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[4287] 誠実な人(2) イワタ 投稿日:2008/07/12 (土) 11:29
玄関を静かに開け、家を出ると、私は駆け出していました。
訳もなく、一心不乱に走りました。
頭の中は真っ白で、なにも考えられません。
興奮か、混乱か、それさえ定かでないのです。

どれくらい走ったのでしょうか・・・。
足を止めると、そこは家からかなり離れた高台の公園でした。
ゆっくりと夕日が沈んでいきます・・・。
もう、こんな時間になっていたことに気づきました。
オレンジ色に染まった空を見ると、すこしだけ気持ちが落ち着いて来ました・・・。

しかし、それも束の間・・・。
オレンジ色の空が、あの部屋の照明を思い出させ、二人の行為をフラッシュバックさせます。
妻に、覆いかぶさった権藤さん・・・。
静かな息遣い。
交わる二人の肉体。
重なる唇。
知れたる妻なのに、それはとてもとても艶やかでいやらしかった。
なんとも・・・。

ブルルルル、携帯のバイブレーションが私を現実に引き戻しました。
妻からです・・・。

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) エイダ 投稿日:2008/07/12 (土) 14:58
もう投稿されないと思っておりました。これから奥様は誠実な男に身も心も嵌まっていくのでしょうか?続きが読めるなんてほんと嬉しいです。

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) たつや 投稿日:2008/07/12 (土) 23:08
また読み返しては興奮しています。
続き待ってます。

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) sinnya 投稿日:2008/07/14 (月) 06:12
その後の話が聞けるなんて最高です。期待していますよ。

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) イワタ 投稿日:2008/07/15 (火) 23:21
エイダさん、たつやさん、sinnyaさん
ありがとうございます。
稚拙ではございますが、続きを書かせていただきます。

画面をしばらく眺め、意を決し、携帯電話を耳にあてます。
「もしもし、あなた?」
何故だか、妻の声が懐かしく聞こえました。
遠くに行ってしまった誰かと再会して話すような懐かしさです。
「どこに居るの?終わったよ・・・。」
「終わった?」
「うん、終わった。」
『終わった』という言葉が、私の中に重く沈みます。
本人は何が終わったというつもりでしょうか。
私が目撃したあの行為でしょうか。
まさか、私が知っているとは思ってもいないはずです。
「大丈夫だった?」
「ええ・・・。」
少しだけ、声がトーンダウンするのがわかりました。
「本当に?」
「うん・・・、大丈夫だよ。それより、早く帰ってきてね。」
「ああ。今から帰るよ。」
少しの間の後、携帯電話はプツリと切れました。

私は、携帯をひしと握り締めると、妻の言葉に後押しされるように、高台から坂を下り始めました。
家に帰れば何が待っているのか、深く考えたくはありませんが、今は家に帰ること、それだけです。
高台からの坂道を下りきると、握り締めた携帯がブルブルと再び振動を始めました。
携帯を耳に持って行き、真正面に顔を向けると、50メートル先に男性が携帯を持ってこちらに軽く会釈をしているのが見えます。

権藤さんでした・・・。

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) バルセロナ 投稿日:2008/07/16 (水) 02:30
再開ありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) sinnya 投稿日:2008/07/16 (水) 03:08
ご主人に内緒でSEXをしてしまった奥さんはこの先どうなるんでしょう?
ご主人に覗かれていたとは知らないでまた権藤さんに関係を迫られてしまうのでは?
そして権藤さんの虜にされてしまうのでしょうか?色々妄想が尽きません。

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) イワタ 投稿日:2008/07/19 (土) 10:42
バルセロナさん、sinnyaさん
レスありがとうございます。
皆さんのご期待にこたえられるかどうかわかりませんが、続けさせていただきます。

私達は、また、駅前の喫茶店に入りました。

「私には説明責任があるんじゃないかと思いまして・・・。」

権藤さんは、以前、喫茶店で打ち明けた時よりも、更に緊張した趣で、話し出します。
私は、真実を知っているだけに、何が彼をこうにまで、硬直させているのかは判ります。
もっとも、こちらがすべてを知っているとは、つゆとも思わないでしょう。
そんな情報の優位からか、私は妙に冷静でした。
どんな言葉が続くのか、そう考える余裕さえありました。

「お二人にはなんとお礼を申し上ればいいのか。お陰様で・・・、固さを取り戻すことが出来ました。」

彼は、軽くその場で頭を下げた後、自分の分身が固さを取り戻していく様を、忠実に、私へと説明しはじめました。

「明かりを落としてオレンジ色になった部屋で、私達は、ソファーへと腰掛けました。私は奥様を左にして、どうしようもないくらい心臓がドキドキしていました。」

唇をかすかに震わせながらも、一言々々、言葉を選びながら話を続けます。

「奥様のことを考え、私は、ひざ掛けを掛けました。もちろん、その下では、私はなにも身につけていません。」

権藤さんはコーヒーを一杯口に含むと目を閉じました。

「二人とも、次にどうアクションを起こせばいいのか、どちらが先手をとるのか。互いに固まってしまいました。あれほど、どうしようもないくらい長く感じられた時間はありません。」

彼は、目を閉じたまま、話を続けます。
記憶を引っ張りだすように瞼に写ったあの情景を思い出そうとしているのでしょうか。

「しばらくすると、奥様の指先が私の分身へと触れ、思わず、全身に電気が走りました。奥様の指が柔らかで、少し寄った時に香った奥様の髪の匂いがなんとも言えませんでした。全てが特別でした。」

私は、目を閉じた彼の顔をじっと見つめました。
もし、彼が目を閉じていなければ、視線のやり場に困っていたことでしょう。
彼が目を閉じることによって、互いの顔色を窺わなくてよいのです。

「私の中で何かが沸騰し始めていることに気づきました。もう少しで、求めていたあの感触を取り戻せる予感がしました。そして、ついに、握り締めた奥様の手の中で、分身がズンと天を向いたのです。永らく忘れていた感覚でした。このまま死んでもいいとさえ感じました。」

心持ちか、権藤さんの頬が赤みを帯びているような気がします。あの情景を思い出して、興奮しているのでしょうか。

「それに続いて、勃起した肉棒を扱かれる感覚・・・。まさか、こんな感覚を再び取り戻せるとはおもいませんでした。奥様は俯きながら視線をそらして扱いてらっしゃいました。扱く動きでは無理があるのでしょう、何度も腰掛がはだけ、その度に、奥様はお戻しになりました。それでも、はだけてしまう。ついには、奥様は掛けるのをおやめになりました。」

あの思い切りのよい献身的な姿は私も忘れられません。

「そこまでされて、献身的に他人のペニスを扱く奥様の姿のいじらしさに私は胸を打たれました。けれども、射精に至らない自分へのジレンマ・・・・。」

そこまで言うと、彼は閉じていた目を開き、またコーヒーを口に含み、下へ視線をやりました。事実を伝えるつもりなのだ、私はそう察しました。

「実は・・・。」

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) sinnya 投稿日:2008/07/19 (土) 13:36
実は・・・権藤さんからどんな言葉が発せられるのか興味深々です。
焦らさないで早く教えて下さいね。期待してます。

[Res: 4287] Re: 誠実な人(2) sinnya 投稿日:2008/07/24 (木) 03:50
イワタさ〜〜ん><首を長くして続きを待ってますよ。