密やかに咲く
17 理想の不倫
最後のティッシュ
2020/07/26 (日) 01:08
No.27633

  >初めて訪れた彼の部屋も裸になり抱き合えばいつもの二人の世界に様変わりする
  >何度も繰り返される背徳の逢瀬
  >ベッドで絡み合う二人は家族を裏切った罪人と共犯者
  >奈落へと落ちていく感覚は二人を一層燃え上がらせ そしてどこまでも堕ちてゆく


 んー・・・ これでいいか アップしよ

この作品最後の投稿を済ませると冷めたコーヒーを口に含んだ

 今日は会えない日かな

只の感だが大体当たる、最初は不思議に思っていたが最近ではそれが普通になっている
会った日の別れ際に次会う約束はしない、それでも不安はない
週に二度か三度ほどの逢引きに終わりの気配を感じないからだ




ここは公園から程近い古びたアパート、そこに見覚えのある自転車が一台止まっている
家具は最小限であまり生活感のない部屋、そこに敷かれた布団に美咲は寝転んでいた
上半身にはタオルケットが掛けられていて、掴まれた足首の先は唾液で濡れて輝いている

「ねぇ、クマちゃん なんでそんなに足が好きなの?」
「起きてから寝るまで一番頑張ってるからに決まってるだろ だから愛おしいんだよ」
「そっか」

美咲が直接クマ太の部屋を訪れる事はない、公園で会って一緒に部屋に向かう
それが二人の暗黙のルールとなっている
そしてクマ太に会えると感じた日は早目に家を出てスーパーに向かうギリギリの時間まで二人で過ごす
クマ太の部屋で過ごす事もあれば公園で過ごす事もある

「美咲ちゃん」
「なに?」
「好きだ」
「ふふっ なにそれ」
「言いたかっただけだ」
「フェラしてほしいの?」
「おう、頼む」

体を起こした美咲はタオルケットに包まったまま胡坐をかいたクマ太の股間に顔を埋めた
美咲を包んでいるタオルケットは体を冷やさないようにというクマ太の気遣いで
その優しさに応えるかのように未だ半起ちの亀頭を咥え込んだ
好きは物の上手なれという言葉があるが美咲のフェラチオは随分上達した

懸命に舐める亀頭から垂れ流れた唾液が固くなった竿を握る手に絡む
美咲はおもむろに顔を上げクマ太の目を見つめる

「欲しくなったか?」
「うん」

タオルケットが剥ぎ取られ代わりにクマ太の巨躯が美咲を包む

「おれもちょうど美咲ちゃんに突っ込みたくなってたところだ」
「クマちゃん」
「なんだ」
「大好き」
「おう、イッパイ中に出してやるからな」
「うん、イッパイちょうだい」

そこには何もかも忘れた二人だけの世界があった
愛情を注いでくれる夫を忘れ 愛情を注ぐ娘たちの事を忘れ
その世界で美咲は何度も昇り詰める 時間が許す限り何度も何度も昇り詰める
美咲とクマ太 二人が創る世界は快楽で満たされた世界だった

 

「ちょっと!橘さん!」

 うわぁ・・・ 朝から嫌な人に会っちゃった・・・

「おはようございます」
「あなたね、ゴミの分別ができてませんよ」
「え?そんな筈は・・・」
「みて見なさい」
「あ、それはウチじゃ・・・」
「あなたでしょ」

 もぉ・・・ なんで私ばっかり このオバサン嫌い

美咲はパソコンの前で深いため息を一つついた
朝から嫌な思いをしたからだ 美咲が苦手としている通称「オバサン」だが五つほど年上なだけだ
だが嫌味を込めて心の中ではオバサンと呼んでいる

 あ、そうだ 次の作品はハードなヤツにしちゃおうかな オバサンをモデルにして

そしてキーボードに指を添えた

 今朝のはないよね ほんと腹が立つ あれ何て言うんだっけ 輪姦? それにしよ


  >その主婦は慢性的な欲求不満だった 今朝も近所の超可愛い奥さんに嫌味を言って不満を解消した
  >子供と夫を送り出し一人になった時インターホンが主婦を呼ぶ
  >なにげなしに玄関のドアを開ける主婦 開けてしまったその扉は開けてはいけない性奴への扉だった


こうして生まれたこの作品は後に逸品と称えられる事になるのであった