遅かった出会い
34 放たれたあとに
東風
2021/08/30 (月) 11:25
No.29192
山田は、香に肩を右腕に抱き、香は、山田の胸に耳を載せた。
山田の心臓の音が力強く脈を打っていた。鍛えられた胸板と腕に夫にはない逞しさを感じた。
山田は、香のすべすべ肩に手を這わせ、その感触に喜びを感じていた。
「ごめんね、強引にここまで・・・・。でも、気持ちが抑えられなかった」
「あなたがこんな風に思っていたなんて、思いもよらなかった。驚いたんだよ。でも、嬉しかった。今も・・・」
「でも、香さんがこんなに良いなんて、予想をはるかに超えていた」
「私も」
「いいよ、無理しなくて・・・」
「ううん、凄く良かった。ホントだよ。こんなセックス初めて・・・」
「またまたぁ」
「ホントだって、今度変わってあげる。そんな映画昔あったよね。あなたにも今の気持ち良さを分かってほしい(笑)」
「そうかなあ?(笑)」
「あのね、あなたの身体に抱かれたとき思ったの、私と同じ肌だって・・・」
「何それ?
「あなたの肌と、私の肌って、同じ感触だって」
「肌が合う?」
「うん、出会ってしまった(笑)、それにね、こんなに一回のセックスが長いのは・・・・、何度も何度も行かされちゃった」
「そうなの?俺はもっと長い間、やりたかったのに」
そう言いながら、山田は三度欲望にかられ、香もそれを感じ取った。
「もうダメよ。さすがにこれ以上は時間がないよ。」
そう言って、香は、山田に軽くキスして、布団の中に潜り、ペニスを口いっぱいに頬張り、隅々まで舐め、睾丸に軽くキスして、布団の足下から、ベッドを降りた。
そして、慌ただしく下着を身に付けた。主婦としては時間の限界だった。
「シャワー浴びなくていいの?」
「いいの、あなたの匂いを少しでも身に付けていたい」
そう言ってほほ笑んだ。
ホテルの支払をしようとした山田の手を香は止めた。
「また会えるよね。この関係を続けたいから、半分ずつにしよ」

こうやって二人の関係は始まった。