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[2654] サクラチル−1章−2 藤島誠◆FIRAuA 投稿日:2007/12/03 (月) 01:16
■1−2

家に着いたのは0時を回っていました。娘は先に寝ているのでしょう。家に着くと真っ暗でした。まるで私の心を現しているようでした。
私は、情けないことに妻と専務のセックスを見て、激しい嫉妬とともに興奮していたのは確かです。あんなに感じている桜子を見るのは初めてでした。
しかも、帰宅途中歩きながら射精してしまいました。自分のパンツを脱いで洗っていると、また情けなくなって涙が止まらなくなってしまいました。
そのあと、ベッドに潜り泣きながらいつの間にか寝ていました。
朝、9時頃、激しい頭痛で目が覚めました。
ベッドを見ると横には妻が寝ていました。いつ帰ってきたのでしょうか。首筋には無数のキスマークが付いており、まぶたと鼻は真っ赤に泣きはらしていました。それを見て改めて昨夜のことは夢ではなかったと認識しました。

昼前に妻が起きてきました。
かなり疲れた様子で起きてから泣いたのでしょうか、目には涙を浮かべていました。
私は妻にコーヒーを入れながら言いました。
「その・・・お疲れ様・・・昨日は何時頃帰ってきたの?」
「ぐすっ、ごめんね・・・5時に送ってくれたの・・・」
「大丈夫だった?痛いことされなかった?」
「つらかったわ・・・痛いことはされなかったけど・・誠君がいなくなってて心細かった・・・朝まで6回もされてしまったの・・・」
「6回も!?ごめんよ、もういてもたってもいられなくて逃げてしまった・・・」
「ううん、いいのよ、、あたしもごめんなさい・・・あんなはしたない声を上げてしまって・・・」
「今日は休むといいよ。うちのことはやっておくから・・・」
「ありがとう、そうさせてもらうわ。・・・・・誠君、あたし怖い・・・これから専務の相手をするのが・・・・」
「この生活はいつまで続くのか・・・本当にごめんよ。。。。」
「もう、いいの。あたし、がんばるわ」
そう言ってコーヒーを飲み干すと、妻は涙ぐみながらまたベッドに向かっていきました。


そして週明け、桜子は重い足取りで出勤した。専務室に到着すると既に専務は出勤しており、忙しそうに仕事をこなしていた。
仕事が一段落すると、桜子はいつも通りに一日の予定を川端に伝えた。
「わかった。ではこの資料を○×物産にFAXして、△□部品にこの契約書を郵送しておいてくれ・・・次に・・・」
そういっててきぱきと桜子に指示を出していたが、桜子は上の空で聞いてしまっていた。
「桜子君?聞いているのか?」
「あ、はい、すいません・・・」
「まあ、いい。次からは気をつけてくれたまえ。」
そう言うと川端はイスを回し、窓から外を見ながら話し始めた。
「桜子・・・先日はすまなかったな・・・つらかったろう・・・今日は元気がないようだが、ちゃんと寝ているか?」
そう言ってイスから立ち上がり桜子のそばに立ち、すまなそうに頭を垂れた。
「え、は、はい・・・もう・・・もう大丈夫です・・・」
「そうか、それは良かった。私も安心した。ムリをさせてしまってすまなかったな。」
「いえ、いいんです・・・もう・・」
「そうか・・・そうだ、今夜また例のホテルで待っている。今度は強制はしない。自分で考えて決めてくれ。もう、イヤなら来なくてもいい。これで私との関係は終わりだ。」
「は、はい・・・考えさせてください・・・」

桜子は川端の意外な優しさに少し驚いた。あの川端が自分のことを気にしてくれているなんて思いもしなかったのだ。普段から仕事上でも強引な川端のことだ、今朝も出勤してから強引に求められやしないかと不安に思っていた。しかし、意外なことに桜子に優しい声をかけ、滅多に謝らない川端が頭を下げて謝ったのだ。
さらに、これからずっとこの関係が続くと思い憂鬱でいたが、今日行かなければもうおしまいにすると言ってくれた・・・
最初そう聞いたときはもう二度と抱かれたくないと思っていた。
しかし。。。。。。
仕事中や昼食中など、川端のふとした仕草を見て先日のセックスのことを思い出して頬を赤らめてしまう。そして、否定すればするほど思い出し、あろうことかショーツを濡らしてしまうのだった。
そして仕事が終わると、自分の気持ちを確かめるべくホテルの前にいる桜子がいた。
川端がいるはずの部屋をノックすると、中から川端の声がした。
「入りなさい。」
「し、失礼します。」
「ここに来たと言うことは、俺を受け入れると言うことだな?」
「いえ、違うんです!違う・・・あたし、嫌なはずなのに、嫌なのに、おかしいんです!改めて自分の気持ちを・・・そう、確かめるために・・・専務にはっきりと・・・その・・・直接言った方が・・・いいと・・・おもっ・・・きゃ!んむっ!?」
全て言い終わる前に川端は桜子の唇を奪った。
「俺は来なかったからといってネチネチと粘着はしないぞ?それは桜子が一番知ってるな?ならば、ここに来たと言うことは俺を受け入れようと心の奥では考えていたと言うことだ。受け入れるなら来る、嫌なら来ない。俺はこの二択を与えた。それ以外の選択肢は無かったはずだ。わかってるだろう?おまえの体と深層意識は俺を既に受け入れているんだ。表層意識は旦那への罪悪感や今まで見たことのない自分への恐怖心から桜子の本当の気持ちを否定しようとしているだけだ。」
川端の言葉と熱いキスと抱擁は桜子を動揺させ、表層意識は今まさに崩壊しようとしていた。
「あ、あああ、あの、あたし・・・」
「俺を受け入れろ、自分自身に素直になれ。心を開け!」
桜子は徐々に力が抜け、目を閉じて口を少しずつ広げ川端の舌を受け入れていった。そのとき桜子の目から一筋の涙が流れていった・・・
(誠君・・・ごめんね・・・)
桜子が川端を受け入れた瞬間であった。