昔の話
23 Re: 昔の話
シン
2024/05/05 (日) 10:57
No.31334
私は出張でよく来ていたので街は大体理解してた。それに加え裕二が大学時代からたまに顔を出していたこともあった。ルミ子は私が1度連れて来たことがあったが、街は2度目なので、たぶんよくわかっていないと思った。ただ雰囲気が好きな街だとは話してはいた。
「街の事よくわからないからお願いします」
ルミ子が裕二に話し掛けた。すこし遠慮というか丁寧な言葉遣いを選んでいるように見えた。
「奥さん大丈夫ですよ。任せてください」
裕二もどうしてもルミ子を「奥さん」としか言えていなかったた。名前を読んでくれとは言っていたのだが・・・。ルミ子のスペックも伝えてあった。年下であり、ルミ子の元カレは7つ上で私等と同じ、ルミ子は(年上の人しか付き合った事ない)と言っていた事も伝えてあった。この状況だと必要な情報ではなかったかもしれないが、まぁ、裕二も年上だから誘う時にはいいかもしれないと考えてもいた。真面目じゃなくて、私とバカやってる時の様にリラックスすれば良いのにな〜と思っていた。

しばらく3人で歩いていると、裕二が地下にあるオシャレな店に降りて行こうとした。
「お〜い!こっちこっち、此処なんだけど」
「お〜ここか〜オシャレな雰囲気のお店みたいだな」
「最近出来たばっかりの店で、近々行って見ようと思ってたんだけど、こういう雰囲気のとこは女性と行かないと合わないかな〜と思っちゃったりしてね、どんなもんかな〜」
「う〜ん、確かにそうかもしれんな」
「シンと2人ならそこら辺の安い居酒屋で十分だけど、今回は奥さんがいるからさ、せっかくだから、おっ!これは行けると思ってね。ちょっとは考えてきたのよ」
鏡張りの綺麗なビアレストランだ。私と裕二はビール好きで美味しいビールのお店があると良く行っていた。初めてだがイイ感じに見えた。ルミ子も納得した感じだった。
通された席はオシャレに洗練されたカウンター席で、ルミ子を真ん中にして左右に男が座った。