掲示板に戻る / 戻る
過去ログ[37]

過去ログ:
ワード検索: 条件: 表示:
※探している投稿記事が見つからない場合は「過去ログ」のページを変更して再度検索してみてください
検索結果:7


[28651] 魔性【番外編F】 樹氷 投稿日:2008/02/07 (木) 23:40
その一枚の写真を見て固まる私に、西島氏は

「どないしたん?
そのピアスに何かあるんかい?」

「…… いや、何もあらしまへん…見事なモンやなと思うただけですワ…」

相変わらずラウンジスペースからは妻を交えた賑やかな声が聞こえている…
カウンターの中でインターホンが鳴った。

ママさんが受話器を取り、私と西島氏に合図をくれた。

どうやら妻の梃子になってくれる女性が来店したようだ。

小走りに入口に向かうママさん。

やがてママさんが、一人の女性を連れ立って戻って来た。

[えっ!?…]

何とその女性は前回、私が下見に訪れた時に、その官能的な声で店内全ての男性客の魂を揺さぶったその人だったのだ。

そして…私を見て不可思議なリアクションをした女性…。

「この間いらした時に、お二人共会っていますよね?」

ママさんは彼女を私と西島氏に【しの】さんだと紹介した。

私は軽く会釈して私と西島氏の間に席を空けた。
「今日は宜しくお願いします… 何か無理をお願いしてしまって… 。」
【しの】さんは、意味有り気な視線を私に向けながら、その容姿から想像出来ぬ、驚く程のハスキーボイスで、

「… 事情はママから聞いてます…
ご主人は奥様と他人の振りをして楽しみたいんですやろ?
大してお力にはなれん思いますけど、ウチも楽しみながらやらしてもらいますね…
その前にウチも何がご馳走になってエエですか?アルコール入った方が、気持ちも入りやすいさかい…」

「勿論ですワ…何でも好きなモン頼んで下さい。」

【しの】さんはバーテンにスパークリングワインを注文し、私と西島氏、そしてママさんと乾杯し、美味しそうに杯を重ねた。

スパークリングワインによってアルコールが回り始め、ほんのり頬を染めた【しの】さんからは大人の女性特有の濃密なフェロモン臭が立ち登っている。

私や西島氏も心地良い酔いが回り始めていた…
私は、どうしても気になっていた事を、心の中に引っ掛かるあの夜の事を【しの】さんに尋ねた。何故、先日私を見て、怪訝な表情をしたのか聞いてみた。

【しの】さんは私の問い掛けに

「ん… 昔な…酷い目に合った男に[たろう]さんが、ソックリだったんで驚いてしもうたんです…気にせんといて下さい。他人の空似ですから…」

【しの】さんは、グラスを傾けながら答えた…

[Res: 28651] Re: 魔性【番外編F】 樹氷 投稿日:2008/02/08 (金) 00:32
私は【しの】さんの言葉を聞いて形の見えない不安を感じていた。

あの忌ま忌ましい過去の記憶にリンクするような【しの】さんの言葉…

まさか…隣に座るこの女性‥【しの】と名乗る彼女がアイツなのか??
しかし容姿も声も違い過ぎる…。
これから始まるであろう妻の淫靡な狂態に対する楽しみより、【何か良からぬ事が起こるのでは?】

そんな不安が私を包み始めている…

ラウンジスペースや、奥のボックスからの嬌声は増していき、BGMで流れる、気怠いボサノバが私の不安を掻き立て重くのしかかる様だった。

時計の針はすでに10時半を回っている。

賑わいを増す【Z】の店内。

やがてママさんが私の横に立ち耳打ちした。

「奥様、お相手を決めたようですよ…ボンデージに着替えたいって言うてますから更衣室にご案内しますわ…
先に【しの】さんにお相手と絡んで貰ろうていた方がスムーズやと思うんで準備しますね…」

ママさんはラウンジスペースに向かった。

その言葉を聞いていた【しの】さんも

「じゃあウチもトイレ済まして、準備しますね…」と、席を立つ【しの】さん。

そしてママさんに連れられて妻も明らかにテンションが上がりスイッチの入りかけた表情で大振りなバッグを抱えて更衣室に向かった。

この動きに店内の雰囲気は一変して牡達から放射される行き場の無い毒々しい欲求が支配し始めていた…

[熱く…重苦しく…息苦しい…]

むせ返るような【Z】の店内…

ママさんに連れられて先程本楯でカウンターに座っていた品の良い初老の髭の男性が格子状のSMルームに入って行った。この男性が妻の相手なのだろう…

ラウンジスペースからは選ばれなかった男達の怨みにも似たエナジーが洩れ伝わって来る…

やがてトイレから【しの】さんが戻って来た。

「さて…[たろう]さん、ソロソロ始めますわ…」

その言葉が終わるか終わらないうちに【しの】さんは、呆気に取られる私や西島氏を尻目に、その場で着ている物を脱ぎだした。

見事なまでのプロモーションを黒赤のコンビのスリーインワンが際立たせている…

バックシームの入ったガーターストッキング…

バッグから黒いピンヒールと二の腕までの長さのグローブを取り出して身に着けた。

そして脱いだ服を綺麗に畳み、バッグと共にカウンターの中のバーテンに手渡した。

[Res: 28651] Re: 魔性【番外編F】 桃子◆momoK2 投稿日:2008/02/08 (金) 00:51
 連続投稿ご苦労様です、楽しみにしていました。あまりの迫力に胸が苦しくなります。

[Res: 28651] Re: 魔性【番外編F】 樹氷 投稿日:2008/02/08 (金) 01:32
【しの】さんは、一旦席に座り、黒色のビロード地のグローブで残されていたグラスを持ちスパークリングワインを気持ち良く飲み干した。

【しの】さんもこれから始まる【性の宴】での悦楽を予見し、興奮し始めているのだろう。
アルコールだけでは無い高揚した表情をして私に向き直り無言で私を見詰めて再び立ち上がった。
【しの】さんが立ち上がった時に【しのさんの牝のフェロモン塗れの芳香】が、フワッと私の鼻腔を刺激した。

[ん、ん…この匂いは…]

私は自分の鼻腔奥底に染み付いて残る、この匂いに覚えがあった…

しかし記憶を辿る間も無く、私と西島氏は【しの】さんに連れられ格子状のSMルームに連れて行かれていた。

SMルームの中では先程の老紳士が手持ちぶたさと、これから起こる事への期待を入り交えた様子で待っていた。

【しの】さんは初老の男性に
「ママから聞いてます?【ゆきみ】さんは初心者だから私が助けてあげながら…になってるんやけど…大丈夫ですか?
それとこちら二人は私のツレやから一緒に見せて欲しいんやけど…
エエかな?…」

戸惑い気味の初老の男性に【しの】さんは有無を言わせぬ物があった。

私と西島氏も初老の男性にペコリとお辞儀し

「邪魔しませんよって、宜しゅうお願いします」と挨拶した。

微妙な空気が流れるSMルームの中を改めて見回して見た。

壁には数々の小道具が掛けられ、天井には大掛かりな吊りに使う為の機材がぶら下がっている。

これらの日常から掛け離れた小道具、このエロティックな空間…そして淫靡な姿の妻と、しのさん… この全てが私の高揚感そして興奮を極限に導こうとしていた…

傍らの西島氏も同じ気持ちでいたようだった。

小声で「こりゃ見物やな…えぇ女二人に責められる初老の男…しかしワシもアンタの嫁ハンの梃子が、この女性だとは夢にも思わなんだワ…楽しみやナ」

「ホンマですなぁ…期待十分ですワ…」

私達はどちらとも無く顔を見合わせ頷いた。

【しの】さんは初老の男性に「じゃあ【ゆきみ】さん準備しているから、先に始めるね?脱いでもらおか?」と、ぶっきらぼうに言った。

初老の男性がノロノロと仕立の良さそうそうなスーツを脱ぎ、ネクタイ、ワイシャツと脱いで行き、トランクス一枚になった。

[Res: 28651] Re: 魔性【番外編F】 桃子◆momoK2 投稿日:2008/02/08 (金) 01:35
 次が読みたくて読みたくて樹氷さんの魔性は癖になります。

[Res: 28651] Re: 魔性【番外編F】 樹氷 投稿日:2008/02/08 (金) 02:31
SMルームの中で【しの】さんの命令によってトランクス一枚になった初老の男性。

驚いた事にトランクスは呆れる程に隆起している。

西島氏が小声で

「オッサンのデカイわぁ…」

私も「これかなりの巨根ですワ…由香利の奴、ひょっとして巨根を見分ける特殊能力でもあるんちゃいますやろか…怖いワぁ…」

【しの】さんはトランクス姿になった相手を横たわらせてヒールの爪先でトランクスの膨らみを弄び始めた。

苦悶の表情をする初老の男性。

「変態やね…アンタ…イイ歳して…こんな事されて気持ちエエなんて…」
「はい…私は変態です…もっと虐めて下さい…」
その言葉に【しの】さんは豹変した様にキツイ顔になり

【虐めて下さいだぁ!このエゴマゾがぁ…
お前をどう扱うかは私が決めるのだよ!
偉そうにお願いしてるんじゃないよ!!」

と、爪先に力を込めた。
空間の中に広がる異様な緊張感。

初老の男性の呻き声が響く…

その時に外から凄まじい[ウオォォッぉ…]っという、どよめきと口笛を吹く音が聞こえて来た。
格子の外のカーテンが開かれて【魔性のボンデージ】に着替えた妻が、ママに連れ添われて入って来た…

時が止まった…。

新しく山田君の所にオーダーされ作られたボンデージ。
私も見るのは初めてだった。

前回の物と基本的には同じデザインだが、ハイレグ度が増している。

胸の谷間が強調されたデザイン。

ガーターの金具が付いていて網タイプのガーターストッキングを履いている。

特殊加工され黒光りしたラバー。

同素材のロンググローブにニーハイのブーツ。
踵は8センチぐらいか?
そして何より驚いた事はボンデージの股間から生えた生々しいディルド!
まるで妻の肉体から元々生えていた物であるように黒光りして血管の浮き上がり起立したペニス…

当然クロッチの内側には【伝説の竿師、藤田】の巨根を型取ったディルドがヴァギナ深く挿入されている筈だ…一体どんな構造になっているのだろう?…

妻は、一歩、歩く事に切ない表情になっている。
ヒップが歩く度にキュンキュンと引き上げられているようだ…

瞬時にしてSMルームは【あの匂い】に染まった。
そう…妻のヴァギナから溢れ出るフェロモン臭とラバーの混ざり合う匂い…

牡を引き寄せ、狂わせるあの匂いに…

[Res: 28651] Re: 魔性【番外編F】 桃子◆momoK2 投稿日:2008/02/08 (金) 03:10
 これからどうなるのか、期待しちゃいます。でも怖い