遅かった出会い
15 翌日
東風
2021/02/14 (日) 16:55
No.28385
翌朝、二人は職場で顔を合わせた。
恥ずかしそうな山田とは対象的に香は
「おはよう」
と、何事もなかったかのように明るく声をかけた。
そこに昨夜同席の上司が
「昨日は先に帰って悪かったなあ。大丈夫かあ」
と声をかけてきた。
「皆さん、無事にお帰りになりました」
と、香は報告をそつなくこなした。
山田には、そんな気丈な香が今までにない輝きと色香が加わり、昨日までとは違う女に見えた。
そして、普段から見ている香の仕事着の胸の膨らみについつい目が行き、その中の乳房を、乳首を想像した。
山田は、悶々と午前の仕事を終え、一つ賭けに出た。
「課長、昼食に出て、その足で例の一件を確認してきていいですか?」
と、皆に聞こえるように行ってみた。
「おう、頼む。そうだ、香ちゃんも同行してやってくれ」
山田の賭けは当たった。
二人は、車に乗り、無言で近くのショッピングセンターで食事を摂るべく車を無言で車を走らせた。
そして、山田が車をショッピングセンタの駐車場の人気のないところに停めた時、二人の緊張の糸は切れた。