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過去ログ[36]

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[27952] 魔性(32) 樹氷 投稿日:2008/01/16 (水) 21:55
「おはよう‥」

私は、朝食の準備をする妻に声をかけた。

「あっ、パパ、おはようさん‥せっかくの土曜日なのに仕事なんてなぁ‥時間、遅くなるん?」

「いや‥夕方ぐらいには、帰れそうや‥今日は、姫路の谷村さんのとこ行かなならん‥姫路のお城でも見て、癒されて来るわ‥」

「エェなぁ‥姫路城、綺麗やもんな‥」

「今日、リビングのクロス貼り替えの業者の件‥頼むナ‥」

「うん。分かっとるよ‥でも、時間かかるん?」
「いや‥たいした時間かからんやろ」

妻は、何一つ違和感は感じていないようだ。

「パパぁ‥何時頃、出るん?」

「せやな‥9時過ぎやな‥」

私は、睡眠不足でフラフラの体に喝を入れるべく、熱いシャワーを浴び、[取り敢えず、偽りの出社準備をした」

妻は、私がバスルームから出るのを確認すると、「ウチも、シャワー浴びて来てエエやろか?
パパ、まだ時間あるやろ食べるのそれからでエエか?」

「あぁ‥エエよ。まだ1時間近く、時間あるさかい‥」

「クロス屋さんかて、お客さんは、お客さんやろ?綺麗にしとかんとイヤやろ‥」

「そりゃそうや、男前の兄ちゃんが来るかも知れん、バッチリ化粧した方がエエで!」

「言われんでも、キチッとするわ!」

妻はバスルームに消えた‥

私は、衣装部屋に行き、敷きっ放しの布団を上げ、押し入れの前に積み上げた。

妻には、私が、しばらくは衣装部屋で寝る事は了解済みなので、私の性格を知る妻は、必要以上に部屋を弄らない筈だ。

押し入れを開け、後ほど私が隠れるスペースの確認をした。

後は、妻がシャワーを浴びている、このタイミングで、玄関に置いた私の靴を隠し、急な仕事で、いかにも慌ただしく自宅を出たシチュエーションを作れば良い。

トイレの心配もある為に搾り出すように、用を足し、最悪を想定して2gの空のペットボトルと、普段履いている靴を押し入れに隠した。

私は、バスルームへ行き、シャワーを浴びる妻に声をかけた。

「悪い!! 急ぎで行かなならんくなった。メシはエェわ‥なるべく早く帰るさかい、頼んだで!」

「え〜、ゴメンな、シャワー長くて、今、出る‥」

「エェんや‥エェんや‥ゆっくり浴びたらエエ‥ほな、行ってくる」

「行ってらっしゃ〜い」
私は、携帯をマナーモードにして、押し入れに隠れた。

[Res: 27952] Re: 魔性(32) 間男 投稿日:2008/01/16 (水) 22:11
いよいよですね。
いつも楽しませてもらってます。

期待で今夜はこちらが寝不足になりそうです。

[Res: 27952] Re: 魔性(32) こおじ 投稿日:2008/01/16 (水) 22:36
ホント寝れなくなりそうですね!気になって気になって…

[Res: 27952] Re: 魔性(32) まるる 投稿日:2008/01/16 (水) 22:48
御夫婦仲に溝が出来ない事だけを祈っています。

[Res: 27952] Re: 魔性(32) いずみ 投稿日:2008/01/16 (水) 23:14
あー なんだか話を聞くのが怖いような
でも早く知りたくて、、。フクザツです

[Res: 27952] Re: 魔性(32) 樹氷 投稿日:2008/01/16 (水) 23:40
暗い押し入れの中で、私は、[息を殺し、じっとしていた]

まだ時間はあるのに、全身が緊張感で満ちている。
後頭部から、肛門まで、痺れに似た物が[じわじわ]と、走っている。

押し入れの引き戸は、2センチ弱開けている。
衣装部屋の入口からは、積み上げた布団によって死角になり、見えない筈だ。

物音が聞こえた…

[ガチャ…ガチャ…]

バスルームから妻が出て、衣装部屋に入って来たのだ。
頭にバスタオルを巻いて、裸の妻…
クロゼットを開けて、下着を取り出した…

[ん?んんん?]

見覚えの無い、ワインレッドに、所々に黒のレースをあしらったショーツ。

[パチッ…]

ショーツを引き上げ、ヒップが隠された…

[フゥ〜]

熱いのか、右手を団扇代わりにパタパタさせ、ペアのブラを片手に衣装部屋を出て行った。

[何だ?あんな下着持っていたか?仮に持っていたにせよ、今まで何で着けなかったんだ?
昨日の黒いレースの下着といい、妻の意識が変わって来ている事は確かなようだ。]

しかし押し入れに隠れるぐらいで、こんなにも緊張するとは!
これで竿師が現れたら、ワシの心臓、口から飛び出すかも知れん…

どれぐらい経っただろうか?

再び、[ガチャ…]
衣装部屋に妻が入って来た。

髪を乾かし、セットして、あの、ボンデージを着ている時のように、やや濃いめの化粧をしているブラとショーツ姿の妻。
エロぃ‥エロ過ぎる‥]
《こいつ、こんなにカッコ良かったんかな?
斜め横から見る妻は、本当にイイ女に見えた‥》
妻はストッキングを穿き、ノースリーブのカットソーと、スカートに着替えて衣装部屋を出て行った。

暗い押し入れの中で時間を確認すると、9時50分。
まだまだ、時間がある。緊張し過ぎて変になりそうだ。

携帯が光った‥西島氏からのメールだ!

『おはようさん。
藤田は気合い十分。
ワシがアンタの嫁ハンが、美人でナイスバディ、藤田マニアやで、って伝えた。
ディルドの事も、ボンデージの事もや。
やる気マンマンで、ドーピングまでして、もう向かったデ。15分ぐらいで着く筈やから楽しんでな。』

[な、な、何ぃィ?もう出た?15分で着く?]

私の心臓は、早鐘のように鳴り始めた。
暗い押し入れの中は、私の心音しか聞こえない‥
隣のリビングからは、テレビの音声が聞こえている。

妻は、これから起こる事を知らない…