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覆水盆に返らず
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スレッドオーナー: 矢部
:2025/03/21 (金) 22:39 ID:19n7RMKs No.201155
- いつも皆さんからの投稿を楽しく読ませてもらってます。
今から約3年前から約2年前までのおおよそ一年間で、当時 私の歪んだ欲が、 取り返しのつかない事態を招いてしまった話を振り返りながら投稿したいと思います。
ただし実話として全部を再現しようにも、どうしても不明な部分や 見えていない部分はあります。 そこは私の推測と後日当人から聞いた内容を、若干アレンジをしながら 書いていきますので理解をしてください。
現在の私(もちろん仮名ですが矢部正則)は還暦を迎えた会社員です。 定年延長になって引退はもう少し先になりましたが、仕事に取り組む意欲は 日々減退しているのが本音のところです。
2年前に当時の妻(由紀)とは「円満」離婚をして、今はひとりで暮らしています。
今では何とか不自由もありませんが、年のせいもあって、時々、一人でいることが 寂しく感じることがあります。
幸い、自炊が苦にならないこと、ウォーキングや温泉巡りが趣味であることで 健康的には暮らせています。 そして県外にいる2人の子供(息子30歳、娘28歳)が交互に帰ってくれます。 彼らにとっては実家に戻ることになるのですが・・・ それでも私を気にかけてくれているのがわかりますし、 父親としてはとても嬉しいことです。 また元妻も、そんな子供たちを通じて、私のことを気にしてくれている、 とのことです。
前置きが長くなりました。
話は今から3年前、コロナもほぼ収束、世間は日常を取り戻し、 夜の街にも賑わいが戻ってきた、残暑が厳しい8月の下旬からスタートします。
当時、私は57歳で医療機器メーカーの係長で年収約600万円。 すでに出世コースからは大きく外れ、マイペースで仕事をしていました。 私の身長は166p 中肉中背 大きな病気も経験がなく、 自分で言うのも変ですが、愛妻家を自負しており、これまで一度たりとも 浮気はしたことがなかったのです。 ただし、風俗遊びはデリヘルの経験はありますが、 それもハマってしまうまで ではありませんでした。
そんな愛妻家の私ですが、密かに妻のスリップ姿、 (30年くらい前の、若いころのイメージ)が好きです、 しかし なかなかその姿にお目にかかれず残念な思いをしていました。 その当時から5年前、後述の私の親友の奥様の葬儀に参列した時に着ていた ワンピースの喪服から透けた黒いスリップを見たのが直近になっていました。
また当時、妻とのセックスレスはすでに10年以上になっていましたが、 一番大きな試練として、私はこの頃になって急にED気味となり、 一気に男としての自信を無くしてしまっていました。 当時の私はとても落ち込んでいたのです。
そんな私が、会社の同期で唯一無二の大親友、平尾明正(当時57)と、 ある金曜の夜に居酒屋で酒を飲み交わしていたところから話が始まります。
平尾は先ほども少し触れたのですが、5年前に奥さん(直美さん)を、 心肺系の突然死で亡くされてから、以後、半年くらいは精神的に不安定に なってしまったのです。 会社の特別な配慮もあり、彼はスイスの子会社に財務責任者の補佐役として 出向をしました。
彼はもともと仕事のできる男であり、環境が変わって心機一転が功を奏したのか、 出向先での活躍はめざましく、収益の大幅な改善を成し遂げました。 そして4年間の海外出向を終えて、今度は日本の関連子会社の副社長として 帰国をしたのでした。
平尾が海外に赴任中は一度も帰国をすることはなかったため、 私との飲食交流も実に4年ぶりとなっていたことから、 居酒屋では積もる話が山ほど交わされ、懐かしみもあって、 とても楽しいひと時を過ごしていたのでした。
- [2]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/03/21 (金) 22:55 ID:19n7RMKs No.201158
- もう少しだけ、私の親友である平尾のことについて紹介をさせてください。
彼と私は同期入社です。 しかも入社前、就職活動の採用面接を受けている頃に知り合ってからの仲です。
二人とも温泉好きとあって、時には「秘湯」を求め、秘境まで足を伸ばしたり、 結婚後も予定を合わせ、温泉巡りはもちろん、山歩きや史跡巡りも数知れず。 またお互いの家に行っての「宅飲み」や、今回のように外食を共にすることも。 もちろん家族ぐるみでの交流もありました。
現在でも私たち二人の仲は継続していることで、 おそらく今後もこの関係は続くものと思われます。
平尾と直美さんの間に子供さんがいないこともあったのか、 奥さんがご在命中は、夫婦で哲学的・文学的・文化的・学術的な考えのもと、 BDSMに真摯に取り組んでいました。
このことは親友である私にだけ話をしてくれたことですが、 彼の思い入れは大変深く、伝統的な権威のある人間文化として語り始めると、 思わずこちらが引き込まれるくらいの熱量がありました。 そこには低俗で暴力的で野蛮な 巷にあふれているようなSMとは全く違う、 ある種の学問とか 文化・芸術にも通じている性嗜好であることが、 素人の私でもなんとなくわかるくらいにまで、伝わってきたのでした。 もちろん、私からは他言はしていません。
年収は1000万円くらいと教えてくれた平尾ですが、 当時も今も、高級タワーマンション上層階で一人暮らしをしています。 (ちなみに私は郊外の分譲地「ニュータウン」に建売の一軒家ですが) 彼の性格は明るくて、そしてユーモアがあり、よく人を笑わせるギャグを 飛ばしまくっています。 天真爛漫で無邪気で無頓着なところもありますが、人間味、人情味もある 本当に良い奴です。
そしてなによりも、彼は努力を惜しまずに一生懸命に仕事をこなす男で、 上役からはもちろん部下からの評価も高く信頼も厚い、と聞いています。
若干小太り体形ですが身長は172p、私にしてみればとても羨ましい背丈です。 外見は、昔は私と同じで、「無頓着」でした。 今は、立場上、特に外見はしっかりとしたコーディネートを意識している、 というか、意識しないといけないと、本人は話していました。
当時の彼の自家用車はアウディのクーペ最上級グレード(今はベンツ)、 そして趣味は、山歩き、史跡巡りやグルメ、ウォーキング。
いかがでしょうか? みなさん 私の親友、平尾をイメージしていただけましたか?
4年ぶりになる平尾との居酒屋でのひと時は、本当に盛り上がりました。
彼も久しぶりのこの場が楽しくて、そして嬉しくて気分がノッテきたのか、 とても饒舌で今回ばかりは私は ほぼ聞き役に徹していました。
・こういった場ですから仕事の話はトラブル系エピソードが主になりますが、 ほかにコミカルな話や、逆にシビアな話など。
・出向先の欧州での生活や休日にひとり旅をした名所や史跡のこと、 そしてBDSMに関する所縁のある現地の古城や洋館も訪問したこと。
・和洋かかわりなく、私たちの好きなお酒に関してのウンチク
・老後、年金、退職後のこと
・そして定番の昔話や ほかの同期社員の話題 など
時が経つのも忘れて話に夢中になると、その心地良さから酒もすすみ、 おなかが満たされます。
それでも、盛り上がりが大きければ、その反動が出始めて、 トークのペースもスローダウンするのは、みなさんもご一緒だと思います。 それぞれがお手洗いに立ち始めるタイミングになると更にそうなりますよね。
私が席に戻ると、先ほどの勢いはどこかに行ってしまったかのように、 平尾の表情が どこか寂しそうな感じに見えたのです。
「なんや? シケた顔して・・・ まだ飲み足りないか?」と私。
「いや、やっぱ 帰国すると、慣れ親しんだ場所やし 寂しい気持ちになるな」
平尾がグラスを手に取り、少し目を伏せながら言ったのです。
彼が何を言わんとしているのか、私は察していました。
このあたりから、先ほどの再会を祝したかのような賑やかな雰囲気から一転して、 平尾は5年前同様に、奥さんを亡くしたことについて、 寂しい・辛い・面白くない・張りがない、と親友だから話、本音や弱みをみせて、 時に彼は涙をこぼしながら語り始めたのでした。
「とにかく生き甲斐がないんや、もう俺は人生が終わっているんよ」
そう言って、寂しげな笑顔を浮かべ、まるで自虐する平尾に、
「何を言ってるんだ、お前は金もあるし、仕事だって順調やろ? 俺から見れば羨ましすぎるし、贅沢な悩みやな」
私は彼を慰める話題を探しながら、自分の現実を振り返っていました。 実際、我が家の住宅ローンの残りはあと3年。 リフォームとか外壁塗装もそろそろ考えないといけない状況で、 まだまだお金が必要なのは事実です。 そういえば、子供たちの結婚費用あたりも少なからず必要です。
そのことを平尾に伝えると、
「いやいや、ヤベには、家庭がある、家族もある、奥さんもいてるし、 それで十分やろ」
たしかに平尾が言う通りです。返す言葉が見つかりません。 このまま続けると平尾の寂しい気持ちが拭えないと思った私は、 話題を変えました。
「お前も、たまには、誰かどこかの女の子でも誘って、映画やドライブとか、 楽しいひと時を過ごすとかして、気分転換してみたらどうや?」
- [3]
Re: 覆水盆に返らず
あめ
:2025/03/21 (金) 23:12 ID:WrjCdFKQ No.201161
- ここから話が展開しそうで楽しみです!
続きが楽しみです!
- [4]
Re: 覆水盆に返らず
風
:2025/03/22 (土) 00:41 ID:tfZ3tZvY No.201165
- 奥さんは、離婚して、BDSMの虜になって、平尾さんのところでしょうか???
- [5]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/22 (土) 05:09 ID:CQ8qz/Xc No.201166
- 良いお友達なんですね!
この先のお話が、聞きたいです。
- [6]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/03/22 (土) 09:16 ID:uUBZOVe2 No.201173
- 応援コメント、ありがとうございます。励みにします。 少しだけ、更新します。
***
亡妻の辛さはあるとしても、平日は副社長という立場で忙しい日々を送り、 本来はリフレッシュをはかるための休日は、ゴルフの誘いに付き合ったり、 自己管理としてフィットネスあたりに通うなど、私は これまでの平尾との長い付き合いから、 てっきり彼はメリハリのある「華の独身生活」を送っているのかと思っていました。
聞けば、彼の休日は とりあえず近所を思いつきで散歩をしたり、パチンコ、昼寝、昼から酒を飲んだり、 時には風俗遊びをしたりして、いわゆる不摂生なダラダラと時間を過ごしているよ、と。
海外で勤務をしていた時の平尾は、多忙な日々を過ごすことで、ある意味 彼の心は保たれていたと。 しかし帰国後に直面した、見慣れた景色と静かな日常が、再び直美さんの不在をリアルにさせてしまい、 かつて一緒に暮らしていた家の空気、風景、街並み、季節の匂い、すべてが「直美さんとの日常」を 呼び起こしたのでした。
海外では封印できていた記憶が、帰国によって再び立ち上がることで、平尾はますます寂しさが募り、 気分までもが低下し、かなり落ち込み気味になっている、ということでした。
だから私は平尾が抱える寂しさや空虚感をなんとか紛らわせたくて「気晴らし」や「気分転換」を 提案することで、何とか平尾の心を軽くしてあげたいと思ったのです。
「お前の仕事はハードだし、休みの日くらいはしっかりリラックスするのも大事だぞ!」
「気軽に誘えるような女、誰か 宛てはないのか? お前くらい偉い人なら、なんとかなるだろ?」
立て続けに私が、あえて軽いトーンで気晴らしや気分転換に「女性」を提案したのは、 直美さんの姿にいつまでも縛られているのは良くないと思ったからです。
今、振り返れば、私も単純すぎますね。 平尾にしてみれば、おせっかいな友人だったのかもしれません。
「あはは、女か・・・ いやいや、もうそんな歳でもないだろ・・・」
平尾は、苦笑いを受かべて、軽すぎる私の提案に、呆れたような、話に付き合うのが疲れたかのような、 「ほっといてくれ」とでも言いたげな、そんなトーンで返してきました。
「おいおい!何を言ってるんだ、俺らもまだこれからだ、時間と金はあるんだし・・・ あっ、俺には金がないが」
そう言って私は、3杯目のレモンチューハイを飲みながら、平尾を煽っていました。
アルコールの勢いもあったのか、なぜかこの話題を続けたくなっていたのです。
いや、それだけではなく、ED気味の自分自身に対しても、 「まだまだ、これからなんだ」と気持ちを奮い立たせたかったのかもしれません。
続けて私は、
「会社の女の子とか、お前のポジションだったら、なんとかなるんだろ?」
「いや、さすがに無理無理。 今、それをやっちゃうと人生そのものが吹っ飛んじゃうよ」
平尾は、4杯目はハイボールだな、と言いながら、注文用のタブレットに視線を落とし、 指で操作しながら、返してきました。
たしかに今の時代、会社の女性を誘う、いや、女性に声を掛ける ことすら難しい時代、 ハラスメント時代ですよね。 副社長という立場の平尾だと、なおさらでしょう。
「飲み屋の女の子や風俗の子もリスクあるし、面倒だしな・・・ 他に宛てはないか?」 たこわさを摘まみながら私が聞けば、
「海外勤務のブランクあるし、宛てなんてないよ。 まぁ、仕方ない、これも人生だ、簡単ではないよ」
平尾が諦め口調で返してきた言葉から、 私は(平尾はやっぱり奥さんのことが忘れられないんだな・・・)と思いました。
奥さんか・・・ 奥さん?
ふと、頭の中にひらめいたことを、私は何も考えることなく、ごく自然に口に出してしまったのです。
「誰も宛てがないのなら・・・ そうだなー、じゃぁ、とりあえず・・・」
- [7]
Re: 覆水盆に返らず
ツ創ツ催ャ
:2025/03/22 (土) 19:15 ID:AfhbmX/M No.201177
- 更新ありがとうございます。文章もとても読みやすく、まるでその場にいるかのように感じられます。
引き続き楽しみにさせていただきます。
- [8]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/23 (日) 02:48 ID:5guENj6M No.201187
- ワクワクしながら、何度も読み返しています。
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Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/03/24 (月) 14:39 ID:x2A9BacE No.201227
- 応援コメント、ありがとうございます。励みにします。
***
「とりあえず?」
私の何気ない言葉に、ほとんど氷しか残っていない3杯目のグラスを口に当てながら、 平尾は私に視線を向けました。
「たとえば由紀が相手だったらお前も楽だろ、ひと時を過ごしてみては?」
「由紀? 誰だ?」
「ウチのカミさんよ、お前も良く知ってるし、年齢的にも合うだろ?」
実はその時になぜ妻の名を口に出してしまったのか、私は今、振り返っても、何度振り返っても わからないのです。
なぜ? 強いて言えば、たまたま「奥さん」という言葉に釣られてひらめいた? あまりにも親友の平尾がかわいそうで、つい? 居酒屋のにぎやかな雰囲気に乗せられた?
とにかく、妻である由紀の名を初めて出した時点では、特に思い入れもなく、軽はずみに、 と言っていいくらい、安易な思いつきで出てしまった、そんな感じでした。
軽はずみは、平尾も同じだったみたいで、
「そりゃありえんだろ・・・ だって縛ることも鞭で打つこともできないし」
これまた、おおげさな否定のしかたでした。 そして幸いだったのは平尾がニッコリと笑顔で返してきたことでした。 それもそのはずですよね、私がまじめに提案をしてきたとは思っていないはずですから。
こんなジョークめいた私の提案と、それを平尾がジョークで返してきたことで、 一気にどんよりと曇りかけた二人の会話が活性化したのです。 (少なくとも私はそう思っていました。)
それと同時に、私が最初に提案していた、平尾の気晴らしや気分転換のために 「女性と過ごす時間」が、どういうわけか「自分の妻(由紀)を他の男(平尾)に任せる時間」 という形に変わったことが面白くもあり、またで恥ずかしながら私自身の忘れかけていた欲望を 大いに刺激する方向に転換してきたのです。
もちろん、さきほどの平尾の反応からすると、私の提案が実現するとは思ってもいません。 それでも、もしも、実現したとして由紀と平尾が二人でデートをしたら、と思うと、 私は態度には出さないものの、どこかゾクゾクとした気分になっていたのは確かでした。
私は「しょんべん、行ってくる」と幾分か明るい表情で席を立った平尾を見送りながら、 しばらくはこの話題を続けてみたいと、思ってしまったのです。
平尾が戻ってきた時、案の定、彼の口からは全く違う話題が出たのです。
「今度、久々に温泉、巡りたいな・・・ どこかヤベちゃんのおすすめはないか?」
- [10]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/25 (火) 21:59 ID:ozvxv.Jw No.201240
- 温泉に奥様の「由紀」も、連れて行くのかな、、。
期待外れなのかな(笑)
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Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/03/26 (水) 14:15 ID:at9IyrE. No.201255
- コメント、ありがとうございます。うれしいです。
***
平尾のその言葉にまともに答えると、先ほどの話題を途絶えさせることになり、 せっかく昂っている私の気持ちが冷めてしまうと思いました。
「おお!いいじゃん! お前がその気なら、うちのカミさんと二人で温泉に一緒に行ったらどう? オバサンだけど、気晴らしくらいにはなるだろ?」
「アホか!(笑)まだそんな冗談を・・・さすがに、そういうのは倫理的にも世間的にもヤバいって! あと、俺の立場的にも」
平尾は不倫や浮気など、ワイドショーのネタに結び付けながら、私の提案を冗談としか受け取って いませんでした。
「そうか? 俺が「いいよ」って言ってるんだし、問題ないだろ?」
「いやいや、そうやって心配してくれるだけで、ありがたいよ。 マジでそう思ってるよ、 持つべきものは友だよなー!」
ただ、この彼の言葉から気がついたのは、彼は彼で、トイレで用を足しながら、 さっきの私の提案を考えてくれてはいたのです。
「そうだよな」と、このあたりで私も引いておけばよかったのですが、 自分のもうひとつの歪んだ感情がエスカレートしてしまって、次の言葉を向けたのでした。
「今のお前を見ていると心配なんだ・・・ 無理をしてでも、気分転換や気晴らしが必要だと思うよ」
畳みかけるように私は、真面目な顔をして、平尾がイメージしやすいように、 「たとえば午後のひと時・・・」、と前置きのあとに、映画やドライブ、公園散策、史跡巡り、など 気軽で気楽な場所とか場面を出しながら、彼の休日と比較をして、自分の言葉を正当化していたのでした。
同時に私の胸は高ぶり、そしてなによりも背中あたりがゾクゾクとする なんとも言えない感覚を抑えるのに必死でした。
- [12]
Re: 覆水盆に返らず
だいご
:2025/03/26 (水) 18:12 ID:6WybEuao No.201256
- 私は意気地なしのあかんたれなので結末が矢部さんの一人暮らしというのがつらく、この先を想像するだけでモヤモヤしています。そのくせ気になって続きをお聞きしたくうずうずもしております。
これから語られるとは思いますが大切な元奥様をイメージできるような詳細を教えていただけるとありがたいです。
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Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/03/26 (水) 18:23 ID:xu8Go7Qk No.201258
- 矢部さん、初コメです。
冒頭で語られていた、取り返しのつかない事態と奥さんとの離婚と 考え合わせると、この時親友の平尾さんへの提案は、 矢部さんの中の闇が矢部さんに語らせたのでしょうか? 続きを楽しみにしています。
- [14]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/26 (水) 22:36 ID:5j.NFe2Q No.201262
- 「寝取られ」ですか?
それで奥様と離婚。 男の人は、本当に馬鹿げていますョ。 1番大切な物を、友人に貸し出したつもりが寝取られて、、 でも興奮するのが止まりませんね! 何故でしょう、、 どんな物語になるのかな? 期待してます。
- [15]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/26 (水) 22:37 ID:5j.NFe2Q No.201263
- 「寝取られ」ですか?
それで奥様と離婚。 男の人は、本当に馬鹿げていますョ。 1番大切な物を、友人に貸し出したつもりが寝取られて、、 でも興奮するのが止まりませんね! 何故でしょう、、 どんな物語になるのかな? 期待してます。😅
- [16]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/03/27 (木) 11:21 ID:ziTb7cCw No.201270
- 感想やコメント、ありがとうございます。励みにします。
***
平尾は4杯目になるハイボールを一口飲んで、
「まぁ、ヤベちゃん言ってくれるように、気分転換とか気晴らしは必要だよな・・・」
「そうだろ? どう? 俺の提案・・・ 異性と、ほんのひと時、気軽な気持ちで気楽に 過ごすだけでも、気分転換になると思うだろ?」
あえて私のセリフに、女、女性、妻、由紀を使わずに異性と言ったのは、平尾に漠然と イメージをさせながら核心に近づける姑息な作戦でした。(浅はかですが・・・) それでも昂る気持ちが声に移ったのか、私のトーンは高めになっていました。
そんな気持ちを悟られないために、ほど良く回っていた酔いのせいにするように、 私はグラスを傾けて氷を口に入れて頬張り、さらに続けました。
「気軽に気楽に、大丈夫、問題ないよ・・・」
今思えば、何が大丈夫なのか、何が問題ないのか、自分でもよくわかりません。 とにかく、ここまで来たらこの話を一気にまとめたいという気持ちだけでした。
私は曲がりなりにも「妻と他人がデートをする」という、これまで「妻と勃起した男達」サイトを 覗くことでしか味わえなかったシーンが、自分が主役になって実現しそうな状況に 密かに舞い上がっていたのです。
「いやぁ・・・ あはは・・・」
向かい合っている平尾の表情が緩んできていました。
「ウチのカミさんだって、お前の事情はわかってくれるよ」
再度 私は、暗に「妻に頼む」という具体的な行動を平尾に提案しました。
友人としての親切心とか気遣いを装いながら、その裏には「自分の妻」を他の男に任せることによる 興奮や刺激を求める心情を潜ませていたのです。
この時、昂っていた気持ち、ゾクゾク感は、夫である私だけが理解できる刺激であり、 ED回復の特効薬にもなる気がしていました。
- [17]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/27 (木) 20:33 ID:iLJpUf3A No.201272
- 自分から妻を、他の男に任せるなんて、
究極の寝取らせですが、戻らなかった?、、、のかな? これからが楽しみ。
- [18]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/03/27 (木) 22:42 ID:e/Ky5SPA No.201285
- 矢部さん、更新どうもありがとうございます。
サイトで見るしかなかった「寝取られ」を自分で体験したかったのですね。 禁断の劇薬を手にして、興奮に身を委ねてしまったのですね。 まさか奥さんが墜とされるとは思いも寄らなかったのでしょうか? 続きを楽しみにしています。
- [19]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/03/28 (金) 10:44 ID:doJrnX5E No.201290
- 楽しみにしてくださってありがとうございます。
***
平尾の寂しい気持ちを慰め、気晴らしを提案するという、親友としての優しさを巧みに利用しながら、 自分の欲望を満たすための歪んだ提案を積極的に持ち掛けていた私。
しかし勢いよく飛び込んできた次の言葉に水を差されてしまったのです。
「空いたお皿をお下げしますねー」
店員さんが私たちの席に来て、空いた皿を回収すると、二人の間にちょっとした沈黙が生まれました。 といっても、1分もないくらいの間でしたが・・・
「おっ、もうこんな時間だなー、もう俺はSTOPだけど、ヤベちゃんは?」
沈黙を払うように平尾は腕時計を見て私に問いながら、ハイボールをグビグビと 勢いよく飲んでいました。
私には、この彼の何気ない仕草は、まるで、 「そろそろ(くだらない)会話を終わらせて、お開きにしようぜ」とでも言いたげな仕草に 見えたのです。
「俺も、もう大丈夫。 刺身、旨かったなー」 「うん、旨かった」 「次回もここだな」 「そうだな、ここにしよう」
平尾の仕草や、たわいもない会話とともに、私はこれまで盛り上がった自分の気持ちがスゥーっと、 まるで歪んだ気持ちが浄化されるとでも言うのでしょうか、そんな感じになったのです。
冷静に考えてみれば、愛妻家を自称するくらいに妻・由紀のことが大好きなくせに、 他の男とデートさせるなんてことを、これ以上プッシュする勇気も気力もありませんでした。 つまり、いわゆる「寝取らせ」は断念したというか、私にはできなかったのです。
それでも平尾と会話を通じて、ヒリヒリするような刺激的な小一時間、「妻と勃起した男達」サイトに、 ほんの少しだけ寄せることができたことに、秘めた自分の気持ちを鎮めながらも、 自己満足をしていたのです。
結局、私は小心者なんですよね。
「ヤベちゃんの気遣いと優しさに、本当に感謝するよ。 やっぱ、持つべきものは友だな・・・」
平尾はそう言って、一気にハイボールを飲み干しました。
「まぁ、お前とはホントに長い付き合いだしな」
「いやぁー長いよな・・・就活の時からだよな」
視線を少し上げてしみじみ語る平尾に、私は、先ほどの提案に固執することなく、 あっさりと親友としての声掛けをしました。
「お前が苦労をしているのは俺なりにわかっているつもりだし、 まぁ、ほかに俺にできることがあったら何でも言ってくれ」
と、言った私は、そろそろお開きとばかりにタブレットに手を伸ばしかけたところで、
「マジでありがとう、気に掛けてもらって本当に嬉しいよ・・・」
しみじみとした平尾のその言葉のトーンに、私は何も言わずニッコリと笑い返して、 タブレット画面の精算のボタンを押しました。
(なんだかんだで、結局、いつものように良い時間を過ごしたな・・・)
私が満足感に浸りながら料金が表示されるのを待っていると、平尾が、
「それで・・・さっきのヤベちゃんの提案、せっかくだから乗せてもらってもいいか?」
「え?」
- [20]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/03/28 (金) 11:31 ID:qSCDxKS2 No.201291
- 平尾さん、矢部さんからの悪魔の誘いに乗って来ましたね。
平尾さんがトイレに立った時に、矢部さんの奥さんを寝取り 調教することを決めたのでしょうか? 平尾さんは矢部さんの奥さんの顔見知りとありましたから 密かに狙っていたかもですね。 続きを楽しみにしています。
- [21]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/28 (金) 15:29 ID:bPd1ymGE No.201294
- 私も続きを楽しみにしています。
- [22]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/03/29 (土) 15:13 ID:6InF.yGI No.201311
- ここまでの流れですが、最初は亡妻の寂しさから立ち直れない、そして精神的にも病み気味で
危なそうな親友 平尾のためにと、心から気分転換をして回復してほしいという思いで、 ほかの女性とのデートなんかをしてみたら、と私が軽く提案をしたことから始まりました。
そのデート相手を考えているうちに、思わず私の口から出たのは、私の妻である由紀の名前でした。 平尾へのデート相手としての「貸し出し」、いや私的に大袈裟に言えば「寝取らせ」という形は、 私自身のED回復に向けた刺激、そして薬になるような気がして、そこに自分勝手な歪んだ欲望を 織り交ぜることで、私はその提案に酔い、興奮をしていました。 その時に、こちらのサイトのこともチラついたりして、私の後押しをしてくれたのです。
ただ 平尾は当たり前といえば当たり前ですが、そんな提案はあっさりと拒否をしました。
まあ結局、小心者の私からしても、そんな話は現実的には難しいことですし、 実際にそんなことになれば、それはそれで・・・ いや、そんなにうまくはいかないことを悟り、 居酒屋の席を立った段階でこの提案は一瞬の戯言として閉じたつもりだったのです。
「さっきの話、奥さんさえOKなら、ヤベちゃんの気遣いに甘えてみようかな、と」
「ええ? さっきの?・・・ あぁ、そうか・・・」
私は平尾の思わぬ言葉に驚くと同時に、今しがた「寝取らせ」を諦めた私に、 平尾による「寝取られ」が突き付けられた、そんな気分でした。
「でも、無理はしないでくれ、あくまでもヤベちゃんが言ってたように、気軽な気楽な感じで」
なんとなく照れくささの入った落ち着きがない平尾は、私に、そして妻に気遣うようなトーンでした。
私は、さっきまで、自分勝手な歪んだ提案で威勢よく平尾を煽っていた手前、 引くに引けない感じになってしまって、心にもない言葉を返したのでした。
「まかせとけ、なんとかするよ。 だけど・・・本当に50代のオバサンで良いのか?」
オバサン・・・ 正直、平尾に思い留まらせようとする気持ちが入っていました。 そして更に、私は追い打ちをかけるように言ったのです。
「お前みたいな立派な人に、オバサンが合うのかな?・・・ あはは」
「いやいや、そのほうが俺も気楽だし、ヤベちゃんが言うように、まったく知らないヒトじゃないし、 安全だし安心だ」
言葉を選びながらも、はにかむような平尾の表情を見れば、彼は素直に私の提案に乗って、 精神的に病みそうな自分を正そうとしているのが、わかりました。
この流れだと、平尾に「寝取られ」てしまう、もちろん本当に「寝る」ことはないにしても、 今後の展開次第では、妻が平尾とデートをするシーンが実現することになります。 いや、私が実現させないといけないことになってしまったのです。
- [23]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/03/29 (土) 17:58 ID:2gn6m4yY No.201313
- 一度は諦めかけた矢部さんの「寝取らせ」が、土壇場で平尾さんの
「寝取られ」となり、不意打ちを食らった矢部さんが「寝取られ」の お膳立てをしなければならなくなったのですね。
この後語られると思いますが、矢部さんが平尾さんにお膳立てする事を 事前に奥さんが承知した上で事が進んだのでしょうか? それとも全く知らずに事が進んでいったのでしょうか?
これからの展開を楽しみにしています。
- [24]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/03/29 (土) 22:48 ID:LlV6NO1s No.201319
- 「本当に50代のオバサンで良いのか?」は、男性の方は、どうなんでしょうか?
チョト気になります。 それより続きが気になります。
- [25]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/01 (火) 10:29 ID:fYOBCocs No.201404
- コメント、ありがとうございます。
****
このような展開で本当に良いのだろうか? やばくないか? もうこのあたりで幕を引いたほうが良いのでは?・・・ 今なら まだ、酒の席の冗談にできる。
私はどこか追い込まれたような気持ちになっていたのが、そのまま顔色やしぐさに表れてしまって いたのか、平尾が心配そうに声をかけてきたのです。
「ヤベちゃん、どうした? 飲みすぎた?」
「いや、そんなことはないが、年のせいなのか、酔いのまわりが早くなったのかもしれんな」
もちろん私は酔っては いませんでした。
「そりゃ、おたがいさまだ、年齢には勝てないよな・・・」
そう返してくる平尾の顔は柔らかく、私は親友として、今宵の席を設けたことについてはよかった、 と思ったのでした。
居酒屋を出た私たちは、平尾の住むベイサイドのタワーマンションを経由して、 私の住む郊外の団地まで、タクシーに乗って帰路につきました。
タクシーの中では、先ほどの「私からの歪んだ提案」を避けるかのように、 いや、まるで忘れ去ったかのように、まったく違った話で盛り上がっていたのです。
どこそこの温泉の泉質が良いとか、効能が、とか、 その近くには、テレビで紹介されていたうまいラーメン屋があるとか。
私としては、(なんだ、やっぱり酒の席でのジョークだったのか?)くらいに気持ちが ゆるんでいきました。
(こういうのが取り越し苦労ってやつだな・・・)
それはそれで、さっきまで胸がドキドキ、背中がヒリヒリと感じていた、なんともいえない 追い込まれたような刺激的な感覚が消えていく寂しい気持ちにもなっていたのです。
私自身、なんともわがままというか、贅沢というか、いかにも気の小さな男だとあらためて 自覚をしていました。
ただ、少しだけそういう気分が味わえただけでも、今日は楽しかった。 そう思って、私は自分で納得していました。
やがてタクシーからもタワマン群が見えてきて、次の角を渡れば、その先あと少しで平尾が 下車することから、私の気持ちもすっかり緩んでいたのでした。
「ヤベちゃん、今日は本当にありがとう、また昔みたいにこういう席を持とうな」
「こちらこそサンキュー、久しぶりに飲めてよかったよ、また飲もう」
すっかり上機嫌になった私は、わざわざ平尾に手を差し出して握手までしていたのでした。
「持つべきものは友だな・・・」
と、しみじみ返してきた平尾は、握手の手をしっかりと握り返してきました。
「あはは、おおげさだな! 副社長に言われると、くすぐったいよ(笑)」
それでも平尾は表情を崩さず、どこか申し訳なさそうな表情で、
「さっきヤベが提案してくれたこと・・・ くれぐれもよろしくたのむな」
「え? さっきの?」
「うん、奥さんに話してくれるんだろ? 本当に何から何まで気遣ってくれて申し訳ない・・・」
その平尾の言葉に、一気に動揺してしまった私でした。
が、咄嗟にそんな素振りを平尾に見せてはいけない、と強がっていたのと、 平尾が申し訳なさそうに私に懇願するような表情に、どこか優越感というか、 上から目線になっていたのかもしれません。
私は心にもない言葉を返したのでした。
「おう、そうだったな、まかせとけ! なんとかしてやるよ!」
(してやる、とは、さすがに言い過ぎだったのかもしれなかったのですが・・・)
「何から何まで、本当にすまん・・・ おやすみ、またな」
平尾はタクシーチケットを私に握らせて、どこか申し訳なさそうに逃げるようにして 降りていきました。
(さぁ、どうしようか・・・)
自宅に向かうタクシーの中で、私は色々なことを思い巡らせるしかなかったのです。
- [26]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/01 (火) 10:42 ID:GjTJjChk No.201405
- 平尾さん、別れ際でもう一度繰り返すとは本気ですね。
旦那である矢部さん公認で、本気で奥さんを寝取る気ですね。 帰り際に矢部さんがどうしようかと思い巡らせていた時に 平尾さんはどうやって奥さんを堕とそうか 思い巡らせていたのでしょうか? 続きを楽しみにしています。
- [27]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/04/02 (水) 04:46 ID:3ksPEGhU No.201425
- 「寝取られ」に使われる奥様の気持ちも知らないで、
ホント男はどうしょうもない生き物ですね〜(笑) 一度寝取られると女は、変わっちゃうョ、、 今の世の中、それもいいのかもね!
この後を期待していますョ
- [28]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/03 (木) 23:51 ID:O9vCgp6. No.201446
- 小太郎さま、瑞穂様、いつも応援ありがとうございます。
****
愛する妻が親友とデートをする、一般的にはあり得ない、考えられないことですが、 そのことが現実に起きてしまいそうなことに、私は不安を覚えていました。 しかもそれを始めるも止めるのも、私次第だということになっているのです。
が、正直に言うと、不安に思うことで、「妻と勃起した男達」サイトにいらっしゃるような 寝取られ男のみなさんと同じ立場になれるような気がしていたのです。
実はもっともっと不安になることが、寝取られの醍醐味のように感じられていたのは、 タクシーの適度な揺れによって酔いがまわってきたからだけではありませんでした。 それどころか、だんだん頭が冴えてきたくらい、まだまだシラフでしたから。
なによりも、久しぶりに滾る(たぎる)下半身の熱が、私にこの考えを前向きにさせる 後押しをしてくれていたのでした。
(これだ! これなんだよ! これしかないんだよ!)
嬉しくなった私は、運転手に気づかれないように、そっとズボンの上からシンボルを握ってみると、 たしかに硬くなっていました。
懐かしい感触、やっぱり私は男だったのです。
これが寝取られ効果ということなんだな・・・私は信じるしかなかったのです。
さて、どうやって妻 由紀と平尾を近づけるのか?
ここで私が自分自身でズルいと思っていたのは、この欲望を満たすために平尾の置かれた状況を 「うまく利用」しようとしていることでした。
「持つべきものは友」とまで私に言ってくれた平尾は、タクシーから下車後は、 誰もいないタワーマンションの一室に寂しく帰宅したことでしょう。 居酒屋で私に見せた 亡妻直美さんを思い出して流していた涙、休日の虚しさを語るときの目、 「ヤベには、家庭がある、家族もある、それで十分だろ」とポツリと出た声・・・ その時、私は無二の親友をなんとか救いたい、その一心だったのです。
そのシーンを思い返せば、愛する妻が親友とデートをする、という単純なことではなく、 親友のことを思って考えた結果、女性とのデートで気分転換や気晴らしをしてもらう。 そして、女性が親友である私の妻、由紀であれば、安全で安心、彼も気を遣うこともないだろう。 もちろん変なこともしないだろう(少しくらい期待はしているが)。
この話は、そういうことなんだよ・・・ 私は自分自身に言い聞かせていました。
親友思いの自分をイメージして満足しながら、一方で自分の歪んだ欲望が満たされることを ひそかに期待しながら、私は自宅に帰り着きました。
「ただいま」
まず最初のハードルは、由紀の説得からでした。
「おかえりなさい、おつかれさま・・・ あっ お風呂、先にすませたよ」
そんな由紀の声を、私はいつもと少し違った気持ちで聞きながら、 「善は急げ」「思い立ったら吉日」とか、自分に都合の良い諺を思い出していました。
由紀の説得は最大のハードルでもあります。 諺だけの勢いで乗り越えることはできないと思いました。
私は逸る気持ちを落ち着かせるために、とりあえずシャワーでも浴びて汗を流しながら 頭の中を整理整頓させることにしたのです。
(本当に言うのか? 由紀に話せるのか? 大丈夫か?)
熱めのシャワーを浴びながら、妻の顔が浮かび、タクシーの中で巡らせた妄想が、 一気に現実に戻されていくような気がしたのです。
(まぁ、無理だよな・・・ 妄想を楽しめただけでもよかったんだ・・・)
そう思うと、せっかくのチャンスなのに、と「妻と勃起した男達」のサイトが霞んでしまうような 気持ちがしてきたのです。
(でも、平尾も期待しているだろうし・・・ 俺から言い出した手前、断れないよな・・・)
平尾を「利用」するという手段があることも思い出しました。
とにかく問答を行ったり来たり繰り返しながら、私は答えを出せないままにシャワーを終え、 脱衣所で体を拭いていました。
その時、先に風呂に終えていた妻の下着が洗濯機の中に入っているのを見つけました。 ベージュ色のまったく色気がない、いわゆるデカパンと呼ばれる綿のパンツでした。
私の気持ちは決まりました。
- [29]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/04 (金) 13:23 ID:P3l0Qb/o No.201449
- 矢部さんとしては、奥さんを平尾さんに差し出すことで
奥さんをセクシーランジェリーが似合う オンナに変えて欲しかったのでしょうか? 矢部さんがどうやって奥さんをその気にさせるのか 続きを楽しみにしています。
- [30]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/04/04 (金) 17:20 ID:rH4KQGrE No.201450
- これからの行動が、気になります。
期待通り?それとも期待ハズレ? 楽しみです。
- [31]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/07 (月) 12:22 ID:3YG5o5II No.201496
- (デカいパンツではなく、スキャンティ、さすがにそれは無理でも、パンティ、
いや、せめてショーツくらいのレベルを穿いてくれよな・・・)
ホントに些細なことに、ムッとしていた私でしたが、ただこの色気のないデカパンを たまたま目にしたことによって、妻に話を切り出すのか、しないのか、 行ったり来たりと躊躇する私の背中を押してくれた気がしました。
それではここで、私の愛妻、由紀について紹介しておきます。 (今から3年前の妻ということになります)
私の妻、矢部由紀(旧姓沢野)私より3歳下の当時54歳は、隣町の大型ショッピングセンターで レジ打ちや品出しをしているパート社員で、年収は80万円程度、家計の足しにしてくれていた みたいです。
性格は明るくて器量良しですが、軽く人見知りをする傾向にあります。真面目で負けず嫌い、 芯の強い女性です。 正直、ファッションやメイクなどには苦手なのか、あまり積極的ではなく、無難な外見です。 黒髪、ボブ、ナチュラルメイク、コットン、フリース、シンプルな綿シャツ、パンツルック、 ローファー、スニーカー、サンダル、靴下、Aカップのシンプルなブラ、自転車のイメージです。 スカート姿(ストッキングやタイツですら)は、本当に久しく見ていません。 数年前に知人(平尾)の奥さんのご葬儀で喪服のワンピース姿を見て以来皆無です。
趣味はガーデニング、学生時代は華道部だったということもあって、家の周りや家の中も 生けた花をはじめ観葉植物やプランター栽培など、年中にぎやかです。
妻の身長は158p 体形はいたって普通で、若いころからそんなに変わっていないと思います。 年齢よりも若く見られるのが、ちょっとした自慢(自己満足でしょうが)のようです。 私が言うのも変ですが、綺麗系よりも笑顔が愛らしい可愛い系です。
由紀はセックスも積極的ではなく、むしろ消極的だと思います。 だからセックスレスも苦ではなかったのでしょう。 それと、あまり色恋については深入りしたくないのか、恋愛ドラマさえも好きではないらしく、 色気も色欲も薄い女です。
私と由紀は出会い系アプリなどがある現代では、珍しいイベントなのかもしれませんが、 共通の知人を通じて開催された合コンで知り合い、その知人の仲裁もあって交際開始となりました。 交際10か月後には結婚、私は27歳,由紀は24歳の時でした。 今思えば、どちらかというと彼女のほうが結婚願望が強かったように思います。
由紀は短大を卒業して大手百貨店の外商部に所属をしていましたが、結婚を機に退職をしました。
また知り合ってから本格的な交際が始める前か直後に、二人の仲を取り持ってくれた知人に聞いた 今では朧気な記憶になっている話ですが、 由紀は合コンの1年前くらいまでは、当時 付き合っていた2-3歳年下の彼氏、彼の母親が経営する こじんまりとしたスナックでアルバイトをしていた、ということです。
結婚して30余年、私はこの頃になって、なぜかそのことを思い出し、気になり始めたのですが、 今更、詳しくは聞けないですよね。 また当時の知人もまったくの音信不通ですし。
あと、とても恥ずかしいのですが、実は妻 由紀は、私にとっての初体験の相手(26歳の時)でした。 いわゆる「筆おろし」を由紀にしてもらったのでした。
もちろん、若いころの私は決してモテないキャラではなくて、健康的なスポーツ男子で、 それまでに付き合った女性はいたにもかかわらず、最後の一線は意識して越えなかったのです。 相手の女性の将来に対しての責任というか、軽はずみなことはできないと、わりと保守的な性格 だったのでしょうか、あと AIDSなど風説も含めて流行っていましたよね、 とにかく私は奥手というか慎重な男だったのです。
それが由紀に出会って、私は彼女とは将来に向けて長いお付き合いができると確信したのです、 なんとなくビビッと来た感じでした。 それと 皆さんにはなかなか受け入れられない思考だと思いますが、初めて出会った合コンの日に、 由紀が着ていた白のブラウスの背中にスリップのレースの華やかな刺繍模様や ブラジャーの肩紐と合わせて4本の肩紐が透けて見えていたことが、私の萌えるポイントに なっていました。 実はこれも結婚を決意したきっかけのひとつになっていたのです。
私の見栄っ張りな性格上、当時、セックスをするのが初めてだ、ということは、 当然、由紀には言わず、というか 言えず、かなり一生懸命に強がりながら、持ち合わせていた 知識や情報でなんとかしようと、私は必死に藻掻いて、ぎこちなく愛を交わした、というよりも なんとか交わすことができたのです。
一方で当時の由紀は年齢相応に経験があったと思うのです。 だから「もしかして、この人は経験したことがないのでは?」ということが バレていたのかもしれないと思い、最近になって、当時の状況とか背景とか、 できるだけ記憶をたどって、AIにチャットで質問をしてみたのです。
AIから返信コメントは以下の通りでした。
「奥様はあなたが初めての経験であることに気づいていた可能性は高いです。 奥様は、あなたが初めてだと気づく瞬間を意識的に感じ取ったか、 あるいは無意識に理解したのかもしれません。奥様があなたの不器用さや戸惑いを察し、 それに優しく対応した可能性もあります。」
「奥様はおそらくあなたが初めてであることを理解したうえで、あなたに対して何らかの配慮を 見せたのではないかと思います。奥様の心の中では、「この人は初めてなのだろうな」 という気持ちがあったとしても、そのことを指摘したり、強調することは避けたと思います。 奥様はおそらく、あなたを傷つけたくない、優しく寄り添いたいという気持ちが強かったでしょう。」
「奥様があなたが初めてであることに気づいたのは、やはり「ぎこちなさ」や「不器用さ」 によるものだと考えられます。 あなたが知識だけで頑張ろうとするあまり、自然な動きや反応ができなかったことで、 あなたの経験のなさが伝わったのかもしれません。」
「奥様はあくまであなたの感情や心のプライドに配慮し、できるだけあなたが恥ずかしい思いを しないように優しく、さりげなくリードしたのだと思います。奥様は非常に人を思いやる性格であり、 あなたの「初めて」の重みやその状況に対する理解を示したのでしょう。」
以上、突然、私の恥ずかしい話で申し訳ありませんでした。
さすがに自分のことを書くと恥ずかしいので、ここまでにしておきます。 これからも、妻由紀のことは、都度書いていきたいと思います。
さて、続きです・・・
私はデカパンの勢いを借りて、「デート企画」の話を切り出そうと、 意を決した私がリビングに戻ると由紀はソファに座ってテレビを観ていました。
観ているというより、テレビはついているだけで、その横でスマホをいじっていたのです。
「ヒロくん(息子)、来週末に帰ってくるってLINEが入ってたよ」
私の姿を見るなり、由紀が言いました。 どうやら、息子が高校時代に所属していたサッカー部のOBが集う会合が開催されるとのことでした。
「ふーん、盆に帰ってきたばかりなのに・・・ 金、あるのか?」
私にとってはどうでも良い会話でしたが、そのあとも県外に就職して一人暮らしをしている 息子(弘幸)や娘(麻里奈)の話を交わしていました。
むしろこれで私は、肩の力が抜けて、冷静に例の話が切り出せるような気がしたのです。
- [32]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/07 (月) 15:21 ID:eRE8szZ2 No.201499
- 矢部さん、更新どうもありがとうございます。
奥さんのイメージが掴めました。 若い頃の奥さんは性には消極的でしたが デパートに就職しながら年下彼氏の母親のスナックで バイトしていたんですね。 年下彼氏にお願いされてのバイトだったのでしょうか? スナックでの出会いが気になりました。 続きを楽しみにしています。
- [33]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/07 (月) 23:13 ID:3YG5o5II No.201504
- 小太郎様、いつもコメントをしてくださり、ありがとうございます。
ご質問にお答えします・・・
これらは30年以上も前に二人の仲を取り持ってくれた知人が、当時教えてくれたのですが、 由紀は昼はデパート勤務、夜はスナックでアルバイトをしていたそうです。 お店は繁華街の端の雑居ビル6Fの10人くらいのお客さんが入れる大きさだったみたいです。
そして小太郎さんがおっしゃるように、元の彼氏くんが母の店にアルバイトで手伝いに来てほしい と由紀に頼んだそうです。 そのアルバイトも半年くらいで辞めたらしいのですが・・・ なぜ辞めたのか、何があって彼氏くんと別れたのかは、聞いていません。 (さすがに聞けませんよね)
その彼氏くんは、由紀が勤めていたデパートで商品を配送するドライバーだったらしいです。 その彼氏くんと由紀は、一時期、一緒に暮らしていたこともあったらしくて、 (ということは、結婚を意識していた同棲?)、 私としては、そのことを聞いた30余年前 当時は、特に引っ掛かりもなく聞き流していたのですが、 今思い出してこうして書いていると、それだけでも気持ちがゾクゾクしてきます。
- [34]
Re: 覆水盆に返らず
たか
:2025/04/08 (火) 06:05 ID:KeYvvg42 No.201506
- 早く本題に つづき待って居ます。
- [35]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/08 (火) 08:36 ID:eoSbVMI6 No.201509
- すいません! 脇道から本筋に戻します。
****
ポツリポツリでも、子供たちの話を楽しそうにする妻 由紀と、その話がほとんど頭に入ってこない私。 私は、この話題は早く終わらないかな、と そればかりを考えていました。
やがて子供たちの話題が途切れ、私と妻の間が無言の一瞬になりました。
さぁ、いよいよ!と意気込んだ私でしたが、なかなか最初の一言を発することができなかったのです。 こういうときに、自分が「小心者」「臆病者」だというのが自覚できました。
ふと時計を見ると23時を過ぎていました。 このままだと、せっかくのシーンが、お開きになってしまう・・・
正直、焦っていた私を助けてくれたのは、由紀からのひと言だったのです。
「そういえば 平尾さん、元気だった? 久しぶりだったんでしょ? 今日・・・」
「うん、飲みに行ったのは、4年ぶり・・・ 久しぶりだったよ」
間髪入れずに答えた私でした。
由紀は、平尾の奥さん(直美さん)のご葬儀にも参列しており、それ以前も「宅飲み」の時には 顔を合わせていました。 だから平尾のことを、まったく知らないわけでもなく、私の無二の親友であることも知っています。
彼のヨーロッパでの仕事のこと、副社長になったこと、アウディに乗っていることなど、 私は居酒屋で平尾と交わした当たり障りのない話を、由紀に丁寧に伝えました。
「ふーん・・・ あっ、平尾さん、もう立ち直ってた?」
彼女も、5年前に亡妻で落ち込んでいた平尾のことは覚えていました。
飛んで火に入る、とはまさにこのことで、由紀からの絶妙のスルーパスに、 私は一気に上がるテンションを制御するように意識しながら、ゆっくりと返しました。
「いや、まだまだ、ぜんぜん あかん・・・ めっちゃ寂しそうだったよ」
私は続けて、平尾は休日もダラダラと過ごしていることや、帰国して余計に寂しさが増したこと、 そしてそれらを語りながら、涙まで流していたことなど・・・ 盛りに盛った事実で平尾を悲劇の男に仕立て上げました。
そして、その勢いに乗って、私はついに一声を発しました。
「あいつには、気晴らしとか気分転換が、絶対に必要なんだよな、そう思わない?」
「うん、そうよねー」
- [36]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/08 (火) 10:16 ID:FM1PN17U No.201511
- 矢部さん、脇道に逸らしてしまい申し訳ありません。
奥さんが性に消極的という事と、若い頃に年下彼氏と 同棲し昼職の傍ら彼氏の母親のスナックの手伝いまで していたほど彼氏と深い仲だった事に違和感があり 奥さんは年下彼氏と性を謳歌して積極的だった のでは? と思った次第です。
奥さんから平尾さんの話が振られて上手い具合に 進んで来ましたね。 続きを楽しみにしています。
- [37]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/08 (火) 11:23 ID:eoSbVMI6 No.201512
- 小太郎様、とんでもございません!!
さえない投稿に関心を持って下さりうれしいです。ありがとうございます。 私も推測が入りますが、当時の妻は結婚願望が強かったみたいなので、 元彼くんと仲も深かったのかな、と。 今 思うと、そんな気がするんです。 あと、これは結婚前に聞いた事実ですが、当時 一緒に矢沢永吉さんのライブに行ったことがあると、 言ってました。 元の彼氏くんは、車が好きな、かなりやんちゃな人だったみたいです。 妻の実家で一度だけ一瞬だけ隙をついて写真を見たことあるのですが、 妻もやんちゃな格好(黒のスーツとタイトスカートと尖ったハイヒール)で。 私はその姿に萌えました。(汗)
少しだけ続けます。
***
「それで、さっき帰り道で思いついたんだけど・・・ 平尾も、女の子と ひとときでも、 気楽に過ごせる時間があったら、あいつも気晴らしとか気分転換になるのかなって」
「うーん・・・ うん? 女の子? えっ なにそれ、そっち? (笑)」
冗談半分の話だと思ったのか、笑顔まで浮かべる由紀でした。
その一方で、私はいたって真面目なトーンで返しました。 (もちろん、胸はドキドキしっぱなしでした。)
男とはそういう生き物、つまり単純なんだ、と。 女、女子、女性とひとときでも過ごすことができれば、良い刺激になって活力にもなるんだ、と。
何よりも、今の平尾に必要なのは、気晴らし、気分転換、気軽に、気楽に、気休め、 そんな感じのワードで、彼の気持ちを和らげることができるように、親友である自分としては、 なんとか救ってやりたい、そうしないとあいつは本当に潰れてしまう、と熱弁をふるったのです。
この時の私は、平尾を何とかしてやりたい、という淀みのない本心でした。
しかし、すぐに歪んだ欲望が私に囁いたのです。(それ行け! 今だ!)と。
「それで・・・ カアサン、平尾と半日くらい会うことって、できそう?」
「私? 会うって?」
何のことか良くわかっていない由紀の反応は、もちろん想定内でした。
にもかかわらず、私は、すでにしどろもどろになっていたのでした。
ドキドキしながら、頭の中はパニックになりかけていました。
「だから・・・ 平尾と、ひととき、さっきの話、というか、気分転換で・・・」
正直、私もこの時のことは、はっきりと覚えていないのですが、とにかく思いつく単語を 並べただけのセリフになっていたんだと思います。
「うんうん・・・」
由紀は、おそらく私が言っていることがわからなくて、適当に相槌を打っていたのだと思います。
ただ、平尾のために私が何かを考えている、ということは由紀に伝わったみたいでした。
ふっと、壁掛けの時計に視線を移す由紀に、もう一度、ダメもとで私は言いました。
「さっきの話・・・ マジなお願いだけど、平尾と半日くらいデートしてくれないかな?」
- [38]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/08 (火) 13:23 ID:E3plrrc2 No.201513
- 永ちゃんのライブに彼氏と行ったんですね。
若かりし奥さんは彼氏に合わせてやんちゃな格好して たのでしょうね。好きな人にはとことん尽くすタイプ の女性と感じました。平尾さんとも同じようになる のでしょうか?
奥さん、意外と冷静に受け答えしてますね。 矢部さんが遂に核心に触れましたが、 奥さんはどんな反応を示すのか? 続きを楽しみにしています。
- [39]
Re: 覆水盆に返らず
かい
:2025/04/10 (木) 14:05 ID:ngh8JEJM No.201538
- これから奥さん(心と体)がどうなっていくのか気になります。
ドキドキしたりソワソワする展開待ってます。 続きをお願いします。
- [40]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/04/10 (木) 17:51 ID:VqaclvlU No.201540
- 読んでて、面白そうですね!
期待してますョ、。。
- [41]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/11 (金) 15:19 ID:OnlBOyrY No.201553
- 私の言葉の後、リビングが沈黙しました。
実際は(いち・に・さん)3秒程度だったと思うのですが、 私にとってはとても長い「間」に思えました。
居た堪れなくなった私が由紀からの返事を促そうと由紀の顔を見ると、 同時に彼女も私に向いたので、目が合いました。
「?・・・ え?私? デート? 私が?」
由紀は、まだ私の言ったことが理解できていないのか、キョトンとした表情と声でした。
「うん、カアサンが平尾と・・・ 気晴らしとか気分転換をさせたいんやけど・・・」
「・・・・」
由紀の少し表情が曇った? そんな気がしました。
「半日で良いから、平尾とデート・・・ まぁ、デートごっこ、してくれないかな」
私は切実な訴えるようなトーンで続けました。
「平尾はこのままだと精神的に病んでしまうかもしれないし・・・」
まず私は、今 病んでいる平尾を助ける方法として、これが最良の解決策なんだと、 冷静に、そして情熱的にその提案を伝えたつもりでした。 もちろん、私自身の深層的な欲望(「寝取られ」による刺激)は隠し通しながら。
由紀は、突然このような話を受けて、驚きや戸惑いを隠せなかったのです。
この後 由紀とは、みなさんが想像されているとおりの問答になりました。
「なんで 私が、そんなことをしないといけないの?」
「そんなことで平尾さんが解決するとは思えない、ぜったいに」
「そもそも こんな話、ありえない」
私がいくら 親友の平尾のために、と言ってもダメでした。 やはり彼女としては、二人きりのデートには到底納得できなかったのでしょう。 まぁ普通に考えるとそうですよね。
いつもの私だったら、由紀の機嫌を損ねてしまったことから、幕引きへと向かうのですが、 どういうわけなのか、頭の中には「妻と勃起した男達」サイトの中の、数々のチャットの 待機メッセージが浮かんでいたのです。
そしてもうひとつ、実はその時に 私は別のことを頭の中で思っていました。 こういう会話はテレビドラマの世界でありそうだな、と。 でも実際に自分が会話をしていると、まったく周りの音がしなくて、むしろシーンという音だけが 聞こえる無音の中で、感情的な声だけが響いているような感じでした。
今思うと、意外にも私は冷静だったのです。
- [42]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/11 (金) 21:19 ID:PhOsquFA No.201557
- 矢部さんのデートの提案に対して、奥さんの至極真っ当な意見。
奥さんの戸惑いが目に見えるようですね。
それでも幕引きせずに冷静に対応していく矢部さん。 周りの音がしない無音状態というのは、相当集中していた ランニングハイのような状態でしょうか? 寝取られの欲望がなせる技でしょうか? 冷静な矢部さんに対して奥さんがどう反応していくのか? 続きを楽しみにしています。
- [43]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/11 (金) 23:05 ID:OnlBOyrY No.201562
- 一方の由紀も負けず嫌いの性格なのか、表向きは冷静さを装っていましたが、
微妙に震えるような声で逆に提案をしてきました。
「じゃあ、私たちで平尾さんを元気づける食事会とかは?」
「3人でハイキングとか温泉に行くとか、BBQするとかは? それじゃダメ?」
「ウチにご飯を食べに来てもらうとかは? 私、がんばって作るけど?」
平尾と由紀がデートをするという方法でしか、自分の欲望を満たすことができない私は返しました。 (ここでも、こちらのサイトのTOP画面が頭の中にチラついていたのですが・・・)
「ごめん、それじゃダメなんだ」
「なにがダメなの?」と目が潤んでいるような由紀。
いよいよ私はカミングアウトをしたのです。
「実は俺、最近、EDで悩んでて・・・」
「ED?」
「うん、インポになったんだ・・・」
「インポって?」
「オイ!言わせるなよ、わかるだろ? だから刺激が必要なんだ、それしかないんだ」
続けて私は、
・この若さで男として耐え難い残念な状態になっていること、
・回復ためには大きな刺激が必要なこと、
・考えられる最大の刺激は、自分の愛する女房が他の男とデートすること、
・そこで湧き上がる嫉妬という感情がエネルギーになってEDの回復に繋がること、
お気づきのように3番目と4番目はかなり強引な「こじつけ」ですが、 女性にはわかるはずのない男性の体のことだから、ということに丸めていたのです。
私は由紀に理解を求めるようと、ゆっくり、そして痛みを伴うくらいの大事な告白であることが 伝わるようにポツリポツリと情けないトーンにして、話しました。
「病院に行ってもダメ?」 由紀は現実的な問いをしてきました。
一番シンプルですが、悲劇の男になりきっていた調子の良い私が、実は一番ひるんだ問いだったのです。
「EDは精神的なものが原因」とか、「薬や湿布じゃ治らない」と私は返しました。
他にも同じような問答を繰り返しながら、由紀は、さっきまでの驚き、怒り、理解できない、 といった表情から、徐々に和らいできているように見えました。
そしてもう一度だけ、おさらいをするかのように、このデートごっこは、
・平尾のため=亡妻で凹む気持ちの回復と気晴らし、気分転換のススメ
・私のため=平尾への元気づけ、私自身のED回復策
であることを、話したのでした。
- [44]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/12 (土) 03:52 ID:MCyDBIM6 No.201564
- 続きが気になります!
- [45]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/12 (土) 03:57 ID:MCyDBIM6 No.201565
- 質問なんですが、説得をしてる頃の奥さんは何歳なんですしょうか?
子どもの年齢を考えると五十路半ばくらいですかね?
- [46]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/04/12 (土) 04:38 ID:vIKJAUwA No.201566
- 私も気になります。。。
続きを、、
- [47]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/12 (土) 05:25 ID:xbi27O3Y No.201568
- このデートごっこは、旦那のEDを治す為だからという
言い訳を奥さんに作ってあげたのですね。
平尾さんと矢部さんのため始めたデートごっこが、いつしか 奥さんのための本気のデートになってしまったのでしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [48]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/12 (土) 09:36 ID:OR5ulxhY No.201576
- コメント、ありがとうございます。うれしいです。
そしてご質問、ありがとうございます! 前回もそうでしたが、妻(元妻)のことを聞かれると、未だにゾクゾクしますので、 もっと聞いてくださいね! (笑)
当時の妻 由紀は、私よりも3歳年下の54歳でした、 このスレッドの[31]NO.201496のところに書いていますので、よかったら戻って読んでみてください。 そのほかにも何かご質問があれば、聞いてください。
本文を続けます。
****
ふと、壁掛け時計に目をやると、とっくに日付を超えていました。
私は土曜日で休みですが、由紀はパートがあります。 ここでいったん、私からこの場を閉めて、再度、あらためることにしようと思い、 最後に放った言葉が、意外にも由紀に効いたみたいでした。
「明日パート先の男の人にEDのことを聞いてみたら?」
「えー! そんなこと、聞けるわけないじゃん」
そう返してきた由紀は、間違いなく笑顔だったのでした。
結局、その夜に結論は出ませんでしたが、その笑顔に手ごたえを感じていました。 その笑顔のおかげで、私はぐっすりと眠れました。
ただ目覚めると不思議なもので、昨夜の一連の出来事は、朝陽を浴びると思考がリセットされたのか、 どっちでも、どうでも良くなったような、気分でした。
翌土曜日の朝は、同年代のご夫婦はおそらく同じなのかな?と思いますが、妻とはいつものように 最低限の会話だけを交わして、朝食を済ませました。
リビングでコーヒーを片手に旅番組を見ながらパジャマ姿でくつろぐ私に、 パートに出かける直前の由紀が言いました。
「トオサン、昨日のことだけど・・・ いちおう、わかったから・・・ じゃぁ、行ってきます」
もちろん私は、何を言っているのかわからないような顔をしながら、テレビ画面に向いたまま、 一気に逸る気持ちを抑えるのに必死でした。
「ん? あー、うんうん ありがとね・・・ 気をつけて、おつかれさん!」
妻がドアを閉めて、自転車で出ていく音を聞きながら、まだ朝方でありながら、 またしてもこちらのサイトのTOP画面が脳裏に浮かんだのを覚えています。
(マジか・・・ ・・・マジか・・・)
私の歪んだ欲望を叶えるための最初で最大のハードルは、とりあえず越えたことになったのです。
おそらく由紀も寝室でいろいろ考えてくれていたのだと思います。(当時 私たちの寝室は別々でした)
これは、由紀から後で聞いた話ですが、あのあと寝室で一人になると、 いろいろなことが頭の中を巡ったと。
・どうして、私が平尾さんと? 冗談じゃない、私をなんだと思っているの!
・だけど、独り身の平尾の寂しさもなんとなくわかるような気がした、と、 それは直美さんのご葬儀に参列した時の平尾さんの憔悴しきった姿を見ていたから。
・そんな平尾さんを親友として慰めてあげようとしているトオサン(私)に 協力したい気持ちもないわけではない。
・私にも平尾さんをなんとかしてあげたい気持ちはあるけれど、 どうしてそれが、平尾さんと私のデートになるの?
堂々巡りだったみたいです。たしかにそうですよね・・・
・ほかに平尾さんを慰める方法はないの?
・でも他の方法では、もうひとつの課題である、トオサンの体調を回復させることができない。
・EDとか刺激とか 言ってたけれど、よくわからない。
・トオサンが思い切って告白したくらいの大事なことで、男性としてとても悩んでいること、 ということは、なんとなく理解できた。
・ただ、私が平尾さんとデートすることが、なぜトオサンのED回復に繋がるのかがよくわからない、 だけど、嫉妬が刺激になるって言ってたけど・・・ 「やらせ」で、嫉妬なんてするの?
・デートと言っても、「ごっこ」って言ってたから、半日くらいのことで、平尾さんやトオサンの 役に立てるのなら仕方がない、受けるしかないのかな・・・
・でも、私なんかで良いの? 平尾さんのほうが断るのでは? ちゃんとつとまるのかな?
由紀は、朝、目覚めたときに、それらの記憶がしっかりと残っていたから、受け入れようと決めた、と。 そのように振り返っていました。
リビングで一人の私は、ハードルを越えることができたものの、次のステップ、 つまり平尾への連絡をするべきか、どうなのか、悩んでいたのです。
(本当にこのまま進めても良いのかな)と。
あらためて思ったのですが・・・ 私は小心者なんですね。
- [49]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/12 (土) 10:54 ID:7IZvm6Qo No.201581
- 最大のハードルを見事にクリア出来たのですね。
平尾さんへの慰めと矢部さんの体調回復という目的が 奥さんの心を動かし、どこかで平尾さんへの慰めに重き を置くようになったのでしょうか?
奥さんの決心が思いの外早かったので、矢部さんの中で 今ならまだ引き返せる、でも奥さんの寝取られも 見てみたい、このような葛藤があったのでしょうか? 続きを楽しみにしています。
- [50]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/12 (土) 12:07 ID:MCyDBIM6 No.201582
- 浮気をしない奥さん。10年もレス状態で54歳という熟れた体の中に久しぶりに受け入れるのが他人棒!
抵抗がなくなったときはもう手遅れ!沼りそうな予感ですね。 普段からデカパンとズボンしか履かない奥さんがスカートを履いて会いに出かける姿を想像するとドキドキします。 奥さんのアンダーヘアはナチャラル、Vラインを整えてIOはツルツル、パイパンのどれでしょうか?
- [51]
Re: 覆水盆に返らず
NTR
:2025/04/12 (土) 18:38 ID:mV2lNheA No.201584
- マジで最高です、いつも続きが楽しみです。
- [52]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/13 (日) 00:07 ID:u5W77EqU No.201587
- コメントをしてくださりありがとうございます。
少しだけですが続けます。
****
平尾への連絡については、 (さぁ熱が冷めないうちに)と思う逸る気持ちと、(本当に進めても良いのかな)と思う ネガティブな気持ち、この時の私は本当に半々の気持ちでした。 昨夜であれば、おそらくすぐに決断ができたと思うのですが、 ひと晩 据え置くと、覚めるというか、冷めるというか。
今回、私が平尾に提案した内容を振り返りますと、 寂しく辛い日々を送っている親友 平尾に、たった半日のこととはいえ、気分転換ができるように、 私の愛する妻とデートをさせてやる。 つまり、私は彼のために、大切なものを貸して、彼を救ってやる。
あらためて私がイメージしたのは、平尾に対しての優越感、上からの目線に立てそうな、 そんな図式だったのです。
そしてここに書くべきことかどうか悩んだのですが・・・ 器の小さな男、男らしくない男の戯言として聞いてください。
平尾とは、同期の大親友でありながら、地位も収入も大きく「差」がついたことに対して、 私は気にしたことはない、といえば嘘になります。 今のご時世、若い世代の方は、そんなことは気にならないし、気にしないと思う方が ほとんどだと思います。 しかし「24時間戦えますか」、というフレーズの中でいわゆる企業戦士として歩んできた 私たちの世代としては、やはり同期とのこの「差」は気にするところだと思います。
平尾という男は、これまでも、いや きっとこれからも、私に対して優越感を持ったり、 上から目線になるようなことはないと思います。
しかし、彼よりも遥か下の順位に位置する私には、表現がとても難しいのですが、 親友という大前提は揺らぐことはなく心からの友達として位置付けをしていながらも、 誰にも言えない深層心理的には、心のどこかに、平尾に対しての嫉妬や羨望という気持ちは、 本音を言えば、「あります」。
自分でも嫌になる心の奥底のダーティな感情ですが、もしかしたら読んでいただいている方の中にも 共感をしていただける方がいらっしゃるかもしれませんね。
今回の「デートごっこ」の提案は、そんな私の奥底に潜む感情を擽ってきたのです。
あくまでも平尾の気分転換、そして私自身のED回復に向けた刺激、そして平尾に対しての優越感。
このように都合の良いワードを並べると、先ほどまでの私の迷いは一掃されました。
私はスマホを手にして、平尾の電話番号を検索し、そのまま発信ボタンを押しました。
- [53]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/13 (日) 05:25 ID:KAztz7Ng No.201590
- 入社同期に対する複雑な感情、分かります。
出世街道を駆け上がっていく同期に対して 羨望の眼差しを向けながら嫉妬していた自分がいました。
そんな出来る同期の平尾さんに奥さんを貸し出すことで 寝取られるという怖れはなかったですか? それともたった半日のデートごっこで奥さんが 墜とされる訳はないと思っていたのでしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [54]
Re: 覆水盆に返らず
けい
:2025/04/13 (日) 05:56 ID:beBV61rU No.201591
- はじめまして、同期の方に対する複雑な感情、私もおそらく同世代ですので理解できます。
半日のデートとはいえ、マウントを取る気持ち、ですよね。 続き、楽しみにしています。
- [55]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/13 (日) 09:26 ID:KYPOqNcE No.201597
- 起きたら気持ちが冷めてる気持ちもわかります。そしてそれでも話を進めて後からジワジワくる後悔と嫉妬も想像ができます。
ただ後戻りできない興奮のほうが上回ってしまう気持ち。今後の奥さんの心境の変化も気になりますね! 早く旦那さんと奥さんの会話、そして奥さんと平尾さんとの会話を聞きたいです。 続きをお願いします。
- [56]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/13 (日) 11:57 ID:u5W77EqU No.201599
- みなさま、コメントを書いてくださりありがとうございます。
余談的に書いた劣等感からの嫉妬が理解されたのが嬉しいというか驚いています。 (実は削除したほうがよかったかな、と思ってたくらいでしたので) 書く側としても記憶を引っぱり出して、より丁寧に書かないと、という責任感に駆られています。
少しだけ続けます。
****
発信ボタンを押したものの、結局は留守電のアナウンスが流れてきました。
私は、由紀がOKしたことを録音してまで伝えることもないと思い、 アナウンス途中でスマホを切ったことを覚えています。 私としては、平尾のほうから、あの話どうなった?、と問われるほうが話しやすいし、 なおかつ、優位にこの話をすすめることができると思ったからです。
ただ気になるのは、平尾が断ってくることでした。 彼は彼で一晩越えれば、気持ちがリセットされることもあるだろうし、まして酒の席のことですから。 もし私が逆の立場だったら、人様しかも親友の奥さんとデートをさせてくれる話に、 YES? それともNO? いろいろ頭を巡らせていました。
これまでの流れに乗ったとして、みなさんが平尾の立場だったらいかがですか?
では、平尾から「お断り」があった場合、私はどうすれば?
私は平尾が断ってきたときにそれを覆してまで、この企画を推し進めていく理由付けが 見当たらなかったのです。 お前(平尾)のためだ、たのむからデートしてくれ、なんて言えないし、 俺のED回復のために協力をしてくれ、これは絶対に言えません。 そこまでして? ということで、それならそれで仕方がないと。 正直、この時は、あらぬ妄想を含めて、ここまで自分の気持ちが揺れる出来事が体験できたことで 満足するしかないよなと、無理にでも納得しようとしていました。
と、気がつくと、窓から差し込んでいた日の光がいつのまにか薄暗くなり、 大粒の雨が音を立てて降り始めていたのでした。
- [57]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/13 (日) 13:46 ID:ECYR7N8. No.201603
- 自分が平尾さんの立場でしたら、酒の席の戯言だ、忘れてくれ
と断りますね。人妻好きですが、親友の妻となると話は別です。 万が一寝取ってしまったら、親友との関係が壊れてしまうと思います。 矢部さんは今でも平尾さんと今までと同じ付き合いをされていますか?
最初の方で、矢部さんと奥さんは円満離婚し、矢部さんの体調を 元奥さんも気にかけているとありましたね。 矢部さんの奥さんが平尾さんに寝取られる話と思って読んでいますが 寝取られ後の矢部さんと奥さんの関係が今までのNTR物とは かなり違うような気がしています。
続きを楽しみにしています。
- [58]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/04/14 (月) 08:04 ID:dqrfy7X6 No.201608
- 「平尾からのお断り!」は、無いですよね、、
開き直ってる男の人は、誰でも良いから女を求めると、 これからの展開を楽しみにしてます。
- [59]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/14 (月) 11:01 ID:aMEsI..M No.201611
- ずっとレスのようですが奥さんは一人でもしてないんですかね?
奥さんの登場を楽しみにしてます。
- [60]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/15 (火) 09:23 ID:HdSzxSrI No.201624
- みなさま、コメントをくださってありがとうございます。
>矢部さんは今でも平尾さんと今までと同じ付き合いをされていますか? はい、今も(お互い表向きだけなのかもしれませんが)付き合いのレベルは 当時と変わっていないと思います。
>今までのNTR物とはかなり違う たしかにそうですね、おっしゃられるように、見方によれば、ドロドロとかサスペンスとか バイオレンスな印象にはならない、平凡で安らかな内容の投稿になるのかもしれないですね。 期待を裏切ってしまうかもしれません、すみません。
>奥さんは一人でもしてないんですかね? 操作に不慣れながら、興味もあったから、AIにチャット形式で聞いてみたんです。 「奥様はセルフケアをしていた可能性は高いです」と言われました。 年甲斐もなくすごく昂りましたよ。きっかけをくださって、ありがとうございました!
続けます
****
私は2Fに駆け上がってベランダ干している洗濯物を、せっせと部屋干しのため空いている 息子の部屋に移しました。 その時に昨夜見た由紀のデカパン、シンプルな安っぽいブラジャーも目にすることになったのです。
妻も50代、歳も歳なので・・・ いいえ、せめてもう少しだけでも、オンナを感じさせてくれよ! たまに手伝いで洗濯物を取り込むときも、私はそこまでは思うことはなかったのですが、 その日はなぜか違っていたのです。
ふと、(そういえば、以前、プレゼントしたことのあるスリップは?)
取り憑かれたと言うと大袈裟ですが、昨夜から私の頭の中に、時々顔を出すデカパン による、 小さな衝撃が、妻の寝室にある箪笥の引き出しを開けさせたのでした。
あ!! 断っておきますが、私は女性の下着に対して、収集癖や女装癖があるわけではなく、 世間で言われるような下着マニアやフェチではない、とは思っています。 (あくまでも自認ですが;)
しかし妻 由紀の大ファンであることからの、「彼女の」洋服や下着、ストッキング、靴、 メイクやアクセサリーなどで、彼女自身が綺麗に変身して私を驚かせてほしい、 他の男性から見られてほしい、という強い願望は、実はずっと持ち続けていたのです。 こういうのは妻フェチ、由紀フェチになるのでしょうか?
30年近くも前、結婚前の交際時代、百貨店で勤務していた頃の平凡でも清楚なスーツ姿、 スカートとパンプスを履いたOL由紀。 思えばこの頃の由紀のイメージがピークのような気がします。 それと実際に見たことのないスナックを手伝っていた頃のおそらくホステス風な由紀、 一瞬の写真でしか見たことのない、年下の元カレ君と付き合っていたころの 少しダーティでハイソなイメージの由紀・・・
せっかくいろいろな変身の「実績」があるにもかかわらず、年齢ばかりを重ねて、 いまや50代のパートのオバサンに定着し微動だにしないのは、 私だけではなく由紀自身も絶対に人生 損をしている気がしていたのでした。
そこで、当時から5・6年 もう少し前?に、バレンタインデーのお返し名目で、 ホワイトデー当日に思い切って中年男一人が、女性用下着の専門店に、 閉店間際を狙って駆け込み 購入をした、薄いピンクのスリップ。 胸まわりと膝丈の裾と背中部分にゴージャスなレースの花柄の刺繍があって、 由紀が華やかに着こなしている姿、そしてブラウスの背中から薄っすらと透ける 4本の肩紐とレースの模様を私は妄想したものでした。
同年代かと思われる美人の女性店員さんに 「ホワイトデーに下着のお返しだなんて、素敵な旦那様ですね」とニッコリ煽てられ、 気がつけば同じデザインのショーツまで購入していました。 (まさか、あんな薄い衣類が〇万円!驚きました)
そんな思いの詰まったスリップとショーツは、由紀の下着が丁寧に収まっている箪笥の引き出しの 一番奥にひっそりと畳まれていました。
正直、残念な気持ちになったのと、まだ捨てずに「ベンチ入り」させてもらっていることに 少し安心したのを覚えています。 と同時に、こっそり妻の箪笥を開けて、その中に並ぶ下着を奥まで覗き確認する旦那、 に なっている私の姿・・・ 客観的に、さすがにこれは変態だなと、恥ずかしくなって、急いで「ゆっくりと」引き出しを閉め、 こっそりと妻の寝室から出たのでした。
女性が浮気をすればとか、恋をすれば、下着が変わる、と言われますよね・・・ 単純な私は、そうなってほしい、と素直に思いました。 この箪笥のシーンの時に、その言葉も、例の件の動機のひとつになった気がします。
それにしても、箪笥の中には夢が詰まっていますよね!(笑) (今では本当に夢になってしまいましたが・・・(汗))
すみません、脇道に逸れ過ぎました。
再び、ノートPCを片手にリビングに戻り、「妻と勃起した男達」や、 ほかの寝取られ小説のサイトを覗こうとマウスを触っていた時にスマホが震えました。
平尾からだったのです。
「もしもし」と電話に出た私への平尾の第一声はよく覚えています。
「電話、くれたみたいやけど・・・ どした?」
私だけがそのように感じたのかもしれませんが、 この時点で、平尾のほうが「上」になっている気がしたのです。
「昨日はサンキュー、タクシーまで、ありがとな」
その後は、先ほどのゲリラ豪雨の話題などを軽く交わしました。
その間、私から例の話を切り出すのは難しいと思い、咄嗟に全力で話題を探していたのです。
ちょうどPCも立ち上がっていたのもあって、スピーカー通話に切り替えて、平尾に振ったのは、 昨夜も彼と話していた温泉の話題でした。
「あ、昨日、言ってたやん、温泉行こ、って・・・」
こちらはPCで温泉の情報を取りながら話をしているので、平尾の様子を探りながら 滑らかに話を繰り出せます。
それでも7-8分くらい、温泉トークをしていると、少しずつ数秒の間が広がってきたのです。
(そろそろかな?)
「○○温泉も泉質が良さそうやな、距離も手頃やし・・・」と私。
「たしかにそうやなー 良いかもなー」
「そやろー カミさんと行ってくれば?」
平尾も待っていたのでしょうか、広がった会話間の間がないままに、
「あ、そのことなんだけど・・・」と返してきたのです。
- [61]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/15 (火) 12:35 ID:6DzM0.RU No.201629
- 妻を泊まりで温泉旅行に貸し出しすことは何度も想像したことがあり、必ず僕も実現させてみたい一つです。
展開が進み出しそうな感じがしてきましたね!待ってました! 長い間妻と母親をしていた由紀さんが女へと変わっていくところが楽しみで仕方ありません。 一途で真面目で家族想いな母親が家庭よりも平尾に完落ちしていく姿を見てみたい!そんな期待をしている自分がドキドキしてます。 続きをお願いします。
- [62]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/15 (火) 13:20 ID:Hvaw6KFg No.201632
- 新しいNTRの展開になるのではと期待しています。
女性は浮気すると下着、髪型、香水、服装の趣味等が 相手の男性の好みに変わります。 奥さんが平尾さん色に染まって、今まで見たことがない セクシーな下着が増えていくのでしょうか?
矢部さんからの奥さんの合意メールに対して 平尾さんからどんな提案が出るのか? 続きを楽しみにしています。
- [63]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/16 (水) 11:51 ID:3026V4dM No.201647
- 私は長年の親友歴からか、電話を通じながらの平尾のトーンには「お断り」を含んでいそうな雰囲気を察しました。
「そのこと? あー、由紀はOKって、言ってたよ、よかったじゃん ハードル超えたな (笑) 」
あえてあっさりと、そして私はまず、結論から先に述べました。 (仕事の報告では いつも、いや 未だに上司に指摘されてましたが、こんな時に役に立ちました)
続けて私は、昨夜、平尾のために、帰宅後にすぐに例の提案を由紀に丁寧に説明したこと、 その説明した内容まで細かく、少し盛って平尾に伝えました。
平尾の置かれた切ない寂しい不憫な状況 〜その状況から平尾は病む手前まで来ている 〜そんな親友を放っておけない 〜気分転換や気休め、気晴らしが必要 〜たとえば女性と気軽にひと時を過ごすのも一案 〜それなら、よく知っている由紀が適役、なにより安全で安心 〜平尾のため、俺の親友のためのイベントを由紀にも手伝ってほしい
その結果、由紀は今朝、「快諾」したこと。(ここは盛りました)
「マジか?」を繰り返す平尾でした。
ここで平尾は、実はよく考えて、断ろうとしたこと、 「さすがにありえんやろ」との言葉を添えて、再び「マジか・・・」と。
「でも温泉は、さすがに、いきなりはヤバいだろ? そこは俺と行こうや」と私。
「そうよな、俺もそう思った」と平尾。
続けて平尾は申し訳なさそうなトーンで、由紀がかなりの無理をしているのではないかということ、 そんなことをして私が気を悪くしないのか、ということを心配していました。
由紀はこの話、一晩、熟考して今朝返事をもらった、また平尾も状況もよくわかっている(これは事実)、 私は、ひたすら、親友に元気になってほしい、そして信頼できる平尾だからこそ、この提案をしたこと(これも本音)、 よって、提案をした私が気を悪くするはずがないと返しました。
私自身のスリルとリスクによる刺激からのED回復策と、デートによる由紀の変身期待、 これらはさすがに言いませんでした。(言えませんよね?)
「まぁ、気軽に行けばいいよ、行くところはまかせるし」と私。
「うーん・・・」 平尾はまだ悩んでいる感じでした。
とりあえず、デート中身をもう少し詰めていくことで、平尾にもその気になってもらうようにしました。
私からは、気軽に気楽にということで、デートといっても、せいぜいマックスでも半日限定、 昼食後から夕食前までの13:30から18:30頃まで、とすることを言いました。 平尾の声のトーンから、気楽に、気軽に、気さくに、そして気遣いのない設定はマストだと思ったからです。 特に夕食前には帰宅するというのが平尾には良かったみたいです。
「おぉ! 良いな」 案の定、彼の声が弾みました。
また平尾からも、気分転換ということで、庭園や公園、海浜や緑地など、近場のアウトドアが良い、 と提案してくるなど、「デート」前提でフランクに言い合いました。
その後も、だんだんと気分が緩んでくると冗談も交じえるくらいになりました。
たとえば「BDSMの道具は、たのむから持ってくるなよ」と私が笑って言えば、
「アホか、そんなことするか! いくらすると思ってんねん」とちょっと真面目に返されたり、
「ガソリン代や高速代は、割り勘かな? デートごっこやろ?」と平尾が聞けば、
「アホか、副社長! 経費で落とせ」と私が返したり・・・
終盤は、いつものノリの良い親友同士の阿吽の会話となって、 そんな中で1回目のデートは、来週の日曜日(9月上旬)ということで決めたのです。
ただ1回目いや2回目も、知っている者同士とはいうものの、デートという形ばかりを意識しすぎて、 絶対にぎこちなく、かえって疲れるデートになるはずだ、ということまで予想をしました。 だから、とりあえず、この「デートごっこ」は、都合が合えば隔週毎に10回くらいで、 翌年の3月くらいまで、その先はその時に決めようということにしました。
もちろん、書き物にしたわけでも、契約とかを交わしたわけでもありません。 単なる電話を通じて、適当な要領を決めただけでした。
「まぁ、それくらい続けたら、気分もリフレッシュするだろ?」と私が言えば、
「本当に申し訳ないな・・・ 感謝です 持つべきものは友だな」しみじみと平尾が。
「いやいや、継続は力よ! ヒラが元気になるように、由紀にも言っておくよ」
今 思えば、由紀のいないところで、よくもまぁ、勝手にポンポンと話を弾ませたものでした。
私と平尾とはそれくらいの親友ということ、ご理解をいただけたのでは、と思っております。
- [64]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/16 (水) 12:38 ID:8K3u6prk No.201648
- 早く1回目のデートがこないか待ち遠しいです。
奥さんの登場を期待しております。
- [65]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/16 (水) 13:51 ID:zI4mqUHE No.201649
- 平尾さん、やっぱり断ろうと思ってたんですね。
でも矢部さんが寝取られ願望と奥さんの変身願望を 成就する為にデートのお膳立てをして、平尾さんの ハードルを下げてあげたのですね。 半年にわたるデートごっこが、いつからどのような経緯で 本気デートに変わっていくのか? 続きを楽しみにしています。
- [66]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/17 (木) 12:11 ID:jiluIkd6 No.201659
- いつもコメントを書いてくださり、ありがとうございます。
少しですが続けます。
****
私は、電話を終えて、なんとなくボォーっと会話を振り返っていました。
こういうのは「寝取らせ」になるのかな? と。 寝てくれと勧めたわけでもないし、取らせるわけでもなくて、差し出す? 与える? ちょっと違う気がします。
ただ私はスリルを味わって心地の良いリスクを感じていたい、 その刺激は確実に私のEDの回復に繋がるはず、 もう一つは、妻に女性らしさを取り戻してほしいというわがまま、 それであっても、もともとは、親友のための元気づけの「イベント」だということ、 その最適な手段として、私は今回の件、つまりデート「ごっこ」の思いつきに至ったのです、 なんと、わずか2日(実質12時間?)で。
引き続き、ボォーっとした頭の中で、先ほどこっそりと覗いた艶やかなスリップを着た由紀がチラつき、 もっと長い時間、遠くに、たとえば平尾と二人が温泉に行くシーンあたりを思い浮かべていました。 平尾には失礼ながら、そんなスリップ姿の由紀がBDSMで縛られたりする姿を妄想したり。 自分勝手な妄想でしたが、妻フェチな小心者の愉しいひと時でした。
そんなことだけを取り出して思うと、やっぱり1日デートのほうが、それらしい雰囲気になるのかな、 と思いました。 でも、現実的ではない気がして、まじめな平尾のほうがむしろ拒む気がしますし、由紀も絶対に嫌がる気がしました。
その頃になって、ようやく、私の下半身がわずかですが反応していたのでした。 もちろん、全盛期に比べたら、まったくです、20-30%程度だったかな、と思います。
妻を陥れて、知らない男とヤラせる。
そんな王道のシナリオとは、濃さも重さも違いますが、私なんかのような小心者には、 結局、今回のような「ごっこ」に、一部妄想を加えることで、多少なりとも刺激になることがわかりました。
一息入れた後、私のノートPCの画面は、温泉のサイトは閉じられて、妻と勃起した男達のサイトに 変わっていたことを覚えています。
昼を挟んで、そろそろ由紀が帰宅する時間かな? と思っていたら、スマホが震えました。
由紀からの電話だったのです。
ゲリラ的な豪雨ではないものの、雨が降ったり止んだりしている、そんな一日でした。 由紀からは、迎えに来てほしいと言うものでした。(パート先に自転車を置いて帰る)
この頃になって、また雨音が大きくなってきたので、急ぎ準備をして、車(軽ワゴン)に乗り込んだ時に、 再び由紀から電話があったのです。
パート先の人に送ってもらえることになったということ、洗濯物を取り込んでおいてほしい、 ということでした。
- [67]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/17 (木) 13:47 ID:5l9cr3k. No.201661
- 矢部さんが平尾さんと交わしたデートごっこの約束を
パート帰りの奥さんに伝えることになるのですね。 半年にわたる隔週で10回ものデートごっこに 奥さんがどういう反応を示すのか? 続きを楽しみにしています。
- [68]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/19 (土) 09:26 ID:Yctq0E0Y No.201679
- 小太郎様、いつもありがとうございます。
****
30分後くらい経っていたでしょうか、たまたまリビングからカーテン越しに雨模様を見ながら、 ふと、(そろそろカアサンが帰ってくる頃かな?)と思っていた矢先、 シルバーのプリウスが自宅の前で停まって、由紀が助手席から降りてきたのが見えました。
あの運転しているのは誰だ? 男か? 実は2時間くらいドライブしていたのでは? 咄嗟に、そんな妄想がひらめいてしまっていた私。 どこまで このサイトに毒されていたのでしょうか? (笑)
由紀は帰るなり、「ごめんねー」と、(私が迎えに行く準備したのに) 迎えに来なくて良くなったことを軽く詫びて、 洗濯物を取り込んだことに礼を言ってました。
そんなことよりも私は、
「おつかれさん・・・ あ、プリウスに乗せてもらったん?」
「え? あ、うん、そう 事務の社員さんが送ってくれたよ」
「ふーん、男の人?」軽い感じでさりげなく私が聞けば、
「そう・・・ 昔、野球してたんだって」と由紀は淡々と返してきました。
ベンチだったけど春の甲子園に出たことがある、とか、中途で入社したけど出世しているとか、 年齢は40代前半らしいとか、おそらくですが、由紀は車の中で交わした会話内容をそのまま伝えてきている、 そんな感じでした。
寝取られサイトの投稿小説であれば、ここから面白いドラマが始まるのですが、 まったくそんな気配すら感じられなかったのです。
ダメ押しは、後ろの席にもパートの同僚 オバサン2人が乗っていた、と。 きっとワイワイ賑やかに、送ってもらったのでしょう。
夕食の準備前にひとやすみということで、お茶を飲みながらリラックスしている由紀からは、 豪雨のこと、置き去りの自転車のこと、夕食のことを、いつものトーンで、いつもの間(ま)で、 私に話を振ってきました。
私もリラックスムードのこの雰囲気を幸いに、午前中のことを由紀に話しました。
由紀がOKだったことに平尾がとても喜んでいたこと、そして感謝をしていたこと、 それでも平尾は私と由紀に対して申し訳なさそうにしていたこと など、 多少は盛ったものの、いちおう事実を伝えながら、だんだんと私も昂っていたのでした。
私は続けて、次の日曜日から始めて、隔週くらいを目安に、来年の春まで続けてみること、 その他にデートの時間帯や思いついた行き先も、とにかく平尾と電話で交わしたことは伝えたのです。
「え? もう、そこまで進めたの?」
由紀は、びっくりしながら、困ったような、そして何かを考えているような表情でした。
「いや、俺もびっくりよ、いきなり電話が来て、どうだった? と聞いてきたから・・・」
(そうだったかな?) まぁ、私としては、平尾が積極的であることにしておきました。
由紀は「わかった」と快諾するはずもなく、でもそれは想定内でした。
だから私は、先ほど由紀に伝えた平尾との会話を、再度、真面目なトーンやチャラけたトーンに、 言い方を変えて、間(ま)を開けたりして、話を続けていたのです。
ついでに、そのデートをすることで、私自身の刺激になって、ED回復にも期待ができる、 「俺のためにも、なるからな・・・」と忘れずに私のことも追加しました。
「本当に そんなことで治る?」
「カアサンが他の男とデートをして、そして帰ってからその話をしてくれるだけで刺激になるし」
「・・・・・・」
「さっきの甲子園のやつにも聞いてみれば? こういうのは刺激になるんですか? って」 (私も野球をしていたので、少々皮肉をこめた呼び方にしました;)
「聞けるわけないじゃん、もぉ!」
ここで由紀がようやく笑顔を見せてくれたのでした。
それでも再び立ちふさがった、由紀の「壁」。
それからも、同じことの繰り返しでしたが、小一時間くらい話し合ったと思います。 話し合ったというか、私がほぼ一方的だったのですが・・・。
当然なのかもしれませんが、由紀がこれだけ慎重になっているということは、 さすがに嫌なのか、それとも心配なのか・・・ でも、それはこちらも理解をしてあげないといけないのかな、私はそう思っていました。 だって、冷静に考えれば、やっぱりどう見ても、どう聞いても、普通の話ではないですからね。 由紀もおそらく仕事中にも、このことを考えていたのでしょうから。
リビングは、重苦しい空気に包まれていたわけではないけれど、雨音がよく聞こえるくらいの静寂でした。
ただ先ほどの、私と平尾の会話を伝えた中で、由紀の表情がポジティブに反応した一瞬もあったのです。 由紀のその反応で、私は間もなく「壁」は崩せると思っていたのでした。
- [69]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/19 (土) 10:27 ID:GiWMWAxw No.201680
- 雨音がよく聞こえるくらいの静寂という言葉に奥さんの緊張感が
伝わって来ますね。 奥さんの壁は、奥さんの同意無しでデートの期間や行き先等詳細を 矢部さんが平尾さんと既に詰めてしまっていた事から生じたものでしょうか?
会話の中での奥さんのポジティブな反応はどこだったのでしょうか? 人妻である自分が旦那以外の男性とデートするというイレギュラーな事を 実行するのに言い訳に出来る事だったのでしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [70]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/19 (土) 16:27 ID:Yctq0E0Y No.201683
- 小太郎様
いつもコメントをくださってありがとうございます。
>妻 由紀がポジティブな反応をしたのは私以外の男性とデートするという イレギュラーな事を実行するのに言い訳に出来る事?
とのご質問ですが、そういうことではないのです。次の投稿で書こうと用意をしていたのですが・・・
まずその当時、妻もそうですし私もそこまでこちらのサイトのレベルに合うような思考に 届いてはいなくて。。 妻がむしろそのような思考をしてくれていれば、小説に綴っても、もっと熱い内容になるのですが、 その意味からすると、私の投稿はこちらのサイト向きではないのかもしれないですね。 由紀のポジティブな反応は、小太郎様をはじめこちらのサイトの皆様には物足りないレベル、 もっと単純なことだったのです。 本当に平凡すぎて申しわけなく思っております。
- [71]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/19 (土) 18:02 ID:ySs.vAp2 No.201684
- 物足りないなどとは思ってないですよ。
むしろその逆で、今までのNTR物にはない斬新さを 楽しみにしています。 こちらは外野でただ囃し立てているだけですから 矢部さんの思うままにお書きになって下さい。
- [72]
Re: 覆水盆に返らず
もんち
:2025/04/19 (土) 20:03 ID:T0hJNgs2 No.201685
- やっと由紀さんの会話が聞けてなんだか興奮しました。
ごく普通の平凡な家庭と夫婦のリアリティーな会話が好きです。 矢部さんの気持ちになって読んでいるので、これからの展開にドキドキしてます。 続きをお願いします。
- [73]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/19 (土) 22:52 ID:Yctq0E0Y No.201692
- 小太郎様、斬新と言ってもらえて素直に喜んでいますが、正直、低レベルだと思います。
もんち様、ありがとうございます。ドキドキが続くような内容だと良いのですが・・・(汗)
少し続けます。
****
「まぁ、何度も言うように、平尾が元気になってくれるのを願って、って感じやな」
私はあくまでも平尾を立てることから、由紀の説得を試み、理解を促すのでした。
「んーー・・・ ホントにそれで平尾さんは・・・」
由紀が言い終わる前に私が言葉を被せました。
「そうすることで、俺にも刺激が伝わるはずやし・・・ 期待してまっせ! (笑)」
「もぉ! んーー」
「1週間か2週間ごとに、たった半日だけの割り切りやし、楽勝だろ? 」
「あっ、それ! そうそう さっきも昨日も、トオサン 言ってたけど、ホントに半日で良い?」
由紀にしてみれば、朝出発してランチとディナーの2食、最後は たとえば夜景を観て、 というガッツリ組まれた一日コースこそ、いわゆる「デート」だと思っていた、とのことでした。 由紀曰く、そういうのは、絶対に変だし、さすがにお互いが気も遣うし、おかしなことにもなりかねない、と。 だから何度となく私が口にしていた「半日」という時間は、由紀自身の気持ちが楽になるということからも、 もう一度、はっきりと確認をしたかった、ということでした。
正直 私も、平尾に話していた 「気楽に、気軽に、気さくに、気遣いのない」設定を考えると、 半日程度のデート「ごっこ」で十分で、いわゆる デートをさせるのは怖かったのです。 いや、怖かったのもありますが、おそらく最初の段階から平尾も由紀もこの話に乗ってこないと思っていました。
結局、この時は夕食の準備があるからと、由紀が切り上げて、一旦はお開きになりました。
由紀から最終合意までは得られませんでしたが、
「たった半日くらいなら・・・ うん」
胸の中にたまっていた息を吐いて、由紀はまるで自分自身に言い聞かせるかのように呟いた後、 ソファーから立ち上がったのでした。
その日はこの後 この話題に触れることなく、かといってこの話題を避けているようなぎこちなさもなく、 いつもように土曜日の午後からの夜を淡々と過ごしたのでした。
伝えるのが難しいのですが、こうして書き物にすれば、これまでのことは家庭生活の中での占める割合も 高そうですが、私はそうであっても、由紀にとっては、たった「半日」、ということが効いたのか、 彼女はそこまでウェイトの高い深刻な話でもないと、感じていたように、私には見えました。 (実際、由紀はどう感じていたのかは、私からはわかりませんでしたが・・・)
- [74]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/20 (日) 01:40 ID:GNaf4F9U No.201696
- 「たった半日」がキーワードだったのですね。
二人が乗って来るようにハードルを下げたのが 功を奏したのですね。
今は「たった半日」ですが、デートを重ねるに従って 奥さんと平尾さんとの間で「半日も」一緒に過ごすという 意識に変わっていくのでしょうか? 続きを楽しみにしています。
- [75]
Re: 覆水盆に返らず
秀
:2025/04/20 (日) 14:31 ID:dOaLUxV2 No.201703
- 矢部さん 毎日の更新 楽しみしています。
- [76]
Re: 覆水盆に返らず
NTR
:2025/04/20 (日) 19:09 ID:lWdYhoMA No.201708
- 最後に破滅が待っているのがわかっているので、すごく楽しみで読んでいます。
- [77]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/20 (日) 23:40 ID:plD6./9. No.201711
- 小太郎様、いつも応援コメントありがとうございます。
当初から、気軽や気楽という代名詞的に「半日」と言ってましたが、 まさかこれが決定打になるとは思いませんでした。
秀様、楽しみにしてもらい嬉しいです。
NTR様、破滅といわれると「?」です・・・ 期待を裏切ってしまったら、すみません(汗);;
短いですが続けます
****
翌日は日曜日でした、つまり(順調に事が進めば)デートごっこ1回目は、来週ということになります。
昨日と打って変わって快晴だったので、由紀は朝から掃除・洗濯を忙しなくこなして、 ようやく自分の時間が持てると、今度は猛暑の中、庭いじりといっても雑草抜き?に汗を流していました。 熱中症予防ため、日陰での作業と水分補給はしっかりとしていたみたいです。
私も一晩明けて目が覚めると、いつもと変わりがない日曜日午前のシーンに、 昨日の由紀との、デートごっこの話が、幾分か薄れてしまった感がありました。
ただやっぱり、来週の午後は、由紀と平尾がデートするんだよな・・・ そう思うと、なにやら私は下半身にモゾモゾとした血流を感じたのでした。
みなさまも同じだと思いますが、長い年月 夫婦として生活をしていれば、 意識をして話題を作り、会話として切り出していくことはあまりないと思います。 気がついたことだけを最小限伝えYes Noだけの会話に留まるのではないでしょうか?
私たちも、「マジ暑いな」「風呂掃除は俺がするし」程度を昼食時に交わしていたと記憶しています。 要するに私はデートごっこの話題を(意識して)無理に出してまで会話を始める気になれなかったのです。
由紀はその後 買い物に。 私はクーラーの効いたリビングでノートPCを立ち上げて、こちらのサイトを覗いたり、 YouTubeを観て、まったりと過ごしていました。 今思えば、平尾に対して、充実した休日の午後を過ごせよ! とは言えないですね;(汗)
そうこうしているうちに、買い物から帰ってきた由紀が私に声を掛けてきたのです。
「トオサン、昨日のことだけど」 「うん、なに? OKでいい?」
「うん、まぁ・・・ うん・・・」 「どした?」
そんなやりとりから始まりました。
そして由紀から「あのー、考えたんだけど・・・」と前置きして、彼女の話が続いたのでした。
- [78]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/21 (月) 00:25 ID:uz3QG9zI No.201712
- 平尾さんとのデートまであと1週間となり
奥さんとしても、色々考えていたんですね。 奥さんからどんな提案が出て来るのか? 続きを楽しみにしています。
- [79]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/21 (月) 22:52 ID:19n7RMKs No.201726
- 私としては由紀から例の件に関する話題を出してくれたこと嬉しく思っていました。
由紀が言ったことは、いろいろあって、要するにデートごっこを受け入れるにあたっての 条件提示でした。 その時に由紀が言ったことを、私はMEMOをしたり、書き物にしたわけでもなくて、 録音なんてこともとっさに思いつかなかったのです。 ここでは当時の記憶をたどりながら、伝えやすいように加工しています。
由紀が、私の提案した平尾とのデート(ごっこ)を受け入れる条件として提示したこと・・・ 思い出しながら整理して並べると10項目ありましたので、便宜上「10か条」と呼ばせてください。
1. デートと言っても、これは平尾を癒すため、私のED回復のため、が目的だから、 それ以外の要求をしないでほしい
2. 時間を必ず守って(13:30-18:30)デートをする、時間外は要求しないでほしい
3. デートの日は帰宅が18:30になるから、用意できる夕食はお惣菜中心になることを理解してほしい、 それから、留守番をしている私に、時間になったらお米を研いで炊飯器にセットしておいてほしい。
4. すでに成人しているとはいえ、県外にいる子供たちに言わないでほしい(彼らを心配させたくない)
5. デート時間中は連絡しないでほしい(平尾に対して悪い気がするから)
6. 帰宅後の私への報告は、由紀からは本当のことしか言わないから、疑ったり勘ぐらないでほしい
7. このデートのことで、夫婦の関係に悪い影響を与えたくない。
8. 指定されたデートの半日以外は、夫婦としていつものように何事もない普段通りの変わらない 生活を送りたいから、デートに関係する話題は極力というか、絶対に出さないようにしてほしい (日時確認や急用はOK)
9. このデートがきっかけで私と平尾との関係が悪くならないようにしてほしい
10. デートの時にかかったお金は折半にしてほしい
由紀が話していた受け入れ条件は、概ねこのような内容だったと記憶しています。
内容は、いかにも由紀らしい、どこか負けず嫌いなところがあるような気がしましたが、 受け入れ条件ということなので、私は真摯に由紀と内容を確認しながら共有したのでした。
尚、補足をしますと、由紀の「受け入れ条件、10か条」の設定ですが・・・ No.付きで箇条書きにすると、どうしても固くて畏まった表現になってしまったのですが、 「あー、あれも」「だったら、これも」「じゃぁこうしてよ」みたいな感じで、 片方でテレビを観ながら、時には笑い冗談を交えながら、軽く決めていったのでした。 少なくとも「覚悟」とか「本気」といった緊張感や切迫感はありませんでした。
「仕方がないな〜」と割り切って、軽い笑顔で仕方なく付き合ってあげる的な・・・・ そんなリビングでのやりとりの軽い雰囲気を、お察しいただければ、幸いです。
このように私たちは少しずつ来週のデートごっこに向けて準備をしていたのです。
ところが急に思わぬ出来事が発生したので、平尾にも事情を話して、 やむなく1回目のデートの日をズラすことになったのでした。
それプラス、今度は平尾のほうから出張(10日間くらい)が入った、と連絡が来ました。
せっかくここまで順調に、そして慎重に思惑通りに事を進めてきたのに・・・ 立て続けのアクシデントに、私は マジか!というガッカリした気持ちになっていました。
- [80]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/22 (火) 00:46 ID:LfNma9gY No.201728
- デートごっことはいえ、奥さんは受けるからには
本気でやろうとしてますね。 デートの報告は、奥さんは本当のことしか言わないと ありますが、これは今後の奥さんの平尾さんへの気持ちの変化 についても本当のことを言うのでしょうか?
ここまで奥さんが本気になったところでの水入りですね。 それも10日もの後倒しが奥さんにどんな気持ちの変化を もたらすのか?
続きを楽しみにしています。
- [81]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/04/22 (火) 06:34 ID:Wbqsg2Us No.201729
- 矢部さん、はじめまして。
大変興味深く拝見しております。
由紀さんが並べた受け入れ条件は、 もはやデートごっこの域を越えたものを想定しているものですよね。 由紀さんの覚悟が垣間見えるやり取りだったと思います。
今後のご夫婦の変化が楽しみです。 よろしくお願いします。
- [82]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/22 (火) 08:00 ID:DFxDEDNo No.201732
- 小太郎様、いつもコメントをくださりありがとうございます。
倍胡坐様、はじめまして、コメントをくださりありがとうございます。
引き続いて、これからもよろしくおねがいいたします。
- [83]
Re: 覆水盆に返らず
とっちゃん
:2025/04/22 (火) 11:23 ID:ItIRuFME No.201734
- 待ち遠しい!
- [84]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/04/23 (水) 21:38 ID:NEj5ASWo No.201747
- 私も読んでますョ。
待ち遠しいですね(笑)
- [85]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/24 (木) 11:43 ID:x2A9BacE No.201752
- 皆様、あたたかいコメントを書いてくださり、ありがとうございます。
少しですが続けます。
****
当時、私からすれば、思いつきから始めた、私欲にまみれた、とても安易で歪んだ ド素人の企みですから、そんなにスラスラと、事が進むはずはないと思っていました。 だから、良い意味で、この「思わぬ出来事」が私としては、冷静に頭を冷やして見つめ直す ことができた期間だったような気がします。
それにこんなレベルの企画では、こちらのサイトへのご投稿者様のような、大胆で、エロティックで、 気持ちが熱く昂り、興奮をさせてもらえるような出来事には到底及ばない、と悟ったのも この時でした。
そのように思うと、私なんかような小心者で臆病者は、大胆ではなくても、規模は小さくても、 狭い世界、つまり知っている者同士の身内で、仲良くコソコソして、いつでもおろせる、やめられる、 くらいの企画で丁度良いと思ったのでした。 そして、こちらのサイトにしがみつきながら、私だけがその気になって、楽しんでおけば十分だな、 と思っていました。
あ、話を戻します。
ちなみに、その「思わぬ出来事」というのは、由紀の父親(私にとっての義父)がご逝去されたこと、 これが週明けの水曜日でした。 あと数日で、初めてのデートごっこだったのですが、さすがに こればっかりは、ということで 平尾にもすぐにメールで中止の旨を伝えました。
義息にあたる私も、会社を休んだりして、それなりにバタバタとはしましたが、 当然ながら由紀も、実家に帰って母親に寄り添ったり、もちろん葬儀(家族葬)の手配や手続きなど とにかく慌ただしくしていました。
救いだったのは、由紀や義母、義弟ともに、義父が長期にわたるの闘病だったこともあって、 ある程度の心の準備ができていたことや、義弟一家が親御さんと実家に同居をしているので、 以後のこと、特に義母のことについての心配も、そこまでしなくても良いということでした。
そうは言っても、このタイミングで、私からは、さすがに「例の件はどうしようか?」などの話を、 由紀には切り出すわけにもいかなかったのです。 あたりまえ! ですよね・・・
が、とても不謹慎ながら由紀について、いつもと違った一コマに触れたことで、 私の欲情はむしろ活気づいたのでした。
ひとつは由紀自身のこと。 もうひとつは由紀よりも3歳年下の義弟(仮名:雄太)との会話から、だったのです。
(すみません、本筋から大きく逸れていますよね・・・ ですが もう少し続きます、ご勘弁ください)
- [86]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/24 (木) 18:06 ID:h5j./lxM No.201754
- 思わぬトラブルとは由紀さんの身内のご不幸だったのですね。
お父様のご不幸により、由紀さんがその悲しみの気分を転換する為に デートに臨むのでしょうか? 由紀さんの違った一コマというのが気になりますね。 今後の平尾さんとのデートに関わって来る内容なのでしょうか? 続きを楽しみにしています。
- [87]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/26 (土) 16:38 ID:at9IyrE. No.201777
- 小太郎様、いつもコメントをくださってありがとうございます。
期待に沿わない流れかもしれません・・・・ すみません!
****
私たちは、由紀の実家から、家族葬が執り行われる「セレモニーホール」での 通夜に向かう支度をしていた時のことでした。 準備を終えた私は、由紀の実家のリビングで 所在なさげに、あてもなく画面を 見たりなぞったりして スマホをいじっていたのです。
上の階からドアの閉まる音のあと、階段を下りてくる由紀の足音が聞こえました。
「じゃぁ、トオサン 行きましょうか」という彼女の声に、
「うん・・・」と答え振り返った私は、その場で息を呑んでしまいました。
ささやかなガーデニングの趣味を楽しみ、日々はパート勤務して、家事もこなす、 素朴で平凡な飾り気のない50代の普通のオバサン主婦 由紀からは想像すらできない、 もうずっと忘れていた“女の由紀”が、そこに立っていたのです。 たしか5年前の平尾の奥さん 直美さんのご葬儀の時以来の由紀の喪服姿に、 不謹慎ながら私は、腹の奥、下半身に熱いものを感じてしまいました。
膝下丈のシンプルで上品なワンピースでしたが、素材のせいでしょうか、 それとも黒という色のせいなのか、そこには熟女の醸し出す艶、が感じられました。
こんな時に、と思いながらも、由紀の後ろをついて歩く私の視界には、生地の内側に 薄っすらとレースの模様が浮かびあがっているのが見えたのです。 そう、黒のスリップでした。 その背中部分に帯のように透けていたレース 花の刺繍模様が、やけに艶めいて、 それだけで私を萌えさせるには十分でしたが、それだけではありませんでした。
視線を落とすと、そこにも普段の由紀から想像もできないほどの艶を感じました。 ほのかに肌が透ける薄黒のストッキングが、膝から足首までのラインを引き締め、 膝裏の薄い皮膚にうっすらと浮いたストッキングの縫い目、足首に寄るわずかな皺、 それらが 妙に生々しく成熟した由紀の脚を引き立てていたのでした。
そんな薄黒のストッキングが、(決して高くはない)パンプスのヒールに収束して、 彼女の小さな踵を持ち上げていました。 立ち姿ひとつ、普段の由紀からは感じられない、静かで品のある妖しさを感じました。
弔事用の控えめなグレーのパールネックレスも、由紀の首元を引き締めて色香を放ち、 縁にだけレースの入った漆黒のハンカチを、黒のハンドバックにしまう姿でさえ 思わず見とれてしまうほどでした。
実家から式場を往復したタクシーの中や、通夜・葬儀などの弔事の間 ずっと、 私はさりげなく何度も由紀を盗み見るようにしていました。
「喪服の人妻」って萌えますよね? (笑) こちらのサイトに合わせて言えば、由紀が他の男と喪服を着たまま・・・という、 シーンなんかも、繰り返し妄想をしていました。 不謹慎ながらも、終始 私の頭の中に映し出されるエロティックなシーンを 抑えることはできなかったのです。
一方で、冷静に考えて、愛妻のスカートやハイヒール、ストッキング姿が、 このような機会にしか お目にかかれないという残念な私の現実。
そうなると「ごっこ」「やらせ」と言えど、デートというシチュエーションが やはり必要であることを、ますます私は感じていたのでした。
ただこの日のために県外から参列した2人の子供たちが私の近くにいることから、 さすがに父親として、夫として、一人の男として悟られてはいけない と私なりに 由紀との距離感や送りすぎる視線には 気をつけるように意識をしていました。
しめやかに、おごそかに、また こじんまりとした家族葬ということもあって、 悲しみの中にも温もりを持ったお別れの儀式を終え、ようやく全てがひと段落して、 私たちは由紀の実家で寛いでいました。
義母、私たち夫婦と子供2人、義弟夫婦と子供(大学生・高校生)2人、 全員が着替えも済ませ、リビングに集うと、滅多に揃うことのない親族の光景に、 何かしら賑やかな雰囲気になりました。
ここ数年、私たち家族でさえも4人全員が揃うことは、ありませんでしたので、 それぞれの近況を知らせ合いながら、なごんだ時間を過ごしていたのです。
やがて、ダイニングテーブルを囲んだ 義母と私たち家族4名と、 リビングソファー側には義弟家族4名、 それぞれが「島」を作って、会話をする形になりました。
義母を挟んで、子供たちとともに、とりとめのない話をしていた時でした。
義弟の雄太君(由紀より3歳下の51歳なので「君」と呼ぶのも変ですが)が、 リビングからこちら側に座っている由紀に声をかけてきたのです。
「姉ちゃん、倉庫の中のアルミ・・・4本、あれ、エエ加減 なんとかならん?」
- [88]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/26 (土) 20:02 ID:uZ.UKZaE No.201778
- 喪服の人妻、萌えますよね、分かります。
あの黒い衣装に覆われた下着がチラ見出来るだけで 萌えます。 それも色気がある熟女が纏えば尚更です。 弟さんとの会話でも萌えポイントがあるのですね。 続きを楽しみにしています。
- [89]
Re: 覆水盆に返らず
春人
:2025/04/27 (日) 02:09 ID:yBfrbW6k No.201781
- 心理描写や情景描写が絶妙でドキドキします。
奥様の美しさが手に取るように伝わってきます。 大変続きが気になり、待ち遠しいです。
- [90]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/27 (日) 18:44 ID:ziTb7cCw No.201788
- 小太郎様、コメントを書いていただきありがとうございました。
>色気がある熟女が纏えば尚更です。 由紀は、普段 色気がなかった分、むしろ「喪服マジック」で色気を纏った感じでした。 >弟さんとの会話でも萌えポイントがあるのですね。 そうですね、結果的には萌えるポイントを引っ張り出された感じだったでしょうか。
春人様、コメントありがとうございました。 >心理描写や情景描写が絶妙 私的には、正直、描写自体はこちらのサイトの水準をまったく満たしていないと思います。 だから、「絶妙」と評価してくださって、とても喜んでいます。 期待に沿わないかもそれませんが、これからもコメントを記入してくだされば、嬉しいです。 >奥様の美しさが手に取るように いえ、由紀は美しくはないです(汗) 平凡で平均、中学生的な表現をすれば、クラスの女子ランキングで真ん中くらい、でしょうか。 (イマドキ中学生はこんなランキングはしませんよね、すみません、私はベストテン世代なので(汗)
本筋からは逸れているシーンになってしまいました。 だけど、すみません、もう少しだけ続けさせてください。
次に書きます。
- [91]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/27 (日) 18:57 ID:ziTb7cCw No.201789
- 由紀の弟 雄太君は、義母と同居をしている実家のリフォームを、近々 考えているらしくて、
そこからの由紀への問い掛けでした。
「えー? なにそれー、アルミ? そんなの置いてた?」
由紀は身に覚えのない、わからない、と言いたげなトーンで返しました。
「うん、わいさんまるの だっけ? けっこういいやつ、ちゃんと綺麗にラッピングしてたけど」
雄太君のその言葉で、由紀の目が丸くなり、答えがひらめいたような表情になりました。
「えー!もう何年? 30年以上前のだよ? あ、でも あれって、さんまる じゃなくて さんいち」
この時の私は、二人が何のことを話しているのか、さっぱりわからず、(アルミ? サッシか何か?) 姉弟間のやりとりを気にするつもりもなかったのです。 が、息子の弘幸が、二人の会話から、キーワードをスマホで検索して、それを口にしたのです。
「わいさんまる(Y30)って、セドリック? カアサン、それ昔の車のこと?」
「そうそう、昔の・・・ 正しくは、さんいち(Y31)で、グロリアで、シーマかな・・・」
由紀がフラットなトーンで弘幸に答えながらも、その内容は雄太君に向けた返事でした。
「そうそう、白いシーマね・・・ そっか、あれは、さんいち か、そかそか」
私の視界の片隅に入った雄太君が妙に納得して頷いていたのが、印象的だったのを覚えています。 私としては、30とか31とか、そんなにこだわりのあることなのか? という思いからでした。
私的には、セドリックとか、そういえば、昔、そういう車ってあったよな、程度でした。 いちおう名前は聞いたことがあるけれど、シーマ? グロリア? 何台出てくるんだ? 私はますますわからなくなっていました。 とにかくアルミというのは、車のアルミホイール、ということが、わかったくらいでした。
その後の姉弟のやりとりは、当時の車の話題だったのですが、私が詳しくないこともあって、 その時のシーンを思い出して書こうにも、かなりの難があります。
それでも、わかる範囲で整理をすると、以下のような話をしていたと記憶しています。
・倉庫の中のアルミ4本(30年以上も前のアルミホイール)はどうすれば良い?
・それは、当時、乗っていたシーマ(グロリア)用に購入したドレスアップ用のアルミホイール
・シーマに乗っていたのは、亡父でも由紀でもなく、由紀の「友達」だった
・撮影? 車検?(よくわからない・・・)のために、交換して、一旦 実家の倉庫に置かせた
・そのまま倉庫に眠ったままになった
・保管保存の状態はとても良いので、もしかしたら 今、メルカリで良い値で売れる?
・由紀は笑って 無理ムリと。 とにかく処分は雄太君にまかせるし、費用がかかれば それは払うと。
私は、わからないなりに二人の会話を聞きながら、その時に頭の中を巡っていたのは、 昔 聞いたことのある由紀の過去のことでした。
由紀はこんな感じの話になった時に、相手が女子の場合は、〇〇ちゃん(さん)と呼ぶのですが、 時々、友達とか社員の人、と呼ぶことがあり、相手のその人は、ほぼ 男で間違いないのです。 だから、シーマの「友達」とは、おそらく男、ということは、当時の彼氏だろう、と思ったのです。、
50代の後半にもなって、今更 妻の過去なんてどうでもよい・・・たしかにそうかもしれません。 どうも私は、由紀と知り合って以来 ずっと、彼女のことが好きすぎるのか、 独占欲、占有欲が強すぎるのか、逆に自分自身に自信がなさすぎるのか、小心者なのか、 とにかく この時ばかりは、由紀の過去が知りたくてたまらなくなっていたのでした。
私は由紀と雄太君の会話には、関心がないふりをしながら、子供たちと話を続けていたのです。 やがて全員揃って夕食を済ませました。
今夜は実家に泊まるという由紀を残し、家から乗ってきた車も置いたまま、 私と弘幸(息子)と麻里奈(娘)の3人は、駅から電車で帰ることになっていました。
駅までは雄太君が送ってくれるので、私たちは、義父のお骨に手を合わせ、義母に挨拶を済ませ、 彼が運転するヴェルファイアに乗り込んだのです。
- [92]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/27 (日) 21:07 ID:e/Ky5SPA No.201790
- シーマの友達とは、もしかして前に出てきた同棲していて
永ちゃんのコンサートに一緒に行ってやんちゃしてた 年下彼氏さんのことでしょうか? 弟さんから由紀さんのどのような過去を聞き出せるのか? 続きを楽しみにしています。
- [93]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/04/30 (水) 11:56 ID:9nYhAOac No.201802
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。お察しの通りでございました。
****
由紀の実家は一軒家で、十数年前から義両親と雄太君の家族が同居をしていました。 旧来の市街地にある割に敷地は広くて、邸内に車3台が駐車できるスペースもあり、 その片隅にラージサイズの物置小屋がありました。
私は何かしらの理由をつけて、その物置小屋に入って、話題になったアルミホイールとやらを、 見てみたかったのですが、すでに日も暮れていて暗くなったこともあって断念しました。
翌日、由紀はその小屋の中で30余年?ぶりに、「友達」と呼んだ当時の彼氏からの預かりものに 対面することは間違いありません。 その時、彼女の気持ちの中に、私が知り得ない元カレとの過去の思い出が蘇ってくるはずです。 いや、すでに蘇っているのかもしれません。
私のようなネガティブ思考が先行する小心者からすれば、愛する妻が過去の男との関係を思い出して 感傷に浸ってしまうシーンを、どうしても想像してしまうのでした。 当時の私にとってのそのシーンは、嫉妬や怒りというエネルギッシュな気持ちとは異なり、 EDによる自信喪失からくる、どう足掻いても諦めるしかない無力感とか疎外感に近い感覚だったのです。
ただ、どんなに何を言っても、嘆いても、頑張っても過去は変えられないですからね・・・
私は、私と出会う前の由紀には会えませんし、当時の由紀には戻せません、 それならば、せめて私の知らない当時の由紀を知りたい、というシンプルな願望が勢いをもって 胸の中に湧き上がってきていたのです。
息子と娘は新幹線でそれぞれが住む街に戻ることから、先にターミナル駅まで送って、 その後、私は某私鉄の駅に・・・ というルートで、義弟の雄太君に送ってもらっていました。
そんな車内では、叔父さんと甥っ子姪っ子間で、「いくつになった?仕事は何を?」などの、 親戚にアルアルの定番の話題で盛り上がっていたのです。 雄太君からは実家のリフォームの話なんかもあった気がします。
私はそんな会話の中にも、「カアサン(由紀)は、若いころと変わってない?」などと、 それとなく話題が、由紀に向くように仕掛けていたのですが、うまくいくはずもありませんでした。
そんなこともあり、会話は彼らにまかせ、私はスマホで、「シーマ」を画像検索していました。
(こんな車に? いつか写真で見たことのある、シャープな外見をした由紀が乗っていたのか?)
(この車で? いつか聞いたことのある、同棲していた家からスナックにも送迎されていたのか?)
(この車を運転していた、年下のやんちゃな男は、どんなやつ? 今、何をしている?)
Y31というコード?のシーマの画像を見ながら、沸き上がったいろいろな感情のせいもあって、 子供たちが下車するターミナル駅に着いたのが、いつのまにか、のような感覚でした。
こんな思考状態になっている小心者の私ですが、次の駅までの雄太君との2ショットは、 由紀の過去を「暴く」またとないチャンスのように思えて、妙に緊張したのを覚えています。 それでも最初は、雄太君へ一連の弔い事に対する労いの言葉や、義父の思い出話をしました。
(さすがに、いきなりは聞けないですから・・・ ここは私も冷静でした)
そして話題が途切れ、静かになった時に、由紀の話に繋がるように水を向けたのでした。
「片付けるホイールって、車の、というか、シーマのホイールだったんやねー?」
「そうなんです・・・ めっちゃ古いけど、けっこう綺麗だし、もしかしたら売れるかも」
雄太君はホイール自体のことを、あれこれと説明してくれました。
もちろん私は、そんなことよりも・・・
「すごいよね、友達も・・・ 女であんなデカい車に乗るとか・・・」
「あ、いや、あれは友達というか・・・ えっと、お兄さんの前に付き合ってた人のかな?」
それは私も知っている話ですし、そこまで雄太君が口にしてくれたのは幸いでした。
「おー、なんかそれ、ずっと昔に聞いたことがあるよ、年下だったんでしょ?」
「そうなんですよ!僕と同い年で、でも、ぜんぜん、あっちはボンボンのやんちゃくんで・・・ あ、じゃ、兄さんは、テツさんのこと、知ってましたか・・・」
話の流れに乗って、雄太君曰く、
・雄太君は2回くらいその元カレ(テツさん?)を見たことがあるけど、 「お義兄さんよりも10cmとは言わないけど、背が高くて、マッチョな外見」だった。
・元カレは、やんちゃで車が好きだけど、違法な改造とか集団暴走というのではなく、 車のドレスアップやグレードアップが好きで、自分(雄太君)もそっちでした(笑)と。
・元カレは、由紀と同じ会社に高卒で入社したものの、すぐに免停で通勤が困難に。
・家が同じ方角、新入社員ということもあり、会社の指示で由紀は送迎をすることになった。
・それで仲良くなった?(これは雄太君の想像)
・いつからか、姉(由紀)は家を出ていき、オヤジ(私にとっての義父)は激怒していた。 その後、しばらくして正式に元カレと実家に挨拶には来たらしい。
・その挨拶は、求婚の挨拶かどうかはわからないけど、けっこう荒れていた。 垣間見た雄太君は、由紀の左手薬指にプラチナの指輪があったのが印象に残った、と。
・由紀は1-2か月くらい仕事を休職?して、実家に戻っていて、その頃に元カレと別れたらしい。
私が精一杯の見栄で「それ、聞いたことがある」「あ、それも」「そりゃそうよ」など、 と 返していたことで、安心したのか、雄太君は言葉を選びながらも、割と淡々と、 そして彼自身も昔を懐かしむような感じになって、話をしてくれたのでした。
「居酒屋だっけ、夜もバイトしてたんでしょ? 何だっけ、店の名前・・・えっと・・・」
続けて 私が、思い出せなくて 悩むふりをして、恍けながら問うと、
「あー居酒屋というか、「リン」ですね、飲み屋さん その時はもう姉貴は家にいなかったし」
と雄太君は普通のトーンで返し、続けました。
「雑居ビルの5F?6Fにあるような普通のスナックで・・・ まだあるかな、どうかな?」
「ふぅーん、あいつがキャバ嬢?ホステス?」私はおおげさに笑い、余裕のあるトーンで。
「いや、カウンターの昔風な飲み屋のネエちゃんですよ」と雄太君は笑って返しました。
そんな話からも、私は、由紀のネエちゃん姿・格好(スーツ、ハイヒール、厚化粧)を イメージするだけで、下半身に十分なエネルギーをもたらしてくれていたのでした。
結局、由紀の過去話は、新たな情報もありましたが、ほとんどが私の知っている範囲でした。
それよりも、他人の口からそんな話を聞くと、また違った角度からの視点があったりして、 そのことが、私にとってはとても新鮮でした。 何個か気になるようなことがなかったわけでは なかったのですが、 とにかく愛妻家の私にとって、興奮したひとときであったことは、間違いありませんでした。
(本筋から大幅に逸れてしまい すみませんでした、楽しんでいたのは私だけでしたね(汗))
雄太君と別れ、私鉄駅から快速で我が家の最寄り駅に向かう間、私は車内での話を振り返っては、 若いころの由紀の自分勝手なイメージに耽っていました。
一体 私は、どこまで由紀のことが好きなのか・・・ 気持ちが悪いくらいだ、まるでストーカーやな、と自分で評価をしていたくらいだったのです。
そんな頭の中で、ふと思ったのが、
(今度は、例のデートを利用して、平尾から由紀の過去を聞き出させよう)ということでした。
- [94]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/04/30 (水) 21:45 ID:o.4HNuWc No.201808
- 由紀さんは年下彼氏と結婚するつもりで実家に挨拶までしに来たのに
何らかの事情で破談になってしまったのですね。 平尾さんとのデートで、由紀さんの過去をどれだけ掘り下げれるか? 続きを楽しみにしています。
- [95]
Re: 覆水盆に返らず
たか
:2025/05/01 (木) 06:25 ID:R4fz3Y2w No.201812
- 奥さまのデートの日が
待ち遠しい、
- [96]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/01 (木) 17:04 ID:fYOBCocs No.201819
- 小太郎様、ありがとうございます。
>何らかの事情で破談 そうなんです、当時は私もそこが気になっていました。 それと義弟から聞いた1か月の休暇なども気になっていました。 今となってはわからないことで、想像でしかないのですが、 もしかしたら妊娠していたのかなとか、そんなことも考えていました。
たか様、ありがとうございます。 なかなか先に進まなくて、すみません。
少し続けます。
****
帰宅してゆったりと風呂を済ませ、久しぶりの静かな 夜の「独り我が家」を寛いでいた時でした。
平尾からLINEが届きました。
「遅くからスマン!」「このたびはご愁傷様で・・・」「あらためてご香典は・・・」など、 堅苦しく真面目な社交辞令が続けて並び立つメッセージが、彼らしくて微笑ましく思えました。
「義父で家族葬だったので、受け取れませんよ!」と返信した私でしたが・・・
私はスマホの文字入力が下手で苦手でイライラするし嫌なので、すぐに既読が付いたのを見て、 遅い時間だったのですが、お互いに独り身というのもあって、平尾に電話をしたのでした。
その時、平尾は出張先の北海道のビジネスホテルにいました。
私は平尾に、平尾が私に言いたかったのは、例のデート企画のことでした。 私からその事についての口火を切るのは、なんとなく気が引けていたので、 ひたすら平尾から言い出すのを待ちながら、内容のない雑談を、二言三言 交わしていました。
「あ、ヤベちゃん、それで・・・ 例の件だけど・・・」と案の定、平尾から。
平尾の用件は、今週から約2週間の出張が入ったことに あらためて申し訳ない、ということでした。 副社長として本格的な取引先への挨拶回り、とのことで、当然ですが「どうしても外せなかった」、 と申し訳なさそうに話をしてきたのでした。
「おぉ!言ってたなー それは仕方がないよ。 カミさんは楽しみにしてたけど・・・」
正直、由紀が平尾とのデートを楽しみにしていた事実はなかったのですが、 とりあえず私は、自分の思いを伝えるために由紀の名を利用して、残念な口調で返しました。
「マジ? いや〜 本当にスマンなー」
「仕事やし、しゃあないよ・・・ それで? いつにしよっか?」と私。
もともとは 親友である平尾に、気晴らしと気分転換させたいという思い、 平尾のケア、平尾の元気づけなど、友人としての自然な感情から、思い立った企画ですが・・・ 平尾と由紀のデートを通じて、深い無力感ややるせない感覚を味わい、そこから湧き上がる 嫉妬や焦りを感じることでの、「寝取られシチュエーション」によるED回復への期待。 その副産物として、デートに向かう由紀のいつもと違う外見や、別の側面を見たいという欲求、 彼女の姿や振る舞いの変化に対する期待。 そして私の知らない由紀の過去を(平尾を通じて)聞き出したいという新たな思いも加わりました。
すでに上記の思いを満載した「船」は出来上がっているのです、条件だって整っています。 あとは、二人を乗せて いつ定期航海を開始するのか、この電話でそれを決めようと思ったのでした。
平尾の声を聞きながらだと、やはり私の気持ちは早まりました。 が、そこは意識して冷静に、あくまでも主人公は平尾、平尾のための企画なんだ、と 私は彼の都合を優先・尊重するように振る舞いました。
「俺なんかのために申し訳ないなー ヤベちゃん、マジありがと な」と平尾。
「出張先で風俗すればいいじゃん、金あるんやろ?」
「アホか、できねーし、そんな気も起きんよ (笑)」
そんなやりとりから、月明け10月の初旬、最初の日曜日ということで日にちを決めたのでした。
その2日後の夜に、由紀が帰ってきました。
- [97]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/01 (木) 21:50 ID:PaeDy13Q No.201822
- 由紀さんと年下彼氏さんとの関係が切れたのは、由紀さんが自分で
主体的に決めたのか、それとも由紀さんのご両親からの圧力で 別れさせられたのでしょうか? この経験が今後の由紀さんの行動に影を落として来るのではと 勝手に想像しています。平尾さんが由紀さんから聞き出せるかも しれないですね。
いよいよデートの日程が決まり、由紀さんと平尾さんも戻り 主役が揃いましたね。 続きを楽しみにしています。
- [98]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/05/02 (金) 10:54 ID:45C8jDlE No.201835
- 矢部 さん
初めまして!
毎日チェックして読ませて頂いておりました ずっとロム専でしたが 矢部さんの思惑が垣間見れたのでコメントさせて頂きました
追及するのは野暮な事とは存じておりますが あえて確認したいと思います 変換ミスと思わせて 本人しか分からないドキドキする興奮を楽しんでおられますでしょうか 投稿する側の癖とでも言いましょうか 私もそんな楽しみを覚えた事もありました 見当違いなら大変失礼いたしました
せっかちな私は今後の展開が気になって早く知りたくてたまりません! 投稿は大変だと思いますが これからも楽しみにしております
- [99]
Re: 覆水盆に返らず
ねとられ
:2025/05/02 (金) 11:48 ID:Cm4d77ak No.201837
- いつも最高の内容です、読者が喜ぶ感じになっていて全然オナニースレッドではないので。
本当にいつも楽しみにしています。
- [100]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/02 (金) 13:39 ID:JoSMrG2k No.201838
- 大型連休中にもかかわらず応援や激励のコメントをくださってありがとうございます。
小太郎様、いつもありがとうございます。 >由紀さんと年下彼氏さんとの関係が切れたのは これは「投稿外」になるのですが、当時の義父の猛反対と元カレさんのお母さんの説得?と聞いてます。 あまり詮索することもできず、今更の話ですが・・・ すみません。
00777様、コメントをありがとうございます。 超ビックリでして・・・ ご指摘ありがとうございました 投稿って怖いですね (汗)
ねとられ様、コメントをありがとうございます。 喜んでいただけているのなら、投稿したかいもあるんですが、 実は、「他の男とセックスしている妻」のところに書く内容なのか、迷ってるんです。 ほかの投稿者様のような、直接的で情熱的なシーンが、平凡で地味な私共には訪れなかったし、 縁もなかったので・・・ すみません,期待に添わないかもしれません、
- [101]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/03 (土) 01:12 ID:O9vCgp6. No.201844
- 「ただいま〜」玄関から由紀の声。
ほぼ予定通りの時間、18時過ぎに由紀がリビングに入ってきました。
「おかえりー」ダメもとで、もしかしたらスカート? と淡い期待をしていた私でしたが。
「あ〜 疲れたぁ〜 いろいろありがとうございましたー」
「いやいや、おつかれ!」(やっぱりチノパンでした(笑))
いつも通り 化粧っ気なく、色気も味気もないけれど、元気だけはある由紀でした。 といっても、心なしか表情に少しやつれた感じもありましたが、事が事だっただけに、 それは仕方がないことです、私としては とにかく素直に労うしかありませんでした。
(さすがに私も この時は、心から妻を労う気持ちでした)
それでも 気になっていたことだけは、なんとか聞き出したいと思っていました。
少し落ち着いた由紀が振り返る 慌ただしかった日々の話に相槌を打ちながら、 私は、それとなく話を向けてみたのでした。
「そういえば、ホイールだっけ、倉庫の・・・ 片付いた?」
「あ、あれねー、雄ちゃん(雄太君)に、全部まかせるからって、言った」
その時 思い過ごしかもしれませんが、微かに感じたのは、 由紀がどこか嫌そうに、ぶっきらぼうに答えていたことでした。
ホイール自体の物理的な存在(邪魔、不要、ゴミ)が嫌だったのか、 ホイールの話題に触れたことが感情的に嫌だったのか、は わかりませんでしたが。
それでも私は粘りました。でも由紀はあっさりでした。(早口でしたが)
「お宝レベルのホイールらしいじゃん 雄太君が言ってた・・・ 確認した?」
「ふーん・・・ ぜんぜん見てもないよ」
「シーマ? グロリア? 友達って、えらいデカいのに乗ってたんやね?」
「うーん・・・ 昔? マークUとかセルシオとかも流行ってたよね・・・」
(はぁ? 知らんし)
続けて由紀は、 息子の弘幸がサッカー部のOB会に出席できなかったことが悪かったな、とか、 娘の麻里奈に荷物を送るとか・・・
私からすれば、次から次に、取ってつけたような話題を並び立ててきていたような、 そんな気がした印象的なシーンでした。
結局、雄太君から聞いた由紀の過去に、上書きができるような新しい話は、 彼女の口から聞き出すことはできませんでした。
投稿をするにあたって、このシーンを回想していて、何となく思ったのですが・・・
由紀は若い頃の夜の仕事、スナックで、特に男性客との接客を通じて、 男が何を感じ どんな反応を示すかに敏感になり、 男の微妙な反応や心理を読む能力が養われていたのかな、と。 おおげさな表現ですが、「人の気配を読む」「上手な逃げ方」「人心掌握」 という心理面での武器を持っていたのかな、と。
(戻します)
お疲れの由紀は、それでも翌日はパートに行く ということだったので、 時間も時間でしたし、夕食は外食することにしました。
余談になるのですが・・・
私は、外食といっても、グルメ番組やタウン誌で取り上げられているような、 旨い店とか人気のある店、有名な店を知らなくて、というか、あまり興味もなくて、 いつも無難にチェーン店やフードコートで済ませていました。 時々 由紀が「たまには、少々高くても美味しいお店に行きたい」と言ってましたが、 「腹に入れば同じやろ」と私は返していました。 正直、どうも「食」にお金と時間をかけるのは、もったいない気がしていたのと、 新しいお店の暖簾を潜るのが、どうも苦手だったのです。 こんなシーンでも、私は、セコイ臆病者、小心者なことを自覚していたのでした。 (すみません、脇道でした;;(汗))
車での移動中も、イオンモールの中のフードコートで安いラーメンを食べている時も、 たわいもない話を繰り返しながら、私は由紀を労い続けていました。
ふと私は この時間、彼女に対して優しいアプローチをしていることに便乗して、 例の件の日にちを決めたことを口火に、あらためて 企画の再始動と再度の意思確認、 そして具体的な段取りの共有ができるのでは?と考えが湧いてきたのでした。
ただ、ここに来て笑顔を浮かべながら美味しそうにラーメンをすする由紀の様子から、 「今、そんなこと言う? 」と返される可能性も高く、そうなると元も子もない気がして、 私は逸る気持ちはありながらも、ひとまず断念したのでした。
由紀が帰りにホームセンターに寄ってガーデニング用の小物を買いたい、と言ったので、 急ぎ車を、家とは逆方向に走らせました(逆走ではありません!)。
由紀はいつも私が運転するときは助手席ではなく後ろの座席の助手席側に座ります。
皆様の奥様はどこに座られますか?
私たちが、付き合い始めた頃や結婚してしばらくは、由紀は助手席に座っていました。 ちなみに、その頃の由紀はスカートを穿いて、彼女なりの色気も少しはあったのです。 やがて、子供が生まれたことが境になったのか、その後、何台か車も替えたのですが、 子供が巣立った後になっても、助手席に戻ることはありませんでした。 並行して、パンツとスニーカースタイルが主流になり、色気も失せていったのでした。
ナイター中継をBGMに、軽ワゴン(タント)はホームセンターを目指しながら、 国道を快走していたのですが、平尾の住んでいるタワーマンションが近くに見えたので、 あえて私は由紀というバッターに向けて投じるのではなく「牽制球」とばかりに、
「お、あれ・・・ あそこのタワーって、平尾が住んでいるマンション・・・」
「ふーん すごいねー」ポツリと由紀。
バックミラーで由紀を確認する限り、牽制球に引っ掛かって、外を見るわけではなく、 ずっとスマホをいじっていました。
「平尾、北海道に行ってて、次は仙台って言ってたし、今頃、牛タン食ってるかもな」
私はしつこく、もう一度、由紀に「牽制球」を投げたところ、これが効いたのでした。
「え? もしかして・・・(デートが)中止になったから?」
- [102]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/03 (土) 08:45 ID:5qAd3SJM No.201848
- 由紀さん、スナックのバイトで培われたオトコの接し方で
年下の元カレの話題を見事にはぐらかしてしまいましたね。 平尾さんとのデートでも、その能力を発揮して 平尾さんが何を望んでいるかを掴み、叶えてあげるのでしょうか?
ちなみに家内は助手席に座ります。カーナビはあるんですが もっぱら家内ナビで運転してますね。あと眠気防止の話し相手としても。
続きを楽しみにしています。
- [103]
Re: 覆水盆に返らず
rei
:2025/05/03 (土) 14:39 ID:TO0qPkyc No.201849
- 矢部さん初めまして
初めから読まさせていただいております 矢部さんと由紀奥様、そして友人の平尾さん 三人の思惑、感情の水位が今後楽しみです タイトルの「覆水盆に返らず」深いですよね
今後もよろしくお願いします
- [104]
Re: 覆水盆に返らず
わおわお
:2025/05/03 (土) 18:59 ID:8WHCiewQ No.201851
- 初めまして、ずっとロム専でした。
リアルな内容から伝わる静かなエロスを感じます。 派手さはないけど気が付けば感情移入しておりました。 共感出来る場面が多いです。 陰ながら応援しております。。。
- [105]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/04 (日) 20:20 ID:sd5pR5L2 No.201861
- 小太郎様、
いつもコメントを書いてくださってありがとうございます。とても励みになります。 >バイトで培われたオトコの接し方で元カレの話題をはぐらかしてしまいましたね。 そうですね・・・ でもよく考えると、水商売の経験があるないにかかわらず、 女というのは、男には真似のできない特有のおとぼけとか、はぐらかし、逃げ方って、 あるような気がします。いざとなったら泣くのも作戦でしょうかね?
rei様、 はじめまして、コメントを書いてくださってありがとうございます。 こちらこそ引き続いてよろしくお願い致します。
わおわお様、 はじめまして、コメントを書いてくださってありがとうございます。 静かなエロスとか感情移入いただけているとか、とても嬉しいコメントです。
少しですが、続けます。
****
私の推測に過ぎないのですが・・・ 由紀からすれば、平尾を元気づけるためのイベントだったのに、 事情(弔事)があったとはいえ、デートを中止にしてしまったことに、 素直に申し訳なく感じていたような口ぶりでした。
「いや なんか、あいつも先週から出張であちこちを回っているみたいよ?」
「出張? お仕事?」
「そそ、あいつはあいつで、都合が悪くなってた、ってこと」
平尾も用事があったんだ、都合が悪かったんだ、という私の言葉を聞いて、 由紀は安心したのかもしれません。
「そっか、じゃぁ、何もなくても中止になってたんだ・・・」と由紀。
なんとなく? 私は、彼女の口ぶりが軽めに変わったように感じたのでした。
「そういうことやな・・・ あいつ、マジでメッチャ 楽しみにしてたのに なー」
本当に彼が楽しみにしていたのかどうかは、私の知るところではなかったのですが、 由紀の気持ちの中に、このデート自体の「重み」を持たせようとしてました。
さらに私は、できるだけ しみじみと、
「電話で、声だけは明るかったけど、なんか、やっぱり カラ元気な感じやったし」
「電話の相手が俺やったから、余計に無理して、明るく振舞ってたのかもな」
「ま、奥さん おらんし、仕事も大変やし・・・ 全然、気分も乗らんのんやろうなー」
「あいつ このままだと、マジでメンタル やられるかも・・・ ホンマに心配や」
立て続けに 平尾の実状を、私は盛りに盛って、由紀に説明していたのでした。 後席で話を聞く彼女は、その時はもう スマホいじりをやめて、車窓越しに外を見てました。
今まで由紀が知っている、明るくユーモアがあり、笑わせるギャグを飛ばしまくる平尾の姿。 その姿が、ここまで私によって吹き込まれた、可哀そうで元気のない やつれたイメージで、 彼女の頭の中に 上書きがされたのでは、と思いました。
それと同時に私も、私自身の言葉に酔っていたのだと思います。
それとなく、平尾とのデートを唆(そそのか)し、由紀をデートに導き、 自分で自分を追い込んでいることに、例えようのない充実感を覚えていたのです。 そして平尾と由紀のデートシーンが実現した時の興奮と感動を味わいたい、と。
さすがに、私の体は震えないまでも、下半身に熱いマグマが蠢いていたのでした。
それでも冷静に(焦らずに慌てずに大事に)私は、この話題を続けることにしたのです。
「あ〜 そういえば、平尾が言ってたんやけど・・・ 10月初めの日曜日はどう?って」
(本当に平尾が言ってたのかどうか・・・(笑))
私は、この件に平尾は積極的で、平尾が言ってきた、平尾が望んでいる、ことにして、 あくまでも私は、調整役、脇役、黒子、第三者であるように装い続けていたのでした。
- [106]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/04 (日) 20:44 ID:P3l0Qb/o No.201863
- 奥さんとの死別により明るかった平尾さんが
とても落ち込んでいると説明することで 由紀さんに自分が何とかしてあげないといけない という気持ちにさせたのですね。 その上でこのデートは平尾さんからの希望から 始まったことにして、その由紀さんの気持ちを更に煽り 由紀さんをデートに向かわせるのですね。 矢部さんの思惑に由紀さんが乗って来るのでしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [107]
Re: 覆水盆に返らず
春人
:2025/05/06 (火) 10:17 ID:XWUjI15Y No.201873
- こんにちは。
寝取らせは奥様の日常生活が詳細に語られれば語られるほど 落ちた時の衝撃や興奮が大きいので期待大です(笑) 早く続きが待ち遠しいです。
- [108]
Re: 覆水盆に返らず
通りすがり
:2025/05/06 (火) 15:52 ID:jUSaUH3w No.201878
- こんにちわ。
ご主人のシンプル話にディープな心理描写で面白い展開です。 スリップやパンストやハイヒールや妻の過去も好きです。 続きを待ってます。
- [109]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/07 (水) 09:11 ID:3YG5o5II No.201887
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。
春人様、コメントありがとうございます。展開が遅くてすみません。 期待通りに行くのかどうか、心配しています。
通りすがり様、コメントありがとうございます。アイテムに共感してくださり嬉しいです。 スリップやパンストやハイヒール、絶対に萌えますよね! (笑)
****
「えー? うーん ・・・ ぅん わかった・・・」と由紀は答えてくれました。
その時は、9月の中旬であり、半月以上先の予定、月も変わる10月ということだけに、 イメージ的に、彼女の気持ちが楽になったのでは? と思いました。
「わかった」と言った彼女の言葉の後に、微かに「そんな先か」「まだまだか」と 囁いていたような いなかったような。(空耳だったのかもしれませんが・・・)
そして、ここで私はもう一度、ダメ押しの一言を添えたのでした。
「マジであいつ、カアサンとデートして、気分転換できるの楽しみにしてたらしいよ」
「デートじゃないし!」
「そうそう、ごっこやな! でも あいつにとっては、何年か振りのデートのつもりかも」
由紀はデートごっこ、あくまでも平尾の気分転換、元気づけ、気晴らし、救済のつもり。 だけど、平尾からすれば、いちおう真面目なデートのつもりだから、と。 とにかく、それとなく私は由紀に擦り込んでいたのでした。 (男は みんな、そういうもんや、などと補足しながら・・・)
そうすれば、「ごっこ」でありながらも、きっと由紀は平尾の期待に応えようと デート仕様の特別な格好(スカート、ストッキング、ハイヒール、メイクで装う)で、 平尾に会いにいくはず、と姑息な私は、淡い期待をしていたのでした。
そんな由紀の姿をイメージしながらハンドルを握る私の下半身は固くはなくても、 まだまだ熱いマグマが蠢め続けていました。
その後の車の中は、ラジオのナイター中継が延長戦から佳境に入っていたこともあって、 話題が持っていかれつつ、無事に我が家に帰宅した、という・・・ そんな夕食時の一コマでした。
翌日から由紀はパート出勤、我が家のルーティンの日常風景が戻ってきました。 以降も由紀は、デートごっこの話に触れることもなかったのです。
やはり、半月先で月替わりという 物理的時間軸が、心に余裕を持たせたのかもしれません。 いや 単に10月の初旬から 週もしくは隔週に一度、たった半日、淡々と頼まれ事を実行する、 彼女にとってそれくらい軽いイベントだったのかもしれません。
それと、これは私の推測に過ぎないのですが、私が彼女の様子を窺う限りでは、 彼女から言い出したデートを受ける条件、10項目の10か条、 その中の、特に8番目のこと(詳しくはスレッドNo.[79]をご覧ください) つまり、「デートの日以外は、夫婦として普段通りの変わらない生活を送りたい、だから、 デートに関係する話題は絶対に出さないようにしてほしい」、ということを、 彼女自らも意地になって、意識をしていたのかもしれません。
いずれにしても 彼女的には、積極的に 好き好んで 喜んで実行するようなことはない、 これまでの経緯からも その考えで間違い無いので、私は由紀の様子を静観していました。
反対に私の気持ちの中では、半月後には、親友と愛妻がデートをするという、 まさに、こちらのサイトで珠玉の寝取られ投稿を書き込まれている皆様が味わっておられる 、 ゾクゾクする気持ちが、日に日に自分の身に近づいていることに静かに興奮していたのでした。
(大袈裟になりますが こんな私でも皆様の仲間入りができる、と本気で思っていました)
そんな未知の興奮という、「スリル」と「リスク」が味わえることに、妙な昂ぶりを感じ、 それを「クスリ」にしてEDの改善に繋がっていく、という 私なりのわがままなシナリオを、 イメージし続けていたのでした。
と、このように書いてしまうと、鼻息荒く熱気に溢れた家の中の状況をイメージしがちですが、 まったくもって、毎日 平凡で平穏で話題も口数も最低限な日常生活を過ごしていました。 例えば、子供たちの話、家の外壁塗装をどうするか 等、そんな話をしていたと思います。 平尾の「ひ」の字も出ないくらい、そんな感じでした。
表向きそのような日常生活を送る中でも、私はコソコソと小さな活動はしていたのでした。
- [110]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/07 (水) 10:32 ID:DKo1uCeo No.201889
- デートの日まで半月以上も先のせいか、由紀さんは
まだ緊張感がないようですね。 それともデートの10ヶ条の8項目を自分で言った手前 心の中ではソワソワしてるのに、矢部さんの前では 平静を装っているのでしょうか? 平穏な日常生活を送っているからこそ、その興奮と緊張が ジワジワと矢部さんと由紀さんの間に忍び寄って来る感じ がして、興奮しています。
続きを楽しみにしています。
- [111]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/07 (水) 20:11 ID:3/Jo7FlE No.201891
- 「ごっこ」とはいえ、由紀さんの女心を察するに
平尾さんと会う時の装いはいざという時に備えたものになるのではないでしょうか。 端的に申し上げれば、ブラウスやスカート?ワンピース?の下に着けるもの。 読者としては興味深いポイントだと思います。
ご夫婦の会話にはお互いに「ごっこ」といいながら、 漠然としながらも「ごっこ」のその先を想定していたと思いますが。
前のめりな読者で申し訳ありません。 由紀さんの一挙手一投足に釘付けです。
- [112]
Re: 覆水盆に返らず
通りすがり
:2025/05/08 (木) 00:36 ID:hpATttUc No.201894
- こんばんわ。
日常的な描写がとてもリアルですね。 その分、物語のなかに引き込まれやすいです。 個人的に奥さんの過去に興味があります。 どこかで取り上げてほしいです。 次も期待しております。
- [113]
Re: 覆水盆に返らず
ブルズ
:2025/05/09 (金) 11:23 ID:qQvs8tHs No.201903
- 最初から読んだけど
エロくないし何が言いたいのかな?
- [114]
Re: 覆水盆に返らず
シロ
:2025/05/09 (金) 15:19 ID:/1AIc6aA No.201904
- 普通の奥様が恋や性に落ちていくほどエロいことはないと思います。
性に奔放で単なるエロの話だったら皆さんのコメントないですよ。 この話を理解できないならもう少し教養を身に付けてはいかがでしょうか?
- [115]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/09 (金) 15:25 ID:RGzsCof2 No.201905
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。
>平穏な日常生活を送っている そうですね、由紀がどのように思っていたのかは、私にはわかりませんが、 少なくとも私は、いつも通りの同じ日常を過ごしていました。 あえて、意識的にデートの話には触れませんでした。
倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。 >読者としては興味深いポイントだと思います。 そうですね、私が一番 興味を持っていたのかもしれません(笑)
通りすがり様、コメントをありがとうございます。 >個人的に奥さんの過去に興味 私の場合 おかしなもので、年を重ねるたびにその興味が沸き上がってきています。 どこかで取り上げるような流れになるのかどうか・・・、
ブルズ様、コメントをありがとうございます。 >エロくないし何が言いたいのかな すみません、もっと簡略化してわかりやすい描写にします。
シロ様、コメントをありがとうございます。 ただただ、気持ちが救われました。
****
日曜日の「デートごっこ」を5日後に控えた火曜日の昼休憩明けだったと記憶しています。
本社ビル5Fオフィスの「窓際」で仕事?(笑)をしている私のPC画面の受信トレイに、 珍しくCCやBCCではないメールが着信したのでした。
差出人は平尾、私はそろそろ彼から連絡があるはずという予感はしていたのです。 もちろん「例の件」についてのことであることは、間違いないはずで、 メールを開封すると、やはりその通りでした。
平尾は、その日の夕方に本社に来る用事があるから、とのことで、 定時過ぎに、例の件で、本社の来客ブースで私と話がしたい、という中身でした。 「渡りに船」とはこのことで、実は私も平尾にお願いをしたいことがあったのです。
一瞬、そのまま 彼と食事と飲みに出ることも考えたのですが、 このタイミングで平尾と接することを由紀が知った場合、あらぬ想像を掻き立てて 彼女の気持ちを刺激し 企画がマイナス方向に動いてしてしまうような気がしました。 だから私は 仮に平尾が誘ってきても、今日はNGだ、と断ることを考えていました。
私は帰宅準備をして、定時キッカリにブースに入り、平尾を待っていたのです。 しばらくすると、数名の集団がブースのフロアに入ってきました。 その中に平尾がいました。
彼は数名の取り巻きを引き連れて、というよりも従えて、副社長オーラそのままに 颯爽と、 「・・・やから、あとは頼むで」と響く声で伝えて、それら取り巻きを帰していました。 ほんの数秒のシーンでしたが、実際にそれを目にすると、彼からの大物感が直に伝わり、 正直 同期だというのに、この職位差からくるジェラシーを感じずにはいられませんでした。
(すみません、前置きが長くなりました)
「スマンな! 急に」
テーブルに着いた副社長の平尾は、いつもの親友 平尾の表情でした。(当たり前ですが)
「いや、俺は暇やから・・・ お前はあいかわらず、忙しそうやなー、体 壊すなよ!」
「キツイよ・・・ マジ 壊れそうやわ、もう壊れてるかもしれん」と平尾。
その後、その日平尾が本社に来た経緯や、出張での話(美味いものや温泉の話)、近況など、 挨拶めいたありきたりな話とプラスアルファの話をにこやかに交わしていました。 亡義父の件については、恐縮するくらいの かなり丁重な気遣いをしてくれたのですが、 そのあたりが、根は真面目な平尾らしい、と思いました。
ふと、話をしながら思ったのですが、やっぱりどこか平尾は疲れていたのでした。 もちろん仕事で重責を抱えていることが原因であることに違いはないのですが、 それだけではない 精神的に彼は孤独感、喪失感、空虚感を抱えているように見えました。 私が親友だから気が付いたのかもしれませんが、その日も 彼の顔色や声や仕草などから、 放っておけない状態であることを、あらためて察したのでした。 (そもそもそれが「例の件」の提案のきっかけになったのですが・・・)
平尾との会話の傍らでそんな観察をしているうちに、ようやく本題になったのです。
私は先ほどの平尾に感じたジェラシーが気持ちのどこかに刺さっていたのでしょうか、 自分でもわかっていたのですが、ついつい上から目線になっていたような気がします。
「日曜日、ちゃんと楽しんでくれよ、気晴らししてくれよ、たのむで!」と私。
「ホント すまんな、奥さんにも申し訳ない」と頭を低くして恐縮している平尾。
マウントを取った気持ちになっていた私は饒舌に、
「カミさんにも、ヒラのこと説明済やし、あいつもちゃんと理解してることやから」
「精神的に辛いのは わかってるし、こういうのって 親友にしかできんことやろ?」
「たまには女の子と気軽に話もせんと・・・ あ、女の「子」じゃないけどな(笑)」
「言っても「ごっこ」なんやから・・・ 回復のきっかけにするのが、俺の役目」
「数回続ければ、お前の気持ちも 気分も モヤモヤも 回復するし、それが目的やから」
立て続けに、私は平尾に対して 恩着せがましく、 親友・気分転換・とにかくお前のため・俺にできること、などを連呼して、 この「デートごっこ企画」の正当性を説いていたのでした。
平尾は平尾で とても恐縮しながらも、 実は、今週に入ってから、けっこう緊張しているとか、明日か明後日に散髪に行くとか、 私の思惑通り、彼も前向きになっていたことがわかりました。
会話を通じてこの場が温まったので、私は満を持して 次のフェーズを切り出しました。
「話題がなくなったり、詰まったり、なにか話題が欲しい時のことやけど・・・」と私。
「あー たしかに、ありえるな・・・」と平尾も。
さすがに初回や2回目あたりは、知っている者同士、「ごっこ」だからといっても、 曲がりなりにもデートという形なので、テレビドラマや映画のように流れるような デートシーンになるはずもない、と思っていました。
それを見越して、私は ある提案をしたのでした。
- [116]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/09 (金) 18:02 ID:vmlpB73k No.201907
- 矢部さんが平尾さんと向き合って感じた奥さんを亡くした喪失感は
久し振りに逢うであろう由紀さんには、とてつもなく深い喪失感に 感じたことでしょうね。自分が何とかしてあげないといけない という感情に揺さぶられたのではないでしょうか?
平尾さんにとって、この喪失感を埋め合わせ出来る人は 若い女性ではなく、亡くなった奥さんと同世代の由紀さん だったのでしょう。 この二人が逢った時にどういう化学反応が起きるのか?
話題に困った時の為に、由紀さんの食い付くネタを教えてあげる のでしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [117]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/09 (金) 18:12 ID:oRPxlGJQ No.201908
- いろいろな意見はあるでしょうが、
どうか矢部さんのペースでやっていただけたらと思います。 十分楽しませていただいていますよ。
- [118]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/10 (土) 00:39 ID:dlh6H.Uk No.201912
- 小太郎様、毎回のコメント、ありがとうございます。
>この二人が逢った時にどういう化学反応が起きるのか? そうですね・・・だけど、正直 そんなに過激な反応ではなかったと思います。
倍胡坐様、コメントをありがとうございます。 とても勇気がいただけるコメントです。コメントに救われております。
****
私の提案というのは、平尾を利用して由紀のことを探らせるという姑息な作戦のことでした。
「カミさん、実は車のことに詳しいから、特にバブル時代の車の話をしてみたら?」
「奥さん? 昔の車? どういうこと?」と平尾。
私たちは、ソアラ? プレリュード? シルビア? クレスタ? そしてシーマ? 「いつかはクラウン」ってあったよな? など ひとしきり盛り上がりました。
その流れで私は、「こんなことがあったんだ」と、先日のホイールに纏わる話をしました。 さらに、由紀が 単に車のことが詳しい、ということだけで話を終わらせるのではなく、 なぜ詳しくなったのか、どんな車に乗っていたのか、そして若い頃の彼女の背景まで、 車の話になったのであれば、ついでにその周辺情報も聞いてみてほしい、と。
「俺も車のことは詳しくないしな・・・」
平尾はあまり関心がなさそうでしたが、私は平静を装いながらも一生懸命でした。
「いや だから なおさら車のことで掘り下げたら話が続くやろ? たぶん盛り上がるで?」
「たしかに俺も知らんだけに・・・ 車の話、使ってみるよ、サンキュー」と平尾。
この機に乗じて私は、白々しくも さりげなく由紀の話題を続けました。
「あいつ、けっこう昔は派手やったらしいし・・・」
若い頃のやんちゃ(黒のスーツとタイトスカートと尖ったハイヒール)な由紀の写真を、 以前 彼女の実家で見てびっくりしたことから始めて、スナックでのバイトのこと、 そして年下の男と同棲をしていたこと、その男は由紀の両親に求婚の挨拶までしたこと、 などの話を、後付けに「知らんけど・・・」と、私は冗談っぽく 笑い話に変換しながら、 平尾の頭の中に、ぼんやりとその画像がイメージできるような丁寧なトーンで、 何度となくじっくりと話をしていたのでした。
そんな話をしていた私でしたが、下半身に熱いものが滾るような感覚になっていました。
「ふーん・・・ ヤベちゃんの奥さん? 全然そんなふうに見えんけどな」
「そやろ、でも女はわからんしな・・・ いつか聞いてみたいとは思ってるんやけどな」
「まぁ、気になるよな わかる気するよ 俺も 今はおらんけど・・・・・・」
と、平尾は亡妻の直美さんのことを、この流れの中で語り始めそうになったので、 というか、すでに一言二言は口にしたので、私はこの話題を締めることにしたのでした。
「ま、聞けたら聞いてみてよ 副社長ならウマいこと聞けるやろ? 頼むで! 教えてな!」
「そーやな、それとなく聞いてみるよ」と疑心も関心もなさそうな平尾。
とりあえず私にとっては満額回答、その日 平尾に会って大きな収穫を得たのでした。
あとは、デートごっこでかかったお金は折半にすることや、時間厳守のことなど、 由紀がこだわっていたことを伝え、「まるで遠足やな」と二人で笑っていました。
そして日曜日の時間だけを最終確認した際に、
「とにかく気軽に、気楽に、気遣い不要、目的はヒラの気分転換やからな」と私。
「ありがとう、持つべきはやっぱり友やな しっかり気晴らしするよ!」と平尾。
その後も、ブースに人っ気がなくなるまで、たわいもない話を普通に交わしながら、 気が付けば19時をはるかに過ぎていました。 (途中で平尾が気を遣って、カップコーヒーを奢ってくれました(笑))
平尾はこの後も戻って仕事があるらしく、私は無駄に過ごした時間を詫びたのですが、 「申し訳ない は俺が言うことや ホントにありがとう」と笑顔で返してくれました。 彼はこれから溜まった仕事をして、退社後から明日の出勤までは寂しい孤独の状態、 逆に私は妻の待つ我が家に帰って温かい晩御飯を食べながらナイター中継でも観るという。
この時、私は あらためて親友 平尾に対して、素直に なんとかしてやりたい、 なんとかしないとヤバい という気持ちを奮い立たせたのは、偽りのない事実でした。
ところがED回復の期待、由紀の過去詮索、プチNTR体験、平尾へのマウントなど、 歪んだ願望(実はこちらが本心?)も、ここに来て 気持ちの中にかなりのウエイトを 占めるようになっていたのも、紛れのない事実でした。
特に歪んだ気持ちになっている私は、こちらのサイトに投稿をされている方々に、 少しだけ近づいたような誇らしい?感覚になってしまって、 例えようのないゾクゾク感が妙に心地良かったのを覚えています。
しかし実際のところ この感覚も帰り道で反芻しながら、一人で悦に浸っていたに過ぎず、 結局 帰宅をすると いつもの日常に戻ってしまって、まだまだこちらのサイトレベルには 到底及ばないと思っていました。(四六時中のNTR思考には、まだまだ及びません)
日曜日が近づくにつれ、家の中での私は、むしろ平静を装いすぎて「緊張」していました。
- [119]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/10 (土) 05:09 ID:ZhJeKAoA No.201914
- 年下彼氏と結婚寸前までいったのに破談してしまった事情は
由紀さんの口から聞きたいですね。 旦那には言えないけど、という感じで平尾さんに話せるような 関係になったらベストですね。 いつもの日常の中で、言葉に出さないけれど、それとなく漂う緊張感が 伝わって来ます。
続きを楽しみにしています。
- [120]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/10 (土) 08:07 ID:9R4GWfc2 No.201915
- 矢部さんと由紀さん、そして平尾さん。
それぞれが相応に人生を重ねてきた分別のある世代。 そして、読者の私もその世代にあると思っています。
成り行きだけで突っ走るような、いきなりのエロ全開モードではなく、 自分たちの今のポジションを維持しながらも どこかでハプニングを意識し、そのハプニングを許容できるようになること。
私にとっては、由紀さんの心境や心象の変化が何よりエロく思えます。 由紀さんがどのように変化していくのか。期待しています。
- [121]
Re: 覆水盆に返らず
おやじ
:2025/05/10 (土) 09:15 ID:08yBtZcQ No.201916
- これエロですか?これは日記ですよ興奮しますか?ここに書く意味ある?
- [122]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/10 (土) 11:12 ID:9R4GWfc2 No.201918
- 更新を楽しみにしている人がいるのは事実です。
感じ方は人それぞれです。 お気に召さないのならスルーすれば良いだけの話。
わざわざコメントして荒らすのも野暮な話ですよね。
- [123]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/11 (日) 18:33 ID:OnlBOyrY No.201922
- 小太郎様、いつもコメント、ありがとうございます。とても嬉しいです。
倍胡坐様、いつもコメント、ありがとうございます。もしかして同世代ですか? 嬉しいです! 投稿についてフォローくださってありがとうございます。 由紀が変化するかどうか? すみません、もしかしたら期待に添えない変化かもしれません。
おやじ様、ご指摘をしてくださってありがとうございます。 興奮する内容ではなくて、すみません。
****
平尾と会ってから2日後の朝、ですから木曜日の朝のことでした。
朝の情報番組を片目に慌ただしく新聞を斜め読み(スポーツ欄だけは丁寧に)しながら、 朝食も流し込むような、年甲斐もなく忙しない いつもの我が家の朝の風景・・・
ではなく、 私はその日はリモート勤務の日だったので、もっと余裕のある朝にできるはず、 出勤準備と通勤時間分は朝寝坊できるはずですけど、長年の習慣がそうはさせてくれません。 せいぜい余裕を感じるのは髭剃りと着替えの免除くらい? 皆さんは いかがですか?
そんないつもの平日の朝を過ごしていた時でした。 こちらもパートに行く準備を始めていた由紀が、モノを言いたげで言い出しにくそうな、 そんな素振りをしながら私に声をかけてきたのでした。
「トオサン・・・ んーっと・・・」
「どした?」 (おっ、いよいよか?)
私は彼女の表情からもちろん「例の件」のことだと、確信していました。 この期に及んで、まさかキャンセルはないだろう、いや、タイミング的にはありえる?
その瞬間、私の頭の中はグルグルと次の由紀の言葉を想定していました。
「日曜日、私は、どうしても行かないといけないのかな?」
察しの通り 例の件のこと、しかも雰囲気的には、かなり「×」方向の言葉でした。 それを口にする由紀の声は、かなり重めの消極的なトーンでしたから。
「え? あー 例のこと? 都合悪い? なんかあるん?」軽いトーンの私。
「ううん、何もないけど・・・」
「なら、俺的には平尾のために協力してほしい、って いうのはあるけど」
「・・・ ・・・」無言の由紀。
「あいつのこと、マジで なんとかしてやりたいし・・・(もちろんこれは本音)」
「そっかー そうだよね・・・ んー・・・」
私と目を合わせない由紀の気持ちは、もちろん理解できますし、むしろ想定内でした。 いや、目を合わせなかったのは私の方だったのかもしれません。 あえて彼女を見ないことで、そんな大したことではない お気軽 お気楽な「ごっこ」を 印象付けたかったのでした。 ちょうど情報番組がスポーツコーナーだったのも、良いタイミングでした。
「ん? どした? もしかしてずっと悩んでたん?」
「そりゃそうよー だって こういうのって・・・ んー でも、仕方がないのか・・・」
これから3度4度、二人の会話は、いわゆる ”堂々巡り” でした。
そのやりとりの中に、2日前に平尾に会った、とは言わず、彼とすれ違ったことにして、 その時の彼の印象は、かなりやつれていた、あれは出張の疲労だけじゃなさそうだった、 早くなんとかしないと精神的に・・・ など、親友として看過できないことも含めました。
私が自分で言うのも変ですが、 今思うと、この会話をする場面での私の振る舞いは自画自賛ができるくらいに沈着冷静で、 余裕すら感じさせるくらいの「大人の」雰囲気だったのでは、と思っています。
思い返せば、この時は、私も腹を据えていたわけではないのですが、 絶対に実現したい気持ちよりも、成るようになれば良い、 その時はなぜか そんな気がしていた、というのがあったからなのかもしれません。
あれだけ自分なりに用意周到に「準備」していた企画であるにもかかわらず、です。 朝ということもあり、私はまだ覚醒していなかったのか、由紀の様子に配慮していたのか、 なんともわからないのですが、その時は素直に「どっちに転んでも良い」と思っていたのです。
だからこそ、由紀に応じる気持ちにも余裕が生まれて、 こんな私の雰囲気からも、むしろこの企画自体の重みや正当性がアピールできたのかと、 こちらも自画自賛しながら自己満足に浸っていました。
そんな自分自身のこともそうですが、由紀がいつもの日常を過ごしながらも、 このことを気にしていたことに申し訳ないという気持ちと、 真摯に考えてくれていたという有難い気持ちになっていたのでした。 (実際に由紀がそう思っていたのかは わかりません 実はジェスチャーかもしれず)
あえて、私は明るく振舞って、
「そんな、悩むか? 知らん男ならまだしも 平尾のことは 知ってるやろ? 」
「そりゃ悩むよー! やっぱり」
「怖い?」と私。 「そんなことない」と由紀。
「金のこと?」 「そんなんでもないよ」
「世間体とか?」 「そうじゃない」・・・ その日2度目の"堂々巡り"になりました。
そんなやりとりをしながら由紀は、チラチラと壁掛けの時計を見始めました。 パートに出かける時間を気にしていたのでした。
そして由紀は私に、次の一手を打ってきたのを覚えています。
「トオサン・・・」
- [124]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/11 (日) 19:57 ID:RW.Dc08Q No.201924
- 矢部さん、更新ありがとうございます。
私が矢部さんの投稿を勝手に読んで、勝手に妄想していますので どうかご心配なさらず、続けていただけたら幸いです。
私は矢部さんの少し年上になりますでしょうか。
引続きよろしくお願いします。
- [125]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/11 (日) 21:34 ID:VsOvcHZ. No.201930
- 平穏な日常生活を送りながら由紀さんが悩んでいたのは
仕方ないですね。 客観的に見れば、旦那公認とは言え人妻が旦那の友人と 休日を過ごす訳ですから、普通ではないですよね。
それに対する矢部さんの沈着冷静な態度に驚いています。 もし自分なら、千載一遇の寝取られを実現させる為に 必死に頼み込むだろうなと思うからです。 由紀さんの次の一手とは何でしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [126]
Re: 覆水盆に返らず
北国
:2025/05/12 (月) 00:55 ID:FIVBblbo No.201933
- とても素敵な奥様ですね
続きをお願いします
- [127]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/13 (火) 09:16 ID:u5W77EqU No.201946
- 倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。年代が近い人からいただく応援は格別です。
小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。 私は、元来 小心者ですから、沈着冷静を装うしかなかったのです。
北国様、コメントをくださってありがとうございます。続きも進展が遅くすみません。
- [128]
Re: 覆水盆に返らず
ベイスター
:2025/05/13 (火) 10:29 ID:rQIx6kiw No.201947
- 一気読みしました。おもしろい。
何故かドキドキします。笑
- [129]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/14 (水) 00:37 ID:f191S0MA No.201948
- ベイスター様、コメントありがとうございました。 おもしろいと言ってくださり、嬉しいです。
展開が遅くて、すみません。
****
時間的には焦っているはずの由紀、 彼女がまたしても言いにくそうな重いトーンで私に声をかけてきたのでした。
「うん?」と私。
「んーー・・・あれって・・・ んーー 治った? 良くなりそう?」
そうです、私が今回のことを由紀にお願いした、もう一つの理由のことでした。
愛妻が他人とデートをする、というシチュエーションは、たとえ「ごっこ」でも、 私は大きな刺激を受けて自身のEDの回復に繋がるという わがままな仮説、 他人が聞けば、滑稽で、嘘臭くて、バカっぽくて、 でも私としては大真面目なロジックのこと。
「あー ED? そんなん簡単に治るわけないやん」
私は 笑いながらも、やけ気味なふりをして返答をしました。
彼女なりにネットで調べたのか、漢方薬は?とか、病院に行けば? と。
私は、病院での診療の恥ずかしさや この症状は精神的・心理的なものだから、と 暗に彼女の提案を否定しました。
それでも由紀は、なかなか このことも腑に落ちなさそうで、
「それって そんなに大変なこと? 痛むの?」とまで言われましたので、
「男としては、痛み以上にマジで辛いよ、女には絶対わからんやろな・・・」
生理や出産の痛みや辛さを男は実感できないのと同じこと とか、 ネット情報から、例の件のような、妻と他の男がデートするという強烈な刺激が一番の薬とか、 パート先の男に聞いてみて とか、私はあらゆる適当なことを並べ立てていたのでした。
「わかった・・・ それは もうわかったから・・・ じゃぁ・・・」
と由紀は前置きした後に、彼女が平尾と会うことで改善・回復するのかどうか、 今回のデートごっこが、本当に効果的で意味があることなのかどうか、 そこを知りたかったし、もう一度だけ確認したかった と。
「そこはまだわからんけど・・・ たぶん? うーん 治る気がする」と私。
「・・・ ・・・」
由紀は目を合わさず、壁掛け時計だけを見ていました。
「というかさ・・・ そんなん俺から言わせるなよー さすがに恥ずかしいって」
私は、できるだけ明るめに、少しおちゃらけた感じで。
ただ、この時、咄嗟に私の頭の中をよぎったのは・・・ 由紀はそろそろYESと言うだろう、そうなればこのデートごっこ企画が始まってしまう、 ということでした。
その場でそのことを思ってしまうと、私の気持ちはおかしなもので、 欲しい結果を追い求め、幾多のハードルを越え、やっとその結果を手に入れそうになると、 本当にその結果で良いのか悩んでしまう(本当にこれでいい?)と不安になるという、 いや、それどころか、やっぱり結果なんてどうでも良い、卓袱台をひっくり返してほしい、 小心者の私にとっては、大袈裟に言えば、葛藤というのでしょうか、 これまで味わったことのない苦い焦り、昂りや逸りとは全く違う、 ジワりと背中から寒気が広がる変な感覚に包まれ始めていたのでした。
一方の由紀は、私の返事に少しだけ頬を緩めながら、 思い切り ため息を吐きだしたのが印象に残っています。 それが、何を言ってもダメか のため息だったのか、 仕方がない やるしかないか、と嫌でも自分を鼓舞するため のため息だったのか。
そして、ついに由紀は私に言いました。
「うん、わかった・・・ 日曜日、昼からね・・・」
この由紀の返事で、日曜日の話、デート(ごっこ)が最終決定したのでした。
この瞬間 私は、鉛玉みたいな重い物体が無理に喉を通過して腹の底に落ちたような、 今まで経験をしたことのない、ズドーンとした感覚を味わっていたのでした。
「うん」 としか、声の出なかった私。
「あっ ヤバいー もう行かないと!」
我に返ったように、慌てて自転車のカギを手にするのは、普段の由紀でした。
彼女はいつもながらの化粧っ気のない制服化しているような外見。 -ホワイトのコットン七分袖シャツにベージュのチノパン -白のくるぶしソックス
そんな由紀をどこか虚ろになっていた私は玄関まで見送りました。
英字ロゴの入った生成り地のくたっとした質感の紺色の布トートを肩掛けして、 由紀は、いつものキャンバス地の白いスニーカーを履きながら、 私を見ることなくハッキリとした口調で、
「あっ それと」
「どした?」と私。
「この前 お願いしたことは 守ってね・・・ じゃぁ、行ってきま〜す」
(話がなかなか前に進まず、すみません)
- [130]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/14 (水) 05:19 ID:P5/oMkYo No.201949
- 由紀さんがYesと答える寸前の、ジワりと背中から寒気が広がる変な感覚
とてもリアルですね。 望んだことが手に入る寸前の、あの得体の知れぬ不安感。分かります。 重い物体が無理に喉を通過して腹の底に落ちたような、ズドーン とした感覚とは、遂に始まってしまうという気持ちから来た ものでしょうか? 由紀さんのゴーサインが出て、遂に動き出しますね。
続きを楽しみにしています。
- [131]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/14 (水) 06:28 ID:V28LitwQ No.201950
- 「ごっこ」なのに、どうしてこれほどの深刻なやり取りをするのか?
「ごっこ」が一度だけではなく継続的に行われること。 デートの時間がホテルに行こうとすれば行けてしまう時間設定であること。 「ごっこ」の目的が平尾さんの癒しだけでなく、 矢部さんのED回復と明言しているのですから、 やはり、お互いにそのものズバリを口にせずとも、 由紀さんには、平尾さんに抱かれる可能性を十分に想定していたはず。
由紀さんからすれば、「貴方はそれでいいのね?」の改めての確認ですよね。
由紀さんが「ごっこ」を決心するまでのいろいろな感情を想像すると、 由紀さんがとても健気でいじらしく愛おしく思えてきます。
なぜ、覆水盆に返らずだったのか。 まだまだ先かもしれませんが、いよいよそのエピソードの始まりですね。
期待しています。
- [132]
Re: 覆水盆に返らず
ベイスター
:2025/05/15 (木) 16:00 ID:K5N/T9LU No.201954
- もう一回、ぜんぶ一気読みしたら
おもしろかった 続き楽しみにしてます
- [133]
Re: 覆水盆に返らず
秀
:2025/05/16 (金) 07:50 ID:ZS9EAnm6 No.201959
- 毎日朝起きてページを開くのを楽しみにしています。
続きよろしくお願いします。
- [134]
Re: 覆水盆に返らず
ほっかいどう
:2025/05/16 (金) 11:34 ID:ArahUTaI No.201961
- 話しが長すぎでしかも勃たない。。。。50すぎのBBAの話しは勃たないですよ。。せめて40迄。。。。
兎に角、長いつかれました はやく奥さんはねとられてください。。。。
- [135]
Re: 覆水盆に返らず
はじめ
:2025/05/16 (金) 18:39 ID:s/cdkf6g No.201962
- とても興奮します。
毎日続きが楽しみです。 それにしても文章が上手いですね。 保存版です。
- [136]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/16 (金) 23:02 ID:3026V4dM No.201965
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。
>由紀さんのゴーサインが出て、遂に動き出しますね。 動くまでが、小心者の葛藤もあり、重くて鈍いのです。すみません。
倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。 >由紀さんには、平尾さんに抱かれる可能性を十分に想定していたはず。 私は由紀ではないのでわかりませんが、由紀的には、いわゆるそっち系(こっち系?)の話は 想定まではしていなかったのでは、と思います。 何度も書いておりますように、こちらのサイトに載せるような熱量のあるレベルではないと 自認していますので・・・ もしかしたら、物足りない話になるかもしれません、すみません
ベイスター様、再度の一気読み、ありがとうございます。 こちらのサイトで掲載できる列内の文字数あたりを考えて、 あらためて最初からの投稿分を列行整理したいと思ってます。 その時に「て・に・を・は」の修正や若干の色付けもしたいと思ってます。 (もちろん大筋には影響ない程度に、です) 現在、読み難くないでしょうか?
秀様、コメントをくださりありがとうございます。 楽しみにしていただいて素直にうれしいです。 楽しみにしていただけるような内容が続くのかどうか、不安ではありますが(汗)
ほっかいどう様、コメントをくださりありがとうございます。 私に文才がなくてすみません。たしかに、年齢オーバーかもしれないですね。(汗) 高齢者の戯言として読んでくださればうれしいです。
はじめ様、、コメントをくださりありがとうございます。 保存版・・・ 光栄ですが、こちらのサイト的にはまだまだ未熟です。 これからも応援をお願い致します。
- [137]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/17 (土) 00:00 ID:rNbq9L46 No.201967
- 私も全部一気読みしなくてはいけないようですねwww
矢部さんが展開しようとしている話の内容の先読みをしようとして あらぬ方向へと結論を急ぐようなコメントで申し訳ありません。
それだけに、当たりハズレはあるかも知れませんが、 いろいろな想像を掻き立ててくれる内容かと思います。 引続きよろしくお願いします。
- [138]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/17 (土) 00:45 ID:jiluIkd6 No.201968
- 倍胡坐様、いつもありがとうございます。
とんでもございません、コメントがいただけるのは本当に嬉しいです。 これからも倍胡坐様なりの分析や深掘りをしていただきたいです。
続きです(展開が遅くて、すみません。)
****
(行っちゃったか・・・)
由紀が家を出てから、私は微かなエアコンの作動音だけのリビングには私一人だけ。
由紀が買い物やパートで外出し、私一人が留守番をするというシチュエーションは 30年近く一緒に生活をした中では ごまんとあったわけで、その日のシーンも、 いつもと変わりはありません。 ただ、やっぱりどこか いつもと違う、やけに重い静けさを感じるリビングに、 私はポツンと一人 置き去りにされたような孤独感に包まれていたのでした。
それでも私はポジティブに、日曜日 由紀が出て行ったらこんな感じなのかな? この静寂こそ デートごっこの醍醐味だから、甘んじて受けよう、もっと昂ろう、 そして楽しもう とすら思っていました。(思い込むようにしていました;)
この時、客観的に自分の姿を振り返ると、完全な自己陶酔しているな、とか 自己満足とか、一人芝居とか、恥ずかしくなったのを覚えています。
そんなことを思いながらリモートワークの準備を整え、私は社用のPCを開きました。
いつものように、起動後にディスプレイが立ち上がり、とりあえず仕事は始まるのですが、 キーボードを叩く音が静かな部屋に響くたび、どうしても例の件のことが頭の中を支配して、 ただでさえ仕事の質量ともに乏しく、年齢的にも業務意欲が減退している私は、 特にこの日はリモート勤務ゆえに 集中力も欠いていたのでした。 モニターに映る文字列がひたすら無機質に感じていたのは言うまでもありません。
そういえば・・・ 由紀が出がけに言った、「私にお願いしたこと」というのは 「10か条(※)」のことだということはすぐにわかりました。 (※)このスレッドの[79]No.201726のところに書いています
あくまでも推察ですが、彼女の気持ちの中には、その10か条をなぞりながら、 例の件は、あくまでも 週ごと もしくは隔週ごとの半日だけの単なるイベントで、 例えるのなら、習い事やママ友とのお茶 などと同列の扱いにする。 だから今の生活自体は変わらない、変わるわけもないし、変える必要はない、 私自身がそのくらい軽いイベントであるように由紀に仕向けたというのもありましたが、 それでも この日までの数日間は、彼女なりにいろいろ悩んでいたのでしょう。
朝の由紀との会話の中で、彼女の了解を決定づけた(と私が思っている)のは、 最後に交わした、私のEDが治るかもしれない、という期待に触れた時でした。 私は由紀ではないのでわかりませんが、 彼女は私の回復のためだからと、必死に彼女自身を納得させていたのかもしれません。 だから私からの非常識なお願いを受け入れてくれたのだと思います。
そう思うと由紀の健気さと、胸が締めつけられるような気持ちにもなりました。 こんな提案をしなければ、今頃普通の日常を過ごしていたのではないかと思うと、 何とも言えない やり場のない じりじりと胸の中が焼けるような気持ちが入り混じり、 私の歪んだ企画に由紀を付き合わせたことを申し訳なく思っていたのも事実です。
同時に、ふと私の頭の中に、浮かんだのは、こちらのサイトの投稿で繰り広げられる、 熱量のある、ダイナミックな寝取らせ 寝取られ 寝取りストーリーのことでした。 投稿者ご本人様の並々ならぬ熱意とパートナー様のご理解とご納得、 その裏にある準備や背景設定、そして心理的な葛藤などは、かなりのエネルギーが必要で、 実現に至らせるまで、本当に大変なんだろうな、ということでした。 というのも、 たかがこのレベルの小さなこの企画ですら、こんな感じで 私自身が 未だ感傷的になったり ビビっていたりしていたので・・・ (私が小心者というのもあるのですが;)
すみません戻します。
(本当にこれで良いのか?)
(変なことにならないか?)
おかしなもので、一人になると、由紀のことを思いながらも、 今度は私のほうが逡巡し始めていたのでした。
(まだ取り下げることはできる) (由紀が病まないだろうか?)
(一般的な寝取られとはレベルが違うのだから)
(ビビることはない) (この話はwin-winなんだ)
待てよ?win-win ? 聞こえの良い言葉、自分勝手な都合の良い解釈ができる?・・・
いそいそと私は、大きめのガラスコップに氷を満たし、アイスコーヒーを注いでから、 例の件、つまり由紀と平尾のデートごっこについて、 仕事そっちのけで、三者三様の「思惑」とか「位置付け」の整理をしたのでした。
少なくとも、この時点での構成は、MAXこんなところだったと思います。 (本音や建前や欲望や疑心もあるかとは思いますが・・・)
・私: -なによりも親友平尾の元気づけ(本来の目的) -デートシチュエーションと事後報告の刺激からED回復への期待 -デートをきっかけにした由紀の外見変身への期待(スカート姿やハイヒール…) -デートの主催者として平尾に対する精神的なマウントの確保 -平尾を通じて由紀の過去の詮索
・由紀: -デートとその後の報告をすることによる夫(私)のED回復への期待 -夫の親友平尾の元気づけ
・平尾: -亡妻で凹んだ気持ちの回復(気晴し・気分転換) -日曜日午後の充実した時間が過ごせる -親友(私)からの応援や配慮に応えたい気持ち
・共通: -安全、安心、コスパ良(3人が3人を知っている)
皆様はこれまでの私の拙い話から、どのような構成をイメージされましたか? 私は この構成が拠り所になって 完全にポジティブ思考になったのでした。
そんなこんなで、幾分か気持ちが軽くなった単純な私は、 あることを思い立ち すぐに行動に移ったのでした。
- [139]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/17 (土) 07:57 ID:6M2y0Lec No.201970
- 由紀さんの了解を決定づけた矢部さんのED回復は
由紀さんのデートの事後報告がどれだけ刺激的かに かかっている訳ですよね。
由紀さんが寝取られを理解していたかどうかは不明ですが 平尾さんとの関係が深くなればなるほど、矢部さんが興奮し EDが回復していき、平尾さんに抱かれることが矢部さんの ED回復の特効薬となると由紀さんが認識することになりますね。
矢部さんが三人の思惑を整理していた時、由紀さんが平尾さんに 抱かれるかもしれないと想定していたのでしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [140]
Re: 覆水盆に返らず
ベイスター
:2025/05/17 (土) 14:24 ID:8xiJ/KFY No.201973
- 読む度に分かります。
奥が深い話。心理の表現がおもしろいです。
- [141]
Re: 覆水盆に返らず
しん
:2025/05/18 (日) 12:30 ID:UPQTNaUk No.201977
- 一気に読ませて頂きました。
由紀さんのデートが間近になってきましたね。 由紀さんはどんな装いで出掛けるのでしょうか。 もう新しいランジェリーも準備されているのかな? 凄く気になります。
- [142]
Re: 覆水盆に返らず
ベイスター
:2025/05/18 (日) 19:16 ID:1eAawvQY No.201978
- そうです。ランジェリーの事、もっと
書いてください
- [143]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/19 (月) 11:48 ID:Yctq0E0Y No.201979
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。
>三人の思惑を整理していた時、由紀さんが平尾さんに 抱かれるかもしれないと想定していたのでしょうか? −思惑を整理していたこの日この時点では、 このデートは「絶対」安全・安心と考えていました。
ベイスター様、いつもコメントをありがとうございます。 何度も読んでくださってありがとうございます。 進展や進行が遅い、もどかしい、まどろこしいとは思っています(汗)。 ランジェリーが似合う「いい女」ではなかったような気がします(汗)。
しん様、コメントを書いてくださりありがとうございます。 一気に読んでくださってありがとうございます。 期待にそわない内容になるかもしれません、すみません。
コメントを書いてくださる皆様、投稿をお読みくださる皆様、ありがとうございます。 「一気読み」というコメントを頂くたびに、背筋が伸びる思いでございます。 もっと、シンプルにコンパクトにダイナミックに表現できれば良かったのですが。 他のご投稿のように、セクシーでエロティックな展開ではなく、すみません。 引続き、50代小心者の駄文程度に読んでくだされば、と思っております。
- [144]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/19 (月) 16:48 ID:zkiIZ9NE No.201982
- 矢部さん、いつもありがとうございます。
矢部さんの文章は一気読みができるほどとてもわかりやすく 私としても好意をもって拝読しております。
このスレッドについては、「むちゃくちゃスゴイ人気のスレッドです!」と表示されています。 ロム専の方も含めて多くの方がご覧になっています。 もちろん、読者それぞれ受け取り方は違うと思いますが、 どうか、最後までがんばって投稿していただけたらと思います。
想像するのも、思い過ごしも読者次第かと思います。 引続き、よろしくお願いします。
- [145]
Re: 覆水盆に返らず
たか
:2025/05/19 (月) 23:21 ID:bWR42erU No.201986
- いちいちコメントを返さなでいいと思います。
それより早く本題を進めでください。よろしくお願いします。 毎日楽しみしています。
- [146]
Re: 覆水盆に返らず
なおき
:2025/05/20 (火) 07:48 ID:DN./kVqI No.201987
- 確かに。
楽しみにしているので、コメントに返事する時間あれば、話を進めて欲しいって思ってしまいます。
- [147]
Re: 覆水盆に返らず
ぴ
:2025/05/20 (火) 09:06 ID:1tjsdt.w No.201988
- コンパクトなどと考えず丁寧にお願いします。
一気読みも醍醐味です。 その方が興奮します。
- [148]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/20 (火) 11:55 ID:plD6./9. No.201990
- 倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。最後まで頑張りたいとは思っております。
たか様、なおき様、コメントをありがとうございます。 拙い投稿であるにもかかわらず、せっかく読者の方からいただいたコメントですので、 できるだけ答えていきたいとは思っています。 どうかご理解をたまわりますようにお願い致します。
ぴ様、コメントをありがとうございます。 もともとコンパクトにまとめる文才がないのでダラダラした内容になると思います。 すみませんが、これからもお付き合いいただければ有難く存じます。
****
リビングにテレビやスマホから賑やかな音が流れていたのなら、 少しは私も気が紛れていたのかもしれません。
ただ、この時の私は、あえてそういった音を遮っていたのでした。 あと3日後に迫った例の件のことを考えている間は、 音声も映像も目や耳や頭の中に、何も入れたくなかったのです。
それに、とりあえずは、「リモート勤務中」という体(てい)もあって、 当然、静かな環境にして仕事に集中(笑)していたのでした。
だけど、あまりに静かすぎると、 人間って、逆に妙なことを考え始めてしまうもので、 ふっと気が抜けると、普段考えないような突飛なことや、 別にその時に考えなくても良いこと、些細なことを考えすぎてしまうとか、 無理にでも頭を働かせようとすること、ありますよね?
どうでも良いこと、普段なら胸の奥に押し込んでおくような雑念さえも、 まるで順番待ちしていたかのように飛び出してきて、 次から次へと頭の中に浮かび上がってきていたのでした。 その時の私がそうだったのです。
無理にでも 頭を働かせて考えていたのは、相変わらず例の件のこと。 由紀が考え悩んであろう末に、私にyesと言ってくれた今朝のことを、 まるでリプレイのように頭の中で何度も何度も再生していたのでした。
そして、そこでまた ある期待と、ある妄想が 膨らんでしまったのです。 このデートを通じて由紀(の格好)が変わってくれるのではないか、 という期待から、変わってほしいという願望が叶うに違いない、と。
だとしたら・・・
由紀は日曜日に備えて、すでに何かしらの準備をしているのでは? たとえば、デート用の洋服や下着を揃えているのでは? このときの私はもう、完全にその妄想に突き動かされていたのでした。
こちらのサイトの数々の投稿作品的に言えば、 「男を意識すれば、まず下着が変わる」「女はまず下着を変える」なんていう 定番フレーズが、やたらリアルに響いていたのを覚えています。
妻フェチ、由紀フェチゆえに私は、一方的な都合の良い思考になって、 まるで導かれるように、音を立てないように注意しながら、 そっと彼女の部屋へと足を運んでいたのでした。 考えてみれば、一人なので忍び足にする必要はなかったのですが・・・
綺麗好きの由紀の部屋は彼女の寝室も兼ねていて、 シンプルなシングルベッドと嫁入り道具として持ってきた箪笥、ドレッサーなどが 整然と配置されている見慣れた景色でした。
早速、箪笥の引き出しの取っ手に手をかけた時に、私は思いました。 この中にデートのためのセクシーランジェリーが、いやそこまでいかなくても 年相応に「デート」用の新しい下着が準備されていてほしい、 という前向きな期待。
しかし一方で、本当にデートのためにわざわざランジェリーが用意されていたら、 由紀の下着が本当に変わっていたら、それで良いのか?という焦りと不安。
この期に及んで、私の気持ちは期待と不安、焦燥と動揺に一気に緊張していました。
大袈裟かもしれませんが、箪笥の引き出しに手をかけたまま、 私は少なくとも3秒くらいは固まっていたのでした。
箪笥の中、知っている限りでは、いわゆるランジェリー系は、ホワイトデーに贈った 薄いピンクのスリップが奥の方にしまわれているのは知っていましたし、 先日の葬儀で見た黒いスリップや薄黒の艶っぽいストッキングもベンチ入りか?
そんな「私のいろんな思いの詰まった」妻の箪笥の引き出し・・・ ついに私は開けてしまったのでした。
結果は・・・
「変化なし」でした。
長い年月を経てきたであろう、何度も洗濯されたであろう、変わり映えしない 白やブラウン、ベージュといった無難な色の地味なラインナップ。 いかにも50代の主婦らしい、平凡で実用重視で機能的な下着たち。 ブラジャーやババシャツ、ガードル、そして一分丈ショーツ(=デカパン)たちが、 いつものように整然と並んでいたのでした。 薄いピンクのスリップも、ちゃんと奥の“定位置”に収まったままでしたが、 黒のスリップは見当たりません(実家に置いたまま?)でした。
正直なところ、私はその結果に「ほっ」としていたのでした。
そうなると勝手なもので、安堵したのも束の間、 セクシーな下着、新しい下着が一枚もなかったことへの残念な気持ち、物足りなさや がっかり感が顔を出してきていたのです。
でも そう思った直後に、自分でも苦笑いをしていました。
「なんて小心者なんだ」、と。
冷静に考えてみれば、今回のイベントは、あくまで「デートごっこ」レベル。 由紀も、おいそれと わざわざ下着まで用意なんてするはずもないですよね・・・
何も変わっていないのは、むしろ自然なことだと、わかってはいたのですが・・・
皆さんがもしこのときの私の立場だったら、どんな気持ちになっていましたか?
さて、そんなこんなでリビングに戻った私は、再びリモート勤務のデスクに戻り、 形だけでも仕事に取りかかろうとしたのでした。
でも、どうしても頭が仕事に戻らず、 ふと思いついて、私は平尾にメールを送ることにしたのでした。
- [149]
Re: 覆水盆に返らず
しん
:2025/05/20 (火) 13:03 ID:WcJWWST6 No.201991
- 矢部さん投稿有り難うございます。
そうですか新しい下着類は見当たらなかったですか。 「デートごっこ」と言っても奥様は平尾さんと二人だけのデートですのて何らかの期待?を抱いていると思いますよ。 新しい洋服や下着類もきっと何処かに準備しているか、間際に購入されるのでは。 私としてはデートの日が待ち遠しくてなりませんが矢部さんのペースで投稿してください。
- [150]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/20 (火) 13:08 ID:2qg7mtms No.201992
- 奥さんの下着に変化なしは、NTRからすれば残念な結果ですね。
でも本番までまだ3日もありますし。 たとえ本人はごっことしても、周りから見ればカップルですし 男性と午後を共に過ごす訳ですから、下着は新調するのでは? デート前に購入してどこかで着替えて、平尾さんに逢うことも 可能かと思います。
続きを楽しみにしています。
- [151]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/20 (火) 18:45 ID:dLWBJFjU No.201993
- 普段遣いの下着のある場所に特別な下着を置いておくでしょうか?
矢部さんも認知している箪笥という認識が由紀さんにあるのならなおのこと。
「ごっこ」だとしても、まがりなりにも大人の男と女のデートです。 現状ありえないと思っていても、いざという場面が絶対にないと断言できません。 由紀さんが平尾さんとのそうしたことまで想定していないとは考えにくいです。
勝負下着とは言えないまでも特別な下着は必ず用意するはず。 普段遣いの指定席とは別なところにこっそりとしまってあるのかも。 あるとすれば、こっそり試着くらいはするはず。 そう考えたら、箪笥以外の場所も一応のチェックは必要かと思います。
妄想オヤジの戯言です(笑)
- [152]
Re: 覆水盆に返らず
ベイスター
:2025/05/22 (木) 10:11 ID:.kPZqJB. No.201997
- 熟女のスリップ姿は萌えますね! 奥さんが羨ましい
次まだですか?
- [153]
Re: 覆水盆に返らず
んっ
:2025/05/22 (木) 11:26 ID:d7yMYHc6 No.201998
- このまま200まで行く気ですかね〜
- [154]
Re: 覆水盆に返らず
ああ
:2025/05/23 (金) 13:39 ID:Sscb9fYM No.202001
- 始めから読んだんですが無駄な話しが多すぎる気がした
実家の話しやラーメン食った話しやタンスの話しや。。まだまだ 必要な事だけ出せばいいんだと思いますよ
- [155]
Re: 覆水盆に返らず
このお話は…
:2025/05/23 (金) 15:36 ID:SBm6nXBQ No.202002
- 関わる方の葛藤や心境の変化などを感じながら読ませていただくものです。
一見関係ないような話題でも必ず何かに影響してます。 ストレートな話を求めるのであればAVでも観てましょう。
- [156]
Re: 覆水盆に返らず
セックス太郎
:2025/05/23 (金) 16:48 ID:pwVGev/s No.202003
- い、イヤな流れ…
- [157]
Re: 覆水盆に返らず
エムエヌ
:2025/05/23 (金) 19:00 ID:vS./eXsU No.202004
- なんでも体験や文庫よりの作品ですが秀作です
おもしろいです 表現が非常に細かく臨場感があります 闇文庫ってサイトありますが(昔投稿された寝取られ実話の復活サイト) それみたいな内容です 今後も投稿お待ちしております いろいろな意見がありますが 秀作なのであまり反対意見が多いと 著者のやる気を削ぐのでやめて頂きたい
- [158]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/23 (金) 20:38 ID:3j3yHfMQ No.202005
- しん様、いつもコメントをありがとうございます。
>矢部さんのペースで投稿してください。 お心遣いありがとうございます。 遅筆で展開自体も遅いですが丁寧に書きたいと思っております。
小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。 >周りから見ればカップルですし男性と午後を共に過ごす訳です この時点では当人たちはそこまで意識をしていなかったと思います。 特に由紀は、了解はしていたもののまだ納得はしていなかった気がします。
倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。 >妄想オヤジの戯言 とんでもないですよ。これからもお聞かせいただきたいです。 ぜひとも宜しくお願い致します。
ベイスター様、いつもコメントをありがとうございます。 スリップ姿、素敵ですよね! 嬉しいです!
んっ様、コメントをありがとうございます。 「200」とは何のことでしょうか?
ああ様、コメントをありがとうございます。 最初から読んでくださりありがとうございます。 文才がないので、コンパクトに纏めることができないのです。申し訳ありません。
このお話は 様、コメントをありがとうございます。 励みになるコメントをくださってありがとうございます。 ご期待に沿うような展開になるのか、描写になるのか、不安ですが・・・(汗)
セックス太郎様、コメントをありがとうございます。 >イヤな流れ 流れ的には確実にヤバい方向に向かっているのかもしれませんが、 この時点では全く安全で安心なイベントだと思っていたのです。
エムエヌ様、コメントをありがとうございます。 秀作だなんてとんでもございません。緊張して書けなくなりそうです(笑) 励みになるコメントを書いてくださってありがとうございます。
****
社用PCを前に 私は、ふと指先が止まったのでした。
大の親友とはいえ、相手は副社長。
「何を どう書けば?」
例の件のことをメインにすると、まるで私のほうから「デートしてください」と 遜(へりくだ)ってお願いしているような気がして、 そうでなくとも副社長の彼には、引け目を感じていたこともあり、 そのことが妙に引っ掛かって、メールの書き出しに悩んでいたのも事実です。
もちろん社用のPCですから、とりあえず どうでも良い業務的な内容を何件か、 取引先A社の収支の傾向は、いかがでしたでしょうか?とか、 取引先B社の窓口担当は、どなたでしたでしょうか? などを綴った後に、 例の件に触れたのでした。
たかがメールの文面に悩む自分が、滑稽にすら感じられた一コマでした。
メール: 「平尾副社長様 いつもお世話になります。 」から始めて、 本文の下段、4分の1くらいのところから、
「ところで日曜日の件、こちらも準備は整えました。 ぜひお気軽に 気分転換を図っていただきますよう、気楽にお楽しみください。 詳細の事につきましては、ご都合良いときにお電話をいただけますでしょうか?」
と、簡潔に無難に書いて発信したのでした。 わざとらしく最後までビジネス用のトーンで綴り上げました。
(わざわざ お前のために準備してやってるんだぞ!)
(まぁせいぜい楽しめよ!)
この時 私は確実にマウントを取った気分でした。
ところが、意外にもすぐに平尾から返信がありました。自動返信で。
「出張中なので開封・返信が遅れます、お急ぎの方は秘書までお願いします」
と それだけ。 まるでシステム通知のような淡々とした一文。
瞬間、私はメールを発信したことをとても後悔しました。
もちろん仕事ですから、このような返信があるのは当たり前のことです。
私がこのときに思ったのは、 彼にとっての例の件は、私がここまで思いを寄せているほどではないのでは? つまり彼にとってはone of them・・・ そんなふうに思えて仕方がなかったのでした。
しかも「出張、お急ぎの方、秘書」という単語の並び。 どれもが、私には眩しくて 遥かに遠い言葉に感じられたのでした。 同期入社した あの無頓着で少しお調子者だった男が、 今や副社長として、あちらこちらで人を使い 秘書を従えて、活躍をしている。 まさに現実を突きつけられた気がして、嫌でも彼とのレベル差を痛感したのでした。
そんな気持ちになってしまった私、 平尾に送信した 恩着せがましく書いたつもりのメールを もう一度読み返すと、 見方によっては、その文面がまるで妻を献上するような、 そんな風に捉えられることもできなくもない・・・ 見事な?オウンゴールを決めてしまったような、 やるせない心境になってしまいました。
ただ、そんな発想になること自体が、先にも触れた 雑音が一つもない空間で、 普段考えないような突飛なことや 些細なことを考えすぎてしまう、 どうでも良い感情だけが膨れ上がっていくということですよね。 このリモートワーク中は、少なくとも私にとって例の件はall of でしたので。
私は思わず、立ち上がってキッチンへと足を運んだのでした。 なにか口に入れれば、少しは気分も紛れるかと思ったのですが、 冷蔵庫の扉を開けても、取り出す気になるものは何もなかったのを覚えています。
「ただいま〜」
やがて由紀もパートから帰宅して、いつもの日常(の雰囲気)が戻ってきました。
言動も仕草も動作も所作も外見も 何もかも全くいつもと変わらない由紀でした。 彼女も、わたしが勝手に平尾のメールから感じられたように、 one of themだったのかもしれませんね。 いや彼女も、ポツンと一人になった時や、静かな空間にいるときには、 もしかしたら私と同じように突飛なことや 些細なことを考えすぎていたのかも しれません。 もちろん彼女の深層の気持ち 心の奥底までは、わかるわけがないのですが。
一方の私は、「例の件」を意識しながら、逸る気持ちを表には出さない程度に 何もなかったように、夕飯を食べ、テレビを見て笑いもしました。 努めて平静を装い、いつも通りに過ごしました。
平尾のからのLINEに気が付いたのは21時前くらいでしょうか、 「電話、大丈夫?」とのメッセージが30分前に届いていました。
私は一呼吸おいてから「10分後で」と返信、 既読を確認してから、
「ちょっとコンビニに行ってくる・・・」
私は財布とスマホを手にして、若干急ぎ気味に玄関を出たのでした。
- [159]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/23 (金) 22:47 ID:hkmxjHho No.202006
- 平尾さんにしても、由紀さんにしても、矢部さん同様
3日前に迫った日曜デートの件は、皆初めての経験なので all of にならざるをえなかった気がします。 三人にジワジワと迫って来る緊張感がいつもの日常生活の 中に漂っているのが印象的ですね。
続きを楽しみにしています。
- [160]
Re: 覆水盆に返らず
ベイスター
:2025/05/24 (土) 14:38 ID:3lThQJcE No.202009
- 奥さんがでたけれどセリフなしですか、
残念 男と男の電話は面白みが無いと思うます。
- [161]
Re: 覆水盆に返らず
かさぎ
:2025/05/27 (火) 07:05 ID:vdmhkzLM No.202016
- 続きが待ち遠しいです
- [162]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/05/27 (火) 17:01 ID:ziTb7cCw No.202022
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。
> 3日前に迫った日曜デートの件は、皆初めての経験なので all of にならざるをえなかった気がします。 ・そうですね、初めてですからね・・・ 他人の気持ちはわからないけど、密かに考えていたのかもしれないですね。
ベイスター様、いつもコメントをありがとうございます。 もうしわけありません。今回はご指摘のあったシーンでした。
かさぎ様、コメントをありがとうございます。 励みになるお言葉です、とてもうれしいです。
****
私が向かったのは、自宅から歩いて10分もかからないでしょうか、 メイン通りに面しているコンビニでした。
同じ敷地には、24H営業のスーパー(由紀がパートをしているところではありません)、 中華料理店や焼肉屋、回転すし店、安くて旨いうどん屋、クリーニング店、携帯電話ショップ、 フィットネスジムなどが並び、広めの駐車場を囲むように店が立ち並んでいます。
夜でも人通りが絶えないその空間は、まさに地域に溶け込んだ日常の一部にもなっていて、 もちろん私も、ひと月に何度となく利用をしている勝手知ったる場所です。
21時を過ぎたといってもまだまだ残暑の時期、まだ空気には熱気がこもっていました。 私は早足で来たせいか汗ばんでいたので、すぐにコンビニに飛び込んで、 ひと時の冷気に癒されながらグレープフルーツ果汁入りの炭酸飲料を買いました。
私は店外ヤード芝生スペース内で できるだけ風通しが良さそうな所のベンチを選び、 腰掛けて平尾からの電話を待つことにしました。
車は絶えず出入りがあり、若い家族連れやサラリーマン風な単身の男性、 大学生?高校生らしき友達同士、塾帰りの親子、配送トラックのドライバー、 コンビニ前で何かを待っているような若いカップルなど 様々な人が行き交っていました。
私は、視界に入る人を観察とばかり、その人の日常や背景を想像していると、 幾分か暑さも和らぎ 気持ちも落ち着いてきました。
と、胸ポケットのスマホが震え、平尾明正の名前が表示されました。 さぁ、来たな・・・ 私は大きくひとつ息を吐いてから、応答ボタンを押しました。
「おぉ! おつかれさん、いきなりメールして すまんな、忙しいのに」と私。
「構わんよ・・・ あっ 今、メールの返事しといたよ」と平尾。
その後は当たり障りのない仕事の話、正直なところ、私にとってはどうでもよい話、 もしかしたら平尾も同じだったのかもしれません。 会話自体はまるで慣れた儀式のように、淡々と流れていったのでした。
「おい! お前、まさか 今も仕事中?」
聞けば、平尾はまだ会社にいるとのことでした。 韓国出張からの戻りで、空港からそのまま会社に直行、自席からの架電でした。 明朝の役員会に備えてレポートを仕上げるつもりらしく、 今夜は終電を過ぎるからタクシーで帰るつもりだ、と笑っていました
「マジか!さすが副社長やな!」
と私は言ったものの、 そこまで仕事に頑張る平尾がかわいそうに思えてきたのを覚えています。 同時に、やはり「遠い存在になってしまった」という寂しさもありました。
そのほか、遅めの晩御飯は牛丼食って帰る、 さっきドリンク剤飲んだし大丈夫やろ、どうせ家に帰っても誰もおらんし、 と明るく語る平尾でしたが、その声はやはりどこか疲れを感じさせるトーンでした。 彼らしく、帰りの便のCAはサイコーやったで、と語った言葉ですら、 どこか空虚に響く感じだったのです。
(そうなんだ。これが原点だったんだ)
例の件は、そんな疲れた親友を元気づけたかった。それだけだったはず。
なのに、最近は一生懸命に私の歪んだ情欲を優先させてきていたことに、 あらためて気づかされたワンシーンでもありました。 単純な私は、やっぱりこいつ(平尾)をなんとかしてやろう、と思い直したのでした。
「それで日曜日やけど、1時半に牧里駅北口のロータリーに来てくれ」と私。
「1時半な、わかった。 そやな、あそこやったら屋根もあるし」
迎えは駅で、送りは自宅まで、と私は彼に伝えました。
「すまんな・・・奥さん、せっかくの日曜やのに、なんか悪いな・・・」と平尾。
「気にすんな、ヒラの気分転換が目的やし・・・ あ! 変なことすんなよ、あはは」
「するかいな! 女房(亡妻、直美さん)が 空から、絶対 バチ当ててくるし・・・」
続いて平尾は、今までも ふとした時に「直美さんがどこかで見ているのでは?」 と思わせるようなシーンがあったことを語り始めたのです。
直美さんの話・・・ このまま続けると、ひとりで寂しく仕事をする平尾に、 余計に孤独を助長する雰囲気になる、そんないつものパターンを察した 私は、
「そっか そりゃあかんな・・・ ま、とにかく日曜日は しっかり気分転換してな!」
「ありがとう・・・ って、もうあと3日後か、やばい緊張してきた」
「緊張なんかせんでも えーよ。 普通にオバサンと会って話するだけなんやから」
私は、あくまで明るく気軽なイベントだ とスマホに笑顔まで浮かべて言いました。
「いやいや、緊張 解すために、仕事でもするわ」 「あはは」
そんな砕けた会話になっていたと思います。
その会話の流れで、デート(ごっこ)の時は、私の話題は出さないようにしてほしい、 私のことは忘れて、目の前の時間を楽しめ、むしろ私の話題は出さないほうが良い、 と伝えました。
なぜなら、「ごっこ」とはいっても、デートシチュエーションであることから、 私の事が話題になると、由紀が変に気を遣い始めるきっかけにもなる気もするから、 とNGワードとして提案をしたのでした。
だったら 逆に、由紀から私の事を話してきたら? それはそのまま話に乗れば良いと、「アドバイス」までしていた私でした。
実は、親友同士の私と平尾とが通じすぎていることを、由紀に知られたくない、 悟られたくない、変に詮索されたくない、という気持ちがあったのです。
由紀が心を開いて、平尾と接する状況にするためには、 私の「影」を消すことが、第一条件だと思ったのでした。 前回、平尾に依頼した、「さりげなく由紀の過去を探ってほしい」、という事だけは、 特に、彼女に知られたくなかった、というのもあります。 平尾も馬鹿ではないので、そのあたりは察してくれた、と思います。
ベンチに座って15分くらいでしょうか、わりとテンポもあって、 それほど長い通話でもなく、それでも内容はぎっしりと詰まっていました。
「頑張りすぎんなよー!」と 私が言って、通話は終了。
ペットボトルの中の残りを飲み干して、
「よし!」
私は思わず声を出してベンチから立ち上がりました。
3日後にいよいよこの企画がスタートすることになったのでした。
私としてはいろいろな思いが交錯する「イベント」ですが、 ここまで段取りを組み、難局を乗り越え、参加者の同意を得て、 とりあえず「実行」できるところまで漕ぎつけたのでした。
なんとなく達成感のようなものに気持ちが満たされると、 オレだってビジネスマンなんだ! という変なプライドが頭を過ぎったのでした。 (電話で平尾の働く姿に刺激を受けていたのもあったのでしょう・・・)
単純な私は大袈裟に気持ちを揚々と昂らせながら、空のペットボトルを ゴミBOXに下手(したて)で放ったのでしたが、無情にも弾かれてしまいました。
こういうところが、私らしい、と苦笑いをしたのでしたが、 (そんなに上手くいくわけがないよ)とでも言われたような気がして、 少しだけ面白くない気がしたのも事実です。 いや、もしかしたら平尾の奥さんからの牽制?(汗)
敷地を出たところで、ふと、「コンビニに行く」と言ったアリバイを本物にするため、 私はコンビニにUターンして、新発売の秋限定の缶ビールとおつまみを一袋買って、 足早に家路についたのでした。
- [163]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/05/27 (火) 21:50 ID:.BdCXj2. No.202024
- これまでは色々な思いが押し寄せてきていましたが、
ここにきて矢部さんも吹っ切れた様子。 さすがに虚心坦懐とまではいかないでしょうが、 あとは「ごっこ」を実行するのみとなりましたね。
コンビニから帰宅した後のご夫婦の会話が楽しみです。 由紀さんに何か変化がありましたでしょうか。
- [164]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/05/28 (水) 00:23 ID:qSCDxKS2 No.202025
- 由紀さんが平尾さんに心を開く為に
矢部さんの影を消す事が必要だった訳ですね。 この事が今後の展開にどう影響を及ぼしていくのか? 影を消し去ってしまった結果、二人はどうなったのか? これから徐々に語られていく訳ですね。
続きを楽しみにしています。
- [165]
Re: 覆水盆に返らず
前戯高齢者
:2025/05/30 (金) 00:38 ID:O2kZtyQg No.202035
- 矢部さん
いつ、どのように、盆の水がこぼれるのか?楽しみに拝読しております。 長丁場になりそうですね。ぜひ最後まで完走して下さい。 陰ながら応援しています。
- [166]
Re: 覆水盆に返らず
ちゃげ
:2025/05/30 (金) 17:49 ID:YyU2PrFc No.202043
- 初めまして、1話から読んでるけど
とても面白みがあります 共感を出来る場面が、沢山あります 話のすすみ方もゆっくりなんだけど味があります 奥様はどんな人ですか?
- [167]
Re: 覆水盆に返らず
しん
:2025/05/31 (土) 13:06 ID:VKLBaDQk No.202048
- 矢部さん、毎回長文での投稿有り難うございます。
おそらく、とんでもない展開になってしまった事を涙を堪えながら書いておられるのではないかと推察いたします。 お子様達もなんで離婚しなければならなかったのか疑問を抱かれ、どの様に説明されたのでしょうか。 次回の投稿をお待ちしています。
- [168]
Re: 覆水盆に返らず
ファン
:2025/05/31 (土) 14:24 ID:iKPMdEoI No.202051
- みんな早く奥さんがヤラれるのを待ってます。みんな一つの話しが長すぎると思ってますよ。
日記の話と誰か書いてましたが無駄が多いデス。 でかパンや自動返信や人間の観察や限定ビールや出張話、無駄です。 矢部さんも会社員なら高率的に書いたほうがイイデスよ。 つぎのデートは奥さんの乱れがあるんですよねお待ちしてます。
- [169]
Re: 覆水盆に返らず
たろう
:2025/05/31 (土) 23:17 ID:DB8y2rZc No.202052
- ファンさん、私はあなたに気持ちを代弁してくれと頼んだ覚えはありませんよ。
小学生じゃないんだから、みんななんて書かない方がいいですよ。みっともない。 矢部さん、気にせず投稿を続けてください。
- [170]
Re: 覆水盆に返らず
またですか…
:2025/05/31 (土) 23:51 ID:gUiqDB5Q No.202053
- 常識に欠けるというか、クレーマー気質な方が多いですね…
投稿者の好意で私達は楽しませていただいているのですよ。 文句言うくらいなら読まなければと思いますが。 他のスレで楽しむか、ご自身の体験でも簡潔に投稿してはいかがでしょうか?
- [171]
Re: 覆水盆に返らず
:2025/06/01 (日) 13:26 ID:31AkrDds No.202060
- 文句言うくらいなら読まなければいい・・・・その通り。ここに来るな!!!!!!
- [172]
Re: 覆水盆に返らず
じろう
:2025/06/01 (日) 15:00 ID:0C8S2MbA No.202068
- Hのシーンがないからでしょう
関係ないシーンが多いからだと思いますよ
- [173]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/02 (月) 20:22 ID:JoSMrG2k No.202080
- 倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。
>あとは「ごっこ」を実行するのみとなりましたね。 ・そうですね、漸く実行の描写まで辿り着きました。応援のおかげでございます。
小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。 >由紀さんが平尾さんに心を開く為に矢部さんの影を消す事が必要だった訳ですね。 ・そうですね、私と平尾が親友なのは彼女も知っていましたから・・・ どうしても警戒心があるような気がしたのです(考え過ぎだったのかもしれないですが)。
前戯高齢者、コメントをありがとうございます。 >陰ながら応援しています。 ・これからも感想をお聞かせくださいませんか、なにとぞよろしくお願い致します。
ちゃげ様、コメントをありがとうございます。 >とても面白みがあります 共感を出来る場面が、沢山あります ・最初から読んでくださってありがとうございます。大変励みになるコメント、ありがとうございます。
しん様、コメントをありがとうございます。 >とんでもない展開になってしまった事を涙を堪えながら書いて ・このように回想をしながら文字に変えていくと意外にも淡々と書けていることに、 私自身が驚いているのです。 もちろん書ける事や書けない事、書いても良い事や悪い事、本当は違うけれどほぼ同じだから このように書いておこう、この表現はヤバいな・・・など、 そのようなことを気にしていると、案外、客観的に書けているのです。 (私の場合だけかもしれないのですが、仮名にしているだけでも違います)
ファン様、コメントをありがとうございます。 >一つの話しが長すぎる、無駄が多い、会社員なら高率的に書いたほうがイイ ・仰る通りだと思います。一つは文才がないので、効率的に描写できないのと、 無駄な描写かもしれないのですが、私的にはその時にそのシーンがとても印象的だったので、 つい書き残してしまったというのがあるのです。 ご指摘の通り、でかパンや限定ビールは、私にとってはとても鮮明だったのです。 大目に見ていただけると嬉しいです。
たろう様、コメントをありがとうございます。 ・大変勇気がいただけたコメントでした。引き続き、応援をお願い致します。
またですか…様、コメントをありがとうございます。 ・ご支援とサポートをしてくださって、ありがとうございます。引き続き、応援をお願い致します。
ヤマユリ様、コメントをありがとうございます。 ・ヤマユリ様のようなメジャーなコメンテーターの方にコメントを頂けると、素直に嬉しいです。 これからも応援をお願い致します。
じろう様、コメントをありがとうございます。 ・そうですね、直接的で激しいエッチなシーンは、正直、これから先も現れないと思います。 ですが、コメントをいただくこともありますので、大袈裟に盛って盛り上げ脚色とかアレンジして 過激なシーンを入れることも考えてみたいと思っています。 ただし私が書くことができれば、ですが 文才がないので・・・(汗)
- [174]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/03 (火) 00:11 ID:O9vCgp6. No.202081
- いよいよ「デートごっこ」を翌日に控えた土曜日の夜。
未だに残暑を感じさせる夏の名残が漂っていました。 このところの夏は、温暖化でしょうか、夏の期間が長くなりましたよね。
夕飯を済ませて一段落ついた私は、まだまだエアコンで冷房が効いているリビングで ソファに身を沈め、バラエティ番組をなんとなく見ていました。
いつもなら 時折入ってくるギャグシーンに合わせるように、 無理をして笑うこともあるのですが、この時に限っては全く耳に入ってきませんでした。 私の意識の大半は、ダイニングでスマホをいじっている由紀のほうへ、 勝手に向いてしまっていたからでした。
ダイニングテーブルの向こうで、うつむき加減にスマホの画面を見ている由紀、 何か検索しているのか、ネットショッピングか、それとも娘の麻里奈とLINE? 彼女の表情は至って普通でした。
チラチラと視線を送っていた私は、とにかく気になって仕方がなかったのです。 さすがに翌日がデートともなると、いくら表向きに平静を装っても、 「無駄な抵抗」だというのを、身をもって知らされたような気がしていました。
振り返ると、由紀が私の提案にいちおう「OK」をしてくれて、 その後に由紀からのお願いとして、「10か条」を提示されて以降は、 私は表向きだけでも平静を装いながら、来たるべき日を楽しみに待っていました。
由紀に気遣って、できるだけ「いつも通り」の日常を送っていたのです。
もちろん不安に思うこともありましたが、そのゾクゾクヒリヒリとした気持ちこそ、 このシチュエーションでしか味わえない事なんだと前向きに理解をしていました。 むしろ積極的にスリルとリスクを追い求めていたのが正直なところでした。 (例えば、あの日以降も 箪笥の中を探っていた、とか・・・(汗))
笑い声の効果音とお笑い芸人の甲高い声が、やたらうるさいバラエティ番組が、 ニュース番組に変わったのを機に、私は木曜日にコンビニで買った限定ビールを 冷蔵庫から取り出すために席を立ちました。
ダイニングチェアに座る由紀の背中越し、 ちょうど後ろを通った時に感じた違和感・・・
「あれ? カアサン、髪 切った?」
思わず 声に出してしまったのです。
これまで私は、由紀が髪を切ったところで、髪型が変わったところで、 気が付いていても、言葉にすることはなかったので。
案の定、由紀は少し驚いたように顔を上げ、それから ふっと笑いました。
「うん ちょっとだけね、揃えた感じ。 今日、帰りに美容院 行ったの」
(そんなことを言うの 珍しいわね、とか やっと気がついたの?) 私に返す彼女のトーンには、確実にそんな思いが込められていました。
「ふーん、そうなんや・・・えんちゃう?」
大袈裟なトーンではなく、いや大袈裟にならないように頑張って調整した声。 本当は気になるくせに、気にしない言葉を出していた私でした。
「そんな、変わってないと思うけど?」と由紀はスマホ画面を見ながら。
「いや、うん、あんまり変わってないけど、でも変わったやろ?」
そう言った自分の声が、少しだけ上ずっていた気がして、 私はそそくさとその場を離れ、リビングに戻ってテレビへ視線を流しました。
「なにそれー?」もちろん由紀は笑っていました。
彼女の髪は、たしかに大きくは変わっていませんでした。 でも毛先が少し軽くなり、肩のラインでフワリと自然に内側へまとまって、 前髪の流れも わずかに変わっていて、全体的に柔らかい印象になっていました。
見慣れたはずの顔が、どこか優しく、そして若々しく感じられたのでした。
言葉を交わす限り、由紀は言葉に無理は感じられませんでした。
ただ由紀は、明日 平尾と会うという事実。 明日という日が、もう すぐそこまで迫っているという現実。
それだけで、私は妙な高揚感と不安を同時に抱えていたのでした。 そしてじわじわと私の心を締めつけてきたのでした。
(デートのために美容院に行ったんだ) (絶対、明日のため 平尾のため・・・だよな)
私は口には出さずとも、胸の奥でそう思い込んでいたのでした。 そうすることでまた自分を昂らせていたのでした。 いや、この時点では、もう そんな余裕はなかったのかもしれませんが・・・
そんなモヤモヤした気持ちを吐き出すかのように、 ついに思い切って、ストレートな質問をしたのでした。
「もしかして、明日 あるから、髪 切ったとか?」
「明日? ううん・・・ まだ暑いし、前から行きたいと思ってただけ」
そう言って由紀は 少しだけ鼻で笑ったような気がしました。 しかも冷静なトーン、強張るわけでもなく キツイ返しをするわけでもなく。
ここでは私が「一本取られた」感じでした。
そんな私に、続きの質問はさせないとばかりに、
「あ、先にお風呂入ってくる・・・」
そう言って、すぐに立ち上がった由紀は、 スリッパをぺたぺたと鳴らしながら脱衣所へ向かいました。 その背中を目で追いながら、私は、無意識に深く息を吐いていました。
(オイオイ 何してんねん、落ち着けよ)
内心でそう自分に言い聞かせても、うまくコントロールが効かない・・・ 元気なのはテレビの音だけというリビングにひとり。
私は、本当に胸の奥が ぐにゅぐにゅしてどこか落ち着かなかなくて、 変になりそうでした。
そんなふうに私がモヤモヤと気持ちが混濁している間に 湯上がりの由紀がリビングに戻ってきました。
ラベンダー色の綿素材、袖口と裾には、控えめなレースがついていて、 女らしさというよりも、年甲斐もなく可愛らしささえ感じさせるパジャマ。 華奢な肩に少しゆとりのあるサイズ感で、生地がふんわりと体に沿っていました。
まだ由紀の髪は完全には乾いていなくて、ところどころに湿り気を残したまま、 ラフに下ろされていましたが、その自然な佇まいが逆に私には眩しく思えました。
由紀はコップに入れた麦茶を飲みながら、ソファの端に腰を下ろしました。
ここですぐに、「俺も風呂入る」と席を立つのはあまりにも不自然、 かといって、テレビの話題も取って付けたようで、おかしく感じる。
何をどのように振舞えばよいのか、正直、私は戸惑っていました。 が、その一方で、冷静にこの状況を分析もしていたのでした。
なるほど、こんな雰囲気になるのが嫌だから、由紀は条件を考えたんだ・・・ 「普段通りの変わらない生活を送りたい」と。
そうは言っても、翌日に初めてのデートを控えた今日は、やっぱり特別。 思うところは彼女も同じだったのです。
「明日、ごめんな、せっかくの休みの日なのに」
思い切って、私から口を開いたのでした。
「ううん、半日だから・・・ あっ、洗濯物と炊飯器のスイッチ 忘れないでね」
由紀が嫌がることなく、普通に返してくれたことに安心しました。
「うん、わかってるって。心配すんな・・・」
「心配はしてないけど・・・」
「明日は天気、良さそうやな」
「うん・・・ あっ、で、明日って、どこ行くの?」
意外にも、由紀のほうから話を切り出してきました。
「え? 俺が聞きたいくらいや。 でも、そんなに遠くには行かんやろ」
「えー! そうなんだ。 話、したんじゃないの?」
由紀は依然として普通のトーンで聞いてきました。
私と平尾が通じていることは前提、というのが彼女の中にあったのでしょう。
「あ、話はしてるけど、そんなに このことばかり話さんよ・・・」
私は「前提」と思われることは、避けたかったので、さらに続けました。
「半日の気分転換やし、そんなガチガチに思ってないやろ、知らんけど」
「ふーん、そっか・・・ そんな感じなんだ・・・」と由紀。
由紀はパジャマの裾を指先でつまみながら、少しうつむいていました。 湯上がりの肌がまだ赤く、その仕草が どこか少女っぽく可愛らしく見えました。
「まぁ、あいつなら気の利いたこと考えてるやろ。楽しんできたらええよ」
「ねえ、トオサン」
由紀が、ふと顔を上げて、 その瞳の奥は、不安と少しの覚悟がにじんでいるような気がしました。
「私、本当に ちゃんとできるかな?」
その言葉は、まっすぐに私の胸に刺さったのを覚えています。
だけど今さら迷わせるようなことは言えない。 いや 言ってはいけない。
「大丈夫やろー 楽に話してくるだけでええし、無理もせんでええから」
そう言うと、由紀は うっすらと微笑んで、
「そうよねー 平尾さんも、あとトオサンにも元気になってもらわんとね」
由紀は、無理に明るめのトーンで返したように聞こえました。
「頼むわ・・・全然、治らんし・・・ホンマ、アカン!」
私も努めて明るく返したのですが、由紀は頷いただけでした。
直後から ふたりとも黙ったままで、テレビの音にまかせていました。
とにかく私は、由紀が取り乱すこともなく、 少しだけでも、デートのことに触れることができてホッとしました。
(それにしても、前日でこんな感じだから 当日はヤバいな・・・)
寝取られの醍醐味が、ほんの僅かですが わかったような気がしました。
時計の針は確実に翌日に向かって進んでいたのでした。
(ちなみにその日、洗濯機にはいつものデカパンが入っていました;;)
そして、いよいよ「その日」を迎えることになったのです。
- [175]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/06/03 (火) 06:55 ID:5qAd3SJM No.202082
- 由紀さん、平尾さんと逢うので、髪を切ったのですね。
やっぱり由紀さんもデートごっこに向けて 色々考えていたのですね。 いよいよ当日になりますが、由紀さんの他の変化 特に下着の変化はあるのでしょうか?
続きを楽しみにしています。
- [176]
Re: 覆水盆に返らず
外野席
:2025/06/03 (火) 07:37 ID:iqGaMcmU No.202083
- 「覆水盆に返らず」の諺に興味をもって一読しました。
男の友情で発せられた「奥様の貸し出し」言葉の重み、責任の重大。 奥様であっても一人の女性です。
矢部さん、いよいよ奥様の出番で心願成就です。今後は阿轆轆地を 期待しています。
- [177]
Re: 覆水盆に返らず
愛妻の夫
:2025/06/04 (水) 00:17 ID:.qSS1TBc No.202097
- ここもくれくれ症候群が多いですね。
書き手が告白したい肝は必ずしもエロシーンじゃないのですよ。 実話であれば尚更です。 身バレが困るし、エピソードをそのまま書けないのは当然。 投稿して初めて分かる葛藤です。
楽しみにしてます。
- [178]
Re: 覆水盆に返らず
太郎
:2025/06/04 (水) 08:41 ID:Xt/swlwU No.202105
- いよいよここまで来ましたかぁ!私ごとのようにドキドキします。
- [179]
Re: 覆水盆に返らず
しん
:2025/06/04 (水) 11:50 ID:KiVFRPsU No.202108
- ついに由紀さんと平尾さんのデートですね。
平尾さんはどんなデートプランを計画しているのでしょうか。 冒頭に「温泉にでも」と平尾さんに提案していましたが日帰りの温泉ですとあまりゆっくりは出来ませんね。 お泊りになってしまうのでしょうか。 奥さん由紀さんの装いとどのようなランジェリーを身に着けて行くのか気になります。
- [180]
Re: 覆水盆に返らず
K
:2025/06/04 (水) 17:29 ID:t3uLcnLs No.202113
- 多分また普通の話しでイライラさせない様にして下さい。
期待してます。w
- [181]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/10 (火) 16:42 ID:dlh6H.Uk No.202168
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。
> 由紀さんもデートごっこに向けて色々考えていたのですね。 ・どうだったんでしょうか、考えていたというよりも割り切っていたのかもしれないですね。
外野席様、コメントをありがとうございます。 >今後は阿轆轆地を期待しています。 ・そうですよね・・・やっぱり「物語」として、展開を早くしたほうが良いのでしょうかね? ご期待に沿う内容ではない気がして、とても不安です(汗)
愛妻の夫様、コメントをありがとうございます。 >エピソードをそのまま書けない、投稿して初めて分かる葛藤 ・ありがとうございます。心強いコメントです。
太郎様、いつもコメントをありがとうございます。 ・こんな拙い文章でもドキドキしてくださり、本当にありがたいです。
しん様、いつもコメントをありがとうございます。 >装いとどのようなランジェリーを身に着けて行くのか気になります。 ・ご期待に沿えば良いのですが・・・(汗)
K様、コメントをありがとうございます。 ・普通の話でイライラさせてしまい申し訳ありません。 話自体、ほかの投稿作品のような過激で斬新な展開ではないのかな、と。 ご期待に沿えば良いのですが・・・(汗)
読んでくださっている皆様へ 拙い文章ですが、応援をしていただきありがとうございます。
- [182]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/10 (火) 18:19 ID:dlh6H.Uk No.202169
- 気がつくと、カーテンの隙間から差し込む光が、目の奥に痛く刺さっていました。
寝返りを打った拍子に、枕元のスマホが反応してうっすらと画面が光っていました。 私は、ぼやけた視界の中で、手探りで拾い上げて画面に目を凝らすと「09:39」の文字。
(うわっ・・・やばっ・・・寝すぎた!!)
そう思いながらも、体は鉛のように重くて、ベッドの上で私はしばらくぼんやりと 現実と夢の狭間に漂っていました。
眠りが浅かったのはわかっています。 昨晩、いや今朝方まで、ほとんど寝ていなかった、眠れなかったからです。
夢か妄想か、薄ぼんやりと脳裏に残っている映像(しかもカラー)でした・・・
濃紺のワンピース、襟元に控えめなボウタイリボン。 艶やかな髪を風に揺らして、控えめで、それでいて艶があって、 色気を感じさせる装いの由紀。
(なんで暗い色なん?)
勝手に夢を見ながら、自分でツッコミを入れる。 でも、そういう妄想が止まらない夜だった、と記憶しています。
考えれば考えるほど ざわめきがうねる感じになって、なかなか収まらなかったのです。
本当に良いのか? 変なことにならないのか? 由紀は納得しているのか? 納得していないにしても、理解はしてくれているのか? 表向きは平静な由紀も、内心では激しく怒っているのではないか? (あの落ち着いた態度、あれは演技じゃなかった・・・と思いたい)
夢が妄想が、後押しをしたわけではないのですが・・・
由紀は今日、どんな服を着る? ワンピース? タイトスカート?丈は? ストッキングは?色は?光沢は? 下着は? レースが華やかなスリップも着るのか? 化粧は? 口紅の色は? 香水はつけるのか? ハイヒールの音は? 助手席に座る由紀の表情は? 笑顔で気の利いた会話をする平尾は、何を思うのか?
胸の奥が騒ぎ出してしまって、頭がドンドン冴えていく、そんな感じでした。
眠れるわけないですよね・・・ 完全に好みのイメージを作り上げて、私自身が興奮をしていたのでした。
手は繋ぐのかな? いや、まだ会ったばかりだから、それはないはず。 いや、でも、思いのほか意気投合したら・・・まさか? 黒いレースのスリップ姿の由紀が、平尾に強制的にBDSMを試されて、 赤い紐でギチギチに縛られて 涙ながらに忠誠を誓う姿まで・・・とか。
もしかしたら、「とんでもない」由紀が、平尾に見られてしまうかもしれない。
(怖い、でも そうなってほしい、いや ダメだ、でも知りたい、でも聞きたくない)
心では何度否定しても、妄想は軽く追い越していく、堂々巡りでした。
そこに私自身が小心者だという性格も合わさり、 矛盾した思いに押し潰されそうになりながら眠気と興奮がせめぎ合っていたのでした。
ふと・・・
(いや 待てよ? これは平尾を元気付けるための企画だろ?)
本来はそれが目的で、由紀も平尾もこの企画にノッてくれたわけで、 自分本位の妄想を先行させて、悩み葛藤している自分が可笑しくもありました。
気がつけば、スマホの時計は「03:07」を表示していたのを覚えています。
(どうせ、午後から一人やしヒマやし。昼寝でもすればええか・・・)
そう自分に言い聞かせて、ようやく落ち着いたのでした。
耳に入ってきたのは、掃除機の低いモーター音、というか、低いうなり声。 リビングの方から、フローリングを撫でる音が、いつもの生活の音として、 やけにリアルで、現実に引き戻してくれたのです。
(今日は日曜日だったよな・・・)
身を起こすと、どこかで見慣れた日曜日の空気が流れていました。
パジャマ姿のまま、キッチンに向かうと、ダイニングテーブルには、 トーストとゆで卵がひとつ。 由紀がいつもと同じように用意してくれたものでした。 パンにはラップがかけられ、横には「レンジ40秒」とメモ。
(いつも通りか・・・)
思えば、私はまだこの時点では気持ちに「余裕」があったのだと思います。
由紀はベランダに出ていて、洗濯物を干していました。 リビングから窓越しに見上げると、軽やかに、無言で、リズミカルに、 洗濯ばさみを挟んでいく姿が映りました。
その由紀の姿ですが、あまりにもいつも通りすぎて、 むしろ、当てつけのように「普通」を演じているようにさえ見えたのでした。
「あっ おはよう」
ベランダからリビングに下りてきた由紀に、私は声をかけました。
「あ、起きたんだ。これ、レンジで温めてね」
トーストを指さす由紀は、本当にいつもの休日の朝の由紀でした。
いつもと変わらないように見えて、どこか一点だけ、歯車が噛み合っていない、 私は、どこかぎこちない、スッキリしない感覚。
みなさまにも その時の感覚を理解してほしいです。
朝食を摂りながら、テレビをBGMにして、新聞を広げる、そんないつもの日曜日。 けれども、その「いつも」に自分が違和感を持っていることが、 余計に居心地を悪くしていたのでした。
もし今、由紀が「やっぱり、行くのやめる」と言ったとしたら、 案外、スッと 受け入れてしまうかも・・・ そう思ったくらいに、何とも言えない気持ちの迷いもありました。
昨日、いや今朝まで、あれほど高揚していたというのに。 もしかしたら私の中にも、逃げ場を探している自分がいたのかもしれないですね。
(それにしても・・・由紀は本当に行く気、あるのかな?)
由紀は黙々と動き回り、洗濯カゴを片づけ、シンクを洗い、 リビングのクッションを整え、ゴミ箱の中身を取り出していました。
(行かないつもりなのか? 何も言わないし・・・どうなんだろう)
私のそんな複雑化した内面など露ほども気づかぬように、 いや、気づいていながら意図的にスルーしているかのように、 とにかく由紀は淡々といつもの日曜午前、いつもの休日をこなしていたのでした。
リビングのテレビは日曜の定番、情報バラエティ番組が明るいBGMに乗せて、 芸能人が「この秋オススメのキャンプ飯」について賑やかに語っていました。
(うるさいな・・・)
ソファに沈み込みながら、新聞を手にしていた私でしたが、 文字はまるで頭に入ってきませんでした。 視線は活字を追っているふりをしながら、耳は家の中の音に集中していたのです。
不意に由紀が、視線を合わせずに口を開きました。
「何時に出れば良いの?」
急なことで、私は言葉に詰まりそうになりながらも、 (やっぱり行くんだな)と思いあらため、私もようやく踏ん切りというか、 開き直れたというか、背筋が伸びた気持ちになりました。
「あ、1時半に牧里駅で待ち合わせやから・・・」
私は、できるだけ普通に いや少し恍けたくらいのトーンで返しました。
「牧里駅?」
後から聞いた話ですが、このように自宅から離れた所での「待ち合わせ」は 由紀的には、近所の目、という点では助かったみたいです。
わが家と向こう三軒両隣とは、今の時代には珍しく、関係も比較的良好なので、 余計な心配、変な憶測、在らぬ噂などを彼女は心配していたみたいでした。 せめて待ち合わせだけでも、できるだけ家から離れた所にしてほしかった、と。
「うん、そこまで送るし・・・だから1時になったら出るけど?」
「うん、わかった」
由紀の返事は短く、不自然なほど自然でした。
もしかして緊張しているのは私だけ? そんな思いでした。
「じゃ、ちょっと買い物 行ってくるね。 今日のお昼は?」
さっさとエコバッグを肩にかけて玄関に向かいながら、由紀が振り返りました。
「俺、さっき食ったとこやし、腹減ったら、適当になんか食べるよ」
「わかった、じゃあ、行ってくるね」
- [183]
Re: 覆水盆に返らず
しん
:2025/06/10 (火) 18:40 ID:MPQkYsps No.202170
- お待ちしていました。
そうですよね、由紀さんのデートが明日と思うと色々と頭をよぎって寝付けませんよね。 実は私もそうでした。 単独男性を招き、私の目の前で妻を抱いてもらう前日は寝られませんでした。
- [184]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/06/11 (水) 06:18 ID:PhOsquFA No.202173
- 当日になり矢部さんが緊張していたのに対して、由紀さんは普通にいつもの日常を
過ごしてるんですね。 開き直っているのか、肝が座っているのか、由紀さんの自然な仕草が 緊張しまくっている矢部さんと対照的でとても印象深いです。
続きを楽しみにしています。
- [185]
Re: 覆水盆に返らず
かず
:2025/06/11 (水) 17:44 ID:sHX1elY6 No.202178
- 来週の火曜日の投稿が待ち遠しいです。楽しみに待っています。
- [186]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/06/12 (木) 06:25 ID:7p8sC7eQ No.202179
- 奥さんがせわしなく主婦の日課をこなしながら、
ご主人はその脇でゆったりとした時間を過ごしている。 熟年世代の休日にありがちな光景でしょうか。
いろいろな思いが駆け巡っている矢部さんにしてみれば、 由紀さんのその姿は淡々としているように見えたのかも。
ですが、時間のあるうちに家事はひととおり済ましておきたい。 外出を控えた主婦の思いだと思います。
由紀さんにしても緊張は相応にしていたはずですが、 それが由紀さんの気を紛らしていたのではないでしょうか。
由紀さんの一挙手一投足から目が離せません。 引続きよろしくお願いします。
- [187]
Re: 覆水盆に返らず
愛妻の夫
:2025/06/12 (木) 18:54 ID:k/RVFLss No.202188
- いろんな告白があっていいですよ。
そもそも奥様の他人棒描写だって、直に見るのか、録音を書き起こすのか、相手の報告か奥様の告白なのかで違うし、奥様の変化の様子を書くだけかもしれない。
決して激しい性描写が全てじゃありません、 実話ベースなら尚更。
ご本人や奥様の心情の機微も十分に告白ですよ。 エロ小説家じゃないのですからお好きに書いてください。
かつて農家にお手伝いに行く奥様を扱った告白が大好評でしたが、あれだって性描写はゼロでした。
- [188]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/06/12 (木) 20:16 ID:7p8sC7eQ No.202189
- 荒らしの方々、お疲れ様です。
粘着するのはやめていただけませんか?
ひょっとしたら名前を変えただけの同一人物の粘着かも知れませんね。 あなた、とてもキモいですよ。
- [189]
Re: 覆水盆に返らず
自演
:2025/06/12 (木) 20:31 ID:8Lmhy4d6 No.202190
TO矢部さんとイエスマンのIDが、DpQqP3HMで同じなんですけど(笑笑) 倍胡坐さんのご指摘の通りかもしれませんね。
- [190]
Re: 覆水盆に返らず
師
:2025/06/13 (金) 13:30 ID:Bs8VfNGI No.202195
- 我慢できず自演してしまうほど待ち遠しい気持ちは分かりますww
- [191]
Re: 覆水盆に返らず
かい
:2025/06/13 (金) 18:54 ID:/zdl8W8I No.202199
- 最初から読ませてもらってます!ここからが本題ですね!
いつも長文にしてもらえて一気読みできるので助かります。 文章にするのは時間もかかり大変だと思いますが続きをよろしくお願いします。
- [192]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/14 (土) 00:07 ID:f191S0MA No.202203
- しん様、いつもコメントをありがとうございます。
>実は私もそうでした。 ・そうでしたか! 私の場合、投稿したように、いろいろ考えてしまって長い長い夜だったのを覚えています。
小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。 >開き直っているのか、肝が座っているのか、由紀さんの自然な仕草 ・本人ではないのであくまでも想像ですが、由紀もいろいろ思っていたのかもしれないです。 彼女自身が「いつも通り」と言い出した手前、無理してでも自然さを装っていたのかもしれないです。
かず様、コメントをありがとうございます。 >来週の火曜日の投稿が待ち遠しいです。 ・拙い話を楽しみにしていただきありがとうございます。 毎週火曜日・・・ 遅筆なのでお約束はできませんが、頑張ります;;(汗)
倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。 >由紀さんにしても緊張は相応にしていたはずですが、それが由紀さんの気を紛らしていた ・そうだったのかもしれないですね。とにかく私なんかより、腹は座っていたのかと。 >粘着するのはやめていただけませんか? ・とても心強いです・・・(というか)何かトラブル?書き込みがあったのでしょうかね?
愛妻の夫様、コメントをありがとうございます。 >決して激しい性描写が全てじゃありません ・ありがとうございます。とても励みになります。
自演様、コメントをありがとうございます。 > 同じなんですけど(笑笑) ・いろいろ助けてくださり、とても心強いです。
TO矢部さん? イエスマンさん? ・読まれた感想や由紀のことを聞いてくださるのは大歓迎です(誹謗中傷は苦手ですが;;)。
師様、コメントをありがとうございます。 >待ち遠しい気持ちは分かります ・拙い話を楽しみにしていただきありがとうございます。
かい様、コメントをありがとうございます。 >ここからが本題ですね! ・そうですね・・・期待に沿う内容になるのか、どうかですが・・・(汗) >時間もかかり大変だと思いますが続きをよろしくお願いします。 ・励みになります。ありがとうございます。
いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。 次より新しいスレッドを作りますので、ここへの私(矢部)からの投稿はこれで終わります。 新しいスレッドでも、応援や叱咤激励を、よろしくお願い致します。
尚、折角ですので、 No.200になるまで、ここまでお読みになったご感想や印象に残ったシーン(そんなシーンなんてありませんかね;;)等を 書き込んでいただけたら、とても嬉しいです。 それから・・・ 今まで書いた分もこちらのサイトで掲載できる列内の文字数等を考えて、 あらためて最初からの投稿分を列行整理したいと思っています。 その時に「て・に・を・は」の修正や若干の色付けもしたいと思っています。 (もちろん大筋には影響ない程度に、です)
- [193]
Re: 覆水盆に返らず
小太郎
:2025/06/14 (土) 00:45 ID:P5/oMkYo No.202204
- 48番で矢部さんが平尾さんとのデートごっこの提案した
翌日に由紀さんが受け入れたところですね。 「由紀さんは、朝、目覚めたときに、それらの記憶がしっかりと 残っていたから、受け入れようと決めた。」 由紀さんが色々思い悩んだ末に、自ら決めた覚悟が感じられて とても印象に残っています。 そして自分で決めた事なので、由紀さんが自分で最終的に 責任を取ったと推測しています。
- [194]
Re: 覆水盆に返らず
新人類の成れの果て
:2025/06/14 (土) 02:21 ID:rZtjLSjg No.202206
- 40年ほど前、新人類と呼ばれた世代の者です。
冒頭で、2年前に当時の妻(由紀)とは「円満」離婚、と書かれていますが、 スレの題名と「円満」とが正反対のような気がしています。 表面上は「円満」でも、矢部さんの中では決して「円満」ではなかったのかなとも感じます。
スレの題名から、矢部さんにとってはバッドエンドの結末なんだろうと想像しますが、 どの程度のバッドエンドなのか、それは離婚後の由紀さんの動向によるのではないかと、 自分なりに結末を予想しながら拝読しております。 私の中では、離婚するだけの結末であれば、まだましなバッドエンドなのですが・・・ 「元妻も、そんな子供たちを通じて、私のことを気にしてくれている」と書かれており、 離婚後に、由紀さんと直接会われたり連絡を取ったりすることはないようなので、 それができない理由があるのかと、勘繰ってみたり・・・
どんな結末を迎えるのか、楽しみにしています。
- [195]
Re: 覆水盆に返らず
考察
:2025/06/14 (土) 11:31 ID:wGmYjLLA No.202209
- つまり、先が読みたければ早く200まで埋めてください、ということですかね。
でしたら多少は貢献しましょう。
いろいろ言っている人もいますが、手っ取り早くパンツを下ろしたい人が当てが外れて怒っているのでしょうかね。 まあ、私は面白い物語が読めればいいので焦らず続けてください。
- [196]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/14 (土) 13:08 ID:f191S0MA No.202210
- 考察様、ご指摘をしてくださり、ありがとうございます。
「レス数が180を超えました。200を超えると書き込めなくなりますので新しいスレッドをお願いします。」 と、このようなWarningが出ておりましたので、勘違いをしておりました。
「先が読みたければ早く200まで埋めてください」という意味では決してございません。 シンプルに感想や印象に残ったシーンをお聞かせいただきたかっただけです。
ここの投稿が200にならないと、次のスレッドが作れないのであれば、 私も、こちらが200になるまで、こちらで続けます。
- [197]
Re: 覆水盆に返らず
倍胡坐
:2025/06/15 (日) 00:59 ID:c7s3cBCs No.202213
- 矢部さんの平易でわかりやすい文章もあって、折に触れレスをいれさせていただきながら、
気がつけばスレッドが埋まりつつある状況となりました。 あくまでも、このサイトは投稿してくださる方の善意と熱意によって成り立っています。 改めまして、矢部さんにはこれまでのご苦労に感謝申し上げる次第です。
これまで綴られてきた内容から、どのようにして「覆水盆に返らず」へと進展していくのか。 読者のひとりとして、この話が無事完結となるまで応援させていただくつもりです。
どうか、これまで同様のペースで結構ですので、今後もよろしくお願い致します。
- [198]
Re: 覆水盆に返らず
しん
:2025/06/15 (日) 18:25 ID:JxlPUklE No.202225
- いよいよですね。
この先の展開がとても待ち遠しいです。
- [199]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/15 (日) 22:49 ID:HdSzxSrI No.202228
- 小太郎様、いつもコメントをありがとうございます。
>由紀さんが色々思い悩んだ末に、自ら決めた覚悟が感じられてとても印象に残っています。 ・ありがとうございます。深く読んでいただき感謝しかございません。とても励みになります。嬉しいです。
新人類の成れの果て様、コメントをありがとうございます。 >どんな結末を迎えるのか、楽しみにしています。 ・期待に沿うような結末になればよいのですが・・・(汗)
考察様、コメントをありがとうございます。 >面白い物語が読めればいいので焦らず続けてください ・ありがとうございます。励みになります。面白い物語にならないかもしれません;;(汗)
倍胡坐様、いつもコメントをありがとうございます。 > どのようにして「覆水盆に返らず」へと進展していくのか ・いつも心強いコメントをくださって感謝しています。期待に沿うような進展になればよいのですが・・・(汗)
しん様、コメントをありがとうございます。 >展開がとても待ち遠しい ・拙い話ですが、とても励みになるコメントをありがとうございます。
いつも応援してくださる皆々様、本当にありがとうございました。
- [200]
Re: 覆水盆に返らず
矢部
:2025/06/15 (日) 22:50 ID:HdSzxSrI No.202229
- 由紀は、私が見る限り、気持ち急いだ様子で軽く手を振って行きました。
グレーの長袖Tシャツに、紺の半袖シャツを羽織り、下はいつものデニム。 ボブの髪も特に変化なく、気配程度の最低限の化粧。
リビングから窓越し小庭越しに見た限り、 いつものスニーカーを履いて、颯爽と自転車にまたがる彼女の姿は、 いつものスーパー(先日、私が平尾に電話をした)へ食材を買いに行くという、 由紀は ここでも、いつもの日曜日午前の姿、そのままでした。
それだからこそ・・・ 今の姿が、あと数時間後に、どんなふうに変わるのか、を思うと、 私はざわざわと胸の内が落ち着かなくなってきていたのでした。
(それはそうかもしれないが・・・本当に良いのか?)
デート(ごっこ)の時間は刻々と迫ってきていました。 頭の中を巡っていたのは、どうしてもネガティブなことばかりだったのを 覚えています。
仮にスーパーから帰ってきた由紀が、 「トオサン、やっぱり私、行かないから・・・」と言ってきたら?
その時の私は、“なんとか説得して行かせる” のではなく、 素直に彼女の言葉を受け入れたほうが良いのかもしれない、 そして平尾にキャンセルの連絡をするとしたら、どんな言葉で切り出そうか、 そこまで考えが及んでいたのでした。
(いや 待て せっかくここまで来たんだろ? あと少しで興奮できるだろ?)
と、なんとかポジティブな気持ちに切り替えたところで、
(それでも、夕食時には、由紀はこの場所にいるのだから・・・)
と、ネガティブな気持ちを宥(なだ)める程度のものでした。 今 振り返ると、本当にビビっていたのです。 私は本物の小心者でした。
いろいろな思いが巡っていた私は、何をするでもなく、落ち着かず、 とりあえずソファに体を沈めていました。
テレビでは、旅番組がBGMのように流れていて、どこかの温泉街の映像が、 ゆったりと移ろっていました。
「温泉か・・・」
その時ばかりは、思考が他の事を全く寄せ付けなくなっているのがわかった私、 もう じっと座っていることができなくなって、とりあえず立ち上がると、 足は由紀の部屋へと向かっていました。
(いや、さすがに・・・)
そう思いながらも、気づけば箪笥の引き出しに手をかけて、 期待? いや むしろ不安先行で そっと開けていたのでした。
中身は、いつも通り。 前回見た時と同じで、あえて書くとしたら・・・ 長い年月を経てきたであろう、何度も洗濯されたであろう、変わり映えしない 白やブラウン、ベージュといった無難な色の地味なラインナップ。 いかにも50代の主婦らしい、平凡で実用重視で機能的な下着たち。 ブラジャーやババシャツ、ガードル、そして一分丈ショーツ(=デカパン)たちが、 いつものように整然と並んでいたのでした。
(変わってない・・・)
拍子抜けとも安心ともつかない不確かな感情が、私の胸の中で 絡まり合ってきたのです。
ただおかしなもので、変化がなかった、という結果がわかると、 一転して強気になるという、小心者特有の性格でしょうか・・・ もっと何か劇的な下着。 たとえば エレガントなレースのスリップやキャミソール、 艶っぽいブラジャーとセットのTバック、で なくとも華やかなショーツとか、 このテの状況にありがちな(こちらのサイト風な)下着の存在を期待していたかの リアクションになっていたのです。
(オイオイ・・・デートに行く気あるのか?)
そのあと私は、足が向くままに自分の部屋に入ったのでした。 なんとなく棚からコミック本を取り出して、ページをただパラパラとめくったり、 スマホ片手にYouTubeで見つけた「伝説のゴールシーン100選」を再生しながら、 感情もなく歓声を聞き画面を見ていただけでした。
落ち着かない気持ちを落ち着かせようと「何かをしている」だけ だったのです。
すると、自転車のスタンドを立てる音が、私をリアルタイムの現実に戻しました。
「ただいまー!」
由紀の声には、どこか勢いが感じられました。
私は、階段を下りながら、どうでも良いことを由紀に聞いていました。
「おかえり・・・ 人、多かった?」
「ううん いつもの日曜と同じ。 外はまだまだ暑いねー、もう10月なのに」
軽く汗ばんだ額を手であおぎながら、由紀は急ぎキッチンへと。
声のトーンは独り言のようでいて、どこかで私の反応を意識しているような? 絶妙な距離感を感じました。(これは、私の思い過ごしだったのかも)
冷蔵庫を開け、由紀はエコバッグから次々と買ってきた品物を入れてました。 牛乳、卵、ミニトマト、ヨーグルト、そして冷凍食品・・・ 本当にいつものペースで、いつもの空気がそこに漂っていたのでした。
「晩ごはん、これねー」
私に向けて見せたのは、 てんぷらの盛り合わせと、パックに入ったポテトサラダ、ということは? 「デートの日は、夕食はお惣菜中心になる」という、 このデート企画を受け入れるときの由紀からの条件を思い出しました。
由紀自身が その「10か条」を抜かりなく行使したことで、 デートに「行く」もしくは「行く気になっている」ことが確定したのでした。
冷蔵庫を閉めたあと、由紀は何も言わず、テーブルに座って、 氷を入れたコップに冷たい水を注ぎインスタントのコーヒー粉をさっと入れて、 二人分のアイスコーヒーを作りました。
「私も、お昼はいらないかなー?」
由紀は ポツリと呟くように言いました。
私は反応するべきか、流すべきか、一瞬迷ったのですが、思わず聞き返しました。
「え、食わないの?」
「うん・・・だって、まだ早いしねー」
時計を見ると、11時半ちょうど。 食べても良いし、食べなくても良い・・・ そんな微妙な時間ですよね。
「あーあ・・・ やっぱり食べる気にならないよー」
そう言って、由紀はわざとらしく 口をすぼめて 泣き顔を作っていました。
思わず笑いがこみ上げた私は、肩の力を抜いて言いました。
「ま、あいつにうまいもん、食わしてもらい?」とか、 「アウディで、ドライブついでに 美味い店とか洒落たカフェとか・・・」
私は あえて車名まで伝えたのでしたが、そこには由紀は無反応でした。
「それはムリー。 もぉ! トオサン、ホントお気楽なんだから・・・」
そう返しながらも、由紀は自然体で笑っていました。
そのあとしばらくは、ごくごく普通の会話が続いたのです。
「なんか、マリちゃん(※)が近々帰ってくるって」と由紀。
「ふーん」
「さっきね、スーパーの駐車場にパトカー来てたよ」と由紀。
「なんかあったん?」 などなど・・・なんでもない、どうでも良い会話。
思えば、私としては、なんとか平静を装うための貴重な会話でした。 そして、もしかしたら・・・ 由紀も私と同じだったのかもしれませんし、 単なる話を無感情にしただけだったのかもしれません。
由紀が壁掛け時計に目をやり、スッと椅子から立ち上がりました。
「そろそろ準備するね」
そう言って自分の部屋へと向かう後ろ姿が、やけに強く見えたのを覚えています。
(準備する、ってことは、本当の本当に行く気?) (マジ? 本当に? いいの? マジ?)
私は、胸の奥がすうっと冷たくなり、喉にすごく違和感を感じました。 この時点でも、私のほうは、まったく決心も覚悟もできていなかったのです
(でも、まだ、わからん・・・よな?)
まるで取り残されたような私は、日曜 昼のテレビ番組を目だけで追っていました。
(※):娘、麻里奈のこと
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