掲示板に戻る /戻る /全部 /1- /▼ラスト

新スレ落花枝に帰らず

[1] スレッドオーナー: ジプシー Y :2025/12/22 (月) 00:00 ID:uUBZOVe2 No.2028
コチラに流れてきました。ゆくり自分のペースで更新していきたいと思います。どうかよろしくお願い致します。
あらためて物語の概要です。

まず、登場する人物の紹介です。

■ 主人公:私 = 矢部 正則(やべ まさのり)

57歳。医療機器メーカー「ジェボ」営業係長。年収約600万円。
出世コースからは外れ、現在はマイペースに仕事を続けている。
性格は穏やかで真面目。典型的O型。

映画鑑賞、ウォーキング、スポーツ観戦が趣味。
学生時代は旅行研究会に所属していた。
身長165cm、中肉中背。
妻と軽自動車(ダイハツ・タント)を共有している。
ごく一般的な中高年男性。
家庭では強い愛情を持つ愛妻家。
夫婦関係はとても円満だが、セックスレスや最近では
EDに悩み 戸惑いと落ち込みを抱えている。

■ 矢部 由紀(やべ ゆき/旧姓:沢野)
54歳。隣町のスーパーでレジ業務のパート社員。B型。
明るく器量の良い女性だが、やや人見知り。
真面目で負けず嫌い、芯が強い性格をしている。
身長155cm。体型は若い頃からほとんど変わらず、
年齢より若く見られることを密かな自負としている。
華美な装いは好まず、実用的で無難な服装を好む。
黒髪ボブ、薄化粧、チノパン、スニーカー、エプロン、
自転車 のイメージ。
趣味はガーデニング。学生時代は園芸部。
綺麗系というより、笑顔が印象的な「可愛らしい」タイプ。
結婚前に地元のスナックで働いていた経験がある。

■ 夫婦の関係
お互い、「カアサン」「トウサン」と呼び合う。
長年連れ添った夫婦らしく、穏やかでのんびりとした生活を
送っている。
子どもは二人。いずれも成人し、現在は県外で勤務中。
長男:弘幸(27歳)長女:麻里奈(25歳)
郊外ニュータウンの一軒家、住宅ローンの残りはあと3年。
リフォームや外壁塗装も視野に入れており、経済的な余裕は
決して大きくない。

■ 平尾 明正(ひらお あきまさ)
57歳。「ジェボ」の関連子会社「ジェボインターナショナル」
代表取締役副社長。 推定年収約1000万円。 A型。
私と同期入社で、入社以来の唯一無二の親友。
直近4年間はスイスの関連子会社でCFOを務め、
半月前に帰国、現職に至る。
5年前、最愛の妻(直美さん)を心疾患で突然亡くしており、
現在も独り身。
ベイエリアの高級タワーマンション上層階で一人暮らしを
している。
性格は明るくユーモアに富み、天真爛漫。
人情味があり、部下からの信頼も厚い仕事のできる男。
身長172cm、やや小太り。学生時代はアメフト部。
趣味は山歩き、史跡巡り、グルメ。
現在は立場上、身だしなみにも気を配っている。
愛車はアウディのクーペ。

■私と平尾の関係
仕事上では大きな職位差があるが、私生活では何でも
言い合える親友同士。
かつては3か月に一度のペースで、飲みや日帰り温泉に
出かける仲。
私はこれまで家庭内で平尾の話題を頻繁に出しており、
由紀も平尾の人柄や過去についてはよく知っている。
また、平尾の妻 直美さんの葬儀にも由紀は参列した。
私と平尾の友情は、今後も揺らぐことはないと思っている。

【物語の説明】

私の会社の同期であり、大親友でもある平尾明正は、五年前に最愛の妻を亡くしました。
それ以来、彼はずっと、どこか空洞を抱えたまま生きているように見えていました。

海外赴任中は、異国の環境と激務に救われていたのだと思います。
しかし帰国し、慣れ親しんだ日本の日常に戻った途端、かえって孤独は色濃くなりました。
酒を飲めば笑い、冗談も言います。
それでも夜が更けるにつれ、彼はぽつりぽつりと本音を漏らすようになっていきました。

寂しい。辛い。何を楽しみに生きているのか分からない、と。

それは、親友だからこそ見せる弱さでした。
時には、私の前で涙をこぼすこともありました。

そんなある日、私たち二人で食事をしていた席で、私は半ば冗談のつもりで口にしました。
「たまには誰かと映画でも観て、ドライブでもしてこいよ」
「気晴らしは大事だ。特に今のお前にはな」

そして、勢いに任せて、さらに言ってしまったのです。
「じゃあさ……相手を、うちのカミさんにしてみたら?」

平尾は最初、完全に冗談だと思って笑って断りました。
ですが私は、「気楽に」「半日だけ」「昼食後から夕食前まで」という条件を繰り返しました。
休日の午後を、ただ昼寝で終わらせる現状を変えたい――
そんな思いが、平尾の心を少しずつ揺らしていったのです。

「……由紀さんがいいなら、その話、乗ってもいいか?」

半信半疑のまま、彼はそう口にしました。

こうして日曜日の午後、わずか5時間ほどの“デートごっこ”が始まることになりました。
それは、私が公認し、私が段取りし、私が仕掛けた時間でした。

もちろん、妻の由紀も最初は乗り気ではありませんでした。
しかし、夫の親友を気遣う気持ちと、私の頼みを受け入れ、最終的には了承してくれました。

私たちは、表向きには、何の不満もない仲の良い夫婦でした。
ただ一つ、私の中には、誰にも言えない歪みがありました。

自分でも認めたくない無力感。
それを押し殺すどころか、あえて直視し、刺激に変えようとする矛盾した欲望。
私は、その危うい期待を、最も信頼できる親友に託してしまったのです。

軽いショッピング。
映画鑑賞。
ドライブ。

本来なら、それだけで終わるはずの、取るに足らない休日でした。
しかしその選択は、三人それぞれの思惑を孕みながら、静かに日常を揺らし始めていきます。


【物語の流れ】
4年ぶりに再会した親友・平尾明正は、以前と変わらぬ明るさを
装いながら、その奥に深い影を抱えていました。
5年前に最愛の妻を亡くし、仕事では成功を収めながらも、
心の空白だけは埋まらないままだったのです。

平尾と酒を酌み交わすうち、彼は少しずつ本音をこぼしました。
寂しさ、虚しさ、生きがいのなさ・・・
そんな親友に私は何かしなければならない、と思ってしまった
のです。

そこで私は、冗談とも本気ともつかない提案をしたのです。
「うちのカミさんと、半日だけデートしてみたら?」

その言葉は、思いのほか現実味を帯びていきました。
私自身、妻との長年のセックスレスと、最近はEDにも悩んで
いたことから、その計画は次第に私の中で別の意味を持ち
はじめていたのです。

当然、妻 由紀は強く拒みました。
だが、私の苦悩と、私の親友の孤独を前に、葛藤の末に
条件付きで了承したのです。
こうして三人それぞれの思惑が、かろうじて均衡を保ったまま、
“デートごっこ”は動き出したのです。

由紀と平尾の初めてのデートは、驚くほど日常的なものでした。
駅で見送る私の胸に去来したのは、安堵と同時に 言葉には
できない喪失感でした。
何も起きていないはずなのに、心はざわついていたのです。

二人からのデートの報告は穏やかで、むしろ自然でした。
その「自然さ」が、私の中に小さな棘を残したのです。
報告の中で、私は、由紀の過去、私との結婚前の姿や、
私の知らなかった一面に触れ、遅れてきた嫉妬を覚えました。

二度目のデートでは、ほんのわずかな変化が、私の心を大きく
揺らしました。
装いの違い(ストッキングやキャミソール)、何気ない仕草、
語られなかった会話。
報告される内容は平穏でしたが、語られない部分が想像を
膨らませていったのです。

平尾から聞かされた話の中には、亡き妻との過去や 彼の趣味
であるBDSMの話をした、と告白がありました。
それを由紀が静かに聞いていたと知ったとき、私は強い動揺を
覚えました。
しかし由紀の報告からは、その話題は出てこなかったのです。

理解しようとする理性と、抑えきれない感情の間で、私は
揺れ続けました。

そんな折、娘の麻里奈が帰省し、家族で訪れたカフェで、
思いがけず二人(由紀と平尾)の痕跡に出会ったのです。
偶然の再確認は、私の中の疑念と現実を結びつけました。

三度目のデートは、電車で向かう紅葉狩りでした。
事前に二人の直接のやり取りがあったことを知り、私は怒りと
不安、そして奇妙な高揚を同時に抱えました。

デート当日、由紀は相変わらず控えめな装いで現れました。
駅前を並んで歩く二人の後ろ姿は、あまりにも自然で、
胸が締めつけられたのです。

その日、平尾は私に「デートは年内で終わらせたい」と告げて
きました。
その理由を深く聞くこともできないまま、帰路につきました。

帰宅後に届いた、デート最中の短い映像と数枚の写真。
そこに映る由紀のささやかな変化は、私の心をかき乱しました。

夕刻、由紀は予定通り帰宅し、私にデートの報告をしました。
圧巻の紅葉の景色、途中で「夫婦と間違われた」出来事。
その瞬間、平尾は亡き妻を思い出し、感情を抑えきれずに
泣き崩れたとのことでした。

その時、由紀は彼を支えながら、まだ彼の心の傷は癒えて
いないと感じ、デートのもう少し時間が必要かもしれない、と
私に言いました。
由紀の言葉に、安堵とも期待ともつかない感情を抱いたのです。

物語は続きます。


[2] Re: 落花枝に帰らず  ジプシー Y :2025/12/22 (月) 00:06 ID:uUBZOVe2 No.2029

平尾は 懐かしさで感極まったのか、こみ上げる寂しさ
からなのか、堰を切ったように泣き出したそうです。

「わたし、止めようがなかったよ・・・」

それもすすり泣くのではなく、思い切り嗚咽しながら
ポタポタと涙を落していたらしく、由紀もどうしたら
よいのか 戸惑ったそうです。

由紀の話、少々 盛り過ぎのような気もしましたが、
私は聞きました。

「ホントに 目の前でポタポタと涙が落ちて・・・」

由紀は両手を胸の前で組み、言葉を探していました。

そして・・・

「わたし、びっくりしたけど、かわいそうに思って」

「ま、男が 声出して泣いたら びっくりするわなぁ」

「んー それでね、なんていうかな・・・」

艶のある爪に視線を落としながら 由紀は言い難そうに、
それでも さらに詳しくその時の事を話してくれました。

嗚咽をもらすほど泣く平尾に、ベンチで隣に座る由紀は、
その横でどうすれば良いのか戸惑ったそうです。

たしかにこの場面、誰しも戸惑うのではないでしょうか。

「わたし、オロオロしてしまって・・・」と由紀。

そして・・・ なぜか? 無意識のうちに? 自然と? 

彼女は男泣きする平尾に手を伸ばした、伸びてしまった、
いや 伸ばすしかなかった、と。

「わたし、仕方なくというか・・・」
「平尾さんの手を握って・・・ それで ハンカチをね、
渡してあげて・・・」
「というか・・・ うん・・・」

「うん?」私も どう返して良いのか緊張していました。

「あー 少しだけ、肩を抱いてあげた感じで・・・」

「えぇ?」 私は息が止まるような反応になりました。

「あっ、だから、なんていうかな・・・」
「横から肩だけを ちょっとだけハグ? そっと抱えた?
みたいな・・・」

由紀は“だいた”と言ったことを すぐに訂正して、
“ハグ”“かかえた”と言い直したのがわかりました。

恥ずかしかったのか、それとも言い過ぎたと思ったのか、
少々慌てていた由紀は俯いて、ふぅーっと、溜息を
吐きました。

私は胸の奥で、予想外の焦りが一気に湧いていました。

平尾の様子を見て、横に座っていた由紀が、手を携え、
肩を抱いたという事実!

(マジか? うそやろ!)

思わぬ形で由紀と平尾が初めて触れ合ったという現実を
由紀の口から直接 聞かされてしまい、私は急激な
ショックを受けました。

いままで恋愛小説や動画やドラマの世界にあるように、
(少しくらい そうなってほしい)と思っていながら、
実際にそうなったという真実に直面すると、
何とも言えない大きな焦りが込み上げてきたのです。

ただ、ひるんだ自分を由紀に悟られてはいけない、
すぐに私は切り替えて、器の大きい、余裕のある男を
演じていました。

「まぁ、そうするのが 普通やろ・・・」
「みんな、そうするやろな・・・」 と。

私は見栄を張ってその言葉を発すると、不思議なもので、
そのシーンをイメージしているうちに、たしかに由紀の
とった行動は決して不自然ではないと思えてきたのです。

彼女がそうせざるを得ない状況だったのも、なんとなく
理解できたのです。

涙を溢す平尾の横に座って、ただ ボォーっと放っておく
わけにはいかない、彼が 亡妻のことで凹んでいることは
わかっているだけに。

だからこそ、胸の奥に ざわつきも 焦りもありましたが
違和感はなく嘆きや怒りの感情はありませんでした。

「目の前で、男の人があんなふうになると、どうしたら
いいのか わからないよね・・・」

あらためて そのシーンを回想していたのか、彼女の声も
低くなり沈んでいるような感じになっていました。

由紀が続けて、

「そんな時でもね・・・ 本当はこんなこと思っては
いけなかったのだけど・・・」

「なんや?(おぃ! まだあるんか?)」と私。

「んーー、わたしね けっこう冷静にね・・・
 あー この人はまだ治ってないな、って思ってて」

私だったら慌てふためいて、まずは彼を全力で慰めること
だけに没頭して、とにかくこの場を収束させたいと思った
でしょう。
しかし由紀は平尾を慰めながらも、状況を冷静に観ていた
のです。
(女特有のしたたかさでしょうか? 怒られますね;;)

そんなことを思いながら 彼女の二重性に、別の意味で
私は胸の奥がざわつきました。

由紀は、自分のその時の気持ちを素直に話せたのか、
ここから先、語る声も幾分か穏やかになりました。

「だから、これまでしてきた平尾さんへの気晴らしとか
元気づけも、まだ要るのかな、って」

さらに由紀は、

「でも前もね、平尾さん、もうデートみたいなことは
終わりにしたいって・・・」

「おぉ、あいつ 言ってたよな」 私は駅で聞きました。

「うん、でも、あの姿 見たら、まだ早いかな って・・・
トウサン どう思う?」

平尾が「デートは終わりにしたい」と言ってきたことに
対して、彼女なりに「時期尚早」という答えを出していた
のでした。

私は内心、願ったり叶ったりでした。

ただ私は、

「んー、その場におらんかったし、何とも言えんよ」

と、逸る気持ちを押し隠しながら、冷静さを装いました。

由紀のほうから“まだ続ける”ということを言い出した
ことに驚きながらも、むしろ それをうまく利用したいと
姑息にも考えていたのを覚えています。

つまり、デートの継続は“彼女の方から言い出した”と。

「あっ デートみたいなことだけじゃなくて、平尾さんを
混ぜて楽しく過ごせる機会を作ってあげれば、って」

と 由紀は続けたのでした。

「そやな、まぁ えんちゃうか・・・ でも・・・
もっと楽しませてやらんと あかんよな(笑)」

「まぁ、そうよねー」と由紀。

スリルやリスクから興奮や刺激というクスリを求めたい、
私の気持ち。
一方で、平尾のメンタルがまだ回復していないと感じる、
由紀の思い。
形や目的は違えど、デートごっこをやめられない点では、私と由紀の意見は一致していたのです。

いつのまにか、平尾のかわいそうな話が 程よいスパイス
になり、デート報告の場の雰囲気を和らげてくれました。
その後は、お互いの入浴の時間を挟んだのですが、その
状態や空気は変わりませんでした。

この流れで私は、本当に聞きたかった3回目のデートの
報告を聞けることになったのです。

「カアサン、ほかに ヒラとどんな話 したん?」

由紀は、今回の紅峰山からの絶景のほかに、
・平尾が海外赴任先で見た絶景の話
・平尾副社長としての仕事の話
・私と平尾の過去のエピソード(おい!)
・ウチの二人の子どもの話
・最近読んだ本の話
・ゴミ出しの話・・・

くらいかなと、淡々と簡単に報告をしてきました。

私はしっかりと聞き耳を立てていたのですが、
正直、退屈してしまうほど普通の会話がされていた
みたいでした。

が・・・

「あ、それとね・・・」と由紀。



掲示板に戻る /戻る /全部読む /削除依頼 /▲トップ
処理 記事No パスワード


お名前 *必須 *トリップ可
E-Mail
タイトル
コメント
パスワード (投稿文の削除や修正時に使用します。英数字で8文字以内)
文字色
  

・投稿前に、必ずTOPページの「初めに読んでね」をご覧いただき、全ての内容をご了承の上で投稿してください。
・氏名、住所、電話番号、勤務先等プライバシーが侵害されるような内容を含む記事等の投稿は厳禁です。(即時削除)
・日本の法律に違反するような投稿は厳禁です。(即時削除)
・他人を誹謗中傷する投稿は厳禁です。(即時削除)
・誹謗中傷には大人の良識に反するような「汚い言葉」等も当然含まれます。
・規約違反や違法な投稿を発見した場合に、レス投稿で攻撃することは厳禁です。(即時削除)
・規約違反や違法な投稿を発見した場合は、管理人宛に削除依頼等でご連絡ください。
・この掲示板は体験談や小説、エロエロ話等を楽しんでいただくための掲示板ですので、募集を目的とした投稿は厳禁です。(即時削除)
・投稿文冒頭から「メールをください」等の記載がある等、明らかに募集目的のみと思われる投稿も厳禁です。(即時削除)
・ただし、レスの流れの中でメールのやり取りをするのは全く問題ありません。
・ご夫婦、カップルの方に限り、交際BBSと組み合わせてご利用いただく場合は、全く問題ありませんのでドンドンご利用ください。
・なお、交際専用BBSにスレッドを作成できるのはご夫婦、カップルの方のみですのでご注意ください。
・お手数ですが、交際専用BBSと画像掲示板とを組み合わせてご利用いただく場合は、必ずその旨を明記してください。
 【例】「交際BBS(東・西)で募集している〇〇です」、または「募集板(東・西)の No.****** で募集している〇〇です」など。
・上記のような一文を入れていただきますと、管理人が間違ってスレッドを削除してしまうことが無くなります。
・万一、上記内容に違反するような投稿をされた場合は、妻と勃起した男達の各コーナーのご利用を制限させて頂きますでご注意ください。
・当サイトは安全で安心できる楽しい「大人のエロサイト」です。腹を立てるのではなく、楽しくチ●ポを勃ててくださいネ!