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[Res: 23300] ダンス たくや 投稿日:2012/03/23 (金) 14:07
それから、僕達は正式にパートナーチェンジして練習を始めました。
百合がラテンに変更しても、ひろしさんと百合は僕から見ても、息がピッタリに見え、本当に美しく華麗なステップに魅了されます。
僕も麗子さんのリード?に身を任せるのが自然になってきたのです。
以前ハリウッド映画に出てきたキャットウーマンのような麗子さんです。
しなやかな身のこなし、女豹のような美しさ。
僕は猫にもてあそばされる、ネズミ男みたい、いや成りたいって感情がムクムク沸き起こります。
(でも、それは単なる僕の片思いと…努めてスポーツなんだと言い聞かせます。)


そんなある日、携帯に麗子さんから連絡が入りました。
この時には練習日など、ひろしペアと麗子?ペアでは、いつも一緒とは限らないので、別々に連絡取り合ったりしてました。
「今日の昼、一緒にランチ食べない?」
(びっくりと言うか嬉しくて、シッポを振るペットみたいです。)
約束の場所で待ち合わせ、雰囲気のあるレストランに入りました。回りが一斉に美しいキャットウーマンに視線を奪われます。
確かにダンス経験者の僕でさえ、鍛え上げた女体美と魅せる美しさに惚れ惚れします。ちょっと優越感を味わいました。
ボックス席なので、人の目は気にならないなか、麗子さんから、とんでもない話があったのです。
仕事中ですからアルコール無し、でも酔っぱらいそうな気分になりました。
麗子さんは、例の如くテーブルの下から、僕の太股をナデナデしながら、
「私、たくやの事好きよ!たくやは私の事好き?」
(えっ!)

[Res: 23300] Re: ダンス F・OSAMU 投稿日:2012/03/25 (日) 08:02
どんどん引き込まれてます。
うらやましいですね。
続きを楽しみにしてます。

[Res: 23300] Re: ダンス ビル 投稿日:2012/03/25 (日) 18:54
はじめまして、
たくやさん
凄く読んでてドキドキしておりますよ、
次が楽しみで仕方ありません(^o^)

[Res: 23300] ダンス たくや 投稿日:2012/03/26 (月) 12:59
(たくやの事好きよ!)の告白に驚きました。
(麗子さんは何を考えてるの?)
喉をからしながら
「も、もちろん、ダンスでも僕をリードしてくれるし…好きですよって言うか…」
睨み付けるように僕の股をつねりながら、「たくちゃん!私が先に告ってるのよ!貴方の返事はただ『好きです』じゃないでしょ!」
キャットウーマンの態度です。「愛してます。麗子様…でしょ!」
正直、天にも昇る気持ちですが、百合の顔が浮かんでしまい、どうして良いのか?また、百合の話では、麗子さんは単に僕をパートナー扱いしてるだけと聞いてるし?でも、わざわざ僕を呼び出してるし?
訳が分からないまま
「麗子さん…百合やひろしさんもいるんですし?…」
「貴方、まだ分からないの?あの二人だって!お互い好きあってなきゃ、組まないわよ!」
びっくりです。
「でも、百合は競技ダンスはスポーツで恋愛感情なんて…」
「百合さんは純粋だから、そう思ってるけど、主人は喜んでるのよ!百合さんみたいな素敵なパートナーに巡り合えて!って!」
ちょっとムッとしました。
「僕には百合がひろしさんに恋愛感情を抱くなんて信じられません!」麗子さんはかわします。
「二人の事関係なく、たくやは私の事はどうなの?」
「正直、複雑な気持ちです。でも、百合がひろしさんに惹かれてるなら?…僕は麗子さんを前から好きでした…!言ってる自分が訳分からないですが!」
「百合さんから聞いたでしょ!私達はいわばS夫婦!貴方逹はM夫婦だよね?それって、ラブは普通になっちゃうのよ!でも求め合う相手は今の私達が一番なのよ!……でも、たくちゃんの気持ち、分かったから試してみる?百合さんが主人を…ひろしを好きになるかどうか?」
「試すって!いったいどうするんですか?」

[Res: 23300] ダンス たくや 投稿日:2012/03/26 (月) 13:43
麗子さんは、
「不謹慎なのは分かってるんだけど…」 美しい顔立ちに憂いが浮かびました。
「実はね、実家の母が倒れて入院したの!」
「大変ですね具合はどうなんですか?」
「心配ないのよ!でも、父がウロウロしちゃって、全て母任せの人だから!で、主人に相談して、2週間位帰る事にしたの!どっちかと言うと父の面倒を見るためにね!これから帰るの。」
麗子さんの考えが理解出来ません。「そんな大変な時に…!」
「実は私の父に輪をかけるぐらい、主人も何も出来ない人なの!……で、考えてたら、百合さんの事思い出したの!もしかしてって?…良いチャンスかもって?それで今日貴方に会って…」
「どうするんですか?」
「百合さんに、主人の食事をお願いしようと思ったのよ!もちろん、練習のあとの夜食程度で良いのよ!…もしかしたら、それから二人の間がって?」麗子さんは、僕の目を真っ直ぐ見つめながら、

「もし、そうなったら、大好きなたくやを私が独占出来るかも知れないって…!私、こう見えても真剣なんだよ!」
天にも昇るようでした。百合の顔などどこにもありません!「麗、麗子さん!」「たくや!麗子に誓ってくれる?さっきの返事聞かせてくれる?」
キャットウーマンの虜になったネズミ男です。「はい、麗子様…愛してます。」「貴方も覚悟してね!」



麗子さんから、(ひろしさんの食事の事など)百合やひろしさんに話をする事になりました。
僕は、百合から話があっても初めて聞くと言う立場を取るように言われました。内心、あれだけダンスに対して純粋な百合がひろしさんに傾くない?と思いながら

その晩、家に戻ると百合が僕の帰りを今か今かと待ってたように、その話をしたのです。
本来深刻な話の中にも、なぜか嬉しそうな表情を魅せる百合でした…。

[Res: 23300] Re: ダンス バクバク 投稿日:2012/03/28 (水) 11:17
たくやさん。胸バクバクにして次の投稿お待ちしております。 ボチボチで結構ですので、よろしくお願いいたします(^^)

[Res: 23300] ダンス たくや 投稿日:2012/03/28 (水) 15:18
家に帰ると、百合は僕を待ちきれきない様子で、一気に話しました。
「麗子さんのお母さん入院して大変みたいなの」
僕は、初めて聞いたふりをします。



「……と、言う訳で、貴方さえ良ければ、夜食なんか作って、ひろしさんに渡して欲しいって言うんだけど?」
「ひろしさんも麗子さんも大変だし、百合さえ良ければ、うんとスタミナの付く手料理作ってあげたら喜ぶし、僕からもお願いしたいくらいだよ!」乗せます。
百合は、嬉しそうです。ちょっと妬けます。
「明日は練習日だからね、早速作って持ってってあげたら良いよ!僕は、麗子さんが実家に行ってる間、のんびり出来るよ!」
「貴方、何言ってるの?麗子さんが居ない間に、少しでも練習して、足手まといにならないようにしなきゃって、考えないの?こんな時だから、貴方も麗子さんのためにって…」
やぶ蛇でした…。
「それに、教室ではお弁当は、貴方がひろしさんに渡してよ!私が渡すのもおかしいでしょ!」
何か訳が分かりませんが、百合も僕をだしに使おうとしてるのかも知れません。百合は麗子さんが大変な時だけに神妙な顔をしてますが、心はウキウキみたいです。

当日、教室に行くと百合は既に一人で、ステップの練習をしていました。
僕はひろしさんが来るまで百合の相手を勤めましたが、やはり格段の進歩が伺えます。僕とパートナーを組んでた頃とはまるで違います。やはり、リーダーの力でしょうか?
その内、ひろしさんが見えました。二人で一応、見舞いの言葉を投げ掛けて、僕から、夜食の話をしようとしたら、
百合のほうから、勝手にしてました。
もう僕はお呼びでないように、二人だけの練習に没頭してます。
僕は麗子さんもいないせいか、あまり、やる気も起こらないので、適当に切り上げて、百合に先に帰ると告げました。
百合からは、
「もう少し練習してくから、ごはん温めて先に食べてて良いよ」との返事です。寂しい家路でした…。

[Res: 23300] ダンス たくや 投稿日:2012/03/28 (水) 16:08
家に着いて、言われたように、おかずを温めようとしたら、その豪華さにビックリでした…。
まあ、張り切ってる気持ちも分からないでもないですが、一応亭主の面目まる潰れの感がしてなりません。
今頃、百合とひろしは、(どんななんだろうか?)勝手にイヤらしい妄想がして来ます。でも同時にダンスに純粋な百合に限って、そんな事あるはずがないって…?

僕の妄想とは裏腹に百合はいつもの時間に帰宅しました。
でも困ったような顔で、僕に見せました。ひろしさんが麗子さんから預かったと言って託されたそうです。
麗子さんからの手紙で、中には商品券と鍵だったのです。
僕はドキドキしながら、読みました。
そこには、百合と僕に対するお礼と、お願いでした。
(ひろしさんが何も出来ないので、厚かましいけど良ければ、練習日以外の昼間でも、弁当など作って届けて頂ければ嬉しい)との事。
僕は麗子さんの百合に対する罠だと直感し、同時に驚きました。麗子さんの奥深い心の底に触れた気がしました。
(貴方も覚悟しなさい!)って…

困ったように百合は「ねえ、貴方、どう思う?」
僕は二人から、いや、ひろしさんも含めて試されてると感じます。
だんだん深みに麗子さんは導いて来ます。
でも、救いは、ひろしさんが会社にいる昼間に届けるって事。
僕は前に進むしかありません。
「百合さえ、大変でなければ、食事持ってってあげれば、良いと思うけど? 」
「でも、二人とも居ない間に部屋に入るのよ!他人が黙って部屋に入るのと同じなのよ!…」
僕は、「でも、ひろしさんが居る時に行くのも、かえっておかしいよ!」
「あっ、それもそうだよね!」
「それより、ひろしさんの分まで作るって大変じゃないの?」
「そんなの、一人分増えるだけだから、心配ないよ!ひろしさん好き嫌いないって言ってたし。」
(なんだ!僕に関係なく、話が付いてるの?)

それから、百合は、まるでピクニックにでも行くように、ウキウキワクワクしながら、その晩から、献立を考え始めました。だんだん美しく変身していく蝶のような百合に眩しさを感じて行きます。
僕は切ない…気持ちで麗子様を思いました。

[Res: 23300] Re: ダンス ダイア☆ 投稿日:2012/03/28 (水) 21:39
たくやさんの微妙な心境の動きが伝わってきます。
息を飲んで拝見して居ります。

[Res: 23300] ダンス たくや 投稿日:2012/03/29 (木) 13:02
翌日に麗子さんから、メールが来ました。
『状況を報告して!毎日ね!』
早速、昨夜の話から明日にでもひろしさん宅に食事を届ける事。百合が張り切ってる事を報告しました。
直ぐに返事が来ました。
『当分の間、百合さんとのラブラブは禁止します』
(えっ!)ビックリです。
何故なのか問うと、
『私が、たくちゃんとのラブが来る日を我慢してるのよ!計画のため当然です。覚悟を決めたんでしょう!』です。
麗子さんの艶かしい女体を妄想しながらも、どんどん後には戻れなくなります。 『分かりました。』

翌日、百合はひろしさん宅に食事を届けました。
家に帰ると、嬉しそうな笑みを浮かべながら、報告してくれます。
(今頃、ひろしさんも僕と同じ食事をしてるかも?複雑な気持ちです。救われるのは、百合がまるっきり、僕みたいな不純な気持ちを持って無いことです。)
百合は、
「凄いのよ!リビングに大きな鏡があってね!あれなら、ステップもルーティンもばっちりよ!自宅でも、練習出来る!貴方、家でも買いましょうよ!」
「へぇー、凄いんだね!教室みたいじゃない?」
無邪気な百合の言葉一緒に喜びます。
「それにね、これ見て!」
メモを渡されました。
そこには、『百合さん、たくやさん、ありがとうございます。こんなに美味しい料理は初めてです。たくやさんにも、ご迷惑おかけします。』
ビックリと言うか、僕にまで!
ルンルン気分の百合は、
「ねぇ!ひろしさん、凄いでしょう!真のジェントルマンって感じよね!こんなに美味しい料理なんて言われたのは初めてだし、何年も聞いてないみたい」
僕を睨み付けました。
「いゃ、僕だって百合の料理は最高って思ってるよ!」
「女って、ちゃんと言葉で言われないとね!」
それ以上は、愚痴は出ませんでした。ルンルン気分だったおかげです。