遅かった出会い
57 Re: 遅かった出会い
東風
2021/09/21 (火) 17:17
No.29280
剃毛後は、ホテルに行くたびにシャワーの際に浴槽に股を広げ、山田が剃毛した後、ことに及んだ。
「子供のあそこみたい」
と笑いながら、香も眺めた。
剃毛後のセックスは密着感があり、今までにない感触のセックスに山田も喜んだ。
しかし、カーセの時には、剃ることが出来ず、香も自宅で一人で剃毛することに抵抗があった。
特に性器のヒダの奥の毛や肛門に近い分の剃毛は一人では困難かと思われた。
「ねえ、ちゃんと全部剃ってくれなきゃ、チクチクして変な時に感じちゃう」
とのことだった。
 仕事中、生えだした陰毛がクリトリスを刺激して、「仕事中に急にもぞもぞしちゃって濡れてくる」
とのことで、山田もできるだけ会うたびに丁寧に剃り上げた。
 確かに、山田にとっても生えかけたチクチクしたセックスは、ペニスへの刺激に集中できないのも事実であった。
 そんな折、問題が発生した。
 香の父の喜寿の祝いに近しい親戚で温泉旅行に行くこととなった。両親と同居する香は、必然的にやや体の動きに支障のある母親と温泉を共にしなければならない。
「誰もまじまじとは見ないと思うけど、この姿じゃいけないよ」
と訴えてきた。
仕方なく、剃毛セックスは終わりを迎えることとなった。

 その頃には、香の夫は家庭内で完全に孤立し、夫婦生活も破綻をきたしていた。香は、休日には、両親への親孝行に徹することができたし、車の運転が危なくなってきた両親の状態を考えると、それはごく自然な姿で、子供たちもそれぞれに成長し、休日も習いごとやスポーツに出かけ、香も趣味の会や山田も参加する仕事上の研究会に顔を出すなど、表向きは家族全員が活発に活動する微笑ましい家族となっていた。
 しかし、その間、香の見た目は、明らかに輝きを増し、振り返る男や声をかける男が増えた。その色香を最も強く感じていたのは、他ならぬ同居する夫であったが、相変わらず娘と寝室を共にする生活は変わらず、時には夜遅くまで自宅に持ち帰った仕事や、趣味と仕事上の実益を兼ねた勉強に没頭し、夫との接触を極力避けることができた。
 稀に、自宅の中に夫婦二人の時があると、求めてくることがあるようで、
「なあ、良いじゃないか・・・」
と抱きすくめられることもあったようだが、
「もうそういうの嫌なの・・・」
と腕をすり抜け、外出するとのことであった。
事実、香の夫は明るい男であったが、男らしいとか力強いという言葉からはちょっと距離のある男で、夫婦がこうなる前から、
外で活発に活動する香とは違い、インドアでの活動が好きで、精々が車をキャンピングスタイルに改造してキャンプをすることが彼の理想だった。
 それに対して山田は、趣味とする競技で全国大会にも出たことがあり、根っからのスポーツマン。遠征先でも、仲間と飲みに出ることはあっても、
夜はぐったりの寝るのが主で、自分でテントや食事を作るなどということは、考えもしない男で、性格も行動パターンも全く違う二人だった。
 その結果、香の夫は、香に拒まれても深追いすることが出来ず、嫌われることを恐れた。山田は、香が「どこに行こうが、自分から離れようが気にしない。裏切るなら別れる」とはっきりと伝え、香がそれを追いかけた。
 そして、むしろ山田は、「あなたを追いかけている」と言っている香の姿にすら疑いを持ち、更に香を追い詰めた。
 まさに、男と女の騙し合いである。