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[3656] 3年前、それから14 忠太郎 投稿日:2008/04/06 (日) 21:11
相変わらず、ダラダラです。

〔脱皮〕
裕子も私も、パーティーの事を話題にするのは、意識的に避けていた。私は、裕子に訊いてみたいことが色々とあった。おそらく裕子も同じようにあったと思うが、何となくお互いに口に出すことに恐さがあった。
その代わりか、夜のセックスは激しく燃えた。互いに嫉妬をぶつけ合う様な激しさがあり、その裕子の激しさの中に、私を責める様な気持ちが、ありありと見て取れた。特に、一週間位の間は毎日、激しく燃えた。まるで、“パパは、あたしのものなの、誰にも渡さないの!”とでも言うような激しさで、悶え、喘ぎ、熱く狂った。凄みさえ感じる時もあった。
燃え尽きた後は、全裸のままぐったりと私に抱きついて眠った。

翌朝になると、二人の女の子の良きママとなる。女というのは色々な顔を持つ。男にもあるだろうが、裕子を見ていて、朝になると、夜の娼婦のような顔をおくびにも出さないことに感心させられる。女としても、人としてもまた一つ脱皮をしたように思えた。
お互いに気持ちも醒めて、漸く以前の生活のリズムに戻ってきた頃、“また誘われたら、スワッピングをするのか?”と訊いてみた。
「もう、いいわ。パパが離れていっちゃうような気がするから……」

裕子の激しさは、私を“繋ぎ止めよう”との思いだったのかもしれない。
子どもを寝かしつけるまでは、優しいママの顔。子どもが寝付くと、淫乱とも言えるような娼婦となる。私が風呂にはいっていると、必ず後から入ってきた。そして、抱きつくようにして私の体を洗い、分身を口に咥える。かつてはなかったことだ。十分に勃起すると、ある時は座位で、ある時はバックからと、挿入をせがむ。
兎に角、一時も体を離れようとしない。風呂から出ても全裸のまま一緒に布団に入り、また激しく燃える。
私に、雅子とのセックスを忘れさせようとしているようでもあり、裕子自身が木村氏とのセックスを忘れるために燃え尽きようとしているようにも思えた。逆に考えると、それほど、木村氏とのセックスが忘れ難いものだったのかもしれない。
私も、裕子を抱いていながら、ふと、雅子とセックスしているような錯覚をするときがあった。裕子も、木村氏に抱かれているような想像をしているのだろうか。繋がっているときも、“パパ、パパ!”と呼びかけるようになった。

[Res: 3656] Re: 3年前、それから14 忠太郎 投稿日:2008/04/06 (日) 21:12
〔恐れ〕
初めての、夫以外の男性とのセックスは、やはり強烈な後遺症が残りました。とても簡単に割り切れるものではありませんでした。
特に木村さんとのセックスは、頭が真っ白になるほど翻弄され、自分を失ってしまいました。このまま、またこんな経験をしたら、どうなってしまうのだろう………。と、自分で自分を抑えることができなくなるような恐さを感じました。
夫に“もう、したくない”といったのは、そんな自分を必死で抑えようとしていたから、口に出すことによって、その気持ちを打ち消そうとしたのです。

自分の気持ちでありながら、複雑で、自分にも理解できないことがあります。
木村さんとのセックスは良くなかったのか。と問われれば“NO”です。良かったのか、と問われれば“YES”なのです。
夫以外の男性とセックスしたくないのか。と訊かれれば“YES”ではありません。
では、夫のことを愛していないのか。と言われると、絶対に“NO”です。絶対に愛しているのです。前よりも、ずっと、ずっと愛しているのです。
その気持ちを夫に解ってほしくて、毎日、抱いてほしくて、ずっと、一緒にいたくて堪りませんでした。“やっぱり、パパが一番!”なのです。

でも、パパに抱かれている時でも、無意識の中に木村さんをイメージしてしまう時があるのです。そんなときは、それを払拭するために自分から積極的に、激しく求めました。くたくたになるまでパパに抱きついていったのです。それでも、完全に払拭することはできませんでした。

[Res: 3656] Re: 3年前、それから14 忠太郎 投稿日:2008/04/06 (日) 21:13
〔仕事の依頼〕
木村氏から、会社に電話があった。私も四六時中、女の事ばかりを考えているわけではない。仕事もしている。都内にある設計事務所に勤めているが、その事務所に、私を指名で、木村氏より設計の依頼があった。何故かとも思ったが、名刺交換をしていたので、考えてみれば不思議はない。
男とは得てして、仕事先の付き合いばかりで、地元の付き合いなどは妻に任せっきりな場合が多いが、私もそうである。したがって、木村氏がどんな人なのかもよくは知らなかった。
ただ、住まいのマンションから考えても“お金持ち”であることは、容易に想像がつく。だが、実際は、私の予想を遥かに超える資産家であることが、次第に明らかになっていった。
所有する不動産だけでも、マンション、ホテル、貸しビル、駐車場等々、ちょっと挙げただけでも相当な資産である。人の財布を覗いても仕方がないが、溜め息が出るほどの額になる。
そんな木村氏から依頼があったのは、自社ビルの内装工事の設計依頼だった。これは、あとで判ったことだが、あの件の後に、木村氏は裕子と私に興味を持ち、私の仕事とかを調査し、今までに私が手掛けた建物を見て依頼をしてきたらしい。

仕事の打合せ旁、この前のマンションに、裕子と二人で夕食に招待された。あのパーティーから一月近く経った頃だった。
裕子は、“木村さんと顔を合わせるのが恥ずかしい”と言ったが、
「パパの仕事のためなら、仕方がないわね……」
と、恩着せがまく承知した。私も、雅子と顔を合わせるのは、少し照れるが、仕事としては悪い仕事ではない。10人足らずの設計事務所には有り難い仕事である。社長も挨拶に行きたいと言ったが、木村氏より、私だけで良いと断られた。

約束の日に、裕子と二人で木村氏のマンションを訪ねた。雅子が迎えてくれた。相変わらずいい女である。木村氏も直ぐに玄関まで出て迎えてくれた。
木村氏が、“超”のつく資産家と判って、改めて為人を見てみると、この人は持って生れた育ちの良さの様なものがあり、傲慢なところがない。俄か成金ではないということだろう。
「この前はお疲れさんでした……」
含みのある眼で木村氏が、裕子を見つめ微笑みながら言った。
「あら、木村さんこそ、お疲れ様でした」
意外と度胸の据わっている女である。しゃあしゃあと切り替えした。
そんな裕子に、木村氏は興味を持っているようだ。なんとなく、からかいたくなるところが、裕子にはある。雅子はニコニコしてそれを眺めていた。

[Res: 3656] Re: 3年前、それから14 忠太郎 投稿日:2008/04/06 (日) 21:14
〔独立の条件〕
木村さんからの仕事の話は、願ってもない条件でした。
木村さんが持っているマンションやホテルなどの不動産が、こんなにいっぱいある、すごいお金持ちとは知りませんでした。その建物のリフォームやリニューアルなど設計管理を全て任せるから、独立しないか、と云う話です。必要なら独立するための資金も出すと言うのです。
でも、あまりにうますぎる話なので心配でしたが、仕事のことは全くわかりませんので、夫に任せるしかありませんでした。

木村さんが夫に“見てほしいものがある”といって、夫と別な部屋にいってしまったので、雅子さんと二人だけになりました。
「裕ちゃん、この間の、どう、よかった?………」
どう答えたらいいのか、困っていると、
「うちのが、裕ちゃんと相性がピッタリだ、って喜んでたわ」
「雅子さんは、そういう風にご主人に言われても平気なんですか?……」
「平気じゃないわよ。嫉妬するわよ。でも、うちのはわたしのものなの。わたしを愛しているのは解るから、悔しいけどそれが愛情の裏返しみたいなものかな……、ウマく言えないけど、お互いの愛情は深くなるような気がするわ」
雅子さんから“裕ちゃんの体を、うちのが絶賛していたわよ”とか、“セックスの相性が悪い人とは、お付き合いしてもうまくいかないの”とか、恥ずかしくなるような露骨なことまで言われても、それが、雅子さんの口から出てくると、不思議とセックスに対する嫌らしさが無くなり、むしろ言われることに誇らしささえ感じるようになるのです。

「裕ちゃんにお願いがあるんだけど……」
雅子さんの願いというのは、“もう一度、健ちゃんに抱かれたい”ということだったのです。
木村さんと同じように、雅子さんもパパとの相性がピッタリだったというのです。
あの時、雅子さんとパパが繋がったまま立ち上がり、雅子さんが両手両脚をしっかりと絡み付けていた光景が浮かんできました。
あの時は、雅子さんに夫を盗られてしまうような気がしましたが、そんなこともなく、しっかりとわたしの元に戻ってきました。夫の、わたしへの愛情も変わることはありませんでした。
でも、何度もこういうことがあったら、それでも、大丈夫なのだろうか……。でも、ダメになるものなら、縛り付けておいたとしてもダメになるし、大丈夫なものは、自由にしておいても大丈夫なのではないだろうか。という自分自身の結論に達しました。
「いいですよ。雅子さんならいつでも貸してあげます」
自分でも驚くほど、さっぱりと言ってしまいました。雅子さんの顔が、ホントに嬉しそうだったのが気になりました。