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遍歴

[1] スレッドオーナー: 土屋 :2026/05/23 (土) 22:39 ID:vJIfgbDU No.32760
父が長期の海外出張に出た週末、我が家のリビングはいつものように母の親友たちの喧騒に包まれていた。
母・土屋千春、45歳。大手出版社でバリバリ働いている。若くしてオレを産んだから、中学の頃は友達から人気があった。要は「綺麗なオバサン」。目尻の上がった大きな目、通った鼻筋に厚めの唇。今も美貌と均整の取れたスタイルを維持している。本人も意識しているのか、見た目に手を抜くことがない。耳にかけたミディアムの髪、ゆったりとしたオフホワイトのサマーニット、Vネックにのぞく鎖骨とダイヤ。彼女には常に華やかな女の匂いが漂っていた。
そして、その母の周りには似たような女たちが集まる。IT企業で働く自由奔放で派手な美人の典子さんと、経営者の妻でおっとりとした良妻賢母タイプの薫さん。3人は学生時代からの親友で、事あるごとに我が家に集まってはワインを空けている。
オレ、裕一は20歳の冴えない大学生だ。いつものように自室に籠もっていたが、猛烈に喉が渇き、足音を忍ばせてキッチンへ向かった。
リビングとキッチンを隔てる曇りガラスのドア越しに、女たちの笑い声が響いてくる。冷蔵庫を開けようとしたオレの手は、典子さんの甲高い声にピタリと止まった。

「だからね、あれは冗談抜きで私の人生で一番のバケモノだったのよ!」
だいぶ酔っているのがわかる。オレは息を殺し、ドアの隙間からリビングを覗き込んだ。
「もう、先っぽパンパンで、血管がボコボコ浮いててさ、なんだろ、生き物っていうか凶器?それが奥までズドンって入った瞬間、脳みそがショートしたみたいになっちゃって。」
ワケのわからない話かと思ったが、言葉を咀嚼すると、まさかという気がした。その時、母と薫さんが「ちょっと典子!」「声が大きすぎるってば!」と笑いながら手を叩いている。
「でもさ、ぶっちゃけ大きさって正義じゃない?」と典子さんは身を乗り出した。
「愛だのテクニックだの言うけどさ、絶対的な質量で子宮の入り口をガンガン突かれる快感って、理屈じゃないのよ。メスとしての本能を直接殴られてるみたいでさ」
やはり、オレの勘は当たったと確信する。
と同時に、急に3人の会話に興味を引きつけられた。
「まあ……否定はしないけど」と言ったのは母だ。頬を紅潮させながらワインを煽る。
「確かに、すっごいのが入ってきた時の、あの息が詰まるような圧倒される感じは、忘れられないわよね」
「でしょ!? ねえ、薫はどうなのよ。あんた昔から清純派ぶってるけど、絶対すごいのに当たったことあるでしょ。吐きなさいよ!」
「ええっ、私!?」と矛先を向けられた薫さんは顔を真っ赤にして両手で頬を覆った。普段はおとなしく、二人の息子を育てる母親である薫さんが、身をよじって恥じらっている。
「も、もう……しょうがないなぁ。私は、夫のかな。それだって、そんなに巨大とか、そういうことじゃないんだけど」
「なによ、それ。いい子過ぎて面白くない」と典子さんが冷ややかに言う。
「そんなこと言ったって、経験がないんだから仕方ないでしょ?」
「そうそう、典子、酔い過ぎだよ」。
母が薫さんをフォローした。
「なによ、千春!それなら代わりにアンタが答えなさい。歴代ナンバーワンの男、誰?」
典子さんが容赦なく母に迫る。

母は「えー」と濁そうとしたが、両脇から二人がわかりきったような顔をしている。
母は観念したらしい。
「もぉ、何度も話したでしょ?……澤田!」
その苗字が出た瞬間、典子さんも薫さんも「だよねーー!!」と、声を揃えて爆笑した。
「ごめんごめん、千春のこの話は定番だから、やっぱり言わせちゃった」
助けられたはずの薫さんも笑っている。
「ホント、毎回言わせるの、やめて」。
どうやら3人の間で、母はこの話をさせられるのはいつものことらしい。
すると典子さんが突っ込んだ。
「でも千春、口でした時はどうだったの?それはあんまり聞いてないわよ!」
典子さんの追及に、母はワイングラスの縁を指でなぞりながら、困ったような笑みを浮かべた。
「もう20年以上前だからなぁ。えー、うーん。顎が外れるかと思うぐらい口を開けたのと、がんばって根元までくわえようとしたら喉の奥に当たって、えずいたのは覚えてる」。
「うわー、いやらしい! で、味は? どんな味したのよ?」
典子さんが悪ノリする。
「バカじゃないの!味なんて覚えてないって!」母が吹き出しながら答えた。
「で? で? 入れた時はどうだったのよ!」
典子さんは止まる気配がない。
「もう、前にも話したじゃない!」
母は照れ隠しのように笑いながらも、その顔は完全に昔の記憶をたどっていた。
母が、昔の男との行為を、その男たるモノを思い起こしている。
「……だいたい、典子の言ったのと同じ感じかな。熱くて硬い肉の塊に、中の狭いところを強引にこじ開けられて、内臓を全部押し上げられるみたいな圧迫感で。奥の奥の、一番敏感なところをゴリゴリされて、足の指が勝手に丸まって……。ガクガク、痙攣、しちゃったの……」
母の口から紡がれる、あまりにも生々しい牝としての記憶。
オレは暗闇の中で、自分の股間がちぎれるほど勃起しているのを感じていた。あの、綺麗で、優しくオレを育ててくれた完璧な母が、得体の知れない『澤田』という男の巨大な肉棒に犯され、快感のあまり身体を痙攣させていた。その事実が、オレの脳髄を麻痺させるほどの嫉妬と、狂おしいほどの興奮を呼び起こしていた。

やがてお開きになり、
「もう典子ったら、調子に乗り過ぎよ」と薫さんが嗜めながら帰っていく声が聞こえた。
オレはベッドに横たわっても、まったく眠れなかった。
母の過去。オレの知らない、女としての『千春』。
もっと知りたい。澤田とは何者なのか。母はどんな顔で男に抱かれていたのか。
ふと、典子さんの顔が浮かんだ。
物心ついた頃から『親戚の陽気なおばさん』のごとく接してくれた彼女なら、オレのこの歪んだ欲望を笑い飛ばして、真実を教えてくれるのではないか。母の全てを知るであろう典子さんに、縋ってみようと思った。


[52] Re: 遍歴  土屋 :2026/08/26 (水) 23:57 ID:CYqzhIbE No.33125
古田の磐井様 カッツ様
お言葉ありがとうございます。続けます。


「ちゃんと見たいから、腕下ろそうぜ」
藤野が見せ物を求めるように言い、千春ちゃんはそれに従った。
「店員サン、どうかな?」
「あ、はぁ、もう、とても、似合っていらっしゃいます。これでしたら、競技を目指す選手たちのように質の高い練習をして頂ける品でございます。締め付けは苦しくございませんか?」
再び千春ちゃんに話が振られた。
「少し、窮屈です」。
「競技用ですから、そのような作りになっております。女性の身体を締め付けて、抵抗をなくすというものです」
後半は藤野に説明した。
藤野が満足そうに笑った。
「あとは、生地の薄さだな」
「その点は、パッドをご使用頂くのがよろしいかと存じます」
藤野が店員を一瞥した。
「違うよ、この生地と連れの相性が知りたいんだ。店員サン、どこに目がいく?」
「それは、あのぉ、全体のフィットを拝見しております」
「このまま人前で泳いで大丈夫かな?」
「あ、いえ、それは、ええ、その、お連れ様はお胸がとても豊かでいらっしゃいますので、やはりパッドを着けられた方が」
「千春、店員サンが、このままだと胸に目がいっちゃうって」
「いえいえ、決してそういうわけでは」
千春ちゃんは反応しなかった。
「店員サン、ちょっと、一緒に試着室に入ってさ、他のも含めて彼女の胸が主張しすぎないか、確認してくれる?」
「あ、いや、そんな。それはお連れ様がなさるのがよろしいかと」
「俺はさ、素人でしょ?わかんないんだわ。素人の判断ほど危険なことはないからね」
「いや、そう申されましても」
「千春は、どう?俺とプロの店員サン、どっちに確かめて欲しい?」

そこで急に、秀島は話を止め、オレに訊いてきた。
「君、興奮してきたでしょ?千春ちゃんは、何て答えたと思う?」
『いや、確認そのものを断ったか、藤野って言ったか、でしょうか?』
「答えはね、店員よ」
オレは言葉を返せない。
満足気に秀島が続ける。

私も予想外だった。
でも、全て明かすと決めた赤坂の店で、私に言った。

『もちろん、嫌だったよ。だけど、そのぐらいのことに怯んでたら身体を売るなんてできないから。それに…』

一度逡巡したようだったけれど、続けた。

『藤野くんに色々酷いことをされたけど、こんな恥ずかしいことまでさせられるんだと思ったら、くすぐられちゃって。終わりにする前、もう一度だけって思ったの。芽衣ちゃんをまた呆れさせちゃうよね』
「最後に堕ちたかった?」
『バカだって思うでしょ?』

呆れたし、理解できなかったけどね。でも、もう私は千春ちゃんがどうなるかには興味がなかった。藤野と別れるために、どれだけの泥水を飲んだのか、その一滴一滴を明らかにする方が面白いと思ったのよ。

千春ちゃんが同意したことで、店員は前向きになった。藤野は話を進めようとする。

「俺はここにいて、他の客が来たら知らせるから。店員サンは安心して仕事してくれればいいから」
「あの、本当に問題にならないのでしょうか?」
「ならないよ。こっちが頼んでんだから。千春も確かめてもらった方が安心だよな?」
千春ちゃんが頷き、藤野の思惑通りに二人が試着室に入ることになった。
藤野は付け加えた。
「千春、胸はお前のウリなんだからさ、どう見えるかは大事だからな。ちゃんと、好きなトコロを両方勃たせた状態にしてから確認してもらえよ」
水着姿の千春ちゃんが、50前後の男の店員を試着室に招き入れる。
彼女は自分でカーテンを閉めた。


[53] Re: 遍歴  カッツ :2026/08/27 (木) 23:44 ID:Paeuu6D6 No.33134
いやいやいや、店員さんとエロな展開になりましたね。
つづき期待し待っています。


[54] Re: 遍歴  土屋 :2026/09/02 (水) 13:17 ID:SjhjnVJY No.33167
カッツ様 いつもありがとうございます。続けます。


試着室の中で男に背を向けて、千春ちゃんは、水着の上から自分の両胸に触れた。
『すみません、こんなことお願いして。少し、待ってください』
店員に言って、指を立て、膨らみの真ん中の突起を転がすように刺激する。
だが、緊張しているのか、うまくいかない。仕方なく、彼女は水着の中に手を入れて直接触ることにした。
艶やかな漆黒の生地は、すぐに突起の存在を浮かび上がらせた。
千春ちゃんは振り向いて、店員に正対した。
『どうですか?…わかりますか?』
店員が、生地に押さえ込まれた膨らみを凝視する。
「…わかります。その、お胸の先端が浮かんでしまっていますので、やはり、パッドをお使いになるのがよいと思います」
『これは、パッドが必要ですね』

そんな風にして、3着を試した。男と数十センチの距離の中で、背中を向けて彼女は着替えた。自分で肩紐を外し、水着を太腿まで下ろし、両方の脚を抜くことを繰り返す。男がそうしたなら、千春ちゃんの後ろからの裸は、インナーショーツをのぞいてすべて見られたに違いない。

3着目も突起がぷっくり浮いていることを確認した後、店員が言った。
「すごく、ステキなお胸をしていらっしゃいますね」
『いえ、そんな』
「私も仕事ですのでお教え頂きたいのですが、ご一緒に確認しました三回とも、たとえばお連れ様との行為で高まった時と同じぐらい硬くされたのでしょうか?」
『え?あ、はぁ』
「本来もっと硬くなるようですと、評価が変わりますから」
上気した顔が歪んでいる。
『だ、大丈夫です。変わりないと思います』
「ということは、ご自身の指で勃たせながら、快感があったわけですね?」
『そんなこと…』
「お連れ様がお胸を刺激される時の、その弄り方を思い出しながらされたのでしょうか」
『違います。でも、た、勃ち方は同じです』
「そうですか、感度が高いのですね。ボリュームがあって感じやすいなんて、お客様を相手にしているカレシ様も大変だ」
『やめてください』
「あ、失礼しました。恋人のことに口を挟んではいけませんでした。大変、申し訳ございませんでした。最後に私が間違えてはいけませんので確認させてください。カレシ様が先ほど、お客様の好きな所を勃てるように言われましたが、それは、その、間違いなくお好きな部分を勃てられたということでよろしかったでしょうか?」

本当に、下卑た不用な問い。でも、千春ちゃんは「大丈夫です。好きな所ですって言っちゃった」って言ってた。
惚けたような顔をしてね。

千春ちゃんは、外の藤野に声をかけた。
『もう、いい?』
カーテンの外から返事がある。店員にあてて。
「店員サン、カットが際どいからさ、股の毛がハミ出る可能性がないかとか、最後によく確認してくれる?」
目の前の店員が、かしこまりましたと返事をした。男が立ち膝になり、千春ちゃんの股間に顔を近づける。
「失礼します。きちんと収まっていらっしゃいますね」
いくらカットが際どいと言ったって、まともな競技用なのだからそんなの当たり前なのにね。だけど、男は止まらなかった。
「お客様、ハミ出す可能性を確認するようにとのお申し付けでしたので、少し、生地を中央に寄せて頂けますでしょうか?」
千春ちゃんは無言で、言われた通り生地を摘むようにしてわずかに寄せた。ほんの数ミリ、覆われていたはずの肌が露わになる。
男がさらに顔を近づけた。臭いを嗅がれるんじゃないかって思うぐらいだったそうよ。
男は千春ちゃんの股間を見つめながら言った。
「お二人はお付き合いされて長いのですか?」
当然、千春ちゃんと藤野を恋人だと思っている。
「きっとマンネリで、このような遊びで刺激を得ようとされているのではないかと思いまして。お手伝いができているのならいいのですが」
男の顔はもはや得意げだった。
『いえ、そういうわけでは』
「もしもお役に立てるのでしたら、少し、こちらをマッサージいたしましょうか」
男が手を千春ちゃんの股間に伸ばそうとする動作を見せた。

『確認してもらったよ。大丈夫。いい?』

すぐさま千春ちゃんは外の藤野に声をかけ、店員には結構ですと伝えた。

「いま、大丈夫だ」
藤野の合図でカーテンを開け、店員を外に出した。
もう一度閉めて、千春ちゃんは元の黒いワンピースに着替えた。

藤野が店員に確認する。
「店員サン、どれが一番キケンだったかな?」
「最初のものが一番くっきりと、その、お連れ様の乳首の勃起が確認できましたので、これは絶対にパッドが必要かと存じます」
「わかった。じゃあ、これの青いのを買うよ」
「ありがとうございます。あと、パッドでしょうか?」
「あぁ、それは、きょうはいいや」
「はあ」
店員が藤野に小声で話した。
藤野が千春に言った。
「千春、店員サンがさ、これ、俺とベッドで楽しむために買うのかってさ」
店員が慌てる。
実は千春ちゃんも慌てた。自分の客と使うとは言えなかったから。
それで、『そうです』と返してしまった。
藤野が吹き出した。
店員は大喜びだったでしょうね。

この買い物で、千春ちゃんの準備は整った。あとは、その日を、待つだけだった。


[55] Re: 遍歴  カッツ :2026/09/03 (木) 01:54 ID:0kyqcSXI No.33170
店員さんいい思いできましたね。
千春ちゃんを母とする、息子の気持ちで読むのが一番ですかね。
つづきお待ちしています...


[56] Re: 遍歴  土屋 :2026/09/08 (火) 13:56 ID:I4FbiVG. No.33211
カッツ様 ありがとうございます。そのように読んで頂きますと、寝取られ的に味わえますでしょうか。


マッサージをさせなかった母への歯痒さから、オレの脳は妄想に支配されていた。

黒い競泳水着に締め付けられ、ハイレグの生地を自分で横にズラしている。あと1ミリで毛がはみ出すようなギリギリの状態。店員が、マッサージを提案する。頷きも、断りもしない母。
店員はそれを承諾と受け取り、母のアソコに触れる。最初は優しく、黒い生地を撫でるように。
「アッ」と声を漏らす母。
呼吸するようにソコが蠢く。
やがて店員の指が、生地を大きく片側に寄せると、母の秘密の毛が現れた。
店員は、その奥にあるワレメをなぞる。
「アン」
同時に店員は反対の手で、水着よ表面に浮かぶ胸の突起を弄る。
「クアッ」
声を出した母は上気して、自分の身体に起きている事態を見下ろしている。
「乳首はカチカチなのに、下はヌレヌレですね」
店員は笑うと、指の先端をワレメの中に侵入させた。
「アアァ」
母は喘ぎ、だらしない顔を晒す。

誰もが認める能力と美貌を持ち、華やかな業界で活躍する期待の若手だった母が、数分前に会った名前も知らない男に簡単に陵辱を許してしまう。

男が笑みを浮かべ指を何度か出し入れする。
「アアァ、そんなこと頼んでないのにぃ」
母のアソコから、透明な粘液が伝い落ちてきた。

母が感じている。屈辱的な仕打ちを喜んでいる。なんて穢れた罪深い女なんだろう。

「コーヒー、おかわりは?」
秀島の声で、オレは現実に引き戻された。
『あ、いただきます』
秀島がカップを二つ持って席を立つ。

藤野と店員によって母が踏み躙られたことは、オレに新たな欲情しかもたらさなかった。
競泳水着を着せられた若い頃の母の姿を思えば、悔しさや怒りなど昂りの前に散ってしまった。
母は自分を買った男にどう扱われたのだろうか。
それが攻撃的で残酷なものであることを期待してしまっている。
我慢汁が洪水を起こすのは、きょう何度目だろう。

「君さぁ」
給湯室だろうか、奥から秀島に声をかけられる。
『はい』
「君は千春ちゃんとセックスしたいわけ?」
『は、はい?』
「母親の卑猥な話に夢中で、その母親を抱けたらうれしいんじゃないの?」
『いや、それは、それはないです。本当に』
秀島なりのジョークか、悪ふざけなのだろうか。まったく読めない。そして、笑えない。

秀島がカップを二つ持って戻ってきた。
はい、と言ってカップを渡される。
「母親のいやらしい話は好きだけど、母親といやらしいことをしたいとは思わないわけだ?」
『そ、そうですね。そうです』
ほんの一瞬、秀島の目線がオレの股間をとらえた。
「ふーん。複雑ね、男の子って。…さて、クライマックス、かな」
オレの喉が鳴った。
『お願いします』

蒸し暑い夏の土曜日の夕方、彼女は身支度を始めた。姿見の前に立って裸になると、曇りのない身体を見つめた。あすになれば、穢れたものになっているそれに別れを告げような気持ちだったそうよ。

気がつくと、藤野が戸を開けてのぞいていた。
『なに?』
「そうツンケンするなよ。昨夜だって、あんなに愛し合ったじゃないか」
『わかってるよね?今夜のことが終わったら、必ず出て行ってもらう。そして二度と私の前に姿を現さないで』
「わかってるって。その代わり、ちゃんと客を満足させろよ?満足させなきゃ大した金にならない。それじゃ、俺は出て行けない」
『藤野くんは私とシて、満足できなかったことあった?』
「あ?」
『同じようにするだけよ』
藤野は投げやりに笑った。

オレは、別れの直前まで母が藤野とヤッていたことに引き付けられた。
『あの、母は前の日も藤野に抱かれていたんですか?』
「君ぃ、今話し始めたところなのに」
『すいません。なんだか、意外で』
「理屈と愛は別だけど、愛と快楽も違うってことよね」
母は、藤野との快楽に抗えなかったということだろう。

秀島が話を続ける。

千春ちゃんは青い競泳水着を着て、その上からベージュのストッキングを履き、中が透けないよう、紺のワンピースを着た。半袖のAライン。シャツのような襟付きの前開きで、同色ウエストをリボンで締めている。そこから足元へ優雅に裾が広がっていた。
「千春、似合ってるよ。今からでも、もう一回ヤリたくなるな」
『もう十分。だいたい、またグシャグシャにされた身体じゃ、お相手が嫌がるでしょ?』
「それもそうだな」

オレは再び聞いてしまう。
『母が、そう言ったんですか?』
「また?そうよ、間抜けなセリフだから覚えてるわ。藤野を忌み嫌いながら、藤野が最高って言っているようなものじゃない」
母の中に、それほど藤野が侵蝕していたということか。あるいは、母がそこまで差し出したということかもしれない。

話すのか、どうするのかと秀島に問われる。
オレは詫びて、改めて続きを求めた。

二人は1年余り共に過ごした千春ちゃんの部屋を出た。
都心の高級ホテルで、千春ちゃんは一晩男に身を売り、藤野は別の部屋で待機する。
次の日に、千春ちゃんが受け取ったお金を藤野に渡し、部屋の鍵を取り返して永遠に別れる。
そういう算段だった。

ホテルに向かう途中、藤野が言った。
「千春はきのうも随分感じてたけど、今夜は俺とヤルみたいな快感はないだろうな?」
『そんなの、どっちだっていい。私もう、男に感じさせて欲しいなんて、人生で思わないと思う。本当に、終わりにするの』
「そりゃもったいないな。それじゃ、お前がセックスでイクの、きのう、俺にまたがって叫んだのが最後ってことになるぜ?いいのかよ?」
『構わない。昨夜のあれが最後。もうそれでいいの』

投げやりだったのか、達観だったのか、その覚悟が悲壮なものであったことは間違いなかったでしょうね。
でも、こういう時に神様のイタズラは起きるのよ。着いたホテルのロビーで、千春ちゃんは声をかけられたの。
「水野さん」て。


[57] Re: 遍歴  古田の磐井 :2026/09/08 (火) 16:40 ID:wbErJ3hI No.33212
次なる展開を楽しみにしています。

[58] Re: 遍歴  カッツ :2026/09/08 (火) 22:14 ID:pMHg.Two No.33217
千春ちゃん覚悟を決めたんですね、しかし
そう思うようには行かないのが人生。
さらに落ちて行くのかな?つづきお待ちします。


[59] Re: 遍歴  一寸法師 :2026/09/09 (水) 11:55 ID:H8W0TkA. No.33219
思わぬ展開になっていて驚きました。
関係を切るためには売春も辞さない千春さんは追い詰められたのですね。
引き続きよろしくお願い致します。


[60] Re: 遍歴  土屋 :2026/09/11 (金) 12:45 ID:lK1GM6X. No.33230
古田の磐井様 ありがとうございます。お言葉を励みに続けていきます。
カッツ様 いつもありがとうございます。引き続き読んで頂けますとうれしいです。
一寸法師様 ありがとうございます。楽しんで頂ければうれしいです。


聞き覚えのある声に振り返ると、会社の一つ下の三橋沙和がいた。新人で配属されたばかり。千春ちゃんの直属ではないけど近いところにいる後輩だったはず。
沙和はそれこそ美人でね。読モ出身の目立つ新人だった。気が回るタイプで、私たちの期の千春ちゃんと引き合いに出す人もいた。ただ違ったのは、彼女は表と裏を使い分けることができて、それを隠そうともしなかったことね。
そんな子と、藤野とホテルにいるところで出会したのよ。

千春ちゃんは内心焦ったけど、取り乱す訳にはいかない。沙和が藤野を見たのがわかる。品定めする目だったって言ってたわ。
「はじめまして、水野さんの会社の後輩の三橋沙和と申します。いつもご指導頂いていて」
彼女は藤野を千春ちゃんの彼と判断したのだろう、完璧な感じのよさであいさつした。
「ああ、そりゃどうも。けど俺は水野とはそういうんじゃないんだ。ただの大学のダチでね。これから仲間と合流するとこなんだ。水野、遅れちゃうから行こう」
『そ、そうなの。ごめんね、沙和ちゃん。また、会社でゆっくり』
藤野が誤魔化してうまく切り抜けた。
でも、千春ちゃんはこの時、心を抉られていたみたい。

『沙和ちゃんね、彼氏連れだったの。いかにも沙和ちゃんが好きそうなエリートって感じの人。私に声をかけた彼女を見守って、こっちにも気を遣いながら後ろで佇んでた。私ね、沙和ちゃんは自分に見合う人を選べるんだって思った。それができたら、私だってこんな風になっていなかったのにって、思っちゃった。だって藤野くんを見てから私を見た沙和ちゃんの目、憐れむようだったんだから』

千春ちゃんの敗北宣言だったわ。味わい深い言葉のはずなのにね、同期としては、下の子にやられたっていうのが情けないったらありゃしない。

「でも、藤野が誤魔化してくれたんでしょう?」

『藤野くんにね、なんでうまく言ってくれたのか聞いたの。動揺されてお客へのサービスに影響が出たら困るからだって』

年下の女が上手に生きていて、順風満帆だったはずの自分が他人に商品として売られるまでになっている。千春ちゃんの、自分への失望と言ったらなかったでしょうね。
数分後、千春ちゃんと藤野はホテル上層階にあるスイートルームの前に立ったのよ。

オレは、その時の母と自分の知る母との落差に悶えていた。
三橋沙和が大切な人と愛を確かめ合う同じ建物で、母は、愛とは無縁の、肉欲に捧げるためだけの時間を迎えようとしていた。
オレの知っている母なら、理路整然と不条理を訴えてその場を離れるはずだ。
それなのに、オレの描いている像をことごとく裏切っていく。でも、それがたまらない。もっと汚く穢れて欲しい。そのどん底の到達点が明らかになるまで、もう少しだ。

秀島がオレを一瞥して、続けた。

部屋に入ると、男が出迎えた。客本人ではなくて、その付き人のようなものだったんじゃないかしら。客は富裕層のはずだから、秘書か執事か、そういう役目の男かと聞いたわ。

「…うん、そうかも。そんなようなものだったかも」

千春ちゃんの返事は曖昧だった。
藤野が会釈して広い部屋を奥に進むと、見たことのある男が立っていた。

「やっぱり知っている人だったのね?」
『うん、…夜の仕事で、会ったことがあった。経営者たちのグループのリーダー格みたいな人で。後輩の起業家たちに慕われていて。私はその人の隣に座らされて。紳士だなって思ってた』
「何歳ぐらい?」
『それね、うん。50代かと思っていたんだけど、68だった』

男は千春ちゃんを見るなり、眉の濃い顔を綻ばせて言ったらしいわ。

「アイ、来てくれてうれしいよ」

私は「アイ」という名に引っかかった。

『私ね、夜の仕事の時、アイって名前使ってたの。だから、よろしくお願いしますって言った。そうしたら、今夜は千春だな、って』
「藤野、しゃべったのね」
『下の名前だけだったみたいだけど。藤野くん、すぐにお金のこととか、サービスの内容とかの確認を始めてね。なんだかマネージャーみたいだった。作家やら女優なら悪い気はしないのかもしれないけど、私は藤野くんに売られるんだってよくわかった』
「本当に酷い、千春ちゃんの目の前で。それで、それからどうなったの?」
『藤野くんが出て行って、それで、始まったの』
「あれ?付き人は?」
『…もう一人の人は、隣の部屋にいた…のかな。私たちはベッドルームに入っちゃったから、ちょっと…わからないかも』
「そう。隣にいるなんて。嫌よね。色々聞かれてしまうでしょう?」
『あ、うん。そうかもね。そうかもしれない』
「声出ちゃっただろうし、色々な音だって、聞かれたくないわよね?」
『それはそうなんだけど、もう気にしていられなくて』
「お客を相手にするって、どういう感じでするの?」
『それは、普通よ。うん、普通。相手に合わせて、普通にするの』

千春ちゃんの恥を抉り出したい私からすると、答えはどれも芯を掴めないものだった。

「ちゃんと身体の準備ができるように、してもらえたのかしら?」

そこで、千春ちゃんは困った顔をした。

『ねぇ、芽衣ちゃん。私、あの時のこと、何もかも話さないとダメかな?ちょっと、あまり具体的には思い出したくないかも』
「あ、そうよね。ごめん、気になって色々聞いちゃって。千春ちゃんがどんな戦いをしてきたのかなって」
『いいの。芽衣ちゃんには話すって決めたから。でも、ちょっと、ごめんね』

私は諦めざるを得なかったが、気まずさからか、彼女が自分から話し始めた。

『最初にキスしながら服を脱がされて。いきなり格好悪かったんだけど』
そう言って笑った。
『私、水着の上からストッキング履いていたから、ちょっとおかしなことになっちゃって。水着とストッキングなんて一緒に着ないから、ダメね。脱ぐように言われて、それで、水着だけになったの』
「ねぇ、その客の男は、なんで千春ちゃんに水着を着せたのかしら?」
『シュミだって。生地の手触りで肉を感じたいとか、女の身体が締め付けられているのが好きなんだって。とにかく、悦んでいた』

男の欲をわかるとは言わないけど、そういうシュミなら、千春ちゃんの身体は最高だったでしょうね。

「千春ちゃんは、その人とシて、嫌なら言わなくていいのだけど、気持ちよくなれた?」
『うん。大丈夫。私も、気持ちよくなれたよ。その…イカされたし。』
「オーガズムがあったのね。よかったわ」
『だからね、私が最後にイカされた相手、藤野くんにはならなかったよ。藤野くん以外の人と、ちゃんとイッたの』
薄暗い個室で、千春ちゃんの顔は晴れやかで歪だった。

秀島が深く息を吐いた。

「私が知っているのはここまでよ」

「え?」
オレはこれから興奮が昇り詰めようというところで突然天井にぶつかった気がした。
この物足りなさは生殺しだ。
母の行った身売りのディテールが圧倒的に足りない。

「あの、その、他に、何かその時のことで言っていたことはないんでしょうか?」

秀島の目が一瞬で冷たくなった。

「何か、不満?」


[61] Re: 遍歴  カッツ :2026/09/11 (金) 22:33 ID:/xWVgiN. No.33235
私も大いに不満ですね、売られた身体千春ちゃんの様子が知りたい。
富裕層の叔父様の女として飼われてしまうのか??? つづきが待ち遠しい。



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・この掲示板は体験談や小説、エロエロ話等を楽しんでいただくための掲示板ですので、募集を目的とした投稿は厳禁です。(即時削除)
・投稿文冒頭から「メールをください」等の記載がある等、明らかに募集目的のみと思われる投稿も厳禁です。(即時削除)
・ただし、レスの流れの中でメールのやり取りをするのは全く問題ありません。
・ご夫婦、カップルの方に限り、交際BBSと組み合わせてご利用いただく場合は、全く問題ありませんのでドンドンご利用ください。
・なお、交際専用BBSにスレッドを作成できるのはご夫婦、カップルの方のみですのでご注意ください。
・お手数ですが、交際専用BBSと画像掲示板とを組み合わせてご利用いただく場合は、必ずその旨を明記してください。
 【例】「交際BBS(東・西)で募集している〇〇です」、または「募集板(東・西)の No.****** で募集している〇〇です」など。
・上記のような一文を入れていただきますと、管理人が間違ってスレッドを削除してしまうことが無くなります。
・万一、上記内容に違反するような投稿をされた場合は、妻と勃起した男達の各コーナーのご利用を制限させて頂きますでご注意ください。
・当サイトは安全で安心できる楽しい「大人のエロサイト」です。腹を立てるのではなく、楽しくチ●ポを勃ててくださいネ!