愛する優子 プロローグ
14 愛する優子 プロローグ 3
ダスティ・ローデス
2015/06/24 (水) 08:41
No.21212

寝不足もあったのだけれど、それよりもなによりも興奮がずっと続いて仕事にならない一日だった。

もう優子は晋太郎クンに連絡したのだろうか?

初めての二人っ切りのデート。。。もう決めたのだろうか?

いや、今日も何かとバタバタと忙しかった。そんな時間的余裕はなかったに違いない・・・。

色んな思いが興奮となって錯綜し、疲れ切って帰宅したのは午後7時頃だった。

優子はもう先に帰っていて夕食の用意をしている。

「お疲れさま!眠くない? (笑) お風呂入る?」

「あぁ、先に風呂にしようか・・・。」

「じゃぁその間に夕飯の用意しとくね、今日は軽いものにしとこうね」

風呂から出て食卓に付く。いつもだったら至福の瞬間であるはずの一杯のビールが苦い。


「ねぇパパ、早速なんだけど来週東京でセミナーあるでしょ?あれ、わたしが行ってもイイ?」

「はっ?おまえあんなの大嫌いだったんじゃないの?」

「うん、そうなんだけど晋太郎クンも誘って一緒に参加するんだったらOKかなって・・・」

あまりにも「あっけらかん」と言われてしまってキョトンとしてしまった。

「うん、おまえが行ってくれるんだったら俺は助かるよ、頼むわ」

「サンキュー!明くる日は夕方までには帰るからね」

「おまえ!サラッと言ったけど、それって晋太郎クンと初デートってことだよな!?」

「そうだよぉ〜!パパが許してくれたら一緒に行く?って晋太郎クンにも言ってあるよ」

「えっ!?晋太郎クンに俺公認って言ったのかよ!?」

「バカ!!言わないって!!東京出張を許して貰えたらっていう意味でしょうが!」

「あっ、そうか、そうだよな。。。で、晋太郎クンは行くって言ってるの?」

「うん!大喜びしてたよ・メールの文章が踊ってたね」

「そうか!アドレス聞いてたからいきなりお誘いメールしたんだな!」

「そう!そう!メールくれるだけでも嬉しいのにお誘いまでって感激してた」

「わかったよ、じゃあ出張OKだってメールしてやれよ」

「うん、ありがと。食事終わったらね。今は大切なパパと大切な時間だからね」

上機嫌でニコニコしながら泣かせるセリフを吐く優子が少し怖く感じた。

食事が終わり、わたしはテレビを視ている「ふり」。優子は後片付けを終わらせて風呂に入る。

冷静を装うのも限界がある。矢も盾もたまらずわたしもバスルームに入って行った。

「なに!なに!もう!また興奮してるの?イヤだ、勃ってるじゃない!信じられない!」

「しょうがないだろ、なぁ優子。いよいよ優子が他の人とデートするんだぞ」

「もぉぉ〜まだ100%決まりじゃないでしょぉ〜、彼に下心ないかも知れないじゃない」

「ダメだよ!ここまで来たら絶対抱かれて来てくれよ。なっ、優子」

「分かってはいたけどパパってガチの変態だよねぇ〜。昨日あれだけシタのに凄く勃ててる」

「SEXしてる動画とか写真は無理かな?途中、電話で声聞かせてくれるとかさ!」

「ちょっと落ち着いてよ。。。そんなの無理に決まってるでしょ!パパ公認は内緒なんだよ!」

「そうか、そうだよな。。。じゃあせめて帰ってから詳しく聞かせてくれるか?頼むよ!なっ!」

「体中にキスマーク付けられてたりしたら興奮MAXなんじゃない?」

「おぉぉぉーー!!優子!!そうなんだ!そうなんだよ!!」

バスルームの中で優子を立たせてバックから問答無用で挿入した。優子も充分に濡れていた。

「ああああーーー!パパすごい!すごく固い!今日もすごく固い!あぁいいーーー!!」

「優子!優子もすごく締まるぞ!ああ!もうダメだよ!中で出すからな!中で出すからな!」

アッと言う間に終わってしまった。たぶん3分にも満たない早漏状態だったろう。

「もぉ〜パパ興奮し過ぎだよぉ〜、もう少し頑張って欲しかったなぁ〜 (笑)」

「すまん優子、とにかく先に寝室行ってるよ、ゆっくりして来てくれ、ごめん」


綿の如く疲れ切っているはずなのに、先にベッドに入っても優子が来るまでは寝付けなかった。

30分、いやもっと待っただろうか?やっと寝室に入って来た優子に声をかける。

「遅いなぁ〜、待ってたのに!」

「わっ!ビックリした!もう寝てると思ってたもん!まだ興奮してるの!?」

「もう興奮しっ放しだよ。なぁ、晋太郎クンに連絡したのか?」

「うん、お風呂から上がってメールした」

「それで上がってくるのが遅かったのか。返事あったのか?」

「うん、速攻だった(笑)大喜びよ」

「なぁ優子、そのメール見せてくれよ」

「えっ?うーん・・・。見せなきゃダメ?見せないとパパ機嫌悪くなる?公認取り消す?」

「いや。。。そんなことないけど。。。なんかマズいことあるのかぁ?」

「そうじゃないけど、幾らなんでも晋太郎クンに失礼じゃない?考え方おかしいかな?」

「彼に失礼?そうかな?」

「だって彼は当然これからパパに内緒の付き合いが始まると思ってるんだよ。不倫だからね。

 まさか夢にもパパの許可を得てるなんて思ってないし、ましてやメール見せてるなんて、

 そういうこと知っちゃったらどれだけショック受けるか想像出来ない?」

「まぁ確かにそう言われたらそうだよな・・・。」

「パパのこと変態〜ってわたしも笑ってるけどね、もう今の時点じゃ私も変態の仲間入りしてる。

 だって寝取られたい夫の公認で他の男性と会う妻だよ、有り得ない変態夫婦じゃない。

 晋太郎クンは夢にもそんなこと、想像すらしてないんだから、私も心が痛いわよ。

 それにパパにとって晋太郎クンはただの他人棒っていうの?興奮材料に過ぎないかもだけど、

 わたしにとってはやっぱり「好きな人」なの。騙してしまってることになっちゃってるけどね。

 だからせめて最後まで騙し続けないとダメだし、その上で一生懸命付き合いたいの。

 メールのやり取りをパパと二人で見て興奮するなんてわたしには絶対にムリだよ、ごめん。。。」

「わかったよ優子。おまえやっぱ晋太郎クンに惚れちゃってるんだなぁ〜」

「ある意味ではそうだと思う。だけど彼の処に行こう、パパと別れよう、そんな風には思わない。」

「だけど、だったらなんで俺に秘密で付き合おうとしなかったんだろ?なんで俺の許可なんだ?」

「そうなんだよねぇ〜。わたしも自分で自分が不思議なのよ。パパって鈍いから私が浮気したって

 絶対にバレない自信あるんだよね、悪いけど(笑)なんでなんだろうなぁ〜。

 ホントに晋太郎クンには申し訳ないなぁって思うのよ。そこを悩んだんだよね〜実はね。」

「悩んだって。。。俺に内緒で晋太郎クンと付き合おうか悩んだのかよ!?」

「そうだよ。だってそれが普通じゃない(笑)不倫って良くない事だけどね、それが普通だからね」

「そりゃそうなんだけどな。俺は秘密にされるより、こういう形の方がいいからな」

「だからそれが変態じゃない(笑)ましてやこの形の方が嬉しいでしょ!興奮するでしょ!

 あのサイト何度か見てるから分かるけど本当はパパ、相手の男性選びからやりたいんだよね?

 それで私にも報告させるけど、相手の男性にも報告させたいし写真とかも撮らせたいしね。

 自分が「貸し出し」たいのよね。出来れば私には誰とでもスル女にならせたいんだよね」

図星だったかも知れない。わたしの性癖を正鵠に射抜く優子の言葉に恐れ、驚いた。

「でもそこまでの淫乱には、とてもじゃないけど成れないからね、わたしは・・・。

 だけど晋太郎クンに迫られて揺れたのも事実。彼とならそうなってもイイと思った、

 今ではこんなオバサンでもイイんだったら、彼に抱いて欲しいと思ってる。

 そのことをパパに告白するかしないか、わたし本当に悩んだの。考えたの。」

「そんな様子、家でも事務所でもゼンゼン分からなかったよ・・・。」

「だから言ったじゃない、パパ鈍いんだって(笑)

 あのね、わたしだって聖人君子じゃないから・・・。パパ以外の男性に興味なくはなかったよ。

 15年前に初めて他の男性と、って言われてから、あの時は怒って拒否したけどね、

 それから時々はパパとエッチしてる時に他の男性に抱かれてると想像してみたりした事もある。

 パパが見てるサイトも時々見て興奮することもあったの。見ながらオナニーした事もあるの。
  
 だけどやっぱりパパが探してくる人とか、サイトで募集する人とかは考えられなかった・・・。

 結局、奥さんもヤリたかったんだろ?とか奥さんも楽しんでるだろ?とか言われそうじゃない。

 現にパパがメールやり取りしてたの見ても、人妻はその気になりさえすれば、みたいな感じ。

 わたしも値打ちコクような美人じゃないのは重々分かってるけどね、普通のおばさんだけどね、

 それでもやっぱり「上から目線」に絶対に耐えられないのよね。

 仕事関係とか学校関係とかでもね、言い寄ってくる人も何人か居たよ。心は動かなかったけど。
 
 だって、いい歳の人妻はなんだかんだ言ってもヤリたがってる、みたいなのアリアリなんだもん!

 そんな奴は絶対に相手にしないし、口もきいてやらないからね、わたしは!

 だけどわたしもイイ感じの人に真面目にクドかれたらフラッと来ちゃったっていうことなのよ。

 人さまの事なんだかんだ偉そうには言えないよね・・・。」

「お前がそういうの許せないのは充分分かってるさ。だから貸し出しなんて諦めてたんだから。

 だけど、だったら晋太郎クンとは内緒で付き合うほうが良かったんじゃないのかな?

 俺がそんな風に言うのはヘンだけど・・・。」

「そうだよね、でもね、それでもパパに言うのに決めたはきっと(歯止め)なんだよね」

「歯止め??どういう意味なんだよ???」

「パパはわたしが他の人と、っていうのは喜ぶのは分かってたしね。

 凄くズルイ考えなんだけどね、そうやってパパに知ってもらってたら彼との付き合い方にも

 私なりの(歯止め)が効かせられるって思ったんだ・・・。」

「それは晋太郎クンに嵌まることへの(歯止め)っていうことか?」

「うん、今のところはゼンゼン大丈夫なんだけどね。深い関係になったら私自身どうなっちゃうか、

 正直言って自信がないと言えば自信ないの。40過ぎて感度も凄く良くなってるのよ実は・・・。

 彼には内緒で(歯止め)のために夫に報告済みなんて、本当に騙してるのと同じなんだよね。

 だから正直まだ少し迷いながらパパに告白したら想像以上に喜ぶし、もの凄く興奮するでしょ。

 パパがこんなに喜んで、興奮してくれるんだったらって、私自信に言い聞かせて腹決めたの。

 こんな自分勝手な理屈って本当に人間としてダメなんだけどね・・・。」


正直な、そして複雑な優子の女心を聞いてなんとも言えない気持ちだった。

15年間、私を捉えて離さなかった「寝取られ願望」はもっと単純で無責任なものだったからだ。

優子自身の浮気心を責める気持ちは毛頭ない。誰にでもあることだろう。

そして結婚20年を過ぎ、10歳も若い男性を好きになってしまった事もしょうがないと思える。

いや、私に「寝取られ願望」などなければ、普通の不倫を楽しんで或る程度のところで終わって、

何食わぬ顔で一生を終えられたのかも知れないのだ。その方が気楽だったのかも知れない。


優子の事が意地らしく、本当に可愛く思えてしまって、心の底から「優子愛してるよ」と言えた。

何年振りかで同じベッドで腕枕をした。

そんなことが嬉しかったのか、晋太郎クンへの申し訳なさからか、優子はしばらく泣いていた。


                              【愛する優子 プロローグ 了 】