掲示板に戻る / 戻る
過去ログ[40]

過去ログ:
ワード検索: 条件: 表示:
※探している投稿記事が見つからない場合は「過去ログ」のページを変更して再度検索してみてください
検索結果:6


[30419] 魔性【番外編25】  樹氷 投稿日:2008/04/08 (火) 18:45
見るに耐えない内容の映像だったのに、途中からは食い入るように画面に釘付けになってしまっていた私。

映像の世界が、私の自宅のリビングとリンクし、痛みを伴うような張り詰めた緊迫感が室内を覆い尽くしていた。

その映像からは本来感じ得る筈の無い、向こう側の温度や匂いまでが伝わって来るようだった。

昨夜【Z】のSMルームでの妻と明美との絡みの時にも、妻の内面深く息づいていた[S性]を感ぜずにはおれなかったが、今、映像の中で行われていた妻の行為を目の当たりにして、【私は寝た子を起こした】己の甘さ、不用意さを痛感し、重苦しい後悔の念に包まれた。

この一連の流れは全て、私の歪んだ欲望に端を発した事なのだ。

二年数カ月前に、オーダーメイドした異形のボンデージを与え、策を巡らせ、妻の変貌を望んだのは私なのだ。

紆余曲折の中で、互いの性癖を理解し合い、日常と非日常を使い分けて、【信じ合う心と信頼感】をベースに楽しみ続けられると思い込んでいた。【人間は、まずは心ありきであり、肉体とは別物であると】

だがしかし映像の中で異形のボンデージを身に纏い、男のアナルを責める妻の姿は、私の思惑を遥かに越える物であった。
今やボンデージを着た時の妻には、かつての[ボンデージに着られている感]などは全く無く、己の皮膚の延長であるようにすら感じられる。

あのボンデージを着る事は、妻の究極のリミッターカットなのかも知れない。

そう【底無しの性欲を開放し、人間としての理性を捨て去る為の‥】

だが、これは一体どちらに原因や責任がある事なのだろう?

これは結局は私の妻に対する姿勢に問題があったのでは無いのだろうか?
【妻が体感して来た快楽の余韻。】
これこそが私の快楽の源だったのだ。

毎回、同じ種類だったり、同じような味だったりする事が私には物足りなさがあったのだ。

だから、【もう少し、否、もっと、否、まだ足りないんじゃないか?】と感覚が麻痺して行き、その過程の中で、そんな私の姿勢に妻は疑問も感じたり、躊躇したり、時にはブレーキを踏む事もあった筈なのだ。

その大切なシグナルを見落とし、或は見て見ぬふりをして、行為を継続させ、妻の踏み込むアクセルの深さを、どんどんと際限知らずにさせ、暴走させる道を作ってしまったのだ。

この一連の流れは、私自身が目を背け、蓋をしていた事柄までを改めて考えさせられるきっかけとなったのだ。

[Res: 30419] Re: 魔性【番外編25】  樹氷 投稿日:2008/04/08 (火) 20:11
結局、私は物事で1番大切な事である

【さじ加減 】を誤り。
自分の妻に対する屈折した願望が、現実になる事の喜びで

【バーチャルとリアル】の区切りが出来なくなってしまっていたのだ。

幾度となく、この投稿文でも触れたが
【正に自業自得】なのであろう。

DVDに収められた映像は続いている。


何やら仁王立ちになったボンデージ姿の妻が、椅子に座る明美を見据えて口論をしているように見える。

しかし音声が入っていない為に、二人が何を言い争いしているのか分からない。

私は映像を見ながら、ソファーに座る明美の様子を伺った。

明美は画面を見詰めながら、苛立ちを隠そうともせずに、綺麗にネイルされた右手親指の爪を噛み続けていた。

ビデオカメラを握るりょう氏は、この二人のやり取りを面白おかしく感じているのであろうか?
仲裁する訳でも無く、妻と明美の顔を交互にズームアップさせて写し続けていた。

妻と明美の口論の中で、居場所の無くなった髭の男が、いつの間にか服を着て申し訳なさそうに俯いて立ち尽くしている。
りょう氏が髭の男に何か合図を送ったのであろうか?

髭の男は、済まなそうに腰を屈めながらカメラに向かって会釈をして部屋を出ていった。

画面に映る映像が一瞬ブレて、次の瞬間、無音だった映像から女性独特の甲高い声が響いた。

明美の声だ…。

「ハァ? アンタ何を言うてんの?
ハァ〜‥分かったワ。
じゃあウチがそれを着て言って来るワ。
エェんやな?後からグダグダ言わんといてや!」
仁王立ちのままの妻が答えた。

「フンッ‥ッ‥
好きしたらエェんやないの?
どうせ無駄やで‥」

一体、何の事を言い争っているのだ?

「さぁて… じゃあウチ脱ぐワ 」

妻はおもむろに、ローションに塗れたロンググローブを引き抜き、ベッドに腰を下ろしてブーツを脱いだ。

そして器用に後ろ手を回してボンデージの背中のホックを外して[ジッ‥ッ‥ジジッ‥ジ…]とファスナーを引き下ろした。
汗ばんだ上半身に張り付いているボンデージを皮膚から剥がすようにして脱ぎ、残す物はヴァギナ奥深く刺さった極太のディルドだけとなった。

妻はボンデージのクロッチ部分を右手で摘み、それを引っ張るようにして「ンン‥ングッ‥ッ‥」っと息むようにして、[ズルッ‥ズルリッ‥]とディルドを引き抜いた。

[Res: 30419] Re: 魔性【番外編25】  スパイス 投稿日:2008/04/08 (火) 20:29
行為もさることながら、読ませる文章に関心してます。
スパイスの話を思い出しました。スパイスはかけ過ぎるとその味になれていき、さらにスパイスを使うようになる。普通の人が耐え切れないものを平然とうけいれてしまうようになる。またそれだけでは飽き足らずさらにスパイスを使うようになる。これは料理の話なんだけど、人間の欲望って・・・すごいと改めて痛感しました

[Res: 30419] Re: 魔性【番外編25】  チャーリー 投稿日:2008/04/08 (火) 21:00
樹氷さんの文章は読みやすいです。改行の具合といい、1行あける感覚といい、老眼が入りかけた僕としては本当に嬉しいです。内容も群を抜いていい感じで大好きです。

事実は小説よりすごいですね。官能小説とかいうものをかなり読ませてもらいましたが、そのほとんどはある程度予想範囲内でしたが、「魔性」はその上を行っています。

樹氷さんの苦悩がわかるので、いつも切ない気持ちでいっぱいです。
でも、悪いのですが、好奇心が勝っています。
人間って残酷ですね。

[Res: 30419] Re: 魔性【番外編25】  ぽっちょマン 投稿日:2008/04/09 (水) 10:14
いきなり続きがきましたね。
楽しみに待っております。

展開、読み易さは群を抜いてますね。

[Res: 30419] Re: 魔性【番外編25】  イク 投稿日:2008/04/09 (水) 10:41
たたみ掛ける様?に読ませて貰いました。

「力作」「秀作」?? なんて表現したらいいんでしょう?

50歳近い中年オヤジの一物も反応過敏になってます^^