遅かった出会い
5 告白3
東風
2020/08/10 (月) 17:26
No.27646
11時を過ぎた地下道は人通りも少なく、何時しか、二人の会話と靴音だけが響いていた。そろそろ、香の車が停めてある駐車場に近くなったとき、ふと会話が途切れた。それでも二人は自然な雰囲気で歩みを続けた。
山田は、香の手を繋いでみた。拒むこよなく香も軽く握り返した。五六歩歩いたところで、山田は香を抱き寄せた。驚いた香は身を引いたが、そこに壁があり、それ以上下がれなかった。
「なにするの!やめて」
香は体を固くした。
「好きだった。いつの間にか…」
香の髪の毛に顔を埋めながら、山田は答えた。
「やめなさい。そういう関係じゃないでしょ!」
と、拒む言葉を山田は唇で抑えた。
強く口を閉じる香の唇に山田の舌が優しく蠢いた。
山田の胸を強く押すが、スポーツで鍛えられた山田の胸は、夫のそれとは違い、びくともしなかった。それに反し、唇は優しく舐められた。
そして、抵抗する力が尽きたとき、香の唇も抵抗をやめ、口の中に侵入してくる山田の舌に香も舌を絡ませた。