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[2662] サクラチル−4章−2 完結 藤島誠◆FIRAuA 投稿日:2007/12/03 (月) 01:43 ■4−2
それからしばらくの間、仕事も忙しく、深夜に帰宅、早朝に出勤とあまり家族と顔を合わせない日が続いていきました。この頃になると妻は川端の家に入り浸ってほとんど家に帰ってこなくなっていました。 そして、時々百合華が毎回違う男を自宅に連れ込んでイチャイチャしていたり、時にはセックスをしていたりしていました。 最初のうちは、百合華と百合華が連れ込んだ男に説教をしていましたが、私の言葉は届いていないのでしょう、百合華は男を連れ込むことをやめませんでした。 私をいないものとしているかのように百合華と男は裸で家の中を歩き回り、動物のようにどこでもセックスをしていました。私が横にいるのに大きなあえぎ声を上げて男のペニスを受け入れています。 そのあえぎ声はもはや小学生らしい声ではなく、もう大人の女そのものでした。 そんな娘の姿から逃げるように、仕事が忙しいということを口実にして私は、ますます帰宅が遅くなり、家から遠ざかるようになりました。 私が帰国してから3ヶ月ほどして、仕事が落ち着いてきた頃、私は久しぶりに専務室に呼ばれました。 専務室に入ると、早速専務と桜子がイスの上でセックスをしてました。 「ああん!!淳也ぁ!愛してるわ!もっと突いてぇぇぇ、奥まで奥までぇぇ」 妻は専務に"愛している"を連発していました。妻の中には私のはいる余地はないのでしょうか。もう、心は完全に離れてしまったのでしょうか。 久しぶりに妻の裸を見ると、妻の体はすさまじく変化してました。 いくつものラビアピアス、背中には大きな羽の入れ墨、その他にもあちこちに入れ墨やピアスがありました。 そして、それ以上に違和感を覚えた変化がありました。おなか周りが太ったような気がしました。 「藤島君、遅くなったが、君に任せたニューヨーク支社は順調だそうだな。目標売り上げを毎月大幅に更新しているぞ。」 「・・・はい。」 「このまま、君にはマネージャーとしてがんばってくれたまえ。」 「・・・はい・・・」 「そうそう、藤島君、桜子を見て気が付かないかね?」 「え?、ああ、ピアスや入れ墨ですか?もう、いいんです・・・」 「そうじゃない、桜子の体をよく見てみろ。」 「ちょっと太ったかなと思いますが・・・」 「太ったのではない、妊娠してるのだ。私の子供を。私もこの年になって初めて子供を授かったよ。どうだ、めでたいだろう」 「に、妊娠!!?そんな!!あ、あなたは!どこまで私をバカにしたら気が済むんですか!!!」 私は思わず激高してしまいました。 「まあ、まあ、そんなに怒らずに。君にも桜子の美しい体を見せてやろう。桜子、藤島君に見せてきなさい。」 「わかったわ。」 妻は、川端にチュッっとキスをすると、股間から専務の精液をポタポタと垂らし、股間をカチャカチャ鳴らして私の目の前にある応接セットのテーブルに座り、足を大きく広げました。そして、大きくなったおなかを見せながら乳首とラビアを繋いでいるチェーンを引っ張ってアソコを広げて私に中を見せました。 「ねぇ、誠?ココの奥にあたしと淳也の赤ちゃんが入っているのよ?すごいでしょ?ああ、誠に久しぶりに見られるとちょっと興奮しちゃうかも。ふふふ。」 思わず私は妻のラビアに触ろうとしました。 「ちょっと誠!!何するの!?誠のそんな汚い手で触らないでよ!誰が触っていいって言ったの?淳也は見せろって言っただけでしょ?あたしの体をココまで見られただけでも感謝しなさい!まあ、でも触ったらダメだけど、あたしの体をおかずにしてオナニーくらいは許してあげるわ。」 「も、もういい。もういいから、あっちへ行ってくれ・・・」 もう、かつての優しく無邪気に私に笑いかけている妻はいなくなってしまいました。 しかし、どのようになっても私は妻を、そして百合華を助けたいと思い、改めて川端へ復讐しようと心に決めました。 しかし、私は妻の日に日に大きくなるおなかを見ているのがつらくなり、仕事と調査に没頭していきました。 調査していくうち、川端のとんでもない実態が徐々に明らかになっていきました。 数多くの使途不明金、政治家との癒着の証拠、裏世界から受ける様々な便宜、裏帳簿、これを公開すれば、少なからず会社は大打撃を受けるでしょう。しかし、この男をこのまま野放しにしておけません。 そして、私に関わる衝撃的な事実がわかったのです。あの一年半前の屈辱の日、私が資料を流出したという日、私が自宅に持ち帰った資料データは元々ウィルスに感染していたのです。 そのウィルス自体は巧妙に隠されており、すぐに見つけられませんでしたが、プログラムに詳しい知人に見せてみると、会社以外のパソコンでCD−ROMを読み込ませると感染させてしまうようです。 自宅でそのCD−ROMを読み込ませたときにパソコンに感染したのでしょう。そして全ての資料が流出してしまったのです。今思えば、CD−ROMを私に渡してくれたあの上司は、専務の、川端のシンパでした。川端は私を陥れるために私の上司を利用したのでしょう。 そして網に掛かった私たち家族を陥れ、あとは自分の思い通りに進めていったのです。 ようやく全ての資料がそろいましたが、妊婦の妻には刺激が強すぎ、流産してしまう可能性もあると考え、出産後に告発することにしました。悔しいですが、生まれてくる子供には罪はありません。 そして妻は出産し、しばらくの間妻は川端の自宅に住むことになりました。 そして妻が出産してから3ヶ月の間、全ての資料の整合性を確認した上で秘密裏に告発しました。 告発以来、何度か聞き取り調査のため、東京地検に足を運びました。 それから1ヶ月ほどしてから、いつものように仕事をしていると、受付から連絡が入りました。 『藤島マネージャー、山本様という方がマネージャーと面会したいというのですが・・・』 「はい、私の席まで通してください。」 『わかりました』 しばらくすると、面会人が私の席の前にやってきました。 「お世話になっております、お久しぶりです、藤島さん。東京地検特捜部の山本です。詳細な情報提供のご協力ありがとうございました。藤島さんの情報を元に我々でも調査をした結果、裏付けが取れましたので、本日お伺いしました。」 「ご苦労様です。」 「お忙しいところ申し訳ありませんが、川端さんのお席まで案内いただけますか?」 「わかりました。」 「それと、奥様ですが川端さんの秘書をなさっていますよね?」 「ええ」 「もしかしたら、今後奥様に事情をお聞きするかもしれません。それに、場合によっては"逮捕"ということもあり得るかもしれませんが、構いませんか?」 「はい、覚悟しております。」 「わかりました。では、お願いします。」 そして、専務室前に捜査員たちを案内すると、秘書席にいる妻はビックリしていました。 「桜子、川端専務はいますか?」 「え、ええ、な、なんの用なの?」 「いや、ちょっと新しいプロジェクトのことでね。」 私は無理矢理専務室に入っていきました。 「ちょ、ちょっと待って!予約してないでしょ!?」 無理矢理妻の横を通り抜け、専務室ドアを開けると、奥の席に専務は座っていました。 捜査員が川端の前に立つと、令状を広げました。 「川端淳也さん、公文書偽造、業務上横領、収賄、恐喝の容疑が出ています。ご同行願いますか?」 「な、なんだ!おまえらは!!ふ、藤島ぁぁ!!き、貴様か!!!!こんなことをしてもいいのか!私は貴様の情報流出を告訴するぞ!!」 「はっ!何を言ってるんですか!そんなものあなたが仕組んだということは全て証拠が揃っているんですよ?私を告訴したら逆に困るのはあなたじゃないですかね?」 「き、貴様ああ!!」 「さあ、今度はあなたの番だ、私が味わった屈辱をあなたも味わうんだ!」 「ま、誠っ!!あなたどういうつもりなの!?あたしとがんばっていこうって話してたじゃない!こんな恩を仇で返すようなマネして!!」 「桜子・・・君はそこまで・・・もう、終わったんだ・・・何もかも・・・僕らはこの男に騙されていたんだよ・・・」 「そんな、嘘よっ!!あり得ないわっ淳也が・・・ああ・・・そんな・・・あたし・・・」 妻はそのまま気を失ってしまい、救急車で運ばれていきました。 川端が捜査員と共に会社を出て行くとき、社内は騒然として1階のホールは各部門から野次馬が溢れかえっていました。 私は川端の逮捕後すぐにマスコミにもこの件を全てリークしており、翌日の新聞やニュースはこの話題で持ちきり、政財界を揺るがす大事件に発展しそうです。 何日か経過し、私は役員連中に召喚され、この件に関して事細かに報告しました。 事前に何の相談もなかったということで若干咎められましたが、私の情報流出の疑いも晴れ、会社の膿も出せたということで、概ね全役員から感謝されました。 そして、川端の逮捕から二年程経ちました。 川端は与野党議員に絡む癒着、横領で証人喚問を受け、政治家連中にも逮捕者が出るほどでした。数多くの刑事、民事裁判が行われ、結果全ての裁判の判決で有罪が確定して刑に服しています。 妻も何度か事情聴取を受けましたが、詳しい事情は知らず、いつの間にか犯罪の片棒を担がされていたと言うことで、加害者というよりも川端に騙されていた被害者として扱われたようです。 ニューヨーク支社はかなり規模が大きくなり、短期間に合衆国全土に支部や支店が広がっていきました。 私の功績から39歳の若さで取締役に就任し、世界中を飛び回っています。 私の妻は私との生活に戻りました。しかし、川端の体が忘れられないのか、町中でのナンパ男に軽々しく付いていったり、出会い系にもはまり、見知らぬ男に何度も抱かれた結果、性病をうつされ、二度の妊娠中絶をしました。そして酒におぼれてしまい、アルコール依存症になり、ついには倒れて入院してしまいました。 時間の許す限り妻の病院にお見舞いに行き、失われた時間を取り戻すため、今まで出来なかった会話を包み隠さず話しています。徐々にですが、妻の表情も明るくなり、口数も増えていきました。 妻の体に施されたピアスや入れ墨は全て取り除き、胸も元の大きさに戻しました。 病院でアルコール中毒の治療と禁煙治療も受け、元の体に戻りつつあります。 そして、娘の百合華は、川端が何でも買い与え、多額の小遣いをやって甘やかせた為か、五年生になると援助交際を始め、何度も補導されました。六年生になると殆ど家に帰ってこず、百合華は妊娠してしまいました。私に妊娠を伝えると荷物をまとめすぐ家を出ていってしまい、以来行方不明になってしまいました。 警察や興信所などを使い、全力で探していますが未だに見つかっていない状況ですが、徐々に情報も集まってきており、見つかるのも時間の問題でしょう。 妻が生んだ川端との子は、今は私の娘として育てており、今のところ順調に素直に育っています。川端との子供ということで、最初は受け入れるのに時間を要しましたが、一番の被害者はこの子です。接しているうちこの子は私が守ってあげなければならないという気持ちになり、今ではとても仲良く接しています。いつの日かこの子は真実を知るかもしれませんが、そのときは時間をかけて心を込めて説明したいと思います。 私の家族は一人の男によってバラバラにされてしまいました。私は地位と金は手に入れ、信頼も戻りました。しかし、失われた時間は元には戻りません。完全に元のように戻ることは叶わないのかもしれませんが、失われた家族との絆を少しでも取り戻すため、どれくらい時間が掛かるかもわかりませんが、私は努力を続けようと思います。 完 [Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 藤島誠◆FIRAuA 投稿日:2007/12/03 (月) 01:51 初めてこういう話を投稿しました。
文章的に読みにくいかと思いますが、ご容赦ください。 [Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 プロレスラー 投稿日:2007/12/03 (月) 08:14 大量投稿有難うございます。今晩ゆっくり読ませて頂きます。また感想投稿致します。
[Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 スリル 投稿日:2007/12/03 (月) 11:20 これは名作だ!やっぱ最後はスカッと復讐で非常に良かった大作です。
[Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 みと 投稿日:2007/12/03 (月) 14:15 素晴らしい!の一言に尽きます。
川端に狂う桜子、不安や苛立ちを募る誠、母の影響で堕ちる百合華の心境がすっきり伝わる書き手に惚れちゃいました。 新作を楽しみにしてます。 [Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 NORI 投稿日:2007/12/03 (月) 17:42 お疲れさま。
興奮して読みまくりました。 願わくば 桜子さんの心情とを踏まえたエピローグをおながいしたいのですが。 楽しみにしています。 [Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 藤島誠◆FIRAuA 投稿日:2007/12/03 (月) 18:25 皆様ありがとうございます!
初めての投稿で正直不安でしたが、反響も悪くはなく、ひとまず一安心です。 桜子のエピローグやその他の登場人物のサイドストーリーは、そのうち書きたいと思います。 しかし、今回の話に力を入れすぎてしまい、今はなかなか意欲が出てきません。 申し訳ありませんが、しばらくお待ちくださいませ。 [Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 MM 投稿日:2007/12/03 (月) 18:46 すごく楽しませていただきました。
ありがとうございました。 ふと思ったのですが、旦那さんが奥さんと娘さんを取り戻したにもかかわらず、二人の影響で狂っていくというのもよかったかもしれませんね。 ペニスを極大化させてタバコを一緒に吸いながら奥さんと娘さんとの3Pを楽しんで行くような。 ともかくすばらしい作品でした。 次回作も期待しちゃいます。 よろしくお願いいたします。 [Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 スリル 投稿日:2007/12/03 (月) 21:14 そりゃ、これだけの大作を一度に書き上げたんだから達成した後の脱力感で一杯いっぱいでしょうね!ひとまずお疲れました。しかしあなたは世に大作を出してしまった人としてみなさんを楽しませる一種義務のようなモノを背負ったと思いますよ!それだけ、あなたへの期待が大きくなってしまった事への返事は次回作(エピローグ含む)で見せて下さい!お願いしますよ
[Res: 2662] Re: サクラチル−4章−2 完結 スナックカス 投稿日:2007/12/04 (火) 07:10 素晴らしい!凄い! 最高の賛辞の言葉が、見つかりません。一気にに拝読いたしました。
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