませんよ。それより、どうしました? ずいぶんと急なことなんですね」

「ええ、まあ…… ちょっとした相談です」

「仕事の? 相談ですか?」

「まぁそうですね…… んー、一応、まぁそういうことになります」

歯切れがわるく、どこか曖昧な口ぶりに、私はすぐ察した。
これはかなり難しい案件なのだと。

(ただ……先月の商談とは全く別の事だよな)

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

[6] Re: 妻の転職  :2026/08/19 (水) 18:18 ID:0oYNnyck No.33104
続きが待ち遠しい!

[7] Re: 妻の転職  八尾 :2026/08/22 (土) 12:31 ID:uUBZOVe2 No.33110
孝さん 応援、ありがとうございます。


4.

「今度、ウチに海外から賓客が来るんですよ」

山口が重々しく切り出した。

(おっ? もしかしたらこれは商談に繋がる話なのか? しかもビッグな)

一方の私は、思わず緩みそうになった口元を意識的に引き締め、身を乗り出すようにして返した。

「ええ、聞いてますよ。スイスの精密機器産業協会、だったかな?  そこの方が御社に、ですよね? ウチの上司もチームのミーティングで言ってましたよ、たしか八月末に来日されるとか?」

「そのとおりです。リチャード理事長です」

「え? 理事長が直々にですか! へぇー そりゃ大変ですねー」

「そうなんです、大変なんです。しかも……よりによってと言ったらなんですが…… 奥さん同伴の来日なんですよ」

「それは…… 夫婦で旅行ですか?  円安ですし羨ましいですね…… ジャパンツアー……」

私は多少の皮肉を込めたつもりだが、山口はそれには同調せず堅い顔のままで、

「それは何とも言えませんが…… 問題は…… その理事長ご夫妻をお迎えするにあたって、ホスト側も男女のペアで、丁寧におもてなしをする、というプロトコル上の指示が出ていましてね……」

「はぁ……?」

(ペア? 丁寧に? おもてなし? ご夫婦を? 指示?)

正直、私には山口が何を言わんとしているのか、まだ呑み込めずにいた。
ただ商談の話ではなさそうだということだけは、山口の歯切れの悪い口調から察せられた。一瞬高鳴った胸の鼓動が、急速に冷めていく。

強力な冷房の風が吹きつける応接室の中で、汗ばんでいた首筋がじわじわと冷やされていくのがわかった。

「……実はですね…… 今回の弊社側のホストが、副社長の森本なんですよ」

言いづらそうに言葉を区切った山口の表情は、いつになく真剣だった。

「森本副社長ですか……。なるほど……」

私は頷きかけたが、ふと思い当たる節があり、言葉を詰まらせた。

(ん? 待てよ……)

「山口さん、えーっと、違っていたら申し訳ないのですが、確か 森本さんて……」

私が語尾を濁すと、山口は一瞬だけ表情を硬くし、制するようにわずかに手を挙げた。

「ええ、お察しの通りです。森本は数年前に離婚しておりましてね」

山口は重苦しい溜め息をひとつ吐き出し、声を潜めた。

森本副社長――。
私は直接会ったことはないが、いつだったか私と同い年の五十七歳であることは山口から聞いたことがあった。
欧・米・豪・中と海外主要市場での勤務経験が長く、実力・実績ともに申し分のない次期社長の最有力候補だ。
だが同時に、彼の華々しい経歴の裏には、派手な女性関係に呆れ果てた妻に逃げられた、というような良からぬ噂も業界内でちらほら耳にしていた。
ただ、そんな汚点すら彼はむしろ勲章のように誇り、堂々とビジネス現場を駆け回ってきた人物だとも聞いている。
彼は本当の意味での「やり手」なのだ。

もちろん私のような営業前線のスタッフなんぞは、話をしたことなんてない、それどころか会ったことも、すれ違ったことすらない。経済誌のインタビュー記事や会社のHPでしか見たことのない雲の上の存在。

私と同年齢でありながら、片や華やかな大手商社のカリスマ副社長、片や泥臭い営業前線を這い回る冴えないチーム長。
私はそう思った途端、どこか不快な劣等感が胸を掠めた。

応接室の壁には、どこかの有名画家が描いたらしい重厚な油絵が飾られている。
我が社の殺風景な会議室とはまるで違う、一流商社ならではの調度品。
ふと窓の外に目をやると、梅雨時の濁った曇天がどんよりとこの部屋を見下ろしていた。

「……まあ、男前で仕事ができますからね。色々と尾ひれがつくのは有名人の税金みたいなものですよ」

山口は否定も肯定もせず、苦笑いで曖昧に濁した。
メガバンク出身の彼らしい、完璧な危機管理の顔だった。
そして、本題を切り出した。

「今回は、その森本の“パートナー役”を探しておりまして……」

「ん? パートナー?」

「あっ、あくまで欧米流のフォーマルなプロトコルに基づいた、ホスト側の同伴者、つまり森本が信頼する親しい女性として、テーブルに花を添えるレベルです。たとえば接待やフォーマルパーティの席でご一緒いただく程度の話でして、言うまでもなく深夜の男女の関係とか、そういう話では……」

いつも沈着冷静な山口が、急に苦し紛れに、しかも早口になったのが滑稽に映ってしまい、私は思わず、

「ハハ……山口さん、わかってますよ、そんなことは。 どうであれ早い話、先方が夫婦だから、御社としても森本さんの奥さん役を、ということですね?」

と、彼に話をしやすい雰囲気をつくるつもりで私は砕けた表現で言った。

「ええ、まぁ…… もちろん社交上の……ですね。あくまで国際基準のホスピタリティの一環として、賓客ご夫妻との親和性を高める形式的なもので、偽りの妻を演じるとか妻の代役では決してありませんので」

(でも結局、同じことだろ?)

真面目な山口らしい言い方だなと思いながらも、一介の出入りの営業担当に、このような相談をしてくれていることを、私は意気に感じていた。

(これは相談に乗ってあげないとな……)

私は腕を組み、頭の中で瞬時に選択肢を浮かべ、

「御社の中で適任は? たとえば森本副社長ご自身の秘書か、他の役員さんの秘書にお願いするのが一番スムーズでは? そういうアテンドも含めての秘書業務でしょう?」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

[8] Re: 妻の転職  小太郎 :2026/08/22 (土) 13:39 ID:sqkFrA86 No.33111
もしかして、副社長のパートナーに奥さんが選ばれるのでしょうか?

[9] Re: 妻の転職  勝手に妄想 :2026/08/23 (日) 21:40 ID:wBaH7jsk No.33117
ホスト夫妻は来日する理事長夫妻のスワッピング相手をすることになるのですか?

[10] Re: 妻の転職  八尾 :2026/08/27 (木) 00:01 ID:ziTb7cCw No.33126
小太郎さん 勝手に妄想さん 応援、ありがとうございます。


5.

「なにしろ森本にとっては、今が一番の勝負どころですからね……」

続いた山口の言葉に、私の頭をよぎったのは、目の前の山口自身こそ森本の強い引き抜きでメガバンクからこの会社に中途入社したという事実だった。

(ということは、これは山口さんにとっても絶対に躓けない勝負どころだな)

そう思い至ると、山口に対する長年の恩義に加え、一人の営業マンとしてのしたたかな計算がふっと芽生えた。
ここで彼に大きな貸しを作っておけば、来期の我が社の納入シェアにおいて絶大な優位に立てるはずだ。この難題の相談に乗ってあげることは、決して悪い話ではないと思えてきた。

かといって、私に解決に至りそうなグッドアイデアがあるわけでもない。

私は手元の冷えたペットボトルに手を伸ばすと、結露した水滴で湿った手の平を ハンカチで拭いながら、山口に対して思いつくままに助言を続けた。

「なるほど…… だったら秘書室ではなく、御社内の女性社員から広く募るというのはどうなんです? 優秀で社交的な方ならいくらでもいそうですし」

そう口にした私の脳裏には、先ほど 洗練された動作と品のある笑顔で丁寧に来客に応対をしていた ロビー受付の女性たちの姿が浮かんでいた。

私の意見にはすぐに山口が反応した。
彼は苦笑いを浮かべながら、ゆっくりと首を振る。

「今の時代、社員にそんな役割を打診すること自体がコンプラ上グレーです。 下手をすればパワハラやセクハラと言われかねないですし。 上からは『あくまで自主的な参加で』とか『積極的に自分発意で』、挙句は『ボランティアで』なんて、無責任な指示が出されていましてね。現場の私は完全に板挟みになってるんですよ……」

「あぁ、確かにそうですよね……」と私。

「それに、先方の奥さんの年齢に合う人となると、二十代や三十代というよりも、もう少し上の世代の方がバランスもとれますし、奥さんも親しみやすいはずです。 かといって体裁的には『理事長の来日に無理して間に合わせました』というようなバタバタした印象は持たれたくないのもありましてね……」

「なるほど、おっしゃる通りですね…… 年齢か…… あっ だったら、社員さんのご家族やご親族とか…… いや、もっと割り切って、外部の派遣・代行サービスなどを利用するのはどうです?  最近はパーティの同伴者をエスコートする専門のプロもいると聞きますが」

「もちろん それも検討しました。 ですが、社員の家族となると間違いなく人事評価への忖度や贔屓の噂が立ちます。 また、外部の代行業者となると、どうしても“夜のお店系”との混同リスクがありますしね。 いちおう弊社としても業界大手としての看板を掲げている以上、万が一にもそんな妙な噂を立てられるわけにはいかないんです。何より、遥々来日される理事長ご夫妻に、そのような不祥事や良からぬ噂でご迷惑をおかけするようなことだけは、絶対にあってはならないのですよ」

山口はゆっくりとした口調で そう言って深い溜め息をつくと、かけていた眼鏡を外し、疲れたように眉間を指で固く揉んだ。

打てる手はすべて潰された……

強力な冷房が効いているはずの応接室に、重苦しい沈黙が落ちる。
矢継ぎ早に出した私の提案は、山口の緻密なロジックによってことごとく潰されたのだ。

(やっぱりオレごときが知恵を絞っても力不足だったな…… まあ所詮は他社の社内事情だし、山口さんなら最終的にはうまく仕上げるのだろう)

私は一転して急速に他人事のような思考に切り替えつつも、表面上は一緒に頭を悩ませているかのように、神妙な面持ちを作ってみせた。

一方の山口は静かに眼鏡を掛け直すと、探るような、それでいてどこか覚悟を決めたような視線で、私をじっと見つめてきた。


[11] Re: 妻の転職  セカンドベースマン :2026/08/29 (土) 12:38 ID:K5W66lV. No.33143
続きが大変気になります。
いつも更新を楽しみにしています。無理のない範囲で
投稿よろしくお願いします。



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新スレmostbet_hmei - 現在のレスは1個です -

[1] スレッドオーナー: :2026/08/29 (土) 01:43 ID:KdS9ljrM No.33142
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境界線 - 現在のレスは45個、スゴイ人気のスレッドです! -

[1] スレッドオーナー: kuma :2026/07/08 (水) 05:27 ID:boS9avE. No.32916
雨の夕暮れ、リビングのソファに腰掛けた恵美子の指が、スマートフォンの画面を無意識に滑らせている。窓の外では、しとしとと降る雨がアスファルトを濡らし、車のヘッドライトがぼんやりと光る。二階からは、夫の隆がキーボードを叩くかすかな音が聞こえてくるだけだ。

彼女の目が、ふと一つの広告に留まった。文字は小さく、控えめなフォントで書かれている。「入墨師・緊縛師 出張致します」。一瞬、何かの間違いかと思った。こんな田舎町に、そんなサービスがあるはずがない。しかし、その言葉は彼女の胸の奥で、長い間忘れていた何かをそっと揺さぶった。

恵美子は五十三歳。専業主婦として、平凡な日常を送ってきた。若い頃はスレンダーだった体も、年齢とともに下半身に肉がつき、乳房も少し垂れてきたことを、彼女は鏡を見るたびに意識せずにはいられなかった。地味な服装で、控えめに振る舞う自分。しかし、心の奥底では、「自分はまだ終わっていない」という密かな焦りと渇望が、静かに燃え続けている。


[36] Re: 境界線  kuma :2026/07/30 (木) 20:28 ID:lh0WxnHc No.33023
コメント本当にありがとうございます 何とか続けて行きたいと思っています これからも宜しくお願いします
続きです

数日後、恵美子は昼間の静かな時間を選んで、あの番号に電話をかけた。

通話がつながると、相変わらず落ち着いた男の声が耳に届く。

「もしもし」

「あの……先日のお話、考えました」

恵美子の声は少し震えていたが、自分でも驚くほどはっきりとしていた。

「美咲さんに、お会いしたいです」

電話の向こうで、男が静かに息を吸う気配がした。

「わかりました。では、彼女に伝えておきます。明日の午後は、いかがですか」

恵美子は胸の高鳴りを感じながら、短く返事をした。

「大丈夫です」

翌日、恵美子は同じ古びたビルの一室を訪れた。部屋の中には、先日と同じように男が待っていた。そしてその横に、あの女性ーー美咲が立っていた。

美咲は三十代半ばだろうか。黒いシャツに細身のパンツという装いで、肩までかかる黒髪が静かな印象を与えている。彼女の瞳は恵美子を見ると、わずかに細められた。

「お会いできて嬉しいです」

美咲の声は低く、落ち着いていた。恵美子は緊張しながらも、しっかりとその目を見返した。

「私もです」

男が二人に軽くお茶を勧め、しばらくの間、穏やかな会話が続いた。美咲は恵美子の日常や、なぜこの世界に興味を持ったのかを優しく尋ねた。恵美子は最初は戸惑いながらも、次第に言葉が滑らかになっていくのを感じた。

やがて美咲が静かな口調で言った。

「恵美子さんの肌、とてもきれいですね。何か刻みたくなりました」

その言葉に、恵美子の心臓が大きく跳ねる。

「試しに、一つだけ。簡単なものを見せてもいいですか」

美咲はそう言うと、バッグから小さな紙包みを取り出した。中から現れたのは、一輪の薔薇のシールだった。繊細な線で描かれた、小さな花。

「これを、太腿に貼ってみませんか。本当に入れる前に、どんな感じか確かめてみるだけです」

恵美子は一瞬迷ったが、やがてゆっくりと頷いた。

スカートをまくり上げると、美咲が膝の上にしゃがみ込む。彼女の指が恵美子の太腿の内側に触れ、その場所を確かめるように撫でた。その指先は冷たく、しかし優しかった。

シールが肌に貼られる。ひんやりとした感触が広がり、やがて体温に馴染んでいった。

「よくお似合いですよ」

美咲が微笑んだ。

恵美子はその場でスカートを下ろし、家路についた。帰宅しても、太腿に貼られた薔薇のシールが気になって仕方がない。何度も触れてしまう。そのたびに、自分がまだ見知らぬ世界の入り口に立っているのだという実感が湧いてくる。

洗面所で一人、恵美子はスカートをまくり上げ、鏡に映る自分の太腿を見つめた。白い肌に浮かぶ一輪の薔薇。それはあまりにも鮮やかで、彼女の日常とは別の時間を刻んでいるようだった。

指でそっと撫でると、下腹部の奥が熱く疼く。股間がじわりと濡れていくのを感じ、恵美子は唇を噛んだ。


[37] Re: 境界線  ファンです :2026/08/01 (土) 00:22 ID:5WjtPJ72 No.33029
発端は麻縄の感触、次が薔薇のシール、M女は逃れる術無く堕ちていくしかないのでしょうか?

[38] Re: 境界線  ピカソ二代目 :2026/08/02 (日) 20:10 ID:.tGaiqHI No.33036
大変、恐縮ですが、恵美子さんの年齢53才が引っかかってしまいます。
40代前半の設定ではストーリが成り立たないのでしょうか。
義母は同年齢で孫2人のお祖母さんです。内容的には、引き込まれますが、お祖母さんの顔が浮かんでしまって感情移入できません。
閉経していることが今後の展開のキーになるでしょうか。
勝手な事を言って申し訳ありません。


[39] Re: 境界線  kuma :2026/08/03 (月) 06:06 ID:y/2u.mpY No.33037
ピカソ二代目様読んでいただきありがとうございます。
そうでしたか、年代は40代も考えたのですが
もしも次に何か書ければ参考にします。


[40] Re: 境界線  kuma :2026/08/04 (火) 11:38 ID:rtVypR0o No.33045
恵美子はその夜、ほとんど眠れなかった。

布団の中で夫・隆の規則正しい寝息を聞きながら、太腿に貼られた薔薇のシールに何度も指を伸ばした。昼間の美咲の指の感触が、肌の上にまだ残っているような気がする。あの冷たくて優しい指先が、自分の内腿を撫でたときの感覚ーー思い出すたびに、恵美子の身体の奥が熱く潤んだ。

翌朝、隆はいつものように早く起き、新聞を読みながらコーヒーを啜っていた。恵美子が台所で朝食の準備をしていても、彼の視線が彼女に向くことはない。背中越しに感じる夫の無関心が、昨日までの自分なら寂しさだけを募らせたはずなのに、今は違っていた。

むしろ、その無関心が恵美子を自由にしていた。

「ちょっと、買い物に行ってくる」

そう言い残して家を出ると、恵美子はポケットからスマートフォンを取り出した。震える指で、美咲の番号を呼び出す。通話ボタンを押すまでの数秒が、永遠のように長く感じられた。

「もしもし、美咲です」

その落ち着いた声を聞いた瞬間、恵美子の決意が固まった。

「あの……私、決めました。お願いします」

電話の向こうで、美咲が静かに息を吸う気配がした。

「わかりました。では、今日の午後はいかがですか」

恵美子は頷いた。声が出なかった。

その日の午後、恵美子は再びあの古びたビルの一室を訪れた。美咲は一人で待っていた。部屋の中央には施術用のベッドが置かれ、その横には小さなトレイに並べられた道具たちが静かに光っている。

「よく来てくださいました」

美咲が優しく微笑む。恵美子は緊張で肩が強張っていたが、美咲の穏やかな雰囲気に少しずつほぐされていった。

「どこに、入れたいか、考えてきましたか」

美咲の問いに、恵美子は一瞬ためらった。しかし、昨夜から何度も頭の中で繰り返してきた答えが、自然と口をついて出る。

「胸に……薔薇を。それから、もう一つ」

恵美子は自分の声が震えているのを感じた。それでも続けた。

「剃ってあるところに……蛇を」

美咲の瞳がわずかに見開かれた。しかしすぐに、深い理解の色を帯びた微笑みに変わる。

「そうですか。それは、とても意味のある場所ですね」

美咲はゆっくりと恵美子に近づき、その手を優しく肩に置いた。

「蛇の頭は恵美子さんの一番敏感な場所に、舌はその中へーーそういうイメージでしょうか」

恵美子は息を呑んだ。自分の口にしなかった願望を、美咲が言葉にしてくれたことが、なぜかひどく官能的に感じられた。

「はい」

その返事は、ほとんど囁きだった。

美咲は静かに頷き、準備を始めた。恵美子の身体が、これから刻まれる運命を受け入れるように、ゆっくりとベッドの上に横たわった。


[41] Re: 境界線  ファンです :2026/08/09 (日) 00:14 ID:KjpTXa/6 No.33057
蛇の入れ墨、恵美子奥様が望むとは、彼女の過去に何があったのかと想像を刺激されます。
期待しています。


[42] Re: 境界線  りゅういち :2026/08/22 (土) 15:54 ID:RhfVOZNc No.33112
素敵な世界です
年齢を重ねてるのに、堕ちて行く女の覚悟 素敵な世界です
妄想が膨らみます


[43] Re: 境界線  kuma :2026/08/25 (火) 09:44 ID:iwwtGd/o No.33119
りゅういち様 コメントありがとうございます。
美咲の手は、微動だにせず確かだった。

針が肌を叩く規則的な振動が、恵美子の身体の奥にまで響く。痛みはあった。しかしそれは鋭いものではなく、どこか心地よい熱を伴っていた。美咲は時折手を止めては、インクを拭い、仕上がりを確かめるように指先でそっと撫でる。

その指が触れるたび、恵美子の肌が甘く疼いた。

「はい、終わりました」

美咲の声が静かに部屋に落ちる。恵美子はゆっくりと上半身を起こした。美咲が手鏡を差し出す。震える手でそれを受け取り、映し出された自分の胸を見た。

左の乳房のふくらみの上に、一輪の薔薇が咲いていた。深い紅と墨が混ざり合い、花びらが幾重にも重なるその模様は、まるで本当にそこに根を下ろしたかのように自然だった。

「綺麗……」

恵美子の声が掠れる。

美咲は満足げに頷いた。その目は、芸術家としての誇りに輝いている。

「もう一箇所、確認していただけますか」

恵美子は鏡を下げ、自分の足の付け根へと視線を落とした。剃毛された場所に、一匹の蛇が這っていた。細やかな鱗の一つ一つまでが克明に描かれ、その頭は恵美子の最も秘められた場所へと向かっている。舌が、微かにその入り口へと伸びていた。

「この蛇は、生きていますよ」

美咲が静かに言った。その言葉の意味を、恵美子はすぐには理解できなかった。ただ、鏡の中の蛇が、自分の身体の一部として脈打っているような気がした。

「今日はこれで終わりにしましょう。後は、しっかり洗って、乾かすこと。次の施術は一ヶ月後です」

美咲の指示を聞きながら、恵美子はゆっくりと服を整えた。ブラウスのボタンを留めるとき、胸の薔薇が布の下に隠れていく。それがなぜか、名残惜しかった。

スタジオを出て、古びたビルの階段を下りる。外はもう夕暮れだった。住宅街へと続く道を歩きながら、恵美子は何度も太腿の内側の感覚を確かめた。新しい痣のように、そこに蛇がいる。その事実だけで、身体の奥が熱くなる。

ふと、足元に視線を落としたときだった。

アスファルトの上に、一匹の蛇が横たわっていた。黒く細い体。恵美子は立ち止まった。蛇はゆっくりと頭を持ち上げ、こちらを見ているような気がした。次の瞬間、それは草むらへと滑り込み、姿を消した。

恵美子はしばらくその場に立ち尽くしていた。

家に着くと、隆はリビングのソファでテレビを見ていた。恵美子が入ってきても、彼はちらりと視線を向けただけで、すぐに画面に戻る。

「ただいま」

「おう、遅かったな」

その言葉には、何の感情も込められていなかった。恵美子は台所へ向かい、冷蔵庫を開ける。背中越しに感じる夫の無関心が、今日はむしろ心地よかった。

しかし恵美子は気づいていなかった。

彼女が背を向けた一瞬、隆の目がわずかに光ったことを。ソファの肘置きに置かれた彼のスマートフォンの画面には、見覚えのある古びたビルの住所が表示されていた。


[44] Re: 境界線  kuma :2026/08/28 (金) 09:42 ID:tNnxx.GM No.33137
一ヶ月が過ぎた。

恵美子は鏡の前でブラウスを脱ぎ、自分の身体を眺めた。左胸の薔薇は、三度の施術を経て完全に色づいていた。深紅の花びらが肌の上で息づいている。足の付け根の蛇もまた、鱗の一枚一枚がくっきりと浮かび上がり、まるで今にも動き出しそうな生々しさを帯びていた。

指先でそっと薔薇の輪郭をなぞる。皮膚の下に刻まれたインクの感触が、自分のものではないような不思議な感覚を呼び起こす。

そのとき、スマートフォンが震えた。

画面に表示された名前を見て、恵美子の心臓が跳ねた。緊縛師の男からだった。

「もしもし」

「美咲から聞きました。タトゥーが完成したそうですね」

低く落ち着いた声が耳に響く。恵美子は無意識に息を呑んだ。

「はい……今日、最後の施術が終わりました」

「それなら、そろそろ頃合いですね」

男の声に、微かな笑みが混じったような気がした。

「あなたの身体に刻まれたものを見せてほしい。そして、その完成した身体を、縄で包みたい」

恵美子の喉が乾いた。言葉が出てこない。しかし、断るという選択肢は、最初から存在しなかった。

「……いつですか」

「明後日の夜です。場所は、いつものスタジオではありません。少し特別なところを用意しました」

電話が切れた後も、恵美子はしばらくその場に立ち尽くしていた。掌に残るスマートフォンの熱が、現実をゆっくりと染め上げていく。

明後日の夜。

恵美子は地図アプリに送られてきた住所を確認した。駅から少し離れた、古い倉庫街の一角。そこが今夜の舞台だった。

タクシーを降りると、周囲はすでに暗がりに包まれていた。煉瓦造りの倉庫が並ぶ通りには街灯も少なく、足元がおぼつかない。しかし、一つの建物の扉だけが、かすかな灯りを漏らしていた。

恵美子がその前に立つと、内側から扉が開いた。

「よく来ましたね」

男が立っていた。いつもの落ち着いた物腰だが、その瞳はいつもより深く、熱を帯びているように見えた。

中に足を踏み入れると、空間はがらりと変わった。天井の高い倉庫の中央に、柔らかな照明が落とされた円形の舞台が設えられている。その周囲には、数組の男女が静かに座っていた。皆、恵美子を見つめている。

「今日は、見届け人がいます」

男が囁くように言った。

恵美子の全身が緊張で強張る。しかし同時に、身体の奥から甘い疼きが立ち上がってくるのを感じていた。胸の薔薇が、足の蛇が、誰かの視線の下で初めて本当の命を得るような気がした。

「服を脱いで、あそこに立ってください」

男の声が静かに空間に響く。恵美子はゆっくりと、ブラウスのボタンに手をかけた。


[45] Re: 境界線  りゅういち :2026/08/28 (金) 21:04 ID:HS9u6MlA No.33141
自らの意思で堕ちていく奥様
ものすごい興奮です
次が楽しみ



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妻との - 現在のレスは8個です -

[1] スレッドオーナー: 寝取らせパパ :2026/06/10 (水) 22:01 ID:t2p5Za0c No.32818
夫婦で足を踏み入れた、非日常の夜の世界。
その禁断の扉を開けることになったのは、ある小さくも決定的な気づきからだった。

いつしか私は、最愛の妻を「子供たちのお母さん」としてしか見られなくなっていた。新婚旅行の熱い夜、私だけのものとして愛を交わし、授かったハネムーンベイビー。それから三人の子供を産み育ててくれた妻への感謝と愛おしさは本物だったが、同時に男と女としての、あの焦がれるような情熱が生活のなかに埋没していくのを感じていた。

「もう一度、彼女をひとりの奔放な女性として愛したい」

そんな切なる願いが、私たちを初めてのハプニングバーへと向かわせた。

薄暗く、大人の欲望が濃密に漂う空間。そこで私は、かつて見たこともない妻の姿を目撃することになる。

見知らぬ複数の男性たちに囲まれ、愛撫され、快感の波に飲まれていく妻。彼女はもう、日常の「母親」ではなかった。ただ快楽に身を委ね、甘い吐息を漏らすひとりの艶やかな雌だった。

「いいですか……?」

声をかけてきたのは、50代の落ち着いたご夫婦の旦那様だった。彼は慣れた手つきで妻の身体を愛おしみ、やがて自身の熱を帯びたペニスを、妻の秘肉へと擦りつけ始めた。

ぬるりと、亀頭が妻のヴァギナへと割り込んでいく。

「スキンを、つけてください」

我に返った私が、かすれる声を絞り出すように懇願した。私だけの聖域に、他人の生々しい欲望が侵入することへの、最後の理性がそうさせたのだ。

しかし、その男は余裕の笑みを浮かべて「私は生でも大丈夫だけどね」と呟き、傍らにいたその奥様も、事もなげに深く頷いた。

私の視線は妻へと向かう。
しかし、快感の世界の奥深くへと彷徨い込んでいた妻は、拒むような素振りさえ見せなかった。それどころか、私以外の男の肌を重ねていくその瞬間を、決して離すまいと執着するように、相手の背中にしがみついていたのだ。

その姿を見た瞬間、胸の奥からドロリとした激しい嫉妬が突き上げてきた。
同時に、私の脳裏をかつての記憶がよぎる。私とだけ受精行為をして、三人の愛しい子供たちを授かってくれた、あの純潔で一途だった妻。

その彼女が今、私の目の前で、他人の男にしがみつき、快楽を貪っている。

結局、男は私を気遣うようにスキンを装着し、再び妻の奥深くへとその熱を挿入していった。激しく揺さぶられる妻の身体と、その恍惚に満ちた表情。

嫉妬と、独占欲と、そして言葉にできないほどのドス黒い興奮が、私の全身の血を沸騰させていた。私たちは確実に、もう引き返せない夜の深淵へと足を踏み入れていたのだった。


[2] Re: 妻との  寝取らせパパ :2026/06/14 (日) 21:30 ID:GvTA9KBA No.32830
前回のハプニングバーでの衝撃的な夜。妻を貫いた男達。自慢の妻を楽しんでくれた証しにコンドーム越しながら膣内射精を初めて目撃した狂おしい興奮の始まりには、私たち夫婦の夜遊びにいたる物語がありました。
それは、私が「妻の女としての幸せ」を願うおせっかいのきっかけでした。
今から数年前、妻が31歳、結婚7年目を迎えた頃のこと。 私がテレクラでワンナイトの浮気をし、それを必死にごまかしたことが発覚したのがすべての始まりだった。裏切られた怒りと悲しみに震える妻は、「自分だって浮気してやる!」と激昂し、腹いせにテレクラへ電話をかけたのだ。
誘われるまま、見知らぬ男とホテルの一室に入った妻。 しかし、いざとなると恐怖で身体がガタガタと震えだしてしまったという。そんな彼女の異変に気づいた相手の男性は、決して無理に身体を求めることはしなかった。それどころか、優しく妻の悩みや愚痴を聞いてくれ、「無理はしないでね」と包み込むようにハグをしてくれた。そして、それ以上の行為には及ばず、静かに車まで送り届けてくれたのだそうだ。
そんな映画のような、紳士との出会い。 後日、妻は少しはにかみながら、その秘密を私に打ち明けてくれた。パパに隠し事はしたくないからと
「パパ、ごめんね。……でも、パパの浮気はやっぱり許せないから」
自らの過ちを猛省すると同時に、私は不思議な感情に囚われていた。妻が他の男の腕の中にいたという事実に、胸が焦げるような嫉妬を覚える一方で、言葉にできないほど歪んだ興奮が、私の股間を熱くさせたのだ。
この事件をきっかけに、私たちの関係は変わり始めた。 子供たちが眠りについた23時。静まり返ったリビングで、二人でお酒を飲みながら、それまで避けていたディープな夫婦の会話を楽しむようになった。
やがて会話は、互いの性的な欲望やSEXの話題へとオープンに流れていく。 「今、抱かれたいと思う人っている?」 私の問いかけに、妻は少し悪戯っぽい目を向けた。
「あの時、テレクラで出会った人には、ちょっと興味あるかな……。ハグされたとき、すごく身体が大きいなって思ったの」
妻の身長は165センチ細身ながらB86W62H84のプロポーションです。私は172センチですが優しい紳士は、180センチのがっしりとした体格だったという。私は違う男の質量。
「あの時、もし強く求められていたら……私のセカンドバージン、喪失してたかもね」
そう言って笑う妻の表情は、母親のそれではなく、完全に一人の艶やかな女性のものだった。 「また会えるといいね。会いたいの?」 私がさらに踏み込んで尋ねると、妻は少し寂しそうに微笑んだ。
「連絡先もわからないし、もう会えないよ。大切な思い出にしておきます。今はパパだけで満足しているし……」
満足している、という言葉の裏に見え隠れする、本当はあの大きな肉体に抱かれてみたかったのかもしれない。私しか男を知らない妻…。 最愛の妻が、自分以外の男に激しく抱かれ、その逞しい身体に翻弄されていたかもしれない&#8212;&#8212;その妄想が、私の脳内を狂わせるほど刺激した。
「テレクラにまた電話してみたら? もしかしたら、また繋がるんじゃない?」
嫉妬と独占欲、そしてそれを上回る異常な興奮に突き動かされ、私は最愛の妻を、他の男の腕へとそそのかし始めた。夫の奇妙な熱意に導かれるように、妻もまた、女性としての官能的な輝きを放ち始める。
こうして、私たちの刺激的な「夫婦の夜遊び」は、まずはテレクラという見知らぬ男女で会いの中から、静かに幕を開けたのでした。


[3] Re: 妻との  秀雄 :2026/06/15 (月) 13:18 ID:VDaUy4UI No.32832
興奮します続き楽しみにしています。

[4] Re: 妻との  :2026/06/15 (月) 16:54 ID:ivDAtrZA No.32833
楽しみにしています。

[5] Re: 妻との  寝取らせパパ :2026/06/16 (火) 21:26 ID:ot8y0CK2 No.32842
秀雄さん健さん励ましのコメントありがとうございました。
誤字脱字や変換違いで読みづらい文書となり伝えること難しいさを痛感しています。ゆっくりですが妻の婚外恋愛と夫婦のきづなを書いて行きたいと思います.


[6] Re: 妻との  寝取らせパパ :2026/06/16 (火) 23:18 ID:ot8y0CK2 No.32845
自分勝手な欲望を抱く夫。互いの貞操を誓い合い、伴侶となった妻を自らの手で他の男との再会へと背中を押す行為は、妻から見れば「迷惑な夫」そのものだった。

ある高名な女性の学者が、かつてこんな言葉を遺していた。 「未婚の女性に対して、避妊もせずに射精する男は、ただただ無責任である」と。

妻はとても一途で貞淑な女性だった。 私との交際中、彼女に言い寄る男性は何人かいたようで、アバンチュールの経験はあったようだが、「私には彼がいるからダメ」と、決して最後の一線を超えることはなかったという。

「私の男性経験は、パパだけで良いって思ってるのに……何でそんなこと言うの? 興味がある人がいるかって聞かれたから正直に答えただけで、現実では起こりえない話だよ」

困惑する妻は、正論で私を拒もうとした。 しかし、一度火がついた私の倒錯した独占欲と興奮は、止められなかった。

「ただの妄想として電話で遊ぶだけでも、今の僕たち夫婦にはものすごい刺激になると思うんだよ。ねえ、やってみようよ」

夫からの執拗な、「押し」の言葉。 妻は「もう、一度言い出したら聞かないんだから」とため息をつきながらも、ついに折れた。

「……本当に、そうかな。じゃあ、遊びで、テレクラに電話してみるだけだよ?」

そう言って、妻はオープンマリッジへ一歩を踏み出した。 夫公認で「名前も知らないあの時の彼」を探しだす夫婦の夜遊びゲームの始まりだった。


[7] Re: 妻との  寝取らせパパ :2026/07/16 (木) 21:50 ID:ot8y0CK2 No.32964
夫の裏切りを知ったあの時、妻の胸を狂おしく切り裂いたのは、果てしない屈辱と悲しみだった。

「若い女を抱いて、私と若い女の体を比べているんじゃないか、あなたの好きなロケットおっぱいとおなかの薄さは経産婦の私には無理、思い出にしてよ」 「ベッドで一緒に寝ているのに、毎週のように外で浮気を重ね、私が嫌で夫はセックスの快楽を貪っていたのか」私のプライドが音を立てて崩れました。

貞操を誓い、ひたすら夫だけを愛し抜いてきた己の身の潔白さが、あまりにも虚しく、惨めに思えてならなかった。だからこそ、その復讐として、同じ痛みを夫に味わせるべく、私は夫が遊んでいたテレクラへ怒りに任せて妻は電話をかけたと話してくれました。

なぜ、名前も知らぬ彼に会おうとしたかも話してくれました。


[8] Re: 妻との  寝取らせパパ :2026/08/28 (金) 21:02 ID:zW6oQkag No.33140
子供たちが寝静まった深夜。静まり返ったリビングの空気を変えたのは、妻が耳に当てた受話器から漏れる小さな話し声だった。

夫である私が目の前で見守るなか、他所の男との繋がりを求めるスリリングな時間。「公認」という夫婦の合意を得た妻の頬は微かに朱に染まり、その瞳には日常の母や妻としては決して見せることのなかった、妖しくも艶やかな光が宿り始めていた。

「もしもし……」

何人かの相手と繋がるうち、電話口の会話は次第に弾みを見せていく。妻は時折、受話器を手で覆いながらチラリと私の顔を盗み見た。

「ふふ、嫉妬してる……?」

私を確かめるような甘い問いかけ。その声には、夫の目の前で背徳に足を踏み入れつつある高揚感が滲んでいた。

電話の向こうの相手は、年下の独身男性らしい。熱を帯びた若い声が、静かな部屋にうっすらと響く。 『ずっと年上の落ち着いた女性を探していたんです』 『会って話をするだけでもダメですか? 車の中で少しだけでも……』

ストレートで強引なアプローチに、押しに弱い妻の心が揺れるのが目に見えて分かった。妻は受話器を少し遠ざけ、潤んだ瞳で判断を私に委ねてくる。

「ねえ……どうしよう?」

もう迷う必要はなかった。私は静かに微笑み、彼女の背中を優しく、しかし決定的に押した。

「冒険してきたらいいよ」

その一言が、妻の最後の理性をそっと解き放つ。

「……本当に行ってもいいの?」

呟くような妻の声に深く頷くと、彼女は再び受話器を耳へと当てた。

「あの……会うだけなら。30分後に、近所で」

受話器を置いた瞬間、リビングに流れる空気の密度が一気に跳ね上がった。日常のすぐ裏側に潜む非日常への扉が、今確かに開いたのだ。何かが起きる!夫婦の刺激は、すでに最高潮に達していた。



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退職祝の旅行で - 現在のレスは14個、人気のスレッドです! -

[1] スレッドオーナー: 正雄 :2025/12/30 (火) 09:04 ID:l4KhJUBo No.32509
今年の退職旅行での実話に、多少の妄想を加えてみました。


夫の定年退職を祝うはずだった温泉旅行。湯煙の向こう側で、51歳の美奈子(仮名)は、これまでの人生で感じたことのない高揚感と背徳感に身を委ねていました。
伊豆の老舗旅館。夕食後のカラオケラウンジで、夫・正雄(60歳)の退職を祝っていた夫婦に声をかけたのは、隣の席にいた二人組のサラリーマンでした。
_; 佐藤(35歳): 仕事ができるオーラを纏った、スマートで端正な顔立ちの上司。
_; 高橋(24歳): まだ学生気分が抜けきらない、どこか危うげな純朴さを持つ部下(実は童貞)。
「素晴らしい節目ですね!」という佐藤の快活な祝福に、正雄もすっかり上機嫌になり、意気投合。話は尽きず、一行は夫婦の部屋にある「露天風呂付きの特別室」で二次会をすることになりました。

部屋に移動してからも、地酒の杯は進みます。しかし、もともと酒に弱かった夫の正雄は、旅の疲れもあってか、座椅子に身を預けたまま静かな寝息を立て始めました。
「あら、お父さんったら……ごめんなさいね、主役が先に寝ちゃって」
美奈子が苦笑いしながら毛布をかけると、佐藤がそっと声をかけました。
「奥様、少しお顔が赤いですよ。酔い覚ましに、あそこの露天風呂にでも入られたらどうですか? 私たちは気にせず、ここで少し話し相手をさせていただきますから」
アルコールのせいで、美奈子の心はいつもよりずっと大胆になっていました。火照った体は、夜風と湯を求めています。
「……じゃあ、お言葉に甘えて。でも、見ないでくださいね?」
そう言いながら、彼女は脱衣所へ行くことさえもどかしく感じていました。仕切りの向こうへ行くはずが、酔いと開放感からか、二人の視線を感じる広間の隅で、浴衣の帯を解き始めました。

「奥様……?」 高橋の、裏返ったような声が聞こえます。
しどけなくはだけていく浴衣。51歳とは思えない、手入れの行き届いた白い肌が月光に照らされました。佐藤は感嘆の溜息を漏らし、高橋は目のやり場に困りながらも、その熟れた肢体から目を離せずにいます。
「綺麗だ……。そんなに美しいのに、閉じ込めておくのは罪ですよ」
佐藤の熱い言葉に、美奈子の自制心は完全に消え去りました。彼女はバルコニーの露天風呂に足を踏み入れると、振り返って二人に微笑んだのです。
「ねえ……もしよかったら、お二人も入りませんか? 主人は当分起きないし……一人じゃ寂しいわ」

戸惑う高橋の背中を押し、佐藤もまた、躊躇なく服を脱ぎ捨てました。 広々とした檜の浴槽。中心に座る美奈子を挟むように、右に経験豊富な佐藤、左に緊張で震える高橋が座ります。
お湯の温かさと、若い男たちの体温。美奈子はふっと遠くを見つめ、心の奥底に沈めていた澱(おり)を吐き出しました。
「……もう、5年以上かしら。主人とは、そういう『夫婦の営み』なんて、すっかりなくなってしまったの。退職して、これからはずっと一緒ねなんて言われるけど……正直、怖いの。女として終わってしまうのが」
彼女の手が、隣に座る高橋の膝にそっと触れました。
「毎日、同じような会話をして、同じような食事をして。私のことなんて、もう空気としか思っていない。……あなたたちのような若い方にそうやって見つめられるだけで、こんなに胸が苦しくなるなんて……」
湯気に濡れた美奈子の瞳は、潤んで怪しく光っています。その告白は、静かな夜の露天風呂に、取り返しのつかない火を灯してしまったのでした。


[5] Re: 退職祝の旅行で  正雄 :2025/12/30 (火) 09:14 ID:l4KhJUBo No.32513
続き

その日の夜。自宅のベッドに入った時、正雄が静かに口を開きました。
「美奈子……昨夜のことだが、実は、私はずっと見ていたんだよ」
心臓が止まるかと思いました。寝たふりをしていた夫の目が、隣の布団の上で繰り広げられる自分たちの痴態を捉えていたというのか。
「お前のあんな顔、初めて見た。あんなに声を殺して、若い男たちに……」
怒られる、軽蔑される。そう身構えた美奈子でしたが、正雄の手は震える彼女の体を、これまでになく強く、荒々しく抱き寄せました。 正雄は、美奈子に昨夜の出来事を細かく白状するように迫りました。
「何をされたんだ? 佐藤君はどうした? 高橋君はどこに触れた? 全部、詳しく言ってみろ」
執拗なまでの尋問。屈辱と羞恥、そして今までになかった夫の熱量に煽られ、美奈子は一つ一つ、昨夜の行為を言葉にしていきました。自分の口から漏れる淫らな告白が、さらに彼女を昂らせます。 美奈子の告白を聞きながらそれをなぞるかのような夫の激しい抱擁と、昨夜の残像。それらが混ざり合い、美奈子はこれまでの人生で味わったことのない、意識が遠のくほどの絶頂の中で失神するように眠りに落ちました。

翌朝、スッキリとした顔の正雄は、トーストを齧りながら冗談めかして言いました。
「美奈子、これから月一くらいで、ああいう旅行に行くか? 刺激があった方が、お前も綺麗になるようだしな」
正雄がどこまで本気なのか、あるいは彼自身も新たな悦びに目覚めたのかは分かりません。しかし、美奈子は微笑んで答えを濁しながらも、バッグの中に隠したスマートフォンの通知を思い出していました。
『来週の金曜日、ホテルで待っています。高橋も連れて行きますよ』
夫には内緒にしている、佐藤との密やかな約束。 51歳の美奈子の本当の「自由な人生」は、この退職祝いから始まったばかりでした。


[6] Re: 退職祝の旅行で  正雄 :2025/12/30 (火) 09:17 ID:l4KhJUBo No.32514
続き

約束の金曜日。美奈子は、正雄には「昔の友人たちとランチをしてくる」と告げ、都内の隠れ家的なシティホテルへと向かいました。
新調したレースのランジェリーと、夫の前では決して着ることのない、体のラインを強調するタイトなワンピース。鏡に映る自分は、一週間前までの「定年退職した男の妻」ではなく、情事へと向かう一人の剥き出しの「女」の顔をしていました。
ホテルの最上階、重厚なドアを開けると、そこにはすでに佐藤と高橋が待っていました。
「いらっしゃい、美奈子さん。期待通りの……いえ、期待以上の美しさだ」
「お父さんには、友達とランチだって嘘をついて出てきちゃった」
「僕達は、上司にお得意様の接待だって嘘の報告をして出てきました」
「佐藤さん、美奈子さんは上得意様だから嘘じゃないですよ」
「そうだな、それじゃ誠心誠意、美奈子様が満足するまで接待しないとね」
そう笑いながら佐藤が優雅にシャンパングラスを差し出します。一方、前回の経験で「男」を知った高橋は、隠しきれない情熱を瞳に宿し、美奈子の姿を食い入るように見つめていました。
「高橋君、そんなに見つめられたら、私……」 「すみません、でも……一週間、ずっとあなたのことばかり考えていたんです」
高橋の直球な言葉に、美奈子の胸は高鳴ります。佐藤は微笑みながら、彼女の背後に回り、ワンピースのファスナーをゆっくりと、焦らすように引き下げました。

「今日は、前回の続きをしましょう。もっと深く、あなたの奥底にある本能を呼び覚ますんです」
佐藤の合図で、高橋が吸い寄せられるように美奈子の足元に跪きました。 前回のぎこちなさは消え、美奈子を求める飢えた獣のような高橋の勢い。そして、すべてを見透かすような佐藤の冷静かつ大胆なリード。
「ああ……っ、二人とも……そんな……」
壁一面の大きな鏡に映し出される、二人の男に翻弄される自分の姿。美奈子は、その淫らな光景から目を逸らすことができませんでした。 佐藤は、美奈子が一番欲している場所を的確に突き、高橋はその若さゆえの体温で彼女の肌を焼き尽くします。
「先日の旅行では久しぶりの快感だったのでしょ? ならば、今日はそれを超える思い出を作らなければ」
佐藤の言葉が、美奈子の背徳感を最高のスパイスへと変えていきます。 夫との5年間の空白。それは単なる時間の経過ではなく、彼女の中に巨大な「欲求の空洞」を作っていました。二人の男が注ぎ込む熱情は、快感に目覚めた美奈子を何度も絶頂の中で失神に導き、目覚める度に相手が入れ替わり、今まで経験した事のない体位で揺さぶられ次の絶頂に導かれ、その空洞を埋めるどころか、さらに大きな悦楽を求める深淵へと変えていくのでした。

夕闇が迫る頃、ベッドに横たわる美奈子は、かつてないほどの解放感に包まれていました。 髪は乱れ、肌には二人の男が残した証が赤く浮かんでいます。しかし、彼女の瞳には、以前のような迷いや恥じらいはありませんでした。
「私……自分がこんなに欲張りだったなんて、知らなかったわ……」
佐藤の胸に顔を埋めながら、美奈子は熱い吐息を漏らしました。高橋は彼女の手を握りしめ、「来週も、その次も……ずっと会いたいです」と子供のように縋り付いてきます。
「美奈子さん、あなたはもう、元の『妻』には戻れない。……それでいいんですね?」
佐藤の問いかけに、美奈子は力強く頷きました。

ホテルを出て、何食わぬ顔で自宅へと帰宅した美奈子。 リビングでは、正雄がテレビを見ながら「おかえり、楽しかったかい?」と穏やかに声をかけてきます。
「ええ、とても。お土産に、お父さんの好きな日本酒を買ってきたわよ」
微笑む美奈子の体の中には、まだ佐藤と高橋の熱い感触が残り、ランジェリーの隙間には秘密の香りが潜んでいます。佐藤たちの体液と自分の淫らな蜜が混じった粘液でグッショリと濡れている感覚も有ります。 正雄の視線が、美奈子の少し上気した頬と、隠しきれない色気を帯びた立ち居振る舞いに向けられました。
(お父さん、友達とのランチじゃなく、佐藤さん達との密会って気づいているのかしら?今夜もまた、私を尋問するのかしら……?自分からこのまま裸になって、汚れた下着と、佐藤さん達が肌とカラダの中に残した痕跡を見せてあげたら、今夜も激しく愛して貰えるかな?)
夫の疑い深い、それでいて興奮を隠せない視線を感じながら、美奈子は密かに期待に胸を膨らませます。
美奈子はゆっくりと正雄の前に立つと、背中を向けてワンピースのファスナーを下ろすように頼みました。タイトなワンピースを脱ぐと昼間に佐藤たちの目を愉しませたセクシーなランジェリー姿になって意を決して言葉に出した「今日は友達とランチしてきたんじゃなくて、この間の佐藤さん達に逢って愛されて来たの。今度も一杯逝かされて、一杯中で出して貰ってきたの、ネェ見て」そう言うと下着を脱ぐと後ろに立っている正雄からも見えるように自分の顔の高さまで上げて股間部を見せつけるように「ほら、佐藤さん達と私のエッチなお汁でグショグショでしょ、まだカラダの中に二人のミルクがたっぷり残ってるのよ、見てて」今度は、足を開いてお腹に力を入れると、膣口から二人の体液が床に滴り落ちました。正雄はその場で両膝をつくと美奈子の女陰を割り拡げ、少し前まで別の男たちのモノを受け入れていた膣口に指を差し込むとナカを奥深くまで掻き回しながら、先日と同じ様に尋問を始める、明日の朝も、幸福び満ちた朝を迎えれそうだと美奈子は思った。
佐藤たちとの密会、そしてそれを糧にする夫との夜。 二重、三重に重なる背徳の連鎖の中で、美奈子は51歳にして手に入れた「女」としての最高の季節を、どこまでも貪欲に謳歌していくのでした。

_完?_


[7] Re: 退職祝の旅行で  正雄 :2025/12/30 (火) 09:50 ID:l4KhJUBo No.32515
この小説の元になった旅行で実際に有った出来事は

@ホテルのカラオケで二人組のサラリーマンに出会い意気投合。
 但し、40代と30代

Aこちらの部屋で飲み直し、先に自分が寝落ち後、妻が二人組の部屋にお持ち帰りされる。
 夢現の中で、3人が一緒に出ていったのは覚えている。

B4時くらいに妻が部屋に戻った気配で起きる。
 どこに行っていたか聞くと、「大浴場に行っていた」
 二人の部屋に行ってたんじゃない?「行ってない、、、」

C後日、偶然見た妻のスマホのフォルダにアノ夜の証拠画像と、メッセで30代とのエロメッセを確認。
  浴衣姿で3人並ぶ写真、
  サラリマン2人は浴衣で妻は全裸で並ぶ写真、
  上下同時挿入、
  挿入前中後の局部アップ、
  白目をむいて失神しているらしきモノ、
  満足そうな寝顔
  その他諸々
 メッセの内容から、二人合わせて6回以上は中出しされて何度も失神するまで逝かされたようです。
 
D妻には、証拠を押さえた事は秘密にして、行動を監視中。


[8] Re: 退職祝の旅行で  正雄 :2026/03/18 (水) 08:01 ID:JBgqzuSw No.32638
先日、半年ぶりに、妻と旅行に行きました。
行先は、佐藤達の住む近県の温泉地で事前に彼らに連絡を取り、
彼らとは仕事終わりに、現地で合流することにしました。
勿論、自分は妻と彼らの間に何が有ったか気づいてない風を装ってですが。

今回の旅行は、彼らを誘ってまた、飲まないか?と妻に伝えてから、
妻は必至にダイエットに励み、余分な贅肉を落とすため、
食事制限までしていました。

当日、妻はいつも以上に入念に化粧をし、着ていくものもあれやこれやと
悩んでいました。
昼間、観光地巡りをしている間も、その日の夜の事を想像しているのか、
頬は上気し、気もそぞろといった、感じでした。


[9] Re: 退職祝の旅行で  正雄 :2026/03/21 (土) 08:47 ID:NlIhDQ7Y No.32645
夕方に旅館に到着。
今回の部屋は、12畳と8畳の続き間で露天風呂付。
妻がカラオケルームの予約をしに行った隙に、
ネットで買った隠しカメラを12畳の和室に2台と露天風呂に1台セット。
カメラをセットした後、1階のラウンジで妻と合流して、
土産物コーナー等ホテルを探索して時間つぶし。
夕食の時間直前に、佐藤達と合流し、一緒に夕食をとる。
食事の時から酒を勧められ、食後のカラオケでもそれなりに飲まされる。
前回と同じように、部屋飲みをしだして直ぐに自分は、
酔い潰されて奥の8畳間で、布団に潜り込む。


[10] Re: 退職祝の旅行で  正雄 :2026/03/23 (月) 07:39 ID:cnMHwnv2 No.32649
夜明け前、隣の布団で眠る妻の布団をそっと捲るが、
よほど疲れているのか、ぐっすり眠ったままだった。

帯を解いて、そっと引き抜いくと浴衣をはだけさせて、
裸身を確認していった。

ダイエットの成果で腰のくびれが少し出て、
下腹の膨らみも少しなだらかになっていた。
いつもは手入れされていない陰毛も、
丁寧に形を整えて短く刈り揃えられていた。

白い肌には昨夜の名残と思われる内出血の跡が、
鎖骨や、乳房、内腿に何ヵ所かに有った。

少し太腿を割り開いて、秘唇を確認するために
顔を近づけると石鹸の匂いがした。
秘唇に指を掛けて割り開くと
膣口はパックリと口を開けて、
何発やられたのか、赤く充血していた。

ゆっくり指を差し込み、中を少し掻き回すと、
妻が「アン、、、」と甘い声を上げた、

シャワーで洗い流したのか精液は残っていなかったが、
奥の方から匂いはしてきた。

中を掻き回し続けながら、
クリトリスを歯と舌で刺激してやると愛液が湧いてきた。

すぐに腰をうねらせて、、まだ寝ぼけている妻は、
「もうだめ1、鈴木くん、これ以上したら、壊れちゃう、
主人が起きちゃうわ、、、」と、、、


[11] Re: 退職祝の旅行で  それはそれ :2026/03/26 (木) 08:43 ID:wR9Tg85c No.32656
定年退職祝い、 お勤めご苦労さんと正雄さんのように
一般的に身近な温泉旅行が多いです。夫婦の時間が自由に
謳歌できる大切なひと時です。

旅行先で実際に有った出来事、自系列順に詳細について
投稿をしてください。奥様の鈴木くん、これ以上したら、壊れちゃう
寝ぼけ言葉、面白い。

私の定年退職時はコロナ禍の時で山陰の温泉旅行に車で行きました。
宿は開店休業のようで閑散としていました。暇なときで貸し切りのようで
二人の仲居さんにチップを奮発して、一緒に4人で酔うほど飲みました。


[12] Re: 退職祝の旅行で  カトレア :2026/08/27 (木) 01:56 ID:Gn7idBCM No.33129
初めから読みました。良かったです。奥様の決断に乾杯です。人生は、一度しかありません。後悔先に立たず・・・今の元気な間に、チャレンジは、大賛成ですね。続きも、ありますか? 期待しています。

[13] Re: 退職祝の旅行で  正雄 :2026/08/28 (金) 07:01 ID:7dDQ31bQ No.33136
ラジオ体操のボリュームが大きくて目が覚めてしまいました。

それはそれさん
仲居さん含めて4Pの酒池肉林には、ならなかったんでしょうか?

7,8,9,10が 実話です。
1〜6は、7の実話部分に妄想を加えつつ、AIに文書を補完して貰っています。

カトレアさん
続きは、後日?

旅行の後、妻に毎回詳しく報告する事を条件に浮気を公認しました。
パート先や習い事の教室等で以前から口説いてきていた男達とSEXを楽しんでいます。


[14] Re: 退職祝の旅行で  ファンファン :2026/08/28 (金) 13:32 ID:HfiOtgGs No.33139
《旅行の後、妻に毎回詳しく報告する事を条件に浮気を公認しました。
パート先や習い事の教室等で以前から口説いてきていた男達とSEXを楽しんでいます。》
ぜひ後日譚をお願いします。



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[1] スレッドオーナー: リトル :2026/02/06 (金) 11:40 ID:EmNHqvmk No.32577
書きためていた作品です。卑猥な感想など是非お聞かせください。


「美紀ちゃん!」

商店街を歩いていた美紀が声のした方に振り向くと、旧知の老人がにこやかに手を挙げていた。

「あらぁ、小嶋さん、お久しぶりです」

「私は久しぶりじゃ無いよ。
先日も美紀ちゃんを見かけてるから」

美紀がまゆと一緒にカメラマンの高山に声をかけられた日に、歩いて移動しているところを見かけたらしかった。

暑い日差しの中での立ち話を避けて、近くの喫茶店に入った。

「大きなカメラをぶら下げた人と一緒だったけど、まゆちゃんと写真を撮ってもらってたの?」

以前から知っている小嶋の年齢が、還暦を過ぎている事を知っていたし、柔和な表情から受ける印象に安心していて、先日の出来事を話してしまった。
無論2回目の撮影で裸になったことなど、話せる訳も無いが、パンチラの撮影をした事までは説明した。

「へぇ&#12316;、そんな事があったのかぁ」

自身若い頃には写真を趣味にしていて、交際相手を撮影した経験がある小嶋は、美紀の話に内心では非常に興味を抱いていた。

「美紀ちゃんはすごく綺麗で素敵な女性なんだもの、カメラマンの眼に留まっても不思議じゃないよ」

「あら、相変わらずお上手ね」

「お世辞じゃないよ、私なんかいつもりゅうちゃんが羨ましくて堪らないんだから」

熱いコーヒーを一口飲んだ小嶋は、声を潜めるように続けた。

「美紀ちゃん、投稿雑誌って知ってる?
素人の女性、最近では主婦も多いけど、自分のセクシーな写真を投稿するんだよ。
雑誌に載ってたくさんの人に見られることが、堪らなく良いんだって人が増えてるらしいよ」

「まぁ、そんな雑誌が在るの?」

先日の撮影で、美紀は人に見られる悦びを感じていた自分に気付いている。
小嶋の話には興味を惹かれていた。

小嶋も年の功、この時の美紀の表情を見逃してはいなかった。

「自分自身でスマホで撮影した簡単な写真から始める人が多いね。
そのうちに別の人に撮影されたりとか…」

美紀の瞳の耀きが増していた。

「りゅうちゃんは美紀ちゃんを撮影したりしないの?ベッドの中でとか…」

「そんな事を私の口から言わせるの?」

笑いながら言った美紀だったが、既に答えになっていた。

「そんな写真とか、自分で撮ったものとかを一度投稿してみなよ、美紀ちゃんなら間違いなく人気者になるからさ」

「人気者って…」

「あっ!勘違いしないでよ。顔には絶対にモザイクを入れなきゃだめだよ。
世間には危ない輩が多いからね」

「そんな事、難しくて私には出来ないわ」

「りゅうちゃんなら簡単にやると思うよ」

「どうせやるなら主人には内緒でやるわよ」

「そっかぁ、じゃあ私が加工しようか?」

美紀は小嶋に教えられた雑誌に投稿することにして、モザイク等の加工については、小嶋の協力を得ることにした。


見られる悦びを知りつつある美紀と、老いて尚盛んな老人の利害が一致していた。

(旨くいけばこの美人妻の裸が見られる…)

眼の前の美紀を眺めて小嶋はそう思っていた。


(すごぉい、こんなにいっぱい…)

自宅に戻った美紀は、思い付く限りのキーワードを打って検索してみた。

(投稿、写真、人妻、素人、雑誌…)

ネットの掲示板から雑誌に至るまで、数多くのサイトがヒットしている。

(こんなにあったんじゃ
どれが良いかなんて解らないわ
また小嶋の爺さんに訊かなきゃ)

投稿先は改めて小嶋に相談することにした美紀は、先に投稿用の写真を選ぶことにした。

保存してあった写真の中から真っ先に決まったのは、夫が撮影したピンのクランジェリー姿の美紀だった。
自分だけじゃなく、彼も気に入ってくれてる筈だから、これなら他の男性でも…。
他に数点の下着姿の写真を決めた。

(この写真が雑誌に掲載されたら…。
何人の男性が眼にするんでしょう?

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

[2] Re: モデルとなった人妻  リトル :2026/02/09 (月) 21:22 ID:VeStrYLI No.32582
需要ないみたいですが、、、


(モデルとなった人妻…A)

「で?美紀ちゃん自身は?どう思ってるの?」

「う〜ん、やってみたいかなって…」

「りゅうちゃんには?」

「話せないからこのまま黙ってる」

プロのカメラマンに撮影されたい、美紀の意思は既に固まっていた。
小嶋は娘に対するような気持ちで、彼女のやりたいと思っている事に協力することにした。

「それで小嶋さんにお願いがあるの」

「うん、何でも言って」

「付き添って欲しいの、独りじゃ怖いから」

「初めからそのつもりでいたよ
りゅうちゃんに内緒なんだから、美紀ちゃん独りでは行かせられないからさ」

撮影日は美紀が承諾の連絡を入れると、折り返し指定されることになっていた。

「じゃあ撮影の時にはこの下着にしようよ」

小嶋は先日と同じような紙包みを差し出した。

「ええ〜っ、この前頂いたばかりなのにまた?
そんなこと悪いわ」

「平気だよ、美紀ちゃんのセクシーな姿が見られることが幸せなんだよ。
もっともっと美紀ちゃんに素敵な女性になって私の眼を楽しませて欲しいから」


出版社に承諾の通知を入れた美紀は、寝室で紙包みを開いてみた。

「すごぉい、すごくセクシーだわ」

フランスのメゾンクローズ社の黒いブラジャーとガーター、パンティのセット、それにイタリアのアンブラ社の白いブラセットの2種類の下着だった。

早速試着した美紀は、姿見に写った自分自身に見惚れていた。
黒い下着姿の美紀は、まるで男を誘う娼婦のように妖しげな雰囲気を漂わせている。

(あの爺さん、何者なの?)

改めて小嶋の笑顔を思い浮かべていた。


「すっごくドキドキしてる」

撮影日当日、出版社に向かう車の中で、緊張した面持ちの美紀が呟いた。

「美紀ちゃんらしくないなあ
もっと平然としてるかと思ったのに」

そう言うと小嶋は美紀の手を握った。
握り返した美紀の掌は汗で湿っている。

久し振りに若い女性、しかも魅力的な人妻の手を握った小嶋は、年甲斐もなく舞い上がっていた。

「このまま撮影をすっぽかして二人で温泉にでも行きたい気分だよ」

「行っちゃおうか」

顔を見合わせて笑うと、美紀の表情がいくぶん柔らかくなっていた。


撮影はシティホテルのスィートルームで行われた。
ロビーで顔合わせをした時に、付き添いである旨を申し入れていた小嶋は、無条件で入室を許された。


着衣のまま数カットを撮り、別室で準備した美紀がバスローブを纏って再び入室して、カメラの前に立つとそのバスローブを脱いだ。

小嶋は思わず唾を飲み込んでいた。

(あの下着がこんなに似合うなんて…)

改めて美紀の魅力に惚れ込んでいた。


その時、雑誌の編集者に袖を引っ張られて、小嶋は室外に連れ出された。

「小嶋さん、今日はどこまでの撮影がO.K.なんでしょう?」

「どこまでって?それは本人の気持ちと、流れ次第なんじゃないのかな」

「実は…、承諾が得られればと考えて、男優を待機させてるんですよ」

以前から雑誌を購読していた小嶋に対して、それ以上の説明は不要だった。

「う〜ん、どうかなぁ、協力はするけど万一彼女が嫌がった場合には、決して強要しないで下さいよ」

二人が室内に戻った時、窓際に立った美紀がブラジャーを外していた。

「惜しいな、私なら先にパンティなんだけど」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

[3] Re: モデルとなった人妻  カトレア :2026/08/27 (木) 02:31 ID:Gn7idBCM No.33131
今、読んでいて、興奮しています。美紀さん、大好きです。もっと乱れてほしいです!!!

[4] Re: モデルとなった人妻  スナフキン :2026/08/28 (金) 09:50 ID:EL3iHY1g No.33138
さて、どのような展開に? 楽しみです!


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[1] スレッドオーナー: :2026/08/28 (金) 05:27 ID:6grsBxCA No.33135
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[1] スレッドオーナー: 土屋 :2026/05/23 (土) 22:39 ID:vJIfgbDU No.32760
父が長期の海外出張に出た週末、我が家のリビングはいつものように母の親友たちの喧騒に包まれていた。
母・土屋千春、45歳。大手出版社でバリバリ働いている。若くしてオレを産んだから、中学の頃は友達から人気があった。要は「綺麗なオバサン」。目尻の上がった大きな目、通った鼻筋に厚めの唇。今も美貌と均整の取れたスタイルを維持している。本人も意識しているのか、見た目に手を抜くことがない。耳にかけたミディアムの髪、ゆったりとしたオフホワイトのサマーニット、Vネックにのぞく鎖骨とダイヤ。彼女には常に華やかな女の匂いが漂っていた。
そして、その母の周りには似たような女たちが集まる。IT企業で働く自由奔放で派手な美人の典子さんと、経営者の妻でおっとりとした良妻賢母タイプの薫さん。3人は学生時代からの親友で、事あるごとに我が家に集まってはワインを空けている。
オレ、裕一は20歳の冴えない大学生だ。いつものように自室に籠もっていたが、猛烈に喉が渇き、足音を忍ばせてキッチンへ向かった。
リビングとキッチンを隔てる曇りガラスのドア越しに、女たちの笑い声が響いてくる。冷蔵庫を開けようとしたオレの手は、典子さんの甲高い声にピタリと止まった。

「だからね、あれは冗談抜きで私の人生で一番のバケモノだったのよ!」
だいぶ酔っているのがわかる。オレは息を殺し、ドアの隙間からリビングを覗き込んだ。
「もう、先っぽパンパンで、血管がボコボコ浮いててさ、なんだろ、生き物っていうか凶器?それが奥までズドンって入った瞬間、脳みそがショートしたみたいになっちゃって。」
ワケのわからない話かと思ったが、言葉を咀嚼すると、まさかという気がした。その時、母と薫さんが「ちょっと典子!」「声が大きすぎるってば!」と笑いながら手を叩いている。
「でもさ、ぶっちゃけ大きさって正義じゃない?」と典子さんは身を乗り出した。
「愛だのテクニックだの言うけどさ、絶対的な質量で子宮の入り口をガンガン突かれる快感って、理屈じゃないのよ。メスとしての本能を直接殴られてるみたいでさ」
やはり、オレの勘は当たったと確信する。
と同時に、急に3人の会話に興味を引きつけられた。
「まあ……否定はしないけど」と言ったのは母だ。頬を紅潮させながらワインを煽る。
「確かに、すっごいのが入ってきた時の、あの息が詰まるような圧倒される感じは、忘れられないわよね」
「でしょ!? ねえ、薫はどうなのよ。あんた昔から清純派ぶってるけど、絶対すごいのに当たったことあるでしょ。吐きなさいよ!」
「ええっ、私!?」と矛先を向けられた薫さんは顔を真っ赤にして両手で頬を覆った。普段はおとなしく、二人の息子を育てる母親である薫さんが、身をよじって恥じらっている。
「も、もう……しょうがないなぁ。私は、夫のかな。それだって、そんなに巨大とか、そういうことじゃないんだけど」
「なによ、それ。いい子過ぎて面白くない」と典子さんが冷ややかに言う。
「そんなこと言ったって、経験がないんだから仕方ないでしょ?」
「そうそう、典子、酔い過ぎだよ」。
母が薫さんをフォローした。
「なによ、千春!それなら代わりにアンタが答えなさい。歴代ナンバーワンの男、誰?」
典子さんが容赦なく母に迫る。

母は「えー」と濁そうとしたが、両脇から二人がわかりきったような顔をしている。
母は観念したらしい。
「もぉ、何度も話したでしょ?……澤田!」
その苗字が出た瞬間、典子さんも薫さんも「だよねーー!!」と、声を揃えて爆笑した。
「ごめんごめん、千春のこの話は定番だから、やっぱり言わせちゃった」
助けられたはずの薫さんも笑っている。
「ホント、毎回言わせるの、やめて」。
どうやら3人の間で、母はこの話をさせられるのはいつものことらしい。
すると典子さんが突っ込んだ。
「でも千春、口でした時はどうだったの?それはあんまり聞いてないわよ!」
典子さんの追及に、母はワイングラスの縁を指でなぞりながら、困ったような笑みを浮かべた。
「もう20年以上前だからなぁ。えー、うーん。顎が外れるかと思うぐらい口を開けたのと、がんばって根元までくわえようとしたら喉の奥に当たって、えずいたのは覚えてる」。
「うわー、いやらしい! で、味は? どんな味したのよ?」
典子さんが悪ノリする。
「バカじゃないの!味なんて覚えてないって!」母が吹き出しながら答えた。
「で? で? 入れた時はどうだったのよ!」
典子さんは止まる気配がない。
「もう、前にも話したじゃない!」
母は照れ隠しのように笑いながらも、その顔は完全に昔の記憶をたどっていた。
母が、昔の男との行為を、その男たるモノを思い起こしている。
「……だいたい、典子の言ったのと同じ感じかな。熱くて硬い肉の塊に、中の狭いところを強引にこじ開けられて、内臓を全部押し上げられるみたいな圧迫感で。奥の奥の、一番敏感なところをゴリゴリされて、足の指が勝手に丸まって……。ガクガク、痙攣、しちゃったの……」
母の口から紡がれる、あまりにも生々しい牝としての記憶。
オレは暗闇の中で、自分の股間がちぎれるほど勃起しているのを感じていた。あの、綺麗で、優しくオレを育ててくれた完璧な母が、得体の知れない『澤田』という男の巨大な肉棒に犯され、快感のあまり身体を痙攣させていた。その事実が、オレの脳髄を麻痺させるほどの嫉妬と、狂おしいほどの興奮を呼び起こしていた。

やがてお開きになり、
「もう典子ったら、調子に乗り過ぎよ」と薫さんが嗜めながら帰っていく声が聞こえた。
オレはベッドに横たわっても、まったく眠れなかった。
母の過去。オレの知らない、女としての『千春』。
もっと知りたい。澤田とは何者なのか。母はどんな顔で男に抱かれていたのか。
ふと、典子さんの顔が浮かんだ。
物心ついた頃から『親戚の陽気なおばさん』のごとく接してくれた彼女なら、オレのこの歪んだ欲望を笑い飛ばして、真実を教えてくれるのではないか。母の全てを知るであろう典子さんに、縋ってみようと思った。


[44] Re: 遍歴  土屋 :2026/08/22 (土) 00:32 ID:wUnHta3Y No.33108
スナフキン様 お言葉うれしいです。ありがとうございます。
カッツ様 こちらこそ毎回のお言葉、本当にありがとうございます。


秀島は、ゆっくりとカップを置いた。次に何を語るのか、オレは彼女の顔から目が離せない。

「もう一度だけ聞いておくわ。君は、千春ちゃんの最悪の過去を知りたい?もしも彼女が罪を犯していたとしても、それでも知りたい?」

オレの答えは決まっていた。だが、即答しては軽く見られると思い考えた。ここまでの話で母の人生の闇をのぞいてきたが、オレにとっては欲望を刺激される話ばかりだった。そして、ますます母親を愛おしく思えた。罪を犯したか。例えば藤野を殺したとか。それはあるわけがない。母は今も同じ会社で働いている。
考えるフリはこれぐらいで十分だった。

「大丈夫です。聞かせてください」と言った。

「そう。…『別れるためにがんばってみる』と宣言して2か月ぐらいしてからだった。千春ちゃんが劇的に変わったのよ」
秀島が再び語り始めた。

社内で見かける彼女の顔には力があふれていた。それまでの彼女になかった、ギラギラした印象を受けた。過労を心配していたオヤジたちも、最近の水野はすごいってウワサしてね、辣腕を振るうようになったなんて評価した人もいたわ。居酒屋ではあんなに取り乱していたのにね。
ある日、廊下で彼女に呼び止められた。
『芽衣ちゃん!』って、駆け寄ってきた時の顔、晴れやかだった。それで、声をひそめて言った。

『あのね、……藤野くん、追い出せた。もう連絡もとっていないの。部屋の鍵も返してもらったし、彼、本当に消えたの』

それで声を弾ませた。

『本当に、芽衣ちゃんのおかげよ。あの時、芽衣ちゃんが厳しく言ってくれなかったら、私、ずっとあのままだった。ありがとう。本当に、本当にありがとう!』

何度も何度も頭を下げる千春ちゃんに、「よかったじゃない」と口では祝福したけど、心の中はひどく白けていた。せっかく特等席で彼女の転落を眺めていられたのに、それも終わりかってね。

でもね、彼女を見ながら気づいたの。笑顔が、どこか前と違うって。
上手に笑っているのよ。口角も上がっているし、声も明るい。でも……彼女が本来持っていた、底抜けの明るさや、自分を信じて疑わない無邪気な光が感じられなかった。まるで、感情のスイッチを無理やりオンにして、必死に普通の水野千春を演じているような……そんな笑顔だったわ。
これは何かあるって、得体の知れない期待感が膨らんだ。

「千春ちゃん、お祝いさせて。今夜、いつもの居酒屋に行こうよ。もちろんご馳走するわ」
親友の顔をつくって千春ちゃんを誘ったの。彼女は一瞬考えて、OKした。

赤坂にある薄暗い居酒屋の個室。
私は必要以上に明るく振る舞って、彼女の社内での活躍のウワサを振った。
「聞いたわよ、また企画通したって。プロジェクトも抱えながら、千春ちゃんが本当は2人いるんじゃないかって、みんな言ってるわ」
千春ちゃんは謙遜しながら、『これからもっと仕事に集中したい。やりたい企画がたくさんあるの』と、前向きな展望を語った。
「うんうん、その意気よ!」と、私は本音を隠して盛り上げながら、タイミングを見計らっていた。

グラスの氷が溶けて、グラスを鳴らす音だけが響いた。

「……でも、本当に藤野が消えてよかった。私、千春ちゃんなら絶対にできるって信じていたわ」
彼女の目をじっと見つめた。真実への扉はまだ開かない。
「……で? いったい、どうやってあの底辺の寄生虫を追い出したの?」
千春ちゃんがビクッと肩を揺らして、グラスを持ったまま固まった。

『……えっと、それは……芽衣ちゃんが助けてくれたからよ。芽衣ちゃんが背中を押してくれたから、芽衣ちゃんのおかげで、私、決心できたの』

同じような言葉を繰り返す千春ちゃんは、壊れたロボットみたいだった。私の名前と礼しか言わない姿に、私は確信した。この女、何かとんでもない泥をかぶったんだって。
消えかけていたドス黒い炎がまた立った。心の内はワクワクして仕方なかった。美しく完璧な水野千春を、もう一度引き摺り下ろしたい。彼女の抱える致命的な汚点を暴き出し、踏みつけてやりたいって。

「本当にすごいわ、千春ちゃん。誰にでもできることじゃないもの」
私は彼女の手を握り、称賛の言葉を浴びせながら、逃げ道を塞いでいった。
「でも、どう言いくるめたの? あんなに執着していた男が、素直に引き下がるはずないじゃない。もしかして、手切れ金でも渡したの? 」
『…違うよ。だって、…そんなお金、もうなかったもの。だから…。ううん、わかってもらった。出て行ってくれたの』
「そんな風にできるなら、苦労はなかったでしょ?また戻ってくるんじゃない?」
千春ちゃんの視線が激しく揺らいだ。

『それは……大丈夫。二度と来ないように約束させたから……。もう、大丈夫なの』

「どうやって!? 約束なんて、守らないでしょ?どうやってあの男を納得させたのよ!これじゃ、私まで不安だわ」
私は心配と自身の不安を装って、千春ちゃんの良心に訴えた。
「ねえ、千春ちゃん。本当に大丈夫なの?中途半端なやり方で、またあの男が戻ってきたら、それこそ大変でしょ。ちゃんと納得させる方法があったんだよね?納得させたんだよね?私だって、心配だったのよ」
それが引き金だった。
彼女は身を硬くして、やがてその大きな瞳から、ポロポロと大粒の涙をこぼし始めた。

『……っ、……うぅ……っ』

扉が開いた気がしたわ。もうひと押しするつもりで、背中をさすった。

「ご、ごめん! 嫌なこと思い出させた?無理しなくていいから……!いいのよ、言いたくないことは言わなくて」

言葉とは裏腹にね、私の耳は千春ちゃんの次の言葉を逃すまいと全神経を集中させていた。
彼女、両手で顔を覆い、嗚咽を漏らしながら絞り出すように言ったわ。

『……違うの、芽衣ちゃん……。私、本当に彼を追い出したの……。だって…藤野くんと別れるためにね……藤野くんに消えてもらうために、私、一度死んだのよ……っ』

死んだ。
この女は何を言っているんだって思ったわ。さすがに想定外だった。状況は差し迫っている。でも、焦れば心が閉じてしまう。私は落ち着くまで待つことにした。
泣き止んだ千春ちゃんは、ハンカチで涙を拭うと、どこか吹っ切れたような表情を見せた。

『……芽衣ちゃんにだけは、話すわ。私の、恩人だから』

そこまで言うと、秀島はオレの顔をじっと見据えた。心中を確かめるように。


[45] Re: 遍歴  カッツ :2026/08/22 (土) 23:01 ID:VLbAUOZY No.33113
そんな内容なんだろう、ワクワクします。
連投ありがたく、つづきが待ち遠しい。


[46] Re: 遍歴  土屋 :2026/08/23 (日) 01:08 ID:XBsTOTNU No.33114
カッツ様 続きが待ち遠しいとは、本当にうれしいです。ありがとうございます。


関係の終わりを望んだ千春ちゃんに、藤野は一つの「条件」を出した。
「お前に捨てられたら、俺は生きていけない。どうしても別れたいなら、手切れ金としてまとまった金を用意してほしい」

理不尽な要求。だけど、腐敗した関係を清算できるなら、千春ちゃんにとっては合理的だった。でも、すでに藤野に給料を吸い尽くされ、貯金も底を尽いていた千春ちゃんに、まとまったお金なんて用意できるはずもない。
途方に暮れる彼女に、ある日、藤野は悪魔の囁きをした。

「金がないなら、俺に協力してくれ。そうすれば、別れてやってもいい」
『協力って……?』
「ギャラ飲みでお前を呼んだ金持ちの中で、お前を特別に気に入った奴がいるんだ。そいつが、自分のためだけの特別なサービスを望んでる。俺がそれをセッティングすれば、仲介料としてまとまった金が入る。お前に捨てられても、それならなんとかできる」

特別なサービス、容易に想像つく話よね。察した千春ちゃんが震える声でその意味をきく。藤野は鼻で笑って軽く言い放った。

「決まってんだろ。金持ちのオッサンを一晩、ベッドで慰めてやればいいだけだよ。減るもんじゃねえだろ?」

売春よ。
本来なら、千春ちゃんの生きる世界に現れるはずもない話。金銭と尊厳を引き換えにするのだから。だけど、千春ちゃんは、即座には断れなかった。
『……考えさせて』
すぐに藤野が追い討ちをかけた。
「いいぜ。でも、断るなら俺はずっとお前の所に居座るからな。俺を養えよ」

それからの数日間、千春ちゃんの頭の中は狂気の葛藤に支配された。
一生ヒモの奴隷として生きるか。それとも、身体を売って自由を買うか。
そんな極限状態の最中に、赤坂の居酒屋で私と飲んだ。私は彼女に発破をかけた。
秀島は、自嘲気味に笑った。

「それで、追い詰められていた彼女は、崖から飛び降りることにした。私との別れ際、確かにこう言った。『別れ方はわかっている』って。それはそういうことだったのよ」

私と赤坂で飲んだ翌日。千春ちゃんは藤野に『あの話、受ける』と伝えた。
藤野はすぐに、下劣な笑みを浮かべた。
「よく決心したな、千春! さすが俺の女だ。お前なら絶対にやってくれるって信じてたぜ!」
自分の身体を売る女を「応援」する、狂ったヒモの言葉。
そして、藤野は、意外な提案を持ちかけた。

「それじゃあ、週末、買い物に行こうぜ。客からコスプレの希望が届いてるんだ」

週末、藤野に連れて行かれたのはスポーツ用品店だった。水泳のコーナーに行く。
藤野は店員の男性に声をかけた。

「連れが水泳始めるんだけど、競技用の水着、いろいろ見せてくれる?」

50前後の体格のいい、頭の薄くなった男性店員が女性店員を呼んでくると言う。

「いや、いいよ、店員サンが付き合ってよ」

恭しかった店員が千春ちゃんを見た。
顔、胸、ウエスト、脚、一瞬でベッタリと見られた。
次に店員が顔を上げた時、その表情は、破廉恥で下卑たものに変わっていた。


[47] Re: 遍歴  スナフキン :2026/08/23 (日) 08:52 ID:KMgZ8AcU No.33115
ハラハラして息がつけません。。。

[48] Re: 遍歴  カッツ :2026/08/23 (日) 21:27 ID:9jAmV0B6 No.33116
店員とのやり取りも何かありそう。
そして金持ちおじさんは如何に期待膨らみます。


[49] Re: 遍歴  土屋 :2026/08/25 (火) 18:45 ID:zTMYDkic No.33122
スナフキン様 カッツ様
いつもありがとうございます。続けます。


「お連れ様は水泳のご経験はございますでしょうか?」
店員は藤野と千春ちゃんの関係を解釈し、藤野と話し始めた。
「経験?ああ、まあ、昔少しぐらいかな」
「目的はどのような?」
「目的まで聞くのかよ。そりゃ水泳に決まってるでしょ。泳ぐんだよ、プールで」
「フィットネスでございますね、それでしたら、こちらなどいかがでしょう?」
店員がある一角を示して、そちらに移動しようとする。
その時、藤野が呼び止めた。
「待った。こういうのがいいよ、こういうのだ、欲しいのは」
そこは競技に臨む選手たちのための品が集まったコーナーだった。素人の千春ちゃんからしても、場違いなのは明白だった。
「恐れ入りますが、こちらは部活動などで競技する選手用のものでございますが」
そこから、店員の丁寧な説明が始まった。機能や競技へのメリット、初心者にとってのデメリットまで。藤野はすぐに退屈そうになる。
「わかったわかった、わかったよ。そりゃ、水泳で使うんだけどさ、どうせなら、それ以外にも使いたいわけ。色んな使い方ができるでしょ?プール以外で着ることだってあるでしょ?そういう時に、より盛り上がれる方がいいわけだ。あっちとこっちじゃ、切れ込みとか違うでしょ?わかった?そういう点で見繕ってよ」
藤野の言葉に店員は戸惑ったが、すぐにかしこまりましたと言って、商品を探り始めた。

こちらはいかがでしょうと、店員がハンガーにかかった黒い水着を藤野に見せる。千春ちゃんは蚊帳の外だった。
「こちらは競技レース用でして、非常に生地が薄く身体との密着度を極限まで高めています。ハイレグのカットが腰骨付近まで上がっていて、脚の動きを邪魔しません。また、背中ですが大きく開いた作りとなっております」
店員は、藤野の要求を理解し、プレゼンテーションしていた。
「いいね、これと同じようなの、他にもある?生地が薄くて、カットの大きいヤツ」
「もちろん、ございます。メーカーごとに出ていますので、お持ちします。では、恐れ入りますが、お連れ様。サイズをお教えください」
この時初めて、店員は千春ちゃんに言葉をかけた。答えを要求する好奇の目。
千春ちゃんはなるべく冷静に、なんでもないことのように答えた。

語っていた秀島が息をついてオレを見た。そして鼻で笑う。
「多分、店員の目、今のキミみたいだったんじゃないかしら。数字が知りたくて仕方ないって目をしてるわよ。バスト?ヒップ?どれが欲しいわけ?だけどあいにく、千春ちゃんのサイズなんて覚えていないし、聞いてもいないはず」
図星だった。オレは、母の身体のラインをよりいやらしく想像するための手掛かりとして、数字を欲していた。もう恥じらいもなかったが、「つい話に夢中になってしまって」と詫びて、続きをお願いした。

いくつかの商品を手に店員が戻って、「ご試着なさいますか?」と聞いた。藤野にね。

「するする。千春、試着だ。そこ、入って」
店員より先に藤野に促されて、試着室に入る。半袖の軽やかなドット柄の黒いワンピースを着た姿が鏡に映る。すぐに脱ぐ。パープルのブラを外し、このために履いてきた黒いインナーショーツ一枚になる。
艶のある黒色の品をハンガーから外し、脚を通す。店員に手渡された時の助言に従い、苦労しながら、覆うもののない身体へと沿わせていく。
どうにか着た千春ちゃんの身体は、締め付ける化学繊維の生地に覆われ、素人には無用の腰回りのカットは大きく開き、股間へのラインを強調している。鏡を振り返って見る。背中はほぼ裸に思えた。

「似合ってるか見てやるよ」
外から藤野に声をかけられる。
カーテンを開ける。
千春ちゃんは身体の前で腕を組んで立った。
店員と藤野が並んで、粘ついた視線を向けてきた。
試着室は、千春ちゃんの水着姿を男たちが堪能するためのショーケースに変わっていた。


[50] Re: 遍歴  古田の磐井 :2026/08/25 (火) 19:05 ID:si5OwwrY No.33123
千春さんは慰み者になってしまうのですね。

[51] Re: 遍歴  カッツ :2026/08/26 (水) 11:22 ID:b02YLnDk No.33124
いいですねえ、店員さんも超ラッキー。
この先まだ何枚か着替えるんですよねえ、興奮するよ。


[52] Re: 遍歴  土屋 :2026/08/26 (水) 23:57 ID:CYqzhIbE No.33125
古田の磐井様 カッツ様
お言葉ありがとうございます。続けます。


「ちゃんと見たいから、腕下ろそうぜ」
藤野が見せ物を求めるように言い、千春ちゃんはそれに従った。
「店員サン、どうかな?」
「あ、はぁ、もう、とても、似合っていらっしゃいます。これでしたら、競技を目指す選手たちのように質の高い練習をして頂ける品でございます。締め付けは苦しくございませんか?」
再び千春ちゃんに話が振られた。
「少し、窮屈です」。
「競技用ですから、そのような作りになっております。女性の身体を締め付けて、抵抗をなくすというものです」
後半は藤野に説明した。
藤野が満足そうに笑った。
「あとは、生地の薄さだな」
「その点は、パッドをご使用頂くのがよろしいかと存じます」
藤野が店員を一瞥した。
「違うよ、この生地と連れの相性が知りたいんだ。店員サン、どこに目がいく?」
「それは、あのぉ、全体のフィットを拝見しております」
「このまま人前で泳いで大丈夫かな?」
「あ、いえ、それは、ええ、その、お連れ様はお胸がとても豊かでいらっしゃいますので、やはりパッドを着けられた方が」
「千春、店員サンが、このままだと胸に目がいっちゃうって」
「いえいえ、決してそういうわけでは」
千春ちゃんは反応しなかった。
「店員サン、ちょっと、一緒に試着室に入ってさ、他のも含めて彼女の胸が主張しすぎないか、確認してくれる?」
「あ、いや、そんな。それはお連れ様がなさるのがよろしいかと」
「俺はさ、素人でしょ?わかんないんだわ。素人の判断ほど危険なことはないからね」
「いや、そう申されましても」
「千春は、どう?俺とプロの店員サン、どっちに確かめて欲しい?」

そこで急に、秀島は話を止め、オレに訊いてきた。
「君、興奮してきたでしょ?千春ちゃんは、何て答えたと思う?」
『いや、確認そのものを断ったか、藤野って言ったか、でしょうか?』
「答えはね、店員よ」
オレは言葉を返せない。
満足気に秀島が続ける。

私も予想外だった。
でも、全て明かすと決めた赤坂の店で、私に言った。

『もちろん、嫌だったよ。だけど、そのぐらいのことに怯んでたら身体を売るなんてできないから。それに…』

一度逡巡したようだったけれど、続けた。

『藤野くんに色々酷いことをされたけど、こんな恥ずかしいことまでさせられるんだと思ったら、くすぐられちゃって。終わりにする前、もう一度だけって思ったの。芽衣ちゃんをまた呆れさせちゃうよね』
「最後に堕ちたかった?」
『バカだって思うでしょ?』

呆れたし、理解できなかったけどね。でも、もう私は千春ちゃんがどうなるかには興味がなかった。藤野と別れるために、どれだけの泥水を飲んだのか、その一滴一滴を明らかにする方が面白いと思ったのよ。

千春ちゃんが同意したことで、店員は前向きになった。藤野は話を進めようとする。

「俺はここにいて、他の客が来たら知らせるから。店員サンは安心して仕事してくれればいいから」
「あの、本当に問題にならないのでしょうか?」
「ならないよ。こっちが頼んでんだから。千春も確かめてもらった方が安心だよな?」
千春ちゃんが頷き、藤野の思惑通りに二人が試着室に入ることになった。
藤野は付け加えた。
「千春、胸はお前のウリなんだからさ、どう見えるかは大事だからな。ちゃんと、好きなトコロを両方勃たせた状態にしてから確認してもらえよ」
水着姿の千春ちゃんが、50前後の男の店員を試着室に招き入れる。
彼女は自分でカーテンを閉めた。


[53] Re: 遍歴  カッツ :2026/08/27 (木) 23:44 ID:Paeuu6D6 No.33134
いやいやいや、店員さんとエロな展開になりましたね。
つづき期待し待っています。



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