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[37805] 妻をけしかけ…14 真二 投稿日:2008/12/26 (金) 20:28
翌日、私はそれでも心配になり、会社まで迎えに行く事にしました。


しかし、4時半頃から何度電話しても留守電になり、
いやな感じがしたのです。


結局、5時を過ぎてしまい、行き違いになるかも知れないと思い、あきらめた頃、
妻から電話が入りました。


緊張した声です。


『あなた、ちょっと会社
まで来てくれる?』


「いいよ、なんかあったのか?」


『来たのよ…島田さん…』

「えっ!来た!?…馬鹿かあいつは!…それで、今
そばにいるのか?」


『課長と話してる』


「はぁ?なんで課長と?…はぁ?」


頭が混乱して理解不能でした。


「裕美、もっとわかるように話してみろよ」


『あのね、5時過ぎに会社を出たのよ。50mくらい歩いたところで、あの人から呼び止められて、話しがあるから、ちょっと来てくれ!って手を引っ張られたのよ。
それで私、何すんのよ!って振りほどいて、また会社に
向かって走って逃げたの。そしたら、追っかけて来て…また手をつかんだのよ。

そこに、会社から出て来た課長にばったり会って…

なにしてんだ!あっ、あんた島田さんじゃないか!
あんた、うちの社員になにしてるんだ!って』


「それで、課長と島田が
話してるのか?」


『そう、課長には全部
知られるかもしれない…』

「わかった。今から行く!課長には俺が行く事を伝えておいてくれ」


『あなた、お願いだから
暴力だけは振るわないで』

「そんなことわからないよ!奴の出方次第だよ!」


私は頭に血が昇っていました。あの野郎、血迷いやがって!


会社に着くと直ぐに裕美が近寄って来ました。


『こっち…この部屋』


部屋に入ると、課長と目が合いました。


「あっ、課長!」


〔あっ!津村さん…どうぞこちらにお座り下さい〕


そう言うと、島田の前、
課長のとなりに私を座らせました。


私はじっと島田の顔を
睨み付けていました。


〔あんたねぇ、御主人に
謝るのが筋だろう!なに
黙ってんだよ!〕


目の前の島田は下を見つめ、肩を落として、昨夜の
電話での威勢はまるでなく、何やらうらぶれた感じ
さえしました。


《すみません…》


聞き取れない程の小さな声です。


「あんた、俺が昨日、電話で怒鳴ったじゃないか!
なんで今日、裕美を待ち伏せたりしたんだよ!なんの話しが裕美にあるんだ!
言ってみろよ!」


《本当に旦那さんだったんですか…すみません…》


「裕美は俺に隠し事なんかしないんだよ!血迷いやがって!お前、女房、子供が
いるんだろうが!
家庭までぶち壊す覚悟で
やってんのか!根性もないくせに突っ張ってんじゃ
ね−ぞ!この野郎!」


《………………………》


私は課長の前とは言え、
興奮と怒りで抑えることが出来ませんでした。


「何とか言え!この野郎」


《………………………》


〔津村さん…お怒りは
ごもっともです。ここは
私にお任せ願いませんで
しょうか?決して、
うやむやにする事は
しませんので…私としても会社の女子社員にこんな事をした男を許す訳には
いきません。まして彼は
取引先の社員です〕


私にしても、この会社の
取引先です。得意先の課長に頭を下げられたら、これ以上島田に罵声を浴びせる事は出来ませんでした。


「あんたなぁ、山内課長に感謝しろよ!課長が居なかったら、どうなってたか
わからないぞ!
課長、申し訳ありません。よろしくお願いします」


そう言って私は席を立ち、部屋を出ました。


部屋の外では妻がオロオロとした感じで、私に近寄って来ました。


『課長どうするのかしら』

「知らないよ!でも島田にとっては、大変かも知れないよ」


『大変って?まさかクビ?』

「わからないけど、課長の面子もあるからなぁ」


しかし、島田は何と馬鹿な行動に出たのでしょうか。


会社の近くで妻を待ち伏せ、妻が素直について来ると思ったのでしょうか…


しかも強引に…それを
得意先の課長に見つかると言う失態まで…血迷ったとしか思えないのです。


島田にすれば課長に見られた事が大誤算で、その後の彼の人生は変わったのですから…


あれ以来、山内課長から
何度か電話を頂き、
相手会社の島田の上司に、
強く抗議し、島田の処分を求めたそうです。


もちろん、裕美の名前を
出す事なく、貴社の社員、
しかも妻帯者が、嫌がる
我社の女子社員を…との事でした。


〔津村さん、これで私の
出来る事はすべてやりました。ご納得頂けないのは、
重々承知しておりますが、あまり事を大きくすると
うわさに昇るかもしれませんし…〕


「わかりました。課長に
お任せした以上、とやかく言うつもりはありません。反って課長には大変ご心配をおかけしてしまいました。本当に申し訳ありません。ありがとうございました」

私は心から感謝していました。


〔いえいえ、そう言って
頂くと私も肩の荷が軽く
なりました〕


結局、島田はクビは免れたものの、地方転勤を命じられると自ら退職をしたのです。


この出来事は私達夫婦、
とりわけ妻には重苦しい
思い出となり、これ以降
夫婦の会話に島田の名前が出る事はありません。


『私、会社辞めてもいい?山内課長に知られたのが、嫌なの…』


「それはいいよ。でも課長から何か言われるのか?」


『今の所そんな事ないわ…でも…嫌なのよねぇ』


妻の気持ちは理解出来るのです。結婚前とは言え、
不倫していた事実を課長に知られ、島田がどこまで
話したのか気になっているです。


「あまり気にしない方が
いいよ。今の時代珍しい話でもないし…辞めるのは
構わないから、いつでも
辞表を叩き付けるつもりで課長の出方をみたら?」


『ありがとう。気が楽に
なったわ…そうよね、辞表覚悟なら何でも言えるわ』

今思うと、妻が開き直って課長に接するきっかけ
だったように思います。


妻は課長にずけずけ言う
ようになり、反ってそれが裕美と課長の仲を円滑に
したのですから世の中は
わかりません…


冗談まで言い合うように
なり、裕美の口から山内課長の名前がひんぱんに出るようになったのです。


『あのことがあった頃は、課長が私に気を使ってるのがわかって、反ってそれが嫌でたまらなかったのよ…ミスをしても、うやむやで叱らないし、他の社員の
ミスには結構怒鳴るくせにね…
一度、課長を呼び出して、私に気を使わないで下さいって言ったのよ…

そしたら、津村さん、僕はなにも君に気を使ってないよ、むしろ君の方が…
まぁ、お互い無意識の内にそうなっていたのかも知れないねって』


「よかったじゃないか」


『うん、あれからずいぶん
気が楽になって…課長を
見直したわ。以前はただのセクハラ親父だと思ってたけど、結構いいとこあるわ』


そして、ある日の夕方、妻から電話があり


『あなた、課長が今夜
一緒に飲まないか?って
誘われたんだけど、どうする?』


「えっ!俺も一緒にか?」


『当たり前でしょ!二人切りなら私行かないわよ』


「そうかぁ、課長には公私共に世話になってるし、
いい機会だから、うち持ちで接待するよ」


『わかった!じゃあ待ってるからね!あの和食店で
いいから予約しておいて
くれる?課長、和食党だから』


こうして課長と飲む事に
なったのですが…

[Res: 37805] Re: 妻をけしかけ…14 カイジ 投稿日:2008/12/26 (金) 21:04
あ〜、やっぱり課長が本格的に登場してきたんですね。
島田と違って、奥さまも気を許してるから展開が早いでしょうね。
続きが待ち遠しいですわ〜。

[Res: 37805] Re: 妻をけしかけ…14 真二 投稿日:2008/12/27 (土) 21:58
カイジさん

いつもレスありがとうございます。


今年最後の業務が今日
終りました。大変な時代に突入し、私の仕事も大変です。


妻は風邪もひかず、今日も元気で、私を待ってくれています。


妻あっての私ですから、
これからも二人で人生を
楽しんで生きたいと思っています。


来年がカイジさんにとっていい年でありますように…お祈りします。

[Res: 37805] Re: 妻をけしかけ…14 こうし 投稿日:2008/12/29 (月) 17:29
楽しみに読ませてもらっています。
いよいよ本命の課長が登場してきましたね。
今後の展開が楽しみです。
奥様の心が、かなり課長に開いてきてますね。
色恋沙汰を目の当たりにした課長が、自分はどう動くのか、
興味が尽きないところです。
ゆとりが出来てからで結構です。お待ちしてます。