ある日の美代子
10 Re: ある日の美代子
最後のティッシュ
2017/05/01 (月) 06:57
No.24586
拘束から解放され自由になったマリアはシャワーで体を洗い流す
繋がれていた手首や足首、ベルトを掛けられていた腿に残る拘束の跡を手で撫でるが消える事は無い
 (もぉ・・・ サイアク・・・ あれ位のお金じゃ全然足りないわよ・・・)
身体を拭きバスローブを纏って部屋に戻るとテツヤがソファーでタバコを吸っていたがマリアの姿を見てタバコの火を消す
立ち上がりマリアに近付くテツヤ、マリアは立ち止まりテツヤの動向を警戒した
 (え?なに? 何されるの?)
マリアの腰に添えられたテツヤの手がソファーまでエスコートする
誘導されるままに腰を下ろしたがテツヤはマリアに何もしようとはしない
テーブルにはマリアが冷蔵庫から出した飲みかけのペットボトルが置いてあり
マリアはそれを持って口を着けた
「マリアのバッグに僕が書いた手紙が入っている、後で読んでくれ」
「うん・・・」
 (はぁ?手紙?そんなものいらないわよ)
「それと、大事な話がある」
「なに?」
 (ビデオの事?)
「このホテルで働かないか?」
「え?ここで?」
「ああ、ここは僕が趣味で手に入れたホテルだ マリアが望む報酬を与える事ができる」
「いえ、私は・・・」
「ネットで男を探さなくてもよくなる、怖い思いをした事はないか? もうお金の心配はしなくていいんだよ」
 (今まで会った男の中で、あんたが一番危ない男なのよ!自覚ないの!? それにお金には困ってないし)
「やっぱり働くのは・・・」
「注文があった時だけ部屋に食事やアメニティグッズを届ける簡単な仕事だ それに、平日の昼間なら客はほとんど来ない、待機しているだけでいい」
 (話しを聞いてよ ここで働く気なんか無いの!)
「それよりビデオ・・・」
「ああ、あれは後でゆっくり見るよ 楽しみだ」
 (バカ!そのメモリーカードを渡して欲しいのよ!)
テツヤから力尽くで奪う事は現実的ではない、マリアはテツヤの話を聞きながら考えを巡らせる
一方テツヤは今までに無いほどにマリアと会話ができ至福の時間を過ごした

マリアの言葉数が少なくなり瞼が落ちてゆく
手がソファーに落ち上半身はソファーの背もたれに預けて首を垂らす
テツヤはマリアが飲んでいたペットボトルのキャップを締めると、首を垂らしたマリアの頭を撫でた
「駄目だよマリア、男と二人きりの時に睡眠薬の入った飲み物を飲むなんて、その男が悪い男だったらどうするんだ 心配が尽きないよ」
マリアの体がテツヤの腕に持ち上げられダラリと肉付きの良い手足が垂れ下がる
ふくよかな体つきのマリアだが、ぬいぐるみを運ぶように軽々とベッドに運んでゆく
ベッドに横たわるマリアはバスローブを纏ったままの姿、それを見下ろすテツヤ
赤いシーツの上には四方から鎖が延び枷が付いている、これを使わない手はない
テツヤは逸る気持ちを抑えた
気持ちは昂っているが、体の方は射精後の空虚から回復していない
盛った薬の作用時間は短いタイプの物だが3時間ぐらいは眠ったままだろう
ベッドのマリアには手をつけずにソファーに戻り、自身の回復を待つことにした
あれ程までに悶え狂っていた愛しい女性が今は子供のように眠っている
それを少し離れた所から眺めるだけで心が満たされ体の回復を早めた
マリアが眠りに付いてから三度目となるタバコの火を消す仕草
待っている間もベッドのマリアを眺めながら何通りもの性行為を想像していた
その甲斐あったのか、立ち上がったテツヤの鼻息は荒くなり回復した性器は見事に勃起している
しかし事を急く必要はない、先ずは浴室に向かいシャワーで身を清めた
真新しい肌になったテツヤはマリアが眠るベッドに向かう

テツヤがベッドを前にして立ち止まった
平静を装っていたが、やはり少し焦っていたようだ
「おっと、いけない ビデオをセットし忘れた」
マリアは眠っている、大きな独り言だ
拘束台に向いたままだったビデオカメラをベッドの横に移し
多種多様な玩具が入った籠をベッドの側に寄せ、バスローブの中からマリアの身体を取り出した
赤いシーツの上で映える白い肌、枷の跡が浮かび上がる手首に再び枷が掛けられる
眠るマリアが両手を広げると次は脚だ
テツヤは腿と足首に残る拘束の跡を優しく撫でた後に枷を掛けた
肢体を大きく伸ばした状態で自由を奪われているとは知らずに眠りの中にいるマリア
その姿さえテツヤの目には愛らしく映る
「マリア 愛してるよ」