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[40165] 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:12
探偵社に澤田統括部長の件を依頼し、従姉妹の塔子に妻悠莉子の事で連絡を取る事によって、どんな形であれ進展がある筈と、私は14時過ぎに職場に戻ったのでした。

何しろ今朝までの段階では、右を向いても、左を向いても悪い材料しか無かったのです。

私にして見れば、何も知しらずにいてピエロでいるよりは出来うる限りの様々な情報を集めて事に当たった方が余程割り切れると言う物だったのです。

この日の夕刻、私は仕事が終わった後に普段通りに真っ直ぐに帰宅する気持ちになれませんでした。

昨夜から今朝にかけての事が、私の足どりを重たい物にさせていたのです。
私は馴染みの居酒屋で2時間程、時間を潰してから帰途に着きました。

マンションの自宅玄関を開けると同時に漂う香辛料の匂いが妻が帰宅している事を教えてくれました。

『お帰りなさい…』

何喰わぬ表情のままで微笑む妻悠莉子。

【この笑顔の裏側に、澤田統括部長の巨根でヒィヒィとヨガリ狂いながら、上の口と下の口両方から涎れを垂れ流す姿があるのだ…】

睡眠不足と居酒屋でしたたかに飲んだ日本酒が、私の中の我慢と言うリミッターを外しそうになりましたが、まだ時期ではないと必死に思い止まりました。

『どうしたの?…』

私の表情に何かを感じ取ったのでしょうか?

妻悠莉子の顔から微笑みが消え、不安げな視線を私に送りました。

私は、やや慌て気味に

『うん… 何でもないんだ… ゴメン…ただいまも言わないで…少し飲んで来たんで酔ってしまって…。』

取り繕うように話した私は、着替えて来る旨を伝え自室に向かいました。
妻は妻で微妙に何かに気付いてしまったのかも知れない…

今朝の私の妻に対する思わせ振りな言葉‥、私自身が意識せずに取ってしまっている態度…。

ここで必要以上に警戒されて、用心され、証拠隠滅でもされてしまえば元も子も無くなってしまうと、着替を終えた私はリビングに戻り、精一杯の作り笑顔で言いました。
『昨日、俺も調子に乗って飲み過ぎたのかもな‥
軽く迎え酒でも飲めば治ると思ったんだけど、かえって具合い悪くなってしまったよ。』

妻は私の様子を伺いながらも、その言葉に安堵したのでしょう。

少し呆れた表情で

『調子に乗って飲むから… ‥ あんなに私を酔わせた罰が当たったのよ‥お薬飲んだの?』 と、ローボードの薬箱から胃腸薬を取り出して私に手渡しました。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:14
【嘘でも飲まない訳に行かないな】と私は手渡された薬を飲み、ソファーに寝転がりました。

体調が悪いと言ってしまった以上は、食事を取る訳にも行かず、かと言って自分の寝室に篭って妻との距離を置く事にも一抹の不安めいた物があり、私はソファーに寝転んだままでテレビを見ながら普段と変わらない、妻との時間を過ごしていたのです。

聞きたい事は山ほどあるのです。
問い詰めたい事も山ほどあるのです。

しかしここでそれをしてしまえば、探偵社に依頼した事も、明日、塔子に会って情報を聞き出す事も台なしになってしまう。
先週の土曜日までは感じなかった、私と妻との間の見えない壁に、私はまどろっこしさを覚えていました。

『どう?具合いは?…』
覗き込むようにして私の具合いを気にする妻悠莉子。

澤田統括部長との事を知らなければ、優しい気遣いの出来る良妻と私も感謝の気持ちでいっぱいになった事でしょう。

しかし… 何を何処まで信用して良いか分からないこの状況では妻の優しさ、心遣いも薄い紙切れのように感じられてならないのです。


『あぁ‥少しは楽になったかな‥』


『お薬が効いて来たのかしら…
あなた、何か飲む?』

私は思うところがあり、妻悠莉子に言いました。
『飲み物は要らないよ。けど、綿棒を持って来てくれないか?
何だか耳の中がカサカサで気持ち悪いんだ。
久しぶりに耳掃除をしてくれよ。』

『あらっ‥珍しい事‥
本当に久しぶりね‥』

妻悠莉子は戸惑いながらも、引き出しから綿棒を持って来て、私の傍らに座りました。


『はい‥どうぞ‥ ‥』
微笑みながらタイトスカートに隠れたムチッとした太腿をトントンと叩くようにして促す妻。

私はゆっくりと妻悠莉子の太腿に頭を乗せました。

そうです‥ 私はあらためて妻の匂いを確かめたかったのです。
昨晩、酔い潰れて寝てしまった妻のゴールドのハイレグショーツに隠されたヴァギナから匂った強烈な媚臭を。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:16
前回、妻のひざ枕で耳掃除をして貰ってからどれぐらいの時が経っていたでしょう。

以前は当たり前に行われていたこんな事すら、互いに特別に意識するでも無く遠退いていたのです。
私は妻側に顔を向けるようにして妻のムチッとした太腿に頭を乗せ、右耳から耳掃除をさせました。
この方が自然に妻のヴァギナから漂う牝の匂いを感じられると考えたのです。

自然に‥ ごく自然な形で妻の下腹部に鼻を押し当てるようにする私。


柔軟剤にかすかに混じる妻悠莉子の牝の香り‥

私は妻の右脚のふくらはぎに左手を自然な形で持って行き、触れるか、触れないか微妙な距離感で手の平を置きました。

妻は真剣に私の耳の穴と格闘していました。

私は左手の人差し指で光沢のある滑らかなストッキングに包まれたふくらはぎの裏側をなぞるようにしました。

【ピクン‥っ‥ 】

妻悠莉子の太腿の内側に何かに軽く弾かれた様の反応が起きました。

私はお構いなしに指先をなぞり上げて行きました。
【ピクン‥っ‥ピクっ‥ピク‥っ‥ ‥ 】

更なる内腿の軽い痙攣のような反応。

横目で見る妻悠莉子は真剣に綿棒を片手に私の左耳と格闘していましたが、そのポッテリとした唇を半開き気味にして、瞳は心なしか熱を帯びているように見えました。

私は指先を微かに触れるか触れないかの微妙なソフトタッチで膝の裏側をゆっくり、ゆっくりとなぞりました。

【ビクン‥っ‥ ‥】

妻悠莉子の閉じられていた両腿が開き、モワッ‥っと濃厚な発情する牝のエキスが匂いました。

『はぁ‥ ん ‥ ‥ダメ‥危ないじゃない‥耳掃除をしているのに‥
悪戯するなら止めるわよ‥ 』

『ごめん‥ごめん‥ 悪気はないんだ‥ あんまり綺麗な脚だったもんでつい‥ ‥
自分の女房の体なのに最近、全然触りもしていなかったからさ‥この弾力の良い綺麗な太腿が悪いんだよ‥あははは‥ぁ‥』

『いやだわ‥本当にそんな事思ってるの?‥
さぁ‥右耳は終わったわよ‥ ほら‥こんなに大きな耳〇〇‥。
はい‥反対を向いてね‥次は左耳。』

私は妻に促されるように反対に向き直らされてしまいました。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:17
やはり妻は変わってしまっていました。

たわいのない話ですが、以前の妻悠莉子ならば、あのようにふくらはぎを指先でなぞられたならば、くすぐったがりだった妻は跳び上がって身をよじらせ、笑い転げていた事でしょう。

しかし明らかに妻はその行為に感じていました。

そして濡れていたと思われる証であるあの鼻腔を刺激したヴァギナから漂って来た媚臭。

妻は、あの鬼畜のような澤田統括部長によって私の知らない色に染め上げられていたのです。



私は明日、昼前に所用があるので出掛ける事を妻悠莉子に告げ、やはり体調が思わしくないと、先に休ませて貰う旨を伝え寝室に向かいました。

私は無機質に感じられるベットの中で、明日会う従姉妹の塔子から妻悠莉子のどんな話が聞けるのだろう?と考えていました。

期待と不安が交差する気持ちのまま、私はいつの間にか眠ってしまっていました。



翌日、私は塔子の実家を尋ねました。

笑顔で私を迎えてくれた塔子は、誰が見ても20代後半に見える事でしょう。

相変わらず塔子は綺麗でその類い稀な艶っぽさを増していました。

傍らの叔母さんが『〇〇ちゃん、塔子に言ってやって‥ 早く彼氏を作って結婚して私を安心させてやれって‥ 』

私は『大丈夫だよ叔母さん、塔子はモテ過ぎるから相手を選んでいるだけだよ』と答え、チラッと塔子を見て笑いました。
塔子は更なるとばっちりは御免とばかりに

『お母さん、もういいでしょ‥ほら、隣のおばさんと約束があるんでしょ?
早く行って来なさいよ‥』

と叔母さんを促しました。

その様子を見て、首を竦めるようにしておどけた叔母さんは

『ゆっくりして行ってね‥ 4時頃には戻るから』と出掛けて行きました。
『さて‥ 塔子‥ この間の電話での調子では、お前色々と知っているんじゃないのか?‥悠莉子の事をさ‥ 』

塔子はその眼ヂカラの塊のような瞳を私に向けたまま、私の問い掛けを聞いていました。

どのぐらいの沈黙が流れた事でしょう。

黙り込む塔子に苛立ちを隠しきれないでいた私は、
『なぁ‥どうなんだ? もう俺は分かってしまっているんだよ‥ 』と再度、問い詰めました。

塔子は自分のバッグから煙草を取り出して、火を着け、細い煙りを吐き出しました。

やがて重かった口を塔子は開きました。

『ねぇ‥ お兄ちゃんはどこまで知ってるの? 』

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:19
『ねぇ‥お兄ちゃんはどこまで知っているの?』

私は躊躇する事なく、塔子の問いに答えました。

今まで身に着ける事の無かった派手な下着の事、澤田統括部長の事、南京鍵で閉ざされていた化粧箱、局部が写された数々の写真の事、そして私が妻に仕掛けたボイスレコーダーの事と、その再生した内容、悠莉子も澤田統括部長との行為に対してボイスレコーダーを仕掛けていた事実までも塔子に包み隠さず話したのです。

私の話を聞いた塔子は眉間な皺を寄せながら、自分の中に溜まった何かを吐き出すが如く深く呼吸をして、言いました。

『良く調べたのね‥

ビックリした‥ ‥。

私もね、大分前から知っていたの‥

違う部署から噂が上がって来てね、最初は良く有るゴシップぐらいに考えていたのよ‥ でもまた違う所からも噂が来てねこれは流石に確かめなきゃまずいと思って、悠莉子に直接会って問い詰めたの‥ 』

塔子から語られた内容は、悠莉子に、塔子の耳に入っている噂を伝えた時、当初は悠莉子は否定したとの事でした。
しかし余りにその時の悠莉子の対応が不自然であり、普段とは違うテンションであったが為に塔子は言葉を尽くして問い詰めたのだそうです。

『悠莉子‥あんた、旦那にバレて離婚みたいな事になってもいいの?

あの人は私にとっても家族同然の兄のような人なんだよ。

あなたにだって分かっているでしょ?

悠莉子の人柄を見込んでお兄ちゃんを紹介したんだよ。

適当な事を言ってるなら覚悟して言ってね。

でもね‥うちの会社は女の数が圧倒的に多いのよ‥。

人の口には戸は立てれないの。

社内不倫は何故かバレるって分かっているよね?
それもよりによって澤田統括部長だなんて‥

女癖の悪さは社内で知らない人が居ないぐらいに有名な奴なんだよ。

弄ばれて棄てられた女子社員がいっぱい居る事は悠莉子だって知らない訳じゃないでしょう?』


塔子に問い詰められ、俯いたままの悠莉子は大粒の涙をポタポタと落としながら泣きだしたそうです。

そして観念したように重い口を開け、酔ってそのまま無理矢理犯された事、その折りに写真やビデオを撮られて、関係を続けなくてはそれらをバラ撒くと脅された事、本気で澤田統括部長が悠莉子を妊娠させようとしている事などを切々と語り出したようなのです。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:22
悠莉子は塔子に言ったそうです。

『澤田統括部長の事は嫌で嫌で仕方ないの‥

ある意味殺してやりたいぐらい憎い‥ でも体が‥ 体が言う事を聞かなくなってしまっているの‥。

あの男によって、うちの人とのセックスでは得られなかった快感が植え付けられてしまった‥

嫌いで嫌いで仕方ない男なのに、どうしょうもなく抱かれたがっている自分も居るの‥

でも我に返った時には、あの人に申し訳ない気持ちでいっぱいなのも本当なの‥

離婚なんて絶対にいや!
あの人を愛してるいるの!!
塔子さん‥ 私‥ どうすれば良いの‥ ‥うぅ‥ うぅっ‥ ‥うぅ‥』


『お兄ちゃんに全て正直に話して相談しなさい‥
きっと分かって許してくれるから』

塔子が諭すように言うと、
『そんな事は絶対に出来ない‥
あの人には言えない‥
お願い‥塔子さん、智恵を貸して。
何か良い方法を教えて!』

『ねぇ悠莉子? 本当にお兄ちゃんとは別れたくないのね?
あの澤田統括部長とは別れたいのね?』

塔子の問いに悠莉子は

『本当よ‥ もうあの人を裏切り続けるのはイヤなの!!
お願い‥塔子さん、何とかして!!』

『‥ 分かったわ‥
でも悠莉子、最悪あなたは仕事を辞めなくてはならなくなるわよ‥
否‥辞めざる得なくなる。
それでもいいのね?

その代わりあの澤田統括部長と刺し違えれるような方法を考えるわ‥ 』
塔子は暫くの間、無言で思案に暮れていました。
そして悠莉子に驚くべき事を語り始めたのでした。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:25
塔子の口から悠莉子に語られた事‥それは

澤田統括部長がこれだけ悪行の限りを尽くしていてもペナルティが与えられないのは、澤田統括部長の嫁が先代社長の末の娘である事。

しかし時代は移り変わり、先代社長の威光はかなり薄らいで来ている為に澤田統括部長の行いを常々苦々しく感じ、鉄槌を与えるチャンスを伺っている会社幹部が複数存在している事。

何故、一介の課長職である塔子がこのような情報を知り得ているのかは、実は塔子が亀田専務の愛人を長きに渡って勤めているからである事。

悠莉子は、それらの話を驚きを持って聞いた上で改めて塔子に尋ねました。

『じゃあ私はどうしたら良いの?

一体何をすれば良いの?』


『今からでも遅くはないわ‥ 澤田統括部長のパワハラ、セクハラの動かぬ証拠を残しなさい‥

言葉、映像、文書、証拠の数はあればある程良いわ。

悠莉子、何か無いの?』

何か思い当たる事があったのでしょう。

悠莉子の話はこうでした。

澤田統括部長は行為の後で必ず、『妻とは別れるから僕と結婚してくれ‥本気だ‥』と懇願と脅しを織り交ぜて悠莉子に言っている事。

そして悠莉子に白紙の離婚届けを押し付けて、『お前も離婚しろ』と強要している事。

それに何と言っても驚愕したのは、月に一度、澤田統括部長の変態趣味の同好の士、数人との複数での変態プレイを強要され、拒めば、今まで無理矢理映した映像をネットにバラ撒くと脅され、関係を持たされいる事などを告げたのです。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:30
悠莉子の話を受けて塔子は言いました。

『離婚届けとか、その強要されている複数でのプレイをしている時の、何か証拠と言うか、映像みたいな物は残されているの?』

『白紙の離婚届けは、いつも澤田統括部長が持って来るわ‥

複数プレイの時は必ず誰か一人がビデオを撮っているから‥』


『じゃあ悠莉子、離婚届けはボイスレコーダーを仕掛けた上で、無理矢理脅された状況で書かされたように出来るわね?

あと複数プレイの時の撮影されたDVDは持ち出せるの?』

『DVDは多分持ち出せると思う‥
毎回、過去作とかも持って来て鑑賞会のような事もやっているから‥

離婚届けの件は簡単だと思うわ‥

澤田統括部長の前で書くだけは書いて見せて、何かしらの理由を付けて、私が管理する事にすれば良いと思う‥。』


『じゃあ、ある程度の材料が揃った所で、私は全ての事情を話した上で、亀田専務にそれを任せて良いかしら?‥ ‥

もう一度聞くわよ?

悠莉子‥ あなたにとって1番の望む事は何なの?』

少しだけ沈黙があって悠莉子は言いました。

『離婚しないで済むようにしたいの‥

そして、あの澤田を潰して!!

私は背徳の日々を過ごしているけれど、お家に居る時はあの人に楽しく過ごして欲しいの‥

あの人を癒してあげたいの‥

矛盾している事は分かっているの‥

でも本心なのよ‥

塔子さん、分かって!!』

その悲痛な叫びにも似た悠莉子の言葉に塔子は

『分かったわ‥

けれど、もしお兄ちゃんにバレたらどうするの?
有り得る事なのよ。』


『‥ 分からない‥ ‥
今は考えたくない‥ 。』

塔子の問い掛けに、そう答えた悠莉子は押し黙ってしまいました。


そんな悠莉子を見て塔子は


『今は、クヨクヨしても始まらないわ。

私も悠莉子の悲しい顔やお兄ちゃんの辛い顔は見たくないから‥ 出来るだけの事はするわ‥

じゃあ、決めた段取り通りに頼むわよ。 』



『お兄ちゃん‥これが、私が悠莉子に会って、澤田統括部長との噂を問い詰めた時のあらましの全て‥ ‥驚いたでしょ?』


私は塔子の話を聞き、改めて愕然とした思いでした。

そして耐え難い怒りが込み上げて来たのです。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:33
塔子の話を聞くに及び、驚きと共に耐え難い怒りが込み上げて来た私でした。

その怒りは澤田統括部長に対する事は勿論ですが、妻悠莉子に対しても、従姉妹の塔子にまでも、私の怒りの矛先は向かっていました。

『塔子‥ お前は何故、悠莉子の事が分かった時点で俺に連絡をくれなかったんだ?

例え口止めされようが、内容が内容なんだぞ!

何か違うやりようがあったかも知れないじゃないか?』

気色ばんだ私の言葉に塔子はまくし立てるように反論しました。

『何を言っているの?

じゃあ、あの時点でお兄ちゃんにこの事を言ったら、お兄ちゃんに何が出来た?

悠莉子を毎日詰って、澤田統括部長に怒鳴り込んで‥ でも確たる物証も何も無いんだよ。

結局は澤田統括部長に致命傷を与える事も出来ずに家庭がバラバラになって終わってしまったんじゃないの?

私は真剣にお兄ちゃんや悠莉子の事を思った上での考えだったし、行動なんだよ!!』

私は塔子の言葉と剣幕に黙り込んでしまいました。

確かに塔子の言う通りかも知れない‥

塔子は続けました。

『お兄ちゃん‥ もうすぐ片が付くのよ。

集められるだけの物証は揃えたし、亀田専務も全面的に協力してくれているの‥

どんな結果になるにせよ澤田統括部長も無傷では済まないわ‥ 』

私は塔子の言葉を黙って聞いていました。

『それに‥綺麗事では済ませられない、許す事など絶対に出来ない物証も沢山出て来ているのよ‥』

塔子は傍らのバッグからケースに入った三枚のDVDを取り出して、私の前に置いたのです。

[Res: 40165] Re: 壊れかけの絆(25)  投稿日:2009/03/09 (月) 05:46
ダラダラと間延びさせて書いているつもりは無かったのですが、当時を思い出して書き綴っていると、その時々で感じた思いや、温度、匂いなどを事細かに伝えなくてはと、ついつい文章が長くなってしまっていたようです。

記憶違いで曖昧な部分もあるとは思いますが、完結まで極力手短に進行させますので、目を通して下さる皆さん、宜しくお付き合い願います。