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ウェディングドレスの妻

[1] スレッドオーナー: 山名 :2025/09/03 (水) 22:51 ID:O9vCgp6. No.203466
5月の終わり。
爽やかな風が、薄く開け放った掃き出し窓から部屋に入り込み、レースのカーテンをふわりと膨らませた。
庭の片隅にある小さな花壇では、妻 幸代(55)が手をかけて育てているミニバラの枝先に、ひとつだけ小さな花が、静かにほころんでいた。
彼女は軍手をはめた手で枝ぶりを整え、しゃがみ込んで黙々と土に向かっていた。
デニムとスニーカー、ゴムで束ねた髪。Tシャツの背中が陽の光を透かし、まるでひとつの風景画のようだった。
彼女は年齢的には50歳代の半ば、155cmと小柄ではあるが、体形も姿勢も崩れることなく若々しい外見で、特に外見に貫禄?の出始めた私からすれば、同年代として素直に羨ましく思えてくる。

昼食は、冷やしうどんと昨晩の煮物の残りだった。
飾り気のない献立だけど、それが彼女らしい。
どこかに温もりがあって、体の奥が「思い出してくる」ような味。

軽い昼食を終えた私 山名康則(58)は新聞を広げたまま、うたた寝をしていたらしい。
目を覚ましたとき、いつのまにか陽射しは傾き、室内の影が深くなっていた。

幸代はローテーブルに片腕を乗せて、もう一方の手でひざを軽く抱えるようにリラックスして座っていた。
黒髪をざっくりとひとつに束ね、グレーのコットンシャツとくたびれたベージュのパンツ、足元は白い靴下。
それだけの装いなのに、どこか整って見える。むしろ、年を重ねた女性だけが纏える、落ち着いた清潔感と“奥行き”のようなものが、そこにあった。

ふと、私の視線に気づいたのか、幸代がこちらを見た。

「あっ……トオサン? そういえば……」

「ん?」

まだ夢の名残をまとったような、鼻にかかった声が自分でも可笑しかった。

「再来週の日曜日だけど……午後って、なにか予定ある?」

「再来週? いや ないよ。 知ってるだろ? 日曜はいつもヒマしてるって」

「ならよかった……」

「なんで? 何かある?」

「うん なんかね、冗談みたいな、でもけっこう真面目な話で……」

彼女の声が、わずかに調子を変えた。
いつもより、ほんの少しだけかしこまった口調。
でもその奥には、どこか照れを含んだ笑みが滲んでいて、その“間”だけで私は胸の奥がざわついた。

「何? 真面目な話? カアサンの? 相談事?」

「ううん、そんな大げさなことじゃないけど……」

ぽつりぽつりと、幸代が話し始めた。

彼女がパートに行っているスーパーが、最近 ブライダル関係の企業と業務提携を結んだという。
いわゆる異業種提携というやつだ。
その一環として、“シニア世代のためのブライダル・プロモーション”なる企画を始めたらしい。

「“熟婚式”とか“再誓式”、あと“年輪婚”とか呼ぶみたいで…… 人生の後半に、もう一度 節目をつくるんだって…… 最近 いろいろあるよね」

そんないわゆる「シニア婚」のパンフレットや動画の配役として、社内でモデルを公募していたらしく、なんと幸代が“花嫁モデル”に選ばれたのだという。
パート仲間の強い推薦と、課長から本社への熱い後押しもあったとのこと。

「最近、リアルなシニアの生活感を出せる“普通の人”が求められてるんだって」

「外注のモデルさんじゃなくて、地元の主婦っていうのが“味がある”って評判らしくて」

まるで誰かに言い訳でもするような口調で、立て続けに私に声を掛けてきた流れで、

「ねぇ、どうしたら良いと思う?」と今度は真面目な顔の幸代。

「え? どうしたらって…… そんなの俺に聞かれても……」

突然、そんなことを振られて、私も どう答えて良いのか、わからない。

すると幸代が、ふっと軽く息を吐きだして、

「というか、もうほとんど 話は決まってて…… 断れない雰囲気なんだよね……」

そう言って、少しだけ視線をそらした彼女の口元に、かすかに恥じらいが浮かんでいた。

「は? マジで? 冗談だろ?」

「私だって冗談って思いたいよー!」

「あはは、罰ゲームだな、それ」

素直に笑いが喉の奥からこぼれた。
普通に滑稽で笑わずにはいられなかった、というのが私の最初のリアクションだった。

「あー 罰ゲーム…… たしかにね。 でもそれより酷いかも」

けれど、彼女の顔は笑っていなかった。
いや、笑ってはいたけど、それは“困惑の中にある照れ”のようで。
冗談で済まされるような話では、なさそうだった。

撮影自体も映画制作会社のしっかりとした部隊が組まれているらしく、それなりのスケールで実施されるらしい。

「というか、ドレス着るの? それとも白無垢だっけ?和服とか?」

私は別にどちらでも良いものの、なんとなくの興味本位と彼女との話し合わせのために聞いてみた。

「んー、それが…… ドレス、純白のウェディングドレスなのよね。 せめて和装だったら、私もここまで悩まないのだけど、ね」

「へぇー、ヒラヒラのドレスか…… じゃぁ、俺はシニアの花婿か? 今さらタキシード着て、蝶ネクタイして……あはは」

おチャラけ気味に私が言うと、意外にも真剣な表情で幸代が返してきた。

「トオサンは…… 花婿さんの役、本当にやりたいと思ってる?」

私は間髪入れずに返した。

「絶対に嫌だな、無理無理、恥ずかしすぎるし、笑いものになりたくないよ」

「そうよね…… やっぱり無理な話よね……」

幸代は口ではそう答えたものの、かすかに機嫌を損ねたような表情を浮かべたように思えた。

(やばい、これはマジで怒らせてしまったかな?)

そう思った私は、新聞を折り畳みながら、わざとらしくため息をついてみせた。
いちおう幸代の気持ちに寄り添うようにしないといけない、と思ったのだ。


[7] Re: ウェディングドレスの妻  ひろ :2025/09/06 (土) 00:51 ID:uR2W8joI No.203527
はじめまして。
すごく引き込まれる文章にわくわくしてしまいました。
自分の妻が形だけとはいえ、ウェディングドレスを着て、しかも、当の奥様が気持を押し殺しているとはいえ乗り気とは!
更新を楽しみにしております。


[8] Re: ウェディングドレスの妻  山名 :2025/09/10 (水) 14:35 ID:dlh6H.Uk No.203683
けんけん様、ひろ様 感想を書いてくださりありがとうございます。


いつもの日曜日よりも早めに済ませた昼食の食器は、きれいに片付けられ、テーブルの上には何も残っていなかった。
まるで部屋じゅうが、これから始まる“何か”に向けて息をひそめているかのように静まり返っている。

私は新聞をたたみながら、ふと声をかけた。
「そろそろ準備したら? ちょっと早めに出たほうがいい。日曜の午後って、道も混むからな」

幸代はソファにもたれたまま、天井をじっと見つめていた。
その瞳はどこか遠くを彷徨い、まるで心の中で何かを確かめているかのようだった。
ゆっくりとまぶたを閉じ、長く深い息を一つ吐き出す。
その呼吸には、ためらいと決意が入り混じり、微かな震えが感じられ
彼女の手が膝の上でぎゅっと握りこぶしを作った。

やがて、重たい沈黙を破るように小さな声で、彼女は「うん……」と呟いた。
その一言は短いが、そこには言い訳を許さない強さと、これから進む道を覚悟した静かな決意が宿っていた。

数分後、幸代が戻ってきた。
普段の姿と変わらぬ、薄いピンク色のコットンシャツにベージュのスリムパンツ。
髪は無造作にまとめられ、メイクは最小限のナチュラル仕様だった。

「どうせ、あっちで化けるんだから……」

ぽつりと呟いた言葉に、彼女の照れくさそうな表情がわずかににじんだ。
胸元の第一ボタンだけが外され、わずかに覗く鎖骨のラインが、いつもより少しだけ女性らしく見えた。

目元は薄いアイラインだけで、素肌のように自然なのに、どこかいつもより柔らかく深い眼差しに感じられる。

そして何よりも目を引いたのは、パンツの裾から覗くストッキングを穿いた足元だった。
いつものくたびれた靴下ではなく、淡いベージュ色で肌にぴったりと沿う薄絹のような質感。

しなやかな足首が、ストッキング越しに浮かび上がり、見慣れた日常から一歩踏み出した特別な瞬間を告げていた。

幸代は靴箱から黒い革のローファーを取り出し、そっと手に持った。

「ん? スニーカーじゃないの?」

私は軽く声をかけると、彼女は靴を握りしめて小さく肩をすくめた。

「いちおう、チャペルに行くんだから、これくらいはね……」

ぽっと頬が赤く染まり、その赤みは化粧とは違う、彼女の本当の血の色だった。
その自然な紅潮は、どこか艶めかしく、私の胸をきゅっと締め付けた。

「ふーん、気合入ってるじゃん! シニアの花嫁さん!」

冗談めかして言うと、幸代はくすっと笑いながらも、顔を背けた。

「もぉ! ホント“シニア”って言葉、余計なんだから!」

耳が真っ赤に染まる彼女の様子は、昔の恥ずかしがり屋な面影そのままだった。

私は彼女の着替えなどが入ったキャリーバッグのハンドルを握り、思わず彼女の若い頃を思い出していた。

恥ずかしがり屋だけど負けず嫌いで、一度決めたことは最後までやり通す。
そんな彼女の強さと繊細さが、今も変わらずこの人の中にあるのだと。

「期待してるから、頑張れよ!」

声に力を込めて言うと、幸代は照れ笑いを浮かべ、でもどこか嬉しそうに私を睨んだ。

「えー! 期待されると困るんですけどー」

そう言いながらも、瞳はきらきらと光っていた。

玄関の扉を開けると、外は見事な晴天だった。
空は澄みきり、雲ひとつない青空が広がり、心地よい風が吹き抜けていく。
同時に、私は一瞬、胸の奥がぎゅっと締めつけられるのを感じた。

(いよいよだな。カアサンのドレス姿を見られるんだ)

幸代は普段着のままだけれど、その背中には普段とは違う、非日常のオーラが漂っていた。

私は笑顔を作り、声をかけた。

「結婚式にピッタリの青空だな……」

「ただの撮影よ…… 結婚式だなんて」と素っ気ない幸代の返事。

「空も祝福しているみたいだし……」

「もぉ! 馬鹿なこと言わないで!」

否定する割には満更でもなさそうな幸代の口元は綻んでいた。

「じゃ、行くか…… カアサンが逃げ出さないように、チャペルまではノンストップで送り届けないとな」

私が言うと、彼女は小さく笑い、ほんの少しだけ安心したような顔をした。

車のドアを開け、二人が乗り込むと空気が変わった。
いつもの日常から、これから始まる特別な時間へと、そっと現実が姿を変えた瞬間だった。


[9] Re: ウェディングドレスの妻  ひろき :2025/09/10 (水) 19:33 ID:qMpLk3IU No.203686
さてどのような展開になるのでしょう?
花婿役がすごくいい男でしょうか?
お二人の間に波風が立つような出来事がおこりますか?
ワクワクして続きを待ってます


[10] Re: ウェディングドレスの妻  けんけん :2025/09/11 (木) 22:19 ID:n17b23Wg No.203729
更新ありがとうございます。確かに新郎役がすごい気になります。また、ウエディングドレスの下が気になります。ガーターストッキングとか着用したりするのでしょうか。続きお待ちしてます。

[11] Re: ウェディングドレスの妻  山名 :2025/09/16 (火) 10:44 ID:HElZLyws No.203897
ひろき様、けんけん様 応援コメントをありがとうございます。



助手席に腰を落ち着けた幸代が、静かにシートベルトを締めた。
カチリと小さな音が車内に微かに響いた。

一拍、間を置いて、彼女は“ふう〜”と長い息を吐いた。

その吐息は、単なる緊張ではなかった。
言葉にすれば崩れてしまいそうな感情の澱を、そっと外へ逃がすような深さを帯びていたのだ。

「ほんとに、わたしみたいなオバサンがウェディングドレスとか、笑われたりしないかな」
「若い子に、イタイって思われたらどうしよう……」

ぽつりと零れた言葉は、思いのほか柔らかくて、どこかあどけない。

私は運転席でちらりと視線を向け、意地の悪い笑みを口元に浮かべた。

「あはは!そうかもな〜、SNSで、“熟年の純白”とか、“奇跡の花嫁再臨”とか、タグ付きでバズったりして」

「うわっ!ちょっと〜! もぉやめてよっ!」

幸代は目を見開きながら、頬を膨らませた。

(いやいや本人も満更でもなさそうだし、まだまだ余裕ありそうだな)

私は少し安心したし、そんな幸代を微笑ましく思っていた。

住宅街を駆けながら並木道へと出る。
木漏れ日が、車の屋根をリズムよく打ち、ゆらゆらと揺れる光の影が幸代の頬を優しくなぞっていた。

エンジンの振動がごく僅かに伝わる中、私たちを乗せた車は、日常の輪郭を静かに離れていく。

「でも、なんか、ちょっとしたドライブになっちゃったな。 天気も良いし」

私の何気ない言葉に、

「うーん、ドライブかぁ…… 悩みのない本当のドライブなら良かったのにね〜」

幸代は肩の力を抜くように笑いながら答えて、視線を外へ移した。
その目元はどこか柔らかく、懐かしさと戸惑いが重なっていた。

車はやがて郊外の農道へと入った。
視界がひらけ、水田に反射する陽の光が、まるで水面に咲いた銀の花のように瞬いていた。

「ねぇ……」

幸代が窓を少しだけ開け、外の風を受けながら呟いた。

「なんか、絶対変だよね? トオサンとチャペルに向かうとか…… しかもわたしだけが、もう一度 ほかの人の花嫁さんになるなんて…… バツイチでもないのにね?」

私は運転しながら、肩をすくめ苦笑しながら、

「たしかにな。 まさか自分の娘よりも先に、自分の女房を嫁がせる日が来るとはな…… 里奈が知ったら、びっくりするだろうよ」

娘の里奈にはまだそんな(結婚の)気配すらない。

「うん……あの子、真面目に驚くよね。 わたしのほうが先にウェディングドレスを着るなんて…… それ思うと、ちょっと笑えるね」

幸代はふっと笑い、再び車窓の外に視線を移した。

風が車内に滑り込み、彼女のまとめた髪をふわりと揺らした。
うなじからこぼれた髪の先が、微かに頬をかすめる。

車は快走している。
ふと、ハンドルを握っている私の口から言葉がこぼれ出た。

「さっきの話だけど……」

「うん?」

「いや、女房が嫁いで行くのを、旦那が嬉しそうに送ってるんだな、って」

「あはっ、やっぱり なんか変でしょ? どんな気分?」と幸代が茶化すように笑う。

「気分? うーん、まっ、カアサン、幸せになってくれよなって感じかな」

もちろん冗談で言ったつもりだった。 でも、なぜか私は笑顔になれなかった。

幸代が不思議そうな顔でこちらを見る。

「え? どういう意味? 幸せになれって……?」

「いやいや、深い意味はないよ…… まぁ、がんばれよ、ってことで」

自分で何を言っているのかわからないくらい、この会話になった途端
私は胸の中にひどく奇妙な感情が沸き上がってきたのだ。

(なんだ、この変な胸騒ぎは……)

たとえ非日常的なイベントで、撮影会だとしても、
旦那が運転する車に乗って、妻が見知らぬ男のもとに嫁いでいく。
しかも夫婦二人は外から見れば仲睦まじく微笑ましささえ醸し出している、
なんとも滑稽な、そして違和感のある光景。

だからこそ、私はこの時初めて本気で不安を感じてしまった。

(……こんなことってあるのか?)

すると幸代が笑顔で、

「え〜? トオサン、何が言いたいのか、わかんないよー」

意外にもその彼女の笑顔は柔らかく、重くなりかけていた空気を
ふわりとほどいてくれた。

そんな彼女の笑みに、私は密かに救われた気がした。

そのあと、会話が途切れてしまい 車内に静けさが戻った。
でもそれは重苦しいものではなく、長年を共にした夫婦だけが持つ、心地よい“間”だった。

――そして、見えてきた。

木立の間から顔をのぞかせる、白く細い尖塔が。
青空のキャンバスに描かれたように、まばゆく、どこか幻想的なシルエット。

それは思わず息を呑むほど壮大で荘厳な本格的な本物のチャペルだった。


[12] Re: ウェディングドレスの妻  けんけん :2025/09/16 (火) 19:01 ID:xQQbPGwQ No.203910
山名さま、更新ありがとうございます。確かに自分の奥様なに、変な感じですよね。他人に妻を渡す感じがモヤモヤしますよね。
新郎が気になりますね。ガツガツした自身満々な男は避けてほしいですよね。
あるいは若い母性本能をくすぐるような若い男性だったり。
気になって仕方がないですね。続きお待ちしてます。頑張ってください!

[13] Re: ウェディングドレスの妻  山名 :2025/09/26 (金) 16:08 ID:at9IyrE. No.204116
けんけん様 応援コメントを有難うございます。



純白の外壁が、光を受けて、まるでひとつの夢の輪郭をなぞるように浮かび上がっていた。

「来ちゃったな……」

私の呟きに助手席の幸代は言葉もなく、ただ そのチャペルを見つめていた。

あまりのスケールの大きさに圧倒されたのか、荘厳で厳粛な雰囲気に感動したのか、それともこれから始まるイベントに既に気持ちが入り込んでいたのか、とにかく彼女の目元がわずかに潤んでいたのを、私は気づかないふりをした。

関係者用と表示のあったチャペル近くの駐車場に車を滑り込ませ、エンジンを切ると、静けさが一気に車内を包んだ。

どこか現実感が揺らぎ、時間までもが少し止まったような錯覚。

「着いちゃったね…… 」

ぽつりと呟いた言葉に続けて、

「もう逃げられないね……」

と幸代の声には、どこか寂しさと儚さが混じっていた。
彼女が緊張しているのは、はっきりとわかった。

「どうした? もしかして怖いのか?」

私はあえて冗談っぽく軽いトーンで彼女に言った。

「うーん、ちょっと緊張してきただけよ……」

強がっている彼女だったが、実は私も同じだった。

「大丈夫だって。 カアサンの純白のドレス姿で、シニアオバサン世代に勇気と感動を与えてやってくれ!」

「えっ…… やだ、もぅ…… ずっと、そればっかり!」

なんとか笑顔が戻った幸代に、私は軽く笑いながら、

「終わったらさ、いつものモール寄ってお茶でもしよう。 あそこのケーキ、美味いって言ってただろ? 頑張ったご褒美ってことで」

その言葉に、幸代はシートベルトを外しながら、小さく笑った。

「ご褒美って…… 今度は子供扱いするんだからー でも、まぁ、それ、いいかも…… 絶対だよ?」

幸代の笑みの奥に潜んでいたのは、少女のような無防備さと、大人の女の覚悟、その両方を知っている人だけが持つ、特別な表情だった。

「よし、行くか」「うん」

ドアを開けると、外の光が差し込んだ。
私たちは車を降りて、並んでチャペルの白い扉へと向かって歩き出した。


[14] Re: ウェディングドレスの妻  けんけん :2025/09/30 (火) 05:15 ID:vZzD8Wzc No.204173
更新ありがとうございます。
なんか、かなり本格的な感じになってきましたね。うーむ、やはり新郎が誰になるのか気になりますね。続きお待ちしてます。

[15] Re: ウェディングドレスの妻  きーくん :2025/10/22 (水) 11:11 ID:HuSBo2IE No.204881
タイトルにつられ拝見しました。

山名さんと同世代ですので、読み進む中で自分自身と置き換えてしまいました。
山名さんの妻を差し出す複雑な気持ちや嫉妬感、そしてそれを上回る期待感。
とても続きが気になりますし、期待します。

しばらく間が空いていますが、どうぞその後をお願いします。


[16] Re: ウェディングドレスの妻  山名 :2025/10/23 (木) 00:15 ID:3j3yHfMQ No.204899
けんけんさま きーくんさま

コメント、ありがとうございました。
投稿が遅くなり、すみません。
ココでの連載は中止をして、「2219文庫」で「佐山」というペンネームでリスタートをしたいと思ってます。

引き続きのご愛読をいただきたく宜しくお願い申し上げます。



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