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遍歴

[1] スレッドオーナー: 土屋 :2026/05/23 (土) 22:39 ID:vJIfgbDU No.32760
父が長期の海外出張に出た週末、我が家のリビングはいつものように母の親友たちの喧騒に包まれていた。
母・土屋千春、45歳。大手出版社でバリバリ働いている。若くしてオレを産んだから、中学の頃は友達から人気があった。要は「綺麗なオバサン」。目尻の上がった大きな目、通った鼻筋に厚めの唇。今も美貌と均整の取れたスタイルを維持している。本人も意識しているのか、見た目に手を抜くことがない。耳にかけたミディアムの髪、ゆったりとしたオフホワイトのサマーニット、Vネックにのぞく鎖骨とダイヤ。彼女には常に華やかな女の匂いが漂っていた。
そして、その母の周りには似たような女たちが集まる。IT企業で働く自由奔放で派手な美人の典子さんと、経営者の妻でおっとりとした良妻賢母タイプの薫さん。3人は学生時代からの親友で、事あるごとに我が家に集まってはワインを空けている。
オレ、裕一は20歳の冴えない大学生だ。いつものように自室に籠もっていたが、猛烈に喉が渇き、足音を忍ばせてキッチンへ向かった。
リビングとキッチンを隔てる曇りガラスのドア越しに、女たちの笑い声が響いてくる。冷蔵庫を開けようとしたオレの手は、典子さんの甲高い声にピタリと止まった。

「だからね、あれは冗談抜きで私の人生で一番のバケモノだったのよ!」
だいぶ酔っているのがわかる。オレは息を殺し、ドアの隙間からリビングを覗き込んだ。
「もう、先っぽパンパンで、血管がボコボコ浮いててさ、なんだろ、生き物っていうか凶器?それが奥までズドンって入った瞬間、脳みそがショートしたみたいになっちゃって。」
ワケのわからない話かと思ったが、言葉を咀嚼すると、まさかという気がした。その時、母と薫さんが「ちょっと典子!」「声が大きすぎるってば!」と笑いながら手を叩いている。
「でもさ、ぶっちゃけ大きさって正義じゃない?」と典子さんは身を乗り出した。
「愛だのテクニックだの言うけどさ、絶対的な質量で子宮の入り口をガンガン突かれる快感って、理屈じゃないのよ。メスとしての本能を直接殴られてるみたいでさ」
やはり、オレの勘は当たったと確信する。
と同時に、急に3人の会話に興味を引きつけられた。
「まあ……否定はしないけど」と言ったのは母だ。頬を紅潮させながらワインを煽る。
「確かに、すっごいのが入ってきた時の、あの息が詰まるような圧倒される感じは、忘れられないわよね」
「でしょ!? ねえ、薫はどうなのよ。あんた昔から清純派ぶってるけど、絶対すごいのに当たったことあるでしょ。吐きなさいよ!」
「ええっ、私!?」と矛先を向けられた薫さんは顔を真っ赤にして両手で頬を覆った。普段はおとなしく、二人の息子を育てる母親である薫さんが、身をよじって恥じらっている。
「も、もう……しょうがないなぁ。私は、夫のかな。それだって、そんなに巨大とか、そういうことじゃないんだけど」
「なによ、それ。いい子過ぎて面白くない」と典子さんが冷ややかに言う。
「そんなこと言ったって、経験がないんだから仕方ないでしょ?」
「そうそう、典子、酔い過ぎだよ」。
母が薫さんをフォローした。
「なによ、千春!それなら代わりにアンタが答えなさい。歴代ナンバーワンの男、誰?」
典子さんが容赦なく母に迫る。

母は「えー」と濁そうとしたが、両脇から二人がわかりきったような顔をしている。
母は観念したらしい。
「もぉ、何度も話したでしょ?……澤田!」
その苗字が出た瞬間、典子さんも薫さんも「だよねーー!!」と、声を揃えて爆笑した。
「ごめんごめん、千春のこの話は定番だから、やっぱり言わせちゃった」
助けられたはずの薫さんも笑っている。
「ホント、毎回言わせるの、やめて」。
どうやら3人の間で、母はこの話をさせられるのはいつものことらしい。
すると典子さんが突っ込んだ。
「でも千春、口でした時はどうだったの?それはあんまり聞いてないわよ!」
典子さんの追及に、母はワイングラスの縁を指でなぞりながら、困ったような笑みを浮かべた。
「もう20年以上前だからなぁ。えー、うーん。顎が外れるかと思うぐらい口を開けたのと、がんばって根元までくわえようとしたら喉の奥に当たって、えずいたのは覚えてる」。
「うわー、いやらしい! で、味は? どんな味したのよ?」
典子さんが悪ノリする。
「バカじゃないの!味なんて覚えてないって!」母が吹き出しながら答えた。
「で? で? 入れた時はどうだったのよ!」
典子さんは止まる気配がない。
「もう、前にも話したじゃない!」
母は照れ隠しのように笑いながらも、その顔は完全に昔の記憶をたどっていた。
母が、昔の男との行為を、その男たるモノを思い起こしている。
「……だいたい、典子の言ったのと同じ感じかな。熱くて硬い肉の塊に、中の狭いところを強引にこじ開けられて、内臓を全部押し上げられるみたいな圧迫感で。奥の奥の、一番敏感なところをゴリゴリされて、足の指が勝手に丸まって……。ガクガク、痙攣、しちゃったの……」
母の口から紡がれる、あまりにも生々しい牝としての記憶。
オレは暗闇の中で、自分の股間がちぎれるほど勃起しているのを感じていた。あの、綺麗で、優しくオレを育ててくれた完璧な母が、得体の知れない『澤田』という男の巨大な肉棒に犯され、快感のあまり身体を痙攣させていた。その事実が、オレの脳髄を麻痺させるほどの嫉妬と、狂おしいほどの興奮を呼び起こしていた。

やがてお開きになり、
「もう典子ったら、調子に乗り過ぎよ」と薫さんが嗜めながら帰っていく声が聞こえた。
オレはベッドに横たわっても、まったく眠れなかった。
母の過去。オレの知らない、女としての『千春』。
もっと知りたい。澤田とは何者なのか。母はどんな顔で男に抱かれていたのか。
ふと、典子さんの顔が浮かんだ。
物心ついた頃から『親戚の陽気なおばさん』のごとく接してくれた彼女なら、オレのこの歪んだ欲望を笑い飛ばして、真実を教えてくれるのではないか。母の全てを知るであろう典子さんに、縋ってみようと思った。


[60] Re: 遍歴  土屋 :2026/09/11 (金) 12:45 ID:lK1GM6X. No.33230
古田の磐井様 ありがとうございます。お言葉を励みに続けていきます。
カッツ様 いつもありがとうございます。引き続き読んで頂けますとうれしいです。
一寸法師様 ありがとうございます。楽しんで頂ければうれしいです。


聞き覚えのある声に振り返ると、会社の一つ下の三橋沙和がいた。新人で配属されたばかり。千春ちゃんの直属ではないけど近いところにいる後輩だったはず。
沙和はそれこそ美人でね。読モ出身の目立つ新人だった。気が回るタイプで、私たちの期の千春ちゃんと引き合いに出す人もいた。ただ違ったのは、彼女は表と裏を使い分けることができて、それを隠そうともしなかったことね。
そんな子と、藤野とホテルにいるところで出会したのよ。

千春ちゃんは内心焦ったけど、取り乱す訳にはいかない。沙和が藤野を見たのがわかる。品定めする目だったって言ってたわ。
「はじめまして、水野さんの会社の後輩の三橋沙和と申します。いつもご指導頂いていて」
彼女は藤野を千春ちゃんの彼と判断したのだろう、完璧な感じのよさであいさつした。
「ああ、そりゃどうも。けど俺は水野とはそういうんじゃないんだ。ただの大学のダチでね。これから仲間と合流するとこなんだ。水野、遅れちゃうから行こう」
『そ、そうなの。ごめんね、沙和ちゃん。また、会社でゆっくり』
藤野が誤魔化してうまく切り抜けた。
でも、千春ちゃんはこの時、心を抉られていたみたい。

『沙和ちゃんね、彼氏連れだったの。いかにも沙和ちゃんが好きそうなエリートって感じの人。私に声をかけた彼女を見守って、こっちにも気を遣いながら後ろで佇んでた。私ね、沙和ちゃんは自分に見合う人を選べるんだって思った。それができたら、私だってこんな風になっていなかったのにって、思っちゃった。だって藤野くんを見てから私を見た沙和ちゃんの目、憐れむようだったんだから』

千春ちゃんの敗北宣言だったわ。味わい深い言葉のはずなのにね、同期としては、下の子にやられたっていうのが情けないったらありゃしない。

「でも、藤野が誤魔化してくれたんでしょう?」

『藤野くんにね、なんでうまく言ってくれたのか聞いたの。動揺されてお客へのサービスに影響が出たら困るからだって』

年下の女が上手に生きていて、順風満帆だったはずの自分が他人に商品として売られるまでになっている。千春ちゃんの、自分への失望と言ったらなかったでしょうね。
数分後、千春ちゃんと藤野はホテル上層階にあるスイートルームの前に立ったのよ。

オレは、その時の母と自分の知る母との落差に悶えていた。
三橋沙和が大切な人と愛を確かめ合う同じ建物で、母は、愛とは無縁の、肉欲に捧げるためだけの時間を迎えようとしていた。
オレの知っている母なら、理路整然と不条理を訴えてその場を離れるはずだ。
それなのに、オレの描いている像をことごとく裏切っていく。でも、それがたまらない。もっと汚く穢れて欲しい。そのどん底の到達点が明らかになるまで、もう少しだ。

秀島がオレを一瞥して、続けた。

部屋に入ると、男が出迎えた。客本人ではなくて、その付き人のようなものだったんじゃないかしら。客は富裕層のはずだから、秘書か執事か、そういう役目の男かと聞いたわ。

「…うん、そうかも。そんなようなものだったかも」

千春ちゃんの返事は曖昧だった。
藤野が会釈して広い部屋を奥に進むと、見たことのある男が立っていた。

「やっぱり知っている人だったのね?」
『うん、…夜の仕事で、会ったことがあった。経営者たちのグループのリーダー格みたいな人で。後輩の起業家たちに慕われていて。私はその人の隣に座らされて。紳士だなって思ってた』
「何歳ぐらい?」
『それね、うん。50代かと思っていたんだけど、68だった』

男は千春ちゃんを見るなり、眉の濃い顔を綻ばせて言ったらしいわ。

「アイ、来てくれてうれしいよ」

私は「アイ」という名に引っかかった。

『私ね、夜の仕事の時、アイって名前使ってたの。だから、よろしくお願いしますって言った。そうしたら、今夜は千春だな、って』
「藤野、しゃべったのね」
『下の名前だけだったみたいだけど。藤野くん、すぐにお金のこととか、サービスの内容とかの確認を始めてね。なんだかマネージャーみたいだった。作家やら女優なら悪い気はしないのかもしれないけど、私は藤野くんに売られるんだってよくわかった』
「本当に酷い、千春ちゃんの目の前で。それで、それからどうなったの?」
『藤野くんが出て行って、それで、始まったの』
「あれ?付き人は?」
『…もう一人の人は、隣の部屋にいた…のかな。私たちはベッドルームに入っちゃったから、ちょっと…わからないかも』
「そう。隣にいるなんて。嫌よね。色々聞かれてしまうでしょう?」
『あ、うん。そうかもね。そうかもしれない』
「声出ちゃっただろうし、色々な音だって、聞かれたくないわよね?」
『それはそうなんだけど、もう気にしていられなくて』
「お客を相手にするって、どういう感じでするの?」
『それは、普通よ。うん、普通。相手に合わせて、普通にするの』

千春ちゃんの恥を抉り出したい私からすると、答えはどれも芯を掴めないものだった。

「ちゃんと身体の準備ができるように、してもらえたのかしら?」

そこで、千春ちゃんは困った顔をした。

『ねぇ、芽衣ちゃん。私、あの時のこと、何もかも話さないとダメかな?ちょっと、あまり具体的には思い出したくないかも』
「あ、そうよね。ごめん、気になって色々聞いちゃって。千春ちゃんがどんな戦いをしてきたのかなって」
『いいの。芽衣ちゃんには話すって決めたから。でも、ちょっと、ごめんね』

私は諦めざるを得なかったが、気まずさからか、彼女が自分から話し始めた。

『最初にキスしながら服を脱がされて。いきなり格好悪かったんだけど』
そう言って笑った。
『私、水着の上からストッキング履いていたから、ちょっとおかしなことになっちゃって。水着とストッキングなんて一緒に着ないから、ダメね。脱ぐように言われて、それで、水着だけになったの』
「ねぇ、その客の男は、なんで千春ちゃんに水着を着せたのかしら?」
『シュミだって。生地の手触りで肉を感じたいとか、女の身体が締め付けられているのが好きなんだって。とにかく、悦んでいた』

男の欲をわかるとは言わないけど、そういうシュミなら、千春ちゃんの身体は最高だったでしょうね。

「千春ちゃんは、その人とシて、嫌なら言わなくていいのだけど、気持ちよくなれた?」
『うん。大丈夫。私も、気持ちよくなれたよ。その…イカされたし。』
「オーガズムがあったのね。よかったわ」
『だからね、私が最後にイカされた相手、藤野くんにはならなかったよ。藤野くん以外の人と、ちゃんとイッたの』
薄暗い個室で、千春ちゃんの顔は晴れやかで歪だった。

秀島が深く息を吐いた。

「私が知っているのはここまでよ」

「え?」
オレはこれから興奮が昇り詰めようというところで突然天井にぶつかった気がした。
この物足りなさは生殺しだ。
母の行った身売りのディテールが圧倒的に足りない。

「あの、その、他に、何かその時のことで言っていたことはないんでしょうか?」

秀島の目が一瞬で冷たくなった。

「何か、不満?」


[61] Re: 遍歴  カッツ :2026/09/11 (金) 22:33 ID:/xWVgiN. No.33235
私も大いに不満ですね、売られた身体千春ちゃんの様子が知りたい。
富裕層の叔父様の女として飼われてしまうのか??? つづきが待ち遠しい。


[62] Re: 遍歴  ファン :2026/09/20 (日) 16:09 ID:RSa0n4y2 No.33270
展開が楽しみです

[63] Re: 遍歴  土屋 :2026/09/21 (月) 15:58 ID:y/gZ402w No.33283
カッツ様 ファン様
いつも本当にありがとうございます。間が空いてしまいましたが、続けて参ります。


「言ったでしょ?私は知っていることを垂れ流すだけだって」

秀島は表情が消えている。

『あ、はい。そうです。わかってます。その、まずは、こんなに丁寧に教えてくださって、本当にありがとうございます。つい、その、もっともっとって求めてしまって。あの、こんなに母のことを知ることができるとは思っていませんでした。感謝しています』
オレは、素直な気持ちを述べた。
秀島が涼しい笑みを浮かべる。

「そんな風に、股間を膨らませて言われてもね」

鼻で笑った。

『あ、すみません。これは、その。すみません』

「君、わかっているかしら?私が話したのはストーリーじゃない。千春ちゃんが話したことの、そのままよ。わかったら、早くお家に帰って一人で楽しんだら?」

秀島がデスクに戻ろうとする。
この場が閉じようとしている。
だが、オレの欲望は、もっともっとと、求めている。
秀島は怒るだろう。だが、それよりも可能性に手を伸ばしたい。

『あの、その客の男って、誰なんでしょうか?』

秀島が振り返った。

「今度は、母親をどういたぶったんですかって聞くわけ?」

『…どうしても、気になって』

秀島が吹き出した。大笑いする。

「本当に、千春ちゃんて、男運がないのね。まさか息子までこうだとは、想像もしていないでしょうね。旦那だけはマトモであることを祈るばかりだわ。あいにくね、私は知らない。会ったことないもの」

秀島は満たされたと言わんばかりの、勝ち誇ったような表情をしている。

『そうですよね。あの、それじゃあ、三橋さんをご紹介頂けないでしょうか?』
「沙和は駄目。連絡先知らないもの。彼女、期待されていたんだけど割と早いうちにやめたらしいわ」

幕が降りていく。

『本当に、お忙しいのに、ありがとうございました』

秀島がデスクに着く。

「気をつけて帰りなさいね」

秀島の顔が優しい。
ふと、客の男について、「私は知らない、会ったことない」と言った秀島の言葉が反復した。
その後の「沙和は駄目」と明らかに語感が違った。
「会ったことがないから直接は知らない」という風にも受け取れる。
秀島の、「知っていることを垂れ流すだけ」という言葉に遡る。
この人は誤魔化したり嘘をついたりしない。
秀島の言葉が、「客のことは知らないが、知っている情報はある」という意味に変換された。
立ち止まる。

『あの、母の客の男のこと、知っている人を知りませんか?』
「どうして?」
秀島がデスクから返す。
『秀島さん以外の誰かは、客のことを知っていて会ったことがある、というように、さっき聞こえました』

秀島が口元だけで笑った。

「人の話、ちゃんと聞けるのね。客を知っている人を知っている、そうね。そうよ」
『あの、その人をご紹介頂けないでしょうか?』
「本当に、君は厚かましいわね。千春ちゃんとは違うけど、週刊誌の記者にでもなればいいわ」

拒絶は感じない。

『オレ、最低だってわかってます。だけど、もう抑えられなくて、母を裏切って生きるしかないと決めて、ここに来ました。もう止まれないんです。堕ちられるところまで、いかせてください』

そうねと言って、秀島は考えた。

「まぁ、その人を教えたところで何が変わるわけでもないし。いいわ」
『本当ですか?ありがとうございます。ありがとうございます』
「だけど、その人、君も知っているのよ」
『え?誰?ですか?』

「間瀬さんよ」


[64] Re: 遍歴  古田の磐井 :2026/09/21 (月) 19:32 ID:gVTm0giE No.33285
知っている人が間瀬隆介さんとは驚きました。

[65] Re: 遍歴  カッツ :2026/09/21 (月) 21:16 ID:cyGpnSgc No.33287
あれれ、間瀬さんって誰でしたっけ???
さらに堕ちて行く母千春ちゃんの事、知りたいですねぇ。


[66] Re: 遍歴  古田の磐井 :2026/09/21 (月) 23:19 ID:gVTm0giE No.33288
カッツさん。
[14]に「薫さんが日程を整えてくれた次の水曜日。オレは緊張で胃を焼かれるような思いで、薫の夫・間瀬隆介のオフィスを訪ねた」というフレーズがあります。


[67] Re: 遍歴  カッツ :2026/09/22 (火) 21:06 ID:VLbAUOZY No.33292
古田の磐井さん ありがとうございます。
記憶が乏しく感謝感激です。 ありがとう!!

しかし、つづき 待ち遠しいですね、まだかな、まだかなぁ


[68] Re: 遍歴  古田の磐井 :2026/09/22 (火) 21:28 ID:TKoBGl1I No.33293
カッツさん。私も待ち遠しいです。

[69] Re: 遍歴  土屋 :2026/09/23 (水) 00:59 ID:2zltB0RY No.33296
古田の磐井様 カッツ様
間瀬についてシェアして頂きありがとうございます。待ち遠しいとのお言葉うれしいです。

ここで前回までの主な登場人物を整理します。

◆土屋裕一(20)オレ。大学生。偶然聞いた話から母・千春の男性遍歴に関心を持ち、その過去を調べている。証言から母の淫らな過去を知るほど興奮し、調査にのめり込んでいく。
◆土屋千春(45)裕一の母親。出版社勤務。男を虜にする天性の魅力を持つ美女で、仕事では「天才」と称されるエリート。社会人1・2年目に友人関係が断絶した空白の時間がある。
◆秀島芽衣(45)千春の会社の元同期。現在は独立。裕一に「空白の時間」の千春について証言。ヒモを飼い、その男の要求で売春したこと、買い手が間瀬の知人であることを明かす。
◆間瀬隆介(48)千春の親友・薫の夫。企業経営者として成功している。裕一に秀島を紹介する。しかし秀島から、千春が売春していた際の客を知る人物として名指しされる。
◆間瀬薫(45)大学からの千春の親友。夫の隆介の仕事相手である秀島が千春の元同期であることを裕一に告げる。良妻賢母タイプで裕一の調査を疑問視するが、止めようとはしない。
◆石川典子(44)大学からの千春の親友で、薫と3人で交流を続けている。IT企業勤務でモデルのような美女。ノリのいい性格で、裕一が千春の過去を探るのを面白がる。
◆藤野(不明)秀島の証言によると、「空白の時間」に千春とともに暮らしていたヒモ。
◆三橋沙和(43)千春の会社の1つ後輩。秀島の証言で、千春と藤野を目撃したとされる。
◆土屋一郎(55)裕一の父で千春の夫。息子にカタブツと思われているエリート。裕一は華やかな千春がなぜ結婚したのか疑問に感じている。

続けます。


秀島のオフィスを出たオレは、夕暮れに向かう坂道を下りながら、スマホの画面に指を走らせていた。
宛先は間瀬さん。母の客を知るという男。

指先の微かな震えを抑えながら、秀島を紹介してもらったことへの御礼を打ち、そして、「間瀬さんのお知り合いで、昔、母がお世話になった裕福な方がいらっしゃると伺いました。改めてお話を聞かせていただけないでしょうか」と加えた。
緊張を自覚して、送信ボタンを押した。

返信は驚くほど早かった。
端末がポケットの中で震えたのは、最寄り駅の改札を抜ける前だった。画面を開く。実務的で簡潔な文面と、いくつかの候補日程が整然と並んでいた。
オレは迷うことなく、一番早い日程を指定して即座に返した。

暗くなる前に家に着く。
玄関の鍵を開けると、まだ人の気配はなく静まり返っていた。母が帰宅するまで、あと1時間はあるだろう。
自室に駆け込み、ドアを閉めると同時に、オレは狂ったようにズボンと下着を下ろした。黒いボクサーブリーフの内側には、秀島のオフィスで溢れた粘液が乾き惨めな跡を作っていた。
ベッドに横たわる。頭の中で、秀島がその薄い唇から垂れ流した生々しい場面の数々を、一つ一つスライドショーのように思い描いた。
底辺の男に紫のブラを奪われ、無理やり結合された母。男の道具になることに快感を見出してしまった母。金と引き換えに競泳水着を仕込んで差し出された母。
想像すればすぐに身体はギンギンに変わるのに、どういうわけか集中できない。極上の情報が多過ぎる。最後の盛り上がりに、うまく辿り着けない。
オレは起き上がり、ズボンを半端に下げたまま、持て余した高揚感を引きずりながら自室を出た。何かに突き動かされるようにして、母のクローゼットの扉を開け、その暗がりに忍び込んでいた。

ひんやりとしたクローゼットの奥。いきなり目に飛び込んできたのは、見たことのない品のいいシルバーのカクテルドレスだった。
近いうちに着る予定でもあるのだろうか。それだけが特別な専用のハンガーに掛けられている。光沢のある上質なシルバーの生地で仕立てられた、美しいAラインのワンピース。ビスチェ風のデザインになっていて、鎖骨の周りから二の腕にかけては、繊細なレースで覆われ透ける作りになっていた。
そのすぐ脇の棚には、収納からわざわざ取り分けられたように、上下のアンダーウェアが静かに置かれていた。
装飾の一切ない、ストイックなグレーのブラジャーとショーツ。ブラはカップこそしっかりとした厚みがあるものの、肩紐が付いていない。間違いなく、目の前に掛けられているビスチェドレスの下に仕込むためのものだ。
オレの脳内で、そのドレスを身に纏った母の姿が、鮮烈なカラーで立ち上がる。
ビスチェのドレスに収まった、年齢を感じさせない完璧な肢体。
グレーのカップに押し上げられ、ドレスの胸元から丸く膨らむ柔らかな胸の谷間。
コルセットのようにシルエットを美しく描く、細いくびれ。
優雅に広がるAラインの裾から覗く、ストッキングに包まれた締まった脚。
知的な輝きをたたえる眼と、自信に満ちた薄紅色の唇。
艶やかにアップに結い上げられた髪が晒すうなじ。
完璧な、気高い母。

その母が、こちらを向いて微笑んでいる。
唇が動いた。
「藤野くん」
母は、あの忌まわしい男の名を呼んだ。
「もっと汚して」
ドレスの裾を持ち上げ、実用的なグレーのショーツを脱ぐと、横になった藤野の上にまたがった。
ヤツのモノを自分の割れ目に埋め込んでいく。

下から藤野が突き上げるリズムに合わせて、豊かな二つの乳房が揺れる。
藤野の骨ばった手が掴み、揉む。
「はっあぁっ、藤野くん。最低で最高。このまま、出して。私の中に、出してっ」
母の体内に藤野の遺伝子が放出される。
「ああ、私の一番大事なところに、藤野くんが、きたぁ」
それと同時に、オレも最低の欲望を吐き出した。

処理を終え、何食わぬ顔で自室に戻った。
しばらくすると、玄関の開く音がして母が帰ってきた。
いつものように、白いTシャツに着替えた母は、キッチンで手際よく夕食の支度を始める。さっきまでオレの脳内で藤野に汚されていた女とは思えない、清廉な日常がそこにあった。
オレはダイニングの椅子に腰掛け、平静を装って声をかけた。
「友達と夕飯食べに行く日程決めたいんだけど、ママ、いない日ある?」
母は手を止めずに、優しく振り返る。
『ママ、金曜日はちょっとしたレセプションでいないから、その日は夕飯済ませてくれると助かるわ』
「レセプション?」
母への興味がすぐに湧いた。
「うん。前に担当していた作家先生がプラットフォームとコラボするんだけど、始めてみたら作風が守られるかわからなくなって助けて欲しいっていうわけ」
レセプションにいたる経緯のようだ。
「ママは部外者なんだけど、ちょっと間に入ったら企業側にも感謝されちゃって、それでウチの会社まで事業に関わることになってね。その公開のレセプションだから行かないわけにいかないのよ」
その口調は半分ぐらい面倒そうだったが、普通の人には難しいことをやってのけたのだということが、今のオレにはわかった。

トントン、と小気味よい包丁の音が再開する。
あのクローゼットに隠されていた、シルバーのドレスの目的が明らかになった。
母からすれば、それは時折発生する、仕事上ののイベントに過ぎない。
だが、オレは想像してしまう。
あのビスチェのドレスを着た母が、他人の男たちの目にさらされる。わずかな露出と、内に秘めたあのグレーの下着で、大勢の大人たちの欲望の視線の中を泳ぐ。その内の1人が、堪えられずに声をかける。
それだけで、ズボンの内側が再び猛烈に熱く硬くなっていくのがわかった。

もっと、どん底へ。母の娼婦だった過去という、黒く汚れ切った奥底へ、沈んでいきたい。



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