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[2] 祥子の告白(短編) その1 祥子 投稿日:2003/04/06(Sun) 12:19
 私は祥子。
35歳の平凡な主婦です。ある秘かな趣味を除いては・・・。

 明日からお友達のTさんが引っ越して行った横浜に遊びに行く事になっているんです。
 Tさんとは同じ転勤族という事と、息子同士が同じ小学校の同じクラスにいるという
事もあって、わずか1年半という短いお付合いにもかかわらず本人同士が同級生だった
かのような仲の良さなのです。

 「祥子さん、もっとゆっくりして行けば良いのに・・・・・うちは構わないのよ」
 「うん、ありがとう・・・・、でもちょっと野暮用もあるし・・・・また今度ゆっく
り出て来るから」

 とても楽しい2日間でした。2年振りだったけれど、以前と変わらずにお互いが相手
に対して全く気を遣わなくても良かったという事がとてもうれしかったのです。

 「さて・・・・・・と」

 今回の上京に際しては、Tさんに会う事の他にもう一つ別の目的がありました。私は
SMが好きで、自分ではっきりと自覚しているほどのマゾなのですが、毎月購読してい
るマ○ア倶楽部というSM雑誌に広告を掲載しているセ○ア○というアダルトショップ
で責め具を購入しようと思っていたのです。

 ただ、いくらマゾとは言っても女一人で白昼堂々アダルトショップに入って行く度胸
などありませんから、暗くなってから行動するつもりで、セ○ア○がある渋谷に近い品
○プ○ン○ホテルに予約をしておいたのです。

 夕食を済ませてからセ○ア○に向かいました。
 ある程度の場所はつかんでおいたのですが、思ったより簡単にセ○ア○は見つかりま
した。
 しかし、多くのアダルトショップがそうであるようにセ○ア○もまた歓楽街の中にあ
ったのです。
 しかも、入口(お店は地下にあるのです)も、いかにも“アダルトショップですよ”
と言わんばかりのディスプレイがなされており思った以上に入りにくいのです。

 「どうしよう・・・・困ったなあ」

 私は、何度も何度もお店の前を行ったり来たりしながら迷っていました。
 しかし、女が一人で歩きまわるような場所でもなかったので開き直って入る事にしま
した。お店に入ってしまうと開き直っていたせいもあって、割と落ち着いて店内を見て
まわる事が出来ました。お店の中には、若い店員さんが2人とカップルが一組、それと
スナックのホステスさんと思しき女性の二人連れがいました。
 
 「うわー、すごい、たくさんあるんだ」

 お店は、そんなに広くはありませんでしたが、店内のいたるところ(天井まで)に商
品が展示してありました。
 SMの世界では有名なお店なので、さすがにSM関連の商品ばかりでした。
 輸入品と思われる物まであったのには驚いてしまいました。

 「やっぱり来て良かった」
 「広告だけじゃわからないわね」
 
 私は、セ○ア○がオリジナルで開発しているアナル拡張器(プラグ)かアナルバイブ
を購入してすぐにお店を出るつもりだったのですが、あまりの種類の多さに圧倒され、
また目移りもしてしまい、結局30分以上もお店にいたのです。実際に商品を手にとっ
て見ていましたのでお店の方も冷やかしの客ではないと思っていた事でしょう。
 結局、頻繁に来れないという事と、せっかく来たのだからという都合のよい理由をつ
けて当初の予算を無視する事にしました。
 頭の中で財布の中身と相談しながら購入する商品を決め、レジに向かいました。きっ
と私の顔は普通ではなかったと思います。

 「これ、お願いします」
 「はい、ありがとうございます」

 二人の若い店員さんは、女性客だという事で気を遣ってくれているのか、あるいは女
性客がさほど珍しくもないのか、平然とした様子で計算をし、包装をしてくれました。


 私が、セ○ア○で買った物は。

 @ アヌスエキスパンダーベルト
   T−バックのような形状をしているベルトです、腰の部分が黒のゴムベルトに
   なっていて前後が股間を通る2本の黒いゴムのチューブで結ばれているのです。

   前後を結ぶ2本のゴムのチューブには、同じく黒いゴムの板が付いています。
   このゴムの板は座板になっていて、このアヌスエキスパンダーベルト専用のい
   ろんな責め具が取り付けられるようになっているのです。

 A アナルプラグ(25ミリ)
   アヌスエキスパンダーベルト専用のアナル拡張器です。
   本当は35ミリの物を買うつもりだったのですが、プラグが大きくてレジに持
   って行くのが恥ずかしかったのです。
   白い色のゴム?で出来ており、手で触ってみると硬すぎず柔らかすぎずで思わ
   ずドキッとしてしまいました。
 
 B スィング
   直径が25ミリくらいのアヌスエキスパンダーベルト専用のアナルバイブです。

   その名の通りアナルの中でバイブの先端がスィングしてアナルの中を掻き回し
   てくれるのです、もちろん振動もします。

 C ボールギャグ
   口枷です、ピンポン玉大の大きさのプラスティックのボールで出来ています。
   ボールの全体に5ミリくらいの穴があいており2本のベルトが付いています、
   ボールを口に咥えてベルトを後頭部で留めると、口を開けたまま閉じる事が出来

   なくなります。
   穴があいていますので息をする事は出来ますが、口を閉じる事が出来ないため
   に下を向いていると唾液が勝手に流れ落ちてしまうのです。
   責めを受ける時に装着させられるのですが、声を殺す事が出来ませんし、声が
   うめき声にしかなりませんので、よだれと共に被虐心を煽ってくれます。

 @〜Bはセ○ア○のオリジナルの商品です、何より私の興味を引いたのはアヌスエキ
スパンダーベルトを装着する事でアナル拡張プラグやアナルバイブを装着したままで外
出が出来るという事です。外出が出来るといっても、ただ出掛けられるというだけでは
ありません。普通に歩く事も、腰掛ける事も出来るのです(どのくらい快感に耐えられ
るかという問題はありますが)。

 ファンシーベルトという名の“バイブが装着されたショーツ”もありましたが、私が
買ったのはバイブでもアナルでもどちらにでも好きな責め具を装着する事が出来るベル
トなのです。しかも、少し厚手の生地のスカートさえ履いていれば、外観からはそんな
淫らな物を装着しているなんて絶対に気付かれる事はないのです。(この点ではシンプ
ルな機能に徹したファンシーベルトの方が優れていますね、ファンシーベルトならどん
なスカートでも見抜かれる事はありませんから)

 セ○ア○から出た私は、雨が降っていたせいもあって、足早に渋谷の駅に向かいまし
た。

 「ふう・・・・・・、買っちゃった・・・・・」

 山の手線の電車に乗って品○に向かっている時の事でした。夜9時を過ぎていたので
すが電車の中は結構混んでいました、それでも人と人との隙間は結構あったのです、そ
んな電車の中で痴漢に遭ったのです。
 最初は軽くお尻を触ってくる程度でした、「そんなに混んでも無いのに変だな」とい
う程度の気持ちで体をかわしていたのですが、逃げても手は追って来たのです。
 「痴漢だ」と思うと同時に「逃げなくては」とも思いました、しかし私が乗っていた
場所が悪かったのです、車両と車両の連結部の所に乗っていたのです、そして痴漢は二
人組で、別の一人が私の逃げ道を遮ってしまったのです。 初めて痴漢に遭いました。

 
 不思議な事に怖いという気持ちはありませんでした。ただ、「どの程度まで?」とい
う違った意味での“恐怖”というか“疑い”がありました、セ○ア○での出来事が私の
“女の部分”を潤していたからです。その事を知られるのが怖かったのです。

 今にして思えば私にも隙はありました、渋谷から品○まではそんなに遠い距離ではな
かったからです。心配した通り、お尻の手は大胆に私のお尻を撫でまわしはじめました
、すぐに降りてしまえば良かったのです。(いや、貴重な体験だとすれば賢明な行動だ
ったのでしょうか)
 
 お尻の手は、次第にやさしくなってきました、撫で方がやさしいのです。
 やがて、ショーツラインに沿って爪で撫で上げられると背筋に電流が流れるようにな
りました、と同時に“女の部分が”熱く潤い始めました。
 品○も近くなって来たので、私は勇気を出して「降りますから」と告げたのです。
 すると、私の逃げ道を遮っていた男性が「セ○ア○で何を買ったの?」と微笑みなが
ら聞いてきたのです。
 
 ショックでした、後でわかった事ですが、二人は友達同士で仕事帰りに待ち合わせて
渋谷で飲んでいたそうです。2軒目に行く途中、私が包みを抱えてセ○ア○から出て来
たので酔った勢いもあって面白半分に後を尾けたのだそうです。

 「セ○ア○で買い物をしたのを知っている」「きっとお店にいたんだ、何を買ったの
かも知っているんだ」と瞬間的に考えてしまいました、これだけで私は金縛りに遭って
しまったのです。
 
 「奥さん?かな、お買い物はご主人様の命令なの?、それともあなたは女王様なのか
な?」と前の男性(Aさん)、「女王様ならお尻なんか触らせてはくれないだろう、こ
の人はマゾだよ」と後ろの男性(Bさん)・・・・・。

 品○駅で降りる事は出来ませんでした。ショーツの中に手を入れられても抵抗さえ出
来ませんでした、Bさんが「ほら、やっぱりマゾだよ」とショーツの中をまさぐった指
を、私の存在なんて無視したようにAさんに見せるのです。
 
 それからは、されるがままでした。幸いSM小説に出て来るように“電車の中で浣腸
をされたり”“全裸”にされるような非現実的な事はされませんでしたが、それでも私
にとっては非現実的な事が起こってしまったのです。

つづく