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[1124] 群がる欲望 三木蔵斗 投稿日:2005/08/20 (土) 03:28


昨日の岡野とのやり取りが嘘であってほしいような朝、聡美は職場へ向かった。
職場では平然を装うのがつらく感じるくらい、1日が長く、夕方の上がりの時間までが苦痛感じた。
持ち場を離れ、更衣室で着替えた聡美は、自動販売機の並ぶ休憩室にいた。
少し気持ちを落ち着けてから帰ろうと思ったからだ。
人気のない休憩室で聡美は一人座っていると職場のチーフに当たる島田が入ってきた。
「なんだ、木村さん、まだ帰んないの?」
「ああ、島田チーフ。そうなんです、ちょっと今日は疲れちゃって、少し休憩」
そういって普通に笑みを浮かべた。
「島田チーフはまだ仕事ですよね」
「もちろん、今日はいろいろと立て込んでいてね」
他愛のない会話を交わした。
チーフの島田は聡美より2歳年上の独身であった。見た目は油っぽい顔立ちで腹も出ているし、どっしりした感じであまり女性受けする感じの男ではない。むしろ女には縁のないタイプだと聡美は思っていた。
「昨日さ、木村さん市内のホテルのロビーにいなかった?」
聡美は毛穴が開くほどの動揺を感じた。
島田に岡野との関係を見られた、とっさにそう感じた。
「あ・・・ああ、いましたよ、ちょっと知り合いにあっていたんです」
聡美はそう答えるのが精一杯だった。
「そう・・・いや〜まさか木村さん、不倫?とかって勘ぐっちゃいましたよ」
島田はそういって笑った。しかしその後、真剣な顔になり
「木村さん、あの男、堅気の人じゃないでしょう?なにか・・トラブルにでも巻き込まれているんじゃないですか?」
島田はそういって小声で聡美に言った。この島田という男、聡美が人妻であることはもちろん知っているが、何とか聡美と親密になりたいと思い、何度か食事誘ったことがあるのだ。
それもあってか、聡美のトラブルでも聞きつければ、付け入るチャンスとでも思ったのであろう。
「ううん、そんなんじゃないんですよ、心配ないですよ」
「そうかい、でもなにか、かなりもめていてような。本当に大丈夫?」
「はい、問題ないです」
聡美はこんなことが職場にばれたら・・・そう思いと必死で取り繕った。
先に席を立ったのは聡美だった。
「それじゃ・・・失礼しま・・」
言いかけた聡美の二の腕の辺りを島田はつかんで小声ではっきりと聡美の耳元で言った。
「木村さん・・・あれって、借金の話だったでしょ?俺、聞いちゃいました。盗み聞きしたわけじゃないですよ・・・聞こえたんです。所々ですが」
そういって島田は脂っぽい顔を近づけて話を続けた
「もちろん、旦那さんは内緒の借金ですよね・・・ばれるとまずいんじゃないですか?あ、勘違いしないでくださいね・・・僕、脅してるんじゃないですから」
「何のことですか!」
聡美は必死にとぼけたが、島田は話を続けた。
「僕が木村さんのこと気に入ってるの、知ってるでしょう?脅しているんじゃないんです・・・ばれたらまずい話でなにか協力できないかと・・・」
島田は聡美のトラブルを知って、なにかしら考えがあるようだった。
「話の感じだと・・・借金の返済に、なにか強要されてるんじゃないかと」
そこまで知られている・・・聡美は頭が真っ白になっていった。
沈黙が続いて、口を開いたのは聡美だった。
「島田さん、そこまで知っていらっしゃるんなら、このことは内緒にしてくれますよね?」
「もちろんだよ、僕は木村さんのファンだからね。絶対口外しないよ・・・そのかわり・・・」
やっぱりか・・・聡美はそう思った。
「今晩、食事でも付き合ってよ、詳しい話も相談に乗るよ」
そういった島田の厭らしい目付きに聡美は悪寒を感じたが、このことをばらされたら、主人に密告でもされたらとんでもない、そう感じた聡美は食事だけなら、ということで島田の要求を呑んだ。
自宅には娘が待っているが、電話で適当に理由をつけた。
その後、主人の携帯に電話を入れ、今晩は送別会に誘われていると苦しい嘘をついたが、主人は渋々納得した。
夜の7時過ぎに島田が会社を出たとの連絡が入り、近くのファミレスの駐車場で落ち合った。
島田の車に乗り込んだ聡美は緊張した様子で、島田の雑談に相打ちを打った。
30分くらい車で走った居酒屋で食事をし、例の話にはなるべく触れないように心がけた。
帰りの道中、島田が聡美の借金の話を切り出した。
「木村さん・・・あの話、僕、誰にも話しませんから。」
「え・・ええ、そうしてもらうと助かります」
そういいながらも、島田の目は聡美の身体を纏わり着くように見ていた。
黒のノースリーブに白のスカートを履いた聡美の容姿を島田はちらちらと横目で見ながら運転している。
聡美もその視線を感じてはいるが、車を置いてきた駐車場まではまだ少しある。
ファミレスについて車を止めた島田は、聡美のほうを横目で見ながらギヤをパーキングに入れた。
ほっそりした聡美の二の腕が暗い車内に白く浮き出ている。
聡美には髪を掻き揚げる癖があった。そのしぐさの瞬間にノースリーブから覗く脇がちらりと見えた。島田は食い入るように聡美の脇の下を見ていた。
薄暗い中でも、無駄毛の剃り跡など感じない、少女のような体つきと三十路女の厭らしい雰囲気に、島田は勃起していた。
「ご主人にばれると・・・困るよね?木村さん」
唐突に島田がそう言った。
「え?」
聡美はさっきまで協力的な態度を取っていた島田の変化に気づく。
「だからさ・・・僕がこのことご主人に話しちゃったら・・・大変なことになるね」
「ちょっと・・・島田さん」
「どうせさ・・・なにか如何わしいことをして・・・借金返済しようと思ったわけでしょ?」
「・・・・それは、」
「脅しじゃなくってさ、僕はこのこと本当に黙っておくよ、だからさ・・・」
聡美の身体は凍りついた。
島田が何を言いたいのかは直ぐに分かった。
「だから・・・一度だけでいいからさ、僕と・・・どうかな?」
悪寒が走った。島田の急迫じみた要求は予想していたが、実際、島田のような男は全く趣味でないし、浮気の対象にも考えたことのない男だ。
しかし、島田にはこれ以上ないほどの弱みを握られてしまった。ここで無下にして、このことを言いふらされては困る、そういう思いが聡美には強かった。
島田は以前から好意を寄せていた聡美を、好きに出来るかもしれないチャンス逃したくなかった。
以前から、制服のスカートの後姿を見て、ほっそりした身体に小ぶりだが肉感的な尻や、そのしぐさなど、いろいろと聡美での妄想でオナニーをしたこともあった。
そして、髪を掻き揚げる聡美の白い脇の下を見て激しく勃起していた。
「・・・これっきりにしてくれますか?」
聡美が言った。
仕方なかった。いろいろと考えたが、島田は幸いにも聡美に好意を持っている。
これでこの男の口をふさぐしか聡美には考えが浮かばなかった。
島田は無言で車を出した。
島田は少しあせったように車を運転し、街から少し離れたラブホテルに車を滑り込ませた。

[1121] 群がる欲望 三木蔵斗 投稿日:2005/08/16 (火) 23:18
                 1

木村聡美には借金があった。
数社の消費者金融からの借入金が160万を超えていた。
もちろん主人には内緒の借金だが、こういった消費者金融のシステム上、金利のみを入金しておれば、元金の返済は先延ばしに出来た。
かといって借金自体がなくなるわけではなく、家計をごまかし、自分のパートでの収入だけではどうにもならないところまで来ていたのも事実。
返済日が近づくと聡美は憂鬱さと焦りでどう切り抜けるか?そればかりを考えていた。
消費者金融といっても取り立ては下請けに依頼することも多く、すでに何度か聡美の元には何度かの催促の電話が入っていた。
そして、今も聡美の携帯がマナーモードのまま振動している。きっと催促の電話に違いない・・・
聡美は携帯をつかみ上げ、着信キーを押し、ゆっくりと耳を当てた。

「あ〜・・・○○○の者ですけど、木村さん?返済日が近くなってきましたが、どうですか、前月も少し入金が遅れていましたが、今月は21日の返済日、大丈夫ですか?」
男の声だ。男は岡野と名乗る、専門業者のようだ。
「はい・・・あの、なんとか今月は大丈夫ですが・・・」
聡美は言葉に詰まった
「木村さん、他社でも借入金があるようですが、返済についてのご相談、出来ればお会いしたいんですがね」
岡野はそう言って聡美との接触を迫った
「でも、ちゃんと入金いたしますので・・・電話でちゃんとお伝えしているじゃないです」
「いやいや、木村さん、返済が大変なようなら、いろいろとプランもあるんですよ。そういったことご存知ですか」
なにやら、怪しい、きな臭い話だとは思ったが、聡美は少し考えた。
このまま、主人にばれずに返済を行うことが限界に来ていることは、聡美自身もよく分かっていた。
借金の返済にこれ以上パートを増やすこともままならない。それに実際今月の複数に及ぶ消費者金融への返済はかなり厳しいものがある。
ましてや、主人に相談することなど皆無に等しい。
「あの・・・それは新たに借金をするとか・・・そういうことですよね」
「そういうこともありですが・・・木村さん、あなた結婚なさっていますよね?それじゃお金の融通もなかなか難しいでしょう・・・」
「というと?」
「そういったことのアドバイスというか・・・まぁ一度お会いしませんか」
岡野の、何か怪しい雰囲気を感じながらも聡美は渋々岡野に合うことを約束し電話を切った。
いろいろな想いが聡美の頭をよぎったが、背に腹は変えられない。
日時をメモした紙をそっとポーチにしまいこんだ。

木村聡美はゴルフ場で働いている。受付や事務処理などの管理的な仕事だ。
パートではあるが、時間の融通が利くことや、そのほかにも働きやすい環境が気に入ってもう5年も勤務している。
今年で35歳になる。主人と娘の三人暮らしだが金銭的には困っていなかった。
しかし聡美が個人的に使ったクレジットカードの引き落とし額が不足し、その補填にTVなどでCMもしている消費者金融からのわずかな借り入れが4年間で160万にも膨れ上がった。
一見、年よりも若く見られる聡美は職場でも人目を引く。ゴルフ場の利用客はさまざまで言い寄る男も少なくはなかったが、あまりそういうことには興味はなかった。
小柄な身体つきに色白な肌、肩の下程度まで伸ばしたセミロングが明るく染めていたが、いわゆる茶髪というほどではなかった。
ぽってりした唇につんとした鼻筋で、よく言う「男好き」のするタイプでもある。
しかし、男の多い職場でも毅然とした態度のせいか不倫めいたことには縁遠い感じがする女である。
岡野からの電話から2日後、市内のホテルのロビーで落ち合う約束だった。
聡美の自宅付近では人目を気にしてのことだ。
14時の約束に聡美は少し早く着いた。
少しして岡野であろう男が、聡美を遠目で見ながら様子を伺っていることに気づく。
男は聡美に近づき声をかけた
「あの、木村聡美さん?」
声をかけられて聡美は男が岡野であると確信した。
「は・・はい。木村です」
「よかった〜・・・すいませんね〜。先になにか目印を決めとけばよかった」
そう言った岡野はとてもその関係の者には感じられなかったことが聡美の気持ちを落ち着かせた
ロビーからカフェへ移動し、飲み物を注文した後、早速、岡野は話を切り出した
「実はね木村さん、いろいろと調べさせてもらいました。木村さんの現在の収入じゃとても今の借入金の返済は難しいでしょう・・・」
「え・・・ええ。まぁ・・」
「そこでですね、働き口というか、収入源を斡旋させてもらおうかと・・・」
「それは・・・」
聡美は、薄々は感づいていたが、そのことを口にするのは怖かった。
「岡野さん、それってもしかして・・・その・・・何か、お店とか・・・?」
「う〜ん・・・そうなりますかね。それがてっとり早いんですけどね〜」
いたって紳士的な口調で事務的に話す岡野に妙な感覚で、聡美は話を聞いた。
「そういったね、いわゆる人妻商売って言うのが、最近いろんなお店があるでしょう・・・
あれですね・・・どうかな?」
「そんな・・・!無理です、絶対・・・お金は何とかしますから」
「しかし木村さん、今月の返済で、すでに無理なんじゃないんですか?」
「それは・・・」
「木村さん、よく考えてみてくださいよ。世の中そんな主婦、いっぱいいますよ。それにご家族・・・特にご主人にばれるのはまずいでしょう」
「それはそうなんですが・・・風俗店なんかに働きには行けません・・・」
「仕方ないでしょう・・・木村さん。こうやって紳士的に話てるうちに覚悟決めてくださいよ。いまならスカウトも紹介しますよ」
「でも・・・」
「なに?店で働くのが嫌なの?・・・」
「それ以外に方法はないですか・・・?」
「・・・面倒だな」
「すいません、なんとかしますので、それだけは」
岡野の事務的な話の内容に、聡美の思考は、まるで仕事の打ち合わせでもしているかのような状態になっていた。
「うん、じゃあね木村さん、こういうのはどうだろう。店で働くと何かと足が着くし、しかしお金は必要だよね、ならさ・・・個人的に客を紹介するよ・・・もちろん俺もいくらか頂くよ。それでどう?」
聡美は、岡野が言っている意味が分からなかった。しばらくして岡野の言っているそれがいわゆる売春であると気づく・・・
胸の中では泣き出したい、逃げ出したい気持ちを抑え、聡美は岡野のその話を受けることにした。
岡野は最初から、店などで働かせる気などなく、聡美の身体を他人への斡旋で金に換えようという考えだったのかもしれない。
簡単な取り決めを岡野は一方的に話した。
うなずくしかなかった聡美は、自分がこれからどうなっていくのかに怯えながら、胃の辺りがむかついてくるのを感じた。
話を簡単に切り上げて岡野は伝票を持ち上げ、先に席を立った
「じゃ、木村さん。がんばってね・・・なあに、楽しんじゃえばいいんだよ」
そういってホテルのカフェから姿を消していった。
しばらくタバコを吸って、思考が戻ってきた聡美は地下駐車場に向かい、ぼんやりと自宅へ車を走らせた。

[1048] 歪んだ絆 続2  六文銭 投稿日:2005/06/27 (月) 20:18
私は、夢の中にいた。(くちゃ ぴちゃ ずちゅう すぱ ・・・くちゃ)
妻が細くて愛らしい指で、私のペニスを刺激し小さな口で精一杯、奉仕をしてくれている。妻が一番感じる体位は騎上位であり 恥ずかしそうに照れながら笑顔を見せる。全身はほんのり赤く染まりヌルヌルと潤った3センチ程の花弁に妻自らの手でペニスに充てがう。妻は徐々に脚の力を抜き 膣壁のこすれ具合を楽しみながら あるポイントになるとピクン・・ピクンと身体を震わせ抱きついてくる。妻の仕草は心もそして身体もまだまだ
幼な妻という言葉がぴったりなのかもしれない。
しかし、夢の中ではいつもの妻の反応とはまるで違い 濃厚で滑らかな腰の動かし方 大人の質感と魅力を大胆さに楽しませてくれている。


『おいおい こいつ気絶してるのに 勃起してるし。ちゃんと出来てるぜ。 ははは・・・』
<はあん あん い・い>
『どうだ気持ちいいか?  』
<きもち・い・い  アン はぁん>
『ほら もっと腰振れよ。やらしい身体してるんだから』


急に、私の回り全体に一面雲がかかり 腕が痺れ 足が動かせず そして腹の辺りに圧迫感が苦しくなり体が感覚を取り戻し始めた。頭の中が、ズキンズキンと痛みが増し
回りの罵声がしだいに鮮明に聞こえてくる。反応して声を出したが、響かなかった。
(どうなっているんだ。腕は縛られているようだし。)重い頭を振ってみた。
『おっ お目覚めのようだな。 こいつの目隠しとってやれ。』男の低い声が響いた。別の男によって目隠しが額の上にづらされ 辺り1面スポットライトが向けられている。
目を開けようにもまぶしくて ぼやけて見えた。私自身回りで起こっている事が全く理解出来なかった。
しかも、男の罵声と女の色声が耳に入り 気が付くと明らかに私が全裸で、私の分身が刺激により今にも爆発しそうになるのを堪えるだけで、身を頑なに硬くさせていた。
ほんの10秒程の時間の中で、披露宴からの一日の出来事が、思い起され(妻は、美沙はどうなって。何が起こっているんだ。)声にならない声をあげていた。
(クウウ・・・ウウ・・ウウ・・・)
再び目を開けると裸の女が、赤いロープに後手に縛られ おなかの上に乗り深々と私のペニスをおまOこに呑みこみ悶えている姿が映った。その横に1人男がニタニタと笑みを浮かべ、女に乳首を舐め回している。さらにもう1人 勃起したペニスでその女にフェラをさせている。(この女誰なんだ。)しかも女は、長い髪をみだし一身不乱に腰を動かしている。
そして信じられない衝撃的な光景が、目に飛び込んでくる。
隣のベットで妻の美沙が、勇次に激しく腰を振っている姿が見え隠れする。勇次も私と同じ様に縛られ、そして猿轡、足まで固定されていた。その横には、ビデオカメラが設置してある。
勇次は私の方を何か言いたそうに見つめている。(えっ まさか・・・ 夢から醒めてくれ)
髪の長い女を見ると
(・・・あ・やさん。うそだろ なぜ  新婦の綾さんが俺の上に・・・。)
髪を下ろし悶える姿に正直私は気付かなかった。
自分自身のしている事の恐ろしさに体は打ち震え驚愕していた。
(勇次・・・すまない・・・。)


となりでは美沙の声が一段と激しくなる。
<アーン アン・・アンっ  イイ  キ・モチ・・いい・・。>
『ほら ご主人のお友達だろ ちゃんと勇次さんがイクまで奉仕しろよ。まったく失礼な嫁さんだな ハハハ・・・。』男たちの 笑いと罵声が飛び。
<はぁ・・・はぁ・・・イ・イ・・ダメ・・いく 美沙いっ・・ちゃう・・・。>
『もっと 腰振れよ 俺達の時にはすごいヨガリようだったぜ 奥さん。』男は妻の乳首を指と指の間に挟み責めたてて揉みほごしている。
<いやっ・・・い・・い イク・・・ダメ・・・ああぁぁぁあ  アン・・・。>妻の美沙は、大きく肩で息をして勇次の上に力なく前から崩れた。勇次の方は、まだイッテいない様子だが私も綾さんの女の熟した始めた身体と執拗な責めにじわり・じわりと頂点に指し詰まる。
『美沙さん まだ新郎の勇次さんイッテないぜ。接待も出来ないようでは、先が思いやられるよ。まあ そんな幼い 身体だとしょうがないがな。』男は妻のお尻を平手で一発殴った。しかし、妻は疲れ切っているのか反応が鈍い。
『仕方ない 勇次さんが可哀想だから手伝ってやるか!』そういうと男は、おもむろに
勃起した自分のペニスにローションを垂らし始めた。
『おい 新郎の猿轡を取れ』男たちは、勇次から猿轡を外した。
{プッファ・・・  ゲホッ  やめろ 警察に訴えてやる。}
男達は、一瞬にして高々とあざ笑い始めた。
『新郎の勇次さん  まずは結婚おめでとう。ぷっははは・・。どうやって訴えるのかな?ビデオにしっかり録画してあるぞ。この状況では ただの変態の集まりにしか見えないさ。ましてや君は、愛する新婦 綾さんではなく。友人の妻とセックスしてるんだ。』
勇次が、男の言葉に凍りつく。確かに俺達の置かれている状況は、異常を通り越し
もし 警察に駆け込んだとしても相手にもしてくれないだろう。
{美沙さん しっかりしてくれ、綾 大丈夫か?} 勇次の言葉が、虚しく響いた。その間も新婦の綾さんは、何かに取り付かれたように腰を動かしている。
『この二人は、媚薬を飲ませている。それも通常の3倍近くね。無駄だよ。ただの雌になってるさ。後で正気になったら、ビデオ見せてやる。初夜の思い出にな。』
『友人のご主人さんも猿轡をはずしてやれ。』息苦しかったものが外された。
{プハァ・・・ゴボッ・・・}私は正直、限界に近づいているため声も出なかった。少しでも
気を緩めると新婦の中で出してしまいそうになる。
『お二人さん共にイッテいない様ですね。楽しみましょうよみんなで・・・』男が意味深な言葉を並べて 美沙に近づく。そして 妻はまだ勇次とつながっているにも関わらず、男は妻のお尻に勃起したペニスを突き立てた。
男のペニスは的確に捉えていく。虫の息だった妻が、一瞬にして言葉ともいえない。 雄叫びを上げる。
<ウワウウうーーウ・・・あああアアぎゃーーアアアア・・・>
妻の身体がピクン・ピクンと激しく震え出しまるで、操り人形の様な反応を示している。
(やめてくれ!  美沙さんがこわ・・壊れてしまう。あああ・・・ダメだ・・浩市・・・綾・・許してくれ・・)勇次が涙ながらに訴える。
もう1人の男も新婦の綾さんにいきなりアナルにペニスを挿れはじめた。綾さんのアナルでの新たな刺激で膣の中はさらに蠢めきはじめた。妻と同様に綾さんも悶え苦しむ・・・野獣の豹のような目つきに変わっていく。男同士のペニスが薄皮を挟んで、女いや、雌を蹂躙している。くちゅくちゅ・・・ちゅぱあちゅぱあ・・くちゅくちゃ・・・。この世のものとは思えぬいやらしいが音が部屋中に響き渡る。
しかし、次第に綾さんの顔が・・・穏やかな顔に・・・まさにあの忌まわしい写真の時と同じ顔になりつつある。私自身、二穴同時挿入など経験するなんて・・それも友人の新婦と・・・そして隣では妻が友人と・・・嫌でも瞼に焼き付き 発狂しそうになる。私はわけも分らず大声で叫びながら 新婦の綾さんの膣中にいままで出したこと無いほどの大量の精子を注いでこんでしまった。そして、男共4人がほぼ同時に妻と綾さんの中で果てた・・・。


[1047] 歪んだ絆 続 六文銭 投稿日:2005/06/27 (月) 20:17
いや お久です。 銀改め 六文銭です。久しぶりに復活しますね。


私は、土曜、日曜と1泊まりで、妻と共有の友人の結婚式に里帰りしました。私は浩市
 28歳 妻の美沙23歳 今年で結婚4年目を向かえたごく普通の家庭です。また新郎の勇次は高校時代からの新友で、たまたま新婦の綾さんも妻と幼馴染、偶然の似たもの同士だが 不思議なことにご結婚のご案内状を頂くまでは、私たち夫婦は、気が付かなかった。確かに昨年初め転勤で、故郷を離れて約2年が過ぎようとしていた。

妻の美沙は、家柄もよく また三女であったために少し甘やかされて育てられた。妻は
(結婚当初より、20台後半になる迄子供は、欲しくないといいきり。)
確かに短大卒業と共に勢いで結婚したため、遊びたかったかもしれません。まあ
私が一方的に妻の両親と結託し、半ば強引に事を収めてしまったのからです。
当時から、そして今も妻は魅力的です。154センチ B85 W57 H86 43キロ 小柄ながらも 均一がとれた身体 何より雪国育ちのせいか透け通る美白 胸はツンと上を向き ほのかに色づいた桜色の乳首 申し訳なさそうに生える恥毛 いまだに開発されていない様な すじマン 外見も童顔により他人からすれば、高校生としか思えないそんな妻です。

披露宴では、私が新郎側の席 妻は新婦側で、控え室も用意されていて当初 遠目からでは妻の姿は確認できませんでした。70名程の披露宴が、始まる寸前に私より3人目前に純白のシルク調に胸元には、真っ赤な薔薇の刺繍が入ったチャイナ服を纏い、歩く度にすらっと伸びた脚 太股がチラチラと見え サイドからはどう見てもパンツを履いている様に見えない。颯爽とたたずむご婦人がいました。私が通り過ぎると
(あなた・・・。)エッと思い振り返るとそこには、妻の美沙がいました。
(おまえ 何だその格好 マズイだろそれ。)
(だって 新婦の綾さんとの 思い出の服なんだもん。)と悪びれた様子もなく。
(おまえ パンツ履いているのか?おまえの事 回りの男どもがじろじろ見てるだろ)
(大丈夫だって こんなにかわいい娘だからじょうがないでしょ。)
(・・・・好きにしろ。) まさか自分の妻が、こんなにバカッぽく見えたのは初めてだった。私の席から妻の席は、披露宴の端から端で妻がうれしそうに女友達と話している姿に安堵していた。ただ 新婦側に3人程 場違いと思える派手な若者が座っていた・・・。
1人は、ドレスシャツを第二ボタン迄外し金のネックレスをチラつかしていた。体格もよく、ひと目見てもイギリス人かアメリカ人とのハーフではなかろうか。

妻は、日頃の外出時では、酒を飲まない。だが、次第に先ほどの若者たちに酒を妻に勧め 私の席からでもはっきりと酔っているのが分かり 式の祭典の真っ盛りではどうすることも出来なかった。気付かない振りをするのが、精一杯の憤りを隠す手段であった。妻は、酒が入ると急にいやらしい性格になる為、私はドキドキさせられっぱなしだった。室内が式の進行に合わせて暗くなると男達は妻のそば迄やってきてなにやら話しかけていた。妻は時折 困った様に下を向くが嫌がったそぶりも見せず話しをしている風に見えたのだ。披露宴では、妻への憤りで頭がクラクラし行き場のない。もやもやした気持ちを抑えていたところ、予期せぬ事態となった。なんと会場を変えてそのまま2次会へ突入するアナウンス・・・。不覚にも妻を見失ってしまったのだ。

最上階スカイラウンジに着くとボックス席になっていてすでに妻の両側には、3人の男達がたむろしていた。机の下をみるとすでに男達が、妻の脚を撫ぜ回している。
妻からは、気付かれないように妻が見える位置まで移動し監視をしていたところに 新郎の勇次がやってきた。 
(おめでとう 勇次 守るものが出来て身が引き締まるだろう。綾さんもきれいだし。)
(・・・。)しかし、勇次に返事はなく浮かない顔をしていた。俺の顔が引き攣っていたのか。
(どうしたんだ。感動しすぎて何もいえないか。)口を真一文字にしていた勇次はやっとの重い口調で話を始めた。
(実は、浩市 昨日 会社に俺宛の写真が届いたんだ。)勇次が方手に握りこぶしを作り ジャケットのポケットから数枚の日付入り写真を取り出した。
(何があったんだ???  これ  綾さんか?)おもむろに見ると
信じられない内容の写真が写し出されていた。


ベッドの上でカメラの方を見て笑いながら純白のチャイナ服を脱ぐ美沙の姿。
綾さんらしき女性の四つんばいのやや上からの写真。
亀頭からあふれ愛液のぬめりで吸い込まれる妻のおまんこ。
四つんばいのやや上からの写真で全てを挿入し姿を消す男根。
正上位で額をゆがめて喘ぐ顔の綾さんと同様の美沙のダブルショット。
指を口に入れ、出る声を堪える妻の顔。
綾さんの四つんばいの後ろからの写真。
抜けようとする亀頭を愛液をたらしたひだが引きとめようとしているおまOこ。
また妻と綾さんの表情は不思議なほどの安心感に満たされている写真。

計にして10枚程写真だった。少なくても男は3・4人は写っていた。妻が、浮気をしている。 浮気を・・・。私の頭の中で活字となってグルグルとよぎる
(今日のチャイナ服の女 あいつが絡んでいるんだ。)勇次はぼそっと呟いた。
(勇次・・・。すまない。君は知らないかも思うが、実はチャイナ服の女は、俺の妻の美沙なんだ。)
下を向きながら罰が悪そうに語りかけた。辺りを重い空気が漂い始め長い沈黙が二人を襲う。
ボーイから勇次に新婦からのメッセージが渡された。気付いたら妻の姿もない。3人いた男達が、1人になっている。妻は、どこにいるんだ。張り裂ける思いで辺りを探し続けた。


メッセージの内容は、(綾さんから話があるから1918号の部屋に来て欲しい)とメモに記入されていた。また私にも同じ内容の1920号の部屋とメモが渡された。妻のようだ。私は、とりあえずホットしたとたんにトイレに駆け込んだ。特にトイレに行きたかったわけではなかったのですが、何となく男子トイレに入って用を足していると、個室から荒い息づかいが聞こえてきました。何の疑問も感じずに私は「まったく・・・」と心の中で思いながら、その場にいるのが悪いような気がしてすぐにトイレをあとにして、「もう妻も戻っているかもしれない」と思って部屋へ戻ってみました。 部屋に戻ったが妻はいませんでした。そこでやっと「ん?」と思った私は慌ててさっきのスカイラウンジのトイレに走りました。すると先程よりも更にエスカレートした女性の喘ぎ声が漏れていました。なんと聞き慣れた妻の声です。そして隣でも、新婦の綾さんらしき声にも驚きとっさには何も出来ずに、ただ鼓動が高まり、何故か私は隣の個室に入っていました。男の方の息づかいも徐々に荒くなり、「気持ちいいか?」(お願い・・や・め・て)
「旦那さんのとどっちがイイ?言わないと友達の綾ちゃんとレイプした画像ネットで流しちゃうよ。それともビデオでも売ろうか?」などと小声で語りかけている
声まで間近に聞こえてきます。 声を必死で押し殺している妻がこらえきれなくなったのか、「うぅ〜ん いや・返して・お願・・・い ダメ〜綾のも」と私にしか聞かせるはずのない声をあげています。
私の息子はもうギンギンに勃起し、覗きたい衝動を抑えきれず、便器の上に乗り隣の個室を上から覗いてしまいました。
するとそこには、立った状態のままチャイナ服をまくり上げられ、後ろから見知らぬ男に突き上げられている妻の姿がありました。
男は妻の胸を鷲掴みにし、揉みしだきながら激しくピストン運動を続けています。徐々に動きが早まり、男は「うっ」という同時に妻も「うぅ〜ん いや・ダメ〜中は ダメ・・・あん。」声をあげながらお互い腰の動きを止め、体を痙攣させました。
ドーン・・・私は、遠ざかる意識の中で、鈍い痛みを感じ気を失った。

[966] 思い出の中の男(5) 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/18(Wed) 20:41
第五話 反撃開始

 夜が明けて、俺が居間に行った時には既に綾香も瀬川も起きていたようだ。
綾香は朝飯の準備をしながら、瀬川と楽しそうに話していた。
 瀬川は俺が起きてきたことに気がつくと、まるで親しい友人にでもするように、馴れ馴れしく手を挙げて「よぉ!」と言った。俺は瀬川を無視してソファーに座った。

「あ、貴方、おはよう・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「おいおい、綾香さんが挨拶しているのに無視するなよ。朝っぱらから暗い奴だな。それにしても綾香さん、昨日は燃えましたねー」
「瀬川君、それはちょっと・・・・・・」
「いいじゃないですか。こいつも何していたか気になるだろうし、俺らが何していたのか教えてやりましょうよ」
「うるさい、今は食事中だ。お前の話なんぞ聞きたくもない」
「いやー、綾香さんって昔も巨乳だったけど、今はますます巨乳でしたよ。もう色といい形といい、本当に美しい。こんなに美人な綾香さんが、盗聴魔の中村正博君なんかにはもったいないですよ」
「ちょっと瀬川君、巨乳だなんて・・・・・・」
「おい、お前、調子に乗っているんじゃないぞ。何が盗聴魔だ。ふざけたことばかり言いやがって」
「やだねー、開き直っちゃって。本当は俺たちのことが気になって仕方がなかったんでしょ。・・・・・・聞いて下さいよ、綾香さん、こいつ俺たちがしているのを盗聴していたんですよ」
「お前、殴られたいのか!」
「やだやだ、俺は事実を述べただけなのに、カッカしちゃって。俺が夜中に便所行く時に見たんだよ。隣の部屋で壁にもたれかかりながらだらしなく寝ているアンタをな」

 どうやら本当に見られてしまったようだ。俺は本当に瀬川を殴ってやりたいほどの怒りにかられたが、事実を指摘されて殴ってしまうようなら負けを認めたのと同じだ。俺はいたたまれなくなって、朝飯を中断し、思わず表に飛び出してしまった。
 背後で綾香が俺を呼び止めるような声が聞こえるが、俺は聞こえないふりをした。
 くそっ・・・・・・ふざけやがって! 俺は無意味にも塀を蹴って怒りを鎮めようとした。だが怒りは鎮まらない。

「貴方・・・・・・」
「・・・・・・・・・綾香か」
「その・・・・・・まだご飯が途中で・・・・・・その、ほら、片付かないし・・・・・・」
「すぐに戻る。先に入っていろ」
「ごめんなさい・・・・・・」
「・・・・・・・・・何がだ?」

 俺は綾香が何について謝ろうとしているのかなんとなく分かったが、わざと分からないふりをした。もとはといえばお前が悪いんだろうと言われてしまえば返す言葉もないが、俺は自分でも気持ちの整理がつかず、ひねくれ、そしてその鬱憤を綾香にぶつけていた。
 綾香はしばし沈黙した後、か細い声で弁解を続けた。

「ごめんなさい・・・・・・貴方・・・・・・でも・・・・・・その・・・・・・私、体は許したけど、心まで許しているわけじゃないから」
「心まで許していない? ・・・・・・俺には、まんざらでもないように見えたけどな」
「別に、瀬川君とは遊びだし、ほら、憧れていた人だったからちょっと浮かれていただけ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「聞いてる?」
「・・・・・・・・・」
「ねぇってば」
「・・・・・・・・・聞こえているってば。何なんだよ一体」
「貴方こそ何なの? その態度・・・・・・貴方が言い出したことじゃない! そんな態度とるなら、最初からこんなことやらなきゃいいでしょ?」
「ああ・・・・・・そうだな・・・・・・俺が悪い」
「・・・・・・とにかく入って。瀬川君にも変な風に思われるだろうから」
「綾香・・・・・・」
「何?」
「今晩は俺の番だ。瀬川のことは忘れさせてやる。いいな?」
「・・・・・・分かった」

 綾香の心がまだ完全には奪われていないことを知って、俺は少しだけだがほっとした。
俺たちが居間に戻ると、瀬川は既に朝飯を食い終わり、勝手に冷蔵庫を開けてビールを飲んでいた。朝っぱらから他人の家で酒を飲むとはいい気なものだ。
 俺はさっさと残していた朝飯を食い終わり、浮かれる瀬川に釘を刺すように今日の予定を発表した。

「分かっているとは思うが、約束通り、今晩は俺と綾香が一緒に寝るからな」
「分かってますって。でも夜まではどうするんだ? 夜までは当然自由にやらせてもらえるんだろうな」
「駄目だ」
「おい、ふざけんなよ。たった一晩じゃないか。今晩お前がやり終わるまで俺は何もできず、ただ黙ってここにいろっていうのかよ。冗談じゃねぇよ」
「駄目なものは駄目だ。それが嫌なら出て行け」
「やーだね。アンタが俺を呼んだんだ。そんな身勝手な言い分が通ると思っているのかよ。だいたい何でアンタが勝手に仕切っているんだよ。決めるのは綾香さんなんじゃないの? ねー綾香さん」
「私は・・・・・・その・・・・・・」
「駄目だよな?」
「アンタはちょっと黙っていろよ。俺は綾香さんに聞いているの。どう? 綾香さん。俺、わざわざここにやって来たんだけどな。俺の番はもう終わっちゃったみたいだけど、もう何にもできないなんてちょっと酷すぎると思わない?」
「・・・・・・・・・・・・そうかもしれないけど・・・・・・」
「お、おい・・・・・・」
「ねー、恥ずかしがってないでさ、言っちゃおうよ。もう俺たち恥ずかしがるような仲じゃないでしょ。夜まで自由にやるっていうことでいいよね」
「・・・・・・・・・(黙って頷く)」
「やったー! さっすが綾香さん!」
「綾香・・・ちょっと・・・」

 俺は綾香を別室に呼び出して、厳しく問い詰めた。

「お前、さっきと言っていることが全然違うじゃないか。何でOKするんだよ」
「私、さっきも言った・・・・・・心は許していないって・・・・・・」
「あ?」
「心は許していないから・・・・・・。私だってせっかく憧れの人とHできるんだもの、体くらいは・・・・・・ね?」
「何が『ね?』だ。お前、俺をからかったんだな! さてはさっきのも瀬川の奴に言われて・・・・・・」
「違う」
「いや、絶対そうだな。お前、おかしいよ、何だって俺じゃなくて瀬川なんか選んだんだよ!」
「だから、それは・・・・・・」
「お前、何だかんだ言っているけど、瀬川に身も心も奪われちゃっているんだろ? だからお前はさっきからあんな奴の言いなりになっているんだな! 違うかよ?」
「・・・・・・はぁ・・・・・・だから貴方は度量が狭いっていうのよ・・・・・・ だいたい、貴方が良くて瀬川君を連れてきたんじゃない! 何でいちいち私が怒られなきゃならないわけ? もういい、私にだって選ぶ権利はあるんだし、好きにさせてもらうから」
「・・・・・・勝手にしろ!」

 怒りが収まらなかった。何で俺はこんなことを考え付いてしまったんだ?
やってしまってからはもう取り返しがつかないというのに。綾香が怒るのももっともだ。もとはといえば俺が瀬川を連れてきた。
 そして昨日から同じことで後悔し、同じことで喧嘩をし、同じことで呆れられている。
なんだか矛盾してばかりで、自分が情けなくて仕方がなかった・・・・・・。

「あぁん! ちょっと瀬川君・・・・・・そこはもういいから!」
「ダメダメ! もうちょっと我慢してもらわないとね」

 早速居間の方から綾香のあえぎ声が聞こえてきた。俺は急いで居間に駆け込み、台所の方に二人がいると分かると怒鳴りつけた。

「お前ら! 何やってるんだ!」
「何って? そりゃ、ナニに決まってるだろ。ねー綾香さん」

 とにかく焦っていた俺は怒鳴ることばかりに目に入らなかったせいか、いくら服を着ているとはいえ、綾香と瀬川がHなことをしている現場をを目の当たりにしてしまっていることに、今さらながら気がついた。瀬川は綾香の背後から覆いかぶさるようにして胸を揉んでいた。

「綾香はいいって言っても、俺はダメだって言ってんだよ! 離れろ!」
「邪魔すんじゃねぇよ! 失せろ!」

 二人を引き離そうとする俺に、瀬川が腕で突き飛ばす。
情けないことだが、腕力ではかないそうにない。こいつは顔がいいだけじゃなくて、体もそれなりに鍛えていたみたいだ。
 しかし俺も負けじと瀬川に食い下がる。

「私、強い男の人が大好き! 強い人とHしたいなー」

 綾香が甘えたような声を出しながら、そう言った。俺は一瞬耳を疑ってしまったが、疑っている間に瀬川に突き飛ばされてしまったようだ。不意打ちをもろに食らってテーブルに弾き飛ばされ、強く腰を打ってしまい、俺はその場にうずくまる。
 くそ・・・・・・どうにかしないと・・・・・・。そう思っていても体は言うことを聞かず、瀬川は横目で俺を冷笑し、綾香を「お姫様抱っこ」のスタイルで抱き抱えて去っていった。

 その後のことは痛みもあってかほとんど覚えていない。
痛む箇所に湿布を貼った後は、半分這ったような姿で別室に行き、その場でしばらく眠ってしまったようだ。昨夜、遅くまで起きていたせいで疲れがたまっていたのかもしれない・・・・・・。

 俺が目を覚ました頃にはもう晩飯時だった。

 二人は相変わらず仲が良いみたいだ。俺は自分で飯をよそって一人で黙々と食べた。
その後、俺は二人と目を合わせないようにして風呂に入り、昨日と同じように、俺の次には瀬川が、瀬川の次には綾香が風呂に入った。
 俺は綾香と二人きりになっても一言も口をきかなかったし、瀬川も昼間は派手にやりあったというのに別に何も言って来なかった。

 22時00分・・・・・・

 綾香が風呂から上がり、俺は今晩の予定を告げた。
「今朝も言ったことだが、今晩は俺と寝てもらう。いいな?」
「えーー」

 綾香は面白くなさそうな表情で抗議する。俺はそれに再びショックを受けながらも、瀬川を呼ぶことを決めた時のことを思い出して奮い立たせた。
 そうだ・・・・・・今でこそこいつは偉そうに振舞っているが、正体は惨めなヒモだ。化けの皮を剥がして綾香の記憶から消してやると決めたじゃないか。
 ここでなめられては困る。

「約束は約束だ。お前だって今朝了解しただろ」
「でもーー、ねー、瀬川君、どう思う?」
「ま、仕方が無いんじゃないの。寝てやりなよ。・・・・・・さっきは悪かったな、兄貴、まだ痛むか?」
「何だと?」
「何で怒るんだよ、俺は心配して言ってやったのに。兄弟としてな」
「何が兄弟だ」
「アンタと俺は兄弟じゃないか。穴・兄・弟」
「てめー・・・・・・」

 思わず拳を握り締めたが今争って綾香と寝る機会を逃したら不利だ。何とか自分で自分を鎮めながら綾香の方を見る。

「瀬川君がそう言うなら仕方ないか・・・・・・」

 俺は冷蔵庫から栄養ドリンクを2本取り出し、綾香に1本渡す。昨日瀬川が飲んだやつよりも効き目が凄いと評判のやつだ。
しかし綾香は「いらない」と突き返し、瀬川まで聞いてもいないのに「俺もいらねぇ」と言いやがった。
 俺は体を硬直させて無言の抵抗をしたままの綾香を、半ば強引に引っ張るようにして寝室に連れて行った。

 しかし綾香はベットに倒れこむように寝転ぶと俺に背を向けたままで、俺はまるでレイプするかのように無理やり綾香の服を引き剥がして挿入する。
 まだ腰の痛みが引いていないらしく、ピストン運動もぎこちないが、俺は精一杯頑張った。
しかし綾香は虚ろな目をしたまま、「ねーまだなの? まだ終わらないの?」と言うだけだった。

 結局、俺はろくに綾香とできないまま綾香に眠られてしまった・・・・・・。
(つづく)
[Res: 966] 打ち切りのお知らせ 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/21(Sat) 18:05
未だに読まれている方がいるかどうか分かりませんが、あまりにも不評のため、本作品は第5話にて打ち切りとさせて頂きます。
さすがに自信喪失したので、以後投稿するかどうかさえも分かりませんが、しばらく次回作の構成を練ろうかと思います。
尚、前作・今作問わず、私の小説にご意見・ご感想等がある方は今後の参考とさせていただきますので、是非ともメールを下さい。
[Res: 966] Re: 思い出の中の男(5) たつ 投稿日:2006/01/17 (火) 00:43
お願いします!続き読みたいので連載再開してください!興奮が覚めません!!

[961] 思い出の中の男(4) 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/16(Mon) 17:27
第四話 審判の時

 瀬川は俺に「敗北」を喫した後、しばらくの間は部屋に引きこもっていたが、しばらくすると出てきて綾香に言い寄っていた。
 綾香も俺の方をチラチラ見て少しは気にしているようではあったが、瀬川の話術にどんどん引き込まれていっているようだった。

 やがて晩飯の時間が来て、俺と瀬川は依然として険悪なムードであった反面、綾香と瀬川はどんどん親密になっていった。
 高校時代が懐かしいのか、綾香も瀬川との思い出話に盛り上がっていた。
俺と綾香とは高校時代には全く接点がなかったので、到底二人の話に割り込める余地がなかった。
それでもなんとか瀬川の暴走を止めようと話題を変えようとするが、逆に綾香に「ごめん、ちょっと待って」と言われて放置される始末。
 せっかく昼には夫としての威厳(?)を見せつけてやったものの、今度は完敗だ。
やはり「過去」というものは強い。俺の知らない話題ばかりが出てきて、俺はますます嫉妬心にかられた。

 俺にとっては長い長い晩飯の時間が終わり、俺、瀬川、綾香の順番に風呂に入った。
 俺が入っている間は瀬川と綾香の二人きりになってしまうのが心配だったが、もとはといえば、瀬川にも綾香とやらせるつもりで計画したことだ。俺については自業自得みたいなものなんだし、ある程度は覚悟しなくてはならない。
 それに俺が風呂に入っていても、瀬川も綾香もまだ風呂に入っていない状態だ。無神経な瀬川ならそのままやりかねないが、綾香は嫌がるだろう。また、瀬川がルールに違反すればそれだけ付け入る隙ができるというものだ。

 俺が風呂から上がった時も、幸いなことに、二人はまだ何もしていないようであったが、思い出話に花を咲かせていたようだ。
俺が背後に立っていると分かるやいなや、綾香はしばし沈黙し、重苦しいようななんとも言えない空気が流れた。
 例えるなら、怖い教師が休んだと聞いて喜んでいたのもつかの間、その教師がいつも通り授業に来てしまった時の教室のような、あの嫌な空気だった。

 瀬川が風呂に入り、俺と綾香だけの二人きりになっても会話は弾まなかった。綾香はずっとテレビを見ていて、俺と顔を合わせようとしなかったし、俺が話題を振っても大して興味がないかのように適当にあしらうだけだった。さっきまでの綾香とはまるで別人のようだった。

 綾香が風呂に入り、俺と瀬川が二人きりになってからは、お互い一言も口をきかずに綾香が上がるのを待っていた。
 昼間、綾香が決めた約束では、22時00分に今晩どうするかを決めることになっている。
ちょうど綾香が風呂から上がればいい時間になるだろう。そう思っているうちに、綾香が風呂から上がってきた。

 21時56分・・・・・・

「ちょっと早いけど・・・・・・あの件のこと、決めちゃおうと思うの」
「ああ・・・・・・なら、俺から聞こう。瀬川には今日でも明日でも・・・・・・とにかく瀬川ともやるのか?」
「うん・・・・・・」
「やったー! やっぱりそうなると思っていましたよ綾香さん! 俺、頑張りますよ」

 少しだけ期待していただけに、ショックがないと言えば嘘になる。だが、これで本格的に瀬川とやり合えるのだとプラスに考えるしかない。さっきまで自信満々で瀬川の化けの皮を剥がしてやろうと意気込んでいたのに、いつの間にか自信を喪失していくのが自分でもよく分かった。

「なら・・・・・・今夜はどっちと寝る? 俺か? 瀬川か?」

 俺だと言ってくれと願った。とにかく今は瀬川に一矢を報いてやりたかった。明日といわず、今夜で決着をつけてやる。今夜で綾香の心を取り戻して、瀬川が自分から撤退していく様子を見届けてやる。そう思っていた。だが、現実は厳しかった。

「今夜は・・・・・・瀬川君がいいな」
「本当ですか! やったー! 旦那ぁー、じゃなくて中村、どうだ? 綾香さんは俺を選んでくれたぞ!」
「貴方、いいよね?」
「あ、ああ・・・・・・」

 何故俺に同意を求める? 俺が言い出したことだ。駄目だと言えるわけがない。
でもどうして俺じゃなくて瀬川なんだ? 嫌な事は後回しがいいというが、まさにそうだ。瀬川に抱かせるなら明日の方がいい。とにかく今は、俺を先に指名してもらいたかった。
 そうすれば明日瀬川に抱かれるとしても、俺が先に指名されたという優越感ができたのに・・・・・・。俺は半ば谷底に蹴落とされたかのような衝撃を受けながら、「あ、ああ・・・・・・」と答えるのが精一杯だった。

「よーし、じゃあ、早速・・・・・・といきたいところだけど、夜は長いですしね、たっぷり楽しむために準備しましょう。栄養ドリンクありましたよね? あれ飲みましょうよ」
「はい、冷蔵庫に・・・・・・」

 昼間からそうだったが、瀬川は勝手に冷蔵庫を開けて栄養ドリンクを2本取り出した。

「アンタは飲まないよな? アンタ飲む必要なさそうだし。耳栓でもしてぐっすり眠った方がいいだろうな」
「悪いが俺にもやる事があるんでね。徹夜で溜まった仕事でも片付ける。自分で飲むからいい」

 俺は強がって自分で1本栄養ドリンクを取り出して一気に飲み干した。それを見て瀬川がバカにしたように笑う。
綾香も瀬川に手渡された栄養ドリンクをチビチビと飲んでいた。

 それじゃ・・・・・・と早速立ち去ろうとする瀬川に俺が釘を刺す。

「おい、くれぐれもゴムはしろよ。あと、綾香が嫌がるようなことはするな。約束は守れよ」
「分かってます、分かってますって。あ、そうそう、綾香さん、こいつにも見せてやりましょうよ、下着」
「下着?」
「うん・・・・・・瀬川君が私にって・・・・・・。どう?」

 何かの気の迷いだと思いたかったが、綾香は自らスカートをめくり、大胆な下着を見せつけた。
秘所を隠す布は少なく、生地はスケスケで、後ろなんかTバックどころか紐同然だ。
瀬川の奴め、俺にせびった情報料とかで買いやがったんだな。
 ただ、それにしてもこんな下着一枚で綾香の心が動かされてしまったのか、それにこんな下着をもらったとためらいもなく俺に見せつけるだなんて・・・・・・俺って一体何なんだと思う。
 だいたい、今からその下着さえも脱いでお前らはHするんだろうが! そんなもの見せつけて・・・・・・何考えているんだよ一体!

 再び「それじゃ・・・・・・」と言い残し、瀬川は綾香の肩を抱きながら客室に消えた。
今夜は眠れそうにない・・・・・・・正直瀬川とやっている綾香のよがり声など聞きたくもないのだが、このまま眠れるような気持ちじゃなかったし、さっき飲んだ栄養ドリンクのせいもあって眠気がささない。

 くそ・・・・・・何をしていても、綾香のあの大胆な下着姿が目に焼きついて離れない。
わずかな布しかないというのにシースルーの前側・・・・・・もう少しでも下にずらせば、綾香の薄い恥毛も丸見えだろう・・・・・・。
 リボン状に軽く結ばれて不安定な左右の紐・・・・・・瀬川があれをほどくのだろうか?
 そして、何よりも、Tバックでさえもなかなかない、本当に細い紐一本だけのバック・・・・・・そんなもので当然隠せるわけがなく、尻丸出しどころか、尻の穴まで丸見え。アソコだって少しはみ出してしまっている・・・・・・。
 そんなものを履いて喜ぶ綾香。そんなものを見せて喜ぶ綾香・・・・・・考えるだけで気が狂いそうだった。
 そして、俺には下着だけ見せたが、これから下着の中身まで瀬川に見せる綾香・・・・・・。どうしたものか、俺のアレも熱くなってきた・・・・・・。

 一旦は本当に静かな部屋で仕事でもやろうかと思ったくらいだが、俺の体は自然に客室の隣の部屋に向かっていた。
瀬川が綾香に酷いことをしたら俺が止めてやる。そう言い聞かせて、俺は壁に耳を当てていた。

 本当の夫ともあろう者が、何とも惨めな姿だ。

 綾香のよがり声は遅くまで響き渡り、何度も「イった」ような声も聞こえた。時々二人の笑い声なども聞こえてきた。
その晩、俺は遅くまで「盗聴」していたが、二人の声が小さくなるにつれて、自然に「限界」が来てそのままそこで眠ってしまった。

(つづく)
[Res: 961] アンケート実施 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/16(Mon) 17:34
 不評で打ち切りとなった前作(『桜の咲く時』)と比較しても、今回は不評のようで、見たところ読者数0かもしれない……ということなので、今後どうしようかと迷っているところです。
 そこでアンケートを実施しようと考えました。
 もし宜しければ、ご意見・ご感想等をメールにてお教え下さい。メールを下さった方には、なるべく全員に返事をしようと思いますが、場合によってはできない場合もありますのでご了承下さい。
 なお、単なる暴言や誹謗中傷に過ぎないものや、添付ファイル付きのメール、HTML形式のメールにはお返事できませんので、その点もご了承下さい。
[Res: 961] 読んでます。 ちょうさく 投稿日:2005/05/16(Mon) 23:17
前作、桜の咲く時も途中中断を残念に思っていました。
今回も、下半身がうずうずするような文章でとても楽しみに見ております。
前作も今回の作品も全てテキストで保存してよまさせていただきますので
是非続けてください。お願いします。
出来れば前作も続きを読みたいです。
[Res: 961] しばらく様子をみてみます 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/17(Tue) 18:13
 ちょうさくさん、レスありがとうございました。
前作『桜の咲く時』は、もともとこのサイトで投稿することを想定して書いていたものではなかったのです。
それで、不評の原因も、このサイトの閲覧者の趣向と異なっていたのではないかと考え、打ち切りに至りました。

 今作は前作と違い、最初からこのサイトで投稿することを想定して企画しました。
前作は長編であったうえに、投稿と執筆を完全に同時進行で行っていたのに対し、今作は短編であり、しかも完結までの目処が立っています。
 それだけに前作以上に不評であるという結果は残念でした。

 しかし、1人でも読んで下さる方がいると知っていくらか安心しました。
 依然メールの方には誰からも意見等が寄せられていなく、不評の程度が知れるのですが、しばらく様子を見て、それでもなお不評である場合は打ち切りとしようと思います。

 因みに打ち切りにしてしまうのは、需要のない作品を投稿することによって、過去の作品を閲覧できなくなってしまうからです。

[958] 思い出の中の男(3) 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/14(Sat) 10:16
第三話 宣戦布告

「なあ・・・・・・今度の連休、何か用事あるか?」
「えっ? 何? どこか連れて行ってくれるの?」
「いや・・・・・・ともかく、何か出かけるとか、用事はあるのか?」
「特にないけど・・・・・・」
「そうか、なら良かった。実はな、瀬川がうちに遊びに来ることになった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 綾香はまさに「意味不明です」というような表情をしていた。確かにそうだろう。俺と瀬川には何の接点もない。
 俺は綾香に4月29日から5月1日まで、2泊3日の予定で瀬川が我が家に滞在し、そこで俺と瀬川とで一夜づつ相手をしてもらうことになったということを告げた。それで綾香のもやもやを解消してもらおうと・・・・・・。
 当然のように綾香は怒り出し、まだ瀬川のことを気にして悪い冗談を言っているのかと、憮然として台所に向かった。
だが、その顔は明らかに紅潮し、まんざらでもないかのような表情をしていたのを、俺は見逃さなかった。

「冗談じゃないんだ。俺は本気だ。俺もお前も、少なからず瀬川のことを気にしているんだし、このままうやむやにして終わらせてもしこりが残るだけだ。お前は瀬川のことが一番好きだったみたいだし、いい機会かとは思ったんだが・・・・・・。でも、悪かった、お前に何にも聞かずに勝手に決めてしまって・・・。後できちんと俺から瀬川に断っておくから」
「え?」
「だから、俺が悪かったよ。この件はなかったことに・・・・・・」
「で、でも、その・・・・・・」
「何?」
「ほら、瀬川君だって、いきなり断られても都合っていうものがあるだろうし、別に一緒に寝なくても遊びに来るくらいならいいかなって」
「瀬川も男だ。お前を襲うかもしれないぞ。さっきも言ったように、お前にふんぎりをつけてもらうためにあいつを呼ぶんだからな。瀬川もそのつもりで来るだろうし・・・・・・お前は瀬川から襲われたらどうするつもりだ?」
「それは・・・・・・・・・でも、別に私が断ればいいことだし・・・・・・。その時はその時でなんとかするから」
「そうか・・・・・・で、結局、いいのか? 瀬川を呼んで・・・・・・」
「・・・・・・うん」

 俺はまたしても嫉妬に狂いそうになった。綾香が了承してしまった・・・・・・矛盾しているかもしれないが、心のどこかでは強く断って欲しいという気持ちもあった。
しかし、それ以上に俺は、瀬川がいかに惨めで情けない奴なのかということを、綾香の前で証明できることに心が揺さぶられていた。
これで綾香の思い出の中の男たちは一人残らず綾香の思い出の中から消し去ってやることができる!

 そして、4月28日の正午、俺の携帯に瀬川から連絡が入った。滞在の準備は全て整ったようだ。
俺も瀬川の滞在に備えて様々な物を準備した。


 ついに4月29日の朝が来た。俺が目覚めるよりずっと前から綾香は起きていたようだ。
しかし、朝飯は納豆くらいしか用意されていなく、せっせと化粧をしているようであった。
話しかけても忙しいから適当に食べていてと言われるだけで、自分は鼻歌を歌いながら楽しそうに化粧をしているようだ。

 やがて俺の前に現れた綾香は、化粧のせいもあってか普段と違って随分大人っぽく、色っぽく見えた。
確かに普段も綾香は美人だ。だが、その美しさは「きれい」というよりは「かわいい」ものであって、あどけない印象が強かった。
 ここまで念入りに化粧をした綾香は見たことがない。俺との初デートの時だって、こいつはこんなにおめかししなかったはずだ。
ここ最近は掃除も念入りにするようになったし、瀬川が来ると分かってからは随分落ち着かなくなっていた。
そんな綾香の様子を見て、瀬川への嫉妬やら憎しみやらが募る一方、俺自身も「かませ犬」が登場してくれるのを今か今かと待ちわびていた。

 そして、ちょうど10時になった頃、瀬川がやってきた。
 俺が出迎える前に、綾香が我先にと玄関の扉を開けに行った。

「いらっしゃい! 瀬川君! 大変だったでしょう? さあ入って、入って」
「おじゃましまーす」

 俺の前に再び現れた瀬川は、この前俺が会った時とは別人のように小綺麗な服装で、髪もしっかりとセットして颯爽と現れた。
まさに同窓会の写真に写っている瀬川そのもので、悔しいがホストをしていただけあって容姿については申し分がなかった。
 あまりもの変貌ぶりに驚いたものの、これから化けの皮を剥がしていくならば、皮は厚ければ厚いほど剥がしてやった時の快感は高まるというものだ。俺は早くも瀬川を屈服させたかのような気分になっていた。

 瀬川は靴を脱ぐや、早速綾香をいやらしく口説き始めた。
「中村さん、これから3日間、たっぷり楽しみましょうね」
「あっ、ちょっと・・・・・・瀬川君・・・・・・いきなり・・・・・・やめて・・・・・・」

 早速瀬川は綾香の胸を揉み出した。何とも気が早い奴だ。全く・・・・・・他人の家に来ていきなりそれか?
俺は瀬川をたしなめて、さっさとこっちに来るように言った。

「まあいいじゃないですか。きちんと奥さんに説明したんでしょう? どっちにしろ後でたっぷりやるんですし、いいじゃないですか。ねー、中村さん・・・・・・。あ、紛らわしいから『綾香さん』って呼びますね。『奥さん』じゃちょっとあれだから」
「確かに俺は綾香に説明したし、お前に遊びに来いと言ったのも俺だ。だが、綾香とやるかどうかは俺が決めることじゃない。綾香に決めてもらう。もし、それで綾香が駄目だと言って不服なら・・・・・・悪いが帰ってくれ」
「ちょっとちょっと! そりゃないんじゃないですか? 綾香さんを寝取ってくれって言ったのは旦那さんじゃないですか」
「え・・・・・・? 寝取る?」
「旦那さん、俺のところにわざわざ頼みに来たんですよ。旦那さん、寝取られ趣味あるみたいですよ。貞淑な綾香さんが昔の同級生にめちゃくちゃにされるのを見てみたい、綾香さんが乱れる姿をこの目で見て感じたいって」
「・・・・・・お前、喧嘩売ってんのか?」
「ちょっと貴方!!」

 この野郎、早速でたらめなこと並べやがって。綾香も綾香で一瞬真に受けたようだし、今も少しは瀬川の言葉に影響されているのかもしれない。殴りかかりそうになるのを必死で抑えながら、もうじきこいつの方が地獄を見ることになるんだと思い、なんとか怒りを鎮めた。

「とりあえず、夜になったら綾香に決めてもらう。それまでは一切駄目だからな。あと、綾香が駄目だと言った場合、ここに泊まるのはともかく、綾香には手を出させない。いいな?」
「良くないね」
「何ぃ?」
「だって、旦那は綾香さんの意思を無視して一方的に決めているだけでしょ。綾香さんが決めることだっていうなら、今ここで綾香さんにどうしたいか、綾香さんに聞くべきなんじゃないの? ねー、綾香さん」
「どうなんだ? 綾香」
「いいよね? 時間もったいないし。2泊3日って言ったって、今はもう昼だし、3日目にも昼過ぎには帰らないといけないんだから時間ないんじゃない? あと悪いけど、旦那のことは『中村』って呼ばせてもらいますから」
「うるさい、黙ってろ。どう思う? 綾香・・・・・・」

 綾香はしばらく考え込んでいた。どうも言葉にして答えるのがためらわれるようだ。

「じゃあ、綾香さん、俺の意見に賛成なら首を縦に、こいつの意見に賛成なら首を横に振って下さい」

 綾香はなおもしばらく考え込んだ後、首を縦に振った。
俺は早くも瀬川をやり込めたと思い、思わず心の中でガッツポーズをとった。ざまあみろ瀬川、お前なんか所詮はこの程度だ。
俺は勝ち誇った顔で瀬川に笑いかけてやった。
 瀬川も思わぬ「敗北」に自信を砕かれたのか、一瞬「チッ」という舌打ちをしたかのように思えた。
しかしすぐに何事もなかったかのように表情を戻し、

「じゃあ、夜を楽しみにしていますよ、綾香さん」

と言って、用意された部屋に手荷物を運びに行った。

 こうして、2泊3日の奇妙な同居生活が始まった。

(つづく)

[956] 思い出の中の男(2) 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/13(Fri) 18:47
第二話 色あせた思い出

 俺は卒業アルバムにあった同級生の名前を使って瀬川の家に電話をかけた。
この物騒な世の中、一歩間違えば詐欺の疑いをかけられて警察に色々とお世話になってしまうかもしれないし、危険な割には瀬川自身がいるとは限らない。かといって、真由美さんに聞けば綾香にばれてしまうだろう。
 リスクが大き過ぎる賭けではあったが、幸い、電話に出た瀬川の母親は何の疑いも持たずに瀬川の居場所と連絡先を教えてくれた。

 再び俺は瀬川に直接電話をかけるという大きな賭けに出たが、瀬川はあっさりと俺に会ってくれると約束した。
随分上手くいき過ぎて、何か罠があるのではないかと思ったものの、どうしても会わずにはいられなかったのだ。
 過去を知りたい・・・・・・綾香と瀬川の関係はどうだったのか・・・・・・。瀬川は一体綾香をどう思っているのか・・・・・・俺の知らない綾香の姿を調べずにはいられなかった。俺の脳裏には、卒業アルバムの中で、瀬川に抱きついて楽しそうに笑う綾香の顔が何度もよぎった。


 車で2時間ほどとばし、瀬川の住むアパートに到着した。
何とも小汚いアパートで、お世辞さえも考えつかないくらいのボロアパートだ。
 俺を迎えた瀬川も、同窓会の写真に写っていたような爽やかな感じはしなく、どことなくくたびれたような感じで髪の毛もボサボサだ。
俺は警戒しながらも瀬川の部屋に入り、掃除もしていないような臭いにおいを我慢しながら瀬川の話を聞いた。

 ・・・・・・何が青年実業家だ。こいつは単なるヒモじゃないかよ。
 数年前までホストをしていたみたいだが、自分で働くのが面倒になって女のヒモになり、女に逃げられてはまた次の女を探すといったような生活をしていたようだ。
 このボロアパートにしても女が借りた部屋で、女は瀬川を食わせるために借金までしたのか、金融機関の督促が厳しくなって、最近ついに逃げられてしまったらしい。
 そこでどうしようかと思いながらも、働くのは面倒だと思っているところに俺の電話があり、渡りに舟とばかりに俺と会うことを了承したようだ。何しろ奴の部屋に入るなり、昔の同級生の夫だからというだけで金を無心されたくらいだ。初めからこいつは金目当てで俺と会うのを約束したんだ。

 俺が質問する度に、「情報料」とやらを請求され、内心腹立たしかったが従う以外ない。
 どうやら綾香と瀬川の間には同級生というだけで本当に何も関係がなかったようで、俺もほっとさせられたが、こんな奴に綾香が夢中になっていたのかと思うとそれはそれで腹立たしいものがあった。
 俺の質問のペースが遅くなるにつれて焦る瀬川を見て、俺は今日、ここに来た本当の理由を告げた・・・・・・。


 俺は一昨日の夜、様々なサイトを回っているうちに、とある18禁PC用ゲームのレビューを掲載した記事にたどり着いた。
随分古いゲームのようで、今では中古ショップにでも行かないと手に入らないようだが、だいたいの内容はレビューで理解できた。
 そのゲームの内容だが、二人の男が一人の女を巡って争い、交互に女とセックスすることによって女の気持ちを自分の方に傾けさせ、女にどっちと寝るかを決めさせるという内容だった。
 確かにゲームの内容を現実の世界に当てはめてしまうのは危険な行為だろう。
 だが、俺はさらに様々なサイトを巡って「寝取られ趣味」という嗜好がある人たちがいることを知り、その人たちの過激な体験談を読むにつれて、実行してみたくなったのだ。

 そう・・・・・・俺は瀬川に決闘を申し入れに来たのだ。だが、別に殴り合って決闘するということではない。
 瀬川のことを忘れられないまま、俺たちが夫婦生活を送るのはお互いにとってモヤモヤが残ってしまうだろう。
 もし、綾香が瀬川のことを忘れられないなら俺が忘れさせてやる。俺だって瀬川より劣っているわけではないということを見せつけたいという、男の意地のようなものもあった。
 後は綾香がどうすればいいか決めればいい。瀬川が了承しても綾香が断るなら俺は無理強いするつもりはない。
 正直、瀬川と会うまでは不安にかられ、劣等感をぬぐいきれなかったが、今ならば自信をもって瀬川に決闘を申し込める。こんな奴に負ける気は全くしなかった。

 俺が条件を提示して決闘を申し込むと、やはりというか瀬川は金を要求してきた。
 仕方がないが今は従うしかない。瀬川に依頼料を支払うことを約束し、4月29日から5月1日までの2泊3日の予定で決闘を申し込んだ。
瀬川は金が手に入るわ、その間はただで飲み食いできるわ、おまけに堂々と綾香を抱けるわで、夫である俺が目の前にいるにも拘らず無遠慮に興奮していた。
 また、瀬川から、今の生活のことは一切明かさずに自分が実業家で裕福な生活をしているとすることや、依頼料のことも明かさないことを条件として提示された。
 とりあえずは、その条件をものむしかなかった。

 俺は後戻りがきかない賭けをしてしまったことに震えながらも、綾香の前で瀬川の化けの皮を剥がしてやる瞬間を想像して奮え立った。
俺が家に戻った時、まだ綾香は買い物から帰ってはいなかった。
 まだ放置されたままの卒業アルバムの中の瀬川の顔をもう一度睨みつけているうちに、綾香が帰ってきた。

(続く)

[955] 思い出の中の男(1) 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/13(Fri) 18:46
短編小説『思い出の中の男(ひと)』 作者:雨ちゅあ

主な登場人物  ※当然ですがこの作品はフィクションです。実在の人物や団体等とは一切関係がありません。

中村正博 30歳 会社員 
 一流大学卒のエリート会社員であるが要領が悪い。会社の中でも将来を嘱望されている一方で、面倒な役割を押し付けられることも多い。身長173cm、体重65kg。綾香と二人暮らしで子供はいない。非常に嫉妬深く、内弁慶の外地蔵。A型

中村綾香 28歳 主婦
 正博自慢の妻でもあり、不安の妻でもある。顔は幼くかわいらしいが、体は身長以外はモデル並み。そのうえ愛想がいいため、男性からの人気は高かった。身長155cm、体重47kg、B93のFカップの爆乳、W55、H85。O型

瀬川亮 28歳
 身長180cm、体重76kg。容姿は筋肉質のガッチリ型でおまけに美形である。B型


第一話 見知らぬ妻

「それで? 結局、お前は俺を騙していたっていうことだな?」
「だって…・・・」
「だっても糞もない。お前はあの時、『お世話になった小学校時代の恩師が倒れた』って言ったよな?」
「それは・・・・・・」
「こいつがお前の恩師か? どう見たって俺らと同じくらいの元気な男だよな?」
「・・・・・・ごめんなさい。嘘ついていました。本当は高校時代の同窓会に・・・・・・」
「どうしてたかが同窓会に行くのにそんな嘘つかなきゃならないんだよ! お前まだ嘘ついているだろ? 浮気なんだな?」
「違う! 本当に同窓会で・・・・・・この人は関係ない」
「その割には随分とまあ、仲が良さそうじゃないの。肩なんか抱かれてツーショット写真だなんて。誰なんだよ、こいつは」
「・・・・・・・・・」
「誰なんだ?」
「本当に同窓会なの・・・・・・この人は当時の同級生で・・・・・・」
「はぁ・・・・・・お前ねぇ、嘘をつくならもっとマシな嘘をつけよ。同窓会じゃないんだろ?」
「本当なんだってば! 貴方、私のことを全然信じていないじゃない! さっきから一方的に決め付けて!」
「俺は騙されたんだぞ、お前、自分のことを棚に上げて逆切れするんじゃないよ!」
「あ、そう・・・・・・どうしても信じてくれないならいい。今から証拠を見せてあげるから」

 そう言って綾香は二階へ行き、高校時代の卒業アルバムやら何やらを持ってきた。

「ほら、これが証拠。見られちゃったし、隠しても仕方が無いから、あの日に撮った写真も全部見せてあげる」
「何だよ、いきなり・・・・・・」
「ちゃんと見てよ! 貴方が私を疑ったんでしょ。ほら、ここに写っているこの子、同じところにホクロあるでしょ。それでこれが例の彼。
 まあ、何年も経っているから顔とか変わっちゃっている子もいるけど・・・・・・これでも信じられない?」

 綾香は自分が俺を騙したということを忘れているかのように、勝ち誇ったような感じで俺に卒業アルバムを突きつけた。
俺も仕方なく卒業アルバムと写真を見比べる。確かに女は様子が変わってしまったのが多いようだが、男なんぞは当時とほとんど変わっていない奴もいる。
 俺はしばらく卒業アルバムと写真とを見比べていたが、そのうち俺は重大なことに気がついた。

「おい・・・・・・お前、これは何のマネだ? わざと俺を怒らせようとしているのか?」
「何が?」
「お前、ここに写っている瀬川とかいう奴がさっきのお前と一緒に写っている写真の男だと言ったよな?」
「そうだけど・・・・・・」
「ほら、これを見てみろ。お前、やっぱり瀬川っていう奴と何かあったんだろ? 違うか?」

 俺はアルバムを綾香に突き返す。そこには体育祭の時の写真だろうか、瀬川に抱きついて満面の笑みを浮かべている女たちがいたが、その中には綾香の姿もあった。満足そうにカメラに向かってピースなんぞしやがって・・・・・・。

「お前、こいつとどういう関係なんだよ? お前、俺と結婚する時に昔の・・・・・・」
「全部言った! もうそのことはやめてくれる?」
「じゃあ、何なんだよ、こいつは。ただの同級生じゃないんだろ? 付き合っていたんだろ? どこまでやったんだよ?」
「あー、もううるさい、うるさい、うるさい! 私は、貴方のそういうところが大嫌いなのよ! いつも嫉妬ばかりして! 男の嫉妬って本当に情けない!」
「お前がいつも俺に隠し事をするからだろうが! この件だってな・・・・・・」
「じゃあ、貴方は私が同窓会行くって言ったら許してくれたの? 気持ちよく送り出してくれた? どうせ男の出席人数とか根堀り葉掘り聞き出そうとしたでしょ? 嘘でもつかなきゃ、同窓会さえ行けないじゃない!」
「俺はただお前が心配で・・・・・・」
「そんな心配なんか大きなお世話! 本当に度量が狭いのね、貴方って。あーあ、貴方となんかじゃなくて、瀬川君と結婚していれば良かった」
「何だと?」
「瀬川君は貴方なんかと違ったわ。かっこ良くて、スポーツマンで、爽やかで優しくて、女の子にもモテていたし、友達もたくさんいた。それにそこそこ頭も良かったしね」
「俺よりもかよ?」
「ふっ・・・・・・」
「鼻で笑っていないではっきり言ったらどうだ」
「確かに、貴方よりは頭は良いとは言えないかもしれないけど。でもそこそこ勉強もできていた方だったし、他の点では貴方なんか比較にならないわ。貴方は頭が良くても所詮サラリーマンだし、それに引き換え、『彼』は若くして実業家、悠々自適の生活らしいわ。奥さんになる人がうらやましい・・・。『彼』まだ独身なんだって・・・・・・もったいないよね」

 その時、俺の中で何かがぶち切れた。

「おう、そうかよ。だったらお前、今すぐ出て行ってそいつと結婚し直せばいいだろうが!」
「嫌よ、何で私が出て行かなきゃならないわけ? ともかく、離婚するならさっさと市役所行って離婚届でももらって来て。それと、今日は別の部屋で寝てね。貴方みたいな嫉妬狂いと一緒に寝るのは嫌だから」
「うるさい! 言われなくてもそうしてやる!」

 その夜、俺は客間に布団を敷いて一人で寝た。
布団に転がってから、何だか自分が情けなくなってくる。
綾香に瀬川と比較されて色々言われたことだけじゃない。確かに俺は学歴以外とりえのない、しがないサラリーマンだ。
 反面、綾香は年齢よりもずっと若く見え、その割には胸はでかいし、全体的なスタイルも身長が低いことを除けばモデル並みだった。
さっきは派手に怒っていたが、普段は明るく、この世には悪い男がいないとでも思うかのように愛想が良かった。
 だからこそ綾香は結構もてていたようだし、俺が綾香と結婚すると決まった時、嫉妬も含めてどれだけ悪口を言われたか分からない。
綾香は綾香で結婚が決まってからもプロポーズをしてくる奴もいるくらいで、相変わらず人気があった。

 しかし、嫉妬されていた俺がやがて嫉妬する側に回り、昔からの心配症も手伝って、いつの間にか、いわゆる「嫉妬狂い」にまでなっていた。
今までも何度か綾香と昔の男のことで喧嘩したし、結局綾香に強く迫って昔の男のことは全部吐き出させ、写真まで燃やさせてしまった。

 しかし、瀬川という男のことはなおも内緒にしていたくらいだ。きっとかなり深い仲にあったのだろう。
悔しいが俺は自分でも認めるほど嫉妬深い。騙したことは許せなかったが、綾香を全く信じようとしなかったのも事実だ。

「あの調子だと本当に離婚かもな・・・・・・」

 付き合っていた頃の綾香の笑顔、綾香が何度もナンパされそうになってその度に焦ったこと・・・・・・色々なことが蘇って来る。
しかし、その笑顔の裏で、瀬川のことをずっと想い続けていたんだろうか・・・・・・。
考えれば考えるほど腹が立ってくるが、どうにも収まりがつかない。
俺は久しぶりにネットに繋ぎ、浮気だの不倫だのというキーワードを打ち込みながらサイトを巡った。

 次の日の朝・・・・・・

「なぁ・・・・・・」「ねぇ・・・・・・」

 思わず同時に話を切り出してしまった。

「昨日は俺が悪かった。お前のこと全然信じていなくて、またいつもの癖が出ちゃって・・・・・・」
「もういい・・・・・・私も悪かったんだし・・・・・・つい離婚だなんて言っちゃって・・・・・・」

 しばらく沈黙が続いた。時計の針の音だけが聞こえる。今までも喧嘩したことはあったが、今回はいつもよりずっと気まずい雰囲気だ。沈黙を破ったのは綾香の方だった。

「でも、瀬川君とは本当に何でもなかったの。あの写真も真由美がふざけて無理やりくっつけたようなものだし・・・・・・」

 正直言って、今は瀬川のことを話題にしてもらいたくなかった。
 真由美さんは綾香の高校時代の友人で、結婚式の時にも色々とお世話になった人だ。真由美さんの旦那は俺と同じサークルの友人だったから、夫婦同士でも付き合いがあった。
 その真由美さんまでもが、俺が見たら誤解するような写真を撮るだなんて・・・・・・つくづく俺って軽く見られているんだと思う。
それにしても、一体瀬川という男は何者なんだ?

「まだ疑っている?」

 難しい表情でもしていたのだろうか・・・・・・綾香が俺の顔を覗き込むようにして見た。
 確かに表面上では俺たちはお互いに謝った。今はぎくしゃくしているが、今までの喧嘩からしても数日も経てばまた元に戻るかもしれない。
だが俺の心のどこかで瀬川という男の存在はもやもやとして残りそうだったし、綾香にしても瀬川と何があったのかは分からないが、忘れられない何かがあるのだろう。

「何か言いたいことがあるなら言って。なんかそうやって黙り込まれるのって・・・・・・」
「なぁ・・・・・・瀬川とお前って・・・・・・付き合っていたのか?」
「違う、ただ憧れていただけ。瀬川君は人気あったしね。競争率が高すぎて、私にとっては手の届かない人だった・・・・・・」

 綾香はさらっと言ったつもりだったのだろうが、それが余計に俺の嫉妬心に火をつけた。
何とか怒りを抑えながら、俺は居間に置かれたままの卒業アルバムをまた開いた。そしてこっそりメモをとる。
 ・・・・・・それから、その日はいつも通りに会社に行った。

 帰宅後、綾香は同じベットで寝てくれたものの、ずっと俺には背を向けたままだった。
明日は土曜日で俺も休みだ。綾香はお義母さんと買い物をするらしい。
 俺は綾香が出かけたのを見計らって、いちかばちか電話をかけた。卒業アルバムにあった瀬川の電話番号に・・・・・・。

(続く) 

[945] ある女と妄想家の話 MEGAMEGA 投稿日:2005/05/05(Thu) 12:07
今日は朝からいい天気でした。
ここ大阪ではすっかり晴れ渡った空が、
とても心地よく感じられます。
きっと、行楽地やショッピングセンターでは多くの人出で賑わっていることでしょう。

大勢の家族連れの中には、私の想像力を掻き立ててくれるような素敵な女性がいるかもしれません。
私の視線にその淫美な本質を見抜かれ、心の奥底まで裸にされるような女性がいるかもしれません。
私の妄想の中で、服を剥ぎ取られ、下着を毟られ、素肌を曝されるだけでなく、
体内の内側のピンク色に息づく粘膜さえも露にされる女性は、もしかしたら貴女かもしません。

天気が本当にいいですね。
こんな日は家庭菜園の作物たちも、よく育ちます。
…今はもう、飽きてしまって何もしなくなりましたが、
以前はアパートの裏の南側の日当たりの良い場所に
スナックエンドウやカブなどを植えていたのです。
ほかには、コリアンダーやオクラなども作っていました。
基本的には肥料をやらず、水と陽光だけで育てたそれらの作物は、自然の味そのままのもので、
見かけの形は決して良くありませんでしたが、どれも緑色が鮮やかにあらわれ、
逞しい生命力を強く感じさせるものばかりでした。

オクラがアフリカ原産であることを御存知の方は世間にどれくらいおられるのでしょうか。
私が十数年前、数ヶ月暮らした東アフリカの片田舎の市場でもソレは店頭に並んでました。
現地での呼び名も「オクラ」。そのまんま。オクラって日本語ではなかったのですね。
そこで売られていたオクラは、日本で買い求めるものよりも多少筋張っていましたが、
大きく、太く、逞しさを感じさせるもので、湯通ししてから刻んでサラダに入れたり、麺つゆや出汁醤油で花鰹と和えて副菜としたり、様々な形で異郷に暮らす我々の食卓を豊かにしてくれたもので
した。

…済みません、話がすっかり逸れてしまいました。

*************************

その女性は唐突にこんなことを言い出したのです、少しだけ思い詰めた表情で。
「オクラの種、分けていただいていいですか?」

彼女はガスの集金人でした。
バイクに乗っている割には色の白い、上品そうな顔立ちの中年女性でした。
身長170センチあまりの私の、ちょうど胸のあたりに顔が来る感じの、小柄な方でした。
やや丸っこい印象の体格で、本当にどこにでも居るような感じの女性でした。
日差しを避けるためか、常に長袖のブラウスに少し余裕のあるスラックス、
およそ「女」を感じさせる服装ではありません。
大人しい雰囲気の方で、それまでは親しく話したことなど全くなかったのに、
その日はいつもと違ったのです。

「あのね、ここのオクラが立派に育っておられるのずっと見てたんです。
うちでも家庭菜園やってるけどここまで大きく育つの見たことなくって、
種が違うのかなって思って…。」

緊張のためかそこまで一気に話すと、彼女は少しだけ小さなため息をつきました。
ちょうど今日のような天気の休日でした。
普段は一人で暮らしている小さなアパートですが、
今日は玄関先に、集金人である彼女の小さな丸い肩をあります。
こんなにもたくさん言葉を繋ぐ彼女を初めて見て私は内心驚きましたが、
そんな表情は顔に出さず彼女と言葉を交わすことにしました。

「いや、どこにでも売っているオクラの種なんやけど…いいですよ、差し上げますよ。
自分でもたくさん収穫出来たんで驚いてたんやけど、食べきれへんので
こんな形で残してしもたんです。」

私は玄関を下り、庭に出ました。
実際、時期を過ぎて枯れかけたオクラの茎には、収穫しれなかったオクラの鞘が残っていたのです。
太いフェルトペンくらいの大きさの鞘は、茎同様すでに緑色を失い、
外皮はやや外側に向かって反り返っています。
その中には、真っ黒でまるまると太ったオクラの種子がいっぱい詰まっています。

「いいんですか、済みません…。あ、有り難うございます。
色んな野菜作ってらっしゃるでしょ、いつもマメな方やなぁって感心して見てたんです。」

「いや、全然マメじゃないですよ。種蒔いて、水やって、あとは放っておいてます。
肥料も農薬も使ってないんで安心して食べられますけど、手抜きもええとこですよ。」

「ええ?そんなんでこんなに立派なモノが出来るんですか?
ソレは羨ましいです。うちも少しだけ畑を借りて主人と楽しんでるんですけど、こんなには…。」

他愛のない話が続きます。
お互いに、これまでどんな作物を作ってきたか、どう料理して食卓に上げるか、
そんな話をした記憶があります。
そうそう、先ほど御披露したオクラの話もしました。

「あぁ、そんなに一生懸命作物を作ってお料理までしてはったら、奥さんも喜んではるでしょう?」

「いえいえ、一人暮らしなんで…あ、私、独身なんですよ、こう見えても。
老け顔なんでよく勘違いされるんですけど、こう見えても○○歳なんですよ!」

今考えたら、彼女はガスの集金人なんですから毎月のガスの使用量で一人世帯か二人世帯か、
だいたいの察しがついていたはずです。
それをわざわざ、こんな言い方をして私が独身であることを確認するなんて、
ちょっと気になります。

「あら、ご免なさい、変なこと言うて。そうなんですか、お一人で暮らしてらっしゃるの。
でもこんなにマメやったら食事もきちんと摂ってらっしゃるみたいやし、お話を伺っても安心です。
ソレに比べてうちの息子は…。」

彼女はその場に立ったまま、問わず語りに話しはじめました。
一人息子が大学を卒業して東京で一人暮らしをしていること、
恋人もおらず仕事も不規則で忙しく、食べることにも不自由しているらしいこと、
心配でならないのに、今の自分には息子に何もしてやれないことが辛くてたまらないこと…
切々と訴えかけていました。
うちの子がアナタのようにしっかりとしている人だったら、どんなにか安心だったろうに。
どうやったら一人でそんなに逞しく生きていけるのか私に教えて欲しい、とも。

みるみるうちに、目に涙が溢れて来て、頬を伝って落ちていきます。

…急な展開に私は戸惑いました。
それまでに経験として、感極まった女性が不意に涙に塗れてしまうなんてことは何度かありました。
しかし、顔見知りとは言え会話らしい会話が初めての女性を泣かしたことはありません。
こんな時に私が思いつく女性への慰めかたは、「抱擁」しかないのです。
その肩を、背中を、しっかりと両腕で抱き締めて、
自分の心臓の鼓動を、彼女の耳や肌で感じさせてあげるのです。
熱い血潮が脈打つこの肉体で、寒さで震えているような彼女の心を抱きとめ、
体温を伝えて温めてあげるのです。
貴女がそこに存在し、呼吸し、生きていることを私は自分の全存在で肯定しますよ、
と全身で表現するのです。

両手をやや広げて、私は彼女に2、3歩近付きました。

…しかし次の瞬間、私はハッとしました。ここは庭先だったのです。
休日の、昼下がりの、周囲からは比較的良く見える位置に、私たちは立っているのです。
(ここでは抱き締められない…)

悲嘆にくれながら愚痴にも似た話を続ける彼女に相槌を打ちながら、
私はどのタイミングで部屋へ誘い入れるか考えていました。

おそらく
「立ち話もなんですから中に入ってお茶でもいかがですか」
という私の誘いを、彼女は断らなかったはずです。
きっと
「ティッシュもありますから、中で涙を拭いて下さい、そのままだと誤解されてしまいますよ」
という私の言葉に彼女は決して逆らわなかったはずです。

それくらい、寂しさに溢れた肩だったのです。
涙を啜り上げる度にその肩は「抱いて欲しい」と言うかのように、震えていたのです。
そして、首筋や耳元に這って行く私の舌を、彼女は待っていたはずなのです。

その時私は、彼女を「犯したい」とは思っていませんでした。
その時彼女が本気で抵抗を示したなら、おそらく私はそういう行為には及べなかったことでしょう。

ただ私は、彼女の深い悲しみを慰めるためには、彼女の身体を求めるしかないと感じていました。
そうしてあげなければ今のまま、冷たい風のようなものに包まれた心のまま、
彼女を帰してしまうことになる…それだけは「避けたい」と思いました。

彼女の年齢は、私の母親に似たものだったと思います。
しかし、それは何の意味も持たないことです。
男と女には、年齢や境遇に左右されない、ただ何かが通じたと感じる瞬間にお互いを求め合う、
そんな結ばれ方があるように思います。
(私はこのヒトを抱こう、力一杯抱き締めよう、このヒトの中に自分の熱いモノを捩じ込み、
心と身体が満たされる充実感でいっぱいに溢れさせてあげよう!)

私は彼女を明確に「おんな」として意識していました。
親子ほど歳が離れていても私と彼女が結ばれるのは必然である、とも思っていました。

「事実」は私の想像通りにはいきませんでした。

…私は臆病でした。

そして同時に自分が妄想家であることも知っていました。
ですから、私は自分の想像に確信を持っていながら、彼女を部屋に誘い入れるような言葉を投げ掛けなかったのです。

…私は私自身を裏切ったのです。
同時に私は、彼女を傷つけたのです。

私は彼女の言葉に相槌を打ち続けるだけでした。
一人暮らしに慣れたらきっと大丈夫ですよ、と役にも立たない慰めの言葉を口にしただけでした。
そしてそのまま、彼女を帰したのでした。

それ以来、彼女とは会っていません。
彼女は私の前に現れなくなったのです。

*************************

あれから数年が過ぎました。
彼女はどうしているだろう、考えるときもありましたが
最近はずっと思い出すこともないままに暮らしていました。

そして私にも「彼女」が出来ました。
今私が付き合っている女性は、私より10歳年上です。
…もしかしたらあの日以来、私の女性に対するものの見方、好みが変わったのかもしれません。

*************************

さらにこの話には後日談があります。

ちょうど1週間ほど前の休日のことです。
「彼女」と玄関先で私たちのセックスについて話していたときのことです。
お互いの心も、身体も、その隅々まですっかり知り尽くした仲です、
「モノ」「チ○ポ」などというそのものズバリの言葉が交わされていました。

…不意にドアをノックする音に、二人とも驚きました。
さっきの際どい話は断片的とは言え、今のノックの主には聞こえていたはずです。

「恥ずかしいね!」
「恥ずかしいよ!」

そんな表情で目配せをして、奥の部屋へ「彼女」を入れ、
なに喰わぬ顔で「はーい」と返事をして開けたドアの向こうに、彼女が立っていたのです。
その上品そうな顔は紅潮し、少し恥ずかしそうに俯き、少し怒ったような表情でした。