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満員御礼 m(__)m 超スゴイです!超感激です!超サプライズです!
爆発的大人気でこのスレッドは、なんとレス数が200を突破して満杯となってしまいました。
申し訳ありませんが新しいレスは書き込めませんので、続きは新しいスレッドでお願い致します。

続 せ・ふ・れ

[1] スレッドオーナー: 洋祐 :2021/07/05 (月) 20:23 ID:26azRQhU No.157704

二つ目のスレになりました。
ただの一人語りが続きますが、よろしかったらご覧ください。


俺は、騎乗位では逝くことはできなかったものの、
その後は、結局2回、綾夏の中に射精した。

1回目は、決して激しいものではなかったが、様々な体位を試した。
先ず、騎乗位を終えた後、綾夏を少し乱暴に仰向けに倒し、
彼女の両脚を開いて大きく屈曲させた。

愛液で潤った綾夏の性器もアヌスも上向きに露わになる。
綾夏にこんな格好をさせるのは、関係が始まって間もない頃以来だろうか。
しかも、そのときは、俺も綾夏もかなり酔っていたはずだ。
酔いが醒めた状態で、綾夏にこんな格好をさせるのは初めてのことだろう。

「な、何をするつもりなの?」
「何をしても平気なんだろ。」

俺がそう言うと、綾夏は抵抗しなかったが、
恥ずかしさのせいか、両手で顔を覆った。
綾夏に言葉攻めをしたいところだが、俺にそんなスキルはない。

俺は、ペニスを綾夏の膣口に宛てがい、
ゆっくりと挿入した後、出し入れを始める。
アダルドビデオでは、よく見かける体位かもしれないが、
実際にやってみると結構辛い体勢で、長くは続かなかった。

ゆっくりペニスを抜くと、綾夏の膣口がポッカリと開いていた。
膣口が開いた綾夏の姿を見るのも、これが初めてだ。
綾夏の膣口に両手の指を突っ込み、左右に拡げたみたが、
暗くて中はよくわからない。
だが、膣の中は、愛液でぐっしょり濡れているのはわかった。

綾夏は、相変わらず手で顔を覆っていた。
その姿は、早く入れてと訴えているように、俺には思えた。

俺は、綾夏を横向きにして、彼女の片脚を大きく上げ、
もう一方の脚に跨り、ペニスを深く深く挿入した。

「あぅぅぅ…」

そんな綾夏の声を聞きながら、俺はゆっくりと腰を動かす。

その後は、思いつくまま体位を変えながらセックスした。
すべてアダルトビデオの見様見真似なので、
変わった体位はしていないと思うが…

どのくらいの時間をかけたのか、全くわからないが、
最後に正常位で重なった頃には、俺も綾夏も身体中が汗でびっしょりだった。
激しい動きはしなかったつもりだが、正常で綾夏の中に射精した後は、
もう身動きができないぐらい体力を消耗していた。

2回目は、かなり長い時間を費やした。
先ず、1回目を終えた後、二人でシャワーを浴びた。
さすがに風呂場で何かをする気にはなれなかった。

風呂から上がると、冷蔵庫からミネラルウォーターを2本取り出し、
そのうちの1本を二人で交互に飲み、一本を枕元に置いた。
濡れたシーツを交換した後、抱き合いながら、その上に倒れ込んだ。

そして、正常位で綾夏に挿入し、互いに抱きしめ合いながら、キスをした。
その間、勃起を維持するために身体を動かすことはあったが、
それ以外は、ほとんど身体を動かさず、綾夏にキスし続けた。
時間を計っていたわけではないが、1時間以上は続けていたと思う。

「動かなくても、凄く気持ちいい…」

途中で、綾夏がそう言った。
肌を合わせながら挿入されるのが大好きな綾夏にとって、
それだけで本当に気持ちいいのだろう。

俺も気持ちが良かった。
物理的な刺激が無くても、色々なことを思い浮かべるだけで、
俺にとっては十分な刺激になった。
逆に、射精して終わってしまうのが勿体ないと思えるような時間だった。

そんな長い時間を過ごした後、俺は正常位のままゆっくりと腰を動かし始めた。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、」

暫くして、綾夏が俺の耳元で静かに喘ぎ始める。
単調な動きだったが、それでも綾夏はゆっくりと静かに登りつめていったようだ。
そして、いつものように、俺に抱き着く綾夏の両腕に力が入り、
「あぁぁぁぁ…」という声と共に、綾夏の全身の力が抜けていった。

その後も、俺は単調な腰の動きを続けながら、
脱力した綾夏に、顔中を舐めるようにキスをした。
綾夏は脱力したまま、全く動かない。

綾夏の顔が俺の唾液塗れになっていく。
途中、喉が渇き、枕元に置いたミネラルウォーターを飲み、
口移しで綾夏に何度も飲ませ、序に俺の唾液も飲ませた。
綾夏は、終始目を閉じていたので、
俺の唾液を飲んだことに気づいているかどうかはわからない。

「あふぅっ…、あふぅっ…、あふぅっ…、」

暫くすると、綾夏が再び喘ぎ始めた。
俺は途絶えることなく、腰を動かし続ける。
綾夏の両腕に再び力が入ってくる。

「はぁぁぁっ…」

綾夏は、静かに声を出しながら脱力していった。
それを確認すると、俺は腰の動きを速めていき、
遅漏の俺には珍しく、直ぐに綾夏の中に射精した。
綾夏も気が付いたのか、射精が始まると俺に抱き着いてきた。

そして、射精を終えた後は、いつものように、繋がったまま抱きしめ合い、
いつペニスを抜いたのかわからないまま、眠りについた。


[151] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2023/12/30 (土) 08:42 ID:2BO8RaX6 No.187976
更新ありがとうございます

続き待っています


[152] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/12/30 (土) 22:15 ID:oiCtv0Es No.187988
約5ヶ月半ぶりの更新ありがとうございます。
信じて待っていて良かったです。

そして久々の続編はほとんどが性描写。
興奮します。
また描写が上手い!
そして、あえて過激なブレイを受け入れる綾夏さんの心の中が気になります。
洋祐さんと彼氏との棲み分けをどのように考えているのか?
また、洋祐さんと綾夏さんの関係かどのようになっていくのか?
興味がつきません。

これからも応援をし続けていきたいと思います。

[153] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2023/12/31 (日) 06:34 ID:RI.0Rebc No.187994
洋祐さん、
お帰りなさい。
またお2人の現在に続く物語を読むのが楽しみです。


[154] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/08 (月) 01:10 ID:uElSYCrQ No.188191

けいさん、まつさん、ジーンさん、レスありがとうございます。



射精した後も、俺の興奮は暫く醒めることはなかった。
俺も綾夏も、セックスの最中にすでに全身汗びっしょりとなっていたが、
この日は夜中でも蒸すせいなのか、それとも興奮が醒めぬせいなのか、
終わった後もじとじとと汗が噴き出ていた。
それでも、俺と綾夏は互いに抱きしめ合って相手の体温を感じながら、
セックスの余韻に浸っていた。

俺たちの汗が漸く引き始めたころ、綾夏が呟いた。

「洋祐って…、ときどきすごく意地悪をするよね。」

意地悪か…。
多分、ベランダでセックスしたことだろう。
確かに綾夏にすれば意地悪と思うのは当然のことだ。

「ねえ、なんで?」

何でなのか、俺にもうまく説明ができない。
簡単に答えるとすれば、彼氏に対する嫉妬を彼女にぶつけたということだが、
それはほんの一部の理由であって、それが全てではない。

以前、ベランダでセックスしたときと同じように、
綾夏がどこまで許すのか試したかったということもあるだろう。
だが、それよりも、そのとき綾夏が言った「お嫁に行けない」という言葉が、
俺の心に残っていたと考えるべきだろうか。

俺にこんなことまでされて、おまえは他の男と付き合ったり、
結婚したりすることができるのか…、
そんな気持ちが俺を支配していたのかもしれない。

他にもいろいろな感情が入り混じっていたと思うが、
いずれにしろ、綾夏に説明できる内容ではなかった。

「でも…、仕方ないよね。ふふふ。」

俺が黙っていると、綾夏は分かったような口調でそう言った後、
俺を抱き締める両腕に力を入れ、更に膣をギュッと締めた。
一体何が仕方ないのだろうか、俺には分からなかった。

「せっかくシャワーを浴びたのに、汗だくになっちゃったね。」
「・・・・・・・」
「もう一度、シャワーを浴びに行こうか。」

綾夏はそう言いながら、俺を見つめた。
俺は綾夏を抱き起し、二人でシャワーを浴びた後、
再び寝床についた。

次に俺が目を覚ましたのは、午前7時頃だった。
カーテンの隙間から光が漏れて、部屋の中を照らしている。
隣には、綾夏が寝息を立てて眠っていた。

俺は、綾夏の股間にそっと手を忍ばせ、
指で陰裂をなぞるようにゆっくりと手を動かす。
綾夏は、何事もないように寝息を立てているが、
綾夏の股間は、徐々に湿っていった。

俺は指を曲げて、その指を綾夏の膣の中に入れた。
綾夏は相変わらず、寝息を立てて眠っている。
俺は、綾夏の膣の中に指をゆっくりと出し入れした。

暫く続けると、綾夏の膣の中はぐっしょりと愛液で溢れ、
俺の指は愛液塗れになった。
それでも綾夏は目を覚ます気配がない。

俺は起き上がり、窓のカーテンを開けた。
窓の外は、どんよりと曇り空が広がっていたが、
部屋の中は十分に明るくなっていた。

俺は、綾夏に近づき、彼女から掛布団をそっと剥す。
綾夏の裸体は、自然の光の下で肌の白さが増して見え、
格別に美しかった。

俺は、綾夏の両脚を開き、股間を覗き込むと、
膣口から愛液が垂れていた。
俺は、ペニスを膣口にあてがって上下に擦った後、
ゆっくりと押し込む。
愛液の溢れた綾夏の膣は、俺の亀頭を簡単に飲み込んでいった。

俺は、亀頭を綾夏の膣に出し入れしてみたが、綾夏には何の反応もない。
ここまでされても、目を覚ます気配すらないとは、
いつも思うことだが、そのうちレイプされてしまうのではと不安にはなるが、
俺が、今まさに綾夏をレイプしているような気がして、
そんな不安など吹き飛ぶぐらいの興奮を覚えた。

実際問題として、今、俺がしていることは、綾夏の同意がないので、
レイプしているようなではなく、レイプそのものに違いないのかもしれないが…

暫く亀頭を出し入れしても、綾夏は一向に目を覚まさないので、
俺は、ペニスを根元まで綾夏の膣の中に挿入し、静かに腰を前後に動かし始めた。
柔らかくて程よく締まる綾夏の膣がとても心地よい。
眠ったままの綾夏とセックスするのは、普通にセックスよりも、
綾夏の膣の感触が俺のペニスに伝わるような気がした。

綾夏の膣の中の感触を味わいながら、俺は暫く腰を動かし続けたが、
綾夏はまだ目を覚まさない。
俺は、両腕を前に伸ばし、綾夏の両胸を、乳を搾るように掴んだ。
綾夏の2つの乳首が、俺の指の間から天井に向かって飛び出ている。
俺は、綾夏の両胸を掴んだまま、腰を振り続けた。

「えっ…、何?」

漸く綾夏が目を覚まし、上体を少し起こして俺を見たが、
今の状況を把握できていないようだ。
俺は構わずに腰を振り続ける。

「あぅっ…、どうして…、あぁっ…」

綾夏はそう言いながら、一旦起こしかけた上体を後ろに倒し、
両腕を広げて大の字に寝た。
俺は、綾夏の両胸を掴みながら腰を振り続ける。

「あぁっ…、いやっ…、あぁっ…」

綾夏は、『いやっ』と言いながらも、両手で布団の端を掴み、
ときおり首を左右に振りながら、俺の腰の動きに合せて喘いでいた。
俺は、綾夏の『いやっ』という言葉に興奮が増し、
両手で綾夏の腰を掴み、激しく腰を振った。

「あぁっ…、もうだめ…、お願い…」

綾夏はそう言って、両腕を俺に向けて伸ばしてきた。
俺は、綾夏の両腕を掴みながら、自分の上体を前に倒し、
綾夏に万歳をさせる格好で覆い被さり、腰を振り続ける。

綾夏は、次第に力が抜けてぐったりしてきた。
俺は、綾夏の両腕をクロスさせて自分の左手で押さえながら、
右手で綾夏の胸を掴み、綾夏の口を塞ぐようにキスをした。

綾夏は、すでに反応がなく俺のなすがままだった。
俺は、右手で綾夏の胸を握りしめながら、更に激しく腰を振り、
程なくして綾夏の中に射精した。


[155] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/01/08 (月) 08:28 ID:x5DTLP9M No.188198
洋祐さん、更新ありがとうございます。
綾夏さんの「ふふふ」って言うところ、僕は好きです。
いい意味で 悪い子ですね。


[156] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/01/11 (木) 07:00 ID:k1JmIuQI No.188274
更新ありがとうございます。
楽しみにしています。

今回も性描写がメインでしたが、お二人の間の微妙な空気感が変わらずに伝わってくる描写でした。

やはり洋祐さんの言葉による表現の少なさと、それとは相反する大胆な行動への戸惑い、逆に彼氏が居ると言いながらそれを受け入れる綾夏さんの態度…。
ひょっとしたら似たもの同士なのかもと感じました。
そしてそれが2人の微妙な緊張感や、交錯する想いを複雑なものにしているのかもしれません。

性描写メインなのにちゃんとそこを描き出す筆力に惹き込まれてしまいます。

そしてこれからも応援しています。

[157] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/13 (土) 21:45 ID:/TEHh2F. No.188376

ジーンさん、まつさん、レスありがとうございます。



綾夏は、大きく呼吸をしているものの、
全身の力が抜けたようにぐったりとしている。
そんな綾夏の中で、俺のペニスはビクンビクンと激しく脈動していた。

俺は、綾夏を犯したという気分で一杯だったため、
射精した後も、中々興奮が覚めることなく、勃起したままだ。
いつもなら、静かに余韻を味わうところだが、
このときは、綾夏の胸を強く揉みながら、彼女に激しくキスをしていた。

綾夏の息が俺の口の中に吹き込んでくる。
多分綾夏の口の中にも俺の息が吹き込んでいるはずだが、
綾夏に反応はなかった。
俺も構わずに、綾夏にキスを続けた。

お互いの呼吸が整ってきた頃、俺は両腕を綾夏の背中に回し、
彼女を抱き締めた。
綾夏は頭の上に両腕を伸ばしたまま、脱力して全く動かない。

ベランダでのセックスといい、レイプまがいの行為といい、
何故、こんなことをしてしまったのか、自分でもよくわからない。
ゴールデンウィーク中に、俺の中に溜まった鬱積を、
一挙に吐き出してしまったのだろうか。
そうとすると、鬱積の正体、不平、不満、怒りの原因は何なのだろうか。

こんなことをして、綾夏はきっと怒っているだろう。
ひょっとして嫌われたかもしれない。
そのときは謝り倒すしかないが、綾夏は許してくれるだろうか。

綾夏を抱き締めながら、そんなことをあれこれと考えていたら、
綾夏は、いつの間にか俺の下で眠っていた。
俺は、自分の身体を起し、萎えたペニスを綾夏の膣から抜き、
俺のペニスと綾夏の股間を、ティッシュで拭った後、
カーテンを閉めて、綾夏の隣で横になった。

つい先ほど、俺にレイプまがいのことをされていたのに、
俺のペニスを入れたまま眠ってしまうとは…
自分でこんなことしておいて言うのも何だが、
綾夏がここまで隙だらけとなると、いろいろと考えてしまう。

これからのことも、もちろん心配にはなるが、
これまでのことも気になってしまう。
綾夏が眠ったら簡単には起きないことを、今の彼氏や元彼が知っていたなら、
綾夏が気づかぬうちに何かされていたのではないだろうか。

つい先程まで俺がしていたように、彼氏や元彼が綾夏の裸体を撮影したり、
生で綾夏の感触を味わったりしていたのではないか。
さすがに中出されれば気づくとは思うが、確認のしようがない。
俺は、そんなことを考え悶々としているうちに眠りについた。

俺が次に目を覚ましたとき、下半身に違和感を覚えた。
慌てて上体を起こして確認すると、綾夏が俺のペニスを銜えていた。

「な〜んだ、つまらない、起きちゃったの?」

綾夏は、俺のペニスを口から離してそう言った。

「な、何をしているんだ。」
「洋祐が意地悪なことばかりするから、仕返ししようと思って。」

綾夏はそう言うと、再び俺のペニスを銜え、フェラを始める。
俺のペニスは、すでに痛いぐらいに勃起していた。
暫くすると、綾夏はフェラを止め、笑みを浮べながら俺に跨り、
ペニスを股間にあてがいながら、腰を沈めた。

「ふふふ。私が洋祐を犯しているみたいでしょ。」

綾夏はそう言って、腰をゆっくり上下に振り始める。
初めは笑みを浮べていた綾夏だったが、腰を激しく振り出すと、
次第に表情が変わっていった。

「あっっ…、あっっ…、あっっ…、あっっ…」

綾夏は自分の動きに合せて喘ぎ声を漏らしている。
俺はそんな綾夏の声を聞きながら、
目の前でプルンプルンと揺れる綾夏の両胸を眺めていた。

俺はその様子を暫く眺め続けた後、両手で綾夏の両胸を掴むと、
綾夏は、俺の手首を軽く握って腰を振り続ける。
俺は、綾夏の両胸をゆっくり揉んだり、指先で乳首を弄ったりしながら、
綾夏の顔を見つめていた。

感じているときの綾夏の表情は最高だ。
普段の可愛らしい表情とは全く違う。
綾夏が他の男とセックスすることは、もちろん嫌だが、
その行為以上に、このときの表情を他の男に見せたくはないと、俺は思う。

綾夏は尚も腰を振り続けていると、
彼女の喘ぎ声も次第に大きくなっていった。

「もう…、だめ…」

綾夏はそう呟くと、腰の動きを止めた。

「はぁ…、はぁ…、これじゃあ、はぁ…、全然仕返しに…、はぁ…、
 なっていないじゃない…、はぁ…、はぁ…」

綾夏はそう言って、俺に覆いかぶさるように上体を前に倒した。

「はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…」

綾夏は、俺の上で大きく呼吸をしていたが、
暫くすると、俺に覆い被さったまま、腰をゆっくり振り出す。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…」

綾夏から再び喘ぎ声が漏れ始めた。
俺は、綾夏の背中に両腕を回し、彼女を抱き締めたが、
綾夏は、尚も懸命に腰を動かし続ける。

「あぁぁぁっ…」

綾夏がそう叫ぶと、彼女の動きがピタリと止まり、
俺の上で、はぁーはぁーと、荒い呼吸を繰り返していた。

俺は、そんな綾夏を暫くの間抱き締めた後、
そのまま抱えながら自分の上体を起こし、
更に綾夏を抱き抱えて仰向けに倒した。

そして、綾夏を抱き締めながら、貪るようにキスをすると、
綾夏も俺の背中に両腕を回し、俺のキスに応えた。
俺は、綾夏にキスを続けながら、腰を動かし始める。

「うぅっ…、うぅっ…、うぅっ…、うぅっ…」

俺の動きに合せて、綾夏の息が俺の口の中に吹き込み始め、
彼女の唇の力が徐々に弱っていくと、
綾夏の息遣いは、喘ぎ声に変わっていた。
その後は、俺は、ひたすら腰を動かし続けた。


[158] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/01/13 (土) 22:09 ID:dbluRuAY No.188377
更新ありがとうございます

楽しみに読ませていただいています


[159] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/01/15 (月) 20:49 ID:QHZtSghU No.188483
やはり綾夏さんも洋祐さんとの性的関係を楽しんでいる様子ですよね。
そしてキスの仕方を見ると少なからず愛情が見え隠れしてるのを感じるのは私だけでしょうか?
お二人の微妙な気持ちがどこに向かって行くのか興味がつきません。
楽しみにしています。

[160] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/20 (土) 00:08 ID:Fd/pmtew No.188657

けいさん、まつさん、レスありがとうございます。



どれほどの時間腰を動かしているか定かではないが、
そのときは、俺もすでに3回射精しているので、
射精に及ぶまでには、いつもにも増して時間が掛かっているのは確かだ。
その間、綾夏は俺を抱き締めながら、喘ぎ続けている。

理想の挿入時間は?という女性へのアンケートを、
インターネットで目にしたことがある。
多かった回答は10分前後で、30分以上と答えた女性は数%程度だった。
意外だったのは、5分以下と答えた女性も2割近くいたことだ。

早漏よりも遅漏の方が、女性から嫌がられるということだろうか。
それを考えると、俺は少し絶望的になるが、
綾夏はどんなに長くても決して嫌がることなく、最後までしっかりと応えてくれる。
いや、そればかりか、俺が射精に至らずに終えると、不満を口にするほどだ。

そんな綾夏は、俺にとって、その顔立ちだけでなく、
セックスの相手としても理想の女性なのだろうか。
綾夏以外に、そんな女性は二度と俺の前には現れないことだけは確かだ。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…」

綾夏の喘ぎ声が心地よく聞こえる。
その声を聞きながら、腰の動きを速めていくと、漸く射精感が催してきた。
俺は、更に腰を激しく振り始め、暫くすると、綾夏は両脚を俺の腰に絡めた。
俺の射精が近いことが、綾夏には分かるようだ。

「あぁぁっ…、き、きて…」

綾夏がそう呟いた数秒後に、俺は綾夏の中で射精した。
連休中に溜まった精液と鬱憤を残らず吐き出したように思えた。

射精を終えた後は、いつものように余韻を味わっていた。
時計を見ると、すでに午後1時を過ぎていた。
寝食を忘れてセックスしていたみたいなものだ。

セックスの最中は全く気付かなかったが、
天気予報通り、外は雨が降っているようだ。
俺は、その雨音を聞きながら、綾夏を静かに抱き締めていた。

それから20分程経った頃だろうか。
俺のペニスはすでに萎えていたが、辛うじて挿入したままのときに、
綾夏が話しかけてきた。

「ねえ、洋祐。」
「ん?」
「もう気は晴れた?」
「えっ?」
「洋祐の反応、分かりやすいから…。ふふふ。」

綾夏には、俺の心の中がいつも見透かされているようだ。
だが、綾夏に見透かされていようとも、俺には恍けることしかできない。

「あんなことされたら、女性だったらもの凄く怒るのが普通だよね。」
「・・・・・・」
「絶交されても仕方がないようなことだし…」
「・・・・・・」
「でもね、洋祐がそうしたかったのなら…、許してあげる。」
「・・・・・・」
「私には、それしかしてあげられないから…。」

綾夏が言った『それ』とは、何を指すのか、俺にはよく分からなかった。
セックスのことなのか、それとも許すことなのか…

「洋祐はまだまだなのかもしれないけど…、
 私は、気が晴れたよ。」
「えっ?」

何のことか、綾夏が言っている意味が全く理解できない。

「元々、気が進まない旅行だったし…、
 生理が始まってからは、いろいろ気を使うことも多かったから…」
「・・・・・・」
「でも…、そんなことはみんな忘れちゃった。
 きっと、洋祐のお蔭だね。」

何となくだが、綾夏とBの関係を垣間見たような気がした。
多分、綾夏はBに言いたいことが言えないのではないだろうか。
それはBの性格もあるが、年齢差も関係しているかもしれない。
確かBは俺たちより6歳上だったはずだ。

だが、それは綾夏も承知して交際しているわけだから、
それが原因でBと別れるということもないだろう。

普段、俺には生意気な口を利く綾夏だが、
セックスに関しては、Mで従順だ。
ひょっとしたら、それが男性に対する綾夏の本来の性格で、
自分をリードしてくれて、従順になれる男性に惹かれるのかもしれない。
そうだとすると、俺は綾夏の好みの男性には、到底なれそうにないが…

俺のペニスはすでに綾夏の膣から抜けていたが、
暫くの間、二人で抱き合っていた。


漸く身体を起し、俺がシャワーに誘うと、
綾夏が風呂に入りたいというので、
浴槽の湯を入れ直した。

二人で湯船に足を入れたとき、綾夏が先に腰を落とし、
俺のペニスを銜えてきた。
俺は、その様子を黙って眺めていた。

「ねぇ、入れて…」
「気は晴れたんじゃないの?」
「そんな意地悪なこと言わないで。」

綾夏の股間を触ると、膣の中はすでにヌルヌルだった。
俺は綾夏の片脚を上げてペニスを挿入した後、
そのまま彼女を抱えながら、二人でゆっくり腰を落とし、
対面座位のような恰好で湯船に浸かった。

「動かなくていいから、このままで…、ね。」

綾夏はそう言って、俺の首の後ろに手を回しながら、
俺に顔を近づけてキスをしてきた。
俺は、舌を絡めながら、左腕を綾夏の背中に回し、
右手で綾夏の胸を掴んで、ゆっくりと揉み始める。

綾夏の膣が締まったり拡がったりするのを感じながら、
俺は綾夏の唾液を味わっていた。
そして、そのまま二人で逆上せるまで湯船に浸かった。

風呂から出てから、暫く二人で身体を冷ました後、
二人でファミレスへ食事に出かけた。
外は生憎の雨だが、俺の心は晴れやかだった。
二人で食事した後は、綾夏を部屋まで送って行った。

「寄っていく?」
「いや、帰れなくなりそうだから…」
「ふふ。そうね。その方がいいわね。」
「ああ」
「昨日は、突然部屋に押し掛けてごめんね。」
「いや…、それは構わないけど…」
「ありがとう。じゃあ、またね。連絡するから。」
「うん、また…」

そう挨拶を交わして、俺は、自分の部屋に帰った。
綾夏に『気は晴れた?』と聞かれて、俺は何も答えなかったが、
もちろん、朝から気分は爽快だった。

昨日までは、人生最悪のゴールデンウィークだと思っていたが、
僅か1日足らずで、そんなことはすっかり忘れていた。

こうして、俺にとって長かった大型連休は、漸く終わりを迎えた。


[161] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/01/20 (土) 06:31 ID:CJcMyuwQ No.188660
洋祐さん、
更新ありがとうございます。
綾夏さんは洋祐さんに好きだ!って言って
ほしいんでしょうね。
Bと別れて俺と付き合ってほしいと言ってほしいんでしょう。


[162] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/22 (月) 01:01 ID:p0yE1hK. No.188720

ジーンさん、レスありがとうございます。



ゴールデンウィークが終わった後は、直ぐに日常に戻った。
俺と綾夏の関係で言えば、水曜に綾夏が俺の部屋に泊まりに来て、
金曜に俺が綾夏の部屋に泊まりに行くということに変わりはない。
ただ、それを毎週繰り返すだけで、それ以外のことに全く変化はない。

もちろん、俺は毎週2回、綾夏に逢い、
肌を合わせられることで十分満足だった。
今は、それ以上のことを望むべくもない。

一方、綾夏とBの関係が旅行後にどうなったのかは、俺にはわからない。
ただ、綾夏に刻まれたBのマーキングの跡から、
二人は、旅行後も、週末にセックスしていることは確かなので、
多分、良好な関係を保っているのだろう。


6月の中旬ごろ、サークルの同期のGKから、結婚式の招待状が届いた。
今年の2月に、同期のTTからGKの結婚の話しを聞いて以来、
そのことは綾夏には黙ったままだ。

だが、これ以上黙ったままだと、逆に不自然なような気がした。
それで、招待状が届いてから一週間程経った頃、
綾夏の部屋で、二人で酒を飲んでいるときに、
GKが結婚することを彼女に話した。

「まさかGKがこんなに早く結婚するなんて、思ってもみなかったわ。」

話しを聞いた綾夏も、当然びっくりしていた。
綾夏の口調からすると、ひょっとしたら、『私より早く結婚するなんて…』、
と思ったのかもしれない。

二人で暫くGKのことを話した後、
話題は、その他のサークルの同期のことに移っていった。

「男子の中で、他に結婚が決まっている人はいるの?」
「いや、GK以外はまだ誰もいない。」
「そうだよね。皆まだ24・5歳だものね。」
「女子はどうなの?」
「〇〇と〇〇は、卒業以来会っていないからわからないけど、
 その他は、私が知っている限りでは、結婚した人も決まった人もいないわ。」

綾夏が名前を挙げた二人は、確かそれぞれの地元で就職した女子だ。

「ただ、由美とは暫く会っていないから、今はどうなのかはわからないわ。」

綾夏の口から由美の名前が出て、俺は一瞬ドキッとした。

「由美は、去年退職して、今は実家を離れて〇〇県で働いているから、
 転職してからは一度も会っていないの。」

〇〇県は、俺たちが住んでいる県の先隣の県だった。
図らずも、由美の現況を少しだけ知ることができた嬉しさと、
少し遠くに行ってしまったという寂しさが混ざり合った、
そんな複雑な感情が沸いた。

「でも、由美は、まだ結婚とかはないんじゃないかな。」
「えっ、どうして?」
「実は、由美は、卒業してすぐにWK先輩と別れたんだけど、
 そのとき、当分、彼氏とかはいらないって言っていたし…」
「・・・・・・」
「1年ぐらい前に由美と会ったとき、今度付き合うとしたら、
 本当に好きな人と付き合いたいから、そういう人が現れるまで、
 焦らずゆっくり待とうと思っているって言っていたわ。」
「・・・・・・」
「これは私の勝手な想像なんだけど…、
 由美はWK先輩のことをそれ程好きではなかったんじゃないかな。」
「・・・・・・」
「何となくだけど、当時からそんな気がしていたの。
 ひょっとしたら、由美は他に好きな人がいたのかもしれない。
 もしもそうだったら、言ってくれれば応援したのにね。」

酒のせいなのか、綾夏の話しのせいなのか、
俺は、自分の脈がどんどん上がっていくのがわかった。
まさか綾夏は、俺と由美のことを知っているのではないか、
知っていてそう言っているのだろうか、とさえ感じた。
もちろん、由美が俺とのことを他人に話すとは思えないが…

このまま由美の話しを続けるのは、不味いような気がした。
もしも綾夏に『由美のことはどう思っていたの?』などと聞かれたら、
しどろもどろになり、何も答えられそうにない。
俺は、何とか由美のことから話題を逸らそうと、考えを巡らせた。

「女子の中で、結婚が決まってはいないけど、結婚しそうな人はいる?」
「うーん、可能性があるとしたら…、R恵かなぁ。」

R恵は、小柄だが胸が大きく、特に先輩達から人気があった女子だ。
俺の印象としては、男子、女子関係なく、良く喋る、そんな娘だった。
ただ、何と言うか、俺たちが在学中は、彼氏がころころ変わり、
サークル内の情報に疎かった俺は、今彼が誰なのか分からないこともあるほどだった。

R恵と付き合った男子は、俺が知っているだけでも、先輩が二人、
他大の上級生が二人、そして、4年生のときには、何と1年男子と付き合っていたはずだ。
そのときには、同期の男子達は、R恵は遂に若いつばめを囲ったか、と揶揄していた。

少し酷い言われようだが、言い換えれば、
R恵は、それだけ男子からモテたということだろう。
確かに彼女の胸は、男子にとって魅力的ではある。
直接聞いたわけではないが、R恵と付き合っていた先輩が、
彼女の胸はでかくて真ん丸でびっくりしたと、周囲に自慢していたらしい。

そんなR恵だが、俺とは全くの無縁だったと言っていい。
誰とでもよく喋るR恵だったが、俺自身は、彼女と話した記憶がない。
ただ、俺は、R恵に限らず、サークル内では、
由美以外の女子と話した記憶が殆ど無いので、R恵が特別というわけではないが…

「R恵は、1年半ぐらい前からかな…、彼氏と同棲しているの。」
「えっ、そうなんだ。」
「彼女は直ぐにでも結婚したいと思っているらしいけど、
 彼氏の方がね…、中々そんな雰囲気にならないみたい。」
「・・・・・・」
「だから、結婚するなら出来婚しかないって思って、
 最近は、避妊してないんだって。」
「・・・・・・」
「彼氏の方は、不審に思うどころか、結構喜んでいるみたいで…、
 順調順調って言っていたわ。」
「・・・・・・」
「女って、本当に怖いよね…。
 でも、避妊せずに済んで喜ぶ男の方も、ちょっとね…」

綾夏はそう言って、笑みを浮べながら俺の顔を覗き込んだ。
その目は、洋祐はどうなの?と言っているように思える。
俺には、返す言葉が見当たらなかった。
避妊せずに済んで喜んでいるのは、俺も同じだからだ。


この日は、綾夏の生理が近い日だった。
いつもなら、何の躊躇もなく、避妊せずにセックスするはずだ。
だが、先ほど綾夏から、避妊について釘を刺されたような気もしたので、
今日はどうしたものかと、俺は迷っていた。

避妊せずに済んで喜ぶ男も…と言われて、生でするのは気が引けるし、
そうかと言って、今更ゴムを使うのも、取ってつけたようで躊躇ってしまう。

だが、綾夏は、そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、
自らそのままの俺の股間に跨り、騎乗位で腰を振り始める。
その後は、結局、いつも通り、正常位で綾夏の中に射精した。


「GKが結婚かぁ…」

終わった後、綾夏が独り言のように呟いた。

「TTだったら、しっかりしているし、あまり驚きはなかったと思うけど…」
「・・・・・・」
「私は…、まだ具体的にイメージできないし、当分先のことかなぁ。」
「・・・・・・」
「でも…、出来ちゃったら、そうはいかないけど…、ね。」

綾夏はそう言いながら、俺の顔を見つめて微笑んだ。


[163] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/01/24 (水) 21:35 ID:wX0dRDrE No.188801
更新ありがとうございます!

綾夏さん、なにやら妊娠への意識も垣間見えて、しかも恋人とよりも洋祐さんとの間に望むニュアンスが滲んできてるように見えるのは作者さんの誘導なのか、はたまた事実としてそうだったのか…。
ホントにオモシロイです。
読み手側は見事にころがされてます。
ここのところの間を開けずの投稿に楽しみでしかたありません。
応援してます。

[164] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/26 (金) 23:30 ID:zuIH4SKI No.188869

まつさん、レスありがとうございます。
フラグを立てて回収するなんて技は、私にはできませんので…



7月に入ると、GKの結婚式の日のことについて、TTから連絡があった。
結婚式の日は、秋分の日を含む3連休の中日で、開始時刻は午後なので、
当日の朝にこちらを出発すれば、十分に間に合うはずだった。

だが、TTの話しでは、他の同期達から、GKは参加できないが、
俺たちで前祝いをやろうという話しが持ち上がり、
結局、前日に出発することになった、ということらしい。
まあ、前祝いというよりも、皆で会って飲もうというだけだと思うが…

元々、結婚式の日は一泊して、翌日に帰ることになっていたので、
一泊二日の予定が二泊三日になるわけだが、
俺も特に異論はないので、TTには前日から参加すると答えた。

綾夏がゴールデンウィークの旅行から帰ってきたとき、
彼女は、二人で旅行に行こうかと俺に言っていた。
だが、それ以来、二人の間で旅行の話題が出たことは一度もないまま、
7月の三連休を迎えた。

綾夏にしてみれば、俺の機嫌を取るための、その場限りの方便だったのだろう。
或いは、綾夏は、一時の感情に流されやすい性格でもあるので、
そのときは、本気でそう思っていたのかもしれない。
俺は、綾夏の言葉に多少なりとも期待をしていたが、
結局、三連休の間、綾夏は彼氏と過ごしていたようだ。

お盆休みは、綾夏の彼氏が父親の実家に帰郷するため、
綾夏の部屋と俺の部屋で、合計4泊綾夏と二人で過ごした。
これ程長い時間、綾夏と二人で過ごすのは、本当に久しぶりだった。

この年から35℃以上の日を猛暑日と呼ぶようになり、
お盆休みに入ってからは猛暑日が続いたが、
俺と綾夏は、汗だくになりながら、セックスに明け暮れた。

ただ、このときは、綾夏にとって微妙な時期でもあった。
綾夏は、俺を信用してか、ゴムを着けることまでは求めず、
俺も、あからさまに綾夏の中に射精することを控えた。

だが、何日もセックスしていると、いい加減になるのは否めない。
二日目までは、ペニスを抜いてから射精をしていたが、
それ以降は、射精が始まったと感じてから、ペニスを抜くこともあった。

また、射精した後、暑さのため怠くて、シャワーを浴びにいくのも面倒になり、
少し休んだだけで、直ぐに挿入することもあった。
実際、ペニスの先端から精液が漏れているにも関わらず、
俺は、そのまま綾夏に挿入していた。

避妊という点では、全く意味がないに等しいが、
綾夏は、気づいていないのか、特に何も言わなかったので、
俺は少し罪悪感を持ちつつも、そんな行為を続けてしまった。

幸い?にも、綾夏が妊娠することはなかった。
俺には残念な気持ちがあることはあったが、それよりも、
俺がした行為が綾夏にばれることなく、無事生理がきたことに、
正直、ほっとした気分が強かった。

だが、ばれずに済んだというのは、俺の大きな勘違いだったようだ。
8月の終わり頃、綾夏の生理後に最初に逢ったときに、綾夏から、
『あんなことするから…、もう少しずれていたら、出来ちゃってたかもね。』と、
例の小悪魔のような笑顔で言われた。

綾夏の話しでは、生理の開始が予定日より数日遅く、
周期がもう少し伸びていたら、排卵時期と重なっていたらしい。
綾夏から言われたとき、俺は顔が引き攣り、何の言葉も出なかった。
綾夏自身は、あの笑顔の裏で何を思っていたのだろうか。

早いもので、ゴールデンウィークが終わってから、すでに4カ月が経過していた。
9月に入ってから、8月のように猛暑日になることはなかったが、
30℃を超える暑い日が続くこともあった。

GKの結婚式の1週間前は、敬老の日を含む3連休だった。
幸運なことに、綾夏は、この三連休に彼氏と会う予定がなかったため、
金曜の晩から月曜まで、綾夏と二人で過ごすことになった。

金曜に綾夏の部屋に行ったとき、彼女は少し元気が無いように見えた。
だが、月曜まで綾夏と過ごせるだけでなく、綾夏の生理が近かったこともあって、
かなり有頂天になっていた俺は、大して気にも留めなかった、

それに、セックスを始めると、綾夏は、『好きにして…』、
『何をしてもいいから…』という言葉を何度も口にし、
いつもより激しいと感じるぐらいだったので、
元気がないのは、ただの気のせいだと、俺は思った。

後から思えば、それはそれで、いつもの綾夏ではなかったわけだが、
その時の俺には、そんな考えが全く及ばず、
やれることを全てやり尽くすという思いで、
俺は、綾夏とのセックスに没頭していた。

「結婚かぁ…」

日曜の夜、セックスの後に、綾夏がふっと呟いた。

「来週、GKの結婚式だよね。」
「ああ、そうだな。」
「GKの奥さんになる人、今、どんな気持ちなのかな。」
「んっ、どうして?」
「結婚しようと思うときって、どんな気持ちなのかなって思って…。」
「・・・・・・」
「もちろん、結婚への期待とか、嬉しさとかはあると思うけど、
 迷いとか、不安とか、そういう気持ちはないのかなぁ。」
「・・・・・・」
「将来結婚するつもりでいても、そのことと、実際に結婚を決意することは、
 また別でしょ。」
「GKの結婚相手は、俺たちより4歳も年上だから、
 今の俺たちとは違う考えや、感情があるかもしれないよ。」
「そっか…、4歳上ということは、29歳になるのか…」
「・・・・・・」
「私も29歳だったら…、迷うことなく踏み切れるのかなぁ。」
「えっ…、何のこと?」
「ううん、何でもない。」

綾夏は、そう言って俺に抱き着いてきた。
俺は、綾夏の言葉に疑問を持ちながらも、彼女を抱き締め、
結局、そのままセックスに突入した。


金曜から何回綾夏の中で射精したか、俺は覚えていない。
綾夏は、俺に抱き着きながら全て受け止めてくれた。
綾夏には本当に彼氏がいるのだろうかと、思うほどだった。
それとも彼氏に会えない寂しさを、俺とのセックスで埋めているのだろうか。

セックスが終わった後、さすがに綾夏も疲れたようだ。
余韻に浸った後、俺が綾夏から離れても、彼女はぼーっとしていた。

「ごめん、眠いから先に休ませてね。私が眠った後、何をしてもいいから…」

綾夏はそう言いながら目を瞑ると、直ぐに小さな寝息が聞こえ、
スヤスヤと眠りについた。
何をしてもいいと言われたが、俺も、何もする気が起こらないほど、
疲労感で一杯で、結局何もせず、綾夏の隣で眠りについた。

翌朝、綾夏と挨拶代わりのセックスをした後、一緒に風呂に入った。
昼前には、二人で食事に出かけ、食事の後に綾夏と別れ、自分の部屋に戻った。

俺にとっては、充実した3連休だったが、綾夏はどうなのだろう。
やたらとGKの結婚相手の気持ちを気にしていたが、
いよいよ綾夏も結婚を意識し始めたのかもしれない。
そう考えると、俺の心は穏やかではいられなくなる。
綾夏といつまで、こんなふうに過ごせるのだろうか…

連休後の水曜に、綾夏からメールが届いた。

『洋祐、連休中はありがとう
 生理がきたから安心してね
 それとも、残念だったかしら…、ふふふ

 GKの結婚式、楽しんできてね』

いつものようなメールの内容だが、『ありがとう』とは、どういう意味だろうか。
相変わらず、俺には綾夏の心が分からなかった。


[165] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/01/28 (日) 17:15 ID:pzIPIdBE No.188929
投稿ありがとうございます
毎回楽しみにしてます
続き待っています


[166] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/29 (月) 00:39 ID:wMGMZc8U No.188944

けいさん、レスありがとうございます。



敬老の日を含む三連休の後、綾夏の生理が始まったことで、
彼女に逢うことなく、9月2回目の三連休を迎えた。
GKの結婚式の前日、すなわち2回目の三連休の初日に、
俺は、TTら同期男子5人と一緒に、GKの地元へと出発した。
残りの連中とは現地で落ち合う予定だ。

大学時代、俺は、同期の連中とは、サークルの合宿を除けば、
一緒に出掛けたり、旅行したりすることは全くなかったが、
今、こうして皆と一緒に電車に乗り、他愛のない会話をしているだけで、
結構、楽しいものだなと感じた。
以前、綾夏から『二人で旅行に行こうか』と言われたが、
綾夏との旅行は、自分が考えている以上に楽しいことかもしれない。

この日の夜、GKの結婚式に参列する同期全員が集まった後、
俺たちは、GK本人が不在ながら、彼の前祝いを行った。
話しを聞くと、どうやら、俺たちの中で、GKの結婚相手に会ったことがある者も、
写真を見た者も誰もいないようだ。

一体どんな女性なのか、同期全員が興味津々で、あれこれと想像した。
ただ、俺たちが、今分かっている情報としては、
相手の女性が俺たちより4つ年上の29歳であること、
彼女の方から結婚を迫られたらしいこと、GKの人柄ぐらいしかないから、
予想と言うより、ただの当てずっぽうと言った方がいいだろう。

そんな中、同期の一人が、
『俺のイメージだと、大柄で気の強い女性のような気がするんだけど…』
と具体的な予想をすると、数名がその予想に賛同する一方、
『綾夏に纏わりついていたGKが、大柄な女性を選ぶとは思えない』
という意見もあった。

ただ、気が強い女性という点では、皆の意見が一致していた。
それは、GKが女に振り回されるようなタイプで、
GK自身が振り回されることを喜んでいるように見えたからだろう。

まあ、女に振り回されるという点では、俺も同じようなもので、
これは自分ではどうにもならない運命のようなものだろう。
女に振り回される男は、生涯女に振り回され、
女を振り回す男は、生涯女を振り回す、これが世の常だ。

GKの話題が一段落した後は、銘銘が勝手に好きなことを話し始め、
案の定、前祝いはただの飲み会と化した。
お約束通り、綾夏の話題も持ち上がった。
2月に俺たちが集まったときには、OGの連絡先が分かるOBを探し、
そこから情報を集めるということだったが、大きな進展はないようだ。

同期の一人が、俺たちの1年後輩にあたるOGと連絡を取ることができ、
そのOGは、俺たちの同期の女子の、在学中の携帯番号を知っていたが、
彼女は、卒業した後に携帯電話を変えたらしく、
その番号に掛けても既に繋がらなくなっていたようだ。

ナンバーポータビリティ制度が実施されたのは去年からで、
俺たちが大学を卒業した頃は、実施されておらず、
携帯電話会社を変えると、必然的に電話番号も変わってしまう。

そのため、久々に電話を掛けたら繋がらないということは、
よくあることではあったが、その話を聞いて同期の連中は、
皆がっくりと肩を落としていた。

GKの次に結婚するのは誰かという話題も持ち上がり、
TTやその他数名の名前が挙がったが、当の本人たちは、それはないと全員否定していた。

もちろん俺の名前が挙がるわけもなく、
逆に最後に結婚するのは誰という話題で、俺の名前が挙げられた。
自分でも、間違った予想ではないと思う。
そもそも俺が結婚できるとも思えない。

前祝いと言う名の飲み会は、数時間ほど続いたが、
明日の結婚式も、全員、披露宴と二次会に参加する予定だったので、
まだ、早い時間帯ではあったが、お開きとなった。

翌日の結婚式には、式と披露宴の両方に招待されていたが、
式場は教会で行われ、披露宴は別の会場で行われる予定だった。

式が始まる前に、米粒が入った小袋を渡されたが、
ライスシャワーという教会における結婚式の慣習など全く知らぬ俺は、
これは何に使うのだろうと疑問に思ってしまった。
結局、新郎新婦が退場する際に、周りを見ながら見様見真似で米粒を撒いたが、
俺はこのとき、ビートルズの『エリナー・リグビー』という曲を思い出した。

これは全くの蛇足と言っていい話しだが、俺の父親はビートルズのファンで、
CDも買い揃えていたので、中学生の頃、俺もビートルズの曲をよく聴いていた。
そして、ビートルズの『エリナー・リグビー』という曲の中で、
『エリナー・リグビーは、結婚式が行われた教会で米を拾う』という件があるが、
当時の俺は、その意味が全く分からず、教会で米を拾うって何だろうと疑問に思った。
それから10数年が経ったGKの結婚式で、『エリナー・リグビー』を思い出し、
その疑問が氷解したわけだ。

くだらないことで大分脱線してしまったので、話しを戻すと、この式の新婦入場の際に、
初めてGKの結婚相手を拝んだわけだが、彼女は、俺の想像とは大分違っていた。
もちろん化粧をしていたため、素顔は分かるはずもないが、
顔立ちは童顔で可愛らしく、とても29歳には見えない。
また、体型も小柄で華奢な感じだ。

ただ、新婦を連れ立って入場した父親が、途中で段取りを間違えたか忘れたらしく、
そのとき、新婦が父親の袖を何度も引っ張って、何かを促がしていた姿を見ると、
見かけによらず、しっかりした女性なんだなという印象を受けた。

教会から披露宴の会場までは、貸し切りバスで移動したが、そのバスの中では、
同期の連中も、GKの結婚相手のことを想像と全然違うと話していた。

これは、女性にとって、本当に失礼な話ではあるが、
GKの結婚相手が4つ年上の29歳で、相手から結婚を迫られたという話しを聞いて、
同期の連中は、GKはババ抜きのババを引いたように感じていたらしい。

ところが、この結婚式で新婦の顔を拝見すると、そんな考えは吹き飛んでしまったようだ。
事実、GKの結婚話しを聞いても、ある種上から目線で語っていた同期の連中も、
披露宴が終わってからは、『GKの奴、うまいことやりやがって』などと、
それまでの態度を一変させ、羨ましそうに語っていた。

披露宴が終わってから二次会に参加したが、
新郎新婦の地元での友人たちがたくさん参加していたので、
俺たちは騒ぐこともなく、静かに酒を飲んで過ごした。

二次会では、新郎新婦が結婚に至る経緯なども披露され、会場を沸かせた。
二人が交際してから半年以上が経った頃、
彼女から『どういうつもりで付き合っているの』とGKが聞かれ、
その際に、彼女が『結婚を考えていないのなら、私もそのつもりで付き合うから』
とGKに告げたらしい。

GKは、彼女の言葉を『結婚を考えてくれる男性が現れたら、いつでも乗り換えるよ』
と解釈し、思わず『1年後には結婚するつもりで付き合っている』と答えたそうだ。
ただ、彼女の方は、GKが感じたような意図はなく、結婚を考えないなら、
それを期待せずに付き合って行こうと思っていただけのようだが…

その後は、彼女から、1年後に結婚するまでの工程表のようなものを見せられた。
GKは、1年後にはプロポーズをするという意味で答えたらしいが、
嬉しそうに工程表を見せる彼女に、今更、そんなことを言えるはずもなく、
結局、彼女が作った工程表に従って今日に至ったということだった。

この経緯は、多少は話しを盛っているところもあるかもしれないが、
自ら勝手に女に振り回され、自爆?しているところは、
GKらしいと言えば、GKらしい話しだった。
彼女も、GKから1年と聞いて、直ぐに計画を立てるところを見ると、
顔に似合わず、行動力のある女性のようで、GKには相応しいと俺は思った。

こうして、GKの結婚式が終わり、翌日、俺たちは帰路に就いた。
さすがに疲れたのか、帰りの電車の中では、特に話しをすることもなく、
皆眠っていた。
俺は、GKの結婚式を見て、感化されてしまったのか、
もしも綾夏と結婚するとしたら、今住んでいる場所、俺の地元、綾夏の地元のうち、
一体どこで式を挙げればいいだろうかなどと、有りもしない空想に浸りながら、
真剣に考えていた。

皆と一緒に食事をした後、俺が自分の部屋に着いたのは、午後2時頃だった。
少しほっとしながら部屋のドアを開け、中に入った瞬間、俺はギョッとした。
俺の目の前に、綾夏が立っていたのだ。


[167] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/01/31 (水) 22:13 ID:RI.0Rebc No.189048
洋祐さん、
ありがとうございます。
綾夏ちゃんは少しでも早く洋祐さんの顔を見たかったんじゃ
ないのかなあ。
次回も楽しみです。


[168] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/02 (金) 21:10 ID:lmC20nlA No.189109

ジーンさん、レスありがとうございます。



俺は、綾夏がいるのを見て、その場で立ち尽くした。
綾夏は、俺の顔を見つめた後、俯くように下を向く。
俺は、そんな綾夏を茫然と見ていた。

何故、綾夏が俺の部屋にいるのだろうか。
一体、何が何だか、俺にはさっぱり分からない。
ただ、綾夏のうな垂れた様子を見れば、
単に俺に会いに来たわけではないことは明らかだ。

俺は漸く、部屋に上がり、綾夏に近づいた。

「どうしたの?」

俺はそう声を掛けたが、綾夏は黙ったままだ。
綾夏が俺の問い掛けに何も返事をしないなんて、
初めてのことではないだろうか。

高校時代、バスケの試合で負けた後、
いつまでもうな垂れ俯くチームメート達に、
『前を見て胸を張って帰るよ!』と檄を飛ばしたと言っていた綾夏だが、
そんな綾夏が、今は黙ったまま、ずっと俯いている。

俺は、綾夏の様子から何か容易ならざる雰囲気を感じた。
綾夏に何があったのかは、見当もつかないが、
彼女にとって余程のことがあったのだろう。

こんなとき、気の利いた言葉の一つも掛けられればいいが、
俺は、そんな言葉など持ち合わせていない。
ただ、黙って見守ることしかできなかった。

暫く黙っていた綾夏だが、漸く顔を上げた。
よく見ると、綾夏は化粧をしていない。
一体、綾夏に何があったのだろうか…
そう思っていると、綾夏が俺の顔を見ながら重い口を開いた。

「彼氏と…、彼氏と別れたの…」

綾夏は、ゆっくりとそう言って、俺に抱き着き、
俺の胸で静かに泣き始めた。

予想だにしていなかった綾夏の言葉に、
俺は心の中で『えっ』と叫んだ。
彼氏と別れたって…、一体どういうことなのか…

しかも、俺の心の中は複雑だった。
綾夏が彼氏と別れたという事実は、俺にとっては喜ばしいことだ。
だが、目の前の綾夏を見ると、そんな気持ちは少しも沸いてこない。

暫くの間、綾夏は、声を殺すように泣き続けたが、
僅かに聞こえる泣き声も次第に治まっていった。

「俺、風呂に入りたいけど、綾夏も一緒に入らないか。」

綾夏が少し落ち着くのを見計らって、彼女にそう声を掛けたが、
綾夏は何の反応も示さない。

考えてみれば、彼氏と別れて悲しんでいる女性に、
随分頓珍漢なことを言ってしまったものだ。
声を掛けるにしても、もっと良い言葉があるはずだが、
俺には、何も思い浮かばなかった。

とりあえず、綾夏をキッチンの椅子に座らせ、俺は風呂の支度を始めた。
結婚式に出発した一昨日に比べて、今日はそれほど気温が高くはなかったが、
長く湯に浸かりたいと思い、風呂の湯は温めに設定した。

風呂の支度をしながら、これからどうするか、俺は思案したが、
何も思いつかない。
俺は綾夏に何をしてあげられるだろうか。

もちろん、このまま帰すわけにもいかない。
理由はともかく、俺の部屋に来たということは、
俺に会いに来たわけだから…
今、俺にできることは、綾夏が落ち着くのを待つことぐらいしかない。

風呂の支度を終え、キッチンに戻ると、
綾夏は、ぼーっとしながら前を見つめていた。
綾夏の視線の先には、何があるのだろうか。
俺は、綾夏に声を掛けることができなかった。

風呂の用意ができると、綾夏を風呂場に連れて行ったが、
彼女はそこに立っているだけで、自ら何もしようとしなかった。
やはり、こんなときに一緒に風呂に入ろうなんて、
非常識なことなのかもしれない。

だが、俺には、今更止めるつもりはなかった。
綾夏に断られたら、そのときに考えよう。

俺は綾夏の服を脱がそうと思い、
彼女のブラウスのボタンに手を掛けると、
綾夏はそれを制し、ゆっくりと自分で服を脱ぎ始めた。

俺も服を脱ぎ、綾夏と一緒に浴室に入った。
いつものように、湯船の中で、綾夏を、背を向く姿勢で俺の前に座らせた後、
彼女を後ろから抱きしめた。
綾夏は依然として黙ったままだった。

綾夏から彼氏と別れたと聞いて、
正直なところ、俺はあまりにも唐突な印象を受けた。
一週間前の三連休に、俺は綾夏と逢っているが、
そのときは、彼氏と別れるような兆しは何も感じなかったからだ。

もちろん、綾夏は、彼氏の話しをほとんどしないので、
ひょっとして俺が全く気付かないうちに、
別れ話が持ち上げっていたとも考えられる。

だが、彼氏との関係が悪くなれば、多少なりとも態度に現れるだろうし、
ましてや、彼氏と別れ話が持ち上がっていたとすれば、
綾夏なら、きっと尋常ではいられないはずだ。

しかし、一週間前には、綾夏には、そんな様子は一切見られなかった。
そればかりか、綾夏は、GKの結婚に関して、
結婚を決意するに至った相手の女性の気持ちを想像したり、
結婚について、女性の年齢による感じ方の相違を考えたりしていたので、
綾夏も彼氏との結婚を意識するようになったのではないかと、
俺はそう思い、少し焦りを感じていたほどだった。

今の綾夏の様子を見る限り、綾夏が望んで別れたわけではなく、
彼氏から別れを告げられた可能性が高いように思える。
俺からしてみれば、綾夏を振るなんて、と思ってしまうが…

この後、俺はどう振舞ったらいいのだろうか。
綾夏に優しく接していれば、ひょっとして…
俺は、邪なことを考え始めていた。

・・・孤独な人につけこむようなことは・・・

何故か、中島みゆきの『空と君の間に』のフレーズが頭に浮かんだが、
そもそも、俺が綾夏に言い寄ることなど到底無理な話だし、
こんな状況なら、尚更だ。
結局、俺は綾夏に寄り添ってやることしかできない。

「ごめんね…、帰ってきたばかりなのに、迷惑かけて…」

やっと綾夏が話しをしてくれた。
綾夏の表情は見えないが、綾夏の口振りから、
彼女の気持ちが落ち着いているのが分かった。

「一人でいると、何か凄く辛くて…」
「・・・・・・」
「でも…、こんなとき、頼れるのは洋祐しかいないから…
 洋祐が留守ってわかっていても、ここに来ちゃった。」
「別に、迷惑だなんて思っていないよ。」
「びっくりしちゃうよね。
 突然、部屋に来て、彼氏と別れたとか言われたら…」
「・・・・・・」
「だから…、ちゃんと話すね。」

綾夏はそう言って、話しを始めた。


[169] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/03 (土) 22:03 ID:KkpbNOkE No.189140
投稿ありがとうございます
綾夏さんの発言気になりますね


[170] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/05 (月) 00:06 ID:G8eMu3Do No.189168

けいさん、レスありがとうございます。



9月の始めに、Bから、支店への異動の内示を受けたことを告げられた。
支店とは言っても、転勤先の支店は本社に次ぐ規模で、
その支店でのポストを考慮すると、栄転と考えられることから、
Bは直ぐに承諾したということだった。

そのとき、Bが言うには、
転勤となれば、今までのように綾夏に会うことはできないし、
あくまでも予想だが、10年ぐらいは本社に戻ることもないだろう。
自分としては、正直、遠距離恋愛を続けていく自信がないから、
この際、綾夏も一緒に付いてきて欲しい。
もちろん、綾夏にも仕事の都合もあるだろうから、
直ぐに付いて来てくれとは言わない。
ただ、遅くとも来年の春ごろまでには、転勤先に来て欲しい。
とのことだった。

このような話しを、Bから異動の内示と共に伝えられて、
私(綾夏)は、これを事実上のプロポーズと受け止めた。
Bからプロポーズを受けたことについては、素直に嬉しかった。

しかし、これまで、結婚については、漠然とは考えてはいたが、
具体的なことについては、全く考えたことがなかったし、
Bとの間で、結婚に関する話しをしたこともなかった。
そんなこともあり、私は、突然の結婚話に、凄く戸惑い、
その場で返事することはできなかった。

それから、結婚について、自分でもよく考えてみた。
もちろん、Bとの結婚への期待があるが、その一方で、
結婚への迷いや、生活ついての不安も感じた。

一週間が過ぎ、結論が出ぬままBに会ったとき、
Bから返事を求められたが、何も答えることができなかった。

私は、遠距離にはなるけど、休日には私から会いに行くから、
このまま続けられないかと、Bに頼んでみたが、
Bから難しいと言われ、私の頼みは受け入れられなかった。

そして、Bからは、このまま綾夏から返事がなければ、
綾夏に会っていても不安を感じるし、素直に楽しむこともできないから、
この次は、返事が決まったら会うことにしよう、
返事が決まったら連絡してくれ、と言われた。
また、返事は転勤する前までにして欲しいとも言われた。

それから、私は、毎日のように悩み続けたが、
一向に結論を出すことができず、また、一週間が過ぎてしまった。

私の返事が決まらなければ、Bに会うことはできないので、
三連休は、洋祐と過ごすことに決めた。

正直なところ、毎日悩んで、精神的にかなり疲れていたので、
三連休の間だけでも、何も考えるのは止そうと思っていた。
ただ、三連休を洋祐と一緒に過ごす中で、
もしも、このままBのプロポーズを受け入れたとしたら、
もう洋祐と会うこともできないことに、ふと気がついた。

他人からみれば、今の洋祐との関係は、きっとふしだらと思われるだろう。
また、結婚する前であろうと、結婚した後であろうと、
ふしだらな関係には違いないと思われるかもしれない。

しかし、結婚する前であれば、誰と付き合おうと自由だけど、
結婚は、これからはお互いにこの人だけと決めてするものであり、
結婚した後の他人との行為は、法律上の不法行為でもあるから、
結婚前と結婚後では、私は全く違うと思う。
だから、プロポーズを受け入れるからには、けじめはつけなければいけない。

仕事を捨て、今住んでいる環境を捨て、更に、洋祐と会うことも捨ててでも、
今、Bと結婚するのが、自分にとっていいことなのだろうか。

そして、もうひとつ、大事なことがあることを思い出した。
私は、この人の子どもを産みたいと思っているのかどうか。
そう考えたとき、私は産みたいとは、どうしても思うことができず、
その瞬間、自分の気持ちは固まったと感じた。

それから数日間、自分で自分の気持ちを整理し、再度確認した後、
昨日、Bに会い、今、一緒に行くことはできないことと、
遠距離恋愛についてもう一度考えて欲しいことを伝えた。

しかし、Bからは、「とても残念だ」と言われ、
その後、別れを告げられた。


細かい話しまでは覚えていないが、
以上が、綾夏が俺に話してくれた大凡の内容だ。

俺が気づかぬうちに、綾夏の身にこんなことが起こっていたとは、
正直、俺はびっくりした。
それと同時に、一つ間違えれば、綾夏とは二度と逢えなくなっていたので、
そのことを考えると、俺は安堵した気分にもなった。

かなり大雑把に綾夏の話しをまとめると、
綾夏は、Bから、結婚するか、それとも別れるかの選択を迫られたが、
結婚という選択には、踏み切ることができなかったということだろうか。

綾夏には、Bを人生の伴侶として選んでよいかという迷いもあっただろうが、
仕事を辞め、身内や友人もいない見知らぬ土地で生活する不安も、
綾夏にとってはとても大きかったに違いない。

俺が綾夏の立場だったら、突然見知らぬ土地で暮らすというだけで、
絶対に無理な話だと思ってしまうが、
問題は、そんな不安を払拭する何かを、相手に感じるかどうかだ。
綾夏にとって、それが相手の子どもを産みたいと思うかどうかなのだろう。

このときは、綾夏はB自身のことについては、何も語らなかったが、
後年、綾夏から聞いた話しによれば、Bは何でも自分で決め、
それに従って進んで行くタイプの男性のようだ。

綾夏も、初めはそんなBに惹かれていたようだが、
自分に何の相談もせずに物事を決めてしまうBの態度に、
少なからず不安を感じることもあったらしい。
実際、ゴールデンウィークの旅行のことも、綾夏に何も相談せずに、
一人で決めてしまった、と綾夏は言っていた。

ただ、綾夏は、プロポーズは嬉しかったと言っていたので、
Bとの結婚の意思が全くなかった、というわけではないだろう。
だが、それを決意するには時期尚早で、今は、不安を払拭する何かも、
Bに対して感じることができなかったということだと思う。

ひょっとしたら、綾夏にとって、プロポーズを受けるか受けないかは、
紙一重のことだったのかもしれない。
そう考えると、結果的にプロポーズを断ったのは綾夏の方だが、
Bから別れを告げられたことは、綾夏にはとても辛いことであっただろう。

綾夏は、先週の三連休中に、断る気持ちを固めたと言っていた。
先週の三連休と言えば、綾夏がGKの結婚相手の気持ちを随分気にしていたが、
今なら、それも合点がいく。

その際、綾夏は、29歳だったら踏み切れるのかなと言っていたが、
もうそのときは、綾夏の気持ちが固まっていたのだろうか。

綾夏から話しを聞いて、俺はどのように慰めたらいいのか、
掛ける言葉も見つけられずにいた。
『俺がいるから元気出せよ』なんて臭い言葉は、冗談でも言えない。


綾夏は、話しを終えて暫くすると、自分の身体を俺の方に向け、
両手を俺の首に回した。

「ねえ、入れて…」

綾夏は自分の顔を俺の顔に近づけながら、そう言った。
綾夏の顔を間近で見ると、
俺の頭には再び『空と君の間に』のフレーズが浮かんだ。

だが、考えてみれば、俺と綾夏は、ほぼセックスだけの関係だ。
そんな関係でしかない俺に、綾夏が会いに来たということは、
彼女が求めることは一つしかない。

俺も綾夏にしてあげられることは一つしかなかった。


[171] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/02/06 (火) 00:02 ID:XHh8YhzM No.189198
更新ありがとうございます。
ここ3回ほどの投稿でだいぶ動きましたね。
どのように展開するのかがわからず、思わず息を飲んで静観してしまいました。
綾夏さんの結婚や妊娠への意識はそういう事だったんですね。
納得です。聞いてみないとわからないもんです。

でも洋祐さんとの子供に関しては嫌そうではないと感じてもいます。
どうなっていくのか…気が気でないです。
楽しみにしています。

[172] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/02/09 (金) 06:37 ID:eVuW7BZ6 No.189272
今現在に続くお2人の関係がより一層興味深くなってきています。

[173] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/09 (金) 22:48 ID:2RUX0nCA No.189286

まつさん、ジーンさん、レスありがとうございます。



俺は綾夏と一緒に立ち上がり、彼女の股間を弄った。
すると、綾夏の膣の中は、見る見るうちに濡れていった。

俺は綾夏の片脚を持ち上げ、ゆっくりとペニスを挿入すると、
綾夏から「あぁぁっ…」という声が漏れた。
俺は、綾夏を抱えながら、ゆっくりと腰を落とした。

暫くすると、綾夏は俺の肩に手を掛け、上下に身体を動かし始めた。
俺は左腕を綾夏の右脇から背中に回して彼女の身体を支えながら、
右手で綾夏の左胸を掴んで揉みほぐす。
綾夏の動きは徐々に激しくなっていった。

「あぁっ……、あぁっ……、あぁっ…、あぁっ…」

綾夏から喘ぎ声が漏れ始め、その声は次第に大きくなっていく。
綾夏の動きに合せて、湯船の水面がザブンザブンと波立ち、
浴槽から湯が零れ落ちていた。

「あぁぁぁぁ……」

綾夏はそう叫ぶと、脱力して俺にもたれ掛かった。
俺は、右手で綾夏の右胸を揉みながら、左腕で抱き寄せた。

「はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー」

綾夏は顔を俺の肩に乗せ、荒く呼吸をしている。
暫くして綾夏の呼吸が整うと、
俺は彼女の口を塞ぐようにキスをした。

「彼氏と別れて、直ぐに洋祐とこんなことするなんて…
 やっぱり、私、おかしいよね。」

長いキスの後、綾夏がそう呟いた。
俺の勃起したペニスは、綾夏の膣に突き刺さったままだ。

「でも…、ふしだらと思われても、淫乱と思われても…、
 それでいいから…、だから…」

綾夏はそう言って、再び上下に身体を動かし始めると、
激しく喘ぎ声を上げていた。
湯船の水面も再びザブンザブンと波立っていたが、
すでに湯の量が大分減っていたので、
浴槽から湯が零れ落ちることはなかった。

俺は、綾夏の背中に両腕を回し、
彼女の動きを補助するように、両腕を上下に動かした。
さすがに射精することはないが、
綾夏の動きで、俺のペニスも強烈に勃起していた。

「あぁぁぁぁ……」

綾夏は再びそう叫ぶと、そのままぐったりと脱力した。
湯気のせいなのか、汗のせいなのか、
綾夏の顔は、びっしょりと濡れ、
その雫が額から頬へ、頬から顎へと滴り落ちている。
その表情は、言い表せない色気を漂わせていた。

「はぁー、私だけ…、はぁー、先にいっちゃって…、はぁー、ごめんね…」

綾夏は息を切らせながらそう言うと、膣をきゅっと締めた。
そして、やや上を向きながら、目を固く閉じると、
膣を締めたり緩めたりを繰り返していた。

「あぁっ…、後で…、後で、好きにしていいから…
 もう少し…、もう少し、このままで…」

綾夏が喘ぐようにそう言うと、
俺は再び綾夏にキスをし、互いに舌を絡め合った。

二人で湯船から上がると、お互いの身体と髪を洗い合った。
身体を洗い終え、俺が浴槽の縁に座ると、綾夏は俺のペニスを銜えた。
これまで、綾夏にどう対応したよいかで頭が一杯だった俺だが、
ここにきて、漸く落ち着きを取り戻した。

綾夏が彼氏と別れたということは、今、俺は綾夏の身体を独占できるものだ。
今、他の男が、この綾夏の身体を見ることも触れることもなく、
こうして、ペニスを銜える綾夏の姿を、他の男が目にすることもないのだ。
もちろん、綾夏が他の男とセックスすることもなければ、
あのときの表情を他の男に見せることもない。

今頃になって、そんな思いが俺に沸々と湧き上がった。
俺は、綾夏を立たせた後、壁に両手を突かせ、
彼女の背後からペニスを膣に挿入した。
もちろん、綾夏は何の抵抗もしない。
俺は、綾夏の両胸を鷲掴みにして、突き上げるように腰を動かした。

「あぅぅっ…、あぅぅっ…、あぅぅっ…」

直ぐに、綾夏から喘ぎ声が漏れ始める。
その声を聞いて、俺は激しく腰を動かした。
綾夏の胸を掴む手にも自然と力が入り、
彼女の両胸は、左右に拡がるように大きく変形していた。

暫くすると、綾夏は「あぁぁぁっ」と言いながら、
がっくりと腰を落とした。
俺は、綾夏の両胸を掴んだまま、彼女を抱き起した。
そして、シャワーで綾夏の身体を軽く洗い流すと、二人で浴室を出た。

風呂から上がったときには、すでに午後4時半を回っていた。
少しは元気を取り戻したかのように見えた綾夏だが、
相変わらず口数が少なく、いつもの綾夏からは程遠い。

聞けば、綾夏は、朝から真面に食事をしていないようなので、
気分転換を兼ねて、二人で買い物に出かけ、
夕食のおかずや、酒を買って帰った。

綾夏の気持ちを考えれば、不謹慎この上ないが、
二人で買い物をしているとき、綾夏と新婚生活を送っているような、
そんな幸せな気分に、俺は浸っていた。

買物を終えて部屋に戻ると、俺は御飯を焚き、
綾夏と二人で、キッチンで酒を飲みながら食事を始めた。
初めは口が重かった綾夏だったが、酒が進むにつれて、
ぽつりぽつりと話しを始めた。

綾夏が最初に話したことは、プロポーズを断ったことだった。

結果的に、Bからのプロポーズを断った形になったが、
それが良かったのかどうかは、今はまだ分からない。
ただ、仕事を辞めず、この地を離れずに済んだことは、
今はそれで良かったと思える。
だけど、これは、今回だけの問題ではないとも思う。

結婚しても、仕事を辞めずに働き続けたいと思っていたけど、
もしも、結婚したいと思っている彼氏が、異動で遠方に赴任したら、
私はどうすればよいのだろうか。

私が仕事を辞めればよいのか、
彼氏が転勤を断る、或いは仕事を辞めればよいのか、
遠距離恋愛を続けながら、彼氏が戻るまで待てばよいのか、
初めから別居することを覚悟して、結婚すればよいのか、
それとも、諦めて彼氏と別れてしまえばよいのか…

総合職だけでなく、私のようなエリア職や、一般職で働く女性でも、
結婚しても仕事を辞めたくないと考えている人は少なくないと思うが、
そんなとき、どんな判断を下すのか、皆の意見を聞いてみたい。


綾夏は、そのようなことを途切れ途切れに話した。
綾夏の話しを聞く限りでは、彼氏と別れたこと自体が、
最もショックが大きいことであったとは思うが、
それだけでなく、彼氏と別れるきっかけとなった出来事についても、
大きなショックを受けていたようだ。


[174] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/11 (日) 21:42 ID:en37LtfY No.189336
続き読みたいです

[175] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/02/12 (月) 11:18 ID:G1wmjwBM No.189352
出来事、気になります。

[176] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/14 (水) 00:35 ID:rZtjLSjg No.189396

けいさん、ジーンさん、レスありがとうございます。



綾夏が次に話し始めたことは、会社でのことだった。

Bは、仕事のできるエリート社員で、容姿も良いということもあって、
私(綾夏)が入社する前から、一部の社員の間では有名で、
また、女性社員にはそれなりに人気があったらしい。

そんなBと私が付き合うようになってからは、
二人の関係が、今後どうなっていくのか周りから注目され、
この一年、私が知らない間に、有らぬ噂も立てられていたようだ。

実際に、今年のゴールデンウィークの旅行のことも、何故か皆に知られていて、
旅行後も、旅行に纏わるデマが私の耳にも入ってきた。

そんな中、Bの人事異動の辞令がすでに発表され、
私は今後どうするのか、皆興味津々のようだった。
Bに、私をどうするのか尋ねる人もいるだろうが、
私にも、「あなたはどうするの?」と実際に聞かれることもあった。

そんなとき、これまでは「突然のことで、まだ何も」と答えていた。
だが、昨日、Bと別れたことで、Bが自発的に言うとは思わないが、
周りから聞かれれば、そう答えるだろう。
そうなれば、明日以降、そのことが社内で広まるに違いない。

そして、また、有らぬ噂やデマが流されるかもしれない。
それを考えると、明日から会社に行くのに気が重い。

綾夏は、そんな話しをした後、更に話しを続けた。
大分、饒舌になってきたようだ。

「社内恋愛で良かったこともあるの。
 身近にいれば、お互い安心するし、仕事や悩みも相談できるし…」
「・・・・・・」
「噂やデマも、付き合っているときは、それ程気にもしていなかったけど、
 別れたときのことなんか、あまり考えてもいなかったな。」
「・・・・・・」
「私の場合、彼が転勤で、来月から顔を合わせることはないから、
 まだ、マシな方だとは思うけど…」
「・・・・・・」
「でも、それを考えると、同じ会社の人とは…、もういいかな。」

綾夏はそう言って、少し溜息をついた。
綾夏にとって、社内の噂は、余程煩わしかったのだろうか。
結婚まで辿り着ければ、煩わしさも笑い話になるのかもしれないが…

「洋祐が働いているところは、社内恋愛とかは?」
「俺の勤務先は工場だから…、そもそも女性社員があまりいない。
 本社とかは、わからないけど…」
「そうなんだ。でも、少しは女性がいるんでしょ。」
「製造部がいくつかあって、そこが一番社員の数が多いんだけど、
 現場は正社員の女性がゼロで、パートのおばさんがいるだけだし、
 それぞれの業務課に数人いるだけだよ。
 技術部も女性は各課に数人しかいないし…
 あとは、総務課も女性は数人だったかな。」

俺は、工場内の女性社員のことなど、ほとんど気にしたことがなかったので、
正直、具体的な人数までは把握していない。

「洋祐は女性社員と話すことはあるの?」
「同じ課の人とは話すけど、それ以外はほとんど話したことはないな。
 同じ技術部の他の課の人とは、挨拶ぐらいはするけど、
 仕事で話すこともほとんどないし…」
「業務課や総務課の女性とは?」
「業務とは、そもそも接点がないし、誰がどこの業務に配属なのかもわからない。
 総務は、出張の旅費を精算するときに、行くだけだから…」
「ふーん、なるほど…、洋祐に彼女ができないわけだ。」
「は?、別に、そんなこと関係ないだろ。
 そもそも、女性社員をそういう目で見たこともないし…」
「そんなんじゃ…」
「ん?」
「そんなんじゃ、いつまで経っても、彼女なんかできないわよ。
 洋祐のことは、まだ私が面倒をみないといけないじゃない。」

綾夏は可笑しそうにそう言うと、俺の顔を覗き込んだ。

「ねぇ、しよ。お風呂で言ったように、好きにしていいから…」

俺は、綾夏を隣の部屋に連れて行き、二人で布団を敷いた後、
互いの服を脱がせ合い、二人で布団の上に倒れ込んだ。


長い長いセックスが終わり、二人で余韻に浸っていた。
風呂場での行為があったせいか、何時にも増して勢いのある射精だった。
何度も続く脈動を感じてか、綾夏も「凄い」と漏らしていた。

特に普段と変わったことをしたわけではない。
ただ、俺は、心の中で「俺の女になれ」と何度も何度も叫びながら、
綾夏を抱き締め、腰を動かしていた。
綾夏も、喘ぎ方がいつもより激しいような気がした。

「ビクン、ビクンって、今日は凄かったね。」
「・・・・・・」
「いつもそうなんだけど、私の中でビクンって動くたびに、
 ああ、洋祐の精子が私の子宮に入っていくって、そう感じているの。」
「・・・・・・」
「今日は、たくさん入ったんだろうね。ふふふ。」

相変わらず、綾夏は怖いことをサラッと言う。

「ねえ、今日、泊っていってもいい?」
「いいけど…、明日は仕事だろ。」
「明日は、休もうかなと思って…」
「・・・・・・」
「洋祐は、仕事に行っていいよ。私、見送ってあげる。」
「綾夏が休むなら、俺も休もうかな。」
「無理しなくていいよ。」
「いや、今は、仕事も比較的落ち着いているし、
 それに、今年はほとんど有休使っていないから…」

実際、今年度に入ってから、奨励日を除けば、有休を使っていない。
労使間の協議で、有休取得率の目標が掲げられたこともあって、
上司からも、仕事を調整して有休を取るように言われていた。

この後、二人でシャワーを浴びてから、もう一度セックスした後、
そのまま眠りについた。


[177] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/02/14 (水) 06:37 ID:P01QI5WM No.189398
綾夏ちゃんは気持ちも身体も彼に捧げていたのですね。
ただ、身体の相性は洋祐さんの方が良いはずだし、気持ちも洋祐さんがはっきりと
表明すればきっと綾夏ちゃんは待っているのではと思います。
さあその頃の洋祐さんにそれをやれる勇気はあったのでしょうか?
気になります。


[178] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/16 (金) 20:43 ID:MTyunZKw No.189440

ジーンさん、レスありがとうございます。



翌朝、俺と綾夏は、勤め先に連絡してから、二人でシャワーを浴びた後、
再び布団の中に潜り込んだ。
二人の間に会話はなく、少し気怠さを感じながら、互いの身体を愛撫し合い、
暫くして、俺は、身体の向きを変え、シックスナインを始めた。

綾夏の股間を眺めると、今はもう、Bとのセックスの痕跡は全くない。
俺は、ペニスに絡みつく綾夏の舌を感じながら、
綾夏のクリトリスや陰唇を執拗にしゃぶっていた。

シックスナインを終えると、俺は身体の向きを戻し、
再び互いの身体を愛撫し合った後、
どちらともなく、セックスへと移行した。

このときも、普段と変わったことをしたわけではないが、
昨日とは違い、静かなセックスだった。
俺は、綾夏に正常位で挿入したまま、腰を動かすこともなく、
彼女の上半身を、手や唇で愛撫した。

綾夏は、俺の背中に両腕を回したり、両腕を左右に拡げたり、
身体を捩ったりはしていたが、激しく動くことはなく、
また、ときおり「はぁぁ…」という声を漏らすものの、
大きな喘ぎ声を出すこともなかった。

綾夏の身体を堪能するには、やはり静かなセックスの方がいい。
カーテンも全開で、窓から陽が差す明るい部屋の中、
綾夏の裸体を間近でじっくり見ながら、彼女の身体を愛撫していく。

すでに25歳になった綾夏だが、その身体は相変わらず白くて綺麗だった。
綾夏の身体を間近で見ながら、この身体が今は自分だけのものだと思うと、
俺は、思わず身震いしてしまった。

愛撫を終えると、俺は綾夏に唇を合わせて舌を入れる。
お互いに舌を絡め合って静かにキスをしながら、
ゆっくりと腰を動かし始めた。

暫くキスを続けた後、再び綾夏の身体を愛撫し始める。
そんなことを何度も繰り返した。
そして、最後は、互いに抱きしめ合いながら、腰の動きを速め、
綾夏の中に射精した。

「すごく…、すごく気持ちよかった。」

余韻に浸った後、下半身が繋がったまま、綾夏がそう呟いた。

「激しいのも嫌いじゃないけど、
 こういうのは、終わった後も、気持ちよさがずっと続くから…」

綾夏はそう言って、ニコっと笑い、俺に抱き着いた。

「こういうの、またしてくれる?」

綾夏は、俺の耳元で甘えるように言った。
こういう静かなセックスは、時間が掛かるため、
綾夏がBと付き合い始めてからは、ほとんどすることがなかった。

「これからは、土曜はゆっくりしていってもいいんだろ。」
「うん。」
「それなら、大丈夫かな。」
「ありがとう。」

綾夏は、俺に抱き着く両腕に力を入れる。
そして、俺たちは長いキスをした。

気が付くと、すでに昼を過ぎていた。
二人でシャワーを浴びた後、ファミレスに食事に出かけた。

「もう、噂になっているのかなぁ…」

食事を終えた後、綾夏がふと呟いた。

「噂って、彼氏と別れたことの?」
「うん。」
「周りから何か言われたり、聞かれたりするの?」
「私に直接はないと思うけど…
 好奇な目で見られたり、変に気を使われたりはするかもね。」
「・・・・・・」
「それに、尾ひれ背ひれがついて、事実と関係ない話しになっているとか…」
「・・・・・・」
「以前、社内で付き合っていた人が別れたときも、そんな感じだった…」

綾夏の表情が暗くなっていた。

「明日もできれば出勤したくないなぁ…
 でも、休むわけにもいかないけど。」
「・・・・・・」
「ねえ、明日はちゃんと出勤するつもりだけど…、
 今日も洋祐の部屋に泊まってもいい?」
「えっ、ああ、別に俺はいいけど…、
 でも、今日はこれからスイミングに行くんだろ?」
「今日は休むつもりだから…。
 スイミングと同じぐらい体力使えば、同じでしょ。ふふ。」
「・・・・・・」
「じゃあ、明日の準備をしてくるから、この後、自分の部屋に戻るね。」

二人でファミレスを出た後、綾夏は一旦自分の部屋に帰り、
俺は、少し散歩してから自分の部屋に帰った。
綾夏が戻るのは夕方ごろかなと思っていたが、
午後3時頃には、綾夏が大きなボストンバッグを持ってやって来た。

「歩いて来ると、結構重かった。」
「随分、早かったね。」
「一人でいると、嫌なことばかり考えちゃうから…」
「そのバッグは?」
「私の着替え。」
「えっ、そんなにたくさん?」
「毎回、持って行ったり持って帰ったりするのは面倒でしょ。
 だから、何着か洋祐の部屋に置いといてもらおうと思って。」
「何でいきなりそんなことを…」
「せっかく合鍵を貰って、私のセカンドハウスになったのはいいけど、
 今まで彼氏がいたから、さすがに服を置いておくのは気が引けていたのよ。
 だけど、もう、そんなことは考えなくてよくなったから…」
「・・・・・・」
「もう少し置いときたい服があるから、またいつか持ってくるね。」
「着替え終えた下着とかは、持って帰るのか?」
「ううん、下着も何枚か持ってきたから…、着替え終えた下着は、
 洋祐が洗濯するときに、一緒にしてもらえれば助かるんだけど…
 それまでは、洗濯機に入れておいてくれればいいよ。」
「・・・・・・」
「そんな困った顔をしないでよ。」
「別に困ってなんかは…」
「厚かましくてごめんね。でも、そうしてもらえると本当に助かるから。
 それに、洋祐の服も、私の部屋に置いといていいから、ね。」

結局、綾夏に強引に押し切られ、彼女の服を俺の部屋に置いておくことになった。

それからは、綾夏から誘われてセックスし、
綾夏が夕食を作ってくれるというので、二人で買い物に行った。
夕食を終えてから、二人で風呂に入った後、
少し酒を飲んでから、二人で布団に入った。

「明日は水曜だから、また泊まりにきてもいいでしょ。」

今日3回目のセックスを終えた後、綾夏が尋ねてきた。

「別に構わないけど…」
「じゃあ、明日も夕食を作って待っているね。」

綾夏は、俺の前では明るく振舞ってはいるが、
まだショックはあるだろし、不安もあるのだろう。
俺にできることは、綾夏が一緒にいたいと言うのであれば、
一緒にいてあげることだけだ。

それから、二人でシャワー浴びて、眠りについた。


[179] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/17 (土) 12:05 ID:l6pW5uzo No.189447
続きが気になります。

[180] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/18 (日) 22:53 ID:42oyzh5s No.189487

けいさん、レスありがとうございます。



翌朝、綾夏と一緒に部屋を出て、それぞれ勤め先に向かった。
綾夏が会社で噂が流れることを気にしていたので、
俺は、仕事をしていても、気が気ではなかった。
綾夏が噂で傷つくようなことがなければいいが…

俺は定時後に、凡その帰宅時刻を綾夏にメールで知らせてから、
大急ぎで帰宅の途に就いた。

「お帰りなさい。夕飯の支度、出来ているわよ。」

俺が部屋に入ると、綾夏は笑みを浮べて迎えてくれた。
俺は、綾夏の顔をじっと見つめたが、
彼女には、暗い表情は見られず、
とりあえず、俺は安心した。

会社で噂は流れていなかったのか、或いは、
噂は流れていたが、気にする程のことではなかったのだろうか。
もちろん、わざと明るく振舞っている可能性がないわけではないが…

こうして、綾夏と二人で食事をしていると、
俺は、綾夏と新婚生活を送っているような気分になった。
もしも俺が綾夏と結婚することができれば、
きっと毎日、こんな気分を味わえるのだろう。

綾夏から会社での噂のことを聞いてみたかったが、
彼女が何も話さないなら、俺から聞くわけにもいかない。
綾夏が俺に対して明るく振舞っているのであれば、
今はそっとしておくべきだろう。

夕食を終えて、二人で風呂に入った後は、
昨日と同じように、綾夏とセックスし、彼女はそのまま眠りについた。
俺は、一人でシャワーを浴びた後、綾夏の隣に横たわった。

綾夏は、寝息を立ててぐっすり眠っている。
これからどうなっていくのだろうと、そんなことを考えながら、
俺も眠りについた。

翌朝起きた後、俺は綾夏の顔をじっくり眺めたが、
彼女が暗い表情をしている様子は、特に見受けられなかった。
俺が心配し過ぎているだけなのだろうか。
二人で部屋を出るときも、特に綾夏の表情が変わることもなかった。

今日は、綾夏がジムに通う日なので、彼女に逢うこともないが、
昨日からの様子を見る限り、多分大丈夫だろう。
それに、明日の金曜は、俺が綾夏の部屋に行くつもりだ。

午後4時頃だろうか。
仕事中に、綾夏からメールが届いた。
俺は慌ててメールを開いた。

『今日も泊まりにいきたい
 身勝手で、迷惑かけてばかりで、ごめんね
 ジムも休んで洋祐の部屋に行くから
 夕食の支度をして待っているね』

綾夏が、こんなメールを送ってくるのは、本当に珍しい。
会社で嫌な噂、或いは酷いデマでも流されたのだろうか。
帰ったらすぐにでも聞きたいところではあるが、
綾夏が何も話したくないのであれば、俺は何も聞かずに、
彼女の気持ちを尊重するべきだろう。

俺は、残りの仕事を終えてから、
昨日と同じように帰宅時刻を綾夏にメールで知らせ、
急いで退勤した。

「お帰りなさい。」

俺が帰宅すると、綾夏は、昨日と同じように笑顔で迎えてくれた。
俺が帰る前に、綾夏は洗濯をしてくれたようで、
部屋の中には、服や下着が干してあった。

「我儘ばかり言って、ごめんね。
 あんなメールが送られてきたら、びっくりしちゃうよね。
 でも、大丈夫だから。」

綾夏はそう言って笑った。
本当に大丈夫なのか、それとも俺に心配を掛けまいと思っているのか、
綾夏の笑顔からは、俺は判断をすることができなかった。

「洋祐が何も聞かないでいてくれるから、私、それに甘えちゃって…
 でも、ちゃんと話さないといけないよね。」

二人で食事をしているときに、綾夏がそう言った。

「別に綾夏が話したくなければ、話さなくてもいいよ。
 もし話せるようになったら、そのときに話しは聞くから…」
「ありがとう。でも、何も話さないと心配かけちゃうから…」
「・・・・・・」
「今日ね、彼が挨拶しに来たの。
 引っ越しとかで、明日からは、もう本社に顔を出さないからって…」
「・・・・・・」
「それでね…、そのとき彼がね、
 こんな結果になったけど、これまで本当に楽しかったって…」
「・・・・・・」
「もう自分は何もできないけど、幸せになって欲しいって…」
「・・・・・・」
「最後に、彼がそう言ってくれたの。」
「・・・・・・」
「それを聞いたら、急に涙が出てきて止まらなくなっちゃった。」
「・・・・・・」
「彼と一緒に行くのを断ったことを、
 決して後悔しているわけじゃないんだけど…」
「・・・・・・」
「他に何かいい方法があったんじゃないかって思って…」
「・・・・・・」
「ごめんね、こんな話しで…」

綾夏はそう言って、静かに泣き始めた。
そんな綾夏を見て、俺は彼女に何の言葉も掛けてあげられなかった。

「でも、大丈夫…。もう終わったことだから。」

少し落ち着いた綾夏が俺の顔を見ながら、そう言った。
俺は、綾夏の何の力にもなれないと思った。
今は、綾夏に寄り添うことしか、俺にはできない。

その夜、俺は、昨日までと違って、激しく綾夏を抱いた。
彼氏と別れてから一週間も経っていないことを考えれば、
当たり前のことなのかもしれないが、
元彼に未練を残す綾夏に、俺は嫉妬していたのだろう。

元彼に未練があるくせに、俺に抱かれにくる女、
そんなことを思いながら、俺はバックで激しく腰を動かし、
更に、俯せになった綾夏に跨り、俺のペニスを彼女に突っ込み、
容赦なく腰を振り続けた。

昨日までとは違う俺の抱き方に、綾夏も気づいているはずだが、
そのことについて、彼女からは何も言われなかった。

「明日は、私の部屋に来てくれるんでしょ?」

セックスが終わった後、綾夏が俺に尋ねた。

「ああ、そのつもりだよ。」
「そう…、よかった。」
「・・・・・・」
「明日も夕食を支度して待っているね。
 土曜は、ゆっくりしていっていいから…」

綾夏は優しい声で、そう言った。
俺は綾夏の声を聞いて、まだ情緒が不安定なのかもしれないと思った。

それから、二人でシャワーを浴びた後、
もう一度、綾夏とセックスして、そのまま眠りについた。


[181] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/19 (月) 21:46 ID:v8yOIn6A No.189523
このままゴールインしたのかな?
続きお願いします


[182] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/22 (木) 21:12 ID:p0yE1hK. No.189639

けいさん、レスありがとうございます。



翌日の金曜、俺は仕事を終えると急いで退勤し、
一旦自分の部屋に帰ってから、綾夏の部屋を訪れた。

「いらっしゃい。夕飯の支度、出来ているわよ。」

俺が部屋に上がると、綾夏は、そう言って俺を迎えてくれた。
綾夏から『いらっしゃい』と迎えられるのは、もちろん嬉しい。
だが、昨日や一昨日のように、『お帰りなさい』と言われた方が、
俺としてはやはり気分がいい。

この日は、二人で酒を飲みながら食事をしたが、
このときは、綾夏が会社でのことを口にすることはなかった。
綾夏自身も昨日のように落ち込んでいる様子はない。
今日は、会社では何もなかったのだろうか。

食事を終えてからは、二人で風呂に入った後、
俺たちは、直ぐにセックスを始めた。


「今日、会社に行ったら、なんかね…、
 私が彼に一方的に振られたことになっているんだよね。」

セックスを終えて暫くしてから、綾夏がそう呟いた。

「どこでそんな話しになったんだろう…」
「・・・・・・」
「そりゃ、別れを告げられたのは、私の方なんだから、
 私が彼に振られたことには違いはないけど…」
「具体的には、どんな話しになっているの?」
「彼が転勤でもう会えないから別れようみたいな感じかな…」
「・・・・・・」
「それは、まあ、いいんだけど…」
「・・・・・・」
「その後、私が彼に別れないでと何度も頼んでいたとか…」
「・・・・・・」
「嫌がる彼にしつこく付き纏っていたとか…」
「・・・・・・」
「それじゃ、私、ストーカーみたいじゃない。」

綾夏としては、そういう言われ方をされると、
自分のプライドが許さないのだろうか。
落ち込んでいるというよりは、憤慨している感じだった。

「親しい人には、大まかな事情は話せるし、
 話せば分かってもらえるからいいけど…」
「・・・・・・」
「親しいわけではない人には、話したくもないし…」
「・・・・・・」
「本当、こういうの困るのよね。」
「・・・・・・」
「でも、まあ、いいか。分かってくれる人に分かってもらえば…」
「・・・・・・」
「それに会社の人とは、もう付き合うつもりもないし…」
「・・・・・・」
「どう思われようが、もうどうでもいいわ。」

綾夏は独り言のように、そう呟いた。
何はともあれ、昨日に比べれば、随分元気になったようだ。
まだ、これから情緒が不安定になる可能性もあるが、
きっと時間が解決してくれるだろう。


この後は結局、日曜まで綾夏と一緒に過ごした。
日曜の晩、俺が帰る前に、最後のセックスをし、
いつものように、余韻に浸っていた。

綾夏が俺の部屋に来て、彼氏と別れたと言ってから、
早いもので、今日で一週間が経つ。
綾夏は、明日はどうするのだろうか。

このままなし崩し的に、綾夏と一緒に暮らすなんてことは…
そんなことになれば、俺にとってはこの上ないが、
金曜から今日までの綾夏の様子を見れば、
そんなあり得ないことを想像しても仕方がない。

思い返すと、この一週間、毎日綾夏と逢ってセックスしていたが、
避妊は全くしていない。
今も、射精を終えた後、綾夏の中にペニスを入れたままだ。

考えてみれば、綾夏から生理がきたとメールが届いてから、
すでに10日以上が過ぎている。
綾夏は何も言わないが、大丈夫なのだろうか。

そんなことを考えていたら、綾夏が話しかけてきた。

「一週間も付き合わせちゃって…、ごめんね。」
「大したことは何もしていないから。」
「明日からは、もう大丈夫だと思うから…」
「・・・・・・」
「洋祐に…、洋祐に借りができちゃったね。」
「別にそんなこと思っていないし…、気にしなくていいよ。」
「でも、それじゃあ、私の気が済まないわ。」
「・・・・・・」
「返すとしたら、私は、洋祐に何をしてあげられるのかなぁ…」
「えっ?」
「ねぇ、私、洋祐に何をしてあげたらいい?」

綾夏は俺の顔を見つめながらそう言った。
俺と結婚してずっと傍にいて欲しいと、俺は思ったが、
もちろん、そんなことは口に出せるわけもない。

「どうして黙っているの?」
「突然そんなことを言われても…、何とも答えられないよ。」
「そうぉ?」
「別にお返しを期待していたわけでもないし。」
「ふーん、じゃあ、私が決めていいよね。」
「・・・・・・」
「うーん、何にしようか…」
「・・・・・・」
「そうね…、洋祐の…、洋祐の子どもを産んであげようか?」
「えっ?!」

俺は、その場で飛び起きそうになるぐらいびっくりした。
俺の脈が急激に速くなり、それに合わせて俺のペニスも反応した。
ふと、綾夏の顔を見ると、可笑しそうに笑っていた。

「何か急に大きくなったみたいね。ふふふ。」
「・・・・・・」
「それに何?その顔。そんなに驚かなくてもいいでしょ。」
「あっ…、いや…」
「私も洋祐も、子どもが出来るようなことをしているんだから…」

綾夏はそう言いながら、俺のペニスからザーメンを絞り出すように、
自分の膣をキュッと締めた。

「それとも、私に子どもを産んで欲しくないの?」

俺は、綾夏の言葉に驚くばかりで、何の言葉も出なかった。
綾夏は、俺の顔をじっと見つめると、今にも吹き出しそうに笑い始めた。

「ふふふ、可笑しい…。」
「・・・・・・」
「もう…、冗談よ。冗談。」
「えっ?」
「それに、彼氏と別れて、直ぐに妊娠したなんてことになったら、
 私の周りでは、それはもう大騒ぎよ。」
「・・・・・・」
「一体、誰の子だとか、皆、きっと興味津々になるわ。
 別れた彼氏の子どもじゃないかって疑われるかもしれないし、
 何を言われるか、分かったものじゃない…」
「・・・・・・」
「それで、相手が職場では誰も知らない洋祐だってことがわかったら、
 私、皆からどう思われるんだろうね。」
「・・・・・・」
「でも…、本当にそうなるかもしれないわ。ふふふ。」

綾夏はそう呟き、笑みを浮べながら、再び膣をキュッと締めた。


[183] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/02/23 (金) 07:03 ID:q2A5tss. No.189650
いやいや。
駄目ですって。
そんなされたら、また綾夏さんにキュンとなってしまいます。
でもやっぱり妊娠に関しては彼氏だったB氏より洋祐さんとを望んでいるように見えますよね。
まだまだ目が離せません。

[184] Re: 続 せ・ふ・れ  stop :2024/02/23 (金) 08:34 ID:c9zrrueg No.189653
楽しみに読んでおります。
自分なら彩夏さんにこんな事言われたらすぐに告白してしまいます。
洋祐さん、続き期待しております

[185] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/25 (日) 21:01 ID:fkgKp2cI No.189787
まつさん、stopさん、レスありがとうございます。



後年、綾夏から聞いた話しでは、別れた彼氏への未練を断ち切れないとき、
俺の子を妊娠すれば、未練を断ち切れるのではないか、
そんな考えに支配されることが何度かあったそうだ。

未練が断ち切れない彼氏が一体誰なのかは、綾夏から聞いていないが、
その話しを聞いて、俺には思い当たる節がいくつかあった。
その一つが、まさにBと別れた後の綾夏だった。

「今思えば、本当に幼稚な発想だし、
 そんなことで、洋祐を利用しようとするなんて、
 私、ひどい女だよね。
 洋祐、ごめんね。」

このとき、綾夏はそう言って謝ったが、綾夏が俺の子を妊娠するなんて、
俺にとっては願ってもないことなので、謝られる筋合いはない。
それはともかく、当時の俺は、綾夏の気持ちなど何も気づかず、
只々、綾夏が元気になることを願っていた。

10月に入ると、俺と綾夏が逢う機会は、彼女がBと付き合う以前程に戻った。
もちろん、俺は綾夏と逢う機会が増えただけで嬉しかった。
それ以外については、俺と思い過ごしかもしれないが、
二人の会話が増えたような気がする。
まあ、会話と言っても、綾夏からの話しが殆どではあるが…

10月の第2水曜、綾夏が俺の部屋に来たときも、
二人で食事をしながら、綾夏はよく喋っていた。

「ねえ、洋祐、お願いがあるんだけど。」
「何?」
「明日、会社の同期女子の飲み会なんだけど、終わったら迎えに来てくれない?」
「えっ、迎えって…、どこに?」
「SB駅」
「SB駅って…、結構遠いな。」
「いつもその駅の近くで飲み会を開いているの。」
「何でSB駅まで迎えに行かなきゃいけないんだ?」
「だめ?」
「部屋の最寄りのJ駅じゃいけないのか?」
「明日は、彼氏と別れてから最初の飲み会だから、
 いろいろ聞かれるかもしれないでしょ。」
「・・・・・・」
「そういうとき、素面だと中々答えられないこともあるじゃない。」
「・・・・・・」
「でも、飲み過ぎると、洋祐が怒るし…」
「怒っているんじゃなくて、注意しろと言っただけだけど…」
「私にとっては、どっちでも同じようなものよ。」
「・・・・・・」
「だから、飲み過ぎたときのために、予め洋祐に迎えを頼んでおけば、安心じゃない?」
「・・・・・・」
「ねっ、いいでしょ。」

飲み過ぎたときのためにではなく、初めからそのつもりだろと思ったが、
結局、綾夏に押し切られ、迎えに行くことになってしまった。

「いつも、8時頃には終わるから…、
 8時10分にSB駅の〇〇線のホームで待っていてね。」
「ホームの何処で待っていればいい?」
「うーん、じゃあ、一番〇〇駅寄りのところでお願い。」

翌日、自分の部屋に帰ってからだと時間に間に合わないため、
仕事を終えて食事をした後、直接、SB駅に向かった。
ホームで待っていると、8時15分頃、綾夏が歩いて来るのが見えた。

「遅くなって、ごめんね。」

綾夏を見ると、特に飲み過ぎた様子もなく、しっかりしていた。
そのときは、別に迎えに行かなくても大丈夫なんじゃないかと思ったが、
電車に乗り、途中のAB駅で乗り換えるとき、綾夏の様子が少し怪しくなり、
J駅に到着した頃には、かなり危うい状態になっていた。
俺は、綾夏を支えながらゆっくりと歩き、彼女の部屋に連れ帰った。

「洋祐に、お持ち帰りされちゃった…」

ドアを開けて中に入るなり、綾夏がそう呟いた。
全然違うだろと思いながら、綾夏の靴を脱がして部屋に上った。

「これからどうする?」
「もう、動ける気がしない…。このまま、ベッドに寝かせて…」

綾夏をベッドに連れて行き、そのまま寝かせた。
さすがに、服を着たままにしておくのはどうかと思い、
ブラジャーとショーツを残し、それ以外の服を全て脱がせた。

綾夏の裸体は今まで数えきれない程目にしてきたはずが、
不思議なもので、今、俺の目の前で、こんな格好の綾夏を見せられると、
彼女の下着の中が気になって仕方がない。

気づかぬ間に、綾夏は寝息を立てて眠っていた。
綾夏を眺めていると、自分で自分を抑えられなくなりそうなので、
俺は、綾夏に布団を掛けて、早々に彼女の部屋を出た。

翌日、昼過ぎに綾夏からメールが届いた。

『昨日、ベッドにちゃんと寝かせてくれたんだね
 ありがとう
 今日は、お礼に夕食を作って待っているから』

綾夏のメールの文面から考えると、部屋に着いた頃には、すでに記憶がなかったようだ。
SB駅で待ち合わせをした時は、しっかりしていると思ったのだが…

仕事を終えて綾夏の部屋に行くと、メールの通り、夕食を作って待っていてくれた。

「昨日は、ごめんね。私ばかり迷惑かけて…」

二人で食事をしていると、綾夏が昨日のことを謝ってきた。

「別に…、頼まれただけだから。」
「でも…、エッチはしなかったんだね。」
「はっ?」
「迎えに来てって言ったときから、絶対すると思っていたんだけどなぁ…」
「酔っぱらって寝ている女に、何かしようとは思わないよ。」
「そうなの?」
「大体、昨日のこと、どこまで覚えているんだよ。
 メールを見る限り、部屋に着いたときのことは覚えてなさそうだったし…」
「へへへ、電車に乗って、乗り換えたところまでは、覚えているんだけど…」
「だから、飲み過ぎるなって言っているんだよ。」
「でも、いいじゃない、そのために洋祐に迎えに来てもらったんだから…」
「俺だって、何をするかわからないんだぞ。」
「別に、洋祐に何かされても、私、怒らないよ。」
「・・・・・・」
「だから、昨日もエッチしてもよかったのに…」
「そういうことじゃないだろ。呆れてものが言えない…」
「昨日、エッチしなかったから、今日は好きにしていいから…、ね。」
「・・・・・・」
「それと、私が先に寝ちゃうとさ、エッチしてもいいって言えないでしょ。」
「・・・・・・」
「だから、私が寝ているときは、洋祐はエッチしてもいいって、
 予め決めておけば問題ないんじゃない?」
「・・・・・・」
「今度からは、そうしようね。ふふふ。」

何か、話しが全く噛み合わないので、話題を変えた。

「昨日の飲み会は、どうだった?」
「うん、楽しかった。」
「いろいろ聞かれたのか?」
「まあね。でも、皆の話しも聞けたし…、よかったよ。」
「どんな話しをしたんだ?」
「内緒。」
「・・・・・・」
「女子だけの話しだから…、野暮なことは聞かないで…、ね。」

以前、綾夏は、女子だけの話しをしてくれたことがあったが、
今は、野暮なことを聞くなとは、どういうことだろうか。
昨日の飲み会では、俺には聞かせられない話しがあったのかもしれない。

それが綾夏自身のことなのか、他の女子のことなのかは分からないが、
綾夏自身のことであれば、別れた彼氏に纏わる話しなのかもしれない。
そう考えると、俺は少し複雑な気分になった。


[186] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2024/02/26 (月) 14:19 ID:2iWCa3AQ No.189814
綾夏さんは、洋祐さんからのひと言を待ってたと思いますよ。…そのひと言が言えてたら、人生が違っていたのかも。

[187] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/01 (金) 20:39 ID:SuJR5qPw No.189943

やまさん、レスありがとうございます。



昨日の飲み会は、綾夏にとっては良い気分転換にはなったようだ。
綾夏の話し方から、彼女の機嫌が良いことが俺にも伝わった。
綾夏が彼氏と別れて4週間が経とうとしていることもあるのかもしれない。
綾夏にとって、まだ4週間なのか、すでに4週間なのかは俺には分からないが…

「そう言えば、昨日、駅のホームで私と洋祐が一緒にいるところ、
 同期の女子に見られちゃった。」
「えっ?」
「隣のホームに居たらしくて、私は気が付かなかったけど、
 向こうは気付いたみたいなの。」
「・・・・・・」
「顔はよく分からなかったって言っていたけど、今日、他の同期にも囲まれて、
 あの男の人は誰?って聞かれて、焦っちゃった。」
「そ、それで…、何て答えたんだ?」
「別に嘘をつく必要もないから、大学のサークルの同期って答えたわ。」
「・・・・・・」
「さすがに迎えに来てもらったとは言えないから、
 ホームで偶然会ったって答えたけど…」
「・・・・・・」
「そうは見えなかったけどとか、何か怪しいぞって言われて、困ったわ。」
「・・・・・・」
「でも、考えてみれば、隠す必要もないけどね。」
「・・・・・・」
「ねえ、今度、私の同期に会ってみる?」
「えっ、い、いや、別にいいよ。」
「そうぉ?会ってみたいなら、紹介してあげるよ。
 洋祐は、彼女がいないわけだし…」

綾夏はそう言って、俺の顔を覗き込んだ。
俺は直ぐに言葉が出ず、首を左右に振るだけだった。

「そんなに嫌がることないじゃない。」
「・・・・・・」
「付き合ってみたらって言っているわけじゃないし…」
「何で急にそんなことを言うんだよ。」
「別に急にというわけではないわ。」
「・・・・・・」
「前から少し考えていたことだし…」
「・・・・・・」
「この間の話しだと、洋祐は、あまりにも女っ気がないし…」
「・・・・・・」
「少しは女性と話す機会を増やした方がいいかなって、そう思っただけよ。」
「・・・・・・」
「それで、どう?」
「どうって言われても…」
「今すぐとは言わないから、少し考えておいてね。」

綾夏はそう言って微笑んだ。

正直、綾夏の話しは唐突過ぎて、俺には付いて行けない。

食事を終えた後、いつものように二人で風呂に入った。
そして、身体を洗い終えて湯船に浸かったときには、
綾夏は正面座位で激しく動いていた。

「あぁっ…、あぁっ…、あぁっ…、あぁっ…」

心なしか、綾夏の喘ぎ方がいつもより激しいように感じた。
つい先ほど、俺に同期の女性を紹介すると言っておきながら、
今は、俺とこんなことをしている。

一体、綾夏は何を考えているのか…
そもそも、自分自身とこんな関係になっている男性を、
親しい女性に紹介できるものなのだろうか。

もしも俺と綾夏が逆の立場だったら…
俺と散々セックスしてきた女性を、俺の友人に紹介するなんて、
とてもできることではない。

そう考えると、俺に同期の女性を紹介すると言っても、
どこまで本気で考えているのか、全く分からなくなる。
どうせなら、私が彼女になってあげる、と言ってくれれば、
俺にとってはどんなに嬉しいことか…

翌週の水曜、綾夏が俺の部屋に泊まりに来た。
食事を終えた後、いつものように二人で風呂に入り、
綾夏を前に座らせて一緒に湯船に浸かった。

俺は、両手を綾夏の背後から前に回し、彼女の両胸を掴む。
綾夏と一緒に風呂に入るときは、かなり前からこの体勢だが、
綾夏が彼氏と別れてからは、この体勢になると、
今は、綾夏の身体は俺だけのものだと実感する。

俺は、綾夏の胸をゆっくりと揉み始める。
俺にとっては、至高のひとときだ。
綾夏の胸を揉み続けていると、彼女が話しを始めた。

「最近、男性社員から飲み会に誘われることが増えたんだよね。」
「・・・・・・」
「先週も誘いがあったし、昨日も誘いがあったし…」
「・・・・・・」
「今まで、誘われたことがなかった人からも誘われるの。」
「・・・・・・」
「やっぱり、彼氏がいないのが分かると、誘いやすいのかなぁ…」

彼氏がいないから誘われやすいのではなく、
今までも誘いたかったが、彼氏がいたから遠慮していたのだろう。

「それに、女子からも、合コンに誘わることもよくあるし…」

男性から見ても、女性から見ても、綾夏は魅力的な女性なのだろう。

「誘いはOKしたの?」
「合コンは断ったわ。まだそういう気になれないって…」

今はまだ、新しい彼氏を見つけるどころではないということか…
Aと別れたときもそうだったが、綾夏は、一見立ち直ったように見えても、
気持ちの整理がつくまで時間がかかるタイプなのかもしれない。

だが、気持ちの整理がつけば、いずれは新しい彼氏と…、きっとそうなるに違いない。
そのとき、俺はどうなっているのだろうか。
知らず知らずのうちに、綾夏の胸を揉む俺の手に力が入っていく。

「でも、それとは関係なく、合コンとかには行く気はないけどね。」

綾夏が独り言のように、そう呟いた。
綾夏は、もともとチャラい男が好きではなく、
合コンに参加する男は、チャラいイメージを持っているのだろう。

「飲み会の誘いは?」
「飲み会の方は、1件だけ、まだ検討中…
 あとは、また今度お願いしますって、とりあえず断ったわ。」

そんなに何件も男性社員から誘われているということは、
やはり会社でも、綾夏はモテる女ということなのだろう。
誘う男性社員達も、今がチャンスと思っているのかもしれない。

「検討中って?」
「二つ年上の先輩から誘われたんだけど、私だけでなく、
 もう一人一緒に誘われている同期の子がいるの。」
「・・・・・・」
「彼女は飲み会に行きたいらしくて、一緒に来てって頼まれているから、
 どうしようかと思って…」
「・・・・・・」
「断ってばかりだと、それはそれで角が立つような気もするし…」
「・・・・・・」
「まだ、決めたわけではないけど、彼女と一緒ならいいかなって…」
「・・・・・・」
「でも、飲み会に行くとしても、あまり飲むつもりはないから、安心して。」

綾夏はそう言うと、身体の向きを変えて俺と向かい合い、
俺に顔を近づけてキスをした。

風呂から上がると、二人で少しだけ酒を飲んだ後、
二人で布団に入った。

「今日も、洋祐の好きにしていいよ…」

綾夏はそう言って、俺に抱きついてきた。


[188] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2024/03/02 (土) 12:53 ID:Q7yDzC/. No.189965
彼女になって欲しい!!
結婚しようか!!
このひと言が言えてたら、私の人生も違っていたと思います。
若かったから、言えないひと言たったと…。
中身は少し違うけど、洋祐さんに感情移入している自分が〜(笑)

[189] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/04 (月) 00:59 ID:77pLCuxg No.190011

やまさん、レスありがとうございます。



翌日の夜、綾夏から長いメールが届いた。

『うーん、おかしいな
 今日、奇跡的に生理がきちゃったんだよね

 一週間、洋祐と毎日だったし
 危ない時期にも差し掛かっていたし
 少しだけドキドキしていたんだけどね

 何でかなぁ
 さすがに今回は妊娠するって思っていたんだけど…

 洋祐の子ども、産んであげられなくなっちゃったね
 借りを返すって約束したのに…
 あっ、そう言えば、それは冗談だったっけ?

 でも、また試してみてもいいよ。

 えっ、冗談がきつ過ぎるって?
 そうだよね
 ごめんね
 こんな私の傍にいてくれて、ありがとう

 じゃあ、また来週ね
 おやすみなさい』

俺は、綾夏のメールを見ると、胸が急にドキドキしてきた。
綾夏に返事をしようとしたが、手が震え、動悸は中々鎮まらず、
何て返事をしたらよいか、考えつかない。
暫くして、『わかった』とだけメールを打って返信した。
だが、俺は、綾夏に生理がきたこと以外、何もわかっていない

綾夏の本音と冗談の区別がつかない。
綾夏の放つジャブなら、何とかあしらえるようになったが、
最近の綾夏はストレートの連続で、俺はダウン寸前だ。
いや、すでにダウンして、ノックアウト寸前かもしれない。

メールの言葉を信じれば、綾夏は俺の子を妊娠するかもと思っていたことになる。
文面から考えると、妊娠を期待していたようにも思える。
だが、もしそうなら、それを承知で、俺に女性を紹介すると言っていたわけだ。

これは何を意味するのだろう。
俺の子を産んでも、俺と結婚するつもりはないということだろうか。
それとも、紹介する気などなく、俺を揶揄っているだけなのか。
この夜、俺はそんなことばかり考えて、遅くまで眠ることができなかった。

翌週の火曜の夜、綾夏からメールが届いた。

『生理終わったから
 明日は泊まりに行くね
 夕食を作って待っているから…』

俺は『わかった』と返信した。
一週間ぶりに綾夏に逢えるが、あんなメールが届いた後では、
俺は、一体どんな顔をして綾夏に逢えばいいのか分からなかった。

翌日、仕事を終えた後、俺はかなり緊張しながら、帰途に就いた。
俺はどんな顔をして、いや、綾夏はどんな顔をして待っているのだろうと、
そればかり考えていた。

「おかえり〜。ごはんできているよ。」

自分の部屋に入ると、いつもと変わることなく、綾夏が迎えてくれた。
まるで、あのメールのことなど、何も無かったかのようだ。
二人で食事をしているときも、綾夏がメールのことに触れることは全くなかった。
とりあえず、俺はほっとした。

食事を終えた後、二人で風呂に入った。

「そう言えば、誘われていた飲み会だけど、
 結局、行くことになったから…」

二人で湯船に浸かっているときに、綾夏がそう言った。

「そうなんだ。」
「同期の子がどうしても行きたがっているから。」
「飲み会って、いつ?」
「明後日の金曜。」
「・・・・・・」
「何時ごろ終わるか分からないけど、私の部屋で待っていてくれる?」
「ああ、わかった。」
「終わったら直ぐに帰って来るから…」
「今度は迎えに行かなくてもいいのか?」
「そうね…、じゃあ、終わったら連絡するから、J駅まで迎えに来てくれる?」
「J駅で大丈夫なのか?」
「知らない人も結構いるみたいだし、そんなに飲まないわ。
 料理でも漁りながら、適当に話して帰るから…」

まあ、飲まなければ大丈夫か。
また、遠いところまで迎えに行くのは大変だし…
俺はそう思いながら、綾夏の胸を強く握った。

風呂から上がると、直ぐに二人で布団に入った。

「生理終わったばかりだからね。」

フェラをしているとき、綾夏がそう呟いた。
そして、綾夏はウフッと笑みを零しながら、俺に跨り、
ペニスを股間に当てがいながら、腰を落とす。

「はぁぁ…」

綾夏が静かに喘いだ。
この間、あんなメールを俺に送っておきながら、
今はまた俺とこんなことをしている…

綾夏の心は俺には分からない。
だが、今の俺にはどうでもよかった。
綾夏がいいよと言うなら、俺はしたいことをするだけだ。

いつものように正常位で綾夏の中に射精して、この日を終えた。


金曜の午後8時半頃に、俺は約束通り、綾夏の部屋で待っていた。
だが、9時を過ぎても、綾夏から連絡はない。
綾夏自身も、何時に終わるか分からないとは言っていたが、
少しでも遅くなると、やはり不安になってくる。

綾夏本人に、酒を飲むつもりがなかったとしても、
周りから勧められて飲んでしまうこともある。

さすがに10時を過ぎても連絡がなければ、
俺から綾夏に連絡してみようかと考えていると、
漸く9時半頃に綾夏から電話があった。

「もしもし、洋祐?」
「ああ」
「ごめんね。連絡が遅くなって…」
「別に構わないよ。」
「それで、お願いがあるんだけど…」
「何?」
「今からで悪いんだけど、直ぐにIB駅に来てくれない?」
「IB駅?」

IB駅は、綾夏の勤め先に近い駅でも、通勤途中の駅でもない。

「何でIB駅?」
「ごめん、ちょっとトラブルが発生して…」
「トラブル?」
「来れば分かるから…、お願い。」
「分かった。」
「〇番線ホームのベンチで待っているから。ごめんね。」

IB駅までなら、J駅から20数分というところか。
ここからなら、40分は掛からないだろう。
俺は、大急ぎで綾夏の部屋を出て、J駅に向かい、電車に乗った。


[190] Re: 続 せ・ふ・れ  stop :2024/03/04 (月) 06:57 ID:fjazX9ns No.190017
いつも楽しみにしております。
トラブルとは何の事なんでしょうか?
気になります!

[191] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/03/04 (月) 09:55 ID:35VYLxCI No.190023
気になります。
なかなか平穏無事な展開にはなってきませんね。


[192] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/03/07 (木) 00:09 ID:DtkeCc22 No.190092
続きお願いします

[193] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/08 (金) 22:15 ID:uElSYCrQ No.190135

stopさん、ジーンさん、けいさん、レスありがとうございます。



綾夏はトラブルが発生と言っていたが、トラブルって何だろう。
面倒なことに巻き込まれていなければいいが…
俺は、そんなことを考えながら電車に乗っていた。

IB駅の〇番線ホームに到着して、ベンチを探していると、
ホームの向こうの方で綾夏が手を振っているのが見えた。
俺は急いで綾夏のもとへ行った。

「どうしたの?」

俺が綾夏に尋ねると、彼女は顔をベンチの方に向けた。
そこには、小柄な女性が俯いて座っていた。

「この女性は?」
「会社の同期で、美穂という子なの。少し飲み過ぎたみたいで…
 飲み会が終わったときは、もう少ししっかりとしていたけど、
 少し危なっかしいから、放っておくわけにも行かなくて…
 自宅の最寄り駅が〇〇線のNT駅というのは知っていたから、
 ここまで、何とか連れて来たけど、これ以上はちょっと…」

〇〇線はIB駅から出ている私鉄だ。

「腕を支えてあげれば、ゆっくりだけど、まだ歩けることは歩けるの。
 でも、荷物もあるし、階段とかは、私一人では無理だから…。
 こんなことになって、本当にごめんね。」
「まあ、仕方ないよ。綾夏が悪いわけではないし…」

綾夏もこういう状況では、途方に暮れていただろう。
確かに綾夏一人でこの娘を電車に乗せるのは、無理な話だ。
俺は、綾夏のバッグと美穂のバッグを担ぎ、
綾夏と二人で美穂の腕を支えながら、〇〇線へと向かった。

歩いている途中、綾夏とは違う女性の香りが、美穂から漂ってきた。
考えてみれば、綾夏以外の女性に触れたのは、いつ以来だろうか。
綾夏の言う通り、俺に女っ気が無いのは確かだ。

「このまま、彼女を電車に乗せられるのか?」
「この駅が始発だから、何本か待てば座れると思うの。」

電車を数本見送って、漸く座れる電車に乗り込んだ。
IB駅からNT駅までは、20分弱ぐらいだろうか。

「NT駅に着いた後は?この娘の家の場所を知っているの?」
「ううん、場所は分からないけど、美穂は実家暮らしだから…。
 飲み会が終わった後に、美穂の家の電話番号を聞いておいたから、
 NT駅に着いたら、電話して家の人に迎えに来てもらうつもりよ。」

NT駅に到着し、駅を出たところで、綾夏は俺と美穂から離れて電話を掛けた。
美穂は、すでに片腕を支えただけでは立っていられないほどだった。
俺は、綾夏が電話をしている間、美穂の右腕を俺の首に掛けさせ、
俺の左腕を美穂の背中から腰に回し、彼女の身体全体を支えていた。
美穂の身体は、綾夏とは違い、とても華奢で軽い感じだ。

ここで、ちょっとしたハプニングが起きる。
美穂を支えている途中、彼女の膝が落ちて身体がずり落ちそうになった。
俺は、慌てて美穂を支え直そうとしたとき、誤って美穂の胸をもろに掴んでしまった。
掴んだ胸から手を放すと、美穂が地面に落ちてしまうので、放そうにも放せない。
自分では不可抗力だと思うが、美穂自身や周りから見れば、痴漢と思われるかもしれない。
俺は、咄嗟に綾夏を見たが、まだ電話の最中で、こちらを見てはいないようだ。
俺はホッとして、美穂の胸を掴んだまま、彼女の身体を支え直した。

俺の手には、服越しではあるが、美穂の胸の感触が残っていた。
美穂の胸は綾夏よりも明らかに小さいが、女性らしい柔らかさは感じられた。
俺は、胸がドキドキしだしたが、丁度電話を終えた綾夏が戻ってきた。

「美穂のお母さんが、車で迎えに来るそうよ。」

綾夏がそう言いながら、美穂の左腕を支えたので、俺は、美穂の右腕を支えた。

「俺はここに居ない方がいいかな?この子と面識もないし…」
「大丈夫よ。何か聞かれたら、私から説明するから。
 それに、私一人じゃ美穂を支えられないわ。」

それから、10分ほどで迎えの車が来た。
美穂の母親らしき女性が車から降りて、綾夏と挨拶を交わした。
美穂の母親なら50代だとは思うが、可愛らしい感じで、とても50代には見えない。

「あの…、失礼ですが、こちらの方は?」

案の定、美穂の母親が俺のことを尋ねてきたが、直ぐに綾夏が対応した。

「すみません。私一人では無理だったので、私が連絡して来てもらったんです。」
「あっ…、あぁー、そうなんですね。この度はご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」
「いいえ…。」

俺と綾夏で美穂を車の後部座席に乗せた後、母親が運転する車を見送り、
俺たちがNT駅でIB駅行の電車に乗ったときには、午後11時20分を回っていた。

「何か、疲れたわね。」
「綾夏は大丈夫なのか?」
「私?大丈夫よ。ビール1杯ぐらいしか飲んでないし…
 まあ、ひたすら料理を食べていたかな。
 男子からは、こいつ食ってばかりだなって思われたかもしれないけどね。」
「・・・・・・」
「でも、酔って美穂みたいになったら、確かに危ないかもしれないわね。
 洋祐の言う通り、これからも気をつけるわ。
 でも、どうしてもというときは、この前みたいに迎えに来てもらってもいいでしょ?」
「ああ」
「ありがとう。」

綾夏の部屋に到着したときには、すでに午前0時半を回っていた。

「これからどうする?」
「とりあえず、疲れたからお風呂に入って…、
 その後は、少し飲みたいな。ビール1杯じゃ、全然飲み足りないし…
 洋祐も飲むでしょ?」
「そうだな。」

綾夏が風呂の支度をし、二人で風呂に入った。

「あー、やっと落ち着いたぁ〜。」

二人で湯船に浸かっていると、綾夏がそう叫んだ。

「こんなことになるとは思ってもみなかったわ。今日は、本当にごめんね。」
「・・・・・・」
「洋祐は、私のことを危ないから気をつけろって言うけど、
 美穂は、私よりもっと危ないわね。」
「綾夏も同じようなものだろ。」
「ううん。私は、目上の人からお酒を勧められてもはっきり断れるけど、
 美穂は、勧められるまま飲んじゃうんだもん。」
「・・・・・・」
「今日も、自分からお酒を飲んだって言うよりも、
 断れなくて飲み過ぎたみたいだし…」
「・・・・・・」
「私と同い年なんだけど、妹みたいな感じの子だから、
 今日も一人じゃ行かせられなくて、私も行くことに決めたの。
 まあ、私の本当の妹は、妹とは思えないぐらいしっかりしているけど…」
「・・・・・・」
「月曜に会ったら、洋祐みたいに、美穂に説教しなくちゃ。」
「俺は綾夏に説教なんかしてないぞ。」
「洋祐はそう思ってなくても、あれは絶対に説教なの。
 でも、説教してくれる人が近くにいるって、ありがたいよね。」
「・・・・・・」
「私、思ったんだけど…、先週や今日の飲み会のようなことがあったとき、
 身近で頼れる人は洋祐しかいないんだよね。」
「・・・・・・」
「それで、もしも洋祐に彼女が出来たとしたら、
 私、頼れる人が誰もいなくなるんだなって思って…」
「・・・・・・」
「大学のときは、いっぱい居たのにね。」

多分、サークルの同期の男子達のことだろう。

「皆、元気にしているかなぁ…」
「頼れる人が現れるまで、俺でよければ頼っていいよ。」
「本当に?ありがとう。やっぱり洋祐は優しいね。」

綾夏はそう言って俺の方に振り向き、俺に抱きつきながらキスをした。


[194] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/03/08 (金) 23:22 ID:pTUwUeRE No.190140
いやいや
駄目ですって
やっぱり綾夏さんのこと好きになっちゃいますよ

やってる事は結構下衆な事なんですが、なぜか憎めないし、下品にも感じない
かといって小悪魔的なあざとい計算も感じられない
また天然不思議ちゃんとも違う

惹かれる存在です

応援してます

[195] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/11 (月) 00:11 ID:PJXqbIn6 No.190201

まつさん、レスありがとうございます。



翌週、10月最後の水曜の夜、仕事から帰宅すると、
綾夏が「お帰り」と言って、俺を迎えてくれた。
綾夏が彼氏と別れてから1カ月以上が経つが、
毎週水曜は、これが俺と綾夏の日常となっていた。
綾夏が彼氏と別れてからは、俺と綾夏の間では会話が増えたと思う。
会話と言っても、そのほとんどは綾夏が喋っているのだが…

綾夏が彼氏と付き合っていた頃は、俺の前では彼氏に関わることを殆ど話さず、
それは、綾夏が俺に隠し事をしながら話しをしていたということなので、
綾夏の会話には、自ずと制限がかかっていたのかもしれない。

今は、綾夏は、何ら制限がなく、いろいろな話しを俺にしてくれる。
この日も、綾夏は、食事をしながら、会社での出来事などを話してくれた。

「月曜に美穂に会ったら、金曜のことのお礼を言われたわ。」
「・・・・・・」
「それで、金曜のことを美穂に説教しようとしたら、
 もうそのことは勘弁してって言われちゃった。」
「どうして?」
「土曜の朝、起きた途端、母親からかなり怒られたみたい。」
「・・・・・・」
「人様に迷惑をかけるなら、もう飲み会には行くなとか…、
 こんなだらしのない娘に育てた覚えはないとか…
 お友達が送ってくれたからよかったようなものの、
 もしもそのまま寝込んで、男性から悪戯されたらどうするのとか…」
「・・・・・・」
「母親から延々と怒られて、もう散々だったらしいわ。」

美穂の母親とは一度会っただけだが、とても優しそうで、
俺には、そんな説教をするような人には見えなかったが…

「25歳にもなって、母親からこっ酷く叱られるなんてね…
 実家で暮らしていると、ほんと大変よね。」
「・・・・・・」
「それと、母親から、私と彼氏さんが駅まで送ってくれたって聞いたらしいの。」
「えっ?」
「彼氏さんなんか、連絡してわざわざ来てもらったみたいだって…」

そう言えば思い返すと、綾夏が美穂の母親に俺のことを説明したとき、
母親は、何かを察したような、そんな顔をしていた気がする。

「それで、美穂から、彼氏さんって誰なの〜?って聞かれて、焦ったわ。」
「何て答えたの?」
「詳しいことは言えるわけないし、
 そうかと言って、他に言い表せる言葉は見つからないし…、
 私と洋祐の関係って、一言では言い表せない関係なんだなって思ったけど…」
「どうせ、アッシー君とか、メッシー君とかの類の関係だからな。」
「アッシー君って…、一体いつの時代の言葉を使っているの?
 それにそんなこと思ったこともないわ。」
「まあいいや。それで、結局何て答えたの?」
「大学のサークルの同期で、彼氏ではないけど、
 私が頼りにしている人って答えたんだけど…」
「・・・・・・」
「美穂から、もしかしたらこの前の同期の飲み会の後に、
 綾夏と一緒に居た人なのって聞かれたら、言葉に詰まってしまって…」
「・・・・・・」
「そうしたら、美穂が、ふーんって顔をしてから、私の顔をじっと見て、
 とりあえず皆には黙っていてあげるから、話せるときがきたら話してねって、
 そう言われちゃった。」
「それ、完全に怪しまれているよな…。」
「まあ、そうなんだけど…」
「・・・・・・」
「それで、母親から、彼氏さんにもきちんと謝罪とお礼をしなさいって言われたらしくて、
 美穂から、直接お礼をしたいから紹介して欲しいって頼まれたんだけど。」
「えっ?!」
「私、何て答えたらいいか本当に困ったけど、
 とりあえず彼がOKしたら、美穂に紹介するねって言っておいたわ。」
「・・・・・・」
「どうする?美穂に会ってみる?」
「えっ、突然、そんなこと言われても…」
「ちなみに、美穂は、彼氏いない歴=年齢の娘よ。ふふふ。」
「・・・・・・」
「小柄で可愛らしい娘だったでしょ。」

俺は、美穂という娘の顔を思い出そうとしたが、
彼女を送って行ったとき、顔のことなど全く気にせずにいたし、
彼女は終始俯いていたため、よく思い出せない。

「それで?どうする?」
「それでって言われても…」
「もちろん、私も一緒に行くけど、美穂と二人だけにしてあげてもいいわよ。」
「なっ、何を…」
「そうすれば、私も美穂から怪しまれずに済むし、
 ひょっとして洋祐に彼女ができるかもしれないでしょ。」
「そっ、そんなこと…」
「まあ、直ぐに返事はしなくてもいいけどね。」
「いや、会うだけは会うけど、二人きりにはするなよ。」
「そうなの?遠慮することはないわよ。」
「遠慮なんて…。とにかく、二人きりはなしだからな。
 二人きりにしたら、その娘に俺と綾夏のことを喋るから…」
「分かったから、そんなに向きにならないで…、ね。」

綾夏は、駄々っ子を諭すように笑みを浮べながら、そう言った。
相変わらず、綾夏は、本音なのか、からかっているだけなのか、
俺にはよくわからない。

食事を終えた後、いつものように、綾夏と風呂に入った。

「そう言えば、飲み会に誘ってくれた先輩が、あの娘、大丈夫だったって、
 美穂のことを心配してくれたわ。」

綾夏はそう言って、先日の飲み会に関わることを話し始めた。
綾夏の話しを纏めると、以下の通りだ。

誘ってくれた先輩に、経緯を簡単に説明すると、
先輩は、迷惑かけて申しわけないと謝罪した上で、
皆、飲むことを無理強いするような人ではないはずなので、
初めて参加してくれたから、ついつい酒を勧めてしまったんだろうと言った。

また、先輩は、あまり酒を勧めないように、皆に伝えておくので、
また誘うから、これに懲りずにぜひ参加して欲しいと言ったそうだ。

綾夏は、私は飲まずに食べてばかりでしたけど、いいんですかと聞いたら、
先輩から、飲みなくなければ飲まなくてもいいし、
食べたければもちろん注文していいので、
二人が参加してくれれば、皆喜ぶからぜひ参加して欲しいと言われたらしい。

美穂という娘のことはわからないが、綾夏が飲み会に参加すれば、
それは、男子なら皆喜ぶだろう。

また、先日の飲み会は、女子は綾夏たちを含めて5人、男子は8人で、
皆、綾夏たちより年上で、20代後半から30代半ばぐらいの人達だったらしい。
未婚の人が多かったが、既婚者も何人かいたそうだ。

飲み会によく集まるメンバーは全部で15、6人程いるらしいが、
毎回全員が集まるわけではなく、また、もともと女子のメンバーが少なく、
先月末で一人退職してしまったから、綾夏たちを誘ってくれたらしい。

「飲み会に誘われたら、また行くの?」
「そうね、美穂が一緒なら行くかもしれないけど、
 私だけだったら…、どうしようかなって感じかな。」
「・・・・・・」
「実は、この前の同期の飲み会のときに、私に噂が立つのは、
 社内に知り合いが少ないからじゃないかって言われたの。」
「・・・・・・」
「人脈というと大げさだけど、飲み会を通じて知り合いを増やすと、
 親しくならなくても、ある程度好感を持ってもらえさえすれば、
 変な噂も広まることも無くなるんじゃないかって…」
「・・・・・・」
「確かにそれは一理あって、同じ社内でも、仕事で絡まない限り、
 互いに顔見知りになることはほとんどないから、
 飲み会で社内交流するのも必要なのかなって思った。」
「・・・・・・」
「でも、そんなに頻繁に行くつもりはないから、
 メンバーとか、いろいろ考えて行くことにするわ。
 それと、水曜と金曜は、できるだけ避けるようにするからね。」

綾夏はそう言って振り向き、俺の顔を見ながら微笑んだ。


[196] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/03/11 (月) 00:28 ID:1jbMGCbI No.190203
綾夏ちゃんは本当に洋祐さんに彼女をつくってあげたいとは思わないのですがねえ。
俺は綾香以外には彼女になってほしいとは思わない‼︎って言わせたいのでは?


[197] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/16 (土) 00:15 ID:MTyunZKw No.190341

ジーンさん、レスありがとうございます。



それから2日後、11月の最初の金曜の夜、俺は綾夏の部屋に泊まりに行った。
二人で風呂に入り、俺は、湯船で綾夏の背後から抱き着くように手を回し、
ときおり、首筋にキスをしながら、彼女の胸をゆっくりと揉んでいた。

「昨日、美穂に洋祐を紹介するって伝えたよ。」
「それでどうだって?」
「来週は都合がつかないから、再来週の土曜か日曜はどうかって聞かれたけど、
 洋祐はどう?」
「俺は、どっちでも構わないよ。」
「わかった。じゃあ、土曜にしようか。美穂にそう伝えておくね。」
「ああ」
「待ち合わせの時間や場所は、私と美穂で決めていい?」
「うん。そっちで決めていい。」
「決まったら、連絡するから。」

一昨日は、綾夏が挑発と言うかからかうと言うか、そんなことを言ってきたので、
ついつい美穂に会ってもいいと答えてしまったが、
こうして日程が決まると、何だか面倒に思えてきた。
まあ、彼女がお礼を言いたいと言うなら、それを聞いて終わりにしよう。

風呂から上がると、二人で酒を飲み始めた。

「美穂という子って、どんな性格の子なの?」
「うーん、一言で言えば、可愛らしくて人懐っこい性格かな。」
「俺が会ってもいいって伝えたとき、何か言っていた?」
「よかったって言って、安心していたよ。」
「・・・・・・」
「母親から、彼氏さんにお礼を言ったの?って何度も言われていたみたいだから…」
「それで、他には?」
「洋祐がどういう人か聞かれたわ。」
「綾夏は何て言ったの?」
「ぶっきら棒で口下手」
「はっ?」
「だって、それ以外に直ぐに思いつかなかったから…」
「・・・・・・」
「その後、洋祐の人となりを話したんだけど、
 美穂は、私の言ったこととは違った解釈をしたみたい。」
「違った解釈って?」
「シャイで温厚な性格…、みたいな感じ?」
「・・・・・・」
「相手の話しを黙って聞いてくれるタイプなのかな、とも言っていたわ。」
「・・・・・・」
「そしたら、そういう人って大事だよねとか言い始めたの。」
「・・・・・・」
「美穂が言うには、自分はただ話しを聞いてもらいだけなのに、
 途中で遮られたり、的外れなアドバイスをしてくる人が多いんだって…」
「・・・・・・」
「私の話しも聞いてくれるかなぁとか言い出すし…」
「・・・・・・」
「彼女は会いたくてうずうずしている感じ…」
「・・・・・・」
「まあ、今度会えばどんな娘か分かるわ。」

綾夏の話しを聞いていると、段々気が重くなってきた。
まあ、彼女と会うのも最初で最後になるだろうから、
綾夏もいるし、なんとかやり過ごせばいいか。

その後、二人でベッドに入り、
暫くして、バックで腰を動かしていたときに、俺はふと思った。
綾夏は、最近、俺を挑発するというか、からかうというか、
そんな態度を取ることが多くなった。

俺の子どもを産んであげると言ってみたり、それは冗談と言ってみたり、
美穂を俺の彼女に勧めようとしてみたり、一体何がしたいのか、支離滅裂だ。
正直、そんな綾夏に、仕返しと言うか、お仕置きと言うか、
とにかく、一泡吹かせてみたくなった。

バックのとき、綾夏はいつも、四つん這いで伸ばした肘が徐々に曲がり、
ある程度曲がると再び肘を伸ばす、という動作を繰り返しながら、
最後には、肘を大きく曲げて顔を伏せてしまう。
そして今、いつもと同じように、綾夏は顔を伏せてしまった。

いつもなら、ここでバックから体位を変えるのだが、
今日は、俺は綾夏の両腕を掴んで抱き起し、再びバックで腰を動かした。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…」

綾夏の声が大きくなっていく。
俺が一旦綾夏の腕を降ろすと、綾夏は横を向いて顔を突っ伏した。
俺も綾夏も大きくて荒い呼吸をしていた。
俺は、再び綾夏の両腕を引いて上体を起こし、バックで腰を動かし始める。
俺は、これを何度も繰り返した。

「も、もうだめ…、お願い…」

途中、綾夏はそう言って懇願してきたが、俺はそれを無視して何度か繰り返し続けた後、
綾夏の腕をゆっくりと降ろし、綾夏が顔を突っ伏すと、漸く彼女の腕を放した。

だが、これで終わりにしたわけではない。
今度は綾夏の臀部を両手で掴み、腰を動かし続けた。
漸く腰の動きを止め、ペニスを抜くと、綾夏は膝と腰を伸ばし、俯せの格好になった。

「はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー」

大きな呼吸をする綾夏に、俺は跨って馬乗りになり、
臀部を開いてペニスを挿入すると、臀部を両手で掴み、腰をゆっくりと動かし始めた。
すると、綾夏は、俺が腰を動かす度に、顔を上げたり、腕を動かしたりしながら、
大きな喘ぎ声をあげていた。

俺は徐々に腰の動きを速め、綾夏の腰に両手を軽く添えて、
まるでロデオマシーンに乗るように、腰を動かし続けると、
綾夏は悲鳴をあげるように声を出し始めた。

俺は、暫く腰を動かし続けた後、漸く綾夏から降り、
彼女の身体を仰向けに反転させ、いつものように正常位で腰を動かし始めた。

腰を動かし続けて、射精感を催してきたとき、
俺には、このまま出してやろうかと、そんな思いが湧いてきた。
俺は、綾夏を抑え込むように綾夏を抱き締め、腰の動きを速めていった。

そして、いよいよ射精が間近に迫り、更に腰の動きを速めたとき、
綾夏が俺の耳元で囁いた。

「で…、出来ちゃうよ…」

俺は、綾夏の声を聞いたその刹那、ペニスを抜くと、
綾夏の腹の上に、激しく射精していた。

俺も綾夏も、呼吸が激しく乱れていた。
綾夏の身体を見ると、彼女の陰毛から胸辺りにかけて、ザーメンが飛び散っていた。

暫くして俺の呼吸が落ち着くと、俺はティッシュを取り、
綾夏の身体に飛び散ったザーメンを拭い、別のティッシュでペニスを拭った。
そして、俺は、ティッシュを屑籠に捨てると、綾夏の隣に仰向けに寝た。

俺は、何故こんなことをしてしまったのだろうか。
バックでの行為に関しては、確かに綾夏へのお仕置きのつもりだった。
だが、正常位で中に射精しようとしたのは、お仕置きなどではなく、
綾夏を妊娠させるつもりだった。
綾夏が妊娠すれば、俺は綾夏を手にすることができるからだ。

では、何故最後に止めたのか。
それは、綾夏の声を聞き、彼女が妊娠を望んでいないと思ったからだ。
そう、綾夏は俺の子を妊娠することなんて望んでいない…
俺は、自分の頭を整理しながら、そんなことを考えていたら、
俺の隣で綾夏が呟いた。

「もうー、洋祐は意地悪で意気地なしだってことが分かったわ。」

俺は心の中で、はっ?と思った。
意地悪と言われるのは仕方がないが、意気地なしとはどういうことだ。
俺がそう考えていると、綾夏が続けて呟いた。

「洋祐らしいと言えば、洋祐らしいけど…」

俺は起き上がり、どういう意味か問い質そうと、綾夏に顔を近づけると、
綾夏は、恨めしそうに俺を見つめた後、直ぐに表情が変わり、微笑んだ。
俺は、綾夏の顔を見ると、何も言えなくなってしまった。


[198] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/03/17 (日) 21:04 ID:3ZSX7cww No.190407
続きが気になります

[199] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/03/18 (月) 05:19 ID:kJUAtr4Q No.190416
やっぱり試してみえますよ。
私のこと本気なの?って

洋祐さん、新たな3回目のスレをどうか立ち上げていただきたく思います。


[200] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2024/03/18 (月) 10:14 ID:GLc2t/kM No.190430
洋祐さん、新スレを楽しみに待っています。
宜しくお願いします!!


このスレッドはレス数が200を超えましたので書き込めません。
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