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三家族の旅行から

[1] スレッドオーナー: RT :2026/09/01 (火) 00:25 ID:SuJR5qPw No.33154
10年以上の前のことですが、こちらのサイトに投稿していました。
そのときは、体験談として投稿していたのですが、上手く書くことができず、
中途半端で終わってしまいました。

今回、そのときの話をベースに、アレンジを加えてチャレンジしようと思います。


[3] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/01 (火) 21:34 ID:SuJR5qPw No.33160

その週の土曜日、紗希、結美、奈緒の三人はランチを共にしていた。
奈緒と結美は、3年半ほど前に子育てセミナーの会場で知り合い、
それから1年ほど経って、紗希は二人と知り合った。
このように、月に一度、土曜日に三人で会って食事をするようになったのは、
もう2年以上も前からだった。

「奈緒さん、紗希ちゃん、来月の旅行のこと、本当にありがとう。
 義理の父も、旅館の予約をキャンセルせずに済むって、とても感謝していたわ。」

結美が、奈緒と紗希に礼を言った。
結美は、背が高くてスタイルが良く、まるでモデルのような美人だが、
内面は気さくで面倒見のよい女性だ。
三人の中では、結美は奈緒より年下だが、お姉さん的な存在だった。

「お礼なんて…。こちらこそ、誘ってくれてありがとうって言いたいわ。」

奈緒は紗希の顔を見てニコっと笑った。

「それより旅館の宿代を払わなくて、本当に大丈夫なの?」

奈緒が、少し遠慮がちに結美に尋ねた。
奈緒は、小柄で可愛らしい顔立ちで、笑顔が素敵な女性だ。
また、奈緒は実際の年齢よりもとても若く見え、紗希が初めて奈緒に会ったとき、
彼女を自分と同い年か年下だと思ったほどだ。

「それは気にしなくていいわ。お金を払うのは、私じゃなくて義理の父だから。」

「でも、お父様はよく思ってないんじゃない?」

「そんなことを心配しなくても大丈夫よ。
 義父の顔を立てるために、代わりに泊まってくれる人を探すんだもの、それぐらい当然でしょ。
 そうでなければ、奈緒さんや紗希ちゃんを誘ったりしないわ。」

結美はそう言うと、ニコっと笑った。
夫の父から、代わりに旅館に泊まってくれそうな人はいないかと尋ねられたとき、
義父に、そういうことなら宿泊費を全額負担するように頼んだのは結美だった。
義父からは半額ではダメかと言われたが、結美は全額負担を譲らなかった。
義父は、結美のそんなところが気に入っているようで、
常々、結美は息子より経営者としての素質がありそうだ、と言っているらしい。

「ごめんね。旦那が本当にダダなんだろうなって、煩くって…」

奈緒がそう言って笑うと、結美も一緒に笑い、二人のやり取りを見ていた紗希も笑った。

「紗希ちゃんもありがとうね。」

「いいえ、誘ってもらって、とても嬉しかったです。」

「亮ちゃんは何か言っていた?」

「特に何も言っていませんでした。」

結美は、紗希の夫のことを『亮ちゃん』と呼んでいた。
それは、結美が小さい頃に亡くなった彼女の弟も亮二という名前で、
亡くなる前は弟のことを亮ちゃんと呼んでいたからだった。

紗希が結美に塚原を紹介し、その後、家族ぐるみの付き合いが始まってから、
結美が塚原をそう呼んでもいいかと紗希に尋ねた。
紗希は、それまで夫のことを亮ちゃんと呼んだことは無かった。
自分の夫が他の女性、しかも美人の結美からそう呼ばれることに抵抗感はあったが、
日頃世話になっている結美の頼みなので、無碍に断ることはできなかった。

『主人が構わなければ、私は構いませんけど。』

紗希はそう答えるのが精一杯だった。
紗希の返事を聞いて、結美が塚原に『どう?』と尋ねた。

『同い年の女性にちゃん付けで呼ばれるのは、ん?!って感じがするけど、
 結美さんがそう呼びたいなら仕方ないかなぁ。』

塚原は結美にそう返事したが、彼の表情が満更でもなかったので、
出来れば断って欲しいと思っていた紗希は、複雑な気持ちだった。


[4] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/03 (木) 00:39 ID:0QUYvo5c No.33169

「そう言えば奈緒さん、奈津美ちゃんは、最近すごくしっかりしていて羨ましいわ。
 小学校に上がったからかしら。うちの翔と一つ違いとはとても思えないわ。」

「私もそう思います。うちの拓也とは大違いで…」

「そうでもないんだけど…、ただ、去年あたりから、奈々の面倒をよくみるようになったから、
 そう見えるのかもね。翔くんや拓也くんだって、弟か妹ができれば変わってくるんじゃない?」

「そうね…、どうなのかしら。」

「結美さんは、二人目のことを考えたりしていないの?」

「二人目?全然考えていないわ。」

「あら、どうして? 翔くんも兄弟がいた方が寂しくなくて、嬉しいんじゃない?」

「それはそうなんだけど…、主人が子育てに協力的じゃないから…」

「そうなのね。」

「仕事が忙しくて、平日は子どもの相手をすることもできないし、
 休みの日も一人で出かけることが多いの。
 今日も、主人は出かけているから、翔を私の実家に預けて来ているぐらいだし…
 だから、子どもが小さかった頃は、本当に大変だったわ。」

「一人で子育じゃ、それは大変よね。」

「今までの大変さを考えると、翔には申しわけないけど、一人で十分かなって…」

「でも、ご主人は、欲しがっているんじゃない?」

「さあ、どうかしら。私の気持ちを伝えても何も言ってこないから、わからないわ。」

「そうなのね。」

「あまり自分事として考えていないんじゃないかしら。
 ただ、間違っても妊娠したくないから、安全日以外に主人が誘ってきても断っているけど、
 それは不満に思っているみたい。」

「ふーん、断っているんだ。それはご主人もお気の毒ね。」

「そうでもないわよ。月に2回ぐらいは安全日に応じているもの。それで十分でしょ。
 でも、するときは、ゴムは絶対に必須だけどね。」

結美はそう言うと、舌を出して笑った。

「奈緒さんはどうなの?三人目は考えている?」

「うちは、休みの日には、旦那が娘達の面倒を良く見てくれてはいるけど、
 平日は交代勤務で時間が合わないから、一人で子どもの面倒を見なければならないし、
 それに経済的なことを考えると、やっぱり三人目は厳しいかな。」

「確かにそうね。」

「それと、私ももう30代後半になったから、年齢的にリスクも高くなるしね。」

「夜のほうは、どう?」

「旦那はゴムが嫌いなのよ。しかも、必ず中に出しちゃうし…」

「そうなんだ。断ったりしないの?」

「断ると機嫌が悪くなるから…、だから奈々を産んでからは、ずっとピルを飲んでいるわ。」

「頻度はどのくらい?」

「そうね、以前は週4日以上だったけど、仕事が交代勤務になってからは、少なくなったかな。
 それでも週に2日ぐらいかしら。」

「確かにご主人は精力が強そうよね。でも、私だったら、相手をするのは絶対無理だわ。」

「それだけじゃなくて、毎回中に出すから、後始末も大変。放っておくと汚れちゃうし…」

「そんなに量が多いの?」

「多分ね。それにとっても濃いのよ。」

「ピルを飲んでいなかったら、直ぐに妊娠しちゃいそうね。」

「本当にね。付き合っていた頃、外に出してもらっていたけど、
 付き合って半年も経たないうちに妊娠しちゃったし、
 奈津美が生まれて直ぐに、また妊娠して奈々を生むことになっちゃったしね。
 本当に予定外だったわ。」

そういう話題に慣れていない紗希は、ドキドキしながら二人の会話を聞いていた。


[5] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/04 (金) 00:19 ID:77pLCuxg No.33180

奈緒も結美も美人で、二人とも男性との交際経験が豊富だから、
こんな話が普通にできるのだろうか・・・

紗希は、二人の会話を聞きながら、そんなことを考えていた。

以前、三人で昔の恋愛話をしたことがあった。
奈緒と結美は、夫と知り合う前にいろいろな男性と交際していたことを知り、
紗希は、二人とも自分とは大違いだなと思った。

そのとき、奈緒も結美も、詳しいことまでは語らなかったが、
紗希は、二人の口振りからすると、元彼たちとも身体の関係があったように感じた。

紗希が通っていた高校は共学だったが、その頃彼女は男子が少し苦手で、
女子だけで行動することがほとんどだった。
大学は女子大だったが、サークル活動を通じて他大学の男子学生と交流を持つことはあった。
ただ、紗希は、彼らと交際に発展することはなかった。

そんな大学生活を送っていたが、大学4年のときに、紗希は友人から塚原を紹介された。
塚原は、紗希の友人の彼氏の友人で、知り合って間もない頃は、
紗希と友人カップルと塚原の4人で会って話をしていた。
そのとき塚原はすでに社会人で、平日は仕事で忙しそうだったが、
塚原から休日に映画を観に行かないかと誘われ、初めて二人でデートをした。

紗希にとっては、これが生まれて初めてのデートだったが、
塚原にそれ程心がときめくようなことはなかった。
ただ、それからデートを重ねていくうちに、塚原の誠実さや優しさに惹かれ、
知り合ってから数カ月後、彼と付き合うようになった。

紗希は、それまで男性と付き合ったことがなかったので、
塚原と初めてキスするまでに半年近くかかった。
彼と初めてセックスしたのは、更にその1年後で、
近い将来、この人と結婚するんだろうなと、そう思い始めていた頃だった。

塚原は紗希が処女だったことを知って、それまで以上に紗希を大事にした。
そして、初めて結ばれた日から半年ほど経った頃に、塚原からプロポーズされ、
それから約1年後に、紗希は塚原と結婚した。

紗希は、結美と奈緒に、夫以外の男性と交際したことがないことを話したとき、
二人はとても驚き、またとても羨ましがっていた。

「紗希ちゃんにとっては、亮ちゃんが一生で一人だけの男性ってことになるのよね。
 そういうの、何だか憧れちゃうなぁ。」

結美からはそう言われた。

「私も同じ。憧れちゃう。」

奈緒からも同じようなことを言われた。
紗希は、自分ではそれが普通だと思っていたが、二人からそう言われると、
少し嬉しい気持ちになった。

ただ、その一方で、紗希には、夫以外の男性と交際してみたかったという気持もあった。
大学生の頃、自分が一歩踏み出せば、男性と交際するチャンスが何度かあった。
あのとき、交際していたら、今は違う人生を送っていたかもしれない。

もちろん、決して今の夫に不満があるわけではない。
結婚してからも、夫は結婚前と変わらずに優しくしてくれる。
平日は仕事が忙しいが、休日は子どもの面倒を良く見てくれるし、
自分も疲れている筈なのに、『今日は家でゆっくり過ごして』と言って、
子どもと二人で出かけることもあった。

ただ、紗希は、もちろん夫のことが好きではあるが、
これまで夫に強い恋愛感情を抱いたことがなかった。
奈緒や結美の恋愛話を聞くと、もしも自分の心がときめくような男性と交際したら、
私はどんな気持ちになるのだろうと、そういう経験を一度でもしてみたかったと、
そんなふうに思っていた。

もちろん紗希は、結婚当初からそんなことを考えていたわけではない。
紗希がそう思い始めたのは、2年半前に結美と知り合い、
彼女から夫の桐谷を紹介されてからだった。


[6] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/04 (金) 21:42 ID:77pLCuxg No.33186

「紗希ちゃんはどうなの?」

「えっ?あ、あの…」

奈緒と結美が夜の生活のことを話しているとき、奈緒に話を突然振られて、
紗希は言葉に詰まった。

「あら、やだ、二人目のことを考えているかって話よ。」

奈緒は、ニヤニヤしながら紗希を見ていた。

「ふふふ、何のことだと思ったの?」

結美もそう言って、ニコニコしながら紗希を見ていた。
話を振られて慌てている紗希を見て、二人で揶揄っているようだ。

「あっ…、えーっと、そうですね、まだ何も考えていません。」

「ご主人と話したりしていないの?」

「話をしたことはないです。」

「紗希ちゃんはどう思っているの?」

「息子が生まれてから大変だったので、二人目は今まで考えたことがありません。
 でも、いらないって決めたわけではありませんけど…」

「確かに生まれて直ぐは大変だけど、もうだいぶ落ち着いたんじゃない?」

「そうそう。それにご主人が欲しいって言ったらどうする?」

「主人が望んだら…、そうすると思います。欲しくないってわけじゃないですから…」

紗希は、これまで二人目を産むことについて頭の片隅にもなかったし、
夫が二人目をどう考えているのかも、全く知らなかった。

「夜のほうは、どう?」

「えっ、えーっ、と…」

奈緒も結美も、身を乗り出すように、紗希の顔を見つめていた。
純情な紗希がどう答えるか、二人とも興味津々なようだ。

「紗希ちゃんは胸が大きいから、ご主人から誘われることも多いんじゃない?」

「そうそう、紗希ちゃんのプロポーション、羨ましいわ。」

「そんなこと…ありません。」

紗希は、以前にも奈緒や結美からプロポーションを褒められていたが、
紗希自身はただのお世辞だと思っている。
確かに奈緒や結美より胸は大きいが、その代わりお尻も大きく脚も太いので、
自分ではプロポーションが良いとは思えなかった。

「それで、週何日ぐらい?」

「週何日とかって…、そんなにありません。」

「そうなの?じゃあ、どのくらい?」

「私と同じで月2回ぐらいかしら?」

紗希は、夫と最後にセックスしたのか記憶を辿ったが、はっきりとは思い出せなかった。
ただ、今月になってまだセックスをしていないのは確かだ。

「あの…、月1回あるかないかぐらいです。」

「うそー、そんなに少ないの?」

「でも新婚の頃はたくさんあったんじゃない?」

奈緒と結美が矢継ぎ早に質問してくるので、紗希は答えるのに窮していた。


[7] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/06 (日) 00:05 ID:db/O6mLs No.33194

紗希は、結婚前や結婚した頃のことを振り返った。

初めてセックスしたのは、結婚の1年半ほど前だが、
結婚するまでに、全部で10回あったかどうか・・・
結婚してからは、休日に1回ぐらいだから、週に1日ということか・・・

「週に1日ぐらいだったと思います。」

紗希はそう答えたが、休日に生理が重なったこともあったし、
夫婦で遠出をした日は、二人とも疲れていて、その夜にセックスをすることはなかったので、
実際には、月に2日か3日ぐらいだった。

しかも、塚原と結婚して2か月ぐらいで妊娠したので、
それから1年以上セックスをしていない。
子どもが生まれてからは、今と同じような感じだった。

「新婚にしては少ないわね。ご主人からの誘いを紗希ちゃんが断っているからかな?」

「それはないです。」

「ということは、ご主人の誘いが少ないってことか…」

「主人は仕事で忙しかったから…」

紗希は、そう答えることしかできなかった。

「じゃあ、紗希ちゃんから誘ったりしている?」

「えっ、な、ないです。」

「どうして? 嫌じゃなかったら、紗希ちゃんから誘えばいいのに。」

紗希は、俯いて何も答えられない。

自分から誘うなんて、そんなこと・・・

「もう、このぐらいにしてあげましょうよ、奈緒さん。紗希ちゃん、顔が真っ赤よ。」

奈緒の質問攻めに、結美が助け舟を出してくれた。

「ふふふ、ごめんね、紗希ちゃん。」

「いいえ…」

紗希は、ほっとしながらも、少し俯きながら返事をした。
紗希にとって、奈緒は普段とても優しく、子育てやその他の悩みの相談に応じてくれるので、
とてもありがたい存在だが、紗希を揶揄って楽しむことも度々あった。

「最後にもう一つだけいい?」

「はい。」

「避妊はちゃんとしているの?」

「主人はいつもゴムを使ってくれます。」

「そうなのね。優しいご主人で羨ましいわ。」

「私もそう思うわ。」

奈緒の言葉に結美も同調した。

「でも、二人目はいらないってことじゃないんでしょ。」

「それは…、はい。」

「それなら、避妊をしないで、自然に任せるというのもいいかもしれないわよ。
 これから、妊娠するのが難しい年齢になっていくわけだから、
 いざ、欲しいってときに、中々できないってこともあるからね。」

自然に任せるか・・・

紗希は、以前夫から同じことを言われたことを思い出した。


[8] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/06 (日) 21:56 ID:db/O6mLs No.33202

それは新婚旅行から帰ったときのことだ。
紗希と亮二はこれからのことについて話し合った。
主に家計の管理や家事の分担と、休日の過ごし方や普段のルールについてだが、
その他に、二人の子どもについても話し合った。

ただ、紗希も亮二も特にこうしたいという希望はなかった。
二人ともまだ若かったので、直ぐに子どもが欲しいと思ってはいないが、
何歳までは夫婦二人でという考えもなかった。
そして、このとき、亮二から、一年ぐらい自然に任せてみようか、と言われた。

特に妊活をするわけでもなく、避妊をするわけでもない。
妊娠しやすい時期とかしにくい時期とか考えずに、夫婦生活を送ろうということだった。
紗希も特に異論はなかった。
亮二は、結婚前からこれまで必ず避妊をしてくれたから、
亮二がそうしたいと言うなら、感謝の意味も込めて、その気持ちに応えてあげたいとも思った。
それに世間には、妊活しても中々子どもに恵まれない夫婦も少なくない。
避妊しないからといって、直ぐに妊娠することもないだろうという考えも、紗希にはあった。

そして、初めて亮二と避妊せずにセックスしたとき、紗希自身は違いがよく分からなかったが、
亮二からは『すごくよかった』と言われ、これで良かったんだと思った。

だが、それから2カ月が経ったとき、予定日を過ぎても紗希の生理がなく、
その数週間後に、紗希が産婦人科を受診し、彼女の妊娠が確定した。
こんな直ぐに妊娠するとは、紗希も亮二もとても驚いた。
この数カ月間、避妊していないもの、セックスの回数は5,6回ぐらいだったからだ。
産婦人科で妊娠が確定したとき、亮二は申し訳なさそうな顔をしていた。

「二人で決めた結果なんだから、そんな顔をしないで。
 それに子どもができたってことは、喜ばしいことでしょ。
 そんな顔していたら、生まれてくる子どもに申しわけないわ。
 私は子どもができて素直に嬉しいと思っているよ。」

紗希がそう言うと、亮二は漸く笑顔を見せた。

「紗希は妊娠しやすい体質なのかもしれないな。」

亮二がそんなことを呟いた。
そして、翌年、紗希は男の子を出産し、二人で拓也と名付けた。
それ以降、セックスするときは必ず避妊をしていた。

「ただいま。」

「おかえり。」

「ごめんね、遅くなって。話が盛り上がっちゃって…」

紗希が帰宅した時、亮二は拓也とブロックで遊んでいた。
結局、奈緒の『自然に任せる』というアドバイスに対しては、
紗希は『主人と相談して考えてみます』とだけ返事をしたが、
今日の話で、前向きに考えてみようと思った。

紗希は、亮二が二人目のことをどう考えているか知りたくて、
夕食を終えた後、奈緒と結美から二人目は考えているかと訊かれたこと、
奈緒から自然に任せたらと言われたことを亮二に話した。

紗希にとって意外なことに、亮二は1年以上前から二人目のことを考えていたようだ。
ただ、亮二は、本社で10年以上勤務しているので、
近々、自分が支店に異動する可能性があると考えていた。

「同期のほとんどが異動しているし、今の支店の状況も知っているから、
 いつ異動の辞令があってもおかしくないと思っているんだ。
 だから、異動が決まってから、紗希と二人目のことを話し合おうと思っていた。」

亮二の予想では、今年の10月か、来年の4月には、異動になりそうとのことだ。

「そこまでわかっているのなら、今、二人目のことを話し合ってもいいんじゃない?
 私は、パパが異動になったら、二人目が欲しいな。
 拓也も、弟か妹ができれば、きっと喜ぶだろうし。」

「引っ越して知らない土地で、直ぐに妊娠、出産なんて、紗希は大変じゃないのかい?」

「ううん、大丈夫よ。」

「そうか。紗希がそう思っているのなら、そうしよう。」

その夜、紗希と亮二は久しぶりにセックスした。
昼間に奈緒や結美とあのような会話をしたからなのか、紗希はいつもより少し興奮していた。
だが、紗希の頭の中に浮かんでいたのは、目の前にいる夫ではなく、結美の夫の桐谷だった。


[9] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/08 (火) 00:22 ID:uElSYCrQ No.33209

桐谷の家族は、庭付きの比較的大きな一戸建てに住んでいたので、
家族ぐるみの付き合いが始まってからは、ときおり桐谷の自宅でホームパーティーを開き、
三家族が昼食や夕食を共にしていた。
旅行の二週間前の土曜日も、塚原の家族と北川の家族が桐谷の自宅に集い、
三家族が食事や会話を楽しんでいた。

夕食を終えた後、子ども達はリビングで思い思いに遊び、
妻達は、ダイニングテーブルの椅子に座り、子ども達の様子を眺めながら話をしていた。
一方、夫達は庭に出て、酒を酌み交わしながら、再来週の旅行の話をしていた。

「桐谷さん、旅行中に、何か企画とかは考えているの?」

奈緒の夫の北川が、結美の夫の桐谷に尋ねた。
北川は、塚原より6歳年上で、地元の工場で働いている。
北川は、毛深くて、背は低めだがガッチリした体格だった。
ただ、数年前から太り始め、今では見た目でも腹が出ているのがわかるほどだ。

「企画ですか?特に何も考えていませんけど…
 三家族で旅行すると言っても、皆で一緒に行動する必要もないと思っていますが。」

桐谷が北川の質問に答えた。
桐谷は、塚原よりも3歳年上で、裕福な家庭で育ち、今は父親が経営する会社で働いていて、
背が高くてハンサムで、容姿も振る舞いもスマートな男だった。

「でも、せっかく三家族で旅行に行くんだからさぁ、
 皆でゲームとかやったほうが楽しいんじゃない?」

「ゲームですか?まあ、子ども達が楽しむようなものなら、皆でやってもいいと思いますが…」

「もちろん、子ども達が楽しむケームをやるのは当たり前だけど、
 親睦を兼ねて、親同士が楽しむゲームもやったほうがいいんじゃないか。」

「親同士が楽しむゲームですか。それって、例えばどんなことですか?」

桐谷が北川に聞き返した。

「例えば三組の夫婦で、交換デートをするっていうのはどうかな?」

「交換デート?」

「そうそう、お互いに奥さんを交換して、二人だけでデートをするとか…」

「子どもたちはどうするつもりですか?」

「ゲームだから、3組のうち2組が交換デートをして、
 1組が罰ゲームとして子ども達の面倒を見ることにすればいいんじゃないかな。」

「なるほどね。」

碌なことを考えないんだな、この人は・・・

以前も、北川は、パーティーのときに、下心が見え見えの提案をしてきたことがあったので、
北川の魂胆は、桐谷には察しがついていた。

「塚原さんはどう思う?」

北川は、今度は塚原に尋ねた。
塚原は、正直なところあまり気乗りはしなかった。
だが、強く否定する理由も見つからない。

「奥さんたちが承知しますかね?」

塚原は暫く考えてから、暗に否定するような返事をした。

「うちは大丈夫だと思うけど、桐谷さんのところは?」

「うーん、どうだろう。交換デートだけだと、下心を疑って反対すると思いますね。」

「そうか…」

北川は難しい顔をした。

「でも、他にもレクレーションをいろいろ考えて、その一つということだったら、
 妻も何も言わないかもしれません。」

このとき、桐谷は、北川の魂胆を逆手にとってやろうと考えていた。


[10] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/08 (火) 22:06 ID:uElSYCrQ No.33216

初めは三家族で一緒に行動することに否定的だった桐谷が、少し乗り気になったのを見て、
北川は塚原にも尋ねた。

「塚原さんのところはどう?」

桐谷が同意するような返事をしたので、塚原は自分だけ反対するわけにもいかなかった。

「聞いてみないとわかりませんけど、奈緒さんや結美さんが承知するなら、
 紗希も反対はしないだろうと思います。」

「そうか、そうか。ねえ、桐谷さん、どうだろう。」

「うーん、それじゃあ、やる方向で進めてみますか。
 先ずは、旅行中に、交換デート以外にどんなレクをするか考えましょう。」

桐谷がそう言って、交換デート以外のレクレーションを三人で考え合った。

「レクとしては、こんなところでいいでしょう。
 交換デートは、初日の晩ということでいいですか?」

桐谷がそう言うと、北川からも塚原からも異論は出なかった。

「それじゃ、後は、僕がタイムスケジュールにまとめておきますね。
 スケジュール表は北川さん、塚原さんにメールで送りますから、確認してもらって、
 問題ないようでしたら、それぞれ奥さんに話して了解を取ってください。
 もしも一人でも了解が得られないようでしたら、そのときは交換デートは諦めましょう。」

桐谷がそう言って、その場はお開きとなった。

翌日の夕方、桐谷から塚原にスケジュール表がメールで送られた。
塚原が確認すると、交換デートについては、20時にロビーに集合とだけ記されていて、
終了時刻は特に記されていなかった。

塚原は、夕食後に、紗希に話を切り出すタイミングを探っていた。

自分だけ妻の承諾が得られなかったというのは、まずいよな・・・

交換デートについて、塚原自身は全く気乗りはしていなかったが、
こうなってしまった以上、紗希の同意を取らなければと思った。
風呂に入り、子どもを寝かしつけた後、塚原は意を決して紗希に話を持ち掛けた。

「そう言えば、今度の旅行のことなんだけど…」

塚原は、スケジュール表を見せながら、旅行中のレクレーションのことを紗希に話した。

「この交換デートというのは、どういうことをするの?」

やはり交換デートは気になるよな・・・

「クジで相手を決めて、二人でドライブをするんだよ。
 その他は何も決まりはなくて、どうするかは当人同士で決めるらしい。」

「ふーん、それでパパは?パパはどんなデートをするつもり?」

「えっ?えーっと…、デートをする相手にもよるし、まだ何も考えていないよ。」

「相手にもよるんだ。じゃあ、相手が結美さんだったら?」

「いや、相手が誰だったらってことじゃなくて、相手がどうしたいか聞いてからってことだよ。」

「そうなんだ。」

紗希は暫く黙って考えていた。
 
「皆がレクレーションをやりたいって言うなら、私は別にいいけど。」

「交換デートも?」

「結美さんと奈緒さんがいいって言ったら、反対はできないわ。」

紗希は、以前、男の人と二人きりになるのは苦手だと言っていた。
そんな紗希が、交換デートに嫌だとは言わなかったのが、塚原にとっては意外だった。
だが、彼女から了解が得られたので、塚原はとりあえず一安心した。

数日後に、結美から紗希に、旅行でのレクレーションについて、自分も奈緒も承知したが、
紗希はどうかと問い合わせがあり、紗希は結美に自分も承知したと伝えた。


[11] Re: 三家族の旅行から  RT :2026/09/09 (水) 22:29 ID:2RUX0nCA No.33222

三家族が宿泊する旅館は、自宅から車で3〜4時間の場所にあった。
旅館の近くには川が流れ、川辺では、釣りやデイキャンプを楽しむことができ、
旅館では、釣り道具やキャンプ道具の貸し出しも行っていた。

当日の午前中に、家族それぞれの車で目的地に向かって出発し、
途中、高速道路のサービスエリアで落ち合って、三家族で一緒に昼食をとり、
午後2時頃には旅館に到着した。
旅館に着くと、本館にそれぞれの家族が寝る部屋が用意され
その他に、大きめの部屋と小さな部屋の二間続きの部屋が用意されていた。

「今夜の交換デートのときに、この部屋に子ども達を集めて寝かす予定です。」

桐谷が、塚原と北川にそう説明した。
旅館のスタッフに夕食を17時半頃にお願いし、三家族は、それまで旅館の近くの川で遊んだり、
スイカ割りをしたり、その他簡単なゲームをしたりして楽しんだ。

そして、三家族全員で夕食をとった後、暫くそれぞれ家族の部屋で休憩し、入浴を済ませてから、
子ども達を連れて大きめの部屋に集まった。
奈緒が長女の奈津美に、暫く他の子ども達の面倒を見ているように話しをしていた。
それから三組の夫婦は、部屋を出て一階のロビーに降りていった。
いよいよ交換デートの始まりだが、全員が少し緊張した面持ちだった。

交換デートでは、いくつかの約束事が決められた。
主な約束事の一つは、デートの相手や、その相手とどんなデートをしたかについては、
一切他言無用ということだった。

交換デートは、あくまでもゲームで、単なる遊びに過ぎないわけだから、
そのことで夫婦間や家族間でトラブルになっても困るので、
たとえ夫婦の間でも、詮索したり疑ったりせず、一切話を持ち出さないことになった。

その他の約束事としては、交換デートでは、各カップルとも、
戻る時刻を厳守することが決められていた。

「お互い大人なんだから当人同士に任せればいいんじゃないか。」

「そうそう、時間を気にしながらデートというのも、なんだか味気ないし…」

桐谷と北川は、旅館に戻る時刻はあくまで目安で、後は当人たちが判断すればいいと言ったが、
妻達は、時間厳守を譲らなかった。
やはり何か間違いがあったらということを気にしているようだ。

「それに、万一事故や事件に巻き込まれたらどうするの?
 いつ戻るか決まってなかったら、いつまでも待たなきゃいけなくなるでしょ。
 決まっていれば、もしもその時刻までに戻って来なかったら、
 こっちから連絡することもできるし、連絡がつかなければ、警察に連絡することもできるわ。」

結美が妻達三人を代表して桐谷と北川に少し強い口調でそう言った。
結美の意見に、桐谷も北川も返す言葉がなかった。
結局、妻達から、戻る時刻が守れないなら交換デートは中止と言われ、
桐谷と北川は渋々ながら承知した。


デートの組み合わせを決める方法は、次のようなやり方で行われた。

1.男性用のクジを3枚、女性用のクジを3枚用意し、
  男性用のクジには、交換デートの出発時刻が書かれており、
  女性用のクジには、交換デートの出発時刻とデートから戻る時刻が書かれている。

2.カップルとなる男女のクジには、それぞれ同じ出発時刻が書かれており、
  他のカップルのクジとは、出発時刻、戻る時刻にそれぞれ5分の時間差がつけられている。

3.先に男性がクジを引き、駐車場に止めてある自分の車に乗って待機する。

4.次に女性がクジを引き、一階のロビーで待機する。

5.出発時刻に、男性は玄関前に車で乗り付け、女性もロビーから玄関前に移動する。

6.男性は、玄関前に現れた女性を車に乗せて交換デートに出発する。

7.但し、罰ゲームのカップル、すなわち子ども達の面倒をみるカップルは、
  戻る時刻が出発時刻の15分後になっているので、戻ったら子ども達のいる部屋へ行く。

この方法だと、本当の夫婦同士がカップルになる可能性があるが、
それはそれで夫婦でデートを楽しめばよいことになっていた。

「この方法だと、出発するときまで、デートの相手が誰だか分からずワクワクするし、
 他の人が誰とデートしているか、罰ゲームは誰なのかも当人達以外はわかりませんから。」

桐谷が、くじ引きについて少し自慢げに説明していた。


[12] Re: 三家族の旅行から  メタボオヤジ :2026/09/10 (木) 09:47 ID:SiCrsitw No.33223
はじめまして、いつも読ませていただいております。いよいよ交換デートが始まりますね。どの組み合わせか楽しみです。続きお待ちしておりますね。


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