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今昔物語・後日談

[1] スレッドオーナー: 直樹 :2025/09/30 (火) 12:48 ID:xobZ0WRY No.204184
【新・今昔物語】のタイトルで投稿していました直樹と申します。
そこでは、昨年4月末に学生時代の同窓会に出席た折、
現在もつき合いを続けている仲間たちから妻(も同級生です)の不倫を噂されたことから、
帰宅後、妻を矯つ眇めつした経緯を投稿しました。
同窓会の宴席から帰宅後の寝室の会話までの、わずか6時間ほどの出来事を記しただけなので、
内容としては盛り上がりに欠けていたし、自身の評価も40%でした。
しかしこの体験は、おぼろ気だった私の願望を明確にしましたし、
妻にとっても必要な経験だったと感じています。

前回投稿の最終話でも記述しましたが、
今期の仕事の目どもつきましたし、来期の予算会議も終えました。
拙い文になりますが、再び昨年5月以降の私たち夫婦の日常生活を記したいと思います。

なお、私は確かに寝取られには違いないのですが、
不倫した妻が相手に溺れて家を出て、
男の所有物になって欲しい、というような願望はありません。
それはそれで読み物としての刺激はあるでしょうが、
実際にそうしたことが起これば穏やかではいられようはずがありません。
まず家庭が優先で、それでいて心を惑わすような行為や行動をする妻に
強い愛情を感じていますし、そんな日常を記したいと思います。


[2] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/09/30 (火) 12:50 ID:xobZ0WRY No.204185
出席した同窓会から帰宅した夜、私は妻と肌を重ねながら、
友人たちから聞かされた情報と私の推測を交えて、いろいろと聞き出した。
妻は広瀬と永田との不倫を認めて、とつとつと告白し始めた。
やがて、告白すること自体に興奮したように、
妻は普段滅多に口にしない卑猥な言葉を上げ、私の興奮を一段と煽ってきた。
しかし、快感の極みに昇りつめた後、
「不倫なんてしてないよ」
と妻は言い、挙句に、
「盛り上げるたっめに言ったのよ」
と囁いた。
そうして翻弄された私だったが、演技とはいえ強烈な昂りを見せた妻の胸中の深い部分に、
不倫への期待があるのだろうと感じた。

実際、同窓会以降の日常生活の中には、以前と違う妻の仕草や態度が垣間見られるようになった。
季節柄、肌の露出が増す衣服を着始めたが、
ふと気づくと、ブラウスの襟元がくつろぎ過ぎていたし、
部屋着ではジーンズを多用していたのに、スカート着用が増えたのも以前と変化していた。
半袖の両腕を上げて後ろに結んだ髪を直すとき、白い腋を見せるのも故意に感じたし、
シンクの上の棚に腕を伸ばすとき、私に向けた後ろ姿はピンと張った太腿や
脹脛の艶めかしさを見せつけているように感じた。

私の気を惹くために、妻がそうした手を用いるのを否定しないし、むしろ歓迎する。
同窓会から帰宅した夜の寝室で、不倫を否定したり肯定したり辻褄の合わない告白は、
そうした手の一つかとも思えた。
妻の告白で、胸中に息づく願望を刺激されたのは事実だし、語る妻も興奮していたのだろうと思う。
妻の胸中の深いところにも或る種の願望が潜んでいるかもしれないと感じた私は、
それがいかなるものかをどうしても知りたくなった。
そして、思いを巡らせた結果、久し振りの食事デートを提案した。


[3] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/09/30 (火) 12:54 ID:xobZ0WRY No.204186
昨年の5月下旬は、まだ梅雨でもないのに数日おきにすぐれない天気が続いた。
しかし、妻を連れ出すために計画した食事デートの金曜日はあつらえたような晴れ模様で、
私は定時になるとそそくさと席を立ちって帰宅した。

帰宅すると、すでに帰宅していた妻は化粧を終えていた。
「レストランの予約、7時半でしょ?
あなた、早くシャワー浴びて」
急かせる妻に、
「服は僕が好みのワンピースだよ」
と念押ししながら浴室に向かった。
そして、烏の行水のように手早くシャワーを浴びた。

浴室から寝室に入ると、妻は私が指定したワンピースを着て、姿見の前に立っていた。
妻は、姿見の中の私を見て、
「ねぇ、このワンピ、丈が短すぎるよ。他のじゃダメ?」
と、言った。
「だめ」
と私は即座に答えた。

指定したワンピースは、グリーン掛ったオフホワイトのミニワンピだった。
ニットなので身体のラインが浮くし、丈も膝上15センチほどだから脚は露わで、
襟がV字なので首筋から鎖骨辺りまでの肌が覗けていた。
妻のクレームも、まぁ妥当と思う。
このミニワンピを着た妻が広瀬や永田と街を歩いてい居る姿を目撃すれば、
私だって慌てると思う。

しかし、妻のクレームを受け入れるわけにはいかない。

「短いけど、脚のラインが綺麗だから大丈夫。僕は鼻高々だよ」
「イヤだぁ、もぉ。階段とか、危ないよ、ほんとに」
「隠すテクがあるじゃないの。そろそろタクシーが迎えに来るよ」
強引に促し、妻の尻を軽く叩いて寝室を出た。

この日のデートは久し振りに豪華なレストランで食事をするのが目的だったが、
併せて、妻の魅力的な姿を晒すのも目的の一つだった。
身体のラインに纏わりついたニットのミニワンピース姿の妻は、
必ず行き交う男たちの熱っぽい視線を浴びるだろう。
視線を浴びる妻の様子や、表情から窺える感情を私は読み取りたかった。

最寄りの駅で在来線に乗り、二つ先の県庁所在地の駅で下車した。
南口から徒歩5分のシティホテルの最上階のレストランで、
夜景を楽しみながらフレンチを食べた。
好みのワインを飲んだ妻は頬をほんのり紅く染めていた。
焼きたてのクレープに冷たいクリームを巻いたデザートが運ばれた後、
おとなしかった妻は再びクレームの続きを言い始めた。

「ねぇ、どうしてこんな服着せたの?」
と静かに言ったが、目は私を睨んでいた。
「魅力的だろ、一緒にいて鼻が高いよ」
妻は少し俯き、やがて顔を上げると、
「男の人がイヤらしい目で見てたよ。
駅降りてからホテルに上がる階段までつけて来た男に気づいてた?」
「ああ、知ってるよ。あいつ、興味津々って感じだったなぁ」
「もぉ……」
「見えちゃった?」
「見えないと思うけど……」
「いや?」
「当り前じゃない!」
思わず大きい声になって、妻は慌てたふうに周りを見回した。
「どうして?」
「どうしてって、わかるでしょ、そんなこと」
声を抑えて妻は言った。
「見ず知らずの男、だから?」
「そうね」
「知ってる相手ならOKなんだ?」
「……意地悪ね」

そこで一息ついて、私は言った。
「魅力的な美穂を見せびらかしたいと思ってさ。
そのワンピ、美穂の魅力を見せるのに最適だよ」
「さっき、ボーイにも見られたわ」
「う〜ん、仕事中なんだから、それはマナー違反だな」
「あなたは、見られても良いの?」
「美穂みたいな美人が脚や胸元を見られるのは自慢して良いと思うよ。
そうじゃない女性の方が多いんだから」
「変態ね」
「そう? いや、実にエッチな気分だよ」
「そうなの?」
「家に帰ったら、どうしようかって考えてるし」
そう言うと、妻は小声で、
「スケベッ」
と、罵った。
妻に、スケベと罵られるのは気分が良いものだ、と思いつつ、
「久し振りのデートなんだから、もう少し付き合ってほしいな」
「なにを?」
「ここを出たら、少し散歩しよう」

そう言って、私は妻を促して席を立った。


[4] Re: 今昔物語・後日談  還暦じいじ :2025/10/01 (水) 14:03 ID:QkckdxaQ No.204210
お帰りなさい。早い復帰ありがとうございます。
これからも平穏な『日常』報告を楽しみにしています。


[5] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/01 (水) 19:09 ID:vCEtdDsk No.204217
復帰ありがとうございます。
奥様の告白か演技かは微妙なところですが盛り上がることには変わり無し!
直樹さんを焚き付けるためと言いながら奥様自身も没入していたようでとても熱い夜になったようですね。
それからの奥様は魅力的にお誘いが増したみたいで羨ましいです。

美脚がミニワンピから伸びていれば、もうついていくしかないですよね。
見えそうで見えないあの焦らしが奥様で行われているのなら、尚更です。
続きが楽しみになりました。
これからよろしくお願いします。


[6] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/02 (木) 09:30 ID:qSHjoKKc No.204229
還暦じいじさん、ジゼルさん、こんにちは。
早速のお便り、ありがとうございます。感謝します。

思ったより期末時期の仕事が順調に進みました。
復帰できるのは10月半ば辺りかなと漠然に考えていましたが、
2週間ほど早く戻れました。

そして、早速投稿したのですが、何を勘違いしたのか、
タイトルを間違えました。
前回のタイトルは【新・今昔物語】ですから、
今回は【新・今昔物語 後日談】にすべきものを
【今昔物語・後日談】にしてしまうという失態をしました。
訂正しようと思いましたが、
ご理解いただける方には分かるだろうとおもい、そのままにしました。

後日談では、昨年4月末に催された同窓会で仲間から聞かされた妻の不倫疑惑から
現在までの状況ですから、記すことが多々あります。
細々になるとは思いますがお伝えしますので、
またご感想なりをいただければと願っています。


[7] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/02 (木) 09:36 ID:qSHjoKKc No.204230
妻と私は県庁舎の東に堀で囲まれた広大な中央公園へ向かった。
公園は市民の憩いの場だが、金曜日の午後9時過ぎだから家族連れの姿はない。
公園の中央にはなかなか見応えのある噴水が設置されているが、
その周囲は街灯が点いているからだろうか、ベンチはあるが人の姿は疎らだった。
噴水から堀まではかなりの幅があり、その間の遊歩道脇にはコナラやクヌギ、
山桜やヤマモモなどの樹木が鬱蒼と繁っていた。
遊歩道にも何メートル置きかに水銀灯が点っていたが、
その明かりを避けた暗がりのベンチにはカップルが何組も座っていた。

公園の県庁舎口から公園に入った私と妻は、そうしたカップルを横目に見ながら
南側に位置する和風庭園区域に向かった。
ここでも街灯の明かりを避けたカップルたちが数組いた。
「みんな、こんなところで話をするんだ」
肩を並べて歩く妻が小声で言った。
「ムードを作って、それからってことじゃないの」
私が言うと、
「へぇ、そうなんだ。経験あり?」
と、妻が仕返しのように言った。
「学生の頃、美穂とここを歩いただろ」
「わたしとだけじゃないでしょ」
「いや、美穂だけだよ、僕は」
「へぇ〜、そうかな?」
そんな掛け合いをしてから、
「美穂、僕は向こうの歩道を歩くから、美穂はこっち側をゆっくり歩いて」
「え、なに?」
妻から離れた私は遊歩道の向こうに移った。
立ったまま私を見つめる妻のスマホにつなぎ、
「ちょっと遅れて歩くから美穂はスマホをつないだまま、ゆっくり歩いて」
と伝えると、渋々といった感じで歩き始めた。
私は10メートルほどの距離を開けて歩き出した。
街灯の灯りが妻の美脚をゆらゆらと照らしている。
踵の高いヒールが長い脚を引き締めて見せ、
自分の妻ながら見つめてしまった。

つないだままのスマホに、
「美穂、素敵なスタイルだよ。
ちなみにさ、今、どんな下着なの?」
と、話し掛けた。
「え? やだぁ、もぉ」
「ハイレグ? ビキニ?」
ときくと、
「丈が短いからTバックよ……」
「丈が短いからTバックなの?」
「見えにくいでしょ」
「だけど、生尻見えちゃうだろ?」
「なに言ってるの、もぉ」

そんな会話をしていると、20メートルほど先に、
30代半ばに見える二人の男がこちらへ歩いてくる姿が認められた。
濃い色の衣服を暗がりに溶け込ませて、男たちはベンチのカップルたちを
窺いながら歩いている。

「ねぇ、男の人二人、歩いてくる」
妻はすぐ反応した。
「大丈夫さ。なにかあったらすぐそっちへ行くよ」
「でも……」
「大丈夫、信じて。彼らを見つめて」
「イヤよ」
「少し微笑んだ方が良いかな」

ちょうど街灯と街灯の中間位置だったのではっきり見えなかったが、
妻の顔が男二人に向いているのはわかった。
男達と妻は近づきすれ違い、すれ違った後、男たちは何やら言葉を交わしていた。
思ったより齢がいっていた。
一旦立ち止まるかのように感じたが、そのまま二人は歩いていった。

「振り返ったよ、あの二人」
「やだ、こんなことさせないで」
「スリルあっただろ?」
「あなたは、どうなの?」
「興奮してるよ。あの二人、美穂の裸を想像したと思うよ」
「バカっ! 変態っ!」
「美穂はなにを感じた?」
「イヤらしい視線」
「そうだよ、男なら美穂の姿を見て催さない奴はいない」
「まだ歩くの? もうそろそろ出口よ。繁華街に出るわ」
「繁華街に出て駅まで歩こう。ちゃんと見てるから大丈夫だよ」

妻が先に公園出口を過ぎ、遅れて私も後ろを歩いた。
繁華街といっても、賑わう繁華街を外れているから道幅は狭くなり、
閉店前の店が並んでいて、この時間帯だからか、若い男女が多かった。
しかし、その中でも妻のワンピース姿は充分目立っていた。
誰かが声を掛けるかと考えたが、それはなかった。
そして、そのまま駅のコンコースに入った。


[8] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/02 (木) 09:38 ID:qSHjoKKc No.204231
コンコースは妻と並んで歩いた。
「イヤだったわ」
妻はすぐ、恨みっぽい口調で言った。
「ごめんごめん。でも素敵だし魅力的だったよ。美穂の後ろ姿」
「変態の度合いが強くなってない?」
「そうかな? さあ、帰ってゆっくりエッチしよう」
「……もぉ」

10時半前の電車に乗車した。
乗った箱は客が少なく席が空いていた。
妻に若い男の子の正面に座るよう、私は耳打ちした。
「僕はここで立ってるから。彼にサービスしてみたら」
「イヤよ」
「頼むよ。久し振りのデートなんだから」

仕方なさそうに、妻は言われたとおりに男の子の正面に腰掛けた。
さすがに緊張しているのだろう、座り方がぎこちなかった。
男の子は高校生だろう。
頭が丸坊主だから野球部か柔道部か、身体が大きくてがっちりしていた。
スマホを見ていた彼が妻の姿に気づいて、瞬間目を逸らし、
その後は窺い見るように視線を妻の膝元に動かした。
妻は剝き出た太腿の上にショルダーバッグを乗せてガードしていた。
時折、正面の男の子を睨みつけるような目をしていた。
しかし、彼は臆することなく、妻の下半身に視線を集中していた。

そのまま時間過ぎ、次の駅で数人が降り、数人が乗ってきた。
そのうちの中年男が妻の姿に気づいて、男の子の隣に座った。
中年男と若い子、二人の視線が妻の下半身に集中し固定していた。

5分ほどが経って次の駅に電車は停車し、妻が降りた。
私は一つ横のドアから下車して、妻の後を追った。
前の駅で乗車した中年男も降りて、
小走りに妻の後を追い、数メートルに距離を縮めた。

跨線橋前で振り向いた妻は中年男の存在に気づいて、
階段前でスマホを取り出した。
ジャケットの内ポケットで振動したスマホを掴みだして耳に当てた。
「ね、いやらしそうな男がいるわ」
「追ってきたかな」
「助けてよ」
「大丈夫。さぁ、階段を上がって改札を出よう」
「ダメよ。ここ階段が急だから見られちゃう」
「Tバックだから大丈夫だろ」
「これだけ急だから見られるよ」
「大丈夫、見られるだけだって。なにかしようものなら取り押さえるから」

階段下から妻が私を睨んでいる。
しかし、諦めたようにスマホをバッグにしまって階段を上がり始めた。
手前で、同じように電話をしている振りをしていた中年男は、
そんな妻を一瞥して階段に向かった。
私もすぐその後を追った。

中年男の頭越しに妻の下半身を見上げる形になった。
翻るワンピースの裾から股間に食い込んだTバックが見えた。
当然尻の肌は丸見えで、それは何ともエロチックな光景だった。

妻は足早に跨線橋を渡り改札を出て、自宅方面の階段を下りていた。
中年男は改札を出ず、もの惜しそうな表情で立ち止り、時刻表を見上げていた。
そして、中年男は重そうな足を引きずるようにホームに戻っていった。


[9] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/03 (金) 10:10 ID:V5BZ/5Xg No.204262
まだ梅雨入り宣言はなかったが、ほぼ一日置きの雨模様だった。
6月半ば、日帰り出張から帰宅し、着替えてからリビングに入ると、
半袖シャツを肩まで折り上げたエプロン姿の妻が背を見せたまま、
「3時頃、広瀬君から電話があったわ」
と、妻が言った。

同窓会に出席した夜、宴席での様子を話して以来、
永田や広瀬彼らのことは話題に上がらなかった。
かといって、ほぼ常に頭にわだかまっていた疑念だから、
広瀬からダイレクトの電話があったと聞かされた私は充分に驚いた。

「へぇ、そうなの? なんだって?」
私は平常を努めながらダイニングの椅子に腰を下ろしてから尋ねた。
妻は、私の好物の辛口の麻婆豆腐を大皿に盛りつけながら、
「土曜日の昼、食事に出られないかって」
と、淡々とした口調で言った。
「あぁ、そう。美穂、パートは休み?」
「土曜は休みよ」
「そう。行ってくれば?」
「行っても良いの?」
「美穂がイヤなら別だけど。行きたくないの?」
食卓にあれこれと並べ終えた妻はエプロンを脱いで席に着いた。
エプロンの下に着ていた半袖シャツのU字の襟刳りは深く、
胸の谷間が覗けていた。
妻は私の視線を無視して、
「イヤじゃないけど、あなたがイヤかなって?」
私と自分のグラスにビールを注ぐと顔を覗き込んできた。
襟から窺える胸の谷間をチラチラ見ながら、
「僕はかまわないよ。だって昼飯だろ?」
と、気もそぞろに言った。
「うん」
「昼飯の後、ホテルに連れてかれる?」
「バカね、なに考えてるの」
「じゃあ、断る理由なんてないだろ?」
「そうね……。何の話かなって……」
「そりゃ、話してみなけりゃわからないだろ」

箸を動かす間、言葉が途切れ、ビールを一口飲んでから、
「あなたの口振りだと、広瀬君と会わせたいみたいに聞こえるけど」
妻はそう言って首を傾げた。
「そんなことないさ。それとも、美穂の方がなにか疚しいことでも?」
「疚しいのはあなたじゃない?
この間のデートだって、恥ずかしい格好させたり、
公園でも帰りの電車でも覗かせようとしたじゃない」
「いやいや、綺麗な美穂を自慢したかったし、男が綺麗な女を見たいのは自然だろ?」
「なにが自然よ、イヤらしい」

どうも穏やかでない雰囲気だ。

「まぁ、でもさ、彼と会うのは久し振りなんだろ? 行ってくれば」
「そうね」
「いきなりキスされたりはしないだろ?」
「それはないと思うけど・・・」
「・・・思うけど、なに?」
「口説かれるかなって」

妻から具体的に起こりそうなことを聞いて、私は変に欲情した。
「そう。美穂が帰ったら、そのあたりをじっくり聞きたいな」
「ほんとにイヤらしい人。変態じゃん」
まだ聞きたいことも、言いたいこともあったが、
口は禍の門という格言を思い出して私は口を閉じ、その話題を打ち切った。


広瀬に誘われた妻が昼食をする土曜当日………。
半日出勤の予定が延びて、私は午後4時頃に帰宅した。
玄関ドアを開くと、すでに帰宅していた妻が、
「おかえりなさい」
と声をかけてきた。
「帰ってたんだ。早かったね?」
廊下に上がりながら言うと、
「あら、もっと遅かった方が良かった?」
部屋着に着替えていた妻は、どこか挑戦的に答えた。
「いや、そうじゃないけど」
「じゃ、どういう意味?」
「久し振りに彼と会って食事したんだから、楽しめたかなって?」
「楽しめたかって、エッチしたかってこと?」
「だからさ、昔話ができたかなって」
「そうね、昔話はしたわよ」
「うん、それは良かった」
「広瀬君が話したかったことも聞けたし」
「ふぅん。で?」
「街中のレストランで食事して、地下街の喫茶店で彼の話を聞いたわ」
「そう」
「彼、なにを話したか聞きたい?」
「聞きたいね」
「あなた、同窓会で広瀬君とわたしが関係してるって聞かされたでしょ?」

同窓会から帰宅した夜、広瀬が妻と不倫していると永田から聞かされたことを
私は妻に話さなかった。
それは妻への疑念だったし、情報の入手について多くを話したくなかったからだ。
「えぇと、聞いたかなぁ」
私は惚けてそう答えた。

「あなた、話さなかったけど………」
「そうだな、言わなかったような気がする」
「永田君がそう話したっていうじゃない」
「いや、ちょっと待って……。
永田の話じゃ、えぇと、広瀬が美穂とエッチしてるってこっそり話してきたって」
「やっぱり聞いてるじゃない」
妻はキッとした目で私を睨み、
「そんなことないから、広瀬君、迷惑がってたし、わたしに迷惑掛ったら申し訳ないって」
やや興奮した口調で一気に言った。

同窓会が宴たけなわになる前、永田は広瀬が妻と関係しているらしいと私に告げた。
しかし、広瀬が妻に話した内容が事実ならば、永田が出まかせを言ったことになる。
その理由はなんだろう?
そして、広瀬は永田の虚言をどのルートで知ったのだろう?
また、妻は広瀬と永田との関係をこれまで否定したり、
或いは肯定口調で答えたりしているが、実際のところどうなのだろう?
解けかけていた糸が再び絡んでいくような感じだった。

「じゃあ、喫茶店で彼の話を聞いて、それで別れたんだ?」
「そう。期待に応じられなくて、済みませんでした」
妻は話しながら怒りを増幅させているのがわかった。
「う〜ん、なんだか残念な話だね」
と言ってから、しまったと思ったが、遅かった。

「残念? 広瀬君とホテルに行かなかったことが残念ってこと?」
「いや、そうは言ってないよ」
「ほんとにむかつく。なによ、もぉ!」
「はい、じゃあ……」
「じゃあ? じゃあ、なによ?!」

君子、危うきに近寄らず。

私は無言で着替えて浴室に向かった。


[10] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/03 (金) 10:11 ID:V5BZ/5Xg No.204263
食事中、広瀬や永田の話を出さなかったし、沈黙を保ったことで妻の機嫌は幾分鎮まったのだろう。
感情的になったのを反省したのか、ベッドに入る頃にはいつもの妻に戻っていた。

さて………。

「あのさ、話をぶり返して済まないけど、教えてくれるかなぁ」
私と同じようにヘッドボードに背を持たせかけた妻に、小声で話し掛けてみた。
溜息をついた妻だったが、
「いいよ、なに?」
私に顔を向けて、妻は応じた。
「同窓会の永田の発言が謎だけど、それはここで考えても仕方ないから置いといて……。
学生時代、美穂と一時離れてた時、広瀬とつき合ってただろ?」
もう20年ほども昔のことだし、妻と疎遠だった時、私は智子とつき合っていたから、
広瀬と妻の関係の詳細を知らないし、記憶もおぼろ気だった。

妻は天井を見上げて思いを巡らせる仕草を続けたまま、
「2年生の春頃だったよね。あなたと話が合わなくなって、距離が空いたのは」
「そうだね。その年が明ける頃までだったかな」
「わたし、サークルにも通わなくなったし、なんだか気が抜けて、何もする気がなくなって」
「…………」
私は言葉がなかった。
「あの頃、智子にあなたのこときいたの」
「なにを?」
「あなたがどうしてるかって」
「彼女、なんて言ってた?」
「知らないって」
「そう」
「でもね、わたし知ってたわ。智子があなたとつき合ってるのを」
「だろうね」
「あちこちから噂が流れて来たし。
でも智子があなたとつき合うのは仕方ないと思ったし、
だから、あの子を恨んだりしなかったし、つき合いも続けたし」
「…………」
「その頃、広瀬君に声をかけられたの」
「そう、なんて?」
「元気出せって」
「慰めてくれたんだ」
「そうね。その時、嬉しいっていうより、優しさを感じたわ」
「で、つき合い始めた?」
「そう」
「エッチの関係にもなった・・・?」
「そうね、1カ月くらい過ぎた頃かな」
「そう」

同窓会の席で、智子と久美に妻と広瀬の関係をきいたとき、
彼女たちは曖昧に返事をしただけだった。
私は、私と疎遠になった妻を慰めたことで広瀬との交際が始まったと感じていたが、
ほぼその通りだった。

「いつまで彼とつき合ってたの?」
「あなたがまた近づいてきて、またつき合いだすまでよ」
「エッチも?」
「………そうね」
「じゃあ、同窓会の夜の話に教えてくれた話は、満更作り話じゃなかったんだ」
「あれは違うでしょ。偶然出会ってお茶を飲んだのはほんとよ。
それからお茶するだけのつき合いはしてたけど……」
「広瀬、美穂の好みのタイプだからな」
「マッチョってこと?」
「だろ?」
「イヤらしいよ、あなたの考え」
「僕はね、美穂が広瀬や永田とつき合うのがおかしいと思わないんだよ。
昔の仲間なんだから当然だろ? でも嘘をついてのつき合いは困るな」

穏やかな口調で言うと、妻は一息吐いて、
「それって、どういう意味?」
ときいてきた。
「う〜ん、なんて言うのかな。昔だけど、一度は関係した仲なんだから、
あらためてつき合い始めたら、なにかの拍子に縒りが戻ることがあるかもしれないだろ?」
意味が伝わったかどうか判断できなかったが、
同窓会に出席して縒りを戻した元彼と元カノも世の中にはあるだろう。

しかし、妻は私を妙な目で睨んで、
「そう? それって、あなたの趣味じゃないの?」
と疑いの言葉をかけてきた。
「趣味?」
「そうでしょ。変態趣味」
私は間を置いて、
「そうかなぁ」
と呟いた。

すると、妻は思いがけないし言葉を突きつけてきた。
「知ってるのよ、わたし。妻に勃起したなんとかっていうサイト見てるのを」

図星だった。

「う〜ん…………、そう?」
「うんそう、じゃないでしょ。いつからそんな変態になったの?」
「いや、それは……」
「ずいぶん前から見てるんでしょ。没頭してるくせに、そんな言い訳ないでしょ」
怒涛の追求だった。
「ずぶずぶに浸ってるんでしょ」
「そうかなぁ……」
「だから、わたしを誰かに抱かせたいとか妄想してるんだよ、そうでしょ?」

広瀬との真実を聞けたまでは良かったが、
私の真実が暴かれていたことについては、返す言葉がなかった。

しかし救いは、口調ほどに妻が怒ってはいないように感じたことだった。


[11] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/03 (金) 10:13 ID:V5BZ/5Xg No.204264
灯りを消した仄暗い寝室で、少しの焦りと戸惑いを感じつつ、
昔の広瀬と妻のエッチ関係についてきいた。

「懲りない人ね、あなたって」
妻は呆れた調子で溜息をついたが、
「嫉妬して暴れないでよ」
と、今度は愉快そうに笑った。
「暴れはしないけど、興奮しそうだよ」
「この前の時もそうだったけど……、ほんとにそうなの?」
「嫉妬のボルテージ次第かな?」
「おかしな人」
「あのさ、広瀬とはどこでエッチしてたの?」
「いきなり?」
「そうだよ」
「わかった……、話すわ。あの人、学生寮だったでしょ。だから彼の部屋に行けなかったし、
私の家にも呼べなかったし……。
初めては、付き合って1カ月くらい経った頃だったと思うわ」

妻は当時の状況を思い出しているのだろう、ゆっくり話した。

キャンパスは市内の南の丘陵地帯にあり、およそ45万平米の敷地に五学部があった。
法学部と情報学部のキャンパスは県の東部に分散していた。
広瀬は教育学部の学生で、地方から入学したので1年生から入寮していた。
学生寮は男女の棟はもちろん離れていて、共有施設は食堂だけだったから、
寮内でのデートはまず不可能だったろう。

寮の周囲は樹木が茂っていて、その地域には屋外バスケットコートやテニスコート、
陸上グランド、体育館、屋外プールなどの施設が点在し、学生協の喫茶店もあった。
また寮内は学生の自治権が確立されていたので、2年生で成人を迎えた者は
寮内の飲酒も認められていた。
環境としては恵まれていたと思うが、正門から寮まで徒歩で20分ほども要するのが
難点だとこぼしている寮生が多かった。

「じゃあ、どこで? ラブホとか?」
「ラブホは行けなかったわ。
う〜ん、レンタカーでドライブして、夕暮れになってから車の中でとか」
「学生っぽいね。他には?」
「何回もなかったけど、夜9時過ぎに体育館が閉まったでしょ。
あの辺りって暗がりだったし、街灯が少ないから人も歩いてなかったのね。
だから体育館裏の階段の中二階で星空見ながらエッチしたこともあったかな」
「う〜ん、なかなかやるね」
それを聞いて思い出したのは、標高が一番高い場所にあった理学部の学舎の
外付け階段の中二階に、使用済みスキンが置きっ放しになっていたと用務員が
騒いでいたことを、私は思い出した。
「じゃあ、なんていうの、人目を憚らずにエッチしたことはなかったんだ?」
隣を覗き込んで聞くと、
いつの間にか淫蕩な笑みを浮かべていた妻は、
「ふふ……、なんて答えたら嬉しい?」
と、挑発する口調で言った。
「あるんだ……?」
妻は視線を受けに向け、白く細い喉元を露わにして目を細め、
「あのね……、両親が月に1度、朝早く、田舎の祖母の様子を見に行ってたの。
その時だけは、広瀬君を家に呼んだわ」

なんだ、おいしい話は最後に持ってくるか、と思いながら、
「一日っていうか、時間としてはお父さんお母さんが帰ってくるのは、
翌日の早くても午後じゃないの。だから30時間強だよな」
「そうね、ふふ」
「じゃあ、月に一度の楽しみだったわけだ」
「そうかも……。一歩も外に出なかったし、食事も昼寝も裸で過ごして、
喉が渇いたら冷たいものを口移しで飲んだり……」

その頃のことを思い出したのか、妻は暗がりの中で身体をくねらせ、
クスクスと笑った。
「食事もエッチしながら、とか?」
「それはなかったわ。食べられないじゃない」
「もちろん、最後までしたんだろ?」
問い掛けると、細めた目に妖しい色を漂わせ私を見据えて、
「さぁ、どうかな〜?」
と掠れた声で言った。
「否定しないのは肯定だよ」
急激に渦巻いて充満した嫉妬で胸を焦がした私が言うと、
妻は笑みを浮かべたまま、
「じゃあ、そうかもね」
と、あっさり言った。

「学生だから広瀬も経験が浅かっただろうけど、良かった?」
「そうねぇ……、彼とわたし、相性良かったと思う」
「たくさんイカされたとか?」
「う〜ん……、そうね」
「……そうなんだ」
「でも、イカされるより、彼がイッた方が多かったかな」
「美穂の方が広瀬を多くイカせたってこと?」
妻は遠くを見る目のまま、
「うん、そう思う」
と言った。

焦らし口調の妻の言葉に嫉妬をムラムラと燃え上がらせたまま、
「美穂の方が広瀬をイカせたんだ?」
震え気味の声できいた。
すると妻は、
「あたもわたしにされるの、好きだったじゃない」
小声で言った。
「口で?」
「それ、あなたも好きでしょ。基本よね?」
「飲んであげたんだ?」
「さぁ、どうだったかな〜?」

疎遠だった間、私は智子と割合淫らなセックスに励んでいたが、
妻は私以上に広瀬と交歓し合っていたようだった。
口惜しさというか、いずれにしても強烈な嫉妬にまみれた私は完全に勃起していた。
触れたら、それだけで放ってしまいそうなほどだった。
当然、妻はその様子に気づいて右手指で触れてきた。
「まぁ! こんなに!? すごい!」」
「だからさ、美穂が抱かれたって聞くと…」
「うわぁ、すごく固いよ!」
「触られると、ヤバいよ」
「そんなに興奮するんだ?」
「仕方ないだろ」
私が言うと、妻は悪戯っぽく笑って、
「彼が家に来た翌日はね、疲れ切っちゃって、翌日の講義、サボっちゃったわ」
「…………」
「でもね、そんなにエッチしてもまだ足りないと思ったわ。だから相性良かったんだね」

妻と私の疎遠だった期間は3カ月ほどだった。
広瀬に慰めの声を掛けられて、それから1カ月ほど後に妻は関係を持った。
私とは喧嘩して疎遠になったのではないが、
妻にしてみれば広瀬の慰めは身に染みて嬉しかったのだろう。
となれば、そういう思いの丈を込めた広瀬とのセックスだったかもしれない。
私が思うに、当時から妻はセックスが好きだったし、興味も強かった。
なんでも受け入れてくれたのではないが、フェラチオは好んで応じてくれた。
だから当然、妻は広瀬にもそうしたのだろうし、
思いの丈を込めた分、より濃厚な接触を交わしていたと想像できた。

妻の指先が器用に動いて、剥きだしたペニスの先端でゆっくり動いた。
大きく息をついて全身に染みてくる快感に耐えながら、
「ところでさ、この前もきいたけど、マッチョな体型に見合ったデカさなの、あいつのは?」
と再び尋ねた。
「わからないよ、そんなこと。そんなに経験なかったもの。
知ってるでしょ、あなたも」
「じゃあ、僕と比較して、どう?」
言い直してきくと、暗がりの中で私に向けた顔に妖しい笑みを滲ませ、
「ふふ、そんなこと言っちゃって、良いの?」
妻は悪戯っぽく言いながらペニスの根元に当て、
人差し指と親指を尺取り虫のように先端まで動かした。

私は学生時代から自覚していたが、短小ではないものの決して立派なモノを
有していると思っていなかった。
その頃より耐える時間は長くなったが、しかし、どちらかと言えば早漏傾向と思っている。

「かまわないよ、教えて」
覚悟して尋ねた。
「バカね、なにを心配してるの? 普通よ、普通の大きさ」
言い聞かせるように妻は言った。
「そうなの?」
「身体の大きさに比例するなんて、誰が言ったの?」
「いや、それは……」
「じゃあ、お相撲さんやレスラーのアレって、みんなすごいの?」
「いや、それは知らない」
「もう、いい加減なことばかり信じて」
「でも、美穂は良かったんだろ?」
「良かったよ。蕩けるくらい良かったわ」
そう言って、すぐ、
「良かった訳は信頼しあってたからって思う」
と言い、続けて、
「あ、それに……」
「それに?」
「あの頃のあなたより、時間は長かったかな」
そう言って、妻はクスクスと笑った。

妻の話に矛盾は感じられなかった。
当時、男女関係を噂されたカップルは何組もいた。
しかし現実を初めて見始めたばかりの年頃だから、彼らの関係は至って他愛なかったように思う。

妻の話には現実味が感じられたし、広瀬とつき合った経緯から
彼との相性は当然良かったのだろう。
両親が不在時の妻の家で一日中裸で過ごしたという件には驚いたが、
常日頃、人の目を気にしながらの関係が多かったのだから、
それも当然のように思えた。

そして妻の話にリアルを感じた私の興奮は鎮まる気配がなかった。
妻は輪っかを作った指で私を扱いていたが、
おもむろに身体を寄せると、顔を伏せて股間に覆い被さり、
深々とペニスを咥えた。
温かい口腔と舌が亀頭に絡まりくぐもった音が聞こえると、
たちまち強烈な刺激が股間から全身に広がった………。


[12] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/03 (金) 10:26 ID:u5eRQjOM No.204265
奥様は直樹さんのことを理解した上でこれまでも行動していたのですね。
素晴らしいです。
我々にとってはただの趣味や性癖なのですが受け入れられない女性も多く、なかなか話すことができない場合もありますが、奥様はそんなことも構わず直樹さんの要望に自分が嫌でない限りお付き合いしてくれる。
そして過去には直樹さん以外の男と経験もあり、もしかすると…
ドキドキな展開になるのか?それとも順調に夫婦生活が進むのか興味が尽きません。
楽しみにしています。


[13] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/04 (土) 07:12 ID:JqgNfais No.204294
ジゼルさん、こんにちは。
いつもご丁寧な感想をいただいて感謝します。

やはり、妻は侮れませんね。
一般に妻というのは勘が鋭いと言いますが、まさにその通りです。
知らないのは亭主だけ、というサンプルのようです。
妻との付き合いは長く、学生時代から現在までを知っているし分かっていると思っていました。
しかし、それは単なる思い込みだったのです。

実際、妻の顔を見ながら過ごす時間は24時間の半分前後です。
仮に20年一緒に過ごしても10年分の妻しか把握していないわけです。
その10年分が現在に至ってようやくその姿が見えてきたような気がします。

それは妻の場合も同じで、私の嗜好を今になって把握したということでしょう。
私たち夫婦の場合、そのベクトルがまあ良い方向というか、
似たり寄ったりというか、そういうことなのだと思います。

題名の【今昔物語】も、その変化を意識して名づけました。

ジゼルさんは鋭い読みをされるので、あまり内情を報せますと先を読まれそうなので
このあたりで止しますが、しかし、まだまだ多様な変化が起きそうです。

皆様のこちらへの投稿を私も拝読していますが、
思うのは夫婦間の信頼の必要性を強く感じます。

堅い信頼を育てるのは容易でありませんが、
しかし話し合って育てた信頼はそう簡単に壊れはしないと考えています。
悲惨な結末を迎えたくはないし、けれど胸中に疼く欲求を適えたいのですから、
私も含めて厄介な人種とは思いますが…。

これからもよろしくお願いします。


[14] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/04 (土) 10:30 ID:ZfzcUPvk No.204303
梅雨入りした6月下旬の数日前に依頼を受けた仕事に取り掛かり、
仕様変更もあって営業としての交渉も重なり私はやや多忙だった。
自然に妻との会話も少な目だった。
それがたまたま、広瀬と妻の学生時代の話を聞いた後だったからか、
妻は私が意気消沈したと思ったようだった。

7月半ば、久し振りに早く帰宅した私に、
「最近、おとなしいし元気ないね」
と身体を寄せて、
「広瀬君の話し聞いて落ち込んじゃった?」
と言った。
「う〜ん、仕事がさ、なかなか厄介でね」
「ふ〜ん、それだけ?」
「それだけって?」
「広瀬君からまたデートしたいって連絡あったって言ったら、元気、出る?」
艶やかな色を目に浮かべて。私を見つめてきた。

「ほんと? いつ、連絡あった?」
「さっきよ、夕方4時頃」
「また昼食会?」
着替えなの手を止めて私はたずねた。
「昼食はいつでもできるでしょ」
「そうなの?」
「ええ、わたしが休みならね。でも、今回は違ったわ」

妻から指摘されたようにが、私は意気消沈していたようだ。
しかし、思わせ振りな妻の話を聞いているうちに、
どちらに転ぶか分からなかった願望が叶うかもしれないと思うと滾りを覚えた。

「そ、それで……?」
「飲みに出られないかって」
私のジャケットを手にした妻はハンガーに掛けてから、
振り向いて私の目を見た。
そして、
「あら? 目が輝いたね」
そう言って笑った。
「広瀬の奴、本当に誘ってきたの?」
「嘘つかれたくないって、あなた、言ったでしょ」
「ああ、言ったよ」
「だから、ほんとよ」
「いつ?」
私は妻に抱きつくように迫ってきいた。
そんな私の胸を押し返し、
「まったく、すごい態度の変わりようね」
と窘めた。
「そりゃ、そうだろ。昔の彼と飲みに行くんだから……。夜だろ?」
「昼間からお酒飲めないわよ」
「だよな、その通りだ」
「広瀬君、土曜日が都合が良いっていうから、13日か20日のどちらかよ」
「それが美穂の休みってわけだね?」
「そうなの。土曜ならそれしかないって言って、決めたら連絡するって話したわ」
「美穂は、行く気なんだ?」
「あなたがダメって言えば、断るよ」
「いやいや、ダメじゃないよ。ダメじゃないけど」
「けど、なに?」
「飲むだけ?」
気が急いて問い掛けると、
「その話は、寝る前の方が良くない?」
「そう?」
「わたしも思うところがあるし・・・、ね?」

妻は言葉のやり取りを楽しむのが好きだった。
時には、言葉尻を掴まれて閉口しないでもないが、
それも含めて私と好みの方向性が同じだ。
一時は萎んだ願望が、再び少しずつ形作られていく昂りを感じた。
そして、それが表情に現われるのが、
妻から単純と言われる所以なのだろう。
しかし、単純でも良いから、私は早く話を聞きたかった。
急に躁病でも患ったように、私は手早く入浴を済ませて食卓に着いた。
食事をいつものようにゆっくり食べるのももどかしかった。

食器を洗うのを手伝い、妻に入浴を促す。
「もう、忙しい人ね。落ち着いてよ、もぉ」
「わかったよ、先に寝室に行ってるから」
浴室に向かう妻の背を見ながら、私はグラスに注いだバーボンを片手に
寝室に足を向けた。


その8

グラスのバーボンを半分ほど舐めた時、妻が寝室に入ってきた。
妻は久し振りに艶っぽいナイトウェアを着ていた。
私の視線を意識して近づいた妻は、ベッドの傍で一回りしてみせ、
「この前ね、通販で買ったの。可愛いでしょ」
と甘い声で言った。
女性の感覚では可愛いのかもしれないが、私にはセクシーにしか見えなかった。
ブルーグレーのサテン地のようで、詳しい名称は知らないが露出過多のウェアだった。

「それ、なんていうの、ベビードールとかネグリジェとか?」
「寝巻よ」
「寝巻にしちゃ色っぽいだろ?」
「そうね。だったらキャミソールかな?」
「まぁ、どっちでも良いけど、素敵でエロイね」
「こんなキャミ着て寝たら、胸触られまくりかな?」
「ああ、絶対そうだな。だいたい寝巻の用を足してない」
私が言うと、妻も笑った。
「あのさ、ブラ着けてないのは分かるけど、下は?」
私は妻の下半身に視線を向けてきいた。
「この間の、おじさんみたいにイヤらしい目してるよ」

先月、食事デートから帰宅する電車の中で遭遇した中年男の
ことを妻が言っているのはすぐわかった。
妻があの中年男の目を覚えていたのことに、
あの日のデートの目的が少しは達成したと思えて、
胸中の期待が急に上昇した。

「だからさ、魅力的な姿は万人の目を惹くって言ったろ?」
「ふぅん、そうなのね」
妻は頷いたが、
「でも、あのミニワンピを着て出かけさせたのは、別の理由もあるんでしょ?」

妻は私が寝取られサイトを巡っていた事実を知っていた。
私の言動や態度、こじつけたような言い草が、そっちの趣味のせいと気づいている。
気づかれていたと思ったが、それなら開く直るしかないだろうとも思った。

「そうかな・・・。うん、そうかも」
「ミニワンピで食事して、公園を散歩して、繁華街を歩かせて、
駅の階段や電車の中も、みんな計画してたんでしょ?」
「う〜ん、鋭いね」
「そうじゃなくて、単純なのよ、あなたが」
「まぁ、そうとも言うね」
合間に返事をする私の隣に上がってきた妻は、さらに追及してきた。

「見ず知らずの他人に、わたしの恥かしい姿見させて興奮するんだ?」
さて、答え方を間違えたら面倒だ。
言葉に詰まっていると、
「ねぇ、そういうことでわたしが感じちゃったら、どうする?」
妻は重ねて問いかけてきた。
「あなたとデートしてるのに、他人にスカートの中見せたり、
襟元を緩めたりしたら、どうする?」
「それはその……、興奮するよ」
「まぁ! なんてこと言うの?」
「いや、どうするって聞くから……」
「あんなことさせて、感じてその気になったらどうするの?」
「だから……、いや、その」
「じゃあ、わたしがその気になったら、浮気しても良いんだ?」
妻は真剣な眼差しで見つめ、返事を求めた。
「僕は美穂を信じてるし、なにが起きても愛いしてるのは変わらない自信があるよ」
「そんなこと当たり前でしょ。わたしも愛してるのはあなただけ。
そういうことじゃなくて、良いの? 浮気しても?」
回り道せずに、妻は端的に答えを求めてきた。
「そうだね。そういう美穂を見たいと思うし、知ったら興奮すると思う」
答えながら妻からどんな言葉が返ってくるか不安だった。

しかし、妻は真剣な眼差しのまま別の質問を投げ掛けてきた。

「あなたは、わたしに浮気願望があると思う?」
意外な質問だったが、これも難問だと思った。
返答次第では妻のプライドを傷つけかねない。
やや間を置いて、
「いや、ないと思うけど」
と、私は無難に答えた。

妻の表情が和らいだ。
自然な笑みを浮かべた表情を見せて、妻は言葉を続けた。
「正直に答えてくれたから、私も正直に言うね」
胸中安堵して、妻の言葉を待った。
「ねぇ、あなた、わたしにも不倫願望あるの」
大袈裟だが、予想と違う答えは衝撃的だった。

そんな私の表情を見て、妻は言葉を続けた。

「わからないけど、主婦の大半は不倫願望があると思うわ。
夫婦仲が悪いからじゃなくて、そうねぇ、恋愛したい気持ちかな。
現実として夫が何も協力してくれない主婦もいると思うし、
結婚生活にストレスはあるし、そこから一時逃避したいって」

主婦の不倫願望がどれほどあるのか知らないが、
妻の言い分を聞いてもっともだと私は感じた。
結婚生活のストレスは気づかないうちに蓄積するだろうし、
そこから逃避したいのは男女とも同じと思える。
しかし困ったことに、私は妻がそんなことを考えていたことを気づいていなかった。

「でもね、一時逃避した束の間の恋愛に傾いちゃうことだってあるかもしれないでしょ?」
「ないとは言えないね」
と、答えるしかなかった。
妻は頷き、話を続けた。
「そうよね。でも、そうなっても、あなたは良いって言ったし、興奮するって言ったわ」
「そう、違いないよ」
「そう……。わかったわ。あなたのほんとの気持ちを聞きたかっただけ」
「愛してるのは美穂だってことも忘れないで」
「当然よ。もちろん忘れません」

そう言って深いキスを何度も交わしたが、
この夜はプラトニックラブの二人のように、
身体の接触がないまま眠りに就いてしまった。


[15] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/04 (土) 10:32 ID:nG0IGTZU No.204304
ありがとうございます。
私なんぞは拗らせて歪んでやっと見えた景色が虚無だった敗残者ですよ。
パートナーには感謝するだけです。
性癖もやっと落ち着き、改めてパートナーの素晴らしさと尊さ、愛しさが認識した次第。
ちょっと女性といい仲になって有頂天になったり、パートナーに良き相手が現れ危機を迎えたりとした頃も懐かしく、直樹さんの投稿に出会いその頃の熱が思い起こされ夢中になっているのです。

奥様もそうですが、女性とは不思議なものでいつもなら見逃がす些細なことから全てを知るというのか?何故か判ってしまうのですよね。
知らぬは男ばかり。笑
隠していた性癖だったり、浮気だったり。
ドキッとすることに刺激を受け、改めて凄さと魅力を感じますね。

奥様のこれからと直樹さんの楽しみを楽しみしています。


[16] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/04 (土) 10:32 ID:ZfzcUPvk No.204305
翌朝、目を覚ましてカーテンを開けると雨模様だった。
先月に梅雨入り宣言が報道されたから仕方がないが、
仕事の都合を考えると、早く明けてほしいものだと思った。

ダイニングに入るとコーヒーの香りが漂っていた。
「おはよう」
と声をかけて座ると、
「お目覚め、いかが?」
という言葉と一緒にカップが置かれた。
コーヒーを啜り、瞼をこすりながら、
「夕べはなんか、損した気分だなぁ」
そう呟くと、
「エッチなランジェリー着たのにね」
妻はそう言って微笑んだ。
「そうだね。次に期待するよ」
「ふふ、次、あるかな?」
朝からの挑発に私の意識は少しずつ目覚め始めた。
「なければ、タックルするよ」
「そうそう、その自信よ」
言葉の掛け合いの後に食事をして、二敗目のコーヒーを要求した。

妻と向き合ってコーヒーを飲んでいると、
「損した気分って言ったけど、そうばかりじゃないかもよ」
妻は言った。
「どうして?」
「あなたがOKしてくれたから、13日の土曜日、決めたわ」
「今週末だね」
「ね、損した気分じゃないでしょ? 今週ずっと悶々としてられるでしょ」
私は妻の目を見つめた。
その目に妻の本心が見え隠れしている。
それは私が気づかなかった妻の不倫願望のようにも感じた。


4月末の同窓会から約3カ月、妻は広瀬や永田との関係を少なくとも肯定しなかった。
しかし、広瀬との昼食デート時に永田の虚言を伝えられたことで、
永田に対する妻の信用が落ちたように見受けられた。
反対に、広瀬に対する妻の評価が高くなったのは間違いないだろう。
だから妻は広瀬が要求してきた夕食とその後のデートを受け入れた、と解釈した。

同窓会の宴席で仲間たちから聞かされて起きた妻への疑念だが、
今となっては、妻が広瀬と永田の二人と関係したかどうかは、どうでも良かった。

それは【新・今昔物語】の終わりに述べたように、
妻にとっても私にとっても必要な事柄と思うからで、
それから3カ月が経過し、新たな方向へ展開しているの現在の前触れでしかない。

しかし……、と思う。
7月13日の土曜日は、妻にも私にも特別な日になるだろうことは予想できた。
この数日来、私が問い掛けた学生時代の広瀬との関係について、妻は克明に答えた。
私と疎遠になり落ち込んでいた妻を慰めたことから発展した思いはやがて信頼関係へと昇華した。
約半年後に私と縒りを戻してからもその関係は続いたのだから、
広瀬への情感があっさりと打ち切れたはずもない。

それからおおよそ20年という時が流れたが、私が智子に対して申し訳ない気持ちが今もあり、
智子は何も語らないが私を心のどこかで恨んでいるだろうと推測するのと同様、
広瀬に対する妻の情感が全くなくなったとは思えない。

昨年9月末頃、偶然に出会った広瀬とその後も連絡を取り合ってはお茶を飲んでいるのだから、
スマホやラインの番号交換をしているはずだし、そうしたことからもおそらく二人はそれなりの仲に
なっていると思ってもいた。

それを否定しないのは、私に対する妻なりの気配りか、
又は妻自身の貞操の証明なのか今一つ分からないが、
どちらにしても約20年前の体験が妻の胸中の奥深いところにある不倫願望を揺り動かしたらしいのは、
当たらずとも遠からずだろう……。

そして、数日後の夜、20年前の実体験が再現されるのは間違いないと思うと、
私は嫉妬でも怒りでもない情念ともいえる不思議な思いに身体が震える思いだった。


[17] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/04 (土) 10:39 ID:ZfzcUPvk No.204306
土曜日……。
昼前、近所に住む同僚から連絡が入った。
車のバッテリーが上がってしまいエンジンが始動できないという。
昼食後、私は車で20分ほどの彼の自宅へ向かった。
私の車から給電しても不調だったのでオート○○へ行きバッテリーを購入した。
そんなこんなで帰宅したのは午後3時半過ぎだった。

リビングに入ると、浴室前の洗面台から妻が声を掛けてきた。
「時間掛ったね。なんだったの?」
「車のバッテリーが上がってエンジンが掛からないって」
私は椅子に腰掛けながら答えた。
「どうしたの?」
「バッテリーを買いにオート○○まで行って、取り付け作業してきたよ」
「災難だったわね」
「それはこっちの方だよ」
「そんなこと言わないの。あなたが助けてもらうことだってあるかもしれないでしょ」
諭すように言った妻が姿を現した。
その時、私が呆気にとられた声を上げたのも無理はないと思う。

「えっ? あれ? 」

入浴後のバスタオル姿に驚いたのではない。
ついさっきまで濃い目のブラウンだった髪の色が、明るい鳶色に変わっていた。
セミロングの毛先をつまんだ妻は、
「あなたが出掛けてる間に染めたの。似合う?」
事も無げに言った妻は私を尻目に、ひらひらと手を振って寝室に入っていった。
鼓動が高鳴り、むらむらと感情が昂っていた。

今まで妻が髪の色を変えたことはなかった。
厳密にいえば、多少の変化はあったのだろうが、見た目は濃い目のブラウン系だった。
明るい鳶色に染め変えた理由は、もちろん広瀬とのデートのためだろう。
長い間、同じだったものが何かの起因でたちまち変わる現実に、私の心は大きく揺らいだ。

腰を上げて私は妻の後を追った。
寝室に入った時、ドレッサーに座った妻は化粧をしていた。
気の昂りを気取られないようにしながら簡易椅子に腰かけて、
鏡の中の妻を眺めた。
化粧品や、化粧の方法についてほとんど無知な私だが、
普段の妻はあっさりと薄めの化粧だったが、
広瀬とのデートだから普段よりは濃い目だった。
頬に紅をさし、眉が引かれ、瞼が彩られ、唇に黒みがかった紅が乗ると別人の妻がいた。
髪を梳かした妻はクローゼットに姿を消した。
着ていく衣服を選びに入ったのだろう。
変に息苦しくなった私はその間に何度か大きく息を吸った。
そして、クローゼットから姿を現した妻を見て、私はまた声を上げそうになった。
それどころか、言葉を失いかけた。

5月下旬に食事デートをした時と同じタイプのニットのミニワンピを羽織っていた。
妻は手にしたバスローブを私の隣の椅子に放掛けると背を向けて、
「ファスナー、お願い」と言った。
ふらふらと力なく立った私は、素肌に着たワンピースの背に手を伸ばしたが、
白い背の横に走るブラのラインを見ると指先が震えた。
ファスナーを引き上げると、ありがと、と言って姿見の前に立った。
私は茫然と見つめるだけだった。

食事デートの時のミニワンピは長袖で色はグリーン掛ったオフホワイトだった。
この日のそれは半袖で色は淡いブルーだったから身体の曲線が誇張されて見えた。
下着のラインは見えなかったが、案外深いV字襟から覗く肌や
半袖のために長く感じる腕、太腿の半分ほどが露わな下半身は扇情的な印象だった。

姿見で姿を確認しながら、妻は鏡の中から私の様子を窺っているようだった。
悪戯っぽい笑みを押し殺しているのがわかった。
鏡を映り込んでいる壁の時計を見た妻の視線に気づいた私は、
「約束は何時なの?」
ときいた。
「5時よ」
と、妻は答えた。
あと30分ほどしかなかった。
待ち合わせ場所が街中と思った私は、
「電車だろ? 間に合うの?」
と尋ねた。
すると妻は無表情で、
「この格好で電車に乗せるのは、あなたくらいよ」
5月のデートのことを指摘し、
「迎えに来てくれるの」
振りかえって言った。
「迎えに? 家に?」
「家はちょっとねぇ、表通りのコンビニの駐車場よ」
そこなら歩いても5分と掛らない。

ドレッサーの上に置いたショルダーバッグと白いカーディガンを手にした妻は、
「夕食は冷蔵庫の中に用意してあるわ。チンして食べてね。
それから、なにかあればラインするわ」
と言って寝室を出た。
用意してあった細く高い踵のヒールを履いた妻は、
「じゃ、そろそろ行ってくるね」
と言って、私を見つめた。
引き寄せられたように近づいた私だったが、それを制した妻は、
「失礼でしょ、彼に」
と言い、その代わりにウィンクをしてきた。
そんなつれない態度を示した妻だったが、ドアを開けると、
「そんな顔しないで。なにがあってもあなたの妻だから」
今度は柔和な表情を見せて言った。


[18] Re: 今昔物語・後日談  初老のオヤジ :2025/10/04 (土) 11:06 ID:wJT4tDyk No.204309
なにがあってもあなたの妻だから・・・なにかあるとの暗示ですね(笑)。

ワクワク感が急上昇してます・・・続きはいつ?(;^_^A・・・。


[19] Re: 今昔物語・後日談  なお :2025/10/05 (日) 03:05 ID:G8eMu3Do No.204332
前スレから読ませて頂きました。

少し疑問に感じたのは、[9]の奥様と広瀬さんの昼のデートのときの話は、本当なのでしょうか。
広瀬さんが、奥様に迷惑が掛ったら申し訳ないと思っていたら、奥様を誘うのを控えると思うのですが。
実際は永田さんの話が本当で、そのことを、直樹さんが永田さんから聞いたことを知った広瀬さんが、
奥様に伝えて、永田さんが嘘を言ったことにしたとも考えられます。
もしそうなら、奥様と広瀬さんはすでに半年以上関係を持っているかもしれません。
ただ、これは私の勝手な想像ですので、奥様のことを知っている直樹さんが違うと思えばそうなのでしょうが…。

同じ寝取られでも、夫の同意があるかないかでは全く違うと思います。
同意がなければ、妻として夫を裏切ったことになるわけですから。
そのことは奥様もよく分かっておられると思います。


[20] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/05 (日) 06:06 ID:wOYcia/I No.204333
ありがとうございます。
「あなたの妻だから」安心感を与える言葉であり、宣言にも聞こえますね。
そして相手は過去の男…直樹さんの代わりになり得た男。

いよいよですね。
許可を得た奥様はどう向き合うのか?
出掛ける奥様は今までの『直樹さんの妻』では無い女性に見えましたか?
男と逢いに行く奥様を見た直樹さんの気持ちの動揺とそして直樹さんの内なる願望の間でこれから起こり得る興奮がふつふつと…
これからがとても気になります。
よろしくお願いします!


[21] Re: 今昔物語・後日談  隊長◆aH43B2 :2025/10/05 (日) 07:20 ID:KEL8IMqM No.204336
ずっと読ませていただいています。
奥様、だんだんと直樹さんの性癖を理解していた
だいているようで、広瀬さんとの夕刻からのデー
トを引き受けられましたね。

「わたしにも不倫願望あるの」

と言われて、その日を迎えられて、食べてくれと
言わんばかりのミニワンピ姿で出かけられる奥様

たまらないですね♪


[22] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/05 (日) 11:55 ID:TPokyBmM No.204353
初老のオヤジさん、なおさん、
ご感想をいただき、ありがとうございます。

昨年の同窓会で妻の不倫を吹き込まれたことで始まった今と昔の物語ですが、
お読みいただく方には、ややこしい経緯なので、すっきりしない部分が多々あると思います。
なおさんが指摘された点もその一部でしょう。

多くは答えられませんが、
まず、私が【妻と勃起した男達】を度々訪れているのを妻が知ったのは、
昨年の同窓会以前です。
それを私に気づかせないまま日々を過ごしていた妻は恐るべき、
そして愛すべき存在です。

同窓会の夜、外出していた妻が会っていたのは永田でしょう。
確認はとっていませんが、広瀬と妻のありもしない不倫関係を妻に告げたのは
永田でしかありえません。

また、昨年11月、広瀬と偶然出会って以降、妻は茶飲み友達として会っています。
広瀬と茶飲み友達としてつき合っていたのを私は聞いていませんでしたが、
しかし、私にとってそれは妻の秘密でもなんでもないと考えます。
そうした交際の中で彼と関係していたかどうかは少しの疑念もありますが、
それを妻に報告させる権利はないでしょう。

妻は私の過去から最近までの女性関係を問うことはありません。
けれど、学生時代の無節操な私のあれこれを知っている訳ですから、
一つや二つ、問い詰めたいこともあるでしょう。
しかし、夫婦であっても自立した一人の男と女の共同生活です。
夫婦間に秘密など存在しないというのは妄想、と私は思っていますし、
たぶん妻もそう思っているでしょう。

長々とした説明でしたが、ご理解いただければ、と思います。


[23] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/05 (日) 12:55 ID:TPokyBmM No.204355
ジゼルさん、こんにちは。
隊長さん、はじめまして。

妻が私の嗜好を知っていたとはいえ、
広瀬と2度目のデートに出る姿を目にしたときは正直、驚きました。
まず、髪の色を変えていたのは衝撃でした。
妻と広瀬の肉体関係が始まるのも衝撃的なのはその通りですが、
身体の交わりよりも、広瀬のために変身を試みた妻の意識に嫉妬しました。

同窓会で吹聴された虚言から発した不倫疑念ですが、
後になって思うのは、私の嗜好を知った上での妻の能動的な行動を思うと、
掌の上で弄ばれる私を見つめる妻が愛しくてなりません。
妻とは、恐ろしい存在です・笑い。


[24] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/05 (日) 15:25 ID:UewiY7/w No.204360
本当に素晴らしく愛らしい奥様ですね。
過去の事、今のこと、そして新たな自分へのチャレンジ。
奥様の意思表明であり、これからがスタートであると…

直樹さんの嗜好と奥様のお遊びが程よくブレンドされ、奥様のちょっとした願望が直樹さんを刺激し、今よりもっと深い夫婦になりえるチャンスなのでしょうね。
奥様が帰宅されるまで気もそぞろ、落ち着くことなく待ちに待っていることが奥様の希望であり、直樹さんの嗜好を理解する奥様からのプレゼントである。
素晴らしい!
帰宅後に奥様とどうされるかはわかりませんが、是非とも詳細で緻密な報告をお待ちしております。


[25] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/06 (月) 15:11 ID:xyoIUiMk No.204396
学生時代の男女関係の行状は、前回の【新・今昔物語】の中で記したし、
その場面場面で異性との係わりを経験してきた。
それらの経験を妻に知られてはいないと思っているが、
思っているのは私だけで、勘働きと戦略に長けている妻だから、その実はわからない。

思い返すとこれまで付き合った女性のいずれも受動的なタイプだった。
資産家の次男坊の妻になった智子だから今でこそ上から目線的な物言いをするが、
学生時代の彼女も受動的なタイプだった。
学生時代の妻も同様のタイプだった。
しかし、結婚生活の中で妻は変化した。

どうでも良いことだが、変化とは相対的な値だから
Aは変わらずともBが変われば相対変化が認められる。

妻と私の関係は正にそれで、変化していないはずの私は妻の変化で変わったのだろう。
いつからか私は妻の下位に置かれ、
妻自身そう思っていなくても実質は結婚生活を支配している実態がある。

なぜ、こんな記述をしたかと言えば、
過去の私であれば、広瀬とのデートに出掛ける前の妻の態度を見せられたら、
当然憤慨するし声も荒げただろう。
見下されたと思うし、そもそも広瀬とのデートを認めないだろう。

しかし、私は後悔と動揺と不安、そして身を揉むような嫉妬と、
それに比例した興奮に見悶えていた。
承諾を得た妻は広瀬の好感を得るために丁寧な化粧を施し、
男なら目を見張る衣服をまとい、あまつさえ髪の色まで変えた。
ドアを出る妻に普段からしているハグをしようとした私を制し、
「彼に失礼でしょ」
と言った次には、
「なにがあってもあなたの妻だから」
と、私を懐柔するように言った。


妻が用意してくれた食事を温めたが食欲がない。
バーボンの水割りを舐めても味がなく、無為な時間だけが過ぎた。

表通りのコンビニで待ち合わせた二人はどこへ行ったのだろう。
車で迎えに来た広瀬はアルコールを飲まないのだろうか?
それとも、どこかのパーキングに停めて、明日にでも引き取りに行くのだろうか?
食事をするのは当然だから、やはりアルコールは飲むだろう………。
その後は………。
同じ思考が何度も繰り返して頭を巡り、何度も壁の時計を無意味に見返した。

変に身体が重く感じ、いつもより疲労を感じた。
そして、私はつい居眠りをしてしまった。

食卓に置いたスマホの振動で目覚めた。電話でなくラインの着信だった。
反射的に壁の時計を見た。
9時半過ぎだった。
2時間も居眠りしていたことになる。
舌打ちしながら、ラインを開く。

『食事した? お風呂に入らないとダメよ。
私の方は、よ・て・い・ど・お・り・よ。
帰るとき、ラインするね』

それだけの連絡で、二人が何をしているのか、
これからどうするのかの情報は全くなかった。

寝起きのせいもあったが、なにをきき返したらよいのか浮かばない。
返信したのは
『楽しんでる?』
などと馬鹿げた一文だった。

それでも私は妻からの返信を待った。
しかし、一向に着信音は鳴らなかった。
1時間ほどしてラインを開いてみると既読印はなかった。
時計の針は11時半過ぎを指していた。
十数分で日が変わろうとしている。

二人はどこかに泊まるつもりだろうか?
と考えた時、突然、広瀬の家庭を思い出した。
広瀬の家庭は私たちと同様に子供がいない。
広瀬は業界雑誌社のフリーランスライターを生業にしている。
広瀬の妻は総合病院の看護師で整形外科に勤務していると聞いている。
「整形外科の夜勤は大変なようでね。夜勤が7日もあるときは
帰宅すると死んだように寝てるよ」
以前、広瀬はそう話していた。

今晩、広瀬の妻は夜勤なのだろうか……?
私は漠然とそんなことを考えた。
自身の仕事の都合もあるだろうが、妻が在宅している状況で
午前様の帰宅になるのはいろいろと不都合なはずだ。

そんなことをぼんやりと考えていた時、家の前で車が止まった音が聞こえた。
すぐ車が走り去る音がしたかと思うと、玄関ドアのロックが外れる音が響いた。
「ただいま〜。あ〜、遅くなっちゃったね〜」
上機嫌そうな妻の口調だった。
リビングに迎え入れた妻に、
「おかえり。案外早かったね」
と言うと、
「ねぇ、12時過ぎたらドレスも馬車も消えてなくなっちゃうでしょ、シンデレラは?」
「そうだったかなぁ?」
「ドレスが消えちゃったら大変よ。あ、あなたはその方が良かった?」
そんなふうに言って妻は妖しい笑みを浮かべた。


[26] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/06 (月) 15:14 ID:xyoIUiMk No.204397
入浴を済ませた妻が寝室に入ってきたのは12時半過ぎだった。
妻がベッドに入ってくると、私は待ちかねて質問を投げ掛けた。
「どこへ行ってきたの?」
「彼の車に乗って街へ出て、駐車場に車を停めて、レストランで食事して」
「その後は?」
私は身を乗り出して、さらにきいた。
「バーに行って少しお酒飲んで、それから……」
「それから?」
「そんなに慌てないで。明日は日曜日でしょ、時間はあるわ」
「そうだけど……」
「それからカラオケに行って、散々歌って、気がついたら12時近くだったから
慌てて帰って来たのよ」
「それだけ?」
「そうよ。おかしい?」
「おかしいっていうか、ホテルは?」
「ラブホは行かなかったよ」
「ラブホは、ってどういう意味?」
「カラオケっていうのはカラオケボックスじゃなくて……」
「え? カラオケボックスじゃないの?」
「カラオケシステムがあるホテル、かな?」
「なに、それ?」
「う〜ん、だからラブホじゃないし、ファッションホテルっていうのかなぁ」
「部屋にカラオケシステムがあるんだろうけど、ベッドも浴室もあるんだろ?」
「そうね、ジャグジー付きのお風呂だったわ」
「それって、ラブホと同じじゃない?」
「そう? 違うと思うけど。だって部屋に大勢で入っても良いんだよ」
「まぁ、その議論はいいとして……」
「エッチしたかって?」
「そ、そう」
私は何度も首を上下しながら言うと、
妻はまた謎掛けのように言った。
「ねぇ、あなたが思うエッチってどういうこと?」
「はぁ? それは裸で抱き合ってだなぁ……」
「最後までしちゃうってこと?」
「普通、そうだろ?」
「う〜ん……。そうだとしたら、してないよ」
「…………」
「あら、どうしたの?」
「え? してないの?」
「うん。服は脱がなかったし、お風呂にも入らなかったし」
「……え〜と」
私は妻の話が理解できなかった。
大人の男女がホテルに入って肌の触れ合いがないと聞かされても信じられない……。

「ねぇ、この前、学生の頃の彼とのこと、話したでしょ。
両親が不在の時、一日中裸で過ごしたって」
「あ、ああ、聞いたよ」
「その時に話したでしょ」
「え、どういうこと?」
「わたしがイカされるより、彼をイカせた方が多かったって」
妻がそう話したのは覚えている。
だが、それがどう関係するのか理解できなかった。
ちょっとイラっとしたが、言葉を荒げても仕方ない。
普通の口調できき返した。
「だからさ、どういうこと?」

妻は私の肩に頬をあずけてきた。
そして、話し始めた。

「あの頃は場所を見つけるのが難しかったのもあったけど、
体育館の裏階段とかドライブデートの車の中とかが多かったわ」

「そういうときって、彼に望まれて胸を出したり、
下半身を見せたりしたの」

「わたしの恥かしい格好を見て興奮して、
それから手や口での刺激を求めるパターンが多かったの」

「わたしの露出的な格好を見るとすごく興奮したわ、彼……」

「それがパターンだったし、それでわたしも満足だったっていうか、
感じるようになったっていうか……」

「今夜の彼も同じだったわ…。だから服は脱がなかったしお風呂にも入らなかったわ」

「カラオケもそんなに歌わなかったし、ずっとイチャイチャしてたって感じかな」

「わたしに恥ずかしい格好させたりするのって、誰かさんに似てるでしょ?」

そう言い終えて妻は静かに笑った。


[27] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/06 (月) 15:21 ID:xyoIUiMk No.204398
妻は見つめ、
「刺激的じゃなくてガッカリした?」
そう言って私の胸に凭れ掛かってきた。
「ガッカリじゃないけど、美穂も広瀬も刺激的だったんだろ?」
「そうね、それは確かに」
「服は脱がなかったし、風呂にも入らなかったけど、イチャイチャできたからな」
私の言葉に嫉妬が含まれているのを感じたらしい妻は、
「ねぇ、どんなイチャイチャだったか知りたい?」
悪戯っぽい声で囁き、顔を上向けて見つめてきた。
「知りたいっていうか、話してほしいな、僕としては」
「ふふ、そうよね。あんなに短いワンピ着ていったんだもの」
「もしかしてさ、最初からイチャイチャだけって分かってたんだ?」
「8割くらい、そうだろうなぁ〜って」
「どうしてわかったの?」
「この前、昼間、彼と会ったでしょ。わたし、あの日はジーンズとシャツで出掛けたの」
「なるほど。その時、広瀬が不満そうだったとか?」
「そうね、そんな雰囲気だったわ。
だから次に誘われたらきっと求められるって」
「だから、エロいワンピを着て出掛けたんだ?」
「そう、あなたも承知してくれたし、広瀬君に少しサービスしても良いかなって」
「どんなサービスを?」

カラオケシステムが設置されたファッションホテルの部屋はカップルの使用だけでなく、
多人数の使用も可能という。
床はそこに座るのを前提としたように厚手のカーペットが敷かれ、
壁に背を凭れるためのクッションが幾つも転がっていたという。
オーダーして届いたワインをソファに座って飲みながら、
壁に組み込まれた60インチクラスのTVモニタに映した世界遺産の動画を鑑賞し、
学生の頃に経験した断片を話しながら頬を寄せ合ってはキスをしたり、
広瀬に乳房を揉まれたりした、と妻は話した。

その後、広瀬がカーペットに座り壁に凭れると、
妻は一人掛けのソファに座ったという。
それは広瀬の要求を阿吽の呼吸で受け入れた妻の能動的な行為のようだった。
タイトミニワンピ姿でソファに浅く座れば、下肢がさらに露わになるのは当然だ。
広瀬の視線は妻の顔と露わになった下肢を交互に見つめていたが、
片足の踵をソファに乗せてガーターベルト付きストッキングの付け根が露わになると、
彼は自らズボンのジッパーを下げてペニスを掴み出したという。
彼は妻の妖艶な肢体を見つめながら、ゆっくりペニスを扱きだしたらしい。
約20年振りに目にした広瀬のペニスは当時の姿と変わって、
「なんだか浅黒かったわ……。それ見たら、わたし、急に興奮して……」
そう言った妻の声は上擦っていた。
「そ、それで?」
私の声も上擦っていた。
「どこを見てるかわかると、わたし、思い出したの」
「思い出した? なにを?」
「あなたとホテルで食事した日のこととか」

久し振りに外食したあの夜、私は妻を散歩に連れ出した。
中央公園内の歩道の片側を一人で歩かせ、
私は反対側の歩道を歩きミニワンピの裾が揺れる後姿を楽しんだ。
公園だけでなく、駅に続く繁華街を歩かせ、
妻に声を掛けてくる者がいないかを期待し、
駅では改札からホームに続く階段を上がる妻の後から歩いた。
帰宅の電車内では高校生らしい男の子の正面に座らせもした。
次の停車駅から乗り込んできた男は妻の露出的な姿を目に留め、
私たちが下車する最寄りの駅まで妻を追って、
階段を上がる妻のすぐ真下から見え隠れする股間を覗いていた……。

その夜の目的は久し振りの夕食が目的だったが、
妻が着る衣服を私が指定したときから、
他人の目に晒した妻がどのような反応を見せるかを
確かめることの方が主だったと思う……。

妻は言葉では拒否を示したが、口で言うほどでもなく、
内心はその刺激を楽しんでいるようにも見えたのだが……。

「散歩したこと?」
私は口籠りながら言った。
「あなたに感じちゃうのを見せるのがイヤだったけど、
食事中も、公園でも、電車の高校生やイヤらしいオジサンも
みんな見てるのを知って、わたし……」
「どうだった?」
その先を聞きたがったが、妻はそこで口を噤んで話を変えた。

「キャンパスから南へずっと下ると海岸線に出たでしょ。
そこを東へ行くと海が見える広い駐車場があったのを覚えてる?」
胸に頬を当てていた妻が上向いて言った。
現在、海岸線の道路はずいぶん整備されて景観の全てが変わったが、
その頃の海岸線は長かったし、そうした駐車場が何か所かあったのを覚えている。

「秋の夕方はね、西に沈む夕日が綺麗に見えたわ。
でもそれも瞬間ですぐ暗くなるの。
広い駐車場だけど照明は左右に一つずつだから案外暗くて……。
そこでね、広瀬君が借りた車の中でよくイチャイチャしたわ」

「ある時、そうしていたら物音が聞こえて、そっと外を見たの。
そしたら近くの高校の生徒だと思うけど、
隣の車の陰に隠れて私たちの様子を盗み見てたの。
彼も気づいて、車から降りて追い払おうとしたけど、わたし、彼を止めたの。
危ないってこともあったけど、そうじゃなくて、興味あるんだから
見られてもって思ったの」

「その子たちに見られながら、わたし、キスをして、胸揉まれて、
スカートの中に手を入れられて、すごく感じたの」

そう言う妻は懐かしい思い出に浸るというのでなく、囁く声を上擦らせていた。

「体育館の裏手の階段の中二階だって、他に安全な場所がないわけじゃなかったけど、
わたしはあそこの方が燃えたし、広瀬君もそんな私を見て喜んでくれたし……」

「人の気配がある方が良かった、とか?」
「そうかな? うん、そうよね。
恥かしいところ見られて、悪戯されたりする想像すると興奮するの。変態、わたし?」


[28] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/07 (火) 05:11 ID:FvwaJtDI No.204406
直樹さん、ありがとうございます。
デートから帰宅された奥様。
とても上機嫌で、そして気持ちの昂まりから直樹さんへの報告&告白。
奥様は露出がお好みだったのですね。
おそらくはお好みであって趣味では無くスイッチみたいなモノと思われますが。

しかも大学生の頃から…それは若さと美しさ、そしてエロに対する興味が高い頃であり、直樹さんと一時的に別れ新たな男との逢瀬に新たな刺激。
奥様が密かに理解した刺激。
直樹さんの期待とは少し違う結果を持ち帰っていらっしゃった奥様。
でも、それは直樹さんがついこの前に与えた刺激であったのは、奇跡的な一致。

奥様は廣瀬氏の視線に興奮し徐々に露出し、そしてどこまで廣瀬氏の要望に応えたのか?
とても興味深く、そして刺激的なことでしょう。
奥様の妖艶な告白…続きを期待します。
是非よろしくお願いします。


[29] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/07 (火) 19:52 ID:8ZHGQm4A No.204434
「変態じゃないさ。変態としても僕と同じだ」
私はそんなふうに答えた。
すると、妻はそろそろと伸ばした左手で私の股間を探り、
「あなたの方が変態だよ」
と言い、
「話し聞いただけでこんなにしてぇ」
詰るように言ってから私の勃起を掴み出した。
そして、中指と親指で作った輪っかでゆっくり扱きながら、
「広瀬君のコレ見て浅黒くなったって思ったけど、
あなたのも昔と違うよね」
「どう違う?」
「昔はもっと肌色っていうか、綺麗だったかな?」
「美穂とかいう女に黒くされたんだよ」
「え? 美穂っ誰よ?」
惚けた口調で言ったかと思うと、妻はいきなり唇を被せてきた。
敏感な先端に口腔の温かいぬめりを感じて、私は思わず声を上げた。
くびれを唇で包まれた亀頭が弱く強く吸われ、舌先で刷かれた。
妻の頬の中でジュブジュブと湿った音が響く。
快感が急激に高まり、先走りらしい熱い液が溢れるのを感じた。
妻はそこで舌の動きを止めて、口を離した。
勃起の先端から離れた唇に透明な糸が引いていた。
舌先をちろちろ見せながら妻が顔を上向けた。
切れ長の目の周りから頬、耳朶に掛けて紅色に染めた表情がなんとも艶っぽく、
愛しくてならなかった。

妻の額に掛かった髪を描き分けながら、
「それで、広瀬とは、どうしたの?」
と、先を促した。

「階段を上がったわたしのスカートの中、あなたも見たでしょ?」
揺蕩うようなトロリとした表情で妻は囁き、続けて、
「広瀬君も同じ目でわたしを見てたわ。すごく興奮してるのがよくわかったの」
と言った。

見知らぬ中年男のすぐ後ろで、私も妻のミニワンピの翻る裾を見上げていた。
白くて丸い、肉感がある尻の狭間に食い込んだTバックを私は目にした。
脚の動きで盛り上がったTバックは捩れた動きを見せ、
周りに誰もいなければ中年男は手を出したに違いない。
広瀬も、それと同様の、いやもっと間近で見たのだから彼の興奮の度合いは
計り知れない。

「彼、四つ這いで近づいてきたわ。
だからわたし、脚を閉じて隠したの」
「そしたら?」
「隠せば、広瀬君が脚を力づくで広げてくると思ったから」
「隠したんじゃなくて、誘ったんだ」
「……そう、ね。誰かさんに似てるでしょ?」
「…………」

予想通り、広瀬は妻の膝を掴んで力任せに広げた、と妻は言った。
そして、すでに充分潤っていた妻の股間に伸ばした指先で弄ったのだ。
クロッチを横にずらされ、中指をいきなり挿入されても苦痛はなく、
それどころかすんなりと受け入れた膣はひどく淫らな音を立て、
その音で妻は小さな気をやった、と告白した。

「イッたんだ………」
「我慢なんてできないよ。広瀬君の目、すごくイヤらしくて、
指を使われたら、またすぐイッちゃったんだよ」
「そ、それで?」
「ソファに座ってられなくなって滑り落ちたの。
仰向けにされて重なって、ワンピの裾、捲られて、おっぱい揉まれて、
乳首吸われて……、それが昔のままで痛いくらいなのに気持ちよくて……」
「…………」
「胸にね、馬乗りになった広瀬君が口に押し込んできたわ」
「…………」
「わたし、無我夢中でしゃぶって、そしたらすぐ出されたの」
「…………」
「すごくたくさんで、溢れそうになったけど……」
「なったけど…?」
「ごっくんって……」
「…………」
「広瀬君、上からわたしの顔見ながら、今度は手を伸ばしてアソコをまた指で弄ってきたの」
「…………」
「まだ口に残ってるのに、そうされて、わたし……」
「ど、どうしたの?」
「彼の指がすごくてまたイッちゃったの……、ごめんね」
なんという痴態だろう。
その情景を思い浮かべて、私は気が遠くなるほどの嫉妬を覚えた。
いや、嫉妬なのか、妻を汚された絶望感からくる陶酔感なのか……、わからない。

クラクラする頭を振っていると、勃起に妻の口腔を感じた。
今度は頭を上下され、思わず腰を引いてしまうほどの凄まじい快感だった。
妻は喉深くまで私を呑み込んだ状態を続け、舌で茎を刺激してきた。
餌付いて勃起を吐き出すと、私は妻をベッドに組み敷いた。
広瀬と同じように口中で出すわけにはいかないと感じたか、感じなかったか…。
膝を広げて露わになった股間に股間を突き立てると、かまわず腰を振り立てた。
淡い照明だけの寝室に妻の甲高い嬌声が響いた。
「あ、あなたっ!」
「美穂っ! 愛してるっ!」
「わ、わたしもよっ! 好きっ! 愛してるっ! ヒイ……、ヒィ…」
股間が激しくぶつかり合う肉の音が響いた。
私は左右に踊る妻の乳房を鷲掴み、乳首を吸い、甘噛みし、
甘い嬌声を聞き、妻が達する絶叫を上げるのとほぼ同時に奥深くへ放った。

腰が溶けていくような快感に溺れながら息を吐き、キスを何度も繰り返した。
背徳的な快感の中で妻も私も放心していた。

少し落ち着いてきた私は、まだ息を上げている妻の耳元で囁いた。
「広瀬にまた誘われたら、どうする?」
眩しそうな目で見上げた妻は、
「わからない……。あなたが、そうしなさいって言うなら考えるけど……」
そう呟くと、また唇を合わせてきた。
舌を深く絡ませる濃厚なキスだった。

広瀬と2度目のデートで起きた顛末を聞いた私はひどく興奮したし、
我慢しきれなくて犯すように覆い被さり、そのまま放った。
快感の余韻がなかなか退かないまま目を閉じてベッドに仰向けていると、
そのままどこかへ沈んでいくような陶酔を感じた。
私はそんな快感に浸りつつ、引っ掛かる何かを思いながら、
いつの間にか寝てしまった。


[30] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/07 (火) 19:55 ID:8ZHGQm4A No.204435
翌日曜日、目覚めると11時前だった。
少し開いた寝室のドアから、まな板を叩く包丁の男がわずかに響いていた。
仰向けのまま背伸びをして、起きるのでもなく目を閉じるのでもなく、
私は昨夜の妻の話を反芻した。

おかしい感じはしなかった。
妻と広瀬の相性は学生時代から引き続いているように思えたし、
やや引っ込み思案というか積極性の欠如というか性格の広瀬だから、
セックスをリードするよりも妻の積極性に応じる受け身の行為を
好むのも、なるほど、と感じた。
そこに身体を繋げる行為がなかったのかはやや気になる部分だが、
妻と広瀬の行為はそれが有ろうと無かろうと、所謂不貞には違いない。
広瀬も看護婦をしている妻がいるのだから、彼に罪悪感がないとは思えない。
彼の妻は夜勤で不在だったから昨夜妻をデートに誘ったのかもしれないが、
それは私にとってどうでも構わないことだった。

それよりも、昨夜、眠りに引き込まれる直前に感じた正体が
おぼろ気に浮かんでいた。

驚きというか疑念とも感じていたのは、妻のあまりに淫らな行為だった。
学生時代から引き続いている広瀬の性癖を充たし歓ばせるためとはいえ、
能動的な妻の行為は痴女的だったし露出癖があるように思えた。
以前も記したが、妻は行為中に私が頼んでも卑猥な言葉は
なかなか口にしないタイプだ。
夫婦の夜にセクシーなナイトウェアを着るのは、
私の官能を煽る補助的なものと思うが、それはどこの夫婦間にもあるケースと思う。
私とのデートで着る衣服がセクシーなのは私が指定するからであって、
妻自身はその提案を歓迎しているようにはみえない。

ところが過去、広瀬としてきた行為も、昨夜の妻が見せた行為も
私が知っていた姿とはかけ離れてはいないか……?
私の前では貞淑を装ってはいるが、
妻の心の深い部分には露出願望が存在しているのかもしれないし、
その部分を擽ればより破廉恥な行為を繰り出すのではないだろうか?

機会を見つけて問い掛けてみなければと思ったとき、
足音が聞こえてドアが開いた。
「お・は・よ・う、ダーリン。お目覚めいかが?」
抑揚をつけてそう言った妻はひどく扇情的な姿だった。

妻は素肌に着た白いワイシャツ姿だった。
透けていなかったが、両袖を捲り上げ、ボタンを上から3個外した胸元は露わで、
乳首が生地を突き上げていたし、わずかな動きで乳房は左右に揺れている。
股間をわずかに隠す程度の裾丈で、そこに淡い陰毛が見え隠れしていた。

声もなく見惚れていると、ベッドのふちに近づいた妻は、
「おはようって言ってるのよ、ご主人様?」
と前屈みになり、柔らかく白い乳房を左右に揺らして見せ、
仇っぽい睨むような目つきで言った。

「いや、良い目覚めだけど、また急に寝たくなったな」
「イヤらしいわねぇ! 寝たいなんてぇ」
そう言って顔を近づけ、薄く開いた唇からチロチロと舌を覗かせた。
「なんだかさ、ものすごくエロイね。それ僕のワイシャツ?」
と言い、キスをしようとするとさっと顔を引いて、
「そうよ。昨日、あなたが着てたワイシャツよ。
洗濯前だからあなたの匂いがむんむんしてる」
妻は笑いながら、
「さ、起きなさい。食事、用意できたから」
それまでとは打って変わって現実的な口調で言った。

食卓に着いて良い香りのコーヒーを啜る間にこんがり焼けたパンと
ベーコンエッグ、盛り合わせの野菜が並んだ。
正面に座った妻は相変わらずの姿だからどうしても揺れる乳房に視線が向く。
それに気づいた妻は窘めるような目で見つめてきて、
「なに見てるの。食事中よ」
と言った。
「いや、その……、昔さ、両親が留守の時、広瀬とこんな食事したのかなって」
思い出した私が言うと、妻は明らかに頬を染めて、
「なに言ってるの。知らないわよ、そんなこと」
と口籠りながら呟くように言った。
私は悪戯に脚を伸ばして、爪先で妻の股間を探った。
閉じた膝で爪先が挟まれ、さらに揺り動かすと、
「怒るよ、もぉ」
妻は言いつつ吐息をついた。

言葉がない妻だったが、指摘されてその頃の情景が浮かんだのだろう。
膝の力が緩んだその奥を探ると、
「ダメよぉ、もお……」
と、今度は力なく言った。

昨夜、愛する妻が、今も私と付き合いがある同窓の広瀬と痴態の限りを尽くしてきた。
帰宅してそのまま今度は私と肌を重ね、幾度も極みに達し、
その翌朝、再び妻は広瀬との過去を思い浮かべて頬を染めている。
広瀬に妻を抱かれた嫉妬は重く深い.
しかし怒りはなく、逆に妻が愛しくてならなかった。
妻に露出癖や願望があろうと、同類項といえる変態嗜好を持つ私も変わりない。
人に秘密の一つや二つ、必ずあるはずだ。

幸せな朝食の一刻に私は充分な満足を覚えた。


[31] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/08 (水) 06:08 ID:MhgwsT4E No.204446
更新ありがとうございます

おぉ!なんてことでしょう!
奥様から変態チックに露出癖を告白というプレゼント!
奥様の告白を読んでいるだけであまりのエロさに直ぐに逝ってしまいました。
奥様が咥えるシーンの前に…

広瀬氏との絡みもなお興奮し、奥様のフェラ、そして待ちに待ったSHIMAさんと奥様の合わせ!
とても興奮いたしました。
美しく愛らしい奥様が妖艶で魅力的でちょっとエッチで変態チックなスパイスを纏い、広瀬氏とのデートより帰還!
素晴らしい!そしてSHIMAさんの希望をより洗練された奥様への変貌、おめでとう御座います。

何より翌朝の奥様は、いつもの可愛い奥様と少し余韻を残したエッチな奥様の混成にメロメロです。
私!ファンになっています!
奥様に絡み獲られたいです。
奥様を知りたいです。よろしくお願いします!笑


[32] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/08 (水) 06:15 ID:MhgwsT4E No.204449
ごめんなさい!
興奮のあまり、頭に血が昇りお名前を間違ってしまいました。
直樹さんと記載すべきなのに…
奥様どれだけ逆上せていたのでしょう。
大変申し訳ありませんでした。


[33] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/09 (木) 19:57 ID:Keq1KNFE No.204494
看護師の広瀬の妻は、5月に新人看護師の教育要員に選出されたらしい。
そのため、夜勤日以外に毎月3日間、病院の教育センターに泊まり込むようになった。
7月半ば、広瀬が妻を誘った当日は、彼の妻が家を不在にした日だったことが分かった。
これは広瀬から聞いた妻からの情報だが、
どうやら妻が不在の夜に広瀬は私の妻を誘うつもりのようだった。

8月第一週の金曜日、広瀬の誘いで妻は県西部の○○リゾートに一泊で出掛けた。
○○リゾートは名のある施設で、広大で緩やかな丘陵地帯にゴルフのショートコース、
森林を利用したフィールドアスレチック、アーチェリー競技場、キャンプ施設やBQ設備、
また屋内・屋外プールなどもる。
そうした施設とは別棟にホテルがあり、宿泊はもちろん、各種飲食店、居酒屋やカラオケバー、
レーンは少ないがボウリング場もある。
私も妻と一度出掛けたが、一日ではとても遊びきれない広大なリゾート施設だった。

前日の木曜日の夜、リゾートに出掛ける用意している妻に、
「なにして遊ぶの?」
と声を掛けた。
「まだ決めてないけど、久し振りにテニスをしようかって。
テニスするの1年振りくらいだからできるかなぁ」
「大丈夫だよ、すぐ思い出すさ」
「それから森林浴っていうか散策して、屋内プールにも入りたいし」
「水着、あるの?」
「去年、伊豆の白浜に行く前に買ったのがあるわ」
「どんなのだったかなぁ?」
「ワンピースタイプとビキニの二着よ」
「ビキニ、着るの?」
「屋内プールだからビキニ着て良いかわからないでしょ。
だからワンピースタイプも持っていくわ」
「う〜ん、僕も行きたくなってきたなぁ」
「あなたとは、また別の日にね。それに仕事でしょ」
「盆休み1週間取ったし、明日は東京へ一泊出張だし」
「じゃ、仕方ないわね。広瀬君と楽しんだ様子を話してあげるから」
「そうだな。帰ったら話を聞かせて」

翌朝、私は通常通り出勤し、10時過ぎの新幹線に乗車して東京へ向かった。
妻は広瀬の車で午前中に出発し、リゾートに11時頃到着予定と聞いていた。
朝、玄関を出るとき、なにかあれば電話かラインで連絡すると妻は言っていたが、
何事もなかったのだろう、連絡はなかった。

翌々日の夕方帰宅すると、すでに帰宅していた妻はにこやかに出迎えてくれた。
テニスをプレイしプールで泳いだせいか幾分日焼けしたように感じた。
着替えをしながら、
「どうだった、楽しかった?」
ときくと、妻は意味深な笑みを浮かべて、
「もう、目いっぱい楽しんできたわ」
と言い、
「あとで話すから。お楽しみにね」
と含み笑いをして見せた。

10時半過ぎ、寝支度を終えた妻がベッドに入ってきた。
至ってごく普通のパジャマだった。
いつものようにヘッドボードに背を凭れて脚を伸ばし、
「お待たせ」
と言い、私に顔を向けてきた。
含んだ笑みがずっと続いているから、
○○リゾートで私が歓ぶような何かが起きたのだろうが、
智子と一緒なのだから期待するような何かが起きるとは思えないし、
私も考えていなかった。
屋内か屋外のプールで視線を受けたくらいはあるだろうが、
それはまぁ、当然のことだと思うし……。

妻はどこから話そうか思案しているようだったが、
「2年くらい前、智子と二人で少しの間スイミングに通ったでしょ、覚えてる?」
と、口を開いた。
思ってもなかったのでちょっと首をひねったが、
妻が言ったように2年前の夏頃、
郊外に新しくできたスイミングクラブに通うと言い出した。
しかし、記憶では短期間で一カ月ほどだったと思う。

「あの時、今更スイミング?と言ったら、美穂が膨れたのを覚えてるよ」
「そうね、だから通うのって言ったよね」
「そうか、もう2年経つんだ」
「それでね、あの時は話さなかったけど、通うのを止めた理由があったの」
「確か一カ月くらいだったんじゃない?」
「うん、そうね。でもね、他にも理由があったんだ」
そう言って、妻はまた含み笑いをした。
「智子さんも止めたんだろ?」
「そうね」
「なにか気分悪いことでもあったとか?」
「気分悪くはなかったけど……」
「怪しいな。他のメンバーにタッチされたとか、ナンパされたとか?」
「ナンパは普通にされたよ。でも止めた理由は………」
妻は笑いながら答えた。


[34] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/09 (木) 20:19 ID:Keq1KNFE No.204495
ジゼルさん、こんばんは。
毎回、過分な感想をいただき感謝します。

ジゼルさんも想像されたと思いますが、妻は広瀬と私の嗜好に共通点があると感じていたようです。
学生時代の広瀬との関わり合いを妻から聞かされた時、私自身も共通する点を感じましたが、
それから時を経た現在、妻はなお一層共通点を見出したのでしょう。
さらに言えば、時を経た妻の性に対する意識は倍増どころではないと感じています。
そんなこんなが解放されたようにも思います。
解放された意識は、私のある意味でマゾ気質を巧妙に擽りつつ実践に移っていった……、のかも。

今、投稿している事柄は昨年の状況ですが、現在の妻はそれより開放的と私は思っています。
それを伝えると必ず返ってくるのは、「あなたのためでしょ」という言葉です。

まぁ、私のためなのは充分理解できますが、妻自身のためでもあるのは明らかです。

以降も、ご感想をいただけるよう自然体で記していきます。


[35] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/09 (木) 20:21 ID:Keq1KNFE No.204496
「スイミングって、競泳用の水着使用なのを知ってるでしょ?」
「へぇ、そうなの。知らなかった」
「競泳用の水着って地味っぽいけど案外すごいんだよ」
「どういうふうに?」
「サイドが切れ込んでるから胸全体が見てとれるっていうか」
私はテレビで放送される女子の競泳水着姿を思い浮かべた。
そういう目で見ていないから気にもしなかったが、確かにそうかもしれない。
「そういえば股もすごいVカットだよな、腰骨まで切れ上がってるっていうか」
「そうなのよ」
「ちゃんと処理してたんだ?」
「当り前じゃない」
「乳首も浮いて見えちゃうだろ?」
「そうね。だからニップレス貼ってたわ」
「そりゃ手間がかかるね」
「スタイル維持は手間がかかるの」
「なるほど。で、なにがあったの?」
「ナンパが多かったわ」
「えぇと、インストラクターとか?」
「うん。30代前後の若いインストラクターが多かったわ。
わたしたちオバサンに声かけてくるんだから、若い子はもっとでしょうね」
「う〜ん、役得ってやつ?」
「さあ、どうかしら」
「どんなふうに声かけてくるの?」
「レッスンみたいに近づいて声かけてきたわ」
「美穂だけじゃなくて智子さんもナンパされてたんだ?」
「あの子の方が胸、大きいし」
「へぇ、そう」
としか私は言わなかった。
現在の彼女がどうなのか興味はあったが、口は禍の門だ。
「とにかくナンパは普通にあったわ」
「ほかには?」
「インストラクターだけじゃなくて、メンバーのオジサンたちに
いっぱい目で楽しまれちゃったかな」
妻は私の目を覗き込みながら言った。

そんな様子を私は想像した。
世の亭主が夏の陽を浴びて汗を流しながら働いている間に、
妻たちは若いインストラクターが当然のようにナンパしてくるスイミングに通っている。
話しの先をまだ聞いてはいないが、そのナンパに応じる主婦たちもいるのだろう……。

下半身が充填して疼くのを感じて、投げ出した脚を組み替えた。
察知した妻が腕を伸ばしてくる。
「少し感じてる?」
妻が媚びた口調で言った。
「ああ、もちろんだよ。なんだか悔しいって感じかな」
「声掛けられただけなのに?」
「応じたりした?」
「それはどうかな〜 ふふ」
「怪しいな」
「そう? ひどいのはプールの中でおっぱい触ってくる男の子もいたわ」
「周りに人がいるのに?」
慌ててきくと、それには答えず、
「あ、急に固くなった。ひどい子に触られたのに反応しちゃうの?」
「いや、触られてるからだよ」
「そうかな〜? ね、正直に言って」
「少し…」
「感じるんだ」
「それで、その時はどうしたの?」
「逃げたわよ。睨み返してやったわ」
「好みじゃなかったとか?」
「それもあった、顔がね……」
「なろほど」
「でも、それを注意してくれたイケオジのインストラクターには食事誘われたわ」
「どうしたの? 応じたんだ」
鼓動を高鳴らせながらたずねた。
「なんでわかるの?」
妻はとぼけた口調で言った。
「いや、展開的にはそうかなって」
「鋭いね。そう、智子に用事があるからって嘘ついて、わたしだけ早く出たの」
「な、なるほど」
「でも、食事だけよ」
「浮気前の食事?」
「プチ浮気かな?」
「それで?」
「一番危険だったのが、それかな」
「危なかった?」
「もしかしたらって覚悟してたし」
「そうなの?」
「うん。でも食事だけだったから、浮気はしてないわ」
「エッチはしてないじゃないの?」
「あ、そうか、そうだよね。エッチはしてないけど、覚悟したものね」
「彼のなにが良かったの?」
「だから親切で優しかったし、雰囲気作りが上手だったかな」
「なるほど」
「きっと、次かその次にホテルに誘うつもりだったと思うわ」
「そうならなかった?」
「そうね。だってその回で割安価格が終えたの」
「あぁ、そういうことか、なるほどね」

盛り上げるだけ盛り上げて、スカ食った感じだった。
それは下半身にも影響したらしい。
妻は半勃起状態の私を優しく撫でながら、
「本題はこれからよ。ほら、しっかりして」
と言い、微笑んだ。


[36] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/09 (木) 22:56 ID:GxD7idZM No.204502
直樹さん、ありがとうございます。
いやー、奥様がより魅力的な晒しを扱うようになってきましたね。
なんというか期待させておいて、それはブラフでじつはまだ先にある。
『ちょっ!…それは無いよ』といいたくなりますね。
それをわかっているのがまた悔しいようなでも期待してしまうような。
絶妙過ぎです!
半勃起を撫でながら微笑むなんて…なんてことだ!
これはあとにお仕置きが必要ですね。
奥様が楽しんだ分だけ直樹さんが奥様を狂わせねば!
これからどんなことを奥様は語るのか?
楽しみですね。


[37] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/10 (金) 13:11 ID:T07uIrIs No.204523
広瀬の車で出掛けて○○リゾートには予定通り11時前に到着した。
受付を済ませて5階の部屋に入り、備え付けの紅茶を淹れて飲みながら
パンフレットを広げ、当日のスケジュールを練ったという。
相談して決めたのは昼食後に樹木の中に続く遊歩道を散策し、
その先にあるコートで3時間ほどテニスを楽しみ、
一旦部屋に戻ってから屋内プールで身体を冷やすというメニューだった。

二人はずいぶん久し振りのテニスを楽しみ、部屋に引き上げると水着を持参して屋内プールに向かった。
屋外プールは夏休みの親子連れで混み合っていたが、屋内プールは思ったより空いていたらしい。
テニスで疲れた身体を癒すには都合が良かったと妻は言った。
二人は25メートルプールの隅のレーンを使って泳ぎ、プールを出ると長椅子で休憩し、
また泳ぐを繰り返した。
妻は休憩しながらも都合レーンを平泳ぎで2往復してプールから上がり、
長椅子に腰掛けようとしたところで、
「脚の蹴りがもう少し伸びがあると早く綺麗に泳げますよ」
と、プールサイドに立っていた男に声を掛けられた、と言った。
驚いて少し離れて泳いでいた広瀬を窺ったが、気づかなかったようだ。

私は思わぬ展開に驚き、
「誰なの、それ?」
話を中断して声を上げた。
「ね、驚いたでしょう? わたしも驚いたもの」
「まさか……、スイミングのイケオジインストラクターだったとか?」
慌てて言葉が縺れそうだった。
「答えは……、ピンポンよ。奇遇っていうか、まさかって思ったもの」
妻は愉快そうな口調で言った。
「へぇ、確かに奇遇だな、それは」
「奇遇奇遇、ほんとに」
「広瀬はどうしたの? え? じゃあ、まさか……」
私は身を乗り出してきいた。
「まさかって、広瀬君からイケオジにチェンジしたとか?」
「いや、それはいくらなんでも。広瀬はどうしてたの?」
「隣のプールに行ってたみたい。
同じ25メートルプールなんだけど、飛び込みできるから水深が深いのね」
「じゃ、広瀬はそのイケオジと顔を合せなかったんだ」
「そうね」
「でもずっと気づかないことはないだろ?」
「広瀬君が10分くらいして戻ってきたけど、
その時はもうイケオジはわたしから離れてたし」
「誰かと一緒だったの?」
「わたしと同い年くらいの女性と一緒だったよ」
「奥さんかな?」
「まさか」
「まさかって、どうして?」
「派手だったし、化粧も水着もケバかったもの。
どこかの飲み屋さんでナンパした水商売の女だよ、きっと」

どこか妬みっぽい口調に、私は妻の女心を見たような気がした。
偶然出会ったスイミングクラブのイケオジインストラクターが、
妻と同年代に見える肉感的で化粧も水着も派手な女を伴っていた。
妻はその女性と自分を瞬時に較べたのだろう。
そして、肉感的に引けを取っていると妻は思ったのではないだろうか?
また、声を掛けられたことで同伴していた女を意識させられたと妻は思ったかもしれない。
スイミングに通っていた時は、次に誘われたら応じたかもしれないインストラクターなのだから、
妻の感情が穏やかでないのは、なんとなくわかるような気がした。

しかし、広瀬が隣のプールに行っている間の出来事を、
しかも穏やかでない感情になったイケオジとの奇遇を、なぜ私に話したのだろうか?
何かが起きたのであれば挿話する意味はあると思うが、
なにもなかったのだから意味がないはずなのに……。

「広瀬は、イケオジと顔を合せなかったんだろ?」
「そうよ。だから、わたしを放って隣のプールに一人で行ったのが癪に触って、
ナンパされそうになったって話してあげたの」
「…………」
イケオジが魅力的な女性を連れていたことは、妻にとってやはり憤慨の種だったらしい。
「広瀬に、いつ話したの?」
「プールを出て、それからバーベキューでお腹を満たした後、
カラオケバーに入ったんだけど、その時よ」
妻は広瀬を嫉妬させるために、自分の癇癪を彼にぶつけたのだ。

「あのさ……、それって……」
「気づいたみたいね」
「……そりゃ、長年夫婦やってるからね」
「だって……、頭にきちゃったの。なんだかむしゃくしゃして……」
「広瀬、なにがなんだか分からなかったんじゃないのか?」
「そうね。でも、イケオジにナンパされそうになったって言ったら、
広瀬君、急に興奮して周りに何人かいたのに抱きついてきたわ」
「…………」
「その時ね、思ったの。あなたに似てるって」
「広瀬が? 僕と?」
「だってズボンの前、膨らませてたもの」
「…………」

唖然として、私は言葉がなかった。
学生時代の広瀬と妻の交歓の詳細の中で、広瀬は妻の能動的な行為が好みだったと言い、、
「あたもわたしにされるの、好きだったじゃない」
と当てこすりのようにつけ加えた。
二度目のデートの詳細を聞いたときには、
「わたしの露出的な格好を見ると、彼、すごく興奮したわ」
「……そう、ね。誰かさんに似てるでしょ?」
とも言った。

妻は、広瀬と私の嗜好が似てることを学生の頃から気づいていたのかもしれない………。
そうであれば、私と疎遠になってから1カ月ほどして広瀬に慰めの言葉を掛けられて
すぐ傾いたのもそれなりに頷けるし、
私と縒りが戻ってからも広瀬との関係がしばらく続いたというのも理解できなくはない……。


[38] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/10 (金) 22:42 ID:soCkUM7g No.204539
なんと!奥様はずっと気付いていたのですか?
直樹さんの性癖も興奮するポイントも…そして廣瀬氏と付き合ってみて、同じ性癖を感じそれを刺激してみることで実感していた。
時を同じく奥様自身もそれを楽しみ興奮することを覚え、今に至る。

やっぱり女性は怖しい。
掌の上でと思っていたら、自分が手の上に居た。そんな感覚にされてしまう。
それでもいいと思える女性に出会えるチャンスは少ないですが。笑

とても良い関係ですね。
お互いをより理解し、お互いを高めることを喜び、さらに楽しみを見出す。
見られることに興奮し、それを聴かせ思い出しまた興奮している奥様…見ているだけで逝ってしまう。

続きが楽しみ!


[39] Re: 今昔物語・後日談  直樹 :2025/10/13 (月) 13:22 ID:Ph4N7l26 No.204622
プールを出た二人は水着姿のままバーベキューで腹を満たして後に部屋で休憩し、
その後カラオケバーに移動した。
妻から聞いたイメージだと、カラオケバーは昔流行ったというダンスホールのようだった。
仄暗い店内に並んだテーブル席に着いて広瀬はビール、妻はカクテルを注文した。
カラオケと音楽が交互に響く中で広瀬の隣に座った妻は彼の肩に頭を乗せていた。
そして、届いた飲み物を楽しみ、二人は手を取り合ってフロアに向かって踊った。
何曲か続けて踊ってから席に戻り、フロアをそれとなく目を向けた妻は、
そこにイケオジと、妻曰く水商売の肉感的な女性が踊っているのを目撃することになった。

イケオジは麻のジャケットに黒っぽいズボン、シャツの襟にループタイという粋な姿、
女性はワインカラーのノースリーブタイトロングドレスで、
両側面のスリットが腰のあたりまで切れ込んでいたらしい。
そんな二人が胸を密着させてゆったり踊る姿を、妻は見てしまった。
さらに難しい状況に至る結果になったのは、広瀬も二人の姿を見たことだろう。
妻が広瀬の様子を窺うと、その視線は女性に向けられていて、
ロングドレスの両脇に切れ込んだ深いスリットから剝き出た白い太腿を注視していたようだ。

「まずいなぁ、それは……」
私が小声で言うと、妻はその光景がフラッシュバックしたかのように、
「ふざけてるよね」
と罵るように言った。

妻の少しは鎮まった感情がまた騒ぎ出したのは明らかだった。
広瀬に対し途端に気まずい態度を示したかどうか、妻は言わなかった。
しかし、その後しばらくしてカラオケバーを出たというから、状況は言わずもがなだろう。

部屋に戻ると、妻は言葉少なく浴室に向かった。
シャワーで洗髪したとき広瀬が入ってきたらしい。
背を向けた妻の前に立った広瀬は完全勃起していたようだった。
その状態が、また妻の癇癪を増幅させた。
「カラオケバーで踊ってたあの女の脚、見てたでしょ」
もし、私が言われたのなら、嫉妬が生んだ妻の甘言ていどと感じただろう。
しかし、広瀬はそう思わなかった。
それどころか、なぜ妻が憤慨しているのか理解できなかったのではないか。
「見たけど……、悪かった?」
広瀬はそう言ったようだ。
それから二言三言やり取りした後、妻は言った。
「広瀬君が私を置いて隣のプールへ行ってる間に、
あの女と踊ってた男にナンパされかかったのよ」

その男が誰なのか広瀬に伝えなかったのは、妻の策謀としか考えられない。
あたふたする広瀬へ畳みかけるように、
「ナンパされてたら、今頃あの男と踊ってたかも」
と、妻は迫ったようだ。

「わたしを誘っておきながら放っておいて、なによ」
「いや、そういう訳じゃ……」
「しかも、よその女の脚をイヤらしい目で見たりして」
「はぁ? そんなつもりじゃぁ……」
「そんなに大きくしてるのだって、あの女を見たからでしょ」
「いやいや……」

広瀬の災難を想像すれば笑えないが、それより私は妻のあまりの変り様というか、
もっと言えば悪女への変身というか、その見事さに驚いた。
この年代の妻たちが嫉妬深いのは分かるが、
この時の妻の場合、この先の行為の快感を増幅させるための策略とすれば悪女認定だろう。

案の定、広瀬は妻の策略に嵌まり込んだようだった。
浴室で妻の肩を抱こうとした広瀬はその手を撥ね退けられてしまった。
浴室を出た妻は備え付けのバスローブを羽織って寝室に行くと、
広瀬もすぐ寝室に入ってきた。
そして再び妻を抱き寄せてキスを求めたという。
妻はただ受け入れただけでなく、舌を絡ませ合う濃厚なキスを交わしたが、
それすら策略だった。
キスをしている間に広瀬の勃起を再び感じると彼をベッドに押しやり、
妻は一方のベッドにあがってバスローブを脱ぎいで全裸になった。
そして、膝を徐々に広げながら、
「ねぇ、広瀬君、濡れてるの、見える?」
と問い掛けたという。
広瀬は言われるがままに妻の股間に移っていく。
広瀬の突きさすような視線を受けながら、妻は自らを二本の指で抉ったと言った。

「彼、アソコをじっと見つめてきたわ。イヤらしい目で……、
広瀬君に見つめられるて、わたし、すごく興奮しちゃって、
彼に見られながら気をやっちゃったの」
そう告げることで、妻は私の興奮も煽ってきた

視姦される悦びは、どういう心理なのだろう。
被虐的なのか、加虐的な嗜好なのか、または両方なのか……。

見せつけられた広瀬は妻の痴態に翻弄されてますます勃起させていた。
広瀬の猛り勃ったペニスを見てさらに興奮した妻は、
「わたしね、怒ってるの、あの女を見て興奮した広瀬君に。
わたしのも見てよ、見ながら自分でこすったら」
変貌した妻のあまりの痴態に興奮と動転を繰り返した広瀬は、
操られたように自らを扱き始めたらしい。
その行為を見ながら妻も股間に指を使った、と言った。
やがて微かな唸り声を上げた広瀬は、そのまま噴出したという。
その瞬間を見た妻も演技どころではなく、
彼のベッドに移ってまだビクビク跳ねているペニスを掴むと口中深く飲み込んだ、と言った。

「美穂、すごいよ、すごすぎる……」
私は思わず唸った。
妻は妖しい笑みを浮かべて、
「惚れ直した?」
と言った。
「ああ、もう虜だよ」
「広瀬君、すごく興奮して、4回も出したのよ」
「へぇ! じゃ、4回のうち2回くらいはエッチさせてあげたんだ?」
「いいえ、全部自分で出させたよ。後始末はしてあげたけど」
「させなかったんだ?」
「う〜ん、厳密にいえば触らせたり、指を挿れさせてあげたけど」
「どうして?」
「癖になったら困るでしょ」
「癖って、美穂が?」
「バカね、広瀬君に決まってるでしょ。あ、それにあなたも」
妖しい笑みを浮かべて言う妻は、まさしく悪女だった。
わずかな時間とはいえ、学生時代の元彼だった広瀬を弄ぶ悪女……。
しかし、そんな妻を崇拝の目で見る私がいた。

妻の言葉を信じれば、妻は広瀬の挿入を拒んだことになる。
拒みはしたが、広瀬の欲望を解消させている事実は変わりはない。
それで広瀬は充足したのだろうか?
そして、広瀬に見せつけながら自らの指で昇りつめた妻も満足したのだろうか?

それを問うと、
「昔から広瀬君、そういうエッチが好きだったと思うの。わたしは、今ひとつだったけど」
と答えた。
確かに広瀬の嗜好にはそういう傾向を感じていた。

「昔はできなかったけど、今はできるって?」
「経験はないけど、情報過多だから耳は大きくなって……、
それに癪に障ったからサドっぽい痴女になれたのかも」

広瀬の存在はそこまで大きいと思っていなかったし、
清楚と言えば大袈裟だが、普段は慎ましめ妻から
痴女やサド女になれるという発言を聞いた私はどう受け止めて良いのわからなかった。

「で、その後、どうしたの?」
「彼のベッドで一緒に寝て、キスしたり身体を撫であったりしたわ」
「エッチは?」
「4回も出したのよ。フェラしてあげたけど、擽ったがるだけでできなかったよ」
「美穂は、それで満足だったの?」
「エッチなしで良かったのかってこと?」
「そう。良かったの?」
「どうかなぁ……。でも、彼には満足したって思わせないといけないでしょ」
「その言い方だと、充分満足だったわけじゃないんだ?」
「半分くらいかな……。でも、わたしにはあなたがいるし」
「代用?」
「バカね、そうじゃないよ。さっきも言ったけど、癖になったら困るでしょ、彼が。
わたしはいつだってあなたに満足させてもらえるもの」
「うん、それは、まぁ」
「若い時だったら精神的な満足で充分だったけど、今はダメ。
身体全体にあなたを感じないと」
「希望の時間ほど保てなくても?」
「その時間でイケる身体にしたのは、誰よ?」

なるほど………、言葉がなかった。
そして、猛烈に妻を愛しく思った。

妻に覆い被さった私はパジャマを乱暴に脱がした。
「きゃっ、犯されるっ!」
妻の嬌声を無視して、柔らかく盛り上がる乳房に顔を埋め、乳首を吸った。
吸いながらパジャマのズボンを下げようとすると妻は尻を浮かした。
手と膝頭を使ってズボンを降ろすとショーツを下げるのももどかしく、横にずらして挿入した。
妻はすでにおびただしく潤わせていた。
腰を使うと難なく深みへ届いた。
妻は手を背に回して密着しながら尻をうねらせて擦りつけてきた。
下腹部がぶつかり合い、その都度妻は、はっはっと息を激しく吐いた。
「美穂っ、愛してる!」
「あなた、わたしもよ! あぁ、素敵よっ! あなたっ!」
薄明の寝室に妻と私の訳の分からない言葉が響き渡り、
そして何分経ったのかわからないが、妻の太腿がびくびくと震え始めたのを感じると、
私も耐える限界が切迫した。
妻が達する声と私の唸り声が交差して一つに溶けていった。


[40] Re: 今昔物語・後日談  ジゼル :2025/10/13 (月) 17:25 ID:9FI/LtPc No.204629
なんと!奥様は悪女へと変貌し、広瀬氏をサディスティックに操り自慰で四度の射精を強要!
奥様が自ら指で掻き回すのを見せつける!
おぉ!考えただけで私も射精しそうです。

しかもそれを直樹さんに語って聞かせる。
満足度は半分くらい…満足するにはあなたがいるからと。
旦那冥利に尽きますね。
こんな女性がいるんだなぁ。

もうここまできているなら襲うしか選択肢はないですね。
奥様も話して十分に高揚しておいででしょうし。
ある意味で誘っているとしか思えん。
最高ですねー。
広瀬氏もまさかネタにされているとは思っていないでしょうが、でもいい思いしているのだからヨシとしましょう。笑



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 【例】「交際BBS(東・西)で募集している〇〇です」、または「募集板(東・西)の No.****** で募集している〇〇です」など。
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