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私には勝手に妻の携帯を見たという負い目はあるものの、妻が私を裏切って半年以上も「D」に愛人として
飼われているという事実に、嫉妬で我を忘れました。
妻が帰宅するなり私は黙って妻の携帯を開け、問題のメールを開いて妻に突きつけました。
「教子。お前、どういうつもりだ。俺と金のことで喧嘩したあとでこのDという男と会っていたんだろう。
Dというのはお前を昔愛人として飼っていた男だな。文面を見ればすぐわかる。
それだけじゃない。
このメールで、食事のあとで行ったところとあるがこれはラブホで、そこでお前は昔と同じように
Dに裸にされて、昔と同じように犯られてきたんだな？
このときからずっとまたDの愛人として飼われているんだろう。
クローゼットやジュエリーボックスの中身も、Dからのプレゼントやお手当で買ったものだろう。
俺の給料が減ってきているのに、小娘の着るような服がやたらに増えたり、指輪やネックレスが勝手に
増える訳はないからな。
全部出所はDだ。それともお前、天からカネが降ってきたとでもいうつもりか！」

妻は私に冷ややかな視線を送りながら言い返してきました。
「あなたって、最低ね。人の携帯を勝手に見るなんて。
私は人間よ。犬や猫じゃあるまいし、飼われているってどういうつもり？
人が人に飼われているなんていうなんて、何よ、その汚ならしい表現。
そして、私が愛人だったなんて、どういうつもり？
昔確かに社長さんと関係はあったけど、それは私が好きになった大人の男性と男女の交際をしていたという
ことじゃない。
お互いがお互いを好きになってお付き合いしたことが悪いとでも言うの？
私が何とか今までと同じ暮らしができるようにと考えて、稼ぎの悪いあなたのせいで恥を忍んで
昔お付き合いがあった社長さんにお願いしてやっとお金を援助してもらっているのに、自分はなんとか
稼ぎを増やそうと頑張るんじゃなく、言い訳ばっかり沢山並べるくせに。
ええそうよ。
服も宝石も、若々しくてきれいな教子が見たいという社長さんに、みんなプレゼントしてもらった物よ。
でも、それの何がいけないの？
私だって、ミニスカート姿で近所や街中を歩くのは、恥ずかしいわ。人の眼だってあるし。
でも、社長さんに喜んでもらえなきゃ、援助してもらえないじゃない。
私は社長さんとお食事したり、お話ししているだけよ。
メールにあった、お話したあと行ったところって、昔二人でよく行った山の展望台よ。
昔のことや、今のことをまた色々話して帰ってきただけよ。
展望台で私の立ち姿を見て、社長さんは私が昔と同じ体型を保っていることを褒めてくれたわ。
最初は会社に行ったとき、私も社長さんが今でも好意を持ってくれているかとても不安だった。
でも会ってみて、今でも私に好意を持ってくれているのがわかったし、嬉しかった。
今も私に好意を持ってくれている男性と会って、食事をしたりお話して、その男性が好む格好をして、
それで援助がもらえているんだから、いいじゃない。
確かに、社長さんは私に、あなたと離婚して自分と一緒になってくれとも言っている。
でも、今私はあなたの妻だから、社長さんに決して身体を許したりしてない。
それも社長さんにはっきり言っているわ。
男と女が会えば必ず身体の関係があるって、何でそう決め付けるの？
それとも、私と社長さんが身体の関係になっているという証拠でもあなたは持っているのかしら？」

私は妻がその男に犯られているという証拠は、何一つつかんでいません。
整然と言い返されて、私はたじろぎました。

「でも、教子。仮にそうだとしても、お前がやっていることは、女を武器にして男から金を恵んでもらって
いるということじゃないか。
金が足りないなら、自分もパートに出て真っ当にお金を稼ぐ手があるじゃないか。
どうしてそうは考えられないんだ？」
「何言ってるの。そんな稼ぎじゃ、今まで通りの生活が出来る訳なんかないじゃない。
マンションのローンの支払いもあるんだし。
自分の妻が他の男に色目を使われているのがお嫌なら、しっかり稼いできたらどうなの？
そして、仮にって、どういうこと？証拠もないくせに言い掛かりを付けてきて。
あなたのほうこそ、私の携帯を盗み見したり、あらぬ疑いをかけて私を不愉快な気分にさせたことを
謝りなさいよ。」