絆のあとさき 4 - 現在のレスは98個、むちゃくちゃスゴイ人気のスレッドです! - |
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スレッドオーナー: 小田
:2024/01/07 (日) 23:07 ID:LKPNupfo No.188184
先にも書きましたが、昨年後半から投稿ペースが失速しています。 理由は多岐に亘りますから、ここでは取り上げませんが、時間に余裕が出来れば、 引き続き投稿していきます。
終わりのない旅路のような日常ですから、確かな目標を決めて投稿を開始した のですが、一つの出来事に捉われ過ぎ、展開が非常に遅くなっています。
今投稿している出来事の後に待っている出来事など、多くはありません。 年末に向けて、少し大きな出来事が明るみに出ます。 その前後をどのように書き表すか、悩みは尽きません。
数年来コメントを頂いている皆様、読んで頂いていると思われる読者の皆様、 時間が取れる時としか今は言えませんが、できる限り投稿を続けていきます。
では、今後も読んで頂けることを願って、進めていきたいと思います。
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/13 (土) 11:10 ID:DKB63IC2 No.191187
『・・・パンツを脱いだわよ。触るんでしょ?』 『僕の指と舌が・・・あれ?いずみちゃんも話してくれないと』 『いいわよ・・・ゆっくり・・・そうよ、タクちゃん・・・あっ?待ってくれない?・・・』
私にウインクして、
『・・・大変だわ、娘が起きたみたい。後で掛けるから切るわね?』
返事も聞かずに、切ってしまいます。
「おい!おい!いいのかい?」 「寸止め?私には彼よりも大事なモノがあるって知らさないと。そうでしょ?」
ベッドを降りたいずみは、ナイトウエアを脱いで、
「少し時間が出来たから、シャワーと歯磨きね?ないと思うけど、掛かってきても知らせない でね?」 「あぁ、そういうことなら。悪党だないずみは?はははっ」 「うふふっ、タクマさんも大事なのよ、ベッドではね。悪いオンナかもしれないけど、 彼も楽しめるんだもの、お互い様でしょ?セフレですもの、うふっ」
納得の返答に、ぐうの音も出ません。
バスルームから聞こえるシャワーの音が、タクマさんとの滓を洗い流し、いずみを再生している ように聞こえます。
一人取り残された思いなのですが、そう待たずにいずみは抱き付いてくる筈です。 二人の会話から読み取れるのは、イヤらしい中年の私とテレホンセックスが二大テーマのようで したが、解けない疑問も提示されているのです。 それについては、後で説明があるでしょうが、結論に達していないようですから、何も言及しない かもしれません。
立ち上がって窓の外に目をやるのですが、先程のダブルベッドの部屋とは、夜景が全く違って 見えます。 当然下の階なのですが、見る位置が変わると景色もこれほどまでに変わるのかと、少し大袈裟 かもしれませんが、驚愕と表現したくなります。
10分が経過した頃に、いずみが戻って来ます。
「掛かってきた?」
待たせているのですから、気になるのは当然でしょうし、タクマさん以外の他の人でも同じ対応 だと思います。
「イヤ・・・いずみ、来てみないか?」 「良かったわ・・・ナニか見えるの?」
体に巻き付けたバスタオルが落ちないように、胸元を押さえています。 私の腰に手を廻して、窓の外を見るのですが、
「どこ?何が見えるの?」 「見えるだろ?見えないのは心が汚れているからじゃないか?はははっ」 「えっ?・・・あっ?そういうことね?私にも見えるからまだ大丈夫?」
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/13 (土) 16:47 ID:DKB63IC2 No.191192
私達が窓に映っているのに、気付いたようです。
「こうして映るんだから、悪女じゃない証明みたいだね?」 「そうよ、嘘も方便でしょ?大事な人と一緒なのに、映らないなんてあり得ないでしょ?うふっ」 「タクマさんも大事だろ?」 「大事違いよ。彼となら映るのは私だけ、そうじゃない?セフレはそれだけの関係だもの。 肉欲と愛情は同じテーブルには載せれないの」 「好きでもかい?」 「うん・・・好きよ、ほんとに好きなの。でも、愛してるんじゃないもの。 話したことはないけど、彼も分っていると思うし、それ以上踏み込んでこないと思うの。 そういう関係なの、私達って。求め合う気持ちに嘘はないのよ、でもそれだけ。信じてくれる でしょ?」
私の目を見詰めるいずみの腰に手を廻して、キスを交わします。
「バスタオルが邪魔だって怒ってるわ、いい?」
私の返事など気にならないという風に床に落として、首に両手を廻してきます。
「丸見えだぞ。カーテンを閉めろよ」
窓を覗き込む様に立っていたいずみですから、抱き寄せた時に背中が窓側になったのです。
「うん・・・」
レースカーテンと内側の遮光カーテンも開けていたのですから、近くても離れていても、 同じ高さのビルからなら、見えるかもしれません。
振り返って、カーテンを閉めます。
「・・・見て欲しいのはあなただけだもの。他の人は・・・それぞれ理由があるでしょ? タクマさんは少し違うけど、健康維持に必要かな?うふっ」 「はははっ、潤いと癒しだろ?」 「そうかな?うふっ。あっ?いけない!彼の精神衛生に良くないわ。潤いも癒しも封印するわね? それにしても、待たせ過ぎたかな?」 「そうだね。いずみの手腕を見せてもらうよ、はははっ」 「あなたね・・・お静かに、いい?」
先程のポジションに戻って、携帯を操作します。 タクマさんは待っていたのですから、直ぐに出ます。
『遅いなぁ。掛けようかと思っていたんだぞ』 『ごめんね?なかなか寝てくれなくて。タクちゃんの事が気になるから、急ぎ過ぎたのね。 やっとよ、ホントにごめんね』
何かにつけて”ダシ”なるものを持っているのは、かなりの強みと言えます。 その強みは、相手の弱みにもなるのですから、使い方一つで、思惑通りに進めることも不可能では ありません。 言うまでもなく、いずみはひろ子を”ダシ”に使っているのです。
『それなら・・・続けるだろ?』 『まだ元気なの?嘘でしょ?』 『超人タクマを知らないのか?はははっ』 『信じられないわ、うふっ・・・ねぇ、もうとっくに醒めてしまったの。ごめんなさい』
語尾は、さも恐縮したようにフェードアウトさせます。 タクマさんは、一瞬言葉が出てきません。
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/13 (土) 22:02 ID:DKB63IC2 No.191204
『・・・ほんとに?そうだろうとは思ったんだけど。いいよ、次まで溜めておくかな?』 『ほんとにごめんなさい。頑張ってくれたタクちゃんには申し訳なくて』 『もういいって・・・さっきね、戸田さんのこと、気にしていただろ?』 『いいのね?・・・戸田さん?何だった?』 『戸田さんの名前を聞いただろ?だから何かなって』
タクマさんの優しさなのでしょう、いずみのへりくだった様子から、先程の懸念に言及したのだと 思われます。 加えて、私に話しがあると言ったことにも関係があるのかと、邪推してしまいます。
考える素振りなのでしょう、直ぐに返答しません。 纏まったのか、私に顔を向けてウインクします。
『・・・気になるっていうか、あのね、オーナーのレストランに入った時ね、ほんと驚いたのよ』 『それ?話しただろ?今は無理だって』 『違うの。タクちゃんを見た瞬間よ、ほんとに驚いたのね、だから戸田さんが見えなかったの。 携帯で話しながらだったでしょ?戸田さんの肩に当たったのに、満足な謝罪もできなかったのよ。 それだけビックリしたって分かるでしょ?』 『驚愕?それとも驚天動地?』 『難しい熟語を知ってるのね?もしかしたら・・・』 『有名大卒?はははっ、話していて分からないのなら、節穴だろ?』 『やっぱり!そうじゃないかと思っていたの。タクちゃんのヘアースタイルが変わり過ぎだもの。 疑問から確信に変わったかな?だから・・・後日ね?それまでは封印しておくから、必ず教え てね?』 『激変だろ?思うことがあって・・・いつかのいつかかな?』 『曖昧なのね?・・・ねぇ、長くなってしまったから、今夜はここまでにしたいかな?』 『いずみちゃんは忙しいから。今からも?』 『そうよ・・・聞こえる?』
傍に置いていたホテルの約款を取り上げ、ハードカバーを開いて、約款を記した用紙を携帯の 近くでパラパラとめくります。
『プレゼン用なの?』 『あるプロジェクトの計画書・・・分からないわね?』 『僕も・・・はははっ、分かる筈もないだろ?』 『そうね・・・じゃ、いいいわね?』 『いつ会えるかな?』 『いつかのいつかね?うふっ・・・一ヶ月後かしら?木下さんとの兼ね合いね?』 『そうだな・・・じゃ、連絡を待ってるよ』 『おやすみなさい・・・大好きよ、うふっ』 『同じく・・・はははっ、おやすみ』
爽やかに締めくくります。 セフレとしての資質は十分に備わっていると判断できることに加えて、粘着質な気質でもない ことは、いずみにとっては有難いことです。 タクマさんの出自は、ある程度の推測は出来ていますが、私に話しがあるとは、皆目見当も付き ません。
いずみの表情からは、余韻が残っている様が読み取れます。 ベッドでの後遺症ではない事は、一目瞭然です。
上手く纏められた安堵感か、ホッとした表情でベッドを降り、抱き付いてきます。
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/14 (日) 11:13 ID:J9iEAGI6 No.191214
「上手く纏めたね」 「うん、いつもと少し違うかな?アレ?またいつもって、うふっ」 「はははっ、完璧な再現は不可能だろ?いつもの?はははっ、雰囲気が見れればそれでいいよ」 「あなたまで。いつもはいつもじゃないのよ、話していたでしょ?聞こえなかった?」 「僕達にはいつもはいつでもいつも、分かるね?」 「うん、愛してるわ」
いずみは私の膝の上に乗って、両腕を首に巻き付けているのです。
「いずみね、タクマさんじゃないからね?」 「えっ?・・・あっ?ごめんね?重い?」 「比較はしたくないが、超人タクマじゃどうあがいても敵わないからね、はははっ」 「うふふっ、そのお話しは・・・あっ?忘れてたわ。大変だ〜!サワちゃんに叱られるわ」
言葉とは裏腹に、急いでいる様には見えません。 私の頬にソフトに唇を付けてから膝から降りたいずみは、もう一つの椅子を私の右傍に移動させ ます。
「これでいいわ・・・サワちゃんに掛けてもいいでしょ?」 「交代の連絡?遅くなったのかい?」 「少しかな?」
全く気にしていない様に見えるのは、いずみを熟知している私だからかもしれません。
『いずみさん、遅いじゃないですか?』 『ごめんね?でも、まだ12時にはなっていないわよ』 『”11時を回るかも?”って。それを信じていたのに』 『だから謝ってるでしょ?ハッキリと約束したんじゃないでしょ?』 『そうですけど・・・いつもと同じかなって。時間には厳しいいずみさんって思っていたのに、 見方が変わりそうです』 『あのね、いつもはいつも一緒じゃないのよ。いつもそうなるように努力してても、いつもそう なるとは限らないの。いつもとはそいうものなの、分かる?』
先程の”いつも”が独り歩きしているようです。 いずみ本人も制御できなくなっている様に見えても、押し切る強い気持ちが感じられます。 石黒さんにすれば、返答の機会を探すにも、その隙も見付けられない様に感じます。
『いつもはもういいです。何時になるんですか?』 『うふふっ、怒った?』 『体がいくつあっても足らないって言うでしょ?真剣に受け止めていませんから、怒る理由も ないでしょ?』 『お利口さんね?それがサワちゃんだものね?・・・そうね、もう少し主人と話したいから、 遅くとも1時までには、ダメかしら?』 『小田さんの声を聞かせてくれたら、いいかな?』
以前にも同じパターンがあったことを思い出します。
『待ってね?・・・』
「あなた、出てくれない?」
携帯を差し出して、”チュッ!”と頬に唇を触れさせます。 ”上手く纏めてね?”と示唆しているようです。
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/14 (日) 15:16 ID:J9iEAGI6 No.191216
『いずみが無理なお願いをしたようで申し訳ないね。後で叱っておくから』 『これってスピーカーでしょ?』 『分かっていたんだろ?』 『いつものいつもはいつもなんですね?』 『はははっ、ご明察だよ。石黒さんには隠し事などできないね』 『でしょ?いずみさんって今夜の事を詳しく教えてくれないの。小田さんとタクマさんを 遭遇させるだけ、どういう設定なのかもナニも。それなのに小田さんとの大事な時間を割かれた のに、いつものいつもって訳の分からない言い訳なんだもの。酷いと思いませんか?』 『いずみも分っていないんだよ。成り行きで仕方なく、そう思ってくれないか?』 『勢いですね?それならありがちなことだわ・・・いずみさん!素直になりましょうね?』
携帯をいずみに渡します。
『反省してるから、そんなに責めないでよ。今夜の事は必ず話すから、もういいでしょ?』 『うふふっ、小田さんと話せたから、今夜はいずみさんに譲ります。明日の朝まで仲良くして 下さいね』 『えっ?いいの?一か月先まで会えないのよ』 『待つのも楽しいモノなんでしょ?・・・小田さん!待たせて下さいね?』
携帯を私に渡そうとして、
「おかしいわ、スピーカーにしてるのに」
顔を寄せあった二人の前のテーブルに置きます。
『いずみに聞いたのかい?自信はないが、頑張るとしておこうか?はははっ』 『いずみさんってボキャブラリーが豊富でしょ?教えられる事ばかり、尊敬しているんです ・・・聞こえます?』 『言わないでね?お鼻が高くなるでしょ?うふふっ』 『はい、今度はオッパイって言えるようになればいいですね?うふふっ』 『もう!寄ってたかって・・・あれ?あなたは言わないから、失言でした。でも、嬉しいわ、 譲ってくれたこと。何かお返ししないといけないわね』
私が割って入ります。 タクマさんと約束した日なら、その後で石黒さんと会うことは可能です。
『再来週の月曜日はこちらに来ているからね、夜の少し遅い時間に。どうかな?』 『えっ?ほんとに?・・・』 『ほんとですか?』
二人ほぼ同時に驚きの声です。
『・・・あなた、出張なの?』 『嬉しいです。何時でも待っています・・・いずみさん、特に予定はないですね?』 『分かったわ・・・その日はサワちゃん用に空けておくから。それでいいでしょ?』 『はい、お願いします。嬉しいな!』 『はははっ、纏まったようだから、僕とはその時に。いずみとは仲良くしてくれるね?』 『はい・・・いずみさん、仲良しでしょ?』 『そうね、これからも宜しくね?・・・じゃ、明日は7時前に帰るから。いいわね?』 『はい、小田さんと仲良くして下さい。おやすみなさい』 『そうね、おやすみ』
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/14 (日) 19:17 ID:J9iEAGI6 No.191219
私の顔を覗き込んで、
「仲良く?今夜は無理って言えないもの。説明するには時間が必要でしょ?私達の時間が 割かれるもの。あれ?サワちゃんの時間を割いたのに、少し説明すれば良かったかな?」
その気もないのは、丸分りです。
「まぁ、驚いた時間だったが、時間が経つと何事もなかったように思えてくるよ」 「それって自然体ってこと?」 「タクマさんと?」 「違うの?」 「いずみかな?」 「わたし?・・・いつもと変わらない姿態を見せたかったのよ。でも、変更したから、いつもの いつもじゃなかったの」 「そうか・・・後で聞こうか?」 「あっ?ごめんなさい。シャワーでしょ?」
私は何も話さず、立ち上がります。 私の様子が気になるのでしょう、直ぐにドレスシャツのボタンに手を掛けてきます。
「気付くのが遅くなって、ほんとにごめんなさい。怒ってないでしょ?」 「怒る?それはないよ。それ以前の問題かな?終わったことには拘らないとしても、何かの サインは欲しかったね」 「あなたの様子は見えないし、合図もできない状況で話しだけが進んでしまって」 「後で聞こうか?納得させるのは得意だろ?はははっ」 「得意?そんなんじゃないの。いつものようにありのままに、いつもと変わらず・・・あれ? うふふっ、空気を変えようかなって」 「はははっ、いずみ節に追加するか?」 「まぁ!久し振りだわ。懐かしい響きね、うふっ」
体を洗ってもらいながらも、心なしかいつもよりも丁寧に感じるのは、いずみが気を遣っていると 思ったからですが、本人は至って冷静に見えるのです。 そう感じるのは、私が気を廻し過ぎなのかもしれません。 それもいずみなのですから、ベッドでの弁明まで気付かない振りを通します。
「ねぇ、ベッドは?」
いずみは先程のナイトウエアを、私も同じようにナイトウエアを着ます。 考えようでは、いずみはピロートーク、私は差し詰めベッドトークかと、可笑しくなってきます。
「ん?聞く?」 「えっ?そうよね、聞くまでもないわ。ごめんね?」
先程、いずみがタクマさんと携帯で話したベッドではなく、バスルーム側のベッドに並んで座り ます。
「あれ?脚の長さってあまり変わらないと思わない?」
本題に入る前の緊張緩和を狙ったようですが、タクマさんとの性行為を観られた後では、臆する ものがあるのでしょう。
「ん?・・・狙いは分かるけどね、フェイントは必要ないだろ?」 「はい、指摘されるって分かるのよ。でも・・・とっかかりが難しくて・・・チュッ!うふふっ ・・・これでいいわ」 「はははっ、いずみらしく話してくれないか?」
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/21 (日) 13:40 ID:x8bomWrk No.191376
「うん・・・レストランで話したことでしょ?観られて興奮する事ね?・・・あっ?その前に ブラウスをワインで汚したことを話すわね」 「それか・・・ウエイトレスの女性、名前を聞いたが・・・まぁ、それはいいとしても、 前に聞いたように上手く隠すね。いずみの腕が時折見えたけど、ブラウスを脱いでいるとは 思えなかったし、カーディガンも着るんだから、何だかマジックを見ているようだったね」 「アレでしょ?直視できないものね。時々なら断続的でしょ?現実と推測のどちらが勝るか? 妄想ってそういうことでしょ?」 「なるほどね。ここでもいずみマジックかい?」 「ほんとだ!そう言えば良かったかな?うふっ」 「タクマさんがこちらを見ているから、顔を上げるタイミングが難しかったね。 そもそもワインの理由だが、飲めないのにと思うだろ?」 「あのね、タクマさんが再会を祝ってって、それで。飲めないのは知っているのよ。 それでもって、仕方なかったの、口を付けるだけならって。でも、見えなかったかもしれないけど、 腕を絡まして飲むの、何て言うの?」 「クロス呑みかな?経験がないから間違っているかもしれないが、友情の証とか言うらしいよ」 「腕を交差するから、そう言うのね?タクマさんは再会の祝福とか言ってたけど、ワインに 口を付けたのはいいのよ、直ぐにキスしてくるんだもの。”えっ?”って思った時にはワインが ブラウスに。少しだけだったけど、シミになるでしょ?でね、カーディガンを着ることになったの。 カーディガンの着方って変だと思ったでしょ?」 「まぁ、あり得ないね。分かる人にはセンスがないと思われるだろうけど、ブラウスを脱いだと なると、選択肢はそれしかないものね、はははっ」 「笑わないでね?あなた以外の人って鈍感なのかな?特に変な目で見られなかったわよ」 「見て見ぬ振りだろうね?それはいいから、続けろよ」
恥ずかしいという風に、抱き付いてきます。
「ねぇ、もっとくっついてもいい?」 「今もかなりだろ?乗っかるのかい?」 「それは・・・あっ?タクマさんを想起したでしょ?」 「彼とはそうしてるのかい?」 「いつもじゃないのよ。その時によるけど、してるかな?」
正直も考えものですが、嘘も方便は使って欲しくない状況ですから、納得するしかないようです。
「全て話すのは難しいとか言ってただろ?乗っかるのは思い出したからなのか?」 「うん・・・ほんと難しいでしょ?隠すとかじゃなくても、全てなんて無理って分かるもの。 だからね、話していて”あれ?”って思い出すことってあるでしょ?今のはそうなの。 あのね、乗っかるって繋がったまま・・・挿入したままでお話しするの。 セックスしてるのにしていないような、そんな状態なの」 「やはりだね。彼の体力、チン力かな?侮れないね、はははっ」 「あなたね、笑うところじゃないでしょ?ほんとは話したくないでしょ?だって、あなたに悪い ことしてるって思ってしまうんだもの。それでもお話しする私っておかしいと思わない?」 「僕が容認しているからだろ?そう理解しているのなら今更だろ?」 「あなたは聞きたくないのは分かっているのよ。でも、話すのが私の義務なんだもの。 セフレとは所詮セフレなの。あなたとは次元が違うんだもの」 「だから話す?それでいいんだよ。僕が仮に聞き流したとしても、いずみは誠意を示したことに なるからね。大いに発言してくれたまえ、はははっ」 「開き直ってるの?そうなの?」 「何も・・・無の境地だよ。いずみに任せているんだから、いずみの責任で行動すればいい。 間違ったことにはならないと信じているからね」 「うん、”絶対に絶対はない”ってあなたは言うでしょ?でも、声を大にして言えるもの。 ”問題になるような事は絶対にない”って、何度でも言えるもの。 あれ?聞き流しって無視されてるってこと?うふっ」 「その方が好都合だろ?僕に気を遣わなくて済むからね」 「そうだとしても、セックスの詳細は話したくないかな?それなら今夜のように観られる方が いいかな?あなたを意識せずに話すのってほんとに難しいもの。あっ?でも、独り言だと思えば いいのね?あなたは傍に居るのに居ないと思えば・・・できるかな?できる限り事実を事実として 話すように努力するから・・・でも、聞き流す事ってできるの?」
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/21 (日) 19:59 ID:x8bomWrk No.191386
「まぁ、その時だよ。任せると言っても僕が関与できる余地は欲しいかな?」 「うん、何でも言ってね?あなたのいずみだもの。指示とか注意事項があればそれに従うの、 それが私の誠意だもの。愛してるのはあなただけだもの」 「僕が言いたいのは、分かっていることは事前に知らせる、事後連絡なら可能な限り早く、 判断に困った時は即断しない、僕に相談してから決める、そういうことだよ。 今言ったことは一例だが、理解出来るだろ?」 「うん・・・あのね、性行為は?」 「タクマさんと楽しく過ごせるのなら、特に口出しはしないよ。セフレの範囲で最大限に 楽しめばいいからね?」 「うん・・・でも、独り言は聞いてくれるでしょ?あなたに話さないって自分を欺いている みたいで、気持ち悪いんだもの」 「思い出せればだろ?そうだろ?」 「あれ?疑ってるの?・・・でもね、睦言って二人だけの世界でしょ?それを話すのって 勇気がいるかな?話したくないってことじゃなくて、ちょこっと恥ずかしいかなって。 分かるでしょ?」 「はははっ、お任せだよ・・・ん?恥ずかしいことを話してるのか?」 「だって・・・話すとバカにされるみたいな、あの時って愛を語るって感じなんだもの。 でも、将来とかそんなお話はしないわよ。二人で見る夢、見たい夢かな?」 「ピロートークは愛情を高めるとか言うだろ?」 「うん・・・高揚感の後で訪れる安らぎって、何にも代えがたいものなのね。それに浸かって、 あれ?ピロートークじゃないの。乗っかりトーク、ライディングトークかしら?」 「だから睦言か、なるほどね。ピローを使う時間もない程?はははっ・・・ん?乗っかりトークは 分かるけどね、ライディングトークはいずみ製かい?」 「だって、時間厳守だもの。これも絶対に譲れないでしょ?鋼鉄の心はここでも健在なんだから。 あのね、ライディングトークは思い付きなの。”get on top of him"かな?あれなの、馬に乗る って感じなのね。だから、”riding a horse"でしょ?”どうして馬なの?”って聞かないの?」 「言わせたいのか?」 「あれ?失言?・・・気分は如何?うふっ」 「僕の比じゃないのは分かっているからね。そこから導き出せるのは?」 「わたし?・・・暴れ馬かな?そう思ったから。意味はいいでしょ?」 「遠慮しなくていいんだよ。現実を観たばかりだから、間違ってるとはとても言えないからね」 「うん・・・乗りこなせないのは分かるでしょ?一時の安息がライディングトークね、ほんの少し なの。直ぐに暴れ出すのよ、時間厳守だから。お終いかな?」 「はははっ、短く纏めたね?・・・じゃ、鑑賞会へのアプローチを聞かせてくれないか?」
考えているのか、思い出そうとしているのか、少しのタイムラグの後、
「最初って何処からって分からないでしょ?話していてふと思い付くことってあるでしょ?」 「何かマズいことでも?」 「何も・・・何もないから、入りどころが難しいのね。そうだ!あなたの肩に当たったでしょ? そこからだったかな?」 「何処からでもいいから進めろよ」 「うん・・・ワインでブラウスが汚れて着替えた後でね、私が驚いて当たった男性、あなたね、 その男性の事が気になるって。あっ?驚いたのはね、タクマさんと話していたの覚えてる? 何を話してるのか分からなかったでしょ?」 「説明があるだろうとは思っていたが、その理由は後日なんだろ?」 「ホントに驚いたのよ。だからあなたに・・・これはいいんだわ、ごめんね?タクマさんの ヘアスタイルの変わりようなの。言葉を失うって言うでしょ?”えっ?”って言ったかも覚えて いないのよ。その時にあなたの肩に当たったの」
いずみの中ではほとんど消化されていると思えるのですが、説明の難しさに直面しているようです。
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/27 (土) 12:50 ID:U8u3oWpA No.191483
「僕の肩に当たったのが発端かい?」 「タクマさんはどう思ったのかは分らないのよ。あなたに当たっていなくても、同じだったかも しれないわ」 「まぁ、それはいいとして、ヘアスタイルの激変を聞こうか?」 「あなたの言うように、ほんと激変なの。前はね、肩まであったのよ。それがあれでしょ? 驚愕としか表現できないと思わない?」 「はははっ、同意を求められてもね。まぁ、思うことがあってだろ?答えは分かっているのに、 しつこく聞くんだから、いずみも人が悪いね」 「木下さんから聞いていなければ、でしょ?」 「確信がないとはいないだろ?」 「うん・・・でも、本人の口から聞きたいでしょ?堅いというか、あれ?アレじゃないのよ、 お口だから。”分かってる”って、いずみの独り言でした」 「練習してるのか?はははっ」 「だって〜、本番・・・あれ?まただわ、本番違いだから。はい、そこから離れます、うふっ」 「何かあったのか?楽しくて仕方ないと聞こえるけどね」 「あなたね、私が安らげるのはあなただけなのよ。そこから見えてくるものがあるでしょ?」 「僕と一緒だから?」 「それしかないでしょ?あなたと話せる時間って多くはないもの。アレね、すれ違い夫婦って私達 の事を言うんじゃない?」 「元を正せば・・・続けるかい?」 「私でしょ?潤いと癒し・・・私が言うって真実味がないかもしれないけど、ほんと過酷な毎日 なの。だから、それが必要になるのね。でも、年末までだもの。来年からは私の思い通りに 進められるから、不要とまでは言えないかもしれないけど、必要とも言えないそんな環境になると 思うわ」 「はははっ、否定しないのがいいね。いずみの隠された欲望は理解しているつもりだからね。 セフレが必要なら話してくれていいからね。タクマさんなら進んでとは言えないが、認めない訳 にはいかないだろ?はははっ」 「うん・・・そうなるかもしれないし、他の人になるかも。でも、セフレはあなた次第、ダメなら その時にハッキリ言ってね?あなたの指示に従うから」 「後で恨まれないか、それが心配だね、はははっ」 「うふふっ、その時はあなたが待たせてくれるんでしょ?私にはそれが最高の悦びだもの」 「話しただろ?その途中だと。石黒さんが試金石だろうね」 「話しておくわ、”しっかりさせてね”って、うふふっ」 「はははっ、情けない話になってきたから、戻そうか?」 「うん・・・だからね、お父さんの会社に入るって言えばいいのに、もったいぶってるでしょ? あれかな、それを話すとなると、お父さんとの軋轢を話さないといけないって思ってるのかも? でも、”何時か”って言ってたでしょ?それまでに話せる内容を整理しておくとか、でっち上げた お話で取り繕うのか、その内容でタクマさんの私への気持ちが見えてくるかもしれないわね」 「見えない方がいいかもしれないよ。信じたい気持ちは分かるが、所詮セフレだと理解しておか ないと、見たい景色じゃなかった時に、後悔が大きくなるからね。いいかい?」 「うん、線引きは大丈夫よ。どちらでも動揺はしない鋼鉄の心の持ち主なんだもの」 「はははっ、頼もしいね。ヘアスタイルの件は分かったとしようか?」 「タクマさんの返答待ちね?きっと希望のお仕事に就くのよ、それがお父さんの会社じゃなくても。 その理解で正しいかな?」 「待つのは得意だろ?その時まで忘れようか?」 「はい・・・じゃ、あなたに鑑賞を頼んだ経緯だけど・・・タクマさんね、さっきも話したけど、 あなたの事が気になるみたいで、チラチラ見ていたの。向き合ってるから目線って分かるでしょ? ”どうしたの?”って聞いたら、急によ、”彼に観てもらおうか?”って、切り出してきたの。 そんなお話しはしていなかったのよ。というか、カーディガンを着て直ぐだったから、何を言って るのか分からなくて、”観てもらう?ナニを?”って言った後に性行為の事だって分ったの。 でね、”興奮したいから?”って聞いたらね、”いずみちゃんを見せたい、彼なら大丈夫だと思う” なの。訳分かんないでしょ?でもね、私はいい機会だって思ったの。あなたの要望なんだもの、 否定なんてできないけど、そうだからって”喜んで”って言えないでしょ? どうお返事したらいいのか、口籠ってしまったわ」
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Re: 絆のあとさき 4
小田
:2024/04/27 (土) 20:08 ID:U8u3oWpA No.191487
「タクマさんから?いずみが示唆したのかと・・・それはないか、いずみから言える筈もないね」 「そうでしょ?そこは抑えて・・・うすうす気付いていたと思うけど・・・えっ?淫乱ね、 口にしたくないけど。性行為を見せたいって露出趣味があるのか気になるでしょ? ホモじゃないって認定したのに、今度は露出プレイなんだもの。”変態の仲間なの?”って 聞きたくなったわ」 「聞かなかったんだろ?」 「聞けないもの。セフレの関係でも変態はイヤかな?性行為を楽しむ関係でも、変態って引いて しまうもの」 「その手の趣味があるようには見えなかったね。純粋にいずみを見せたかった、それだけじゃ ないか?」 「私もそう思ったから、渋々OKのお返事をしたの。実際は”喜んで”かな?でも、あなた以外の 人なら絶対にOKしないわよ。見た目で人は判断できないでしょ?」 「だね。”中年はイヤらしい”と言っておきながら、了承とはこれ如何にだね?」 「ホント矛盾してるって思ったけど、タクマさんはそんなの関係ないって感じなの。 私が思うことよ、見せるその行為自体に興奮する、そういう性癖じゃないかって思ったの。 あのね、観る人は誰でもいいの。観る人が昂奮すればもっと興奮できる、そういう性癖、何て言う んだったかな?・・・性的倒錯、これね?」 「いずみも観られて興奮する性癖の持ち主だろ?タクマさんはそこまで気付いていなかったよう だね」 「危ないかな?会う回数が多くなるとそれとなく分かってくるかもしれないから、気を付けるわね」 「普通のセフレを全うして欲しいね。普通だよ、普通だからね?」 「もう!私の暗部を見せなさいって言ってるのと同じでしょ?アレ?恥部の方が良かった?うふっ」 「はははっ、暗部でも恥部でもいいが、深入りはさせないように、いいね?」 「うん・・・そういう経緯かな?気になる事とかない?」 「いずみだろ?気にしてるのは。まぁ、僕もだが・・・話せよ」 「行為中の私の状態でしょ?」 「それしかないだろ?打合せしたのは分かるけど、その理由を知りたいね」 「元ネタは木下さんなの。あのね、次の4Pは睡眠導入剤を使いたいって、休憩の時にお話しが。 るみさんは経験があるみたいで、すんなりOKするんだもの、ほんと困ったのよ。 M.Tの調教が蘇ってくるの、あり得ないプレイだもの。絶対に受け入れられないと思ったのに、 直ぐに断れなくて、あやふやなお返事でやり過ごしたの。 でも、木下さんだけなら断り易いでしょ?お隣のお部屋に入って直ぐに抱き付いてキスしたのね。 これって効果は大きいのよ、積極的に性的な行為を仕掛けられると、ついOKしてしまうものなの。 木下さんって気遣いが半端じゃないから、”るみさんだけにしようか?”って。 私も捨てたものじゃないでしょ?」 「悪いオンナだね、いずみは。まぁ、正解だよ、悪夢が蘇ってこないとは言えないからね」 「うふふっ、それでね、私は経験がないって話していたから、”練習しようか?面白そうだろ?” なの。木下さんに断わりを入れたことは話さなかったのね。言えないでしょ?抜け駆けみたいで。 一ヶ月後には分かることだからいいかなって。タクマさんはそんなの知らないんだもの。 私が前向きになれるように後押ししてくれたんじゃないかな?。”面白そうだろ?”は本心じゃ ないと思うの、私を気遣ってのことだと。そう思いたいのかも?」 「仲良しだね?それはいいとして、寝たフリの感想は?」 「思っていたより楽チンだったわよ。全て受け身でしょ?フェラもテコキも何もしなくていいんだ もの。タクマさんはほんと大変だったと思うわ。並の体力では成し得ないお仕事って感じだもの」 「誰にでもできる行為じゃない、僕には到底できない相談だよ」 「あなたに相談したかったのに?うふふっ・・・大事なあなただもの、無理は言えないわ」 「タクマさんに相談してくれないか?何なら僕からお願いしようか?はははっ」 「しないくせに!あなたってほんと能天気なんだもの。そこがいいところかな?」 「はははっ、庇ってくれるとは、持つべきものは妻だね」 「それを言うのなら、”妻”じゃなく“友”でしょ?・・・そうか?!友であり妻である、 そういうことね?」 「まぁ、いつまでもそうあって欲しいね」 「頑張ろうね?愛してるわ、うふっ」
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