妻の提案
3 妻の提案
麻糸
2021/05/02 (日) 16:05
No.28711
妻の提案 「デートB」

「何か変な想像したでしょ!」
「夜のご無沙汰が続いているので、浮気に誘われたと思ったかな?」
敦子は悪怯る事もなく笑顔で話しかけてきた。

「実は吉田さんの研究協力でデートするのよ」
「そこで貰うプレゼントを旦那に見せて反応を聞きたいそうなの」
「吉田さんが独身だからデートって言ったのよ」
「ちょっとは嫉妬したかな」

「ああそうなんだ」
私は内心ほっとしたが、顔にはださず吉田さんについて詳しく聞いてみた。

吉田稔60歳 医療品会社社長 180cm80kg 独身

写真も見せて貰ったが、とても還暦を迎えた様には見えず、
ナイスミドルな男性である。なぜ独身だったのかが不思議である。
若い看護師からも人気のようだ。

「吉田さんの会社は変わった研究しているんだね?」

「超高齢化社会に向けて必要な研究なんだって」

「そうなんだ、真面目な研究なんだね。それで勃起の改善にも繋がるのであれば協力するか」

プレゼントについても聞いてみたが、当然私には内緒でありそれは妻も楽しみにしているとの事であった。

私はデートの件を承知した。
しかし人妻である敦子を遅くまで連れまわすのは諸々誤解を招くので日中のデートのみ許可をした。

デート当日、薄めの化粧とウエーブをかけたミドルヘヤー整え、春先っぽいパステルブルーのワンピースに身を包み、
普段は私に気付かってパンプスが多いが、お気に入りのスエードのヒールを選んだ。
その立ち姿は我妻ながら完璧であり、疑似デートとはいえ吉田がうらやましくなった。
私は楽し気に玄関を出ていく敦子を見送った。