人妻菜穂子の人生
8 Re: 人妻菜穂子の人生
霧積謙
2022/07/22 (金) 04:00
No.30084


●近郊のモーテル



二人の逢瀬は、
都心から30分以上離れた、郊外のモーテルに移った。
一流趣味の片桐らしくないが、モーテルは声を気にする必要もなく、
チェックイン、アウトで顔を見られる事もない。
だからむしろ安全で、心おきなくセックスをする事が出来る場所だ。
今日は、土曜日、
重要な海外からの客を迎える、という名目で家をでてきた菜穂子、
今迄も何回か仕事があったので、疑われてはいない。
途中の駅で菜穂子をピックアップし、車でモーテルに入った。
時間は、11時過ぎ。

部屋に入るのを待ちわびた二人、
黙って抱きあい、長い間キス、舌を絡ませて、唾液を吸いあう、
中々離れない、
「着てきてくれたんだね、」
「怪しまれるから、途中の駅で、」
「似合うよ、」
「恥かしいわ、」
「脱いで見せて?」
「もう、・・・・」
濃紺の洋服、黒のガーターストッキング、
シースルーの黒のブラ、Tバックのパンティ、扇情的な格好だ、
菜穂子は、このような下着は付けた事はないが、男の好みだという事は知っている。
違和感はないが、じっと見られると恥かしい、ゆっくりと脱いで見せる、
じっと見ている男、視線が痛い程突き刺さる。
「これも教育の一環なの?」
「そうだよ、初級コース」
こう言って木曜の夜、渡された服と下着、ギラギラした目でみている男を見ると、
男って不思議なものだと思う。
「素晴らしいよ、」
こう言って抱きしめられる、服も下着も脱がされて、ベッドに引きづりこまれる、
キスをしながら、身体中愛撫される。
男は、惚れた女の身体を愛撫するのが好きだ、時に陰部を眺めたり、
舐めたりする、乳房を愛撫した後、全身を口で愛撫していく、
優しくて声が漏れそうになるくらい、優しい。
そして足を広げて、陰部を観察する、何度見ても飽きない所か、
益々好きになるらしい。
「そっ、そんなに見ないで、」
「恥かしいから、・・・」
菜穂子の訴えもむなしく、男は陰部に執着する。
眺めて、匂いを嗅いで、触って、舐める、
濡れていない陰部は、優しく愛撫される事でじんわりと中から、
愛液が染みだしてくる、ゆっくりとゆっくりと。
菜穂子の夫は、つばを付けて挿入してきて、あっというまに射精してしまう。
今迄は濡れる暇がなかったのだ、・・・
「うっ、・・・・・」
長い時間舐められると愛液が染みだしてきて、
同時に菜穂子の身体に火が付いたように、喘ぎ声が漏れだす。
控えめで小さな声だが、片桐の官能を刺激する、小さなソプラノトーン、
女の感じている声を聞く事は、喜びである。
やがて挿入をねだるようなそぶりを見せる菜穂子、あくまで控えめに、
「あっぅ、・・・」
硬いペニスが挿入される、たちまち菜穂子の身体が反応する。
身を委ねる表現が堪らない、狂おしい程いい気持ちになる、
熱湯のように熱い膣で、無意識の内に、ペニスをじんわりと包み込む。
たとえようにない気持ち良さが伝わる、素晴らしい女体なのだ、・・・・
今日は時間がたっぷりある、そう思うだけで官能的になっていく、
長い時間をかけたセックス、許されざる関係が飢餓感を生み、緊張と興奮をもたらす。
「いくよ、・・」
「きて、・・・」
コンドームを付けないペニスから、大量な精液がドクドクと注ぎこまれる。
全身を震わせながら、向かい入れる菜穂子、
たちまち菜穂子の膣が一杯になる官能的なセックス。
もうひとつの人生にも目覚めた菜穂子、その菜穂子の官能的な肉体の虜になった片桐。
二人はもう離れる事はできない関係になってしまった事を実感する瞬間でもあった。
誰でもが、こんな充実したセックスを、出来る訳ではない事を、
菜穂子も片桐も痛い程解っている、・・・

一旦離れて、シャワーを浴びる菜穂子、片桐もついていく、
モーテルの風呂は広くて遊べる、身体を洗いながら戯れる。
「いや、くすぐったい、」
「ああん、」
少女のような菜穂子の喘ぎ声が聞こえてくる、
乳房を揉みながらキスをする、幸せな時間だ。
風呂から上がると、片桐は違う下着を付けさせた。
「違う下着?あきれるわね、」
「下着のままビールを飲むの?」
「恥かしくていや、」
こういいながら従う菜穂子、とにかく良い女なのだ。
出前でとった食べ物で、ビールを飲む、
俗人的で幸せな時間、飲みながらキスしながら戯れる。
片桐にとっては何年も味わっていなかった女と過ごす、幸せな時間、
菜穂子にとって初めてと言える時間。
青春のような時間、二人の出会いは必然だったのだ、・・・・
「何これ、ボンテージ?」
「本当に厭らしいわね、」
「隠すところがないじゃない?」
「いいから、後ろをむいてみせて、」
「もう、」
網タイツ、見たい所だけが露出している下着?
そこから見える菜穂子の陰部、扇情的でそそる姿だ。
「はっ、はずかしい、」
片桐は興奮して菜穂子を抱きしめ、タイツを脱がせ、
再びベッドにもぐり込む。
何かを言おうとする菜穂子の口を塞ぐ、
抱きしめてキスしながら、愛撫、抗う菜穂子。
やがてぐったりとして身を委ねる、
細身だが、柔らかくて抱き心地の良い身体、・・・・
今度は、いきなり陰部に吸い付き、舐めつくす、
ぴちゃぴちゃと音をたてて、・・・
「いや、・・・・・・・・」
身をよじりながら逃れようとする菜穂子、掴んで離さない、
愛液が湧き出してくる、ズンとペニスが刺しこまれる。
「あっぅ、・・・・」
菜穂子は翻弄される、再び快感が下半身から湧き出てきて、
突かれる度に、狂おしい快感が襲う。
(もうだめ、この人と離れられない、)
菜穂子はこう思いながら、快感に身を委ねていく。
抱きあう幸せ、感じあえる幸せ、口を塞がれ、
乳房を揉まれ、下半身には大きなペニスが入っている、
菜穂子はもう元に戻れない、新しい扉をあけてしまったのだ。
下半身でペニスを感じている、片桐のペニスをしめつける動きは、
無意識の動きだ、・・・・

二人には多くの言葉はいらない、ひたすら抱きあう、
互いに人生の虜だ、・・・かたや人妻、かたや妻を亡くした男。
禁断の関係が二人を熱くする、
抱く度に違う変化を見せてくる菜穂子、素晴らしい肉体の持ち主、
今迄ぼんくらで貧乏な夫の傍で、埋もれていたのだ。
菜穂子は他の女のように
・卑猥な事をいったり、
・大声で喘ぐ事もしない、
・ペニスもまだ含んだ事はない、
バックで交わる事さえ殆ど経験がなかったのだ、
40を過ぎた人妻だというのに、・・・

片桐は思う、
菜穂子の中にドクドクと射精する快感は、狂おしい程だ、
もの凄く愛おしい、甘い唾液、甘ったるい体臭、興奮すると匂う陰部、
全てが信じられない程官能的だ。
だから、最近は片桐の方が気持ちが入り過ぎていて、
自分にブレーキをかけないと拙いくらいだ。
そんな片桐の気持ちも、賢い菜穂子は解っている、
菜穂子を抱くとき、今迄の余裕のある態度と違う。
(ふふふ、楽しい、)
菜穂子はこう思っている。

腕枕にいる菜穂子、
清楚で美人で有能なだけでなく、肉体も素晴らしい官能に成長しつつある、
眠っている菜穂子をみながら、
菜穂子の中に射精できる幸せをかみしめていた。
(早くこの素晴らしい女を妻にしなくては、)
(菜穂子を幸せにしなくては、)
こう思いながらも、菜穂子の身体を離せない、片桐だった、・・・・
この日は、夕方まで抱きあっていた。



●正雄の思い



正雄は、忙しく働いていた。
だから、菜穂子との性生活もおろそかになりがちで、
特に菜穂子が勤めだした頃は、仕事に夢中でそれどころではなかった。
一時は、2週間に一度程度に復活していたが、
段々回数が減り、最近は月に一回あるかないかで、
それも菜穂子に拒否される事が多く、なって少し疑いだした。
ひょっとすると、
菜穂子は片桐さんと出来ているんでは?そう思う事がある。
なにしろ、秘書でいつも一緒にいるようなので。
でも、どうする?
悩んでいたが、菜穂子に聞いてみる事にした。

「なあ、菜穂子、」
「なあに、」
「最近夜の方がご無沙汰なんだけど、相変わらず忙しいのか?」
「忙しいわよ、それがどうしたの?」
「どうしたって?、最近嫌がるから、」
「だから?」
「ひょっとすると片桐さんと出来てるんじゃないかと?」
「何を言い出すのよ、」
「もし、私が片桐さんと出来ていたら、あなたどうするつもり?」
「片桐さんを訴える?」
「よく考えてみて、あなた、」
「うっ、うん、・・・」
「じゃ、でかけるわね、」
「でかけるって?、今日は日曜だぞ、」
「短大時代の友達とランチ、」
「そ、そうか、」

予期せぬ反論だった。出来ていたらどうするんだ?
こう言われると反論できない、なにしろ片桐さんは人生の救世主だから。
それより、最近の菜穂子は、おどおどしていた菜穂子と別人だ。
自信家のキャリアウーマンに変身したのだろう、そう思わざるを得ない程だ。
また、最近の菜穂子は、
自分に気持ちが向いていない、
明らかに変わった、そう思っている正雄だった。
だから、正雄の感は当たっているのだが、
状況が状況だけに、・・・正雄は片桐と対決できるはずもなく、
悩んだ、・・・・・・