完全妄想
70 裕子編(4)
まく
2021/03/22 (月) 05:35
No.28552
翌日、例の写真を、裕子の自宅ポストに投函し、幸子に裕子宅へ向かう様に告げた。そして
、裕子に
[昨日、気分が悪くなったみたいで、横になってたみたいだけど、大丈夫?ノダ先生の案件が、かなり難しい状況になっていて、その処理に時間が掛かり戻って来れなかったんです。ノダ先生からも、くれぐれもお詫びを、と言われて、本日、伺わして貰いました。]幸子が言うと
[大丈夫です。急に貧血のせいか、眠ってしまい、私の方こそ、ご迷惑を御掛けし申し訳ありません。]と、やや焦った表情の裕子。
[名取君の応対に失礼は有りませんでした?名取君の挙動がおかしかったので。]
[とても優しく介抱して頂きました。名取さんにお礼を言っておいて下さい。]焦りながら裕子。
[分かりました。所で、こんな物が、私の自宅のポストに入っていたんですよ。]と言い、例の写真を見せた。慌てた表情の裕子。
[どんな意味で私に、と思っているんですよ。まあ、この写真が、偽装された物かも知れないとも考えています。明日、名取君に聞いてみます。]と幸子が言うと
[止めて下さい。]裕子。それもその筈、裕子の身体に痕跡を残していたから。
[そういう訳にはいけません。白黒はっきりさせないといけませんから、ノダ先生にご迷惑が掛かるかも知れないので。]と幸子。
[私、どうしたら良いのか。]しどろもどろの裕子に
[分かったわ。明日の夜、またお伺いします。]と言い残し、裕子宅を後にした。呆然の裕子だった。