愛する優子 初恋の終わり

[14] 愛する優子 初恋の終わり  ダスティ・ローデス :2015/07/03 (金) 09:49 ID:Tf9pSPd. No.21291

「パパお寿司食べようか?」という優子の言葉で我にかえった。

「そうだよな、せっかく冷やしてた酒もヌルくなっちゃったかな?」

愛する妻、優子が。私だけのものであるはずの優子が他の男性と遂に・・・。

そしてその詳細をなんと、妻・優子本人から聞いているのだ。

こんなに興奮し、ショックを受けるとは正に想像以上だった。

長年憧れ、乞い願い、そして半分以上諦めていた私公認での「寝取られ」だった。

文章にしてしまうと流暢に艶っぽく話しているようだけれど、決してそうではなかった。

恥ずかしくもあり、遠慮もあり、言葉を選びながら、詰まり・詰まり語られた「寝取られ模様」だっ

た。


「それで、目が覚めてからはどうしたんだ?」

「うん、私が先に目が覚めてシャワーして、髪も洗ってゆっくり髪を乾かして、1時間近くかな?

 ベッドに戻っても彼、まだ寝てたから起こしてやろうと思ってフェラしたの。

 そのまま一度SEXして、ルームサービスの朝食を食べて、運ばれてきたテーブルに手をついて後

 ろからされて。

 高層階の部屋だったんだけど、窓の外を観ながらまた後ろからされて、お風呂でまたして。

 そして最後にまたベッドでした。うん、全部ナマだった、中出しだった。ごめんなさい・・・。」

「おい、おい、前の晩と違って話がシンプル過ぎないか?そんなに回数したんだろ!?

 なんか変わったこととかしなかったのか?」

「変わったことってなによ〜?縛るとか?ない!ない!ぜんぜん、全部ノーマルだったわよ。

 残念でしたねぇ〜(笑)でもあのパワーには驚いたわ。えっ?まだ勃つの?って感じ。

 お昼にチェックアウトして、八重洲でランチした。そこではゆっくり色んなお話ししたなぁ〜。

 それで新幹線一緒に乗って、彼は京都で降りた。。。以上です!」

「おい!おい!ちょっと待てよ!以上じゃないだろ?次の約束とか、なんかあるんじゃないの?」

「うーん、変わったことと言えば新幹線でね、二人で備え付けの毛布を借りてひざ掛けにしてね、

 それでその毛布で隠して彼にあそこ触ってもらってた、ズッと。

 彼、クリちゃんの触り方が絶妙なんだよねぇ〜。東京から京都の間に5回逝っちゃったわ。

 でもね、もうこれで晋太郎クンとは会わない。いくら誘われてももう会わないことにした」

優子の一方的な宣言に私は我が耳を疑い、瞬きも呼吸でさえも忘れてしまったような気がした。

「えーーっ!!なんで!?なんでなんだ??イイ奴みたいだし、SEXも最高みたいじゃない

 か!!」

「うーん、そうなんだけどね。今日ランチしてる時なんだけどね、ゆっくり話が出来たって言ったで

 しょ。それで彼にはカノジョがいて、もう結婚は暗黙の了解で、そのカノジョはもう彼の会社手伝

 ってて、みたいなことも聞いたのね。カノジョは27歳でね、もう8年の付き合いなんだって。」

「優子、おまえそれが辛くてもう会わないって決めたのか?」

「ちがうの。彼のことだからカノジョの1人や2人くらいは居るだろうって思ってたし。

 だけど彼、わたしを誉めそやしてくれるのはイイんだけど、カノジョを引き合いに出すのよ。

 わたしと居るほうが楽しい、タメになる、SEXも段違いにイイ。大人と子供っていう感じ!みた

 いに・・・。

 それって最低な発言じゃない!?私がカノジョの立場だったら絶対に許さないよ。

 本心かどうか知らないけど、浮気相手にそんなこと言って御機取るバカが何処に居るのよ!

 わたしだってそんな言われ方したって嬉しくないしね。ガッカリしちゃった・・・。

 好きになってたからね。カノジョとか居るのも我慢しようって覚悟してたし、

 彼の足を引っ張ったり、カノジョに嫉妬したり、ましてや略奪とか、絶対に慎もうって。

 パパも彼と付き合うの認めてくれたし、わたしが彼に合わせられる、彼に無理させない!

 そんな風に覚悟してたの。それくらい好きだった。フラれるまで抱かれたいって思ってた。

 わたしからカノジョのこととか聞いたんじゃないんだよ。彼から言い出したの。

 どれだけ優子さんがカノジョより素晴らしいかって、嬉しそうに語り出すのよ。

 ごめんねパパ。せっかくパパの望み通りになったのにね。

 でも10歳上のおばさんが若い不倫相手にそんなこと言われて喜ぶって悲しくない?

 大切なカノジョと比べて、そのカノジョの陰口言うなんてあたしには考えられないの。

 きっといつか、わたしも誰かと比べられて陰口を言われる、って思った。

 軽いの・・・。わたしが甘かった・・・。あの人はまだお坊ちゃまだった。
 
 これじゃきっといつか誰かにわたし達のことを喋るに違いないって思った。
 
 だからもうダメ!やっぱり大人の、信頼出来る人じゃないとダメ・・・。

 SEXは本当に気持ち良かった。新鮮だった。

 だから、これで最後って思って新幹線で触ってもらったの。逝かせてもらったの。

 ホントにごめんねパパ。わたし、一回イヤって思ったらもうダメじゃない。。。ゴメン」


「出た!」と思ったのは確かだった・・・。

優子独特の気の強さと言うのか、プライドと言うのか・・・。

私は結婚してもう20年以上一緒に居るので慣れているが、他人さまには理解出来ないだろうと思

う。

しばらく言葉が出せなかったのだけれど、やっと「あっと言う間に自己完結だよなぁ〜」と吐いた。

それから色々と説得はしてみた。「ハッキリ彼にも言ってあげれば二度と言わなくなるよ」とか努力

はした。

しかしもう優子の心が動くことはなかったのである。

私と結婚してから、初めての「優子の恋」が終わったのだった。


「パパごちそうさま、おいしかったね。ねぇパパ、もうわたし寝てもいい?今日はしないで寝てもい

  い?」

「うん、イイよ。後片付けやっとくから」

「ごめん、ホントは妻が浮気して来た日はSEXしたいんだよね?ごめんね」

「気ぃ使わなくてもイイよ。早く寝な!」

竜頭蛇尾とはまさにこの時のことを言うのだろう。もう本当にガッカリだった。

きっとこの時の私は生まれてから最高に間抜けな顔を晒していただろうと思う。

後片付けを済ませて寝室に入る。優子はもう子供のように丸くなって眠っていた。

私の知らないうちに若い男性を好きになり、その私の「寝取られ願望」を見事に利用し、

その好きになった男性と目くるめくような一夜を過ごしたと思ったら、

相手の発言に失望し、手の平を返したよう醒めてしまったと言う。

あっけらかんと言っているように感じられるかも知れないのだけれど、

そうではないのを私は知っている。確かに晋太郎クンの発言にガッカリはしたのだろうけども、

本当はその発言で晋太郎クンのカノジョの存在があまりにも現実的になり過ぎたのだ。

優子は辛かったのだ。晋太郎クンを好きになり過ぎたのだ。

これ以上深みに嵌まってしまわないうちに引き返したのだろう。不憫だった。


それでも暫くは「晋太郎クンの方がイイのか?」「こんな風にしたのか?」とか

私が夢にまで見ていた「寝取られ後」のSEXが数日間続いた。

「この体を、この胸を、このオマンコを他の男性に好きにさせたんだな!!」

そんなことを言いながらのSEXに優子も声を上げて興奮していた。

そのほかの日常は何も変わらない。

なにしろ職場でも一緒である。そんな生活がいつの間にか新鮮さを失わせていた。

しかし今回ただ一度の「寝取られ」がその何も変わらない日常を劇的に輝かせたのだ。

いつもの朝食テーブルが、事務所へ出勤する車中が、事務所のデスクが、

そして何よりも優子の立ち居振る舞いが光り輝いて見える。

図面を引いている振りをしながら優子のヒップラインに見蕩れては興奮していたりした。

「ねぇパパ、最近楽しそうだね。機嫌イイよね」

朝食を済ませ、二杯目の深煎り珈琲を啜りながら優子が私を覗き込むように言う。

「わたしが浮気してからパパ凄く機嫌イイし、家でも事務所でもズッと目がエッチだよ」

「そんなことないよ!」

晋太郎クンを諦めて辛いだろうと思うから私は自分の欲望は抑えていたつもりだ。

「そんなことあるよ!わたしの胸とかお尻とか追いかける目が凄くエッチだって!(笑)」

「いやぁ〜そうかなぁ〜。気を付けてたつもりなんだけど・・・。優子、ごめんな」

「謝らなくてイイよ。パパは本当に私が他の人とエッチするのがイイんだねぇ〜。

 実際にそうなって、わたし、パパに嫌われないか心配だったんだけど、

 パパ凄く優しいし、四六時中興奮してるし、パパ、ガチで変態なんだねぇ〜」

「うん。。。申し訳ないけど興奮してる。おまえは晋太郎クンを諦めて辛いのに」

「わたしは大丈夫だよ。ホントにもう大丈夫。気をつかわないでよね。

 それにね、パパ。。。こんなこと言うの恥ずかしいんだけど。。。

 正直に言うと。。。他の人とするって新鮮でイイんだよね。。。

 パパ公認だから罪悪感がないし。。。凄くイイの。。。SEXが。。。」

「え?優子。。。おまえ。。。後悔とかしてないのか?」

「ハッキリ言ってやっぱり仕事関係でもなんでも普通の生活の中で知り合った人はダメ。

 もし誰かに喋られたらヤバいじゃない。晋太郎クンはイイイ人だけどやっぱりダメ。

 人間に「絶対」なんてないし、好きになっちゃったから誘ってしまったけど、

 彼にも悪いことしたと思う。だって女がその気にならなかったら絶対に無理でしょ。

 私が誘ったから晋太郎クンも「その気」になったのよね。
 
 あのまま付き合って、いつか別れが来て、それからまた何年か経ってから、

 「もう時効だ」って感じでふと、彼が誰かに喋らないなんていう保障はないもの。」



 「でもあの新鮮な快感は忘れられないかも・・・。

 それにパパの変わりようが凄くてビックリ。

 わたしが晋太郎クンに会いに行く前も、帰ってからもパパの興奮が凄過ぎなのよね。

 それでわたしも興奮しちゃうし、嬉しいし、幸せなの。自分でもビックリなんだけど。。。

 パパ。。。あのね。。。恥ずかしいんだけどね。。。あのね。。。」

「えっ?なんだよ優子、おまえ。。。おまえ。。。まさか!?」

「パパ。。。あのね。。。また誰かイイ人探さない??」


この優子の台詞を聞いた時の私の気持ちをどうか察して頂きたい。

夢かと思った。完全に我を忘れて舞い上がってしまったのである。

「優子イイのか!?それ本気で言ってるんだな!?」

「パパ落ち着いて!慌てないでね、お願い。誰でもイイんじゃないんだから。

 やっぱり生理的に受け入れられる人で、紳士で、そしてお互いに何処の誰か分からなくて、

 ガツガツしてなくて。。。それで。。。パパも気に入ってくれるような人がイイでしょ」

「そうだよな、うん!そうだよな!だったらやっぱ募集するしかないんじゃないか!?」

「あのパパが見てるサイトで募集するの?あれはハードル高いよぉ〜。専門家はムリ〜!」

「寝取りの専門家ってか?でも応募してくれる人の中から選べるんだから」

「だからパパ、慌てないでゆっくり探そうよ。落ち着いて探そうネ、お願いだから」


優子の心境がまったく思いがけない方向に変化していたのだった。

晋太郎クンとの一夜が優子に内在する「淫乱」を開花させようとしている。

このダラダラと長い、そして我田引水な物語はフィクションである。

しかしあくまでも私達夫婦の実際が基本になっている。

優子の初恋が終わり、数日経ってこの会話が交わされたのが6月初旬のこと。

そして7月になった現在、優子の新しい「彼氏」をどういう風に探すのか?

夫婦二人での手探りがスタートしているのである。


                   【愛する優子 初恋の終わり 了】