昔の話2
53
Re: 昔の話2
シン
2024/11/20 (水) 10:56
No.31824
「なんか、急に寂しくなるね。」
「そうだね・・・」
「それじゃ、気を付けてね。」
「うん、裕二もね」
何故か裕二の目がウルウルし出しました。
「裕二どうした?」
「いろいろ、考えちゃって・・・悪いけど、情が移ったかな・・・」
それを見ていたルミ子も、目がウルウルし出しました。
「ルミ子もどうしたの?」
「ダメだって、裕二が泣くんだもん!」
バックからハンカチを取り出しました。裕二はルミ子の肩に手を伸ばしました。
「泣かないでよ、またね」
「うん」
私は裕二から、ルミ子の肩を引き継いで、肩を支えながら車に向かいました。そして、車のドアを開けてルミ子を乗せ、玄関まで出ていた裕二に片手を上げて車に乗り込みました。
「それじゃ、行くから」
「うん」
車のエンジンを掛けて、バックで駐車場から道路に出ました。裕二のアパートの玄関前に、ちょうど助手席きました。助手席のウインドウを開けて、
「じゃあな!」
「おう、またな!」
「ルミ子も」
「裕二〜バイバイ。大好き!」
ルミ子が涙目で裕二に手を振りました。
「ルミ子、大好き!バイバイ。」
裕二も目をこすりながら手を振っていました。
「よし、出発!」
私はもう1度裕二に向かって片手を上げ車を出しました。ルミ子と裕二はお互いに手を振っていました。
裕二が見えなくなると、助手席のウインドウを上げました。ルミ子はハンカチで目を押さえたままでした。