■妻に憑依■
4 Re: ■妻に憑依■
ウルトラセブン
2023/07/31 (月) 06:07
No.30961
「その先を左に曲がってね。アパートが見えてくるから」
あれから半年が過ぎて何とかの生活を送ってる。今日は新しくお店に入った21歳の大学生君の横乗りでの指導だ。中々に物覚えが良い。言葉使いも丁寧だし、きっとすぐに戦力になってくれるだろうと期待も膨らんだ。そして現場に到着した。

「このアパートの配達は4件あるんだけどさ、いわゆる、生活保護アパートなのね。でも、皆、事情を抱えながらも生きてるの。偏見は禁物だからね!それに良い人ばかりだから」

「そうなんですねー色々と社会の事が勉強出来るから有難いですね」
そんな話をしながらアパートの4件目のお宅のドアをノックします。

「こんにちはー!ライフデリです!正太郎さんみえますか?」
正太郎さんと言うのは、このアパートの世話人みたいな人で物腰の柔らかい60代の方だ。この方がアパートに入った住人を紹介してくれたりするのだ。

「おー銀さん!今日はさ新しく入った人を紹介しようと思ってさ。おーい!湊!」
そしてアパートの奥から身体の大きな男が「ヌッ」と出てきて会釈をする。
男はタンクトップに白のブリーフで出てきた。瞬間に<男の姿から視線をそらした>。
そして私は身体が固まった。それもそのはずで「事故」を起こした本人だったからだ。
「当分、ここにお世話になるで宜しく」
男はニヤリと笑みを浮かべて挨拶をするのでした。