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[28065] それは汚い流し台で・・・@ モンブラン 投稿日:2008/01/19 (土) 00:45 話は10年前に遡る。
成人式を終え、二十歳になったオイラはまだヤラハタだった。ヤラハタというのはヤレナイ二十歳(ハタチ)・・・つまり童貞で迎える二十歳野郎ってことだ。三流とはいえ大学に通い、時間も遊ぶツールも、友達もいた。 だが結局童貞は捨てれなかった。 大学三年を迎えた春、仲のよいサークルメンバー(10人)で飲み会をした。近所の友達のアパートで、いわゆるバカ学生のバカ騒ぎってやつだ。男8人、女2人ではじめたいつもの仲良しメンバーだ。女の子は2人とも可愛くて、一人(ケイ)はサークル内に、彼氏を創っていたが、もう一人(かおり)は他の大学の男と別れて、いわゆるフリーの状態だった。 飲み会は深夜から明け方近くまで続く。さすがに一人、二人と眠りに落ちる。あるいは自分のアパートに戻ったりするやつもいる。結局最後は5人くらいになっていた。オイラもできるだけ粘ったが、とうとう限界を感じ、歩いて5分ほどの自分のアパートに帰る準備をした。 「もうだめだ。おれ帰るわ!」 たちあがり友人のアパートの玄関で靴を履く・・・と・・・フイにかおりがオイラを呼び止める・・・・ 「私も・・もう帰る・・・モンちゃん、一緒に帰ろ。」 ねむそうな甘えた声でオイラの足にしがみつく・・・髪がサラサラと音をたてる。 かおりは健康的な黒髪を背中まで伸ばし、スタイルがよく美人だった。女子プロレスラーの豊田真奈美に似ていて、笑顔がかわいかった。性格もさっぱりとしていて、サークルの後輩なんかからも人気があった。 口には出さないが、かおり狙いで飲み会に出てるヤツも絶対にいたと思う。 「おう・・・かおりネェサン、送ってくでぇ!」 眠かったからめんどくさかったが、そこはあくびをこらえ、わざとおどけて言った。 多摩センターの駅まではオイラの家を超え、15分ほどかかる。始発はあるかどうかわからんが、眠気がピークの今、正直駅までいくのはだるい。でも勝手に『じゃあね』ってのは可愛そうとも思う。 「あのさ・・・眠いからウチで寝てかない?」 結構な冒険だった。いくら友達といっても、やっぱり一つ屋根の下、男女が一緒にいるのは・・・何かを勘ぐられたり、ちょっとでも嫌そうならすぐにオイラはこの代案を引っ込め、駅まで送ってやろうと思っていた。 「寝てかないって、初めからそのつもりなんですけど私・・・ほかにドコで寝んの?」 「いや、その帰るのカナとちょっと思って・・・・」 「あ、迷惑?ちょっと寝たら帰るよ」 かおりには確信があった。 同じ屋根に寝る男女が、友達という共通項でくくられていれば、『間違い』なんてあるわけないという、絶対の自信があったのだ。その自信は一体何から来るのか検討がつかなかったが、このどこか説明のつかない違和感は、今から数時間後にオイラが童貞を失うまでずっと付きまとっていたのだ。 [Res: 28065] Re: それは汚い流し台で・・・@ 神無月 投稿日:2008/01/19 (土) 00:54 続きが気になります
よろしくお願いします [Res: 28065] Re: それは汚い流し台で・・・@ HALSION 投稿日:2008/01/19 (土) 02:53 文章上手いですね、抜けなくても読めそう(^。^)v-~
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