短編です
21 Re: 短編です
ハタケリョウ
2023/04/18 (火) 22:10
No.30717
5話
健一は、麻耶の宿直明けの昼になっても連絡が取れないことを不思議に思い、センターを訪れた。
そして荒れた医務室の中に、女性物のパンティが落ちていた。麻耶が何者かに襲われたのだとすぐに分かった。慌てて施設内を探したが、麻耶の姿はどこにもなかった。
医務室には、医療行為の確認のため、カメラが設置されている。健一は、それを見た。

そこに映っていた内容は衝撃的だった。ライゾウに犯される妻の一部始終と、最後には半裸の麻耶がライゾウに引きずられて画面の外に消えていった。

その後、健一の呼びかけで集められた数名の職員の調べで、保護区のフェンスの一部が破損しており、外の山林に出た形跡があることが分かった。


麻耶はライゾウに背負われて山中を移動していた。まだ麻酔が残っているらしく、体の自由は効かなかった。老いて内臓に疾患を負うライゾウのどこにこんな力がある乃だろう。何も着けていない下半身に山の冷気を感じた。眠っている間にライゾウは、何度もこの身体を弄んだのだろう。

一体なぜこんなことになってしまったのか。考えたが、麻耶は再び眠りに落ちた。

夢の中で、麻耶は何千という動物たちに囲まれていた。
その中の誰かが口々に言った。
「お前はあの子を殺した。あり得ない単純なミスだ。」
「恥じてひっそりと暮らせば良いものを。」
「傲慢な人間め。まだ獣医を気取り、我々と関わりを持とうというのか。」
「だったら、お前は猿に仕えるのだ。猿の妻として。」
動物の群れを割って、ライゾウが姿を現した。すでにペニスは勃起していた。
麻耶は動物たちに押さえられ、ライゾウに向けて尻を差し出した。

ああ、ゆるして…。
夢の中で涙を流しながら嘆願した。

現実の麻耶の目から一筋の涙が流れ、麻耶は目を覚ました。そこは暗い洞窟の中だった。