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満員御礼 m(__)m 超スゴイです!超感激です!超サプライズです!
爆発的大人気でこのスレッドは、なんとレス数が200を突破して満杯となってしまいました。
申し訳ありませんが新しいレスは書き込めませんので、続きは新しいスレッドでお願い致します。

続 せ・ふ・れ

[1] スレッドオーナー: 洋祐 :2021/07/05 (月) 20:23 ID:26azRQhU No.157704

二つ目のスレになりました。
ただの一人語りが続きますが、よろしかったらご覧ください。


俺は、騎乗位では逝くことはできなかったものの、
その後は、結局2回、綾夏の中に射精した。

1回目は、決して激しいものではなかったが、様々な体位を試した。
先ず、騎乗位を終えた後、綾夏を少し乱暴に仰向けに倒し、
彼女の両脚を開いて大きく屈曲させた。

愛液で潤った綾夏の性器もアヌスも上向きに露わになる。
綾夏にこんな格好をさせるのは、関係が始まって間もない頃以来だろうか。
しかも、そのときは、俺も綾夏もかなり酔っていたはずだ。
酔いが醒めた状態で、綾夏にこんな格好をさせるのは初めてのことだろう。

「な、何をするつもりなの?」
「何をしても平気なんだろ。」

俺がそう言うと、綾夏は抵抗しなかったが、
恥ずかしさのせいか、両手で顔を覆った。
綾夏に言葉攻めをしたいところだが、俺にそんなスキルはない。

俺は、ペニスを綾夏の膣口に宛てがい、
ゆっくりと挿入した後、出し入れを始める。
アダルドビデオでは、よく見かける体位かもしれないが、
実際にやってみると結構辛い体勢で、長くは続かなかった。

ゆっくりペニスを抜くと、綾夏の膣口がポッカリと開いていた。
膣口が開いた綾夏の姿を見るのも、これが初めてだ。
綾夏の膣口に両手の指を突っ込み、左右に拡げたみたが、
暗くて中はよくわからない。
だが、膣の中は、愛液でぐっしょり濡れているのはわかった。

綾夏は、相変わらず手で顔を覆っていた。
その姿は、早く入れてと訴えているように、俺には思えた。

俺は、綾夏を横向きにして、彼女の片脚を大きく上げ、
もう一方の脚に跨り、ペニスを深く深く挿入した。

「あぅぅぅ…」

そんな綾夏の声を聞きながら、俺はゆっくりと腰を動かす。

その後は、思いつくまま体位を変えながらセックスした。
すべてアダルトビデオの見様見真似なので、
変わった体位はしていないと思うが…

どのくらいの時間をかけたのか、全くわからないが、
最後に正常位で重なった頃には、俺も綾夏も身体中が汗でびっしょりだった。
激しい動きはしなかったつもりだが、正常で綾夏の中に射精した後は、
もう身動きができないぐらい体力を消耗していた。

2回目は、かなり長い時間を費やした。
先ず、1回目を終えた後、二人でシャワーを浴びた。
さすがに風呂場で何かをする気にはなれなかった。

風呂から上がると、冷蔵庫からミネラルウォーターを2本取り出し、
そのうちの1本を二人で交互に飲み、一本を枕元に置いた。
濡れたシーツを交換した後、抱き合いながら、その上に倒れ込んだ。

そして、正常位で綾夏に挿入し、互いに抱きしめ合いながら、キスをした。
その間、勃起を維持するために身体を動かすことはあったが、
それ以外は、ほとんど身体を動かさず、綾夏にキスし続けた。
時間を計っていたわけではないが、1時間以上は続けていたと思う。

「動かなくても、凄く気持ちいい…」

途中で、綾夏がそう言った。
肌を合わせながら挿入されるのが大好きな綾夏にとって、
それだけで本当に気持ちいいのだろう。

俺も気持ちが良かった。
物理的な刺激が無くても、色々なことを思い浮かべるだけで、
俺にとっては十分な刺激になった。
逆に、射精して終わってしまうのが勿体ないと思えるような時間だった。

そんな長い時間を過ごした後、俺は正常位のままゆっくりと腰を動かし始めた。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、」

暫くして、綾夏が俺の耳元で静かに喘ぎ始める。
単調な動きだったが、それでも綾夏はゆっくりと静かに登りつめていったようだ。
そして、いつものように、俺に抱き着く綾夏の両腕に力が入り、
「あぁぁぁぁ…」という声と共に、綾夏の全身の力が抜けていった。

その後も、俺は単調な腰の動きを続けながら、
脱力した綾夏に、顔中を舐めるようにキスをした。
綾夏は脱力したまま、全く動かない。

綾夏の顔が俺の唾液塗れになっていく。
途中、喉が渇き、枕元に置いたミネラルウォーターを飲み、
口移しで綾夏に何度も飲ませ、序に俺の唾液も飲ませた。
綾夏は、終始目を閉じていたので、
俺の唾液を飲んだことに気づいているかどうかはわからない。

「あふぅっ…、あふぅっ…、あふぅっ…、」

暫くすると、綾夏が再び喘ぎ始めた。
俺は途絶えることなく、腰を動かし続ける。
綾夏の両腕に再び力が入ってくる。

「はぁぁぁっ…」

綾夏は、静かに声を出しながら脱力していった。
それを確認すると、俺は腰の動きを速めていき、
遅漏の俺には珍しく、直ぐに綾夏の中に射精した。
綾夏も気が付いたのか、射精が始まると俺に抱き着いてきた。

そして、射精を終えた後は、いつものように、繋がったまま抱きしめ合い、
いつペニスを抜いたのかわからないまま、眠りについた。


[101] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/07 (日) 20:40 ID:1xJWVpzI No.180277

けいさん、レスありがとうございます。


思わぬところで、同期達の話題にあがった由美のことだが、
彼女は、俺がサークルに入って最初に親しくなった同期の娘だった。
由美とは、サークルに入会した当初から何となく話しが合った。

どちらが先に声を掛けたのかは、全く覚えていないが、
俺が先に声を掛けたとは正直考えにくい。
きっと、俺がぽつんと一人でいるところを見かねて、
由美から声を掛けてくれたのだろう。

由美は、綾夏のように美人というわけではないが、清楚な感じの顔立ちで、
胸は目立たないが、細身で背が高く、手足も長くてスタイルが良かった。

何より、由美は、明るくて穏やかな性格で、気遣い、気配りができ、
彼女と話しをするだけで心が安らぐ、そんな優しい娘だった。

サークルの連中には、今でも内緒にしていることだが、
実は、俺たちが1年生のときの春から夏までの間に、
俺は、何度か由美と二人で出かけたことがあった。

当時の俺は、由美の顔立ちが好みではあったので、
彼女を女性として意識していたことは確かだったし、
由美から何となく好意を寄せられているような気もしていたが、
結局、二人の仲が交際へと発展することはなかった。

その理由は、俺が単にヘタレだったことが一番だと思うが、
今思えば、それだけではなく、やはり綾夏の存在があったからだろう。

当時の俺は、綾夏に対しては傍観者だったはずだが、
俺が由美と付き合ったら、綾夏と付き合う権利が消滅してしまう、
そんな意識が俺の心の何処かにはあったのかもしれない。
冷静に考えれば、おかしな話だ。
そもそも、俺が綾夏と付き合えるはずもないのに…

だが、俺が誰かと付き合うにしても、綾夏には知られたくない、
そんな気持ちが少なからずあったことは確かだった。
もしも俺が由美と付き合ったとしたら、
たとえその事実を周囲に隠していたとしても、
同期の女子である綾夏の耳に入る可能性は高いだろう。

今思えば本当に笑ってしまうが、そんなくだらない理由で、
俺は、由美には済まないと思いつつ、彼女に積極的に接することもなく、
由美もそんな俺に何かを感じたのか、由美から誘われることもなくなった。
そんな感じで、1年生の夏以降は、二人で出かけることもなくなり、
結局、俺は、由美と付き合うことはなかった。

だが、由美は、その後も、それ以前と何も変わらずに、
口数の少ない俺に何かと声を掛けてくれたので、
俺は、由美と気まずくなることもなく、卒業するまでサークルで過ごすことができた。
1年生の頃、俺はサークルで一人浮きがちで、何度も辞めようと思ったことがあるが、
そんな俺がサークルを続けることができたのも、実は由美のお蔭だと思っている。

今から思えば、サークルの中では、由美は、俺にとって恩人であると共に、
こんな俺の一番の理解者だったのかもしれない。

当時の俺は、女性と交際するためには、
互いに明確な意思表示が必要と思っていた。
どちらかが相手に告白し、その相手が承諾して初めて、
二人の交際が成立する、そのように考えていた。

だが、俺の周りのカップルの話しを聞くと、
必ずしも明確な意思表示がなかったとしても、
例えばデートを重ねるうちに、知らぬ間に交際に発展した、
というケースもあるようだ。

俺と由美の場合は、どうだったのかを振り返ってみると、
当時、デートに誘うのは、大抵は由美の方で、
俺の方から誘うことはほとんどなかった。

ただ、由美からの誘いを、俺は一度も断ったことはないし、
由美の誘いを受けた後は、実際のデートでは、彼女に任せるのではなく、
逆に俺が主導していた。
また、由美と出かけたときには、俺はいつも楽しんでいたし、
由美も楽しそうにしていたと思う。
周りから見れば、普通のカップルのようだったかもしれない。
それゆえに、由美も気軽に俺を誘ってくれたのだろう。

もし、俺が、由美と同じぐらい彼女を誘っていれば、
デートの回数はもっと増えていたに違いないし、
夏以降も、二人で出かけることが続いていたように思う。

そうすれば、俺と由美は、デートの際には、
次第に手を繋いだり、腕を組んだりするようになって、
徐々に親密になり、やがて交際に発展することも十分にあり得ただろう。

優しくて思いやりがある由美となら、互いの意思表示がなかったとしても、
二人でゆっくりと歩んで行けたのかもしれない。
それは、今となっては、俺の想像、いや妄想に過ぎないのだが、
強ち非現実的なことでもないように思う。

そんな由美だが、俺達が2年生になって数か月が経った6月頃には、
3年生のWKと付き合い始めていた。
俺と出かけることがなくなってから、10カ月程過ぎた頃だった。

俺は、サークル内の人間関係に疎く、
由美がWKと付き合い始めた経緯をよく知らなかったので、
それは、俺にとっては突然のことのように感じた。

後になって、同期の男子から聞いた話しによれば、
俺達が1年生の頃から、WKは由美にアタックを続けていたようで、
1年近く掛けて、漸く由美がOKしたらしい。

時期的に考えれば、俺と由美がまだデートをしていた頃に、
由美はすでにWKから口説かれていたことになるが、
由美からそんな様子は微塵も感じられず、
俺は全く気付かなかった。

綾夏がAと交際を始めたときのことほどではないにしろ、
俺は、由美が交際を始めた話しを聞いたときには、
少なからずショックを受けた。

由美にはとても失礼な言い方になってしまうが、
由美なら俺からアプローチをかけさえすれば、いつでも付き合える、
そんなことを、当時の俺は勝手に思っていた。

だが、それはただの俺の自惚れに過ぎない。
たとえ由美が俺に好意を寄せていた時期があったとしても、
俺が何も行動を起こさなければ、俺に愛想を尽かすだろうし、
自分に好意を寄せるWKと付き合い始めるのも当然だった。

もちろん、由美の本当の気持ちは、俺に好意を寄せていたかどうかも含め、
当時の俺には知る由もないのだが…
ただ、由美の交際の話しを聞いて、俺がそんな感情を抱いてしまうのは、
やはり由美のことが好きだったということに他ならない。

綾夏の存在が由美に対するブレーキになっていたとしたら、
綾夏とAの交際が始まった2月以降、由美とWKの交際が始まった6月までの間に、
ひょっとしたら、俺が由美と交際するチャンスがあったのかもしれないが、
その頃のことを、俺は全く覚えていない。


[102] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/05/08 (月) 02:48 ID:iFR6Rdhc No.180289
若い頃のタラレバ、たしかにありますよね!
洋祐さんはご自分で思うよりモテるんですよ!


[103] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/08 (月) 09:46 ID:uWE/y5W2 No.180297
更新ありがとうございます。
やはり洋祐さんの文章力は素晴らしいです。
こういったアウトストーリーが微妙なお二人の関係に影を落としたり、展開の変化に影響を及ぼしたりするので、見逃せない。
じつはこういった別の女性の存在が綾夏さんの心理の奥の何処かに引っかかってる可能性もあって、それが今の二人の微妙な空気を醸し出してるようにも見えます。
楽しみにしています。

[104] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/10 (水) 20:36 ID:/S35WfV2 No.180361

jジーンさん、まつさん、レスありがとうございます。



由美がWKと付き合い始めてからは、
WKの手前、俺は由美と話しをするのを遠慮してしまい、
サークルの中でも、俺と由美が二人で話しをする機会は、
次第に少なくなり、他の同期女子達と同じ程度になっていった。

2年生の夏休みからは、俺も他大学の女子と付き合い始めたため、
それ以降、由美のことを気に掛けることもなくなっていった。
正直なところ、綾夏のことすら気に掛けなくなっていたので、
その頃の由美のことは、ほとんど記憶にない。

更に、3年生になってからは、俺は綾夏との関係が始まったため、
その頃の俺の記憶は、綾夏自身のことか彼女に纏わることだけだ。

先程、同期が話していたWKの戯言を信用するとすれば、
由美が処女を失ったのは、WKと交際してから1年以上だから、
俺たちが3年生の6月か7月頃のことだろうか。

その頃と言えば、俺と綾夏の関係が始まってから数か月後、
丁度、綾夏がAから別れを告げられた頃と重なる。
俺は、綾夏のことで頭が一杯で、由美の様子など気づくはずもなかった。

WKが卒業して、俺たちが4年生になったときには、
俺と由美は、互いにサークルに顔を出す機会は減ったものの、
言葉を交わす頻度は多少増えたとは思う。

だが、その頃の俺は、いつも綾夏の様子が気になっていたし、
由美も、WKと付き合っていることに変わりはなかったので、
俺と由美が二人だけで話しをすることもなかった。

久しぶりに、俺が由美と二人でゆっくり話しをすることができたのは、
俺達の卒業前に開かれたサークルの追い出しコンパのときだった。

このとき、綾夏は、彼女と同じ学科の友達と卒業旅行に出かけていたため、
追い出しコンパには、参加していなかった。
もしも綾夏が参加していたら、俺は綾夏のことが気になり、
由美と話しをすることもなかったかもしれない。

追い出しコンパが後半に差し掛かった頃、
俺とは離れた席に座っていた由美が、たまたま一人でいた俺の隣に移って来て、
話しかけてきてくれたのを覚えている。

『洋祐くん、隣に座ってもいい?』

由美のそんな言葉から、二人の会話が始まった。
そのときの由美の声は、1年生の頃と同じように優しい声だった。

先程の同期の話しだと、由美は、卒業して間もなく、WKと別れたそうだが、
あのときの由美には、すでにWKと別れる決心、覚悟、或いは別れる予感、
そんなようなものがあったのだろうか。

『洋祐くん、私たちが入学した頃のこと、覚えている?』
『何を?』
『あの頃、私、洋祐くんと付き合うことになるんじゃないかって、
 勝手にそう思っていたんだ。
 洋祐くんは…、どう思っていたの?』
『俺も…、そんな感じだったかな。』
『洋祐くんもそうだったんだ…。
 でも、残念ながら、私たち何もなかったね。』
『そうだな…、ごめん。俺、ヘタレだから。』
『ううん、そんなことはないと思う。
 私も、男の子と付き合ったことがなかったから、
 前に踏み出すことができなかったし…。』

由美は、俺を責めるようなことは一切言わない。
由美はいつも言葉を選んで話しをするし、そんな話し方が俺にも伝わってくるので、
これまで由美と話しをすると、俺はいつも心が晴れやかになった。
この日の由美との会話もまさに同じで、俺は心地よかった。

『私の姉に、洋祐くんと初めて出かけたときの話しをしたら、
 そういう時は、さりげなくアピールしなきゃだめだって言われちゃった。』
『・・・・・・・』
『でも、さりげなくアピールって、どうやってするんだろうね。』
『うーん、そうだな…、そっと、相手の腕を組むとか?』
『えーっ、無理無理、彼氏いたことがない私に、そんなの絶対無理だよ。
 それに、全然さりげなくなんかないわ。』
『俺は鈍感だから、それぐらいじゃないと気づかないかもしれない。』
『でも、それじゃ、女の子がアピールしても、洋祐くん、全然気づかないわ。
 ひょっとして、洋祐くんにアピールしていた娘もいたのかもしれないのに。』
『そうだったのか?そんなチャンスがあったなんて、考えもしなかった。』
『ははは、真面目な顔してそんなことを言うなんて、洋祐くん、相変わらずね。』

由美は、俺の顔を覗き込みながら、可笑しそうに笑った。
だが、その笑顔は、決して俺を馬鹿にするようなものではなく、
彼女の目は、優しさに満ちていた。

『そんなに笑わなくてもいいだろ。』
『ごめんなさい。でもね、洋祐くん、
 私、洋祐くんと初めて二人で出かけたとき、
 アピールなんて頭になかったけど、
 凄く緊張していたんだ。
 私、男の子と初めてのデートだったから…』
『・・・・・・』
『デートのとき、洋祐くんが、手を繋いできたらどうしよう、
 腕を組んできたらどうしよう、キスしてきたらどうしよう、
 抱き着かれたらどうしようって、
 初めは、ううん、デートの前から、そんなことばかり考えていたわ。』
『へー、そうなんだ。』
『うん。だけど、それは、不安だったというわけじゃなくて…、
 何ていうのかな、期待みたいなものの方が強かったと思う。』
『・・・・・・・』
『でも、洋祐くんは、全然変わらず、いつもの洋祐くんだった。』
『そうだったっけ。』
『うん、そう。私に手を出して何かをしようなんて、
 そんな雰囲気はこれっぽっちも感じられなかったな。』

俺が由美と初めて二人で出かけたとき、
俺は凄く緊張していた記憶があるが、細かいところまでは覚えていない。
俺は、何とか自分の心を落ち着かせようと思って、
由美への接し方が事務的になっていたのかもしれない。

『だから、そんな洋祐くんを見ていたら、私、ほっとしたって言うか、
 気が抜けたって言うか、緊張している自分が馬鹿らしくなっちゃった。
 それに、手を出す雰囲気が全くないなんて、
 私、女性としてどうなのよってね。』
『・・・・・・・』
『それで、その後は、洋祐くんと純粋にデートを楽しもうって、そう思ったんだ。』
『あのとき、俺、由美のことは、女性として意識していたし、
 すごく緊張もしていたと思うけどな。』
『そうなんだ。全然そうは見えなかったわ。』
『だから、手を繋ぐぐらいなら、頭にはあったかもしれない。
 実際には何もしなかったけど…。
 だけど、まだ由美と付き合ってもいないのに、
 さすがに、最初のデートでキスとかはないな…』
『洋祐くんなら、きっとそうよね。』
『でも、由美が緊張して、どうしようと思っていたなんて、
 俺、全然気が付かなかった。』
『やっぱり?そうだよね。お互い様だけど…、この鈍感。』

由美はそう言って、クスクスと笑い出した。
俺も、由美につられて笑ってしまった。
ひょっとして、由美は、最初のデートの後、
俺と二人で出かける度に、いや、出かけなくなった後も、
俺に何らかのアピールをしていたのだろうか。


[105] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/13 (土) 10:58 ID:s7JelBes No.180456
更新ありがとうございます。
由美さんといい、他大学の彼女といい、微妙な話も出てきました。
たしか綾夏さんは洋祐さんを童貞、あるいは経験値の少ない男性だと思ってたんですよね。
他大学の彼女の事は知らなかったのでしょうね。
きっかけはともかく洋祐さんと肉体関係になり、それを継続してるという事の意味と洋祐さんの女性関係とにどんな意識を持ってるのかにも興味があったんですけど、最近の更新内容にそのヒントが隠れてるようで、目が離せません。
続きをお待ちしてます。

[106] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/05/13 (土) 21:05 ID:4V328dsQ No.180492
どんどん引き込まれていきます。
今現在では綾夏ちゃんだけとのお付き合いなのでしょうか?
おいおいそのあたりも明白になってきますよね。


[107] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/13 (土) 22:25 ID:F2CnKO/Q No.180494

まつさん、jジーンさん、レスありがとうございます。



俺は、由美が隣の席に来てから、
初めは周囲を気にしながら、由美と話しをしていた。

俺と由美がデートしていたことなんて、誰も知らないはずだ。
今更、誰かに話そうとも思わないし、知られたくもない。
だが、俺と由美の会話を気にする者など誰もいないようで、
それからは安心して由美と話しをすることができた。

『洋祐くん、1年生の6月に〇〇に行ったのを覚えている?』
『ああ、覚えているよ。確か、由美が紫陽花を見たいから、
 〇〇に一緒に行かないかって誘ってくれたときだろ。』
『そうそう。洋祐くんに迷惑かなって最初に思ったけど、
 思い切って誘っちゃった。』
『別に迷惑だなんて、これっぽっちも思ってなかったよ。』
『そう言ってくれてありがとう。
 でも、あのとき、私も〇〇に行くのが初めてだったから、
 私から誘っておきながら、どうしようって思っていたの。
 私、方向音痴だし…』
『そうなんだ。』
『でも、向こうに着いたら、洋祐くんが何も言わずに先導してくれて、
 私は、何もしなくても、洋祐くんの後を付いて行くだけでよかったから、
 本当にすごくほっとしたわ。
 洋祐くんを誘ってよかったって思って、何だか嬉しくなっちゃった。』
『・・・・・・』
『おかげで、紫陽花は口実だったけど、楽しく見ることができたわ。』

由美はそう言って、少し嬉しそうに笑った。

『実は、今だから言うけど…』
『何?』
『由美から誘われた後、俺、一度〇〇に下見に行ったんだよね。』
『えっ?』
『せっかく由美が誘ってくれたのに、向こうに着いても、
 由美に付いて行くだけで何もできなかったんじゃ、
 何か凄く格好悪いと思ってさ。』
『・・・そうだったんだ。そんなこと、全然知らなかった…
 でも、洋祐くん、やっぱり優しいね。』
『何が?』
『私から誘ったのに、遠いところまで下見に行ってくれるなんて…』
『そんなに褒められることでもないよ。
 ただの見栄というか、恥をかきたくなかっただけだから…』
『ううん。それでもすごく嬉しい…
 下見に行ってくれていたなんて、思いもよらなかったわ。
 あのとき教えてくれれば…』
『・・・・・・』
『今更だけど、私のために、時間を使わせちゃったね。ありがとう。』
『どうせ暇だったから…、礼を言われるほどのことじゃないよ。
 もうその話はやめよう。恥ずかしくなるから…』

俺は、そう言いながら、少し顔が熱くなっていた。

当時の俺は、デートの段取りは男がするもので、
自分が知らない場所にデートに行くときには、
下見に行くぐらいは当然と思っていた。

だが、それを相手に知られるはすごく恥ずかしいし、
礼を言われるなんて尚更だ。
由美と話しをするのが楽しくて、つい口を滑らせてしまったが、
あんなことを話さなければよかったかなと、少し後悔する一方、
由美には知ってもらってよかったかなとも思った。

由美と話しをしていると、俺は、それまで忘れていたことも、
鮮明に思い出すことができた。
俺と由美とのことは、このとき、すでに3年半以上前の出来事だったが、
こうして当時のことを思い出してみると、懐かしさを感じる反面、
ついこの間のことのような気もしていた。

『あの日、午前中は天気が良くてとても暑かったけど、
 午後から急に雨が降り出したんだよね。
 洋祐くん、覚えている?』
『そうだっけ。』
『うん。それで二人で慌てて近くのお店に入って、
 そうしたら、洋祐くんが大きな傘を買ってくれて…』
『あっ、そうだ、思い出した。マリリン・モンローの…』
『そうそう。買ったときはただの柄だと思っていたけど、お店を出て傘を広げたら、
 いろいろなポーズを取っているマリリン・モンローの絵だったね。』
『慌てて買ったから、そのときは特に柄とか何も気にせずに、
 ただ大きめの傘を選んだだけなんだけど、まさかあんな絵だったなんて…
 買う前に広げてみればよかったな。』
『二人で大笑いしていたよね。』
『本当に…、何でこんなの買っちゃったかなって思って、
 何かすごく恥ずかしくて、笑うしかなかった。
 それに、この傘を差して歩くのかよ〜って…』
『私は、何これ〜って思って、それが只々可笑しかったわ。』

そのときのことを思い出して、二人で笑った。

『でも…、恥ずかしいと言えば、
 私は、お店を出てからは、傘の柄よりも、
 洋祐くんと相合傘で歩くのが恥ずかしいというか、
 すごくドキドキしちゃった。』
『・・・・・・』
『せっかく洋祐くんと相合傘だったのに、
 結局最後まで、手を繋ぐことも、
 腕を組むこともなかったけどね…』
『そうだったね。急に雨が降って来たから…
 雨のせいで、その後考えていた予定が台無しで、
 これからどうしようかって思って、
 俺、気が動転していたのかもしれない。』
『そうだったんだ。』
『同じ傘に入って二人で歩いているんだから、
 腕を組んだ方が由美も歩調を合わせやすいし、
 雨にも濡れずに済むのにね。』
『そうね。それは私も思っていたわ。
 もっと、洋祐くんにくっ付いた方がいいのかなとか…』
『俺、次はどこへ行ったらいいか、少しテンパっていて、
 そんなことすら考える余裕もなかったのかもしれない。』
『私も、本当にドキドキしていたから、
 洋祐くんがそんな感じだったなんて、
 全然分からなかった。もし気づいていたら…』
『・・・・・・・』
『あのとき、私、歩きながらどうしようかって迷っていたの。
 腕を組んだ方が、私だけでなく洋祐くんも歩きやすいかなって…
 思い切って、私の方から腕を組めばよかったのかな。
 そうすれば、何かが違っていたのかも…』
『・・・・・・』

二人の間に、少しの時間沈黙が流れた。


[108] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/16 (火) 11:48 ID:Tniz0jnM No.180619
いいですね。
なんか青春の1ページみたいで。
由美さんの気持ちを考えるとちょっとキュンとなります。
にしても洋祐さん受け身過ぎます。
どうやって他大学の女性と付き合ったのでしょうか。笑

[109] Re: 続 せ・ふ・れ  トシ :2023/05/17 (水) 11:40 ID:XV8VwOek No.180644
読んでいて、初めて女の子とデートした時の事を思い出しました。
駅で待ち合わせして、レコード店に
行って、お茶を飲んで帰ってきました。
女の子と手を繋ぐだけでも恥ずかしかった、そんな自分は何処へいったのか?


[110] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/17 (水) 20:41 ID:TqMUv1.Y No.180658

まつさん、レスありがとうございます。
他大学の娘とのことについては、話しが長くなりますので詳細は省きますが、
一つ上の先輩女子から、「この娘と話しをしてあげて」と言われたのがきっかけで、
私が口説き落としたとか、そういうことではありません。

トシさん、レスありがとうございます。
紫陽花を見に行ったときは、多分3回目のデートでした。
私の記憶が正しければ、1回目は、映画を観た後、公園を散策、
2回目は、彼女の好きなプロ野球チームの試合を観戦だったと思います。
あの頃のような気分は、もう味わえないでしょう。
今になって味わったら、それはそれで問題ですし…


由美と出かけたあの日の午後、たしか俺の予定では、
由美を連れて海岸まで歩き、二人で海を眺めるつもりでいた。
だが、生憎の雨で、その予定が見事に潰れてしまったため、
俺は、これからどうしようかと少し焦っていた。

由美と相合傘で歩くことなどは、全くの想定外で、
歩いている間は、由美のことまで正直気が回らなかった。
今思えば、確かに、傘の中で腕を組んだり手を繋いだりしていれば、
俺と由美の距離はもっと縮まっていただろう。

もし、由美から腕を組んで来たら、俺も、雨を口実に、
由美の肩を抱き寄せることぐらいしたかもしれない。
そうなれば、その後の展開も変わっていたのだろうか。

いや、そもそも雨が降らなければ、由美と二人で海を眺めていたはずだが、
それから先、俺は一体何をするつもりだったのだろう。
俺自身のことだが、全く思い出せない。

『あのときの傘…、私、まだ持っているの。』
『えっ?』
『帰るときに、小雨だったけど、まだ降っていて…、
 洋祐くんが、俺は少しぐらい濡れても平気だから、
 由美が使いなよって言ってくれて…』
『・・・・・・・』
『それで、私が家まであの傘を差して帰ったの。』
『そうだったっけ。』
『洋祐くんが買った傘なのに…、返さなくてごめんなさい。
 いつか返そう返そうって、ずっと思っていたんだけど、
 返すタイミングが…』
『別にいいよ。よく覚えていないけど、
 きっと、誘ってくれたお礼に由美にあげたものだと思うから。
 返してもらおうなんて、全く考えてなかったと思うよ。』
『ありがとう。やっぱり、洋祐くんは優しいね。』

振り返ってみると、もしも俺と由美が交際を始めるとしたら、
この日が最大のチャンスだったのかもしれない。
由美が、この日のことを話題にしたということは、
由美も、そのように感じていたのだろうか。

しかし、こうして、当時のことを思い出してみると、
あのときの俺と由美の関係は、今の俺と綾夏の関係とは、
全く真逆だったんだなと思う。

俺と由美は何度かデートをし、それはとても楽しかったが、
二人は、キスはおろか手を繋ぐことすらなかった。
一方、俺と綾夏は何度もセックスし、それはとても嬉しいことだが、
二人で真面にデートしたことすらない。

両方の関係に共通していることは、綾夏も由美も、
俺とは彼氏彼女の関係ではないということだ。

もし彼氏彼女の関係だったら…
その相手が綾夏であっても、由美であっても、
二人でデートをした後に、夜を一緒に過ごしてセックスする、
それが当たり前になるのだろうか。

『でも、私…、もっとたくさん洋祐くんとデートしたかったな。』
『・・・・・・・』
『私たち、最初のデートから半年も経たないうちに、
 そんなことも無くなっちゃったね。』
『そうだな。』
『2年生になったら、サークルでも、話しをする機会が減っちゃったし…』
『・・・・・・・』

話す機会が減ったのは、由美がWKと付き合い始めたからだ。
由美が忘れてしまっているのかどうかはわからないが、
由美がそのことには触れなかったので、
俺も敢えて触れずに、由美の話しを黙って聞いた。

『もっと私から誘えばよかったな。だけど…、
 あの頃、私、洋祐くんは他に誰か好きな人がいるのかなとか、
 しつこくて嫌われたらやだなとか思っちゃった。』
『俺が由美を嫌ったりすることはないと思うけど…』
『でも…』
『それより、俺の方から、もっと誘えばよかったんだ。
 由美には済まないと思っていたし…
 今更、そんなことを言っても遅いんだろうけど…』

俺がそう言うと、それまで楽しげな顔をしていた由美が、
少し俯いて暗い表情になった気がした。
俺には、何故、由美がそんな顔をするのか分からなかったが、
俺は、構わず話しを続けた。

『でも、その後も俺とデートを繰り返したとして、
 そのうちに俺が何かしてきたら、
 由美はどうするつもりだったの?』
『えっ…、うーん、そうね、多分何もできなかったと思うわ。』
『どういう意味?』
『拒否することもなかったと思うし…、
 自分から何かをするなんて、とてもできなかったと思う。
 きっと、洋祐くんのすることを全部受け入れるだけだったんじゃないかな。』
『もし俺が、キス以上のことをしようとしても?』
『キス以上のことって…、エッチなこととか?』
『うん。』
『でも…、デートの途中でエッチなことなんて、無理なんじゃない?』
『うーん、例えば俺が、由美をラブホに連れ込もうとするとか…』
『ええーっ、それは…、あまり考えていなかったかな…、多分…
 それに、その頃はラブホのことなんて知らなかったと思うし…』

由美は、地元の県立の女子進学校の出身だった。
男子と付き合いがない真面目な女子高生であれば、
エッチ目的のホテルが存在することなど知らないこともあるだろう。

『知らなかったら、そのまま付いて行くってことになるんじゃない?』
『でも、雰囲気でどういう場所か、何となくわかるかもしれないし…
 うーん…、やっぱり、そうなってみないと分からないわ。』
『じゃあ、俺の部屋に連れて行こうとしたら?』
『えっ、それも…、うーん…、どうだろう。
 エッチなことをしたいというのが見え見えじゃなければ…、
 洋祐くんに付いて行くかもしれない。』
『見え見えだったら断るの?』
『えっ…、うーん、どうしよう…』

先から、由美が本気で困った顔をしているのが、
俺は見ていて可笑しかった。

『でも、見え見えじゃなくても、男の人の部屋に付いて行くってことは、
 そういうことも…、なんだよね。きっと…
 やだ、ちょっと、顔が熱くなってきちゃった。』

由美はそう言いながら、片手を開いて顔を扇いだ。
酒のせいで、ほんのりと赤味を帯びた由美の顔が、
更に赤くなったようだ。



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