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[2123] 珠代への罠@ のりのり 投稿日:2007/07/12 (木) 18:48

<前作「不動産屋との出来事」のあらすじ>
マイホーム用に絶好の土地を見つけた夫婦、浩介と珠代は、何とかその土地を自分たちのものにしようと、ある夜、担当の不動産屋の社長を自宅に招き接待をした。その場で土地が浩介たちのものになりそうなことを匂わせた社長だったが、宴席の最中、珠代に巧みに接近を企てた。珠代の態度次第で土地の契約が最終決定されることを匂わせた社長に、浩介が眠りこんだこともあり、珠代は遂に体を許す。浩介とは全く違う社長の激しい責め、そしてたくましい肉体に、何度も達してしまった珠代は、自らも淫らに求め、初めて性の悦びを知る。そして浩介はその一部始終を目撃し、興奮を味わったのだった。

*************

不動産屋の社長から私の携帯に電話があったのは、土地の本契約が完了してから1ヶ月ほどたった頃だったろうか。社長が家に来たあの夜からは既に2ヶ月が経過していた。その電話によれば、土地取得の件で、先約をしていた人間がいまだに不満を言っているとのことだった。電話越しに以前と変わらぬ社長の大きな声が響く。
「契約はもう完了してますからな。法的にはご主人の土地ということで全く問題はないんですよ。ただこちらも商売人ですからなあ。なかなか突っぱねるわけにもいかずにね」
「それはわかりますけど」
オフィスにいた私は、携帯を持ったまま外の廊下に出ると、電話を続けるため、誰もいない喫煙ブースに入った。
「向こうさんも以前から随分熱心にうちに通っていたお客さんでねえ」
外からなのか、社長の声は雑音交じりで少し聞きとりにくかった。
「しかし困りましたね。既にこちらは工務店さんの地盤調査やら始めちゃってますよ」
「いや、ご主人、決してご迷惑をおかけはしません。ただね、1つだけお願いがあるんですよ」
「お願い?」
社長が言うには、先約をしていた人間は私と同じ40代前半の男性で、妻、そして子供が3人いる家庭とのこと。賃貸マンションに住んでいるのだが、親と同居をしたいとのことで、土地を購入の上、一戸建て建築を希望していたらしい。しかしこちらのプッシュに負けた形で、件の土地からは手を引いた格好になっていた。そしてその男性がこちらから一言感謝の態度を示して欲しい、と言っているとのことだった。
「そんなことならお安い御用ですよ。すぐにでも私が電話しましょうか」
私はすぐにでも片付けようと、社長にそう答えた。
「いや、向こうもね、堅苦しいことを言ってるわけじゃないんですよ。逆にこれも何かの縁ということで、食事でも一緒にどうですか、とお誘いしているわけです」
「食事?」
「ええ。それでね、できれば大事にはしたくないという意向で、奥様だけをご招待したい、って言ってるんですよ」
「妻だけ、ですか?」
私はその妙な提案の意味を推し量った。
「ええ。というのも、向こうさんのお仕事の休みが平日でね。月曜か火曜の夜がいいって言ってるんです。忙しいご主人まで巻き添えにはしたくないってことで、今回の件で大変積極的だった奥様と是非お話がしたいと、ま、こういうことなんですよ」
確かに今回の土地の件では、妻の積極性がものをいったことは事実であった。妻の熱意に不動産屋の社長も圧倒されたといえた。そして勿論、あの夜の出来事も大きな意味があったはずだ。
「妻1人にして厄介な要望を押し付けようという魂胆じゃないんでしょうね」
私は疑念を抱かざるを得なかった。賠償金だの何だの、変な要求を強引に呑まされてもらっても困る。
「いや、その点は私が保証しますよ。先方の家族もご一緒するそうですし、私も同席しようかと思ってるんです」
「社長さんも?」
私にはあの夜の出来事が思い浮かんだ。私が知る限り、あの夜以降、妻と社長が私のいないところで会ったことはないはずだった。土地の本契約、頭金の支払い等、必要な手続きには敢えて全て私だけが立ちあって行った。妻も参加しようとはしなかった。
しかし、今回は先方の家族も一緒、ということか。
「ええ。話が変な方向にはいかないように、私が責任を持って仕切りますよ」
確かに月曜か火曜の夜となると、私の仕事上、参加は事実上不可能だった。それでなくとも、今回のマイホームの件ではいろいろと仕事を抜け出して、少々オフィス内で顰蹙をかっている。不動産屋の社長の説明とは逆に、社長がいることのほうが不安であるが、先方の家族も一緒ということであれば、心配はないだろう。ただ、それとは別に、社長と妻のあの姿態から受けた刺激を私のどこかがまた味わいたいと思っているのも嘘ではなかったが。
「そうですか・・・。じゃ、しょうがないですね。その方向で話を進めてもらえますか」
私は妙な妄想を懸命に断ち切って、社長にそういった。
「了解しました。奥様にはご主人からよくお話いただけませんか。日付が決まったらまたご連絡しますので」
社長は気のせいか言葉を弾ませて電話を切った。
妻と社長の再会。しかも私がいないところで。しかし二人っきりというわけではない。勿論、その前後に何かないとも限らないが。私は「大丈夫だ、今回は」と自分に言い聞かせながらも、何かが起こることを期待しているもう一人の自分がいることもわかっていた。

[Res: 2123] Re: 珠代への罠@ さんたろう 投稿日:2007/07/12 (木) 22:27
再開お待ちしてました。楽しみです。