現実なのか
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ナカガワ
2016/05/27 (金) 04:16
No.23061
これが妄想なのか、現実なのか・・・妄想であってほしい気持ちがあるのか、こちらへ寄稿しようと決意しました。
 まず、私の妻 恵子、一人娘の愛実が私の家族です。愛知県の少し都市部から離れた町に住んでいます。今まで住んでいた大阪から、仕事上の都合で3ヵ月前に引っ越してきました。ようやく近所の方々と馴染んできたと思います。恵子は、当時35歳、娘は幼稚園に入ったばかりです。明るい性格ですが、おとなしく、少し引っ込み思案な恵子は、見た目は地味ですが、スタイルは私が言うのもなんですが、抜群でした。特に大きく張り出した大きな乳房と、細くくびれた腰と大きな尻は、当人は恥ずかしがっていますが、通りすがりの男たちは、必ずその乳房と臀部を注視します。中にはガン見しながら振り返る男や、酔っ払いなんかは、声をかけてからかうそうです。恵子は怖がって、足早に逃げるようですが、揺れ動く乳と尻に、男たちはさらに欲情が高ぶるようで、後をつけられた事などあるようです。私はどちらかといえばSEXは淡泊な方で、ナイスバディな体は、お見合いの時に気づきましたが、それ程気持ちが昂ることはありませんでした。私たちというより、最初は親同士が意気投合して、勝手に結婚が進んでいった感があります。しかし、子供ができ、それなりの幸せな日々が、愛情を強めていきました。今では、愛する妻 恵子がいとうしく、たまりません。
 私の仕事は、車の部品関係の営業をしており、普段は部品のカタログを車に県内を走り回っています。車関係の仕事である為、交通事故はもちろん、違反などが発覚したら、会社からペナルティを課せられます。スピード違反をした同僚は即座に減給と、配置換えの処分を課せられました。そんな環境で、悪夢が始まりました。

 ある得意先との会合後、普段は車通勤なので滅多にアルコールを飲まない私は、案の定すぐに酔い、前後不覚になりながら、電車で家に帰りました。最寄り駅に着き、自宅の妻へ車で迎えに来るよう連絡しましたが、ペーパードライバーの恵子にとって、暗い夜道で、しかも小雨が降りだしている中へ車を出すことは、怖がりの恵子にとって、恐怖そのものだったと思います。しかし、酔いで居丈高になっていた私に押され、どうしようもなく、自宅の車で駅まで迎えに来てくれました。酔いで気持ちが大きくなっていた私は、遅くなった恵子を罵倒しながら、後部座席へ乗り込み、すぐに爆睡しました。

深い眠りの中で、体に鈍い衝撃を感じました。でもそれもわずかな記憶で、はっきりと覚えていません。目覚めると、自宅のベッドの中で、翌日の日曜の昼を過ぎていました。ひどい二日酔いで、目は一旦覚めましたが、その日はトイレとベッドの往復で、完全にグロッキー状態でした。その日、恵子や子供たちはずっと家にいたと思いますが、全く顔を会わせませんでした。
更に翌日の月曜日、朝 目覚めるともう頭はすっきり、完全に二日酔いから覚めました。同じベッドで寝ていたはずの恵子は、もういません。下のキッチンで、朝食を作っている音が聞こえます。寝室からリビングへ降りると、恵子はてきぱきと朝食を作っていました。あら、起きたの。こないだは、酔いつぶれたわね。皿を並べながら、話しかけてきました。
うん、でももう大丈夫だ。よく眠ったよ。答えながら、椅子に座り、テーブルの上の新聞を読み始めました。
「大分飲んだなあ・・・久しぶりだよ、記憶が全くないくらい飲んだなんて・・・」
後から思い出せば、この時、一瞬恵子の動きが止まったようでした。
「・・・そう、まあいいじゃない、たまには飲みつぶれたって・・・」
少し上ずった声で恵子が答えたとなんとなく覚えてますが、その時は全く気が付きませんでした。いつも通り、朝食をとり、いつもの社用車で家を出ました。いつも通りの生活でした。

 自分の家の車に傷がついていたのに気が付いたのは、翌週の日曜日でした。大きな凹みではありませんが、フロントバンパーの右側が明らかにぶつけられています。
「おい、どうしたんだよ、これは?」
家の中にいる妻に声をかけました。
「こないだ、あなたを迎えに行ったときに、ぶつかったじゃない。覚えていないの?」
「?まったく、覚えがないよ!本当か?どこでぶつかったんだ?」
「いやね、家の前じゃない。駐車場に入れるときに、前に止まっている横田さんの車にぶつけたじゃない。」
「!前のお宅にか!」

 妻の話では、家に着いてなかなか車庫入れができない恵子に、私がしびれを切らして、家の前だからいいだろうと、運転を無理やり代わり駐車しようとしたときに、ハンドルを切り損ね、道路向かいの横田さんの家の車にぶつけたとの事でした。酔っぱらっていた私は、悪びれず、駐車をしたらさっさと家に入り、爆睡したとのことでした。深夜でしたが、ぶつかった音で横田さんのご主人が外に出てきて、私に代わり妻がひたすら謝ったそうです。
 妻には申し訳ないが、全く記憶にない。そんなことをした自分が信じられず、ショックでした。横田さんは怒っておらず、警察も呼ばず、内々で処理をしてくれるようで問題はないと恵子は言いますが、とりあえず近くの店でお詫びの品になるような菓子折りを買い、ご主人に改めて謝罪しようと、伺いました。

 まだ、越してから日も浅い為、私は横田さんをあまり見かけたことはありませんでした。呼び鈴を押しても反応がありません。しょうがないので、近所の目もありましたが、外から呼びかけました。しばらくしてから玄関が空いて、50前後の男性が出てきました。無精ひげをはやし、中年太りしている体は、相撲取りのようでした。
「向かいの中川です。ご主人様ですか、この度は、申し訳ないことを・・・」
私は平謝りに謝り、菓子折りを差し出しました。
 いきなり訪問した私にいぶかしい警戒する目つきをしていましたが、少し離れて私といる恵子を見ると、状況が呑み込めたらしく、態度が軟化しました。
「ああ、あの件ね。もう奥さんに謝ってもらったよ。」
横田さんは恵子を見ながら、笑顔で答えました。とりあえず、恵子が言うように揉めてないようなので、ほっとしました。ぶつけた車は横田さんの家の前にあり、こちらもバンパーが少し凹んでいます。私は、車関係の会社に勤めていることを話し、最短で修理し、お詫びに他にもサービスをすることを約束しました。横田氏は自分も車関係の仕事についており、修理も自分で行うから気にするな、と言いました。車だけでなく、家の呼び鈴も壊れているんだ、と冗談めかして話します。
「それより、ご近所なんだから、仲良くしましょうや・・・」
笑顔で私たちに言いました。態度の端々からなんとなく、品はなさそうな印象は受けましたが、私たちは深くお詫びをして、向かいのわが家へ帰りました。

 それから1週間後位の事、夕方4時頃車で外回りをしている最中、恵子から電話がありました。普段あまり仕事中に電話をしてこないのですが、今日の夕食の都合で帰りが何時になるかという内容でした。あと打合せが1件遅い時間に予定していたため、帰りが大分遅くなること、家の鍵のロックはせずに、先に寝ているようにと伝えました。
「わかったわ。お仕事がんばってね」妻の明るい返事でした。
ところが電話を切って、10分後位に客先から打合せの日程変更の連絡が入りました。会社からも離れていたため、直帰を上司へ連絡し、家路に向かいました。途中、コンビニに寄った際、自宅へ電話しましたが誰も出ません。さっきの夕飯の用意で買い物に行っているものと思い、そのまま自宅へ帰りました。

社用車の駐車場は、自宅近くの月極駐車場を契約しています。車を駐車し、自宅に帰りました。ドアノブの鍵はかかっていましたが、鍵は持っているので開けて玄関に入りました。子供番組の音が聞こえてきます。リビングに入ると、娘の愛実がテレビを見ながらソファで寝ていました。妻の姿は見えません。恵子の名前を呼びながら、家の2階、風呂場など行きましたが、いないようです。まだ買い物から帰っていないようでした。
私の声で、愛実が目を覚ましたようです。
「愛実、ママ しらないか?晩御飯の買い物か?」
まだ小さい娘が寝ている間に、買い物に行っていると思っていました。
愛実は、目をこすりながら、
「パパ、ご飯はもう食べたよ」
「?そうか・・・じゃあ、ママはどこに行ったのかな?」
「おじちゃんちだよ」
「?おじちゃん?」
大きく伸びをして、愛実はまた眠りそうです。おじちゃん・・・誰だろう?全く思い当たる節がありません。
「よこたさんのおじちゃんちにいくってママは言ってたよ」

驚きました。何のために?

「そうか・・・なんでだろうね・・・」

本心から出た疑問を、思わず口に出してしまいました。

「最近、よく行ってるよ。愛実 知っているんだ」
「えっ」

疑問が、疑惑になっていきました。
落ち着きません。愛実を布団に寝かせて、リビングで水を飲みました。
喉を通りません。
決心して外へ出ました。向かいの横田氏の玄関の電気が点いています。外はもう真っ暗でした。恵子との電話から2時間位経っていました。暗闇に紛れるように、横田氏の玄関の前に行きました。