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満員御礼 m(__)m 超スゴイです!超感激です!超サプライズです!
爆発的大人気でこのスレッドは、なんとレス数が200を突破して満杯となってしまいました。
申し訳ありませんが新しいレスは書き込めませんので、続きは新しいスレッドでお願い致します。

続 せ・ふ・れ

[1] スレッドオーナー: 洋祐 :2021/07/05 (月) 20:23 ID:26azRQhU No.157704

二つ目のスレになりました。
ただの一人語りが続きますが、よろしかったらご覧ください。


俺は、騎乗位では逝くことはできなかったものの、
その後は、結局2回、綾夏の中に射精した。

1回目は、決して激しいものではなかったが、様々な体位を試した。
先ず、騎乗位を終えた後、綾夏を少し乱暴に仰向けに倒し、
彼女の両脚を開いて大きく屈曲させた。

愛液で潤った綾夏の性器もアヌスも上向きに露わになる。
綾夏にこんな格好をさせるのは、関係が始まって間もない頃以来だろうか。
しかも、そのときは、俺も綾夏もかなり酔っていたはずだ。
酔いが醒めた状態で、綾夏にこんな格好をさせるのは初めてのことだろう。

「な、何をするつもりなの?」
「何をしても平気なんだろ。」

俺がそう言うと、綾夏は抵抗しなかったが、
恥ずかしさのせいか、両手で顔を覆った。
綾夏に言葉攻めをしたいところだが、俺にそんなスキルはない。

俺は、ペニスを綾夏の膣口に宛てがい、
ゆっくりと挿入した後、出し入れを始める。
アダルドビデオでは、よく見かける体位かもしれないが、
実際にやってみると結構辛い体勢で、長くは続かなかった。

ゆっくりペニスを抜くと、綾夏の膣口がポッカリと開いていた。
膣口が開いた綾夏の姿を見るのも、これが初めてだ。
綾夏の膣口に両手の指を突っ込み、左右に拡げたみたが、
暗くて中はよくわからない。
だが、膣の中は、愛液でぐっしょり濡れているのはわかった。

綾夏は、相変わらず手で顔を覆っていた。
その姿は、早く入れてと訴えているように、俺には思えた。

俺は、綾夏を横向きにして、彼女の片脚を大きく上げ、
もう一方の脚に跨り、ペニスを深く深く挿入した。

「あぅぅぅ…」

そんな綾夏の声を聞きながら、俺はゆっくりと腰を動かす。

その後は、思いつくまま体位を変えながらセックスした。
すべてアダルトビデオの見様見真似なので、
変わった体位はしていないと思うが…

どのくらいの時間をかけたのか、全くわからないが、
最後に正常位で重なった頃には、俺も綾夏も身体中が汗でびっしょりだった。
激しい動きはしなかったつもりだが、正常で綾夏の中に射精した後は、
もう身動きができないぐらい体力を消耗していた。

2回目は、かなり長い時間を費やした。
先ず、1回目を終えた後、二人でシャワーを浴びた。
さすがに風呂場で何かをする気にはなれなかった。

風呂から上がると、冷蔵庫からミネラルウォーターを2本取り出し、
そのうちの1本を二人で交互に飲み、一本を枕元に置いた。
濡れたシーツを交換した後、抱き合いながら、その上に倒れ込んだ。

そして、正常位で綾夏に挿入し、互いに抱きしめ合いながら、キスをした。
その間、勃起を維持するために身体を動かすことはあったが、
それ以外は、ほとんど身体を動かさず、綾夏にキスし続けた。
時間を計っていたわけではないが、1時間以上は続けていたと思う。

「動かなくても、凄く気持ちいい…」

途中で、綾夏がそう言った。
肌を合わせながら挿入されるのが大好きな綾夏にとって、
それだけで本当に気持ちいいのだろう。

俺も気持ちが良かった。
物理的な刺激が無くても、色々なことを思い浮かべるだけで、
俺にとっては十分な刺激になった。
逆に、射精して終わってしまうのが勿体ないと思えるような時間だった。

そんな長い時間を過ごした後、俺は正常位のままゆっくりと腰を動かし始めた。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、」

暫くして、綾夏が俺の耳元で静かに喘ぎ始める。
単調な動きだったが、それでも綾夏はゆっくりと静かに登りつめていったようだ。
そして、いつものように、俺に抱き着く綾夏の両腕に力が入り、
「あぁぁぁぁ…」という声と共に、綾夏の全身の力が抜けていった。

その後も、俺は単調な腰の動きを続けながら、
脱力した綾夏に、顔中を舐めるようにキスをした。
綾夏は脱力したまま、全く動かない。

綾夏の顔が俺の唾液塗れになっていく。
途中、喉が渇き、枕元に置いたミネラルウォーターを飲み、
口移しで綾夏に何度も飲ませ、序に俺の唾液も飲ませた。
綾夏は、終始目を閉じていたので、
俺の唾液を飲んだことに気づいているかどうかはわからない。

「あふぅっ…、あふぅっ…、あふぅっ…、」

暫くすると、綾夏が再び喘ぎ始めた。
俺は途絶えることなく、腰を動かし続ける。
綾夏の両腕に再び力が入ってくる。

「はぁぁぁっ…」

綾夏は、静かに声を出しながら脱力していった。
それを確認すると、俺は腰の動きを速めていき、
遅漏の俺には珍しく、直ぐに綾夏の中に射精した。
綾夏も気が付いたのか、射精が始まると俺に抱き着いてきた。

そして、射精を終えた後は、いつものように、繋がったまま抱きしめ合い、
いつペニスを抜いたのかわからないまま、眠りについた。


[52] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/09/23 (金) 02:37 ID:Rr2FSgLs No.172904
今がどうなっているか
とても気になってしまいますネ


[53] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/09/25 (日) 20:38 ID:pwnY0kRA No.173141

ジーンさん、レスありがとうございます。



ペニスの脈動が治まると、俺は、綾夏の両胸を両手で抱え込むように掴んだ。
綾夏は、両肘を伸ばして四つん這いのままだった。
俺は、綾夏の胸のボリュームを感じながら、ゆっくり大きく揉んでいく。
この体勢で綾夏の胸を揉むのは、俺にとって至福の時だ。

綾夏の両腕が小刻みに震えはじめた。
バックの最中、綾夏は何度も何度も肘を伸ばしたり曲げたりしている。
日頃身体を鍛えている綾夏でも、今は、両腕の力が無くなっているだろう。

俺は、右手を突いて身体を支えながら、左手で綾夏の胸を抱えるようにして、
彼女をゆっくりと俯せに寝かせていった。
もちろん、俺のペニスは綾夏の膣と繋がったままだ。

俺は、綾夏を布団の上に俯せにした後、彼女の背中に自分の胸を重ね合わせ、
寝バックの体勢になった。
俺が両手を綾夏の前に回し、再び綾夏の両胸を掴むと、
綾夏は、自分の胸の前で俺の両手を握った。
俺は、綾夏の胸をゆっくりと揉み始める。
この体勢で余韻を味わうのも、正常位で終えたときと同じように、綾夏は好きだった。

だが、寝バックの体勢では、俺のペニスが萎むと直ぐに綾夏の膣から抜けてしまう。
綾夏は、それを阻止するため、俺のペニスが萎みかけると、
膣をキュッと締めて俺の勃起を促がす。
綾夏のその行為は、俺の尿道に残った精液を絞り出しているようでもあった。

そうして、セックスの余韻を二人で暫く楽しんでいると、
俺のペニスが綾夏の膣からニュルっと抜けて、漸く俺は綾夏から離れた。

俺は上体を起こし、俯せになったままの綾夏の背中をゆっくりと摩る。
俺も綾夏も全身汗塗れだったが、俺の背中はすでに冷え切っていた。
綾夏はまだ身体が火照っているようだが、このままではさすがに風邪をひいてしまう。
俺は、綾夏に声をかけた。

「大丈夫か?」
「だめぇ…、ほんと死にそう…」

俺はティッシュを取り、綾夏の股間を丁寧に拭った。

「綾夏、シャワー浴びに行こう。」

俺はそう言って、綾夏を抱き起し、二人で風呂場に向かった。
風呂場でも、綾夏は少しぐったりしていて、自分から動こうとしない。
俺は綾夏にシャワーの湯をかけながら、彼女の身体を洗った。
綾夏の膣の中にも手を入れ、丁寧に洗っていった。
綾夏と初めて関係を持ったときのことが、俺の頭の中を過った。

風呂場から戻ると、俺と綾夏は布団を掛けて横になった。
すでに午前0時を回っていた。
綾夏が俺の部屋に来たときは、3回できると意気込んではいたものの、
時間的にも厳しいし、俺の体力も持つかどうか…
それに、綾夏もかなりぐったりしているようだし…
3回目は諦めるしかないか…

天井を眺めながら、そんなことを考えていたら、
突然、綾夏が俺の腕を掴んだ。

「ねぇ…、もう1回できそう?」

俺は、綾夏の少し甘えたような声にびっくりして、彼女の顔を見た。
つい先ほどまで、ぐったりしていた綾夏の顔はいきいきとしている。
綾夏の回復力には驚かされるばかりだが、
まるで今日は必ず3回やるぞと決めていたかのようだ。

「ま、まあ、何とか…」

綾夏がその気になってるのであれば、俺には断ることはできない。
さっきは、綾夏が死にそうと言っていたが、
今は、俺の方が死にそうになってきた。

「そう、よかった。でも、洋祐、しんどそうだね。
 少し休んでてもいいよ。」

綾夏はそう言って、布団の中に潜ると、俺のペニスを銜えた。
綾夏の唇と舌が俺のペニスに絡みつく。
綾夏は本当に上手になったなと感心していると、
俺のペニスは次第に勃起していった。

俺のペニスがビンビンに勃起すると、
綾夏は俺のペニスを握ったまま、布団を捲り上げ、俺の腰の上に跨った。

「3回目なんて、久しぶりだね。」

綾夏はそう言ってニコっと微笑み、俺のペニスを股間にあてがいながら、
ゆっくりと腰を沈めていった。

「はあぁぁぁ…」

俺のペニスの挿入に合わせ、綾夏は少し顔を上げながら喘ぎ声をあげる。
そして、俺の腰に手を突いて自分の身体を支えながら、上下に身体を動かし始めた。
俺の目の前で、綾夏の胸が、彼女の動きに追随してプルンプルンと揺れている。
俺は、綾夏の顔と揺れる胸を交互に眺めていた。

暫くして、俺は両手を伸ばして綾夏の胸を掴み、綾夏の乳首を指で弄り始める。
綾夏は、それに構うことなく身体を上下に動かし続けた。
綾夏の上下の動きと綾夏の胸の揺れとが混ぜ合わさったような振動が、
綾夏の胸から俺の手に伝わってくる。
何とも言えない心地よい振動だ。

綾夏の膣からは、すでに愛液が溢れ出し、俺の股間を湿らせた。
女性の愛液は枯れることがないのかと思えるほど、綾夏は愛液を垂れ流している。
綾夏は、そんなことを気にも留めず、腰を動かし続けていた。
綾夏の身体は、既にじっとりと汗に塗れていた。

暫くすると、綾夏は手を突く位置を俺の腰から胸に変え、
少し前に屈んだ姿勢で、腰だけを振るように動かしたり、
俺のペニスを根元まで咥えた状態で、前後に腰を動かしたりしていた。

綾夏はそんな行為を繰り返していたが、
突然、上体を前に倒し、俺の胸に覆いかぶさった。

「はあぁー…、はあぁー…、はあぁー…、はあぁー…」

綾夏は、俺の胸の上で激しく息をしていた。

「はぁー…、洋祐…、ごめん…、はぁー…、もうきて…、お願い…」

あれだけ長時間俺の上で動いていれば、さすがに綾夏も限界に近いだろう。
俺は、激しく息をする綾夏の唇に自分の唇を重ね合わせた。
綾夏の息は、俺の口の中に吹き込まれ、喉に達するほどだった。

俺は、綾夏を抱き締めながら、ゆっくりと横転し、
綾夏を仰向けにして正常位の体勢を整えた。
俺は綾夏の唇を貪りながら、ゆっくりと腰を動かし始める。

既に俺には激しく動くほどの体力は残っていない。
このままゆっくりと腰を動かし続け、射精感が高まるのを待つだけだ。
ある意味、漸く俺と綾夏の日常のセックススタイルに戻ったわけだが…

そして、長い時間ゆっくりと腰を動かし続け、射精感が高まると、
腰の動きを一気に速め、三度綾夏の中に射精した。
綾夏はすでにぐったりしていて、人形のように動かなかった。

いつものように、射精の余韻に浸っていると、漸く綾夏が口を開いた。

「もうだめ…、眠いし身体が動かない。このまま寝ちゃってもいい?」
「繋がったまま?」
「うん。」
「それは無理だな。」
「えーっ」

綾夏は少し不満顔をすると、膣をキュッと締めたが、
その勢いで、俺のペニスが綾夏の膣から抜けた。

「あーん、もう…」

綾夏は、そう言って笑った。
俺は、明かりを消し、綾夏の隣に仰向けに寝ながら、布団を掛けた。
目覚まし時計を見ると、優に午前2時を回っていた。
二人で床についてから、6時間半以上が経っていた。

「もう寝るぞ。」
「うん。」

綾夏は返事をして目を閉じたが、暫くしてこう呟いた。

「明日…、仕事大丈夫かなぁ?」
「・・・・・・・」
「休んじゃおうか…」
「・・・・・・・」

暫くすると、隣から綾夏の寝息が聞こえてきた。


[54] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/09/26 (月) 22:10 ID:cfzyJ46U No.173189
洋祐さん、
まさに固唾をのんで読ませていただいております。


[55] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2022/09/27 (火) 10:55 ID:XxwOCRYE No.173217
洋祐さん、更新ありがとうございます。
臨場感溢れる内容で、ふたりの結び付きが固いのが解ります。いいですねぇ〜

[56] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/09/28 (水) 20:24 ID:224yPrhg No.173268

ジーンさん、やまさん、レスありがとうございます。



結局、木曜日は、綾夏と一緒に仕事を休んだ。
俺も綾夏も、朝の8時半ごろに一旦起きて職場に電話した後、二度寝し、
11時頃に目を覚まし、二人で布団の中でゴロゴロしていた。
さすがに起きて直ぐにセックスする気力はなかった。
まぁ、布団の中では、ずっと綾夏の胸を触ってはいたのだが…

12時半ごろに漸く起床し、二人でシャワーを浴びた後、
デリバリーを注文して食事をした。

木曜日は綾夏がジムに通う日だったが、
今日はジムには行かない、と綾夏は言った。
明日は金曜日だが、綾夏は、夜に同期の女性社員達との飲み会があるので、
綾夏と逢う予定はない。
時計を見ると、まだ午後2時半を回ったばかりだ。

せっかく休みを取ったのだから、こういう状況でやることは一つしかない。
俺は、隣で寛いでいた綾夏を押し倒した。


二人でシャワーを浴び終えたときは、もう午後6時を過ぎていた。

「洋祐、夕食はどうする?」
「外に食べに行こうか。」

二人で夕食を作ってもよかったが、シャワーを浴びても気怠さが残り、
何かをする気力が湧いてこなかった。
綾夏は至って元気ではあったが…
綾夏のように、ジムやスイミングに通うことは難しいが、
俺も身体を鍛えておかないと、綾夏に付いていくのが難しくなりそうだ。

二人で俺の部屋を出た。
今日は日中晴れて気温も高かったが、
部屋を出る頃は曇っていて、辺りは暗くなっていた。

食事を終えた後、綾夏を部屋まで送って行った。

「寄っていく?」

綾夏はそう言って微笑んだ。
この笑顔で誘われたら、俺に断るという選択肢はない。
「寄っていく?」は「セックスする?」の意味だろうと解釈した。
いや、俺が断らないと綾夏が思っていれば、「セックスしよう。」の意味かもしれない。
綾夏にすれば、せっかく休みを取ったのに1回だけ?と思ったのだろうか。

二人で綾夏の部屋に入って明かりを点けると、俺は綾夏をベッドまで抱きかかえ、
そのまま彼女とベッドに倒れ込んだ。。
綾夏は、少し驚いた表情をしたが、抵抗する様子は全くない。
俺は、綾夏の服を破かないよう気をつけながら、
それでも少し荒らしく彼女から服を剥いでいった。


午後11時頃に、二人で今日三度目のシャワーを浴び終えた。

「もう夜遅いから、泊まって行ったら?」
「泊まったら、明日も仕事を休むことになりそうだから、止めておくよ。」
「ふふふ、そうかもね。」

俺は、綾夏の部屋を出た後、昨日からのことを振り返りながら、
自分の部屋に帰った。


翌日の金曜、仕事から帰宅した俺は、一人でテレビを観ていた。
金曜の夜を一人で過ごすのは2カ月ぶりだろうか。
いよいよ来週末には、綾夏が旅行に出かける。
2週続けて、金曜の夜に綾夏と逢えないことになるが、それはいつ以来だろう。

そんなことを考えながら、過ごしていると、
午後10時過ぎに、綾夏からメールが届いた。

『今、帰ったよ。
 これから私の部屋に来ない?』

まさか昨日の今日で、綾夏から誘われるとは思ってもみなかった。
俺は、自分の心が見る見るうちに晴れやかになるのを感じた。

『わかった。これから行く。』
『じゃあ、待ってるから。』

綾夏の部屋に着くと、テーブルには酒の用意がしてあった。

「今日の飲み会、結構盛り上がって、みんないつもよりずいぶん飲んでたけど、
 私は、洋祐から外で飲むのは控えろって言われてたから、あまり飲めなかったの。」

確かに、数年前、まだ学生だった頃に、綾夏にそんな注意をしたのを覚えている。
それは、綾夏は飲みすぎると、かなり危ない状態に陥るからだ。
男が同席する場で飲み過ぎると、簡単にお持ち帰りされる虞があった。
実際に、大学時代には、サークルの先輩達にお持ち帰りされそうになったことがある。
そのときは、綾夏の親衛隊のようなサークル同期の男子達に連れ戻されたが…
また、女子だけで飲んだとしても、帰る途中で、少し休んだほうがいいんじゃないと、
声をかけられたら、そのままホテルに連れ込まれてしまう虞もある。
そもそも、俺と関係を持ってしまったのも、深酒が原因だったわけだが…。

ただ、綾夏が、俺が何年も前に注意したことを今でも覚えていて、
それを今でも実践していることが、俺には嬉しかった。

「だから、洋祐も付き合ってね。」

綾夏は、あまり飲めなかったと言ってはいるが、
彼女からはすでに酒の匂いが漂っていた。
それなりの量は飲んでいるのは、明らかだった。

「盛り上がったって、どんな話をしてたんだ?」
「そんな大袈裟な話しでもないわ。
 初めは、近況報告とか、今はまってるものの話しとか、
 それから、仕事の話しとか…。」
「・・・・・・・」
「仕事の話しをしていたら、上司や同僚の文句や悪口自慢みたいになっちゃたけど…、
 そのあたりから結構盛り上がってたわね。」
「・・・・・・・」
「最後に、彼氏の話しをし出したわ。」
「みんな彼氏がいるの?」
「今日集まったのは8人だったけど、私を入れて5人が彼氏持ちで、
 3人はフリーだったかな。」
「彼氏の話しって、どんな話し?」
「彼氏と何処へ行ったとこか、ここは良かったとか、惚気話とか…」
「・・・・・・・」
「そんな話しで始まったんだけど、悩みとか愚痴のような話になって、
 気づいたら下ネタに発展してた…」
「それで大盛り上がり?」
「まあ、そうだけど…、下ネタばかり話してたわけじゃなかったわ。」
「具体的には、どんな話しだったの。」
「一人は、彼氏と職場も住んでるところも近いから、毎日のように会うらしいんだけど、
 『週に4日も5日も求められるから、勘弁して欲しい』とか…」
「・・・・・・・」
「そうしたら、誰かが『それ、やるだけやってやり逃げされるパターン?』って言ったら、
 本人も少し気にしていたらしく、『やめてよ』って言って落ち込んじゃったり…」
「・・・・・・・」
「別の娘は、『2分も持たないのよ、それで本人は満足しちゃってるんだから…、
 少しはこっちのことも考えろっつーの』って言って怒りだしたり…」
「・・・・・・・」
「あと、彼氏と学生の頃からもう4年以上も付き合っている娘がいるんだけど、
 就職してから遠距離恋愛になっちゃって、会える機会が少なくて辛いって言ってた。」
「・・・・・・・」
「その娘は、今の彼氏と将来結婚したいと思ってるんだけど、
 彼氏とはそんな話ししたことがないから、
 彼氏の方はどう考えているかわからないんだって。」
「・・・・・・・」
「就職して2年目の24歳の男性には、結婚なんてまだ遠くの話しなんだろうけどね。」
「・・・・・・・」
「だから、遠距離恋愛でも彼氏の気持ちを繋ぎとめるにはどうしたらいいか、
 結構悩んでるみたい。」
「・・・・・・・」
「もう一人の娘は、まだ付き合い始めたばかりだから、特に何もなかったかな。」

俺は、綾夏が自分の彼氏についてどんな話しをしたのか、気になってきた。
酒を飲んでかなり饒舌になった今の綾夏だったら、
彼とのセックスの話しでも喋ってしまうかもしれない。

「それで、綾夏は、彼氏についてどんな話しをしたの?」
「私?私は大した話しはしてない。特に聞かれもしなかったし…」
「どうして?」
「私以外は、みんな社外の人と付き合ってるし、お互いに会ったこともないから、
 みんな他の人の彼氏がどんな人か知らないのよ。」
「・・・・・・・」
「だから、普通だったら言い難いことや、聞きづらいことでも、
 結構言いたい放題、聞きたい放題になってるんだと思う。
 ひょっとしたら、話しを盛ってるのかもしれないし…」
「・・・・・・・」
「でも、私の彼氏は社内の人だから、みんなも顔を知ってるでしょう。
 私の話しを聞いた後で、彼と顔を合わせたりもするし…
 だから、私も言い難いんだけど、みんなも聞き難いんじゃないかな。」
「・・・・・・・」
「特にエッチな話だと、リアル過ぎちゃって…」
「・・・・・・・」
「でも、本当は、みんな聞きたいんだろうけどね。
 週にどのくらいとか、どんなエッチをしてるのかとか…
 私も逆の立場だったら、聞きたいと思うしね。」
「・・・・・・・」
「ひょっとして、洋祐も、私と彼氏の話しを聞きたい?」

綾夏はそう言って、俺の顔を覗き込みながらニヤニヤと笑っていた。
酔っているくせに、こういう切り返しは忘れない。

「い、いや、別に…」

俺は、綾夏の言葉に少し動揺し、慌ててそう答えた。
だが、もしも俺が話しを聞きたいと言ったら、
綾夏はきちんと話してくれたのだろうか。


[57] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2022/09/29 (木) 08:46 ID:KPXrQNQY No.173280
再開後、テンポよく更新されるお話にずっと息を止めるように読み続けています。
やはり綾夏さんには男性を引きつける魅力があります。
コケティッシュなのにエッチな女性…良いです。
洋介さんを挑発するような、天然なような判じづらい態度も思わせぶりで心を揺さぶられてしまいますよね。
おしまいまでドギマギさせられてしまうのでしょうか……。
目が離せません。
更新を待ってる時間もドキドキしてます。

[58] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/10/01 (土) 15:45 ID:tkcvWXRY No.173357

まつさん、レスありがとうございます。
彼女の考えていることは、私にもよくわかりませんが、
彼女の人となりのようなものが伝われば、幸いです。


綾夏から女子社員同士の飲み会の話しを聞いて、
俺は、随分際どい話しもするんだなと、少し驚いた。
綾夏は、学生時代も、同期の女子たちとそんな話しをしていたのだろうか。

綾夏は、彼氏と顔見知りの友人同士だと、彼氏のことを話し難い聞き難いと言っていたが、
男の方はどうだろうか。
もし俺が綾夏の彼氏なら、綾夏が恥ずかしがるようなことは、他人には決して口にしない。
だが、自分の彼女のことを他人に話して面白がる男もいることは確かだ。

例えば綾夏の元彼のAなら、綾夏のことを周りに話していたとしても不思議ではない。
いや、Aの性格などを考えれば、きっと自慢げにべらべら喋っていたに違いない。
綾夏の胸や性器の形とか色、セックスのときの綾夏の表情や声などを、
Aが笑いながら友人や後輩に話す光景が目に浮かんだ。

そして、Aから話しを聞いた友人達は、サークルで綾夏に会ったときに、
服の上から彼女の裸体を想像し、あのときの表情を思い浮かべる。
綾夏は、友人達からそんな好奇な目で見られているとは何も知らず、
いつもの笑顔で彼らと談笑する。

Bはどうだろうか。
俺は、Bがどんな男か何も知らないので、何とも言えない。
だが、Bが同僚達に綾夏のことを話したりしていたら、
綾夏は、その同僚達に好奇な目で見られているだろう。

いや、Bから話しを直接聞いた同僚だけでなく、更に他の同僚達に、
次々と伝聞されていく。
もちろん、綾夏は、周りからそんな目で見られているとは気づきもしないだろう。

『綾夏は、あんな顔をして、セックスのときは凄く厭らしいんだぜ』

Bが同僚達にそんなふうに話す様子が頭の中に浮かんだ。
そんな話しに尾ひれ背びれがついて、綾夏は淫らな女だという噂がたつ。
そして、その話が綾夏の耳に入る頃には、周りの人たち全員がそう思っている。

そんなことを考えると、同じ組織内、グループ内の交際は、
リスクが高いような気がする。
それに、交際中ならまだしも、別れた後になると、更にリスクは高まるだろう。


飲み会にいたフリーの娘たちは、どんな娘なのだろうか。
綾夏の話しを聞いて、俺は少し気になった。
ただ、綾夏にはストレートに聞きにくいので、遠回しに話しを振ってみる。

「彼氏の話しをしているとき、フリーの娘たちは、黙って聞いてるだけなの?」
「うーん、フリーと言っても、みんな事情が違うからね。反応もバラバラだったかな。」
「・・・・・・・」
「フリーの娘のうち、最近彼氏と別れたばかりの娘が一人、
 学生のときに彼氏がいたけど、社会人になってからは彼氏がいない娘が一人、
 あと一人は、彼氏いない歴=年齢の娘なんだけど…」
「・・・・・・・」
「彼氏と別れたばかりの娘は、初めは結構質問とかしたりしてたんだけど、
 途中から元彼の話し、というか悪口を言ってたわ。」
「・・・・・・・」
「エッチしたがるくせに、エッチは下手、とかね。」

綾夏はそう言って笑った。

「社会人になってから彼氏がいない娘は、黙って聞いていたかなぁ。」
「・・・・・・・」
「彼氏いない歴=年齢の娘は、自分の相談をしてたわ。」
「・・・・・・・」
「女性同士だと、結構お喋りするんだけど、男性と話すのが苦手なんだって。
 どういう会話をしたらよいかもわからないって言ってたわ。」
「・・・・・・・」
「彼氏がいたことがないって言っても、決してモテないわけじゃなく、かなり可愛いのよ。
 実際に街を歩いていると、声をかけられることもよくあるらしいし…
だけど、彼女、いつも『ごめんなさい。』と言って、逃げてきちゃうんだって。」
「・・・・・・・」
「別に男性と付き合いたくないわけでもなく、将来結婚したいと思っているので、
 これからどうしたら良いかって、みんなに相談してたわ。」

綾夏は、そこまで話し続けた後、グラスに入ったワインを煽るように飲み干した。
綾夏は、家に帰ってからも、すでにかなりの量を飲んでいた。

「ねえ、洋祐、誰か紹介してあげようか?」
「い、いきなり何を言って…」
「洋祐は、どういうタイプの女性が好み?」

まさか、このように話しを振られるとは思いもしなかった。
藪蛇とは、まさにこのことだ。
もちろん、俺には、綾夏がタイプだとは言えない。

「そうねえ、最近彼氏と別れた娘は、自分からグイグイいくタイプかしら…
 気に入った男がいたら、自分から告白するって言ってたから、
 洋祐のことが気に入れば、直ぐに付き合えるかもしれないよ…
 それにセックスも大好きみたいだし…、ふふふ…
 でもねぇ〜、元彼の悪口を言ってた割には、まだ未練タラタラって感じだからな〜、
 今は他の男性は目に入らないから、暫くは難しいかもね。」
「・・・・・・・」
「社会人になって彼氏がいない娘は、多分今日のメンバーの中で一番真面目な娘かな。
 仕事も一番熱心だしね。洋祐には、真面目な娘の方がいいのかなぁ。
 ただ、彼女から元彼の話しもあまり聞いたことがないから、
 男性とどういう付き合い方をするのか、どんな男性が好みなのか、
 全然わからないからなぁ〜。
 もしも洋祐と付き合ったら、どんな感じになるんだろう。
 真面目な娘だから、セックスも淡泊かもしれないし…、
 もしそうだとすると、エッチが好きな洋祐には厳しいかもね。」
「・・・・・・・」
「彼氏いない歴=年齢の娘は、顔も性格も可愛いし、いいお嫁さんになると思うよ。
 きっとまだ処女だと思うから、セックスが好きかどうかは分からないけど、
 今の洋祐なら、セックスが好きになるように教えてあげられるかもね。
 でもなぁ〜、洋祐はぶっきらぼうで口数も少ないから、
 あの娘だと、最初から会話が成立しないかもしれないな…」
「何だよそれ、結局全部ダメじゃん。」
「ははは、そうだねぇ。」

綾夏は、少しわざとらしく笑った後、急に黙り込んだ。
飲み会でどれ程飲んだのか分からないが、かなり酔いが回っているように見えた。

「もしも洋祐に彼女ができたら…、私はどうすればいいのかなぁ〜」

暫くして、また、綾夏が喋り始めた。

「ねぇ〜、洋祐、私はどうすればいい?」
「・・・・・・・」
「というか、洋祐はどうするつもりなのぉ?」

綾夏は、少し絡むようにそう言った。
綾夏の話しが変な方向に向かい始めたようだ。
こんなときは、さっさと切り上げるに限る。

「少し飲みすぎだろう。」
「全然飲んでませんよぉ…」
「それに、もう寝た方がいいんじゃない?」
「何でぇ?」
「明日、昼前に彼氏に会うんだろ?寝坊するぞ。」
「残念でしたぁ…。明日は朝から接待でキャンセルになりましたぁ…」
「・・・・・・・」
「上司に、明日の接待に同行するように言われたんだってさぁ…」

なるほど、それで綾夏は、今夜俺を誘ったわけだ。
飲み足りないし、明日は暇だし…
また絡まれても面倒だし、彼氏の話しに話題を向けるか…

「朝から接待って、ゴルフ?」
「そうみたい…」
「彼氏はゴルフをするんだ。」
「うん。彼の部署は結構接待とか多いから…、必要なんだってぇ…」
「綾夏は、ゴルフしたことは?」
「練習場なら、何度か連れてってもらったぁ…」
「・・・・・・・」
「なかなか真っすぐ飛ばないけど、飛んだときはすごく気持ちがいいんだよねぇ。」

俺はゴルフをやったことも、クラブを握ったことさえもなかった。
少し大袈裟だが、俺の知らない世界で、綾夏と彼氏が過ごしているようで、
何だか綾夏が遠くに行ってしまったと感じた。

「でも、自分でクラブを買ってまでやろうとは、全然思わないけどねぇ…」

綾夏はそう言った後、また黙った。
それほどゴルフに興味を示してはいないようで、俺は少しほっとした。
綾夏は、半分目を閉じたり開いたりしている。
そろそろ限界だなと思い、俺は、綾夏を抱き上げた。

「わぁ〜、お姫様抱っこだぁ…」
「もう寝るぞ。」

俺は、綾夏をベッドまで運び、寝かせようとすると、
綾夏が突然抱き着き、俺の耳元でそっと呟いた。

「ねぇ…、今日はしないの?」

俺は、綾夏と一緒にベッドに倒れ込んだ。


[59] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/10/03 (月) 05:52 ID:Fsqsf/sQ No.173447
彼女の洋佑さんへの感情はセフレ以外にはないのでしょうか?
SEXに関しては彼氏より洋佑さんが上だと思いますネ。


[60] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/10/04 (火) 20:20 ID:8sreBv1I No.173499

ジーンさん、レスありがとうございます。

彼女の感情は、私には全くわかりませんでした。
自分から離れないように、人参をぶら下げながら手綱を引いていたのか、
私をからかって楽しんでいたのか、何の考えもなく、そのとき思ったことを口にしていたのか…

悪女なのか、小悪魔なのか、天然なのか、いずれにしても振り回される方は大変です(笑)


翌日、11時ごろに目が覚めた。
綾夏は、俺の隣でまだ眠っていた。
今朝は何時頃まで綾夏とセックスしていたのか、よく分からない。

一昨日、綾夏は、最近の俺は凄いと言っていたが、
昨夜は、あんな綾夏を初めて見たと思うほど、綾夏の乱れ方が尋常ではなかった。
会社の友人達から彼氏の話しを聞いたせいだろうか…
俺には話せない、もっと具体的なセックスの話しをしていたのかもしれない。

「洋祐、おはよう。」

暫くすると、綾夏も目を覚ました。

「おはよう。ぐっすり眠れた?」
「うん。洋祐は?」
「少しだけかな?」
「あの〜、洋祐、昨日、私、変なこと口走ってなかった?」
「別に…、ひょっとして昨日のこと覚えてないの。」
「飲み会の話しをしたのは覚えているけど、その後は、断片的にしか…」

俺に女性を紹介する話や、俺に彼女ができたらどうするつもりと絡んできたことは、
どうやらはっきりとは覚えていないらしい。

「あ、でも、エッチしたことは覚えてるよ。」
「綾夏が誘ったことも?」
「えっ?うそ、全然覚えていない。本当に?」
「うん。」
「え〜、私、洋祐に犯されてるって思ってたんだけど…」
「何だよ、それ。何で俺が犯すんだよ。」
「だって、気がついたら洋祐のが…、
 だから、エッチしてる最中、ずっと私、洋祐に犯されてるんだって…、
 でもそう思ったら、何か凄く感じちゃった。ふふふ…」

どうやら、綾夏は、セックスの途中から正気を取り戻したらしい。
ただ、昨夜の様子を見る限り、今後、綾夏の身に同じようなことが起きたとき、
犯している相手が俺ではなく、そのとき傍にいた男性となる可能性も否定できない。
やはり、今でも綾夏にとって、深酒がかなり危険なことは間違いない。
しかも、今の綾夏の周りには、学生時代のような親衛隊がいるわけではない。
今後は、事あるごとに、綾夏に注意した方がよさそうだ。


土曜は、結局、昼食後と夕食後に綾夏とセックスし、
俺が綾夏の部屋を出たのは、午後11時を過ぎていた。

今週は、水曜から土曜までの4日連続して、綾夏とセックスした。
しかも、一度も避妊していない。
セックスの最中は、綾夏を俺の女にすることが俺の頭を支配し、
全く歯止めが利かなくなってしまうが、
こうして、綾夏と別れて冷静さを取り戻すと、
綾夏を不幸にするのではと思い、自分がしたことが恐ろしく、
また、それに嫌悪すら感じてしまう。

綾夏から生理が始まったとメールが届く間隔は、大体26日〜31日の範囲だ。
必ずしも綾夏が生理開始当日にメールするとは限らないが、
メールの間隔がほぼ生理の周期すなわち排卵の周期と考えてよいだろう。

綾夏の排卵の周期がこの期間内であれば、
今週は先週よりはまだ危険度が小さい気もするが、
女性の排卵は常に一定の期間内の周期で起こるとは限らない。
排卵の周期が数日、或いは1週間程度前後することもあるだろう。

現に、綾夏も生理が遅れて、『やっと生理がきたよ。マジあせった〜』
とメールしてくることもある。
それは、綾夏特有の冗談かもしれないが、生理が遅れていたことは事実だ。
それを考えれば、避妊もせずに綾夏とセックスを繰り返していたら、
いずれ綾夏を本当に妊娠させしまうかも知れない。

綾夏自身は、俺の行為を一体どう考えているのだろうか。
綾夏の考えが、俺には全くわからない。
明確な拒絶がなくても、それが、綾夏が全て受け入れた証拠になるとも思えない。

ひょっとして、こんなことをしていたら、綾夏が妊娠する前に、
彼女から俺との関係を終わらせる可能性すらある。
綾夏が俺の子を妊娠することを望んでいるとは思えない。

俺は、そんなことを考えながら、自分の部屋に向かって歩いていた。


翌週の水曜、この日は10月の第一水曜で、
綾夏が俺の部屋に泊まりに来ることになっていた。
綾夏が旅行する3連休まで、あと3日に迫っていた。

いつものように、綾夏を彼女の部屋まで迎えに行き、
いつものように、二人で風呂に入り、床についた。

「今日は、好きにしていいよ。」

いつの頃からか、綾夏がこんな言葉を使うようになった。
それは、ゴムが不要だと綾夏が意思表示をするときに、彼女がよく使う台詞だ。
逆に言えば、この台詞を言わなかった先週、先々週は、
『好きにして』はいけない日だったということだ。
もちろん当たり前のことではあるが…

今日、ゴムが不要ということは、遅くとも連休明け頃には、
綾夏の生理が始まるということだろう。
それも綾夏が妊娠していなければ、という話しだが、
綾夏はどう思っているのだろうか。

俺は、先週と同様にキスマークを探すことから始めた。

俺と綾夏は、先週の水曜から土曜まで、4日間も続けて、
避妊もせずに何度もセックスをしていた。
綾夏が彼氏に会った日曜、彼女の子宮の中は、
俺の精子で満たされていたはずだ。
そんな身体で、果たして綾夏は、Bに抱かれたのだろうか。

子宮に俺の精子が満たされたまま、膣の中に彼氏のペニスを受け入れる。
それは、俺が抱く綾夏のイメージからは想像できないことだった。
そう考えると、綾夏は日曜にBとはセックスはしていないかもしれない。

そんな期待を抱きながら、綾夏の身体を調べていった。
だが、先週と同様に、綾夏の内太腿を見たとき、
俺の淡い期待は簡単に砕け散った。
そこには、しっかりとキスマークが付けられていた。
こんなところにキスマークを付けておいて、
彼氏が挿入していないわけがない。

そのキスマークを見た後に俺の中に残ったものは、
綾夏は、4日間続けて俺に中に出され、
自分の子宮の中が俺の精子で満たされていようとも、
Bに求められれば抱かれてしまうという事実だけだった。

だが、それは当たり前のことだ。
俺は、綾夏とセックスするだけの関係だが、Bは綾夏の彼氏なのだから…

それどころか、逆のことだって考えられる。
例えば日曜に、綾夏がBとセックスしていたとすると、
綾夏の子宮の中で、彼氏の精子が3日以上生き延びていれば、
綾夏は、彼氏の精子で子宮の中が満たされたまま、
俺のペニスを膣の中に受け入れていたということも…
そうとすると、彼氏の精子と俺の精子は、綾夏の子宮の中で共存していたことになる。

人が聞けば笑ってしまうような変な妄想が、俺の頭の中に際限なく膨らみ続ける。
そして、この変な妄想によって、俺の嫉妬が駆り立てられていった。

せっかく綾夏が好きにしていいと言っているのだ。
綾夏の中に射精することはもちろんだが、それ以外でも、
今日は、遠慮なしに好きにさせてもらおう。

俺は、そう思いながら、綾夏の性器を貪り始めた。


[61] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/10/06 (木) 06:51 ID:u7WAZ.32 No.173557
彼女の心がどっちに向いているのかも気になります。
結婚の対象としてはBさん、でも身体は洋佑さんという事になるのでしょうか?


[62] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/10/07 (金) 20:30 ID:1xJWVpzI No.173607

ジーンさん、レスありがとうございます。
当時、私の中では、多分そうだろうなと思う気持ちと、
そんな割り切ることができる女ではないと否定する気持ちが交錯していました。



長い長いセックスを終えた後、綾夏が呟いた。

「もう、洋祐の変態…、あんまり意地悪しないでよ。」
「何が?」
「何がって…、あんなことしておいて…、恥ずかしくて言えるわけないでしょ。」

今日は、俺が今までしたことがないことを試してみた。
試したと言っても、以前から考えていたわけではない。
単なるその場の思いつきでしたことだ。

綾夏は、どこまで俺のすることを許すのだろうと、
そんな気持ちでしたことだった。
そして、何も拒否しない綾夏を見て、これでもかこれでもかと
どんどんエスカレートしていってしまった。

「好きにしていいって言っただろ。 嫌だったら、断ればいいじゃないか。」
「それは…、そうだけど…」
「それに先週、俺に犯されてるとか言ってたし…」
「えーっ、それで…、それであんなことを?」
「・・・・・・・」
「もう〜、犯されてるなんて言わなきゃよかった。」
「・・・・・・・」
「それに、誰かに見られたらどうするの?」
「もう夜も遅いから誰も居やしないよ。」
「そんなこと分からないでしょ?
 遅い時間に帰って来る人だっているんだから。」
「誰か居たとしても、暗いし短い時間だったからわかりゃしないよ。」
「暗いって言ったって、キッチンの明かりは点いていたから真っ暗じゃなかったし…」
「・・・・・・・」
「もう〜、もし見られてたら、お嫁に行けないじゃない。」
「・・・・・・・」

綾夏の口調は怒ってはいたが、顔は笑っていた。
綾夏もそれなりに楽しんでいたのだろうか。
それとも、俺のすることを必死に我慢していたのだろうか。

それに嫁に行けないのなら、俺が貰ってやる。
俺は心の中でそう思ったが、もちろん口には出せない。

綾夏の隣で天井を見ながら、先程までのことを振り返ってみる。
俺は、いわゆる『駅弁』というものを初めて経験した。
正常位から綾夏の身体を抱き起し、更に立ち上がりながら、綾夏を担ぎ上げるときには、
俺の腰には想像以上に負担がかり、蹌踉けそうになってしまったが…
今度するとしたら、テーブルか何かに座らせてするのがよさそうだ。

その後、俺は、綾夏を抱き上げたまま、彼女の身体を上下に動かす。
綾夏は必死に俺の身体にしがみついていた。
暫くして、俺は綾夏を抱き上げたまま、キッチンに移動し、
テーブルの上に綾夏の上体を仰向けにして寝かせた。

俺は、綾夏の両腕を掴んで彼女を万歳させた姿勢で覆いかぶさり、
彼女の膣にペニスを入れたまま、長らく腰を振り続けた。
綾夏は、ときおり顔を左右に振りながら、ずっと喘ぎっぱなしだ。
そんな綾夏を見ていると、俺は、本当に綾夏を犯している気分になった。

それから、綾夏を抱き起して、今度はテーブルの上に綾夏の上体を俯せにした。
綾夏の背後から彼女の膣にペニスを挿入し、再び腰を振り続けた。
綾夏は、テーブルの端を両手で掴みながら、俺のすることに必死に堪えているようだ。

その後は、キッチンの至る所(とは言っても4畳半程度の広さだが)で、
様々な格好でセックスした。
それまで、綾夏は、口では「やめて」と言っていたが、
身体では何の抵抗もしなかったので、更にエスカレートしてしまった。

キッチンでのセックスを終えると、俺は、綾夏を連れて隣の部屋に戻り、
部屋の明かりを消した後、ベランダの窓を開けた。
秋の外気が部屋の中に流れ込んでくる。
もう10月だが、身体が火照っているせいか、さほど寒さは感じない。

「何をするつもりなの?」

少し朦朧としている綾夏が、少し不安そうに俺に聞いてきたが、
俺は何も答えず、綾夏の手を取り、そのままベランダに連れ出した。
綾夏は「きゃっ」と小さい声で叫んだが、抵抗はしなかった。

外は暗いが、街灯や月明かりで、辺りの様子を見渡すことができた。
ベランダのフェンスは、窓の真正面となる中央が縦格子の柵になっている。
部屋の明かりは消したが、キッチンの明かりは点けたままなので、
部屋やベランダは真っ暗というわけではない。
もし外に人がいたら、綾夏の素っ裸の姿が柵を介して丸見えになっていただろう。
綾夏の胸も、股間の茂みも…

外の様子を窺ったが、人のいる気配はなかった。
だが、秋の夜空の下に、綾夏が生まれたままの姿で晒されていると考えると、
俺には、異様な興奮が湧いてくる。

俺は、柵を避けるように、綾夏をベランダの左端に連れ寄せ、
彼女にフェンスの上縁に両手を突かせた。
そして、綾夏の背後から彼女の股間にペニスをあてがい、ゆっくりと挿入した。

「ううっ…」

綾夏が小さく呻き声をあげる。
俺は、両手で綾夏の胸を掴み、ゆっくりと腰を動かし始め、
次第にスピードを上げていった。
綾夏は、ときおり片手を口に当てながら、声が出るのを必死に堪えている。
俺は、心地よい秋風を感じながら、綾夏と野外セックスをする気分に浸っていた。

ベランダから室内に戻るとき、綾夏が蹌踉ついて暫く動けなくなった。
それは、丁度フェンスの柵の真ん前だ。
10秒間か、20秒間か、30秒間か、時間はよくわからないが、
その間、後姿ではあるが、綾夏の裸身がフェンスの柵を介して外に晒されていた。

室内に戻ると、明かりをつけて、綾夏を布団の上に寝かせた。
そして、漸く、いつものようにセックスを始めた。


我ながら随分大胆なことをしたと思う。
こんなことをしていたら、いずれ綾夏に嫌われてしまうかもしれない。
だが、綾夏の結婚が決まって関係が終わるのも、嫌われて終わるのも、
今の俺にとっては大差はない。
関係が終われば、俺は二度と綾夏に逢うことはないだろうから…
それは、近々起きることのようにも感じた。
そうであれば、今のうち、やりたいことやるのもありか…

「ねぇ、どうしてわかったの?」

暫く黙っていた綾夏が突然呟いた。
綾夏は何がわかったとは言わなかったが、俺には、それが何であるかが何となくわかった。
だが、何て答えればよいか、俺には思いつかない。
もちろん、正直にキスマークがあるからと答えることもできなかった。

「・・・、何が?」
「・・・、ううん、何でもない…」

綾夏は、そう言った後、そのことについて何も喋らなかった。
多分、俺の反応を見て、俺に知られていることを確信したに違いない。

「ねぇ、今度いつ逢おうか。週末は旅行だから、その後になると思うけど…。」

綾夏が俺にそう尋ねてきた。
綾夏と次に逢う日を決めるのは、いつも楽しいことではあったが、
彼女の『旅行』という言葉は、俺を憂鬱にさせた。

「明後日の金曜じゃだめか?」
「えっ、金曜?」
「うん。」
「次の日、私、朝早く出かけなくちゃいけないんだけど…、
 洋祐がそれでいいなら、私はいいよ。」
「うん、それでいい。」

断られるのを覚悟で言ってみたが、意外にも綾夏は承諾してくれた。
彼氏と旅行の前日に、俺に中に出されることは分かっているはずだが…
だが、それは、綾夏にとってどうでもいいことなのかもしれない。

それならそれでいい。
金曜は、綾夏の子宮の中を俺の精子で満たしてやろう。
綾夏は、子宮の中に俺の精子を連れて、彼氏と旅行に行くのだ。

暫くして、綾夏の寝息が聞こえてきた。
俺は、部屋の明かりを消して、綾夏に寄り添うように横たわった。

俺の身体のあちらこちらの筋肉が、ピクピクと笑っている。
ずいぶん無理な体勢をとり、普段使わない筋肉も使っていたのだから、それも仕方がない。
明日は筋肉痛になりそうだな。
先週、有給休暇を使ったばかりだから、明日は使いづらい。
仕事に支障のない程度の筋肉痛であればいいのだが…

そんなことを考えながら、俺は眠りについた。


[63] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/10/10 (月) 07:04 ID:eORlvCts No.173755
洋右さんにとことんいかされた翌日からの彼氏との旅行では
もうそんなには感じられないのではないでしょうか?


[64] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/10/10 (月) 20:36 ID:/S35WfV2 No.173794

ジーンさん、レスありがとうございます。
どうなんでしょうか。セックスが大好きな女ですから。



金曜、俺は大急ぎで仕事を終わらせて帰宅し、
昨日から降り続く雨の中、綾夏の部屋に向かった。
いつもよりかなり早い午後8時過ぎには、綾夏の部屋に到着した。

「今日は随分早いのね。」

綾夏は笑顔でそう言って、俺を部屋に迎い入れた。
二人で風呂に入ると、俺は我慢しきれず、早々に綾夏の背後からペニスを挿入した。

「ああん、もうー。」

綾夏はそう抗議したが、俺には彼女の顔が少し嬉しそうに見えた。
綾夏と繋がったまま、二人で湯船に入った。
綾夏を振り向かせ、キスをしながら、彼女の両胸を掴み、ゆっくり揉んでいく。

綾夏の唇、両胸、膣の全てを、今俺が支配している。
俺にとってはまさに至福の時だ。
俺は、キスが終わった後も、指で綾夏の乳首を弄りながら、胸を揉み続けていた。
もちろん、下半身は繋がったままだ。

「洋祐って、キスもそうだけど、おっぱい触るのが、本当に好きよね。」
「何だよ、いきなり…、俺にキスされたり胸を触れられたりするのがいやなのか?」

突然、綾夏がそんなことを言いだしたので、
俺には、綾夏が何を言いたいのか分からなかった。

「ううん、そうじゃないの。
 こんな小さい私の胸を、洋祐はとても気に入ってくれていると思うと、
 私、凄く嬉しい。」
「・・・・・・・」
「私ね、自分の胸をずっと気にして、コンプレックスを抱いていたんだけど、
 洋祐がこんなに気に入ってくれているんだから、
 コンプレックスなんか持つ必要ないんじゃないかって…、
 そう思ってたら、今は全然気にならなくなったの。」

そもそも、綾夏の胸は、コンプレックスを持つほど小さいわけではなく、形も綺麗だ。
それでも、綾夏が、自分の胸を気にしていたとすれば、
Aに胸が小さいと言われたことをずっと引きずっていたのだろうか。

「だからね、洋祐には、本当に感謝してるんだ。」

綾夏はそう言って笑った。
俺は、もう一度綾夏を振り向かせ、彼女にキスをした。


普段は、風呂から上がった後、少し酒を飲んだりするのだが、
この日は、風呂から上がると、裸のまま、二人でベッドに入った。

「ねぇ、今日は好きにしていいけど、この前みたいに無茶なことはやめてね。
洋祐がまたやりたいと思っているなら、また別の日にしてもいいから…」

綾夏は、少し恥ずかしがりながら、そう言った。
もちろん、俺も無茶なことをするつもりはなかった。
あのようなことは、然う然うできることではないし、まだ筋肉痛も残っているため、
無理な格好はできない。

また、ベランダでセックスするにしても、綾夏の部屋のベランダの正面には、
マンションが建っているため、俺の部屋に比べれば、はるかに誰かに見られる可能性が高い。
『綾夏の裸が他人に見られているかもしれない』と想像すると興奮するのは事実だが、
実際に見せたいわけではないし、見られたくもない。

それに、水曜には、綾夏の子宮の中を俺の精子で満たしてやると意気込んでいた俺だが、
今は、そんな気持ちも冷め、そんなことをしてもただ空しいだけのように思える。

「無茶はしないよ。」

俺はそう言って、綾夏の身体の愛撫を始めた。
今日は、純粋に綾夏とセックスを楽しむことだけを考えよう。
綾夏と繋がったまま、綾夏の胸を握りしめ、綾夏と舌を絡めるようなキスをする
それが、俺にとって一番至福を感じることだ。
俺は、綾夏の両脚を開いて膣の中にペニスをゆっくりと挿入し、彼女に覆いかぶさった。


翌日、俺が目を覚ましたときには、隣にいるはずの綾夏の姿はなかった。
時計を見ると、午前11時を回っている。
俺は、寝ぼけているせいか、直ぐに状況を把握することができず、
暫くベッドの上でボーっとしていた。

喉が渇いたと感じて、水を飲みにキッチンに行くと、
テーブルの上に、手紙と鍵が置かれているのに気がついた。
俺は、直ぐに手紙を手に取り、それを読み始めた。

『洋祐へ
 おはよう よく眠れた?
 ぐ〜っすり寝ているので、起こさずに出かけます
 合鍵を置いておくから、部屋を出るときは戸締りをよろしくね
 朝食(昼食?)を作っておいたので、よかったら温めて食べてください
 飲み物は、好きなものを飲んでいいよ

 合鍵は返さなくていいから、失くさないように洋祐が持っていてね
 その代わり、私に洋祐の部屋の合鍵を渡してくれたら、すごく嬉しいな
 せっかくの私のセカンドハウスなのに、合鍵を持ってないなんて、おかしいでしょ
 今度、逢うときまでに、考えておいてください

 では、旅行に行ってきます。
                                 綾夏』

綾夏の手紙を見て、俺は漸く状況を把握した。
そうだ、綾夏は今日から彼氏と旅行に出かけたのだ。

俺は、テーブルの上に置かれた合鍵を手に取ってみた。
綾夏がこの部屋に住み始めて、もう5年半ほどになるが、
その合鍵はとても綺麗で、俺には輝いて見えた。

だが、この合鍵を返さずに俺が持っていろというのは、一体どういうことだろうか。
しかも、俺の部屋の合鍵を渡して欲しいという。
俺には、綾夏が考えていることが全くわからなかった。
合鍵交換なんて、普通は彼氏とやるものだが、
彼氏がいるのに、彼氏以外の男と合鍵交換するということが、俺には理解できない。

まさか…、まさか、俺の子を妊娠した?
その準備のための、俺と暮らすための合鍵交換なのか?
いやいや、そんなはずはない。
綾夏の前回の生理が始まったのは4週間前だから、妊娠が確定するには、まだ早い。
それに、もし妊娠していたら、さすがに今日からBと旅行には行かないだろう。

俺は、もう一度綾夏の手紙に目を通す。
手紙には、本文の下に追伸が書かれていた。

『P.S.
 昨日は、すごくすごくよかったよ
 激しいのもいいけど、やっぱり私、昨日みたいなのが好き
 今朝、起きたとき、まだ私の中に洋祐がいるって、錯覚しちゃった
 今もまだ、洋祐がいるみたいに感じてる
 私、やっぱり淫らな女なのかなぁ
 でもそうなったのは、全部、全部、洋祐のせいだけどね
 それと、洋祐を残して旅行に行っちゃって、ホントにごめんね』

ごめんね、か…
考えてみれば、綾夏は一言も、彼氏と旅行に行くとは言っていない。
だが、旅行のことを話したときの綾夏の表情を見れば、
綾夏が彼氏と旅行に行くのは先ず間違いない。
それに、彼氏以外の人と旅行に行くのであれば、
綾夏なら、誰と、どんな人と旅行に行くか、必ず俺に話すはずだ。

一方、俺は、彼氏と旅行に行くと気づいたことを、綾夏には何も言っていない。
綾夏から話しを聞いたとき、『彼氏と行くの?』と聞けば済むことだった。
だが、あのとき、俺は何も聞けず、その後も、聞くことができなかった。

そして、綾夏は…
多分、綾夏は、俺が気づいていると分かっているだろう。
だが、そのことも、綾夏は俺には何も言わない。
まぁ、当たり前と言えば当たり前のことだが…

俺と綾夏は、何か二人で無言の駆け引きをしているようだ。
いや、今日だけではない。
そんな駆け引きを、これまで何度も繰り返してきたような気がする。
俺と綾夏の関係は…、一体何なんだろうか。


[65] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/10/13 (木) 06:31 ID:4V328dsQ No.173862
彼女は彼氏には中出しさせてないと思います。
彼氏もそこまでの覚悟もないかと。
洋佑さんがその気になれば一緒になれると思うんだけどなぁ


[66] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/10/14 (金) 20:34 ID:ng2Nn.S. No.173897

ジーンさん、レスありがとうございます。
そのことについては、また追い追いと…



綾夏は、昨日は凄くよかったと言っていたが、何がよかったのだろうか。
昨日、俺は、綾夏に挿入した後、長い時間、彼女の胸を弄りながらキスをし、
それから、いつものように、抱き合ったまま正常位でセックスした後、
いつものように、射精の余韻に浸った。
そして、それらの行為をもう一度繰り返した。

唯一違った点と言えば、1回目から2回目まで一度もペニスを抜かなかったことだが、
それだけで、綾夏が、凄くよかったと言うとも思えない。

そんなことを考えていたら、綾夏は、今日から連日Bに抱かれるということを思い出し、
綾夏が、Bにも、凄くよかったと言っている光景が浮かび、気が滅入ってしまった。

シャワーを浴びた後、綾夏が用意してくれた食事を済ませた頃には、
既に午後2時を過ぎていた。
外を眺めると、昨日までの雨が嘘のように晴れている。
だが、俺は、直ぐに綾夏の部屋から出る気にはなれなかった。

考えてみれば、綾夏の部屋で俺が一人で過ごすのは、今日が初めてだ。
そう考えると、俺は少しドキドキしてきた。
部屋の中をゆっくりと見回してみる。
見慣れた部屋の中ではあるが、これまでじっくり眺めることもなかった。

本棚を見ると、1冊のアルバムが目に留まった。
本棚からアルバムを取り出して中をざっと見てみると、
どうやら、綾夏の中学、高校時代のバスケの部活の写真を集めたもののようだ。

アルバムの最初の写真の下に、『中1夏合宿、同級生と』という文字が添えられていた。
その写真には、あどけない顔で楽しそうに笑う7人の女の子たちが写っている。
その中の一人が綾夏であることは、彼女のくりっとした目で直ぐに分かった。

中学、高校のときは、今より髪が短かったと、綾夏は言っていたが、
短いなんてものではなく、耳周りは刈り上げられ、前髪も非常に短く、
まるで男の子のような髪型で、少女というよりは、少年のような印象を受けた。
他の6人の女の子たちも、皆似たような髪型で、
綾夏を含め7人全員が、バスケに熱中していたであろうことは、容易に想像できた。

写真は、時系列に並べてあり、それぞれ『〇月〇日練習試合にて』、
『〇月〇日大会にて』、『引退試合にて』などの文字が添えられた写真には、
屈託なく笑うユニホーム姿の綾夏が写っていた。
中学の最後の写真は、卒業式のときの写真だった。
この写真では、制服姿の綾夏が、バスケ部の同級生と一緒に卒業証書の筒を翳しながら、
満面の笑みを浮べていた。

高校生になった綾夏は、中学時代より少し髪を伸ばしてはいたが、
他のチームメートよりははるかに短い髪型だった。
胸の膨らみもなく、相変わらず、少年のような容貌だ。

だが、高校2年の頃には、胸の膨らみも目立ち始め、目鼻立ちもはっきりしており、
髪型も明らかに違い、両耳は相変わらず露わになってはいるが、
ベリーショートの女の子の髪型に変わっていた。
僅かの間に、綾夏に何かがあったのだろうか。
その姿にはもはや少年の面影はなく、綾夏は可愛い美少女へと変身していた。

高校2年の秋頃の写真では、背番号4のユニホームを掲げ、
少し恥ずかしそうに笑う綾夏が写っていた。
キャプテンになって、ユニホームを新調したときの写真なのだろうか。

その隣の写真では、二人のチームメートに担がれて、
笑顔でピースサインをする綾夏が写っていた。
綾夏のユニホーム姿は、可愛くもあり、恰好よくもあった。

高校3年の写真を見ると、綾夏は、さらに髪が伸び、益々綺麗になっていた。
チームメートに抱き着かれ、自信に満ちた表情で笑顔を見せる綾夏が、
俺にはとても眩しく感じた。

アルバムの最後の写真は、高校の卒業式の写真で、
この写真の綾夏は、俺が初めて会ったときと然程変わらない。
この写真では、綾夏を中心に、バスケ部員と思われる女子達が綾夏の横後ろに並んでいた。
この写真や、同じ卒業式で撮影されたその他の写真から、
綾夏が同級生だけでなく、後輩たちからも慕われていた様子が窺えた。

アルバムの中の綾夏は、いつも元気に笑っていた。
ひょっとしたら、綾夏が、笑顔の写真を選んでアルバムに貼ったのかもしれない。

俺は、アルバムの中の写真を一枚一枚じっくりと眺めた後、
俺が気に入った写真を携帯で撮影し、アルバムを本棚に戻した。
アルバムを見終えた後、自分が知らない中学、高校時代の綾夏を垣間見たような気がして、俺は嬉しくなった。

本棚には、映画のパンフレットが数冊並んでいた。
いずれのパンフレットも、ここ数カ月以内に公開された映画のものなので、
多分、彼氏と一緒に観たときに購入したものなのだろう。

本棚の下側には、抽斗が2つあった。
少し後ろめたさはあったが、俺は、本棚の抽斗を開けてみた。
一つ目の抽斗の中には、細長いケースが仕舞ってある。
ネックレスを収納するケースのようだ。

綾夏は、普段、ネックレス、イアヤリング、指輪等の宝飾品を身に着けていないので、
自分で購入したとは思えない。
ひょっとしたら、彼氏からの誕生日プレゼントなのかもしれない。

俺は、綾夏にプレゼントと呼べるものを渡したことはない。
もちろん、綾夏からプレゼントを貰ったこともない。
そもそも、俺と綾夏は、そういう関係ではないのだ。

ケースを開けてみたが、中は空だった。
彼氏からのプレゼントならば、今日身につけて旅行に行ったのだろう。
どんなネックレスなのだろうか。
彼氏からのプレゼントならば、それなりに高価なものであるには違いないと思うが…

その他にも彼氏に関係するものはないか、二つ目の抽斗を開けてみたが、
特には、それらしいものは見当たらない。
俺は、綾夏が留守の間に家探ししているようで、自己嫌悪に陥った。

辺りはすでに薄暗くなっていた。
俺は、漸く綾夏の部屋を出たが、このまま自分の部屋に帰るきにはなれない。
結局、弁当と酒を買って、綾夏の部屋に戻ってしまった。

キッチンのテーブルで弁当を食べ終えた後、酒を飲み始めた。
今頃、綾夏は…
もう考えまいと思えば思うほど、それが脳裏に横切り、酒を煽るように飲んだ。
気がつくと、俺は、綾夏のベッドに俯せに寝ていた。
すでに日曜の午前10時を過ぎている。

俺は、ベッドの上で暫くぼーっとした後、部屋の中を軽く掃除を掃除した。
そして、もう一度綾夏のアルバムを眺めた後、
綾夏に言われた通り、戸締りを確認して、漸く綾夏の部屋を出た。
今日は、昨日と同じように晴天だった。
10月になってもう1週間が経つが、暑い日差しを浴びながら、自分の部屋に帰った。

翌日の月曜も朝から良い天気だった。
結局、3日間とも天候に恵まれた三連休となった。
綾夏と彼氏にとっては、この上ない旅行になったことだろう。

そんなことを考えると、また気が滅入ってしまう。
何も考えずに済むよう、何かをした方がよいだろう。
俺はそう思ったが、何をしようかは何も思いつかない。

結局、その日は、洗濯したり、布団を干したり、部屋の掃除をしたりした後、
一昨日撮影した綾夏の写真の画像を眺めながら時間を潰した。

夕方になって、綾夏から『今帰ったよ。疲れたぁ〜』とメールが届いた。
だが、俺は、それに続く文面を見て激しく動揺した。

『生理始まったよ
 洋祐には申しわけないけどね…
 私は少しだけだけど…、
 ふふふ、あとは内緒
 でも、私…、できてるんだから
 洋祐ももっとよく考えてね』

俺は、全身から汗が吹き出しそうな感覚を覚えた。
生理が始まって俺に申しわけないって…
俺が何を期待し何をしようと思っていたのか、
綾夏には、全て見透かされていたのだろうか。
よく考えろって何を考えろというのか。
後半の文の意味が全く不明なだけに、俺には不安ばかりが募った。


[67] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/10/17 (月) 07:47 ID:sZPtfQRs No.173979
ホント、意味がわからないメールですね〜
彼女の手の平の上で転がらせられてる洋佑さんですが、それを楽しむ余裕もほしいですねー


[68] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2022/10/18 (火) 11:14 ID:wZBif5Lw No.174021
綾夏さんは、洋祐さんからの素直な告白を望んでいると感じますが…。

[69] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/10/18 (火) 20:51 ID:XB1WXA2E No.174044
ジーンさん、やまさん、レスありがとうございます。
当事者としては、楽しむ余裕も、俯瞰的に考えることもできませんでした。


その週の木曜日の夜、綾夏からメールが届いた。

『生理終わったよ
 明日、どうする?』

いつもと変わらないメールの内容だった。
月曜のメールのことには、何も触れていない。
それが却って、綾夏に逢うことに躊躇いを感じさせた。
だが、綾夏に逢わないという選択肢は、俺にはない。
俺は、泊まりに行くと綾夏に返信した。

『ふふふ、首を長くして待ってるから…』

綾夏の返信を見て、『首を長くして』は『手薬煉を引いて』の間違いじゃないのかと、
俺は思った。
もし綾夏に何か追及されたら、俺はどう答えたらいいのだろうか。
あれこれ考えても、俺には何も思いつかなかった。

今のうち、月曜日のメールの意味について、綾夏に聞いておいた方がいいのだろうか。
だが、迂闊なことをして藪蛇になるのも気が引ける。
結局、綾夏から何か言われるかどうかもわからないまま、金曜の夜を迎えた。

綾夏の部屋に着くと、彼女はいつものように部屋に迎い入れてくれた。
だが、部屋に入り、キッチンの椅子に腰かけると、
いつもなら綾夏が何かを話したり、俺に尋ねたりするのだが、
この日に限っては、綾夏は黙ったままだった。

俺から何か話さなければとは思うが、適当な話しが思い浮かばない。
少し気まずい空気が流れた。
結局、あまり聞きたくはないが、旅行のことに話題を振ってみた。

「旅行はどうだった?」
「う〜ん…」
「天気は良かったんだろ」
「天気は3日間とも良かったんだけどね…」
「・・・・・・・」

話しが続かない。
旅行中、彼氏と喧嘩でもしたんだろうか。

「土曜日の朝、あれっと思って準備はしていったんだけど…」
「・・・・・・・」
「移動の途中で…、やっぱりね…」
「・・・・・・・」
「始まっちゃった…」
「・・・・・・・」

直ぐに生理のことだとわかった。
移動の途中で生理ということは、旅行中はセックスをしていないということか。
まあ、挿入はないというだけで、それ以外はいろいろとやっているだろうが…
ただ、このまま生理の話しが続くと、まずい展開になるなと、俺は焦った。

「重い方ではないんだけど…、やっぱり始まるとね…」
「・・・・・・・」
「だから、あまり楽しめなかったかな…」
「・・・・・・・」
「始まらなくても、楽しめたかどうかは微妙だけど…」

綾夏は、そう言って俺の顔を覗き込んだ。
このままでは、俺にとってはよろしくない状況に追い込まれそうだ。
何かないかと考えて、あることを思い出した。

「はい、これ」

俺はそう言って、自分の部屋の合鍵を綾夏に差し出した。

「えっ、本当に? いいの?」
「ああ」
「いぇーい、やったね。」

これで少し助かった、と俺は思った。

「だけど、おかしくないか?」
「何が?」
「俺と合鍵交換なんて」
「別におかしくはないでしょ。
 洋祐は、この部屋に何度も来てるから、今更って感じだし、
 私は、セカンドハウスの合鍵が欲しかったし…」
「普通、彼氏とするもんじゃないの?」
「彼は、この部屋に来たことないし、多分、これからも来ないと思うから、
 私の部屋の合鍵を渡しても意味が無いし、
 彼自身は、今、実家で暮らしているから、交換なんてできないよ。」
「いや、そういう意味じゃなくて…」
「それよりも、洋祐と交換した方が、お互いにメリットがあるでしょ。」
「・・・・・・・」
「例えば、水曜に洋祐の部屋に泊まりに行くときは、洋祐の帰りが夜遅いから、
 今まで洋祐が迎えに来てくれけど、合鍵があれば、早い時間に私が部屋に入れるし、
 金曜に私が遅くなったときは、洋祐に私の部屋で待ってて貰えるし…」
「でも、綾夏がいないときに、俺はこの部屋に勝手に入れるんだぜ。」
「別に、洋祐に見られて困るようなものはないから、私、平気だよ。」
「・・・・・・・」
「あっ、ひょっとして、私がいない間に、私の下着を漁るとか?」
「そんなことするわけないだろ。」
「ふーん、したければ、私は別にかまわないけど。」
「だから、そんなことしないって…」

そんな会話をしていたら、綾夏が笑い出した。
俺は漸く安堵した。
だが、この先、あのメールについて、何も触れないわけにはいかないだろう。

二人で風呂に入った後、酒を飲み始める。
酒が入って、綾夏もいつものように喋り出した。
俺は思い切って、月曜のメールについて聞くことにした。

「月曜のメールのことだけど…」
「ん?」
「あれは、どういう意味?」
「・・・・・・・」

暫く、二人の間に沈黙が流れた。

「洋祐は、どう思った?」
「・・・・・・・」
「私ね、洋祐が…、私を妊娠させようとしてるんじゃないかって思った。」

やはり見透かされていた。
冷や汗とも脂汗ともつかないようなものが、俺の身体中から流れ始める。

「普通なら拒否するんだろうけど、私はそうは思わなかった…」
「・・・・・・・」
「でも、もし妊娠させようとしているなら、一番危ない日もするでしょ。
 だけど、洋祐はしなかったから…」
「・・・・・・・」
「私の一人合点なのかなって…」
「・・・・・・・」
「洋祐はどうなの?」
「・・・・・・・」
「もしも洋祐が本気でそうしたいと思ったなら…、
 私は…、かまわないよ。」
「・・・・・・・」

再び、二人の間に沈黙が流れた。

「でもね、妊娠すると大変だよ…。その後もね。
 わかってる?」
「・・・・・・・」

俺には、綾夏に返す言葉が何もない。
俺は、綾夏の言葉にただうな垂れているだけだった。

「ふふふ、冗談よ…、冗談。
 そんな深刻な顔をしないで…。」

どこまでが冗談だと言ってるのだろうか、
綾夏は冗談というが、俺には、とてもそうは思えなかった。
綾夏が『わかってる?』と言ったとき、
俺には『妊娠させて、私を幸せにできる自信があるの?』と言ってるように思える。
これまでの俺の行為に対して釘を刺されたような気がした。

確かに危険日を含めて綾夏に中出し三昧だったわけだから、
女性として文句を言うのは当たり前のことではあるが…
俺はうな垂れたまま、頭を上げることができなかった。

「もう…、しょうがないなぁ。」

綾夏はそう言って、俺の手を引き、ベッドに押し倒した。
そして、俺の服を脱がし、フェラを始めた。

「今日は、ちゃんと着けないとね。」

綾夏はそう言って、俺のペニスにゴムを被せた後、
自分も服を脱いで、俺の股間に腰をゆっくり沈めていった。
その姿は、俺にはとても妖艶に見えた。


[70] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/10/22 (土) 04:28 ID:FI1niUU. No.174171
彼女は洋祐さんに奮起してほしいと思っているんですよ。
彼氏から奪ってほしいと


[71] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2022/10/23 (日) 20:36 ID:IVFhzyd6 No.174248

ジーンさん、レスありがとうございます。
確かに、この頃は挑発する言動が多かったように思いますが、
何が狙いなのかは??です。


翌朝、俺は8時過ぎに綾夏に起こされた。
今日、綾夏はいつもより少し早い時間に出掛けるらしい。
Bと遠出でもするのだろうか。

「まだ。眠そうだね。起こさない方が良かった?
 もう合鍵を持ってるんだから、寝ててもいいよ。」
「いや…」

綾夏の部屋に長い時間一人でいると、また家探ししてしまいそうなので、
綾夏が出かける前に部屋を出ようと思った。

結局、月曜のメールの意味は分からずじまいだったが、
綾夏はもう気にしている様子は見られないので、一応の決着はついたようだ。
だが、昨日の綾夏は、やはりいつもとは明らかに違っていた。
俺に何かを訴えたかったのだろうか。
それとも…

気のせいか、セックスのときも、やたら妖艶に見えた。
それは、ひょっとしたら、綾夏のアルバムを見たからかもしれない。
アルバムの中の綾夏は、時が経つに連れて美少女に変わっていったが、
最後の写真の綾夏も、妖艶とは全く無縁で、
俺には、純真な美少女にしか見えない。

今、目の前にいる綾夏も、妖艶とは無縁のようにも思えるが、
昨夜の綾夏は違っていた。

「そう言えば、ごめん…、土曜に本棚のアルバムを見ちゃった。」

アルバムの写真のことを、正直に綾夏に話した。
さすがに、本棚の抽斗の中も見たとは言えなかったが…

「ああ、あれね。」

綾夏はそう言って、本棚からアルバムを取り出した。

「私、男の子みたいでしょ。」

そう言いながら、綾夏はアルバムを開いた。
昨日見た中学時代の綾夏が現れた。

綾夏は、アルバムの中の写真を指差しながら、
『このときは、初めての試合だったから、すごく緊張した』とか、
『このときは、初めてPGを任されたから、試合前は不安だった』とか言って、
それぞれの写真を説明してくれた。

髪型が変わった高2のときの写真では、高1の冬頃に、2歳下の妹から
『バスケで髪が邪魔になるから短くするのは分かるけど、もう少し女の子らしくしたら』
と言われ、それから髪を伸ばして妹と一緒に美容院に行き、この髪型にしたそうだ。
この髪型にした当初は違和感があって、試合中は鉢巻をしていたらしい。

綾夏の話しによれば、彼女の妹は、中学生の頃から、
ボーイフレンドをとっかえひっかえ家に連れてきていたそうだ。
綾夏の母親とも、「また今日も違う子ね。」と話していたらしい。

「小学生のときは、私の後を追ってばかりの子だったのに、
 妹が中学に入った頃から、急に変わり出したんだよね。
 私と違って美人だから、そうなるのも不思議ではないんだけど…
 口数も少なく、大人しい子だったんだけど、
 この頃はもう、私にどんどん意見を言い始めてたし…
 私の呼び方も、小学生のときはお姉ちゃんだったけど、
 中学生のときは綾ちゃんになって、今じゃ綾夏って呼び捨てにされてるし、
 どっちが姉で、どっちが妹かわからない感じになっちゃった。
 でも、私にとっては、相談もできて頼もしい存在だから、
 妹の成長はとても嬉しかったけど…」

綾夏は、妹についてそう評していた。
俺には、綾夏もとても美人だと思えるが…

綾夏が美人だという妹は、「結夏」という名前らしい。
直ぐに姉妹だとわかるような名前だ。
後になって綾夏に名前の由来を聞いたところ、
綾夏の母の名前が「夏美」で、綾夏も妹の結夏も、
母の名から一文字貰って付けられたそうだ。

綾夏の妹は、一体どんな娘なんだろう。
2歳下と言っていたが、たとえ姉妹でも綾夏に意見できるとは、
やはり気が強い女性のようだ。
俺は、どんな女性か一度会ってみたいと思った。


背番号4のユニホームを掲げた写真では、この後の1年間は、
本当に大変だったと、綾夏はしみじみと言った。

「中学のときも、高校のときもキャプテンを務めたけど、
 やっぱり高校のキャプテンは、中学よりも重圧感が全然違ってたわね。
 やってみたいとは思っていたんだけどね。」
「そうなんだ。」
「うん。別にバスケの強豪校というわけじゃないんだけど、
 先輩たちが頑張って、大会でもそこそこの成績を残していたし、
 学校内でもそれなりに期待されていたから…
 自分がキャプテンになって1回戦、2回戦で負けたらどうしようとか、
 いろいろ考えると怖くなった。」
「・・・・・・・」
「だから、キャプテンになってからの1年間は、もの凄く練習したんだ。
 チームとしてだけでなく、私個人としてもね。」
「でも、やってよかったんだろ。」
「そうね。結果として良い成績が挙げられたから、
 そのときは、キャプテンをやってよかったと思ったけど、
 もしも成績が挙げられなかったら、どうだったかな…
 でも、やらなきゃよかったと後悔はしなかったと思う。」
「でも、綾夏の下の代のキャプテンは、もっと大変だったんじゃないか?」
「そうね。そうかもね。」

綾夏は、そんな話しをしながら、アルバムを捲っていった。
そして、最後のページまで捲った後、アルバムを閉じて、俺の前に差し出した。

「これ、洋祐にあげる。」
「えっ…、ど、どうして?」
「洋祐が欲しそうな顔してたから。」
「別に、欲しいなんて…」
「えーっ、顔にそう書いてあるし、涎も出そうだったよ。」
「何を言ってるんだ…」

確かに俺には、喉から手が出そうになるほど、欲しいものではあるが…

「このアルバム、寂しい時とか、落ち込んだ時に見れば、
 元気が出ると思って作ったけど、今は、もう見ることはほとんどないし…、
 それに、このアルバムの写真、みんな焼き増しで、
 ネガは実家の母が保管してるから、気にしないで。」
「・・・・・・・」
「そんな顔しないで。旅行のお土産を買ってなかったから、その代わりよ。
私も、洋祐に持ってて欲しいし…。ねっ、いいでしょ。」
「わかった…」
「でも、どうしても私が見たくなったら、洋祐の部屋に見に行くらね。」
「ああ、それはかまわないよ。」

結局、綾夏に押し付けられるような形ではあったが、
俺は宝物を手にしたような気分だった。
後になって綾夏から聞いた話しによれば、この頃、俺が元気がなさそうに見えたから、
このアルバムを見て元気を出して欲しい、と思ったらしいが…

だがそれは、中学・高校時代の綾夏の写真を見れば、俺が元気になることが前提の話しで、
よく考えればおかしな話しだ。
自分が元気になれるから、俺も元気になれると思ったのだろうか。
綾夏らしいと言えば綾夏らしい発想だが…

こうして、綾夏とBが肉体関係にあることを俺が知ったことに端を発する一連の騒動?は、
今日で終わりを告げたようだ。
多分に、俺の独り相撲であった感は否めないが…


この日以降は、特に大きな出来事はなく、表面上は平穏に時が流れた。
こういう言い方をすると、裏では何かがあったのかということになるが、
決してそういう意味ではない。
俺が実際に見聞きしたこと以外は、俺には何もわからないということだ。

具体的なことを言ってしまえば、水曜に綾夏が俺の部屋に泊まりに来て、
金曜に俺が綾夏の部屋に泊まりに行く、毎週それの繰り返しだった。
特に綾夏に変わったところは何も感じなかった。

綾夏とBのことも、俺は何も知らない。
綾夏は自分からは何も言わないし、俺も何も聞かないからだ。
二人の仲が進展しているのか、停滞しているのか、全く分からない。

ただ、水曜に綾夏が俺の部屋に泊まりに来たときには、
毎回のように綾夏の身体にキスマークが付けられているので、
綾夏とBは、毎週末にセックスしていることは間違いない。

始めの頃は、キスマークがあるかどうか、綾夏の身体中を調べ、
キスマークを見つけると、悶々とした気持ちになっていたが、
それが毎週続くと、次第に何も気にならなくなっていった。


[72] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/10/25 (火) 06:59 ID:nHstkZ3k No.174279
彼女は洋佑さんに彼と別れてsexも自分とだけにしてほしいって言ってほしいのではないかな?

[73] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2022/10/25 (火) 11:55 ID:vlHek3a. No.174287
洋祐さんから、告られたいとの想いだと感じます。
自分も若い時は、プライドが邪魔して?、素直になれなかった苦い思い出が…!

[74] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/11/05 (土) 05:36 ID:ulrIO2nM No.174526
洋佑さん、
いかがお過ごしでしょう?
彼女とのそれからがとても気になります。


[75] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2022/11/10 (木) 08:46 ID:y3E7GsgM No.174608
再開後、ここのところの展開がこのお話のキモのような気がして息を殺すように読者に徹していました。
なにか意見を言うとストーリーの今後に関わってしまう事になり、スレ主さんの思惑を鈍らせてしまうのではないかと考えたからです。
ちょうど更新に間が空き、ひと息ついたところでこちらの興味が更に深まっている事をお伝えしなくちゃと思い、レスを入れさせてもらいます。
今後も注目、応援していますので完結まで走り続けてもらうことを願っています。

[76] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/11/18 (金) 21:48 ID:AyO3JzRQ No.174811
洋佑さん、
体調崩されていませんか?
更新を楽しみにしています。
そして今のお二人のことを知りたいです。


[77] Re: 続 せ・ふ・れ  ヤマユリ :2022/11/29 (火) 02:17 ID:kIdW7JGU No.175064
最初の  せ・ふ・れ は、どこで見れますか??  よろしくお願いします

[78] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/12/08 (木) 06:14 ID:iFR6Rdhc No.175299
今の2人はどうなっているかを知りたいです。

[79] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2022/12/24 (土) 04:34 ID:U7MktaW. No.175709
洋佑さん、
今も続いていると信じています。


[80] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/01/18 (水) 08:51 ID:05PnnmgM No.176542
だいぶ下がってしまったので上げておきます。

[81] Re: 続 せ・ふ・れ  けん :2023/01/21 (土) 23:43 ID:xN60rN8M No.176643
再開願ってます

[82] Re: 続 せ・ふ・れ  ファン :2023/02/13 (月) 07:31 ID:4V328dsQ No.177239
もう終わったのでしょう。
この方のお話、好きだったんだけど


[83] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/03/31 (金) 07:04 ID:WdQm5YFI No.178617
あげさせてください

[84] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/04/23 (日) 01:38 ID:IVFhzyd6 No.179571

大変ご無沙汰しております。

半年近く前に、新型コロナに感染しまして、
そのときの症状は、発熱と激しい喉の痛みが数日間続いただけでしたが、
その後、後遺症に悩まされました。
このスレのことは気にはなっていましたが、更新する気力が沸かず、
放置することとなっていた次第です。
その間、レスを頂いた皆様、ありがとうございました。

今も、本調子とは言えませんが、少しずつでも更新していけたらと思います。




綾夏とBの旅行から、あっという間に2か月が過ぎ、
すでに12月中旬になっていた。

去年の暮れは、仕事納めから帰省するまでの3日間、
俺と綾夏は二人だけで過ごしたが、
今年は、去年と違い、綾夏に彼氏ができたので、
同じようなことを期待することはできないだろう。

仕事納めが終わったら直ぐに帰省するか、
それとも年末ぎりぎりに帰省するか、俺は思案していた。
年末ぎりぎりまで自分の部屋で過ごすにしても、何もすることはなかったが、
直ぐに帰省しても、実家の大掃除を手伝わされたりするだけだから、
それも面倒で、結局、実家には大晦日に帰ると伝えた。


仕事納め前の最後の金曜日の夜、いつものように綾夏の部屋に泊まりに行き、
最初のセックスを終えた後のことだった。

「ねえ、洋祐は、いつ帰省するの?」
「早く帰省しても特に何をするってこともないから、大晦日に帰省する予定だけど。」
「ほんとに?じゃあ、私も大晦日に帰ろうかな。
 そうすれば、29日から大晦日の朝まで一緒に居られるね。」

綾夏が当たり前のようにそう言ってきたので、俺は少しびっくりした。
それは、俺にとっては喜ばしいことではあるが、彼女とBとのことが少し心配になる。
俺が彼氏に会わなくていいのかと、綾夏に尋ねたところ、
Bは、例年、年末年始を両親と共に祖父母の家で過ごすそうで、
仕事納めの翌日には、祖父母の家へ向かってしまうらしい。

「久しぶりに洋祐とゆっくり過ごせるから、来週、凄く楽しみだね。ふふふ。」

綾夏は微笑みながらそう言った。
俺のことを煽っているのか、綾夏の小悪魔ぶりは相変わらずだった。
俺は、綾夏を抱き寄せ、2回目のセックスに突入していった。


12月29日、俺は、午前中に部屋の掃除や帰省の準備をし、
午後から綾夏の部屋に行った。
綾夏の生理の予定が年明け頃ということもあって、
この二泊三日の間、俺は避妊せずに綾夏の中で何度も射精した。
もちろん、綾夏の同意があってのことだ。

あれは確か、二日目の夜のことだったと思う。
セックスして余韻を楽しんだ後、二人でベッドに横になっているとき、
綾夏が唐突に尋ねてきた。

「ねえ、もしも私が妊娠したらどうする?」
「えっ…、妊娠って、俺の子を…ってこと?」

綾夏の唐突な質問に、俺は何気なくそう聞き返したつもりだった。
だが、俺がそう言った途端、綾夏の表情が急に変わり、
大きく目を見開くように俺を見つめた。
そして、次の瞬間、俺の左腿に激痛が走った。
綾夏が俺の左腿を思いっきり抓っていた。

「そんなこと、当たり前でしょ。
 洋祐は、誰とでも妊娠するようなことを、
 私がするとでも思っているの?」

そのときは、決して激怒したような口調ではなかったが、
綾夏はとても心外そうにそう言った。
いや、心の中では激怒していたのかもしれない。

俺は決してそんなつもりで言ったわけではないが、
綾夏にはそのように聞こえたのだろう。
ただ、誰とでも、というわけではなく、
彼氏となら、そういう関係であっても不思議ではないはずだ。
彼氏でもない俺には許しているわけだから…

そう考えれば、彼氏との子を妊娠することだってあり得るわけだから、
俺の子かどうかを聞き返しても、綾夏がそこまで怒るほどのこととも思えない。

だが、綾夏の表情を見ると、俺がそういう言い訳をしたところで、
彼女が納得するとも思えなかった。
それ程の雰囲気を綾夏は醸し出していた。
俺は慌てて綾夏に謝った。

「ごめん、そんなつもりで言ったわけでは…」
「洋祐には、前にも言ったかもしれないけど、妊娠するようなことは、
 本当は結婚相手だけなんだから…」

綾夏は、少し抗議するような口調でそう言った。
確かに、まだ学生だった頃に、綾夏にそんなことを言われた記憶がある。
今まですっかり忘れ去っていたが…

「私にとって、子宮は子どもを育てるとても大切な場所なの。」
「・・・・・・・」
「だから、子どもの父親となる人以外に、子宮を汚されたくないの…
 子どもを産みたいと思える人じゃないと、絶対に嫌なんだから…」
「・・・・・・・」
「結婚を決めてもいない人と、避妊しないでするはずないでしょ。」

綾夏は、話すたびに怒りのテンションが上がっていった。
じゃあ、何で俺とは避妊しないでするんだと、突っ込みたくなるところだが、
今、そんなことを言ったら、火に油を注ぐようなものだ。

「ごめん、本当にそんなつもりで言ったわけじゃないんだ。唐突だったから…」
「もういい。」

綾夏はそう言って俺に背を向けてしまった。
綾夏にしてみれば、俺にだけ許していることなのに、
簡単に避妊せずにセックスしてしまう女だと俺に思われ、
自分のプライドが傷つけられたような気分だったのだろうか。
もしもそうであれば、下手な言い訳などしない方がいいかもしれない。

せっかく明日まで綾夏と過ごせるのに、このままでは台無しになってしまう。
俺は、綾夏の機嫌を直してもらおうと必死だった。


[85] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/04/23 (日) 11:56 ID:9HEZ00is No.179579
洋祐さん

お帰りなさい&更新ありがとうございます。
私も今年、コロナに感染しましたが、幸い後遺症もなく…。
ゆっくりで良いので、宜しくお願いします。

[86] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/04/24 (月) 07:18 ID:4jfGrUPI No.179613
望外の喜びってこういう事だったんですね。
このスレの続きが読めるなんて!
そして開けてみれば、お二人の微妙な空気が…。
やはりこのお話がとても好きです。
ワクワクしちゃいます。
出来れば完結までお願いします。
時々間が空いても待ってますね。

[87] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/04/24 (月) 09:23 ID:U7MktaW. No.179615
おかえりなさい。
待っていましたよ、きっとみなさんも一緒だと思います。
諦めかけていましたけど、お二人の物語がまた読めて嬉しいです。


[88] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/04/25 (火) 23:49 ID:pwnY0kRA No.179752

やまさん、まつさん、ジーンさん、早速のレスありがとうございます。



俺は、綾夏を背後から抱きしめ、ひたすら謝罪を繰り返した。

「綾夏がそんなことをするような女じゃないことは、俺が一番知っているのに…
 本当にごめん。」

綾夏の機嫌を直そうと、俺は必死でそう言った。
綾夏が簡単に避妊せずにセックスする女とは、もちろん思っていないが、
実際のところ、俺は、Bには中に出されているのではないかと、
少し疑ってはいたのは確かだ。

というか、誰だってそう考えるのは至極当然のことだろう。
Bと付き合う前のことはともかくとして、
Bと付き合い始めた後も、俺には何度も許していた行為なのだから…。

綾夏の真意はどこにあるのか、俺にはよく分からなかったが、
今はそんなことを考える余裕はない。

俺は綾夏を抱きしめながら、彼女が落ち着くのを待った。
暫くして、俺は綾夏の胸にそっと手を置く。
そして、ゆっくりと静かに彼女の胸を揉んでいった。

「もう〜」

綾夏は、口ではそう言ったが、身体で拒否はしなかった。
俺は綾夏を振り向かせ、彼女に身体を重ねていく。
綾夏の顔を見ると、少し目に涙を浮かべていた。
綾夏には、とても悔しいことだったのだろう。

俺は、綾夏の胸から首筋に向かって唇を這わせた後、
綾夏にキスをしながら、片手を彼女の股間に忍ばせ、
指先で丁寧に弄っていった。

綾夏の股間が次第に湿っていく。
射精したばかりの俺のペニスだが、すでに準備は万端だ。
俺は頃合いを見計らい、俺のペニスを綾夏の膣の中に一気に挿入した。

「あぁぁぁぁっ…」

俺が綾夏に覆い被さると、彼女は俺に抱き着いてきた。
少しやり方がずるい気がするが、挿入すると綾夏は抵抗できないから、
こうなってしまえばもう安心だ。

俺は、綾夏の言うことを拒否することができないが、
綾夏も俺のすることを拒否しない。
これまでも、綾夏と多少の行き違いがあったが、
セックスすれば、綾夏は全て水に流してくれるので、
喧嘩になることは一度もなかった。

俺は、綾夏の一番好きな体位になり、長い時間腰を動かし続けた。

「こんなこと…、洋祐だけ…、だけなんだから…」

俺が射精感を催したとき、綾夏がそう呟いた。
そんな綾夏の言葉に、俺のペニスは綾夏の中で一気に爆発した。


「もう、本当に調子いいんだから…
 洋祐って、こんなに調子のいい男だったっけ?」

セックスを終えた後、綾夏は、そう言って笑った。
どうやら綾夏も機嫌を直してくれたようだ。
それに、最初の質問も忘れてしまっている。

だが、あの質問は一体何だったのだろうか。
妊娠することに急に不安を覚えたのだろうか。
それとも、気まぐれで言った言葉だったのだろうか。

実際、綾夏が妊娠したとしたら…
もしそうなったら、俺の覚悟は決まっている。
そうは言っても覚悟だけしか決まっていないのだが…

出産・育児、日々の生活にどれ程のお金が必要なのか、全く思いもつかないが、
入社二年目の俺の給料では、到底賄いきれないのは分かる。
結婚式や新婚旅行は難しいだろう。

ただ、引越しした後、僅かずつではあるが毎月貯金をしてきたし、
ボーナスも手付かずのままだから、去年の今頃に比べたら蓄えはある。
いざとなれば、両親に頭を下げて金を借りることも考えられるし、
綾夏も仕事は続けたいと言っていたので、育児休暇明けであれば、
綾夏の給料も入るので、何とかなりそうな気がしないでもない。

いや、子どもが産まれるとなれば、もっと広い部屋に引っ越さなければならないから、
家賃も上がるし、引っ越し費用も必要だ。
それを考えると、経済的にどうにもならないような気もする。

そもそも、そんなことを考える前に、俺の両親のことはともかく、
綾夏の両親にどんな挨拶をすればいいのだろうか。
綾夏の両親は結婚を許してくれるのだろうか。

そんなことを、あーでもない、こうでもないと考えていたら、
シュールなことを、今まさに起きていることかのように、
真剣に考えている自分に笑ってしまった。

知らぬ間に、綾夏が軽く寝息を立てていた。
膣の中に俺の精液を溜めたまま、スヤスヤと眠る綾夏を眺めていると、
俺の中では、何が現実で、何が妄想なのかも区別がつかなくなる。
綾夏の寝顔は幸せそうに見えるが、実際に幸せかどうかも、俺には分からない。
俺は、暫く綾夏の寝顔を眺めていたが、何時しかそのまま眠りについた。


翌朝、俺が目を覚ますと、綾夏もすでに目を覚ましていた。

「洋祐、おはよう。今年も終わりだね。」

目を覚ました俺に、綾夏はそう言って笑った。
俺にとっては長いようで短いようで、何とも言えない一年だった。

今年の前半は、昨年から続く射精不全に苦しみ、
これには、綾夏が身体を張って支えてくれたおかげで、
俺は、乗り越えることができた。

6月には、綾夏に彼氏ができたことで、俺は絶望感を味わったが、
綾夏は、俺との関係をそのまま続けてくれた。

そして、綾夏と彼氏との関係に悩みながらも、
綾夏と共に、今年最後の日を迎えた。

この日、俺と綾夏は、午前中にもう一度セックスした後、
綾夏が今年最後だからと言うので、シャワーだけで済まさずに、
二人で一緒に風呂に入った。

午後には、綾夏と一緒に彼女の部屋を出て、駅まで一緒に歩いた。

「洋祐、来年もよろしくね。良いお年を…」

帰省する綾夏を駅で見送った後、俺は一旦自分の部屋に戻り、
実家へと向かった。

こうして、俺にとっては激動だった長い1年が、漸く終わりを迎えた。


[89] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/04/26 (水) 08:11 ID:4yfgAU5A No.179766
早い更新ありがとうございます。

やはり綾夏さんはそういう感じになってたんですね。
たしか子供が欲しい年齢も希望があったように記憶してます。
中出し(妊娠)に関しての洋祐さんと綾夏さんの其々の思惑もあって目が離せません。
続編待ってます。

[90] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/04/27 (木) 06:18 ID:AlbYIssg No.179815
洋祐さんの気持ちもわかりますよ。
Bさんとはどの様にSEXしてるのかは
絶対に気になりますよね。
翌年の始まりにも大変興味が湧いちゃいます‼︎


[91] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/04/28 (金) 20:30 ID:224yPrhg No.179871

まつさん、ジーンさん、レスありがとうございます。



年が明けて、1月の中旬頃、俺が綾夏の部屋に泊まりに行ったときだった。

「来月の三連休、彼氏とまた旅行に行くことになったの。」

綾夏が、少し俯きながら、言い難そうに俺に言った。
前回の旅行のときは、綾夏は誰と行くかは言わなかったが、
今回は、はっきりと「彼氏」と言った。
しかも、綾夏は、「また」とはっきり言ったので、
前回も「彼氏」と行ったことを認めたことになる。

綾夏は、前回の旅行のときも、誰と行くかを隠すつもりはなかったのだろうが、
結果的に黙ったままになってしまったので、最初に正直に話したのだろう。

前回の旅行が去年の10月だったから、4カ月ぶりの旅行となる。
俺は、家族旅行や、部活やサークルの合宿以外には、旅行に行ったことがないので、
正直なところ、一年の間に何度も旅行をするようなBは、
俺には、旅行好きなのかとしか思えなかった。
それとも、社会人の普通のカップルであれば、
このぐらいの間隔で旅行に行くことが当たり前なのだろうか。

いずれにしても、綾夏が彼氏と旅行に行くのは、俺にとってはショックなことだが、
前回の旅行のときほどではなく、少しは冷静に受け止められた。
2回目の旅行なので少しは慣れたということもあるし、
1回目のとき、綾夏の旅行を思い出すたびに、
グダグダになってしまった自分に嫌気がさしたということもあるだろう。

だが、年末に綾夏が言った、避妊せずにセックスはしないと言う言葉が、
少しではあるが、俺に、精神的にゆとりと自信を持たせているようだ。

綾夏は、俺とは限定的だが、避妊せずにセックスすることを許している。
一方で、Bとは必ず避妊してセックスしている。
Bには許されていないことが、俺には許されているという事実、
綾夏の子宮に精子を注ぐことができるのは俺だけという事実が、
俺の気を大きくさせていた。

だが、いずれその立場は逆転するに違いない。
そのとき、綾夏は何て言うのだろう。
『洋祐とは、必ず避妊しないといけないの』とでも言うのだろうか。
いや、避妊するとかしないとかということではなく、
そもそも、俺との関係を終わらせようとするかもしれない。

それが1カ月後のことか、半年後のことか、1年以上先のことか、
今の俺には、全く分からない。


綾夏から旅行のことを聞いた後、2週間ぐらい経った1月の下旬頃に、
大学時代のサークルの同期のTTから連絡があった。
TTは、同期の中では、世話好きでリーダー的な存在であり、
3年のときには、サークルの会長を務めていた。

TTの話しは、久々に同期の男子で集まろうということで、
同期の各々の都合の良い日を聞いて回っているということだった。
同期会を開こうなどと、主体的に動き回ってくれるのは、
同期の中ではTTぐらいだろう。
俺も含めて同期達にとって、TTはありがたい存在だ。
俺は、土日の夜か、2月の三連休ならいつでも良いと答えた。

2月に入り、TTから、三連休の初日の土曜の夜に決まったと連絡があった。
TTの話しでは、当日には重大発表があるらしい。
何だか大袈裟な言い方なので、勿体振らずに今話せよというと、
自分のことではないから当日にと返ってきた。

TTの重大発表が何であるか、俺には想像もわからないが、
久々に大学のサークルの同期達に会えることになり、
俺の気持ちは少し和んだ。

綾夏の旅行の初日だから、少なからず憂鬱になる気はするが、
同期達に会えば、そんな気持ちも和らぐだろう。

TTから連絡があった日の翌週の水曜、綾夏が俺の部屋に泊まりにきた。
綾夏は、日曜まで生理だったので、彼女と逢うのは11日ぶりだ。
この週末は、綾夏はBと旅行に行く予定だが、
いまのところ、前回の旅行のときほどの動揺は、俺にはなかった。

「今度はいつ逢おうか?」

セックスが終わった後、綾夏が俺にそう尋ねてきた。
前回の旅行前のときは、俺は旅行前日に逢いたいと言った。
今思えば、綾夏のことも考えず、随分無茶なことを言ったものだ。
少し複雑な気持ちだが、綾夏のことを考えれば、
旅行前日に綾夏に逢うのは、控えた方がいいだろう。

「来週の水曜日でいいか?」
「・・・・・・・」

俺はそう答えたが、綾夏は黙ったままだった。

「明後日でもいい?」

暫くして綾夏がそう聞いてきた。
まさか綾夏がそんなことを言ってくるとは思いもよらなかった。
俺は大丈夫なのかと思い、綾夏に尋ねた。

「旅行の前日で、大丈夫なのか?」
「うん。」

綾夏がそう言うなら俺に何の異存もない。

「綾夏がいいなら、俺はそれでいいよ。」
「じゃあ、明後日で決まりね。待ってるから…」

結局、また旅行の前日に逢うことになった。
相変わらず、綾夏が考えていることは、俺にはよくわからない。
彼氏と喧嘩でもしたのか?とそう思ったが、
喧嘩しようと仲良くしようと、今のところ何かが変わるようには思えない。
ただ、綾夏から逢いたいと言われるのは、正直嬉しかった。


[92] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/04/29 (土) 06:18 ID:.q5Gt.ik No.179887
更新ありがとうございます。
綾夏さんとBとの旅行で、この話のタイトルどおりのせフレ関係がハッキリしてきちゃいましたね。
これはお互いが望んだ形なのでしょうか?
すくなくとも洋祐さんはそうではないと思いますが…。
綾夏さんの気持ちが気になるところ。
そして、友人のTTの重大発表も気がかりです。
ぞわぞわしてきちゃいました。

[93] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/04/29 (土) 12:04 ID:XkMO7LmU No.179895
私も重大発表が気になります。
もしかして、綾夏さんに関係あるのかな、、、と深読みしてます。

[94] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/01 (月) 20:50 ID:tkcvWXRY No.180015

まつさん、やまさん、レスありがとうございます。

すみません、重大発表は、サークルの同期にとってはサプライズですが、
このスレ的には、何てことはありません。あしからず。



金曜の夜、俺は、予定通り綾夏の部屋に行った。
綾夏の様子は特に変わりはなく、二人で普段通りに過ごした。
だが、明日からの旅行のことが頭を掠め、
俺は、心の底から楽しむというわけにはいかない。

綾夏からも「何か元気ないね。」と言われてしまった。
ただ、セックスのときには、嫉妬もしたが、それは然程激しいものではなく、
いつも通りに、綾夏を抱くことができた。

セックスを終え、二人でベッドに横たわっていた。
時計を見ると、もう一度できそうな時間だったが、
明日からの旅行のことを考えれば、綾夏に無理をさせるのもどうかと思った。

「明日から綾夏は旅行だし、もう寝ようか。」

俺は綾夏にそう言ったが、彼女から返事はなかった。
綾夏は暫く黙ったままだったが、突然上体を起こし、
俺に顔を近づけて俺を見つめた。

「明日のことなんて、洋祐は気にしなくていいよ。」

綾夏はそう言って、ニコっと笑うと、今度は俺の股間に近づけ、
ペニスを指で軽く摘まみながら口に含んだ。

綾夏の舌が俺のペニスに絡みつく。
萎えたペニスが次第に固くなり、遂には勃起した。
綾夏は、もう一度したいようだ。

綾夏は、フェラを暫く続けた後、俺のペニスを握りながら俺に跨り、
俺の顔を見て微笑みながら、股間にペニスをあてがい、前後に摩った。
俺のペニスの先端に綾夏の膣口の感触が伝わる。

俺は、まさかこのまま入れるつもりじゃないだろうと思っていたが、
綾夏は、俺の亀頭を膣の中にギュッと押し込みながら、
ゆっくりと腰を落とし始めた。

「ゴ、ゴムを着けないと…」

俺は慌ててそう言ったが、綾夏は構わずに腰を沈めていく。

「まだ大丈夫よ、きっと…、あうぅぅ…」

綾夏はそう言いながら、俺のペニスを根元まで自分の中に受け入れた。

綾夏は大丈夫と言うが、彼女の生理が始まったと連絡があった日から、
すでに10日ほどが経っているはずだ。
綾夏の生理の周期を考えれば、あと4日前後、早ければ明日、明後日に、
排卵する可能性が高いから、とても大丈夫とは言えない。

それに、もし大丈夫ならば、一昨日も先程もゴムを着ける必要はない。
何故、今になってそんなことを言うのか…
綾夏が言っていることは全く理屈に合わない。

『妊娠』の文字が俺の頭の中を掠める。
だが、綾夏がそうしたいのであれば、俺には断るつもりはない。
俺のペニスが綾夏の膣の中に収まると、綾夏は上体を倒し、俺に覆い被さった。

「今日は…、余韻を楽しみたいの…、いいでしょ…」

綾夏は、俺の耳元でそう呟くと、上体を起こして上下に身体を動かし始める。
既に一度射精した俺だが、綾夏の生の感触で、俺のペニスは痛いほど勃起していた。
俺は、直ぐ目の前にある綾夏の乳房を両手で掴むと、
綾夏は、俺の手首を両手で掴み、身体を上下に激しく動かし続けた。

「洋祐…、おねがい…」

綾夏はそう言うと、再び上体を倒し、俺に覆い被さる。
俺は、貪るように綾夏にキスをした後、体勢を入れ替え、
綾夏を抱きしめながら、腰を動かし始めた。

2回目なので、いつもならば、射精までに時間がかかるはずだ。
だが、決して安全とは言えない日であるにも関わらず、
綾夏と避妊せずにセックスしている状況が、俺を大いに興奮させ、
一気に射精感が増してきた。

再び、『妊娠』の文字が俺の頭に浮かぶ。
だが、綾夏がいいと言っている、いや望んでいることなのだ。
俺は、綾夏が逃げ出すことができないほどに彼女をがっちりと抱きしめ、
射精に向けて腰の動きを速めていく。

すると、綾夏は両脚を俺の腰に絡めてきた。
俺は激しく腰を動かし続け、数十秒後には、綾夏の望み通り、彼女の中に射精した。


翌日、俺が目を覚ますと、綾夏はすでに出かけていた。
キッチンに行くと、テーブルの上に手紙が置いてあった。


『洋祐へ
 おはよう
 先に出かけます
 戸締りはよろしくね
 私も少し寝坊しちゃったから、朝食作れなかったの
 ごめんね

 昨日は、私のわがままを聞いてくれて、ありがとう
 私、大丈夫って言ったけれど、本当は少し危なかったかも…
 もしそうなったら、どうしようか
 洋祐も考えておいてね
 なんてね

 でも、しょうがないよね
 洋祐、寂しそうだったし

 だから、旅行には連れていくからね
 なんだと思う?
 ふふ、内緒

 じゃあ、行ってきます
                       綾夏』


綾夏らしい謎めいた手紙だった。
旅行に連れて行くとは、どういう意味だろう。
気にはなるが、いつものことだ。
今考えても仕方がない。

綾夏の部屋に一人で長居をすると、またよからぬことをしてしまうので、
俺は、昼過ぎには綾夏の部屋を出た。
この日は、曇り空だったが、2月にしては暖かかった。


[95] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/02 (火) 21:47 ID:eFGO2oSk No.180065
更新ありがとうございます。
なるほど同級生のニュースは直接関係はないのですね。
ドキドキしました。
さて、綾夏さんのそこまでの発言を聞いたら、さすがの洋祐さんも少しは感ずるところがあっても良いように思いますが…。
なにやらお互いに探り合いをしてるような状態なのか?
それぞれが核心に触れると壊れてしまいそうな不安を持って接してるように見えてきました。
展開が気になります。

[96] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/03 (水) 20:29 ID:MkgJcbEw No.180098

まつさん、レスありがとうございます。


綾夏がBと旅行に出かけた日の夜に、
俺は、大学時代のサークルの同期との飲み会に出かけた。
サークルの同期とは、卒業してから数人だけで会って飲みに行ったことはあるが、
5人以上集まって飲みに行く機会は、この日が初めてだった。

TTの話しでは、就職して地方に配属された連中も集まるとのことで、
その連中とは、卒業以来の再会となるので、すごく楽しみではあった。

実のところ、俺は、今日のことを綾夏には黙っていた。
綾夏に言えば、私も会いたいと必ず言うだろう。
別に同期の男子に綾夏を会わせたくないわけではないが、
もしそうなれば、俺にとってはいろいろと面倒だ。

俺が同期の男子達に話しを持ち掛ければ、
何でおまえが綾夏と連絡とっているんだと勘繰られるし、
綾夏が同期の男子達に会ったときに、
酒の勢いで、俺との関係について口を滑らす虞もある。
それを考えれば、綾夏には黙っていた方が無難だ。

その夜、約束の時間に決められた居酒屋に行くと、
すでに7人の同期達が集まっていた。

「洋祐、久しぶり。」
「洋祐、元気だったか?」
「おう、久しぶり、なんとかやっているよ。」

同期の連中は、皆喜んで迎えてくれた。

「とりあえず、これで来られる奴は全員揃ったな。」

どうやら、同期のうち、今日集まるメンバーの中で、
俺が最後だったようだ。
卒業するまでサークルを続けたのは、
同期では俺を含めて全部で10人なので、
今日は8人が参加し、2人が欠席ということだった。

「とりあえず、再会を祝して…、乾杯。」
「乾杯。」

ビールを注文して、TTの音頭で久しぶりの再会を祝って乾杯した。

同期達と、暫く他愛のない雑談をした後、
同期の一人が「そう言えば、重大発表ってなんだ。」と言ったところで、
TTが、少し大きな声で切り出した。

「よし、それじゃ、予告した通り、重大発表を始めよう。」
「重大発表って、おまえのことか。」
「大袈裟すぎるんだよ。」
「勿体ぶらずにさっさと言えよ。」

皆、茶々を入れながら、TTの話しに注目した。

「俺のことではなく、今日は参加していないGKのことなんだが…、
 実は、9月に結婚することに決まったそうだ。」

GKとは、同期の中でも、一番綾夏に纏わりついていた奴、
言い方を変えれば、綾夏の一番の下僕だった奴で、
この日の飲み会を欠席した一人だった。
今は、彼の地元で地方公務員として働いているはずだ。

「えーっ、うそ。」
「マジで?」
「あいつ結婚できんのかよ。」
「相手は誰だよ。」

俺もそうだが、皆一様に驚いた。
GK自身がどうこうということではなく、
結婚なんて、就職して2年も経っていない俺達にとって、
まだまだ遠い先の話しだと、皆思っていた。

TTの話しによれば、相手はGKと同じ役所で働く女性で、
年齢は、俺達より4歳年上らしい。

GKは、同期の皆を結婚式の披露宴に招待したいが、
自分の地元まで来てもらわなければならず、
招待状を送る前に、同期達の都合を確認したいから、
TTに、皆の連絡先を教えてくれと頼んだらしい。

それを聞いたTTは、そういうことだったら、
サークルの同期会を兼ねて皆に集まってもらい、
その場で自分が皆の都合を確認してやろうと考えたそうだ。
俺だったら、連絡先を教えてそれで終わりにするところだが、
面倒見のよいTTらしい発想だ。

「GKは、結婚相手といつ頃から付き合い始めたか、知ってる?」
「就職した年の秋頃らしい。」
「ということは、付き合って1年数か月ってことか。」
「随分早くね?」
「9月に結婚だから、結婚のときには2年ぐらいにはなるね。」
「そう考えると、そんなもんか…」
「9月に結婚ということは…、俺もそうだが、
 あいつも25歳にはなっているのか…。
 それでも、年齢的には少し早いんじゃないの?」
「GKから詳しいことまでは聞いてないけど、
 口ぶりからすると、どうも相手の女性からせっつかれたらしい。
 俺の印象では、私には時間がないから、結婚するのか別れるのか、
 どっちかに決めてって感じなんだと思う。」
「それで、GKは結婚を選んだってわけか。」
「でも、結婚を迫るなんて、相手は随分気の強そうな女性だな。」
「4歳上ということは、相手の女性は29歳になるのか…。
 年齢を考えれば仕方ないんじゃない。」
「今の時代、歳とかあまり関係なくね。」
「でも、子どもを産みたいと思っていたら…」
「確かに、結婚適齢期はないかもしれないけど、
 女性には出産適齢期が存在することは確かだからな。」
「それでも、結婚を迫ることまでする女性は、
 そんなにはいないと思うけど。」
「迫ったかどうかまでは分からないよ。
 GKも迫られたとは言ってなかったし…」
「でも、GKならありそうだな。
 あいつは、そういう気の強い女が好みなんだよ。きっと。
 綾夏も気が強かったし…」
「あいつは、尻に敷かれるタイプだな。」
「だけど、俺たちの中で、まさかGKが最初に結婚するとはね。」
「どうせ、軽い気持ちで声を掛けて付き合ったら、
 こんなことになったんじゃないの。」
「ははは、あいつらしいな。」

皆が一斉に笑った。
俺たちは、暫くの間、GKの話題で盛り上がった。


[97] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/05/04 (木) 01:44 ID:zTFoBsgI No.180116
綾夏さんとは関係ないとのことで安心しました。…が、結婚と言うwordは、お二人に何らかの影響が出てくるのかと期待したくなります。

[98] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/05/04 (木) 03:37 ID:m2ewziZU No.180117
綾夏さんがこの事を知ってどう反応したのか気になります。
更新楽しみです。


[99] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/05 (金) 20:57 ID:26azRQhU No.180209

やまさん、ジーンさん、レスありがとうございます。
暫く本筋とは離れた話しになりますが、ご了解ください。



GKの話題が一段落した後、同期の一人が綾夏の話題を切り出した。

「そう言えば、綾夏は、今どうしているのかな。」
「あいつ、何処に就職したんだっけ?」
「確か〇〇〇だったはずだけど。」
「配属先は?」
「そこまでは知らないよ。」

俺は、必ず綾夏の話題が出ると確信していたので、
もしも綾夏のことが話題になったら、とりあえず、皆の話しを聞くだけで、
黙っていようと、予め決めていた。
何かを話して墓穴を掘ったら、それこそ大変だ。

「地方の支店勤務だったら、もうこの辺には住んでいないよな。」
「本社勤務でも、この辺からじゃ不便だから、
 通勤しやすい場所に引っ越しているかもしれないな。」
「綾夏は、元々ここが地元ってわけでもないし。」
「誰か知っている人、いないのか。」

誰も声をあげなかった。
もちろん、俺も何も話さない。

「誰も綾夏から聞いていないのか。」
「配属先なんて、就職した後じゃないと分からないだろ。」
「卒業した後、綾夏と連絡をとった奴はいないのか。」
「そもそも、綾夏とは卒業する随分前から会ってないじゃないか。
 俺が最後に綾夏に会ったのは、たしか2月だったぞ。」
「確かに、綾夏はサークルの追いコンも参加してなかったし、
 学部も違うから卒業式の日も会っていないよな。」

皆、暫く沈黙してしまった。
俺は、何も喋らず、ただ成り行きを見守っているだけだ。

「同期の女子達だったら、連絡先ぐらい知っているんじゃないか。」
「誰か、同期の女子と連絡取れる奴はいるか?」
「あっ、そうだ、WKさんなら知っているんじゃない?」

WKとは、1学年上の男子の先輩だ。

「WKさんが何で知っているんだ?」
「WKさん、由美と付き合っていただろ。」

由美は、同期の女子の一人だが、由美の名前が出たとき、
俺の心臓が一瞬ビクンと動いた。

「いや、それはきっとダメだな。」
「何で?」
「俺、WKさんとは、学科が同じだったから、卒業後も付き合いがあるんだけど、
 俺達が卒業してすぐに、由美と別れたって言っていたぞ。」
「えっ、そうなんだ。」
「ああ、WKさんは、別れたくなかったみたいだけどな。」
「WKさん、付き合う前から、由美にべた惚れって感じだったよね。」
「しつこく由美を口説いていたもんな。」
「由美と別れた後に、WKさんと二人で飲みに行ったんだけど、
 結構、めちゃくちゃなことを言って、すげー荒れていたな。」
「めちゃくちゃって、どんなことを言ってたの?」
「一年以上も掛かって、やっと処女を奪ったのにとか、
 俺のチ〇コでアンアン叫んでやがったのにとか、
 こんなことなら中に出してやればよかったとか、
 もっとバコバコにしてやればよかったとか、
 毛深くて、緩くて、ど貧乳のくせにとか…
 まぁ、その他にも、いろいろ言っていたな。」
「おまえにそんなことを言ったのかよ。WKさんも酷いな。」

同期の一人が突然怒り出した。
俺も、頭が少しかぁーっとなった。

「かなり酔っぱらっていたからな。本当のことかどうかもわからん。
 別れる前は、ぜんぜんやらせてくれないって、よく愚痴っていたし…」
「それにしても酷すぎるぞ。」
「何だ、随分ムキになっているな。」
「別にムキになんかなっていない。
 皆だって、由美には、いろいろと世話になっていただろ。
 先輩だからといって、そんなあからさまなことを喋られたら、
 さすがに腹が立つわ。」
「俺もそう思う。皆、綾夏がそんなこと言われたら腹立つだろ。
 由美だって同じだよ。」
「確かにそうだ。」

WKと由美のことで、その場の雰囲気が少し荒れ出した。
綾夏とはまた違う意味で、由美は同期の皆から慕われていたからだろう。

「まあ、それはそうだけど、本当かどうかもわからないんだから…
 元々、普段から話しを盛る人だし…」
「俺も、今の話しを聞いて酷いと思うし、由美のことをそんなふうに言われると、
 すごく胸糞悪いけど、もう2年近く前のことなんだから…
 今もそんなこと言っているなら別だけど、今更いきり立ってもしょうがないだろ。」
「所詮、ふられた男が、酒の勢いで、有ること無いことほざいているだけだから、
 そんな話しを真面に聞くのも馬鹿らしいな。
 そもそも、由美がアンアンなんて、考えられないし…」
「でも、まあ、何だな、
 それじゃ、WKさんも今更由美と連絡はとれないよな。」
「そうだな。今、WKさんに由美のことを持ち出しても、
 また、何を言い出すかわからないし、
 それに万一連絡が取れるとしても、由美が迷惑するだけだろ。」
「そうかもしれない。やめた方がいいな。」

荒れた雰囲気は何とか治まっていった。

「そう言えば、洋祐は、1年生のときから由美と仲が良かったけど、
 今は連絡とか取れないのか?」

俺は、由美の話題で少し動揺していたところに、
突然話しを振られたので、かなりぎくっとした。

「い、いや、卒業してからは一度も会ってないし、連絡先も知らない。」
「何だよ、おまえは由美と結構仲良かったんだから、
 卒業前に連絡先ぐらい聞いておけばいいのに。」
「そんなこと言われても…」
「俺は、由美には、WKさんよりも洋祐がお似合いだと思っていたんだけどな。
 おまえが由美と付き合っていれば、話しは簡単だったんだよ。」
「まあまあ、そんなことで洋祐を責めるのはお門違いだろ。
 とりあえず、由美に連絡を取ることは諦めるとして…、
 誰でもいいから、他の同期の女子と連絡取れる奴はいないのか。」
「誰もいないみたいだね。」

俺は、由美の連絡先を知らなかったということで、
同期に八つ当たりされ、とんだとばっちりを食ってしまった。
実際には、俺と由美が仲良くしていたのは、1年生のときだけなのだが…
同期の連中は、綾夏に連絡する伝手がないことを知って、
余程悔しいようだった。


[100] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2023/05/07 (日) 19:45 ID:rsjNEcSY No.180276
復活ありがとうございます
続き楽しみにしてます


[101] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/07 (日) 20:40 ID:1xJWVpzI No.180277

けいさん、レスありがとうございます。


思わぬところで、同期達の話題にあがった由美のことだが、
彼女は、俺がサークルに入って最初に親しくなった同期の娘だった。
由美とは、サークルに入会した当初から何となく話しが合った。

どちらが先に声を掛けたのかは、全く覚えていないが、
俺が先に声を掛けたとは正直考えにくい。
きっと、俺がぽつんと一人でいるところを見かねて、
由美から声を掛けてくれたのだろう。

由美は、綾夏のように美人というわけではないが、清楚な感じの顔立ちで、
胸は目立たないが、細身で背が高く、手足も長くてスタイルが良かった。

何より、由美は、明るくて穏やかな性格で、気遣い、気配りができ、
彼女と話しをするだけで心が安らぐ、そんな優しい娘だった。

サークルの連中には、今でも内緒にしていることだが、
実は、俺たちが1年生のときの春から夏までの間に、
俺は、何度か由美と二人で出かけたことがあった。

当時の俺は、由美の顔立ちが好みではあったので、
彼女を女性として意識していたことは確かだったし、
由美から何となく好意を寄せられているような気もしていたが、
結局、二人の仲が交際へと発展することはなかった。

その理由は、俺が単にヘタレだったことが一番だと思うが、
今思えば、それだけではなく、やはり綾夏の存在があったからだろう。

当時の俺は、綾夏に対しては傍観者だったはずだが、
俺が由美と付き合ったら、綾夏と付き合う権利が消滅してしまう、
そんな意識が俺の心の何処かにはあったのかもしれない。
冷静に考えれば、おかしな話だ。
そもそも、俺が綾夏と付き合えるはずもないのに…

だが、俺が誰かと付き合うにしても、綾夏には知られたくない、
そんな気持ちが少なからずあったことは確かだった。
もしも俺が由美と付き合ったとしたら、
たとえその事実を周囲に隠していたとしても、
同期の女子である綾夏の耳に入る可能性は高いだろう。

今思えば本当に笑ってしまうが、そんなくだらない理由で、
俺は、由美には済まないと思いつつ、彼女に積極的に接することもなく、
由美もそんな俺に何かを感じたのか、由美から誘われることもなくなった。
そんな感じで、1年生の夏以降は、二人で出かけることもなくなり、
結局、俺は、由美と付き合うことはなかった。

だが、由美は、その後も、それ以前と何も変わらずに、
口数の少ない俺に何かと声を掛けてくれたので、
俺は、由美と気まずくなることもなく、卒業するまでサークルで過ごすことができた。
1年生の頃、俺はサークルで一人浮きがちで、何度も辞めようと思ったことがあるが、
そんな俺がサークルを続けることができたのも、実は由美のお蔭だと思っている。

今から思えば、サークルの中では、由美は、俺にとって恩人であると共に、
こんな俺の一番の理解者だったのかもしれない。

当時の俺は、女性と交際するためには、
互いに明確な意思表示が必要と思っていた。
どちらかが相手に告白し、その相手が承諾して初めて、
二人の交際が成立する、そのように考えていた。

だが、俺の周りのカップルの話しを聞くと、
必ずしも明確な意思表示がなかったとしても、
例えばデートを重ねるうちに、知らぬ間に交際に発展した、
というケースもあるようだ。

俺と由美の場合は、どうだったのかを振り返ってみると、
当時、デートに誘うのは、大抵は由美の方で、
俺の方から誘うことはほとんどなかった。

ただ、由美からの誘いを、俺は一度も断ったことはないし、
由美の誘いを受けた後は、実際のデートでは、彼女に任せるのではなく、
逆に俺が主導していた。
また、由美と出かけたときには、俺はいつも楽しんでいたし、
由美も楽しそうにしていたと思う。
周りから見れば、普通のカップルのようだったかもしれない。
それゆえに、由美も気軽に俺を誘ってくれたのだろう。

もし、俺が、由美と同じぐらい彼女を誘っていれば、
デートの回数はもっと増えていたに違いないし、
夏以降も、二人で出かけることが続いていたように思う。

そうすれば、俺と由美は、デートの際には、
次第に手を繋いだり、腕を組んだりするようになって、
徐々に親密になり、やがて交際に発展することも十分にあり得ただろう。

優しくて思いやりがある由美となら、互いの意思表示がなかったとしても、
二人でゆっくりと歩んで行けたのかもしれない。
それは、今となっては、俺の想像、いや妄想に過ぎないのだが、
強ち非現実的なことでもないように思う。

そんな由美だが、俺達が2年生になって数か月が経った6月頃には、
3年生のWKと付き合い始めていた。
俺と出かけることがなくなってから、10カ月程過ぎた頃だった。

俺は、サークル内の人間関係に疎く、
由美がWKと付き合い始めた経緯をよく知らなかったので、
それは、俺にとっては突然のことのように感じた。

後になって、同期の男子から聞いた話しによれば、
俺達が1年生の頃から、WKは由美にアタックを続けていたようで、
1年近く掛けて、漸く由美がOKしたらしい。

時期的に考えれば、俺と由美がまだデートをしていた頃に、
由美はすでにWKから口説かれていたことになるが、
由美からそんな様子は微塵も感じられず、
俺は全く気付かなかった。

綾夏がAと交際を始めたときのことほどではないにしろ、
俺は、由美が交際を始めた話しを聞いたときには、
少なからずショックを受けた。

由美にはとても失礼な言い方になってしまうが、
由美なら俺からアプローチをかけさえすれば、いつでも付き合える、
そんなことを、当時の俺は勝手に思っていた。

だが、それはただの俺の自惚れに過ぎない。
たとえ由美が俺に好意を寄せていた時期があったとしても、
俺が何も行動を起こさなければ、俺に愛想を尽かすだろうし、
自分に好意を寄せるWKと付き合い始めるのも当然だった。

もちろん、由美の本当の気持ちは、俺に好意を寄せていたかどうかも含め、
当時の俺には知る由もないのだが…
ただ、由美の交際の話しを聞いて、俺がそんな感情を抱いてしまうのは、
やはり由美のことが好きだったということに他ならない。

綾夏の存在が由美に対するブレーキになっていたとしたら、
綾夏とAの交際が始まった2月以降、由美とWKの交際が始まった6月までの間に、
ひょっとしたら、俺が由美と交際するチャンスがあったのかもしれないが、
その頃のことを、俺は全く覚えていない。


[102] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/05/08 (月) 02:48 ID:iFR6Rdhc No.180289
若い頃のタラレバ、たしかにありますよね!
洋祐さんはご自分で思うよりモテるんですよ!


[103] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/08 (月) 09:46 ID:uWE/y5W2 No.180297
更新ありがとうございます。
やはり洋祐さんの文章力は素晴らしいです。
こういったアウトストーリーが微妙なお二人の関係に影を落としたり、展開の変化に影響を及ぼしたりするので、見逃せない。
じつはこういった別の女性の存在が綾夏さんの心理の奥の何処かに引っかかってる可能性もあって、それが今の二人の微妙な空気を醸し出してるようにも見えます。
楽しみにしています。

[104] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/10 (水) 20:36 ID:/S35WfV2 No.180361

jジーンさん、まつさん、レスありがとうございます。



由美がWKと付き合い始めてからは、
WKの手前、俺は由美と話しをするのを遠慮してしまい、
サークルの中でも、俺と由美が二人で話しをする機会は、
次第に少なくなり、他の同期女子達と同じ程度になっていった。

2年生の夏休みからは、俺も他大学の女子と付き合い始めたため、
それ以降、由美のことを気に掛けることもなくなっていった。
正直なところ、綾夏のことすら気に掛けなくなっていたので、
その頃の由美のことは、ほとんど記憶にない。

更に、3年生になってからは、俺は綾夏との関係が始まったため、
その頃の俺の記憶は、綾夏自身のことか彼女に纏わることだけだ。

先程、同期が話していたWKの戯言を信用するとすれば、
由美が処女を失ったのは、WKと交際してから1年以上だから、
俺たちが3年生の6月か7月頃のことだろうか。

その頃と言えば、俺と綾夏の関係が始まってから数か月後、
丁度、綾夏がAから別れを告げられた頃と重なる。
俺は、綾夏のことで頭が一杯で、由美の様子など気づくはずもなかった。

WKが卒業して、俺たちが4年生になったときには、
俺と由美は、互いにサークルに顔を出す機会は減ったものの、
言葉を交わす頻度は多少増えたとは思う。

だが、その頃の俺は、いつも綾夏の様子が気になっていたし、
由美も、WKと付き合っていることに変わりはなかったので、
俺と由美が二人だけで話しをすることもなかった。

久しぶりに、俺が由美と二人でゆっくり話しをすることができたのは、
俺達の卒業前に開かれたサークルの追い出しコンパのときだった。

このとき、綾夏は、彼女と同じ学科の友達と卒業旅行に出かけていたため、
追い出しコンパには、参加していなかった。
もしも綾夏が参加していたら、俺は綾夏のことが気になり、
由美と話しをすることもなかったかもしれない。

追い出しコンパが後半に差し掛かった頃、
俺とは離れた席に座っていた由美が、たまたま一人でいた俺の隣に移って来て、
話しかけてきてくれたのを覚えている。

『洋祐くん、隣に座ってもいい?』

由美のそんな言葉から、二人の会話が始まった。
そのときの由美の声は、1年生の頃と同じように優しい声だった。

先程の同期の話しだと、由美は、卒業して間もなく、WKと別れたそうだが、
あのときの由美には、すでにWKと別れる決心、覚悟、或いは別れる予感、
そんなようなものがあったのだろうか。

『洋祐くん、私たちが入学した頃のこと、覚えている?』
『何を?』
『あの頃、私、洋祐くんと付き合うことになるんじゃないかって、
 勝手にそう思っていたんだ。
 洋祐くんは…、どう思っていたの?』
『俺も…、そんな感じだったかな。』
『洋祐くんもそうだったんだ…。
 でも、残念ながら、私たち何もなかったね。』
『そうだな…、ごめん。俺、ヘタレだから。』
『ううん、そんなことはないと思う。
 私も、男の子と付き合ったことがなかったから、
 前に踏み出すことができなかったし…。』

由美は、俺を責めるようなことは一切言わない。
由美はいつも言葉を選んで話しをするし、そんな話し方が俺にも伝わってくるので、
これまで由美と話しをすると、俺はいつも心が晴れやかになった。
この日の由美との会話もまさに同じで、俺は心地よかった。

『私の姉に、洋祐くんと初めて出かけたときの話しをしたら、
 そういう時は、さりげなくアピールしなきゃだめだって言われちゃった。』
『・・・・・・・』
『でも、さりげなくアピールって、どうやってするんだろうね。』
『うーん、そうだな…、そっと、相手の腕を組むとか?』
『えーっ、無理無理、彼氏いたことがない私に、そんなの絶対無理だよ。
 それに、全然さりげなくなんかないわ。』
『俺は鈍感だから、それぐらいじゃないと気づかないかもしれない。』
『でも、それじゃ、女の子がアピールしても、洋祐くん、全然気づかないわ。
 ひょっとして、洋祐くんにアピールしていた娘もいたのかもしれないのに。』
『そうだったのか?そんなチャンスがあったなんて、考えもしなかった。』
『ははは、真面目な顔してそんなことを言うなんて、洋祐くん、相変わらずね。』

由美は、俺の顔を覗き込みながら、可笑しそうに笑った。
だが、その笑顔は、決して俺を馬鹿にするようなものではなく、
彼女の目は、優しさに満ちていた。

『そんなに笑わなくてもいいだろ。』
『ごめんなさい。でもね、洋祐くん、
 私、洋祐くんと初めて二人で出かけたとき、
 アピールなんて頭になかったけど、
 凄く緊張していたんだ。
 私、男の子と初めてのデートだったから…』
『・・・・・・』
『デートのとき、洋祐くんが、手を繋いできたらどうしよう、
 腕を組んできたらどうしよう、キスしてきたらどうしよう、
 抱き着かれたらどうしようって、
 初めは、ううん、デートの前から、そんなことばかり考えていたわ。』
『へー、そうなんだ。』
『うん。だけど、それは、不安だったというわけじゃなくて…、
 何ていうのかな、期待みたいなものの方が強かったと思う。』
『・・・・・・・』
『でも、洋祐くんは、全然変わらず、いつもの洋祐くんだった。』
『そうだったっけ。』
『うん、そう。私に手を出して何かをしようなんて、
 そんな雰囲気はこれっぽっちも感じられなかったな。』

俺が由美と初めて二人で出かけたとき、
俺は凄く緊張していた記憶があるが、細かいところまでは覚えていない。
俺は、何とか自分の心を落ち着かせようと思って、
由美への接し方が事務的になっていたのかもしれない。

『だから、そんな洋祐くんを見ていたら、私、ほっとしたって言うか、
 気が抜けたって言うか、緊張している自分が馬鹿らしくなっちゃった。
 それに、手を出す雰囲気が全くないなんて、
 私、女性としてどうなのよってね。』
『・・・・・・・』
『それで、その後は、洋祐くんと純粋にデートを楽しもうって、そう思ったんだ。』
『あのとき、俺、由美のことは、女性として意識していたし、
 すごく緊張もしていたと思うけどな。』
『そうなんだ。全然そうは見えなかったわ。』
『だから、手を繋ぐぐらいなら、頭にはあったかもしれない。
 実際には何もしなかったけど…。
 だけど、まだ由美と付き合ってもいないのに、
 さすがに、最初のデートでキスとかはないな…』
『洋祐くんなら、きっとそうよね。』
『でも、由美が緊張して、どうしようと思っていたなんて、
 俺、全然気が付かなかった。』
『やっぱり?そうだよね。お互い様だけど…、この鈍感。』

由美はそう言って、クスクスと笑い出した。
俺も、由美につられて笑ってしまった。
ひょっとして、由美は、最初のデートの後、
俺と二人で出かける度に、いや、出かけなくなった後も、
俺に何らかのアピールをしていたのだろうか。


[105] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/13 (土) 10:58 ID:s7JelBes No.180456
更新ありがとうございます。
由美さんといい、他大学の彼女といい、微妙な話も出てきました。
たしか綾夏さんは洋祐さんを童貞、あるいは経験値の少ない男性だと思ってたんですよね。
他大学の彼女の事は知らなかったのでしょうね。
きっかけはともかく洋祐さんと肉体関係になり、それを継続してるという事の意味と洋祐さんの女性関係とにどんな意識を持ってるのかにも興味があったんですけど、最近の更新内容にそのヒントが隠れてるようで、目が離せません。
続きをお待ちしてます。

[106] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/05/13 (土) 21:05 ID:4V328dsQ No.180492
どんどん引き込まれていきます。
今現在では綾夏ちゃんだけとのお付き合いなのでしょうか?
おいおいそのあたりも明白になってきますよね。


[107] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/13 (土) 22:25 ID:F2CnKO/Q No.180494

まつさん、jジーンさん、レスありがとうございます。



俺は、由美が隣の席に来てから、
初めは周囲を気にしながら、由美と話しをしていた。

俺と由美がデートしていたことなんて、誰も知らないはずだ。
今更、誰かに話そうとも思わないし、知られたくもない。
だが、俺と由美の会話を気にする者など誰もいないようで、
それからは安心して由美と話しをすることができた。

『洋祐くん、1年生の6月に〇〇に行ったのを覚えている?』
『ああ、覚えているよ。確か、由美が紫陽花を見たいから、
 〇〇に一緒に行かないかって誘ってくれたときだろ。』
『そうそう。洋祐くんに迷惑かなって最初に思ったけど、
 思い切って誘っちゃった。』
『別に迷惑だなんて、これっぽっちも思ってなかったよ。』
『そう言ってくれてありがとう。
 でも、あのとき、私も〇〇に行くのが初めてだったから、
 私から誘っておきながら、どうしようって思っていたの。
 私、方向音痴だし…』
『そうなんだ。』
『でも、向こうに着いたら、洋祐くんが何も言わずに先導してくれて、
 私は、何もしなくても、洋祐くんの後を付いて行くだけでよかったから、
 本当にすごくほっとしたわ。
 洋祐くんを誘ってよかったって思って、何だか嬉しくなっちゃった。』
『・・・・・・』
『おかげで、紫陽花は口実だったけど、楽しく見ることができたわ。』

由美はそう言って、少し嬉しそうに笑った。

『実は、今だから言うけど…』
『何?』
『由美から誘われた後、俺、一度〇〇に下見に行ったんだよね。』
『えっ?』
『せっかく由美が誘ってくれたのに、向こうに着いても、
 由美に付いて行くだけで何もできなかったんじゃ、
 何か凄く格好悪いと思ってさ。』
『・・・そうだったんだ。そんなこと、全然知らなかった…
 でも、洋祐くん、やっぱり優しいね。』
『何が?』
『私から誘ったのに、遠いところまで下見に行ってくれるなんて…』
『そんなに褒められることでもないよ。
 ただの見栄というか、恥をかきたくなかっただけだから…』
『ううん。それでもすごく嬉しい…
 下見に行ってくれていたなんて、思いもよらなかったわ。
 あのとき教えてくれれば…』
『・・・・・・』
『今更だけど、私のために、時間を使わせちゃったね。ありがとう。』
『どうせ暇だったから…、礼を言われるほどのことじゃないよ。
 もうその話はやめよう。恥ずかしくなるから…』

俺は、そう言いながら、少し顔が熱くなっていた。

当時の俺は、デートの段取りは男がするもので、
自分が知らない場所にデートに行くときには、
下見に行くぐらいは当然と思っていた。

だが、それを相手に知られるはすごく恥ずかしいし、
礼を言われるなんて尚更だ。
由美と話しをするのが楽しくて、つい口を滑らせてしまったが、
あんなことを話さなければよかったかなと、少し後悔する一方、
由美には知ってもらってよかったかなとも思った。

由美と話しをしていると、俺は、それまで忘れていたことも、
鮮明に思い出すことができた。
俺と由美とのことは、このとき、すでに3年半以上前の出来事だったが、
こうして当時のことを思い出してみると、懐かしさを感じる反面、
ついこの間のことのような気もしていた。

『あの日、午前中は天気が良くてとても暑かったけど、
 午後から急に雨が降り出したんだよね。
 洋祐くん、覚えている?』
『そうだっけ。』
『うん。それで二人で慌てて近くのお店に入って、
 そうしたら、洋祐くんが大きな傘を買ってくれて…』
『あっ、そうだ、思い出した。マリリン・モンローの…』
『そうそう。買ったときはただの柄だと思っていたけど、お店を出て傘を広げたら、
 いろいろなポーズを取っているマリリン・モンローの絵だったね。』
『慌てて買ったから、そのときは特に柄とか何も気にせずに、
 ただ大きめの傘を選んだだけなんだけど、まさかあんな絵だったなんて…
 買う前に広げてみればよかったな。』
『二人で大笑いしていたよね。』
『本当に…、何でこんなの買っちゃったかなって思って、
 何かすごく恥ずかしくて、笑うしかなかった。
 それに、この傘を差して歩くのかよ〜って…』
『私は、何これ〜って思って、それが只々可笑しかったわ。』

そのときのことを思い出して、二人で笑った。

『でも…、恥ずかしいと言えば、
 私は、お店を出てからは、傘の柄よりも、
 洋祐くんと相合傘で歩くのが恥ずかしいというか、
 すごくドキドキしちゃった。』
『・・・・・・』
『せっかく洋祐くんと相合傘だったのに、
 結局最後まで、手を繋ぐことも、
 腕を組むこともなかったけどね…』
『そうだったね。急に雨が降って来たから…
 雨のせいで、その後考えていた予定が台無しで、
 これからどうしようかって思って、
 俺、気が動転していたのかもしれない。』
『そうだったんだ。』
『同じ傘に入って二人で歩いているんだから、
 腕を組んだ方が由美も歩調を合わせやすいし、
 雨にも濡れずに済むのにね。』
『そうね。それは私も思っていたわ。
 もっと、洋祐くんにくっ付いた方がいいのかなとか…』
『俺、次はどこへ行ったらいいか、少しテンパっていて、
 そんなことすら考える余裕もなかったのかもしれない。』
『私も、本当にドキドキしていたから、
 洋祐くんがそんな感じだったなんて、
 全然分からなかった。もし気づいていたら…』
『・・・・・・・』
『あのとき、私、歩きながらどうしようかって迷っていたの。
 腕を組んだ方が、私だけでなく洋祐くんも歩きやすいかなって…
 思い切って、私の方から腕を組めばよかったのかな。
 そうすれば、何かが違っていたのかも…』
『・・・・・・』

二人の間に、少しの時間沈黙が流れた。


[108] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/16 (火) 11:48 ID:Tniz0jnM No.180619
いいですね。
なんか青春の1ページみたいで。
由美さんの気持ちを考えるとちょっとキュンとなります。
にしても洋祐さん受け身過ぎます。
どうやって他大学の女性と付き合ったのでしょうか。笑

[109] Re: 続 せ・ふ・れ  トシ :2023/05/17 (水) 11:40 ID:XV8VwOek No.180644
読んでいて、初めて女の子とデートした時の事を思い出しました。
駅で待ち合わせして、レコード店に
行って、お茶を飲んで帰ってきました。
女の子と手を繋ぐだけでも恥ずかしかった、そんな自分は何処へいったのか?


[110] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/17 (水) 20:41 ID:TqMUv1.Y No.180658

まつさん、レスありがとうございます。
他大学の娘とのことについては、話しが長くなりますので詳細は省きますが、
一つ上の先輩女子から、「この娘と話しをしてあげて」と言われたのがきっかけで、
私が口説き落としたとか、そういうことではありません。

トシさん、レスありがとうございます。
紫陽花を見に行ったときは、多分3回目のデートでした。
私の記憶が正しければ、1回目は、映画を観た後、公園を散策、
2回目は、彼女の好きなプロ野球チームの試合を観戦だったと思います。
あの頃のような気分は、もう味わえないでしょう。
今になって味わったら、それはそれで問題ですし…


由美と出かけたあの日の午後、たしか俺の予定では、
由美を連れて海岸まで歩き、二人で海を眺めるつもりでいた。
だが、生憎の雨で、その予定が見事に潰れてしまったため、
俺は、これからどうしようかと少し焦っていた。

由美と相合傘で歩くことなどは、全くの想定外で、
歩いている間は、由美のことまで正直気が回らなかった。
今思えば、確かに、傘の中で腕を組んだり手を繋いだりしていれば、
俺と由美の距離はもっと縮まっていただろう。

もし、由美から腕を組んで来たら、俺も、雨を口実に、
由美の肩を抱き寄せることぐらいしたかもしれない。
そうなれば、その後の展開も変わっていたのだろうか。

いや、そもそも雨が降らなければ、由美と二人で海を眺めていたはずだが、
それから先、俺は一体何をするつもりだったのだろう。
俺自身のことだが、全く思い出せない。

『あのときの傘…、私、まだ持っているの。』
『えっ?』
『帰るときに、小雨だったけど、まだ降っていて…、
 洋祐くんが、俺は少しぐらい濡れても平気だから、
 由美が使いなよって言ってくれて…』
『・・・・・・・』
『それで、私が家まであの傘を差して帰ったの。』
『そうだったっけ。』
『洋祐くんが買った傘なのに…、返さなくてごめんなさい。
 いつか返そう返そうって、ずっと思っていたんだけど、
 返すタイミングが…』
『別にいいよ。よく覚えていないけど、
 きっと、誘ってくれたお礼に由美にあげたものだと思うから。
 返してもらおうなんて、全く考えてなかったと思うよ。』
『ありがとう。やっぱり、洋祐くんは優しいね。』

振り返ってみると、もしも俺と由美が交際を始めるとしたら、
この日が最大のチャンスだったのかもしれない。
由美が、この日のことを話題にしたということは、
由美も、そのように感じていたのだろうか。

しかし、こうして、当時のことを思い出してみると、
あのときの俺と由美の関係は、今の俺と綾夏の関係とは、
全く真逆だったんだなと思う。

俺と由美は何度かデートをし、それはとても楽しかったが、
二人は、キスはおろか手を繋ぐことすらなかった。
一方、俺と綾夏は何度もセックスし、それはとても嬉しいことだが、
二人で真面にデートしたことすらない。

両方の関係に共通していることは、綾夏も由美も、
俺とは彼氏彼女の関係ではないということだ。

もし彼氏彼女の関係だったら…
その相手が綾夏であっても、由美であっても、
二人でデートをした後に、夜を一緒に過ごしてセックスする、
それが当たり前になるのだろうか。

『でも、私…、もっとたくさん洋祐くんとデートしたかったな。』
『・・・・・・・』
『私たち、最初のデートから半年も経たないうちに、
 そんなことも無くなっちゃったね。』
『そうだな。』
『2年生になったら、サークルでも、話しをする機会が減っちゃったし…』
『・・・・・・・』

話す機会が減ったのは、由美がWKと付き合い始めたからだ。
由美が忘れてしまっているのかどうかはわからないが、
由美がそのことには触れなかったので、
俺も敢えて触れずに、由美の話しを黙って聞いた。

『もっと私から誘えばよかったな。だけど…、
 あの頃、私、洋祐くんは他に誰か好きな人がいるのかなとか、
 しつこくて嫌われたらやだなとか思っちゃった。』
『俺が由美を嫌ったりすることはないと思うけど…』
『でも…』
『それより、俺の方から、もっと誘えばよかったんだ。
 由美には済まないと思っていたし…
 今更、そんなことを言っても遅いんだろうけど…』

俺がそう言うと、それまで楽しげな顔をしていた由美が、
少し俯いて暗い表情になった気がした。
俺には、何故、由美がそんな顔をするのか分からなかったが、
俺は、構わず話しを続けた。

『でも、その後も俺とデートを繰り返したとして、
 そのうちに俺が何かしてきたら、
 由美はどうするつもりだったの?』
『えっ…、うーん、そうね、多分何もできなかったと思うわ。』
『どういう意味?』
『拒否することもなかったと思うし…、
 自分から何かをするなんて、とてもできなかったと思う。
 きっと、洋祐くんのすることを全部受け入れるだけだったんじゃないかな。』
『もし俺が、キス以上のことをしようとしても?』
『キス以上のことって…、エッチなこととか?』
『うん。』
『でも…、デートの途中でエッチなことなんて、無理なんじゃない?』
『うーん、例えば俺が、由美をラブホに連れ込もうとするとか…』
『ええーっ、それは…、あまり考えていなかったかな…、多分…
 それに、その頃はラブホのことなんて知らなかったと思うし…』

由美は、地元の県立の女子進学校の出身だった。
男子と付き合いがない真面目な女子高生であれば、
エッチ目的のホテルが存在することなど知らないこともあるだろう。

『知らなかったら、そのまま付いて行くってことになるんじゃない?』
『でも、雰囲気でどういう場所か、何となくわかるかもしれないし…
 うーん…、やっぱり、そうなってみないと分からないわ。』
『じゃあ、俺の部屋に連れて行こうとしたら?』
『えっ、それも…、うーん…、どうだろう。
 エッチなことをしたいというのが見え見えじゃなければ…、
 洋祐くんに付いて行くかもしれない。』
『見え見えだったら断るの?』
『えっ…、うーん、どうしよう…』

先から、由美が本気で困った顔をしているのが、
俺は見ていて可笑しかった。

『でも、見え見えじゃなくても、男の人の部屋に付いて行くってことは、
 そういうことも…、なんだよね。きっと…
 やだ、ちょっと、顔が熱くなってきちゃった。』

由美はそう言いながら、片手を開いて顔を扇いだ。
酒のせいで、ほんのりと赤味を帯びた由美の顔が、
更に赤くなったようだ。


[111] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/05/18 (木) 11:05 ID:NKlcvI1U No.180679
洋祐さんは、へたれですねー(笑)
若い頃は、私も一歩が踏み出せずに、へたれでした。切ない青春の思い出です。
でも、洋祐さんは、本当にモテ男だったんですね。
羨ましい限りです(笑)

[112] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/19 (金) 13:29 ID:SUDIHMFc No.180720
わざわざお返事ありがとうございます。
なるほど見事受け身からのおつきあいだったわけですね。もうそれが洋祐さんのアイデンティティといって良いのかもしれませんね。笑
そして、その頃の由美さんとの関係性がなかなか煮えきらないことと現在の綾夏さんとの関係に通じるものが見えてきました。この話が、現在にどう絡んでくるのか興味がつきません。

[113] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/20 (土) 21:09 ID:TqTbKUKU No.180768

やまさん、レスありがとうございます。
ヘタレですみません(笑)
モテた記憶はないのですが…
というか、女子と会話すること自体が少なかったです。

まつさん、レスありがとうございます。
ナンパができる人は神です(笑)

外伝のような話が続いてしまいましたが、
大学時代の回想は、とりあえず今回で終わります。



これまで、酒を飲みながら、このように由美と二人で話す機会はなかったが、
今、目の前の由美を見ると、それまで感じなかった色気を彼女に感じ、
俺は少しドキドキした。
知らぬ間に、由美もいい女になっていたんだなと思った。
由美なら、これからも益々いい女になるに違いない。

『でもそうなったら…』
『うん?』
『もしもそうなったら、私と洋祐くんは付き合うことになるんだよね?』
『そういうことになるよね。』
『それだったら…、断らなかったかな、きっと…
 順番が逆になっちゃうけど。』
『・・・・・・・』
『でも、そんなに私に魅力があるとは思えないから、
 洋祐くんは、きっとそういうことはしないと思うわ。』
『いや、由美は十分に魅力的だと思うよ。』
『ははは、洋祐くんも、そういうお世辞が言えるようになったんだね。
 でも、そう言ってくれて、すごく嬉しい。ありがとう。』
『・・・・・・・』
『あの頃に戻れたら…』

由美が呟くようにそう言った後、再び二人の間に沈黙が流れた。
まさか、由美とこんな話しをするとは、俺は思ってもみなかった。
多分、由美もそう感じているだろう。

『もしも洋祐くんと付き合っていたら、私達どうなっていたのかな。』
『どうなっただろうな。俺が直ぐにふられて、終わっていたかもな。』
『えーっ、どうして?』
『由美と話していると、凄く居心地がいいから、もしも由美と付き合ったら、
 俺からふることは絶対にないと思うんだ。』
『・・・・・・・』
『1年生の時、俺はあまりサークルに馴染めなくて、
 もしも由美が居なかったら、多分サークルを辞めていただろうし…。
 由美がサークルに居てくれて、本当によかったって思っている。』
『私のこと、そんなふうに言ってくれるなんて…、ありがとう。
 でも、何で私が洋祐くんをふることになるの?』
『・・・・・・・』
『私、洋祐くんとデートするの、すごく楽しかったし、
 洋祐くんがずっとサークルに居てくれてよかったと思っているわ。』
『俺、こんなんだからさ…。きっと、由美と付き合っても変わらないから、
 そのうち愛想を尽かされるのが落ちだと思うよ。』
『そんなことないよ。そんな洋祐くんがいいって思うかもしれないじゃない。
 私は、洋祐くんは、変わらずに、今のままでいいと思うな。』
『・・・・・・』
『でも、私がふらなければ、今も続いているってことでしょ?』

由美は、少し楽しげにそう尋ねた。
もしも由美が俺をふることがなければ…
俺は、今だけでなく、その先もずっとそうなるに違いないと思った。

『まあ、そうだけど…、その可能性は低いと思うけどね。』
『また、そんなことを言って…
 私、洋祐くんをふったりなんかしないよ。絶対に…』
『・・・・・・・』
『洋祐くんは、もっと自分に自信を持ちなさい。
 その方が、きっと、洋祐くんにとっても、いいことがあるから。』
『そうなのかな?』
『うん、そうよ。私が保証してあげる。だから自信を持ってね。』
『由美がそう言うなら、自信が持てるよう、努力してみようかな。』

相手が由美だと、口数が少ない俺でも、ついつい本音で喋ってしまう。
綾夏にも、由美と同じように話すことができたら、
これからのことも大きく変わっていたかもしれない。

だが、せっかくの由美のアドバイスとは裏腹に、
俺は、その後も、綾夏に対して自分に自信を持つことなど到底できなかった。

『何だ何だ、さっきから二人でしんみりと…
 ひょっとして、焼け木杭に火でもついたのか? ははは。』
『何、焼け木杭って…、そんなんじゃないわ。〇〇くん、少し飲み過ぎよ。』
『いいじゃないか、俺たちが主役なんだから。』
『おまえだけが主役じゃないけどな。』

酔った同期の一人が絡んできて、俺と由美の会話は終了し、
それから程なくして、追い出しコンパも終わりを迎えた。

『二次会は〇〇で行いますので、4年生の方々、ぜひご参加の程…』

店を出る前に、追い出しコンパの幹事の3年生がそう告げていた。

『今日は、久しぶりに洋祐くんとゆっくり話しができて、本当に嬉しかった。
 1年生の頃の話しも、とても楽しかったわ。』
『いや、俺の方こそ、由美と話しができてよかったよ。』
『あの傘…、私が持っていていいんでしょ?』
『うん、もちろんいいよ。』
『ありがとう。ずっと大切にするね。』
『そんなこと気にしなくてもいいよ。もう由美の傘なんだから。』
『うん、そうね。でも、大切に使うね。
 それじゃあ、洋祐くん、元気でね。』
『うん。由美も。』
『さようなら。』
『じゃあ、またな。』

店を出た後、二次会には寄らずに帰るという由美と、
最後にそんな挨拶を交わし、俺たちは別れた。

俺は、そのとき『またな』と言ったが、
結局、俺と由美は、それ以降、卒業式の日も顔を合わせることはなく、
この追い出しコンパの日が、俺が由美と会った最後の日となった。

あれから2年近くが経つが、由美は元気にしているだろうか…

同期の言う通り、由美の連絡先ぐらい聞いておけばよかったかなと思う。
その一方で、彼女の連絡先を知ったところで、どうなるものでもないとも思う。

綾夏なら由美の連絡先を知っているかもしれないが、それを俺が聞く理由もないし、
それを聞いたところで、俺が何かをするわけでもない。
俺と由美は、1年生のときに、始まる前に終わってしまったようなものだから…

だが、もしも1年生のときに、俺が由美と付き合っていたら…
由美には、俺が直ぐにふられて終わると答えたが、
多分、由美となら、短い期間で別れるようなことはなく、
長く付き合うことができたのではないかと思う。
そうなれば、俺は、今とは全く違う人生を歩んでいただろう。

もし、俺が由美と付き合っていたなら、
あの日、新入生の歓迎会が終わった後、
俺は、迷うことなく直ぐに由美に声を掛けていたはずで、
あの夜、俺は、綾夏とではなく、由美と過ごしていたに違いないから…


[114] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/22 (月) 13:24 ID:kwMio5tk No.180822
洋祐くんはもっと自信を持って……ですか。
由美さんの言葉が響きますね。
その言葉が今の洋祐さんの背中を押せれば良いのですが。
更新お待ちします。

[115] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/23 (火) 20:56 ID:IVFhzyd6 No.180898

まつさん、レスありがとうございます。



同期の連中は、暫く綾夏の話題で持ちきりだった。
話題と言っても、卒業後、俺以外は誰も綾夏に会ったことがないので、
思い出話ばかりで、目新しい話題はひとつもないのだが…

最後には、同期達は綾夏と再会するための作戦を練っていた。
そんな作戦を真面目に話し合っている姿を見ると、思わず笑いたくなってしまう。
俺は、毎週綾夏に会っているのだから…

結局、OBの女子を経由して、綾夏に連絡を取る方向に決まったらしいが、
OBの女子の連絡先も誰も知らないので、それもまた難しそうだ。
男子の先輩の中で、女子のOBの連絡先を知っている人を探し、
そのOBから情報を集めることに話しが纏まった。
同期会を開催する予定なので、同期女子に連絡を取りたいというのが名目らしいが、
果たしてうまくいくかどうか…

考えてみれば、俺も男子の同期や先輩の連絡先は知っているが、
女子の同期や先輩の連絡先は、綾夏を除けば一人も知らない。
親しかった由美の連絡先ですら知らない。

出入りが自由な緩いサークルだったので、OB会も存在しないから、
卒業してから僅か2年足らずだが、女子のメンバーや、
男子でもそれほど親しくはなかったメンバーとは、もう連絡すら取れない。
それを考えると、大学時代にサークルで過ごした時間は何だったんだろうと思う。

個人情報保護法が成立してから、連絡先を尋ねても何かと断られることも多くなり、
同期会といっても、開催はおろか、名簿を作成すること自体容易ではない。
そんな時代だから、互いに音信不通となっても仕方がないのかもしれない。

同期の連中は、少し酒が進むと下品な話しへと向かった。

「綾夏のおっぱいも、ま〇こも、顔と同じできっと綺麗だ。」とか、
「綾夏のおっぱいや、ま〇こを舐めたかった。」とか、
「死ぬまでに1回でいいから、綾夏とやりたかったんだよな。」とか、
「綾夏とやれたら、俺は死んでもいい」とか、
そんなことを口にする連中もいた。

学生時代は、アイドルの親衛隊のようなものだったから、
綾夏には、互いに誰にも指一本触れさせないという雰囲気があり、
綾夏とやりたいなどと口に出すのはタブーだったはずだ。
だが、卒業して2年近くも経てば、タブーもなくなり、
自分の本当の欲望を口に出せるようになったようだ。

俺は、そんな話を聞いても、心の中で笑っているだけだ。
俺は、綾夏の胸や性器の形や色を知っているし、これまで何度も舐めてきた。
1回どころか、何百回も綾夏とセックスし、それは今も続いている。

同期の連中は、俺が4年近くにわたり綾夏と関係を持っているなんて、
誰一人思いもよらないだろう。
ましてや、昨日の夜、俺の欲望を綾夏の中に注いでいたなんて…

綾夏がBと付き合いだしてから、何かと卑屈になっていた俺だったが、
綾夏とやりたいと言っている同期の連中を前にすると、
何だかとても優越感に浸ってしまう。

俺は、綾夏とやれるだけでも幸せなはずだ。
本来なら、同期の彼らと同じように、俺が手の届く女性ではないからだ。
そう思うと、悶々とした気持ちが少し晴れやかになるような気がした。


綾夏の話題が一段落すると、その後は、GKのこと、お互いの近況、
サークル時代のことなどを話した。

互いの近況の話しでは、それぞれの彼女の話題も出た。
俺以外の7人は、現在付き合っている彼女がいるか、或いは
卒業後に彼女ができたが既に別れたかのどちらかだった。

今の彼女や元カノを自慢する奴や、セックスを自慢する奴もいれば、
不満を漏らす奴もいたが、皆楽しそうに話していた。
そんな連中の話しを、俺はただ聞くだけだった。

彼らの話しを聞いて、俺は少し羨ましい気持ちにもなった。
俺には、皆がびっくりするような自慢話があるが、
もちろん、誰にも言うわけにはいかない。
俺にも、皆に自慢話ができる日が来るだろうか。

大学時代に綾夏の親衛隊だった同期の連中も、
卒業後は、皆よろしくやっているんだなと感じた。
逆に言えば、卒業して、綾夏の呪縛から解き放たれたとも言える。
俺だけが、未だに綾夏の呪縛から逃れられないでいるのかもしれない。

その後、同期の連中とは、GKの結婚式の日に再会すること、
これからも定期的に皆で集まることなどを約束して、
この日の飲み会はお開きとなった。


翌日は、綾夏が旅行の真っ只中の日だったが、
思ったよりも心穏やかに過ごすことができた。
昨日、サークルの同期達と会って話をして、
自分が恵まれた立場にいることを確認できたからだろうか。

だが、綾夏の呪縛から逃れた同期の連中は、
もはや自由に恋愛することができるが、
綾夏と今の関係を続ける限り、呪縛から逃れられないから、
俺にはそんなことはとても無理だろう。

いや、関係が終わったとしても、無理かもしれない。
今の俺が綾夏以外の誰かを好きになり、
その誰かと付き合うことができるのだろうか。
いつまでも綾夏の幻影を追いかけてしまうかもしれない。

そんなことを考えていたら、ふと、由美のことが頭に浮かんだ。
由美なら付き合うことができるかもしれない。
だが、由美も今は俺とは音信不通で連絡の取りようがない。

それに、もしも由美に連絡が取れたとしても、卒業して2年近く経った今、
由美にとって、俺はもはやどうでもよい存在だろう。
由美は由美で、自分の人生を歩んでいるに違いない。
所詮、俺の自分勝手な妄想に過ぎない。

こんな状態が果たして恵まれた立場と言えるのか…
正直、今の俺にはわからない。


[116] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/25 (木) 17:03 ID:phXuB1Qs No.180978
綾夏さんモテモテですね。やはり群を抜いてかわいいのでしょうね。
そんな綾夏さんの体を堪能できる洋祐さんに、なんとなくチラついてくる由美さんの存在が気になります。
なにげに収束に向かうかと予想してたのですが、まだ一波乱あるのかなぁ。
更新お待ちします。

[117] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/26 (金) 20:56 ID:nCfXt4ZA No.181039

まつさん、レスありがとうございます。



2月の三連休もあっという間に最後の日となり、
この夕方、綾夏からメールが届いた。

『ただいまー
 今帰ったよ
 連れて行ったから、お土産はないけどね
 それとも、私自身がお土産かな…
 最高でしょ
 なーんちゃって』

相変わらず、俺をおちょくるようなメールだ。
それに、連れて行ったって…
何のことだか、意味が全くわからない。

俺は、『おかえり』とだけ返信した。

綾夏が帰ってきたか…
それだけで、俺はほっとする。
前回の旅行の時に比べれば、短く感じた三連休だった。
そして、この連休が終わった後は、その前までの平穏な日常に戻った。


翌月の3月最初の金曜、綾夏の部屋に泊まりに行く予定だったが、
当日に彼女からメールが届いた。

『生理始まっちゃった
 洋祐は…、どう?
 ほっとした?
 それとも残念?
 まさか何のことかわからないとか?
 私は…、ふふふ、教えてあげない
 女の子にすることをしたら
 ちゃんと気づかってあげないと
 愛想つかされちゃうよ
 じゃあ、今日はキャンセルということで
 また連絡するね』

俺は、このメールを見て愕然とした。
三連休の後、俺は綾夏と5回も逢っていたが、
旅行のことやその前日のことについては、お互い全く触れなかったため、
綾夏の妊娠の可能性のことなどは、すっかり忘れていた。

綾夏は、今日までどんな気持ちで過ごしていたのだろうか。
綾夏が自分から言い出したこととは言え、
妊娠という不安を抱えながら過ごしていたのではないか。

綾夏と初めて関係を持った後、最初に二人で逢った時、
綾夏が、『少しは心配して連絡ぐらいくれてもいいじゃない』と、
泣きながら俺に訴えていたことを思い出した。
俺は、あの頃から何も進歩していない自分に気づいた。


翌週の水曜に綾夏からメールがあった。

『生理終わったよ
 今日、洋祐の部屋に行ってもいい?』

いつも通りのメールの内容だが、先週のメールの後、
俺は、どんな顔をして綾夏に逢えばいいのか、悩んでいた。
正直、綾夏に逢うのが怖かったが、逢わないわけにはいかない。
とりあえず、『いいよ』とだけ書いて返信した。

『わかった
 先に部屋に行って待っているね』

直ぐに綾夏から返信がきた。
これで、帰宅するまでに、どう対応するか考えなければならなくなった。
だが、一体どうすればいいのか、考えが全く纏まらないまま、帰宅の途に就いた。

「おかえりなさい」

心の準備ができぬまま部屋に着くと、綾夏が笑顔で迎えてくれた。
いつもなら、綾夏と夫婦気分に浸れる至福の時だが、
今日はそんな気分にはなれなかった。

「大丈夫? 体調が悪そうだけど…」

綾夏が俺の顔を覗き込みながらそう言った。
俺は、別に大丈夫だよと返すのが精一杯だった。

綾夏は、先週のメールのことなど知らぬかのように俺に接してくるが、
これは一体どういうことだろう。
俺は、綾夏から責められることを覚悟していたのだが…

綾夏が普段通りに接してくるので、
とりあえず、俺も普段通りにしようと心掛けたが、
それとは裏腹に、俺の気は重くなるばかりだった。

その後、いつも通り、綾夏と風呂に入り、二人で湯船に浸かった。
俺の前に綾夏が背を向けて座り、俺が後ろから綾夏を抱きしめていた。

「綾夏。」
「うん? 何?」
「ごめん。」

俺は、気の重さに耐えられず、ただ綾夏に謝った。
それ以外の言葉が考えつかなかった。

「え、何が?」
「・・・・・・」
「どうしたの?」
「・・・・・・」
「今日の洋祐、何かおかしいよ。」

綾夏は、昨日のメールのことを恍けているのか、
それとも、本当に忘れてしまっているのか…
俺には判断することができなかった。

「ごめん」

俺は、もう一度綾夏に謝った。

「もう、しょうがないな…
 何のことかわからないけど…、
 許してあげる。」

綾夏は、そう言って俺の両腕を掴んだ。


[118] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/05/28 (日) 20:27 ID:UvPaC3T6 No.181106
小悪魔ですね。
手のひらの上で転がされてますね。
でもそれがまた嬉しいんですよね!


[119] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/29 (月) 20:59 ID:.q5Gt.ik No.181152
綾夏さんは自分の価値がわかってるのですね。
自分が男性にどう思われているのかを知ってるように思います。
多分洋祐さんの思いもわかっているのでしょう。
ただ最初の彼氏Aに振られたときに自信が揺らいだのか、洋祐さんを試すような行動をしてるようにも見えます。
もてあそんでる様子ではないと思うのは、中出しされて妊娠の危機を感じた時の涙と、その後の避妊をしないでするセックスに、嫌悪を感じてない様子に、綾夏さんの気持ちが見え隠れしてるからでしょうか。

[120] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/05/30 (火) 20:33 ID:/x2QGoYI No.181198

jジーンさん、まつさん、レスありがとうございます。



いつもは、俺と綾夏は風呂から上がると、少し酒を飲んだりするが、
この日は、風呂から上がって身体を拭いた後、
互いに裸のまま、直ぐに二人で布団に入った。

布団に入ると、珍しく綾夏が先に絡んできた。
綾夏は、仰向けに寝ている俺に覆い被さり、
俺の上半身から下半身に向けて唇を這わせいく。
そして、俺の股間に辿り着くと、ペニスを銜えた。

俺のペニスが十分に勃起すると、
綾夏は自分の身体の向きを変えながら俺に跨り、
俺の顔に向けるように尻を突き出した。
俺の目の前に、綾夏の綺麗な性器が露わになる。

それは、まるで俺にクンニの催促をしているかのようだ。
綾夏がこんな厭らしい女になったのは、いつの頃からだろうか。
俺は、綾夏の股間にしゃぶりついた。

暫くすると、綾夏は俺に正面を向くよう身体の向きを変えながら、
俺の両脚に跨り、手慣れた手つきでペニスを弄った後、
再びフェラを始めた。

「生理終わったばかりだから…、大丈夫だよ。ふふ。」

綾夏は、俺のペニスから口を離してそう言った。
俺はまさかとは思ったが、綾夏は、直ぐに腰を浮かせながら、
片手でペニスを自分の股間にあてがい、一気に腰を沈めた。
余りに急な綾夏の行為に、俺は何の言葉も発することもできず、
抵抗することもできなかった。

「心配しないで…、あぁ…、洋祐が少しだけ気にかけてくれさえすれば、
 私は、それで…、それだけでいいから…、あぁぁ…」

綾夏はそう言いながら、身体を上下に動かし始めた。
俺は唖然として、下から綾夏を眺めているだけだった。
綾夏の動きは徐々に激しくなっていく。

「あぁっ、あぁっ、あぁっ、あぁっ…」

綾夏から、自分の動きに合せて喘ぎ声が漏れ始める。
俺は、両手で綾夏の腰を支えた。
決して大きくはない綾夏の胸が、上下に激しく揺れている。

「あぁぁぁっ…」

綾夏は仰ぎながらそう叫ぶと、上体を倒して俺に覆い被さった。
俺は、大きく呼吸をする綾夏を抱き締めた。

「はぁぁ…、はぁぁ…、ねぇ…、好きにして…、はぁぁ…、いいから…」

綾夏が俺の首元でそう呟いた。
俺は、綾夏のその言葉を聞くと、彼女を抱えながら上体を起こし、
体勢を入れ替え、正常位で腰を動かした。

そして、その後は、正常位から屈曲位、正面座位、バック、寝バックと、
いろいろ体位を変えながら、その都度、綾夏を犯すように抱き続け、
最後は、いつものように、正常位で綾夏を抱き締めながら、
彼女の膣の中に射精した。

ドックン、ドックンという音が聞こえるかのような、
そんな勢いで俺のペニスは脈動していた。
俺は、先週のメールの後、自分で処理する気にもなれなかったので、
俺にとっては一週間ぶりの射精だ。
大量に射精したのが、自分でもわかる。

その後、互いに抱き合いながら黙ったまま、長い時間余韻に浸っていると、
先に綾夏が口を開いた。

「ねぇ、いつもより凄いんじゃない?」
「何が?」
「何がって…、勢いが…」
「そうかな。」
「凄く一杯出たって感じ。ふふふ。」

綾夏は、何か楽しそうにそう言いながら、膣をギュッと締めた。
萎えかかった俺のペニスはビクンと反応し、
尿道に残った精液が絞り出されるような感覚だった。

俺は、綾夏が不安を感じていなのか知りたかった。
いや、不安を感じていないわけはない。
どれだけの不安を抱え、俺に何をして欲しいのか知りたかった。
少しだけ気にかけてくれさえすればいいと、綾夏は言っていたが…

「ゴムを着けなくて、不安になったりしないのか?」
「不安って…、妊娠のこと?」
「うん。」
「どうしたの、急に。」
「いや、別に…」
「今まで気にも留めてもなかったくせに…」

綾夏にそう言われると、俺には返す言葉が何もなかった。

「不安という言葉が適当かどうか分からないけど…、
 未知のことだから…、感じること、思うことはたくさんあるわ。
 その事実もそうだけど、その後のことも含めてね。」
「怖さとかも…」
「あるかもしれない。」
「それを和らげるために…、俺にできることはある?」
「一つだけあるわ。」
「何?」
「教えてあげない。」
「えっ?」
「それぐらい自分で考えなさい。
 私が言ったら、それを強要したみたいになるじゃない。
 それじゃ、あまり意味が無いし…」
「・・・・・・」
「分からなかったら、何もしなくていいよ。」
「・・・・・・・」
「それに、できることって言ったけど、洋祐にはできないかもしれないし…」
「何だよ、それ。」
「危険な日であろうと、そうでなかろうと、そういうことをしたら、
 女は生理になるまで、いろいろと思うことがあるの。
 そのことを、とりあえず洋祐が知っていてくれれば、それでいいわ。」

綾夏はそう言って、俺を強く抱き締めた。


[121] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/05/31 (水) 08:08 ID:WdQm5YFI No.181220
久々のエロシーン。やはり表現力がすばらしいです。
さて、今回で、綾夏さんの気持ちが見えてきました。

妊娠は「未知のことだから…、感じること、思うことはたくさんあるわ。
その後のことも含めてね。」 

綾夏さんに妊娠→堕胎の選択肢は考えにくいので、妊娠→結婚→出産を指してるわけで、その意味するところは自ずとわかってきますよね。
ただ、直前の回想シーンでの由美さんの存在が……
色々と揺さぶられます。

[122] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/06/01 (木) 15:17 ID:mCXh8W3Y No.181273
綾夏さん、本当に素敵な女性ですね〜。
洋祐さんの今後の対応が気になります。

[123] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/06/03 (土) 21:39 ID:MkgJcbEw No.181333

まつさん、やまさん、レスありがとうございます。



俺は、思い切って綾夏に聞いてはみたが、
はぐらかされたというか、綾夏ははっきりとは答えてくれず、
結局、何をすればよいのか、俺には全くわからなかった。
綾夏は、女の気持ちを知っていてくれればというが…

ただ、綾夏が不安のようなものを感じていることは確かだ。
それに、綾夏は、危険日であろうとなかろうと、と言っていた。
そうとすると、俺と綾夏の関係が始まってから4年近くの間、
ほぼ毎月、不安のようなものを感じていたということになる。
俺は、綾夏に何度そういう思いをさせてしまったのだろうか。

「ねぇ…、今日はまだ早いから…、ね。」

綾夏が次を誘ってきた。
俺は、上体を起こそうとすると、萎えたペニスが綾夏の膣から抜けた。
シャワーを浴びるため、綾夏を抱き起そうとすると、彼女が叫んだ。

「あっ、ちょっと待って。ティッシュ、ティッシュ。」

俺は慌ててティッシュの箱を綾夏に渡す。
綾夏は、何枚かのティッシュを取り出し、自分の股間に当てた。

「やっぱり、たくさん降りてくる。」

綾夏はそう言って、ティッシュを股間に当てたままじっとしている。
俺は、その姿をぼうっと見ていた。

「こんなに一杯だと、妊娠しちゃいそうだね。」

綾夏は、少し意地悪そうな笑顔を浮べながら、俺にそう言った。
今までも、綾夏から同じようなことを言われたことは何度もあり、
俺は、その度に、綾夏の意地悪な冗談だと解釈していたが、
今の俺の受け止め方は全く違った。

それから二人でシャワーを浴びた後、直ぐに布団の中に入り、
セックスを始め、再び綾夏の中に射精した。

セックスが終わった後、綾夏は直ぐに眠ってしまったが、
俺は、頭の中でいろいろなことが思い浮かび、
直ぐに眠ることができなかった。

俺は、一人でシャワーを浴びながら、これまでのこと、
これからのことを考えた後、綾夏が眠る布団に戻り、
漸く眠りについた。


先週の綾夏のメールがあってからこの日まで、
俺はいろいろなことを考えさせられたが、
この日以降、俺と綾夏の間に変化があったわけではなく、
直ぐに日常に戻っていった。

年度末の3月は、仕事が忙しい時期ではあったが、
毎週、水曜と金曜は、綾夏に逢うことができ、
去年と同じように新年度を迎えた。

Bのことについては、綾夏は、相変わらず何も話さないので、
二人の関係の進展具合は、俺には分からぬままだった。
綾夏にも特に変化は感じられなかった。
変化が何もないということは、綾夏とBは順調と考えるべきなのだろうか。

綾夏との関係が始まってから、あと1カ月も経たないうちに4年になる。
去年の今頃は、この関係をあと3年続ければと、淡い期待を抱いていたが、
今は、そんな期待はまるでなかった。
それどころか、いつ綾夏から「結婚することになった」と言われるか、
そんな不安を。俺はいつも抱えながら過ごしていた。

4月になって最初の金曜のことだった。
その日の昼休みに綾夏から生理が終わったとメールがあり、
そのメールには、『今日、どうする?』と書かれていた。
俺は『行くよ』と返信した。

「ゴールデンウィークに旅行に行くことになったの。」

俺が綾夏の部屋に着くなり、開口一番に彼女が言った。
それを聞いた俺は、また彼氏と旅行かとしか思わなかった。
すでに、旅行は今回で3回目だ。
1年に一度のゴールデンウィークなら、
綾夏と彼氏が何処かへ出かけるであろうことは容易に想像できた。

「今度の旅行はいつからなの?」
「4月28日から5月5日までなんだけど…」
「えっ、1日、2日は出勤じゃなかったっけ?」
「だから、2日間有休を取って…」

28日から5日なら7泊8日ということか…
この旅行の日程を聞いて、さすがに俺にも動揺が走った。
8日間も、綾夏は彼氏と二人だけで過ごすことになる…

「お盆と年末年始は、彼が父親の実家に行かなければならないから、
 長く一緒に居られるのは、ゴールデンウィークしかないって言われて…」

俺には、それ以上、綾夏の言葉が耳に入らなかった。
俺の職場の先輩が去年の秋に結婚したのだが、
その先輩の新婚旅行が、たしか8日ぐらいの期間だった。

「何か新婚旅行みたいだな…」

俺は、独り言のように呟いた。

「えっ?何?」
「ううん、何でもない。」

綾夏が俺に聞き返してきたが、俺は恍けた。
その後は、俺は冷静さを保つのに必死だった。
いつもなら、綾夏とベッドに入るまで、二人で楽しく話すことが多いが、
この日は、俺はもちろん綾夏も口数が少なく、
二人で風呂に入っているときでさえも、あまり会話がなかった。

そして、綾夏と一緒にベッドに入ったときだ。

「今日は着けなくてもいいか?」

俺がそう言うと、綾夏は俺の顔をじっと見つめた。
俺も綾夏から目を逸らさずに、彼女を見つめながら答えを待った。

「洋祐がそうしたいなら…、私はいつだって平気だよ…」

綾夏は、俺の顔を見つめながら、そう答えた。
生理が終わったばかりだから、まだ危ない日とは言えないが、
それでも先月のことがあるから、本当は自重すべきだろう。
だが、学習能力がないと思われるかもしれないが、
このときの俺は、どうしてもそうしたかった。
そして、この夜、俺は綾夏の中に2回射精した。

今、俺の隣には、俺の精子を子宮に抱えた綾夏が、
安らかに寝息を立てながら、スヤスヤと眠っている。
本当に可愛い寝顔だ。

そんな綾夏を見ていると、この関係がこの先もずっと続くように思える。
だが、俺と綾夏の関係に終わりを告げる日が、
もうそこまで来ているのかもしれない。
そんなことを思いながら、俺も眠りについた。


[124] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/06/05 (月) 06:39 ID:LQ6fvNmg No.181366
「洋祐がそうしたいなら…、私はいつだって平気だよ…」
この、いつだって…がキモですよね。
洋祐さんの種で妊娠する覚悟はある、という宣言でしょ。
他の解釈はしにくい。
そして、生で中出しを望む洋祐さんには綾夏さんを自分のものにしたいという願望の発露ですよね。

綾夏さんはBとも生、中出しで繋がってたとしたら、両天秤で妊娠した方との結婚を選択しようとしてるのかなぁ。
やきもきさせられますねぇ。

[125] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/06/07 (水) 06:45 ID:44XWVEg. No.181449
洋祐さん、やっぱり本気で彼女に告ってほしいですよ!
でも、今も続いているんだからどうやって続いていけたのか、
何かをきっかけに自分だけのものにしたのか?
それとも相変わらずダラダラと続いているのか
知りたいところです。


[126] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/06/09 (金) 20:27 ID:ZCki794A No.181560

まつさん、jジーンさん、レスありがとうございます。




綾夏から旅行の話しを聞いた日の翌週、翌々週には、
いつも通り水曜と金曜に綾夏と逢った。
ただ、俺は、二人の間に何となくぎくしゃくしたものを感じていた。
綾夏はどう感じていたのだろうか。

俺の勤め先は、この年の5月1日、2日は、両日ともに休日で、
その代わり、年間休日数の関係から、4月28日の土曜が通常勤務となっていた。
しかも、今年のゴールデンウィーク前の一週間は、何かと仕事が忙しくて残業が続き、
前週の金曜を最後に、それ以降綾夏と逢えぬまま、ゴールデンウィークを迎えた。

俺にとっては、4月29日から5月6日まで八連休ではあったが、
正直なところこの間何をしようか、俺は時間を持て余していた。
連休前日の28日は、綾夏が旅行に出発するということもあって、
一日中憂鬱だったが、それでも、その日は仕事だったので、何とか気が紛れた。

だが、連休初日は、起きたときから気が重く、何もする気になれなかった。
結局、初日は、天気が良かったので、部屋の掃除や、洗濯をして時間を潰し、
夕方からは、酒を飲んで過ごしたが、夜の9時頃になって、
『今頃綾夏は…』と考えると、気分が落ち込んだ。

二日目は、午前中は部屋の中でゴロゴロとしながら過ごし、この日も天気が良いので、
午後から散歩に出かけ、夕方からは、また酒を飲んで過ごしたが、
夜になると、また気分が落ち込んだ。

三日目の5月1日は、会社の組合主催の行事に参加した。
俺の職場から選出された組合の執行委員に挨拶したところ、
今日は午後から雨が降る予報なので、例年より参加者が少ないそうだ。

行事の参加者は、家族連ればかりで、俺のような独身は全く見かけなかった。
俺は、行事に参加した家族が楽しそうに過ごす様子を眺めていた。
俺にもいつかそんな日が来るのだろうか…

5月2日は、久しぶりに大学の研究室に顔を出した。
教授に挨拶してから、博士後期課程に進んだ同期と久しぶりに話しをした。
その後、キャンパスを一巡りしてから、夕方には帰宅し、酒を飲んで過ごした。

綾夏とBが旅行に出発した4月28日から今日で5日目。
Bは、5日間続けて綾夏の身体を好き放題にしていると思うと、
どんどん心が沈んでいき、この日は、酒を飲みながら、そのまま眠ってしまった。

何とか連休の半分を過ごしたものの、残り半分をどうしようか迷った。
思い返してみれば、綾夏と関係を持って以来、
俺は、家族を除けば、休日を綾夏以外の人と過ごすことはほとんどなかった。
こんな調子では、もしも綾夏との関係が終わったら、俺はどうなるのだろうか。

5月3日は、午前10時頃まで寝ていたが、
結局、一人で居ると碌なことしか考えないと思い、急遽、実家に帰ることにした。
実家に帰っても、俺は、特段何をするわけでもなかったが、
それでも、両親や妹と話しをすると、少しは気が紛れた。

実家には2泊して、俺の部屋に帰ったのは5月5日の夕方だった。
帰ってきたとき、空は曇っていたが、とても蒸し暑く感じた。
テレビで天気予報を観ると、この日の最高気温は26℃を超えていた。

明日でゴールデンウィークも終わりとなる。
天気予報では、明日の午後から生憎の雨だ。
普通であれば、長期の休暇が終わってしまい、憂鬱になるところだが、
俺は、何となくほっとした気分だった。

別に仕事が好きというわけではない。
これまでの人生で最悪のゴールデンウィークが漸く終わる、
そんな感覚だった。

夕食を済ませた後、俺はぼうっとしながらテレビを観ていたが、
夜の9時半過ぎ頃に、部屋のチャイムが鳴った。
今頃、誰だろうと思い、玄関のドアを開けると、
そこには、綾夏が俯いて立っていた。

綾夏を見て、旅行は今日までだったことを思い出した。
帰ってきたんだなと思う反面、こんな時間にどうしたんだろうと思った。

「どうしたの?」

俺はそう尋ねたが、綾夏は返事をせず俯いたままだった。
とりあえず、綾夏を部屋の中に招いたが、
部屋に入った後も、綾夏は黙ったままだった。

旅行中に彼氏と喧嘩でもしたのかとも思ったが、
そうだとしても、俺にこんな態度を取るとは思えなかった。

「だって…」

暫く経って、綾夏が漸く口を開いた。

「洋祐が…、新婚旅行みたい、とかいうから…」

確かに、綾夏から旅行の話しを聞いたとき、そう呟いたことを思い出した。
俺は、長期の旅行だったから、何となく呟いてしまっただけだが、
綾夏は、その言葉を気にしていたのだろうか。

「そんなんじゃないから…」
「・・・・・・」
「それに、私、まだ24だよ。
 そんな直ぐに結婚したりしないし…」
「・・・・・・」
「結婚してもいいと思っているわけでもないよ。」

Bに対してそう思っているわけではないのか、それとも、
誰であってもそう思っているわけではないのか、よく分からない。

「だから、そんなこと、もう言わないで…」
「わかったよ。」

綾夏は、言いたいこと言い終えたのか、やっと落ち着いた。
俺も、綾夏の言葉を聞いて安堵した。
綾夏はまだ24だと言ったが、秋に結婚するGKのことを考えれば、
決して早すぎる年齢ではない。
だが、綾夏の結婚は、まだ先のことだ。

俺と綾夏は、少しの間黙ったままだったが、
突然、綾夏が俺に抱き着き、そのまま俺を押し倒した。

「もう2週間ぶりだよね。いいでしょ。」

綾夏からそう言われると、いつもなら、体勢を入れ替えて彼女に襲いかかるはずだが、
そのとき、俺は一瞬躊躇い、身体が硬直してしまった。
綾夏は、今日までBと7泊8日の旅行だったからだ。

1週間もBに抱かれ続ければ、Bとのセックスの余韻が残るだろう。
決して綾夏が汚らしいと思ったわけではないが、
たとえ綾夏が意識しなかったとしても、
俺は、綾夏にBと比較されるような気がしていた。

「大丈夫だよ。」

俺の反応に何かを察したのか、綾夏はそう言った。

「何が?」
「生理、終わったばかりだから…」

俺は、綾夏の言葉で、全身の力が一気に抜けていった。
綾夏には、いつも俺の心の中を見透かされているようだ。


[127] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/06/12 (月) 12:52 ID:ojzlEomk No.181649
洋祐さんの文章力には感心します。
連休中の過ごし方を書くことで洋祐さんの焦れ方や葛藤が良く伝わります。
読み手もついつい同調してしまいます。
一方で、綾夏さんの気持ちはどうなのか…?
「もうそんな事は言わないで」
そして求めてくる様子に、綾夏さんの揺れ方も垣間見えます。
そして、少なくとも連休の後半は生理であったことが示されました。
おそらく女性自身が生理の周期はわかっていたでしょうから、Bとの旅行がどう進むのかも予想出来たと思います。
綾夏さんの葛藤もまた見てとれる内容でした。
しかしその葛藤の元が何に依るものなのか…洋祐さんとBとの関係性など…は謎のままです。

更新をお待ちします。

[128] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/06/13 (火) 20:48 ID:F2CnKO/Q No.181687

まつさん、レスありがとうございます。
彼女は、私の心を見透かして弄んでいるだけかもしれません(笑)



生理が終わったばかりということは、
綾夏は、5日か6日はセックスしていないということだ。
もちろん、綾夏は、旅行が決まったときには、
旅行中に生理になるとは思ってもいなかったはずだ。

ということは、綾夏は彼氏に7日間抱かれるつもりでいたのだろう。
それを考えると、俺は少し複雑な気持ちになるが、
結局、そうはならなかったので、結果オーライということだろうか。

何はともあれ、綾夏の言葉を聞いて、俺の杞憂は直ぐに霧消したが、
それから直ぐにセックスに流れ込むことができるほど、俺の神経は図太くなく、
結局、綾夏を誘って二人で風呂場に行った。

浴室に入って、綾夏を立たせたまま、彼女の身体を首筋から脚まで洗っていく。
綾夏は、恥ずかしいから早くして、と言っていたが、
俺はそんな言葉にお構いなしに、彼女の身体の隅々までゆっくりと丹念に洗った。
綾夏の美しい身体には、それを汚した跡は見当たらない。

綾夏の全身を洗い終えた後、綾夏を浴槽の縁に座らせた。
俺は、綾夏の前に跪いて座り、彼女の両膝を掴んで、左右に拡げていく。
俺の目の前に綾夏の性器が露わになった。
俺は、両手の親指で綾夏の陰唇を開いた。

ピンクの膣口とクリトリスを眺めながら、それらを指先で優しく弄っていく。
7泊8日の旅行の際に、綾夏の生理が始まる前には、
ここに彼氏のモノが入っていたという事実が、俺の頭の中を過ったが、
生理によって全て浄化されたと思うことによって、その事実を振り払った。

俺は、綾夏の股間に顔を近づけ、彼女の太腿にキスし、
性器に向かって舌を這わせていく。
綾夏は浴槽の蓋に両手を突き、自分の身体を支えていた。

「あぁっ…」

俺の舌が性器に到達すると、綾夏はこの日初めて声を漏らす。
俺は、そのまま舌で綾夏の性器を愛撫し続けた。
すると、綾夏の身体が徐々に仰け反っていく。
綾夏の姿勢は、結果として俺に性器を突き出す恰好となった。

俺は、両手で綾夏の腰を支えながら、彼女の性器に唇を押し付け、
膣から流れ出る愛液を啜るかのように愛撫すると、
綾夏は、更に大きく仰け反った。

「あぁぁ…、だめ、おねがい…」

綾夏はそう言うと、両手で俺の頭を押さえた。
俺は、綾夏の股間から顔を離し、彼女を抱きかかえて立たせると、
綾夏は自ら両手を壁に突き、両足を少し開きながら、尻を軽く突き出した。
綾夏のその姿は、無防備そのもので、
俺には、まるで『何でもして』と言っているように思えた。

「ねぇ…」

綾夏がそう言うと、俺は、綾夏の背後から彼女の股間にペニスをあてがい、
上下に軽く揺すった。
すると、俺のペニスは、何の抵抗もなく、綾夏の膣の中に侵入した。

俺にとっては、2週間ぶりの綾夏の感触だった。
俺は、両腕を綾夏の前に回して彼女の胸を掴み、
ゆっくりと腰を前後に動かし始める。
そして、俺は、自分の腰の動きに合せて、両手で綾夏の胸を揉み拉き、
綾夏の柔らかい膣と胸の感触を同時に味わった。

「はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…」

暫くすると、俺の腰の動きに同期して、綾香が小声を喘ぎ始める。
俺は、綾夏の膣の中にペニスを根元まで差し込み、
膣の中を解すようにゆっくりと腰を回し、
それに合わせて、綾夏の胸を掴んだ両手も軽く回した。

「あああぁぁぁ…、あああぁぁぁ…、あああぁぁぁ…」

綾夏の喘ぎ声が変わった。
俺は、再び腰を前後に動かし、暫くして再び腰を回し、
こんな行為を何度も繰り返した。
気が付けば、俺の身体からは、汗が噴き出している。
綾夏の首筋を見ると、彼女にも汗が流れていた。

「ああぁっ、もう、だめ…、立っていられない…」

綾夏がそう呟くと、俺は激しく腰を動かした。
暫くすると、壁に突いた綾夏の腕が曲がり始める。

「あぁぁぁ…」

綾夏がそんな喘ぎ声をあげた瞬間、綾夏の膝がガクっと曲がり、
彼女の腰が落ちると、俺のペニスが膣から抜けた。
俺は、両手で綾夏の胸を抱きかかえながら、
彼女をゆっくりとしゃがませた。

「はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…」

綾夏は荒い呼吸をしながら、蹲っている。
俺は、そんな綾夏に、彼女の髪を束ねたゴムを外し、
彼女の頭からシャワーでお湯を浴びせた。

綾夏の髪は、直ぐにずぶ濡れになっていったが、
俺は構わずに、綾夏の頭にお湯を浴びせ続けながら、
彼女の髪を手櫛で梳かしていく。

「もう、髪の毛が濡れちゃったじゃない。」

漸く呼吸が落ち着いた綾夏が、俺に文句を言った後、
自分の手で髪を整え始める。
俺はシャワーの湯を止め、綾夏の仕草を眺めていた。

「ねえ、洋祐、Tシャツを貸してくれない?
 旅行から帰って直ぐに全部着替えたけど、
 それから慌ててここに来たから、着替えを何も持ってこなかったの。」

二人で浴室を出てから、タオルで身体を拭いていると、
綾夏が俺にそう言ってきた。

「Tシャツだけでいいのか?」
「うん、いいよ。」

俺がTシャツを綾夏に渡すと、全裸の綾夏はそのTシャツを着ただけで、
そのままキッチンへ向かおうとした。

「下を穿かなくていいのか。」
「別にいらないわ。今日は蒸し暑いし、それに…、
 穿いても直ぐに脱がされるだけでしょ。ふふ…」

綾夏はそう言って、下半身が丸出しのまま、さっさと行ってしまった。
俺も慌てて服を着て、キッチンへ向かった。


[129] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/06/16 (金) 01:18 ID:xSW3UUmQ No.181781
更新ありがとうございます。
ついつい興奮してコメントが深入りしてしまったこと反省してます。
あまり先走ってコメントするのもスレ主様が書きづらくなってしまいますよね。
どうしても読み手の気持ちを伝えたくて行き過ぎた発言となってしまったことはご理解いただきたいです。
少し発言内容は控えますが、これからも応援していますことは変わりませんので、最後までお話し聞かせてください。

[130] Re: 続 せ・ふ・れ  jジーン :2023/06/16 (金) 09:26 ID:N4jOm.UM No.181791
洋祐さん、
きっと彼女にとって一番は洋祐さんですね。
洋祐さんもいいようにあしらわれていることも
心地よいんだと思います。


[131] Re: 続 せ・ふ・れ  エックス :2023/06/25 (日) 08:30 ID:KOq0kLTc No.182050
続きをお願いします。

また、続ではない最初の話はどこで見られますかね?もう消えてしまいましたか?


[132] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/06/25 (日) 09:59 ID:fIbFRkoI No.182054
過去ログの179ページ
[142895] せふれ
から読めますよ。

[133] Re: 続 せ・ふ・れ  エックス :2023/06/25 (日) 22:54 ID:KOq0kLTc No.182074
まつさん、ありがとうございます。


洋祐さん、続きお待ちしています。


[134] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/06/30 (金) 20:49 ID:/x2QGoYI No.182209
まつさん、 jジーン、エックスさん、レスありがとうございます。



俺は、風呂場のセックスで、まだ疲れが残っていたし、
この日は夜になってもまだ蒸し暑く、風呂上がりで喉もカラカラだったので、
冷蔵庫からビールを取り出し、綾夏と二人でキッチンの椅子に座って飲み始めた。

「洋祐は、連休中に何をしていたの?」

ビールを飲みながら、何気に綾夏が俺にそう尋ねてきた。
俺は、連休初日からの自分の行動を簡単に説明した。

「ふーん、実家に帰っていたんだ。
 だけど、それを除いたら、大型連休の過ごし方じゃないよね。」
「何処に行っても混むから、あまり出かけたいとか思わなかったな。」
「洋祐は、旅行とかは行きたいと思わないの?」
「特に行きたい場所もないし、一人で行っても…」
「だったら、今度、私と二人で旅行に行こうか。」
「えっ?」

俺は、綾夏の突然の誘いにびっくりした。
俺と綾夏はセックスするだけの関係で、
綾夏には他に彼氏がいるのに、何を言っているんだ・・・

「ねぇ、どう?」

綾夏はそう言って、悪戯っぽく俺の顔を覗き込んだ。
俺は、綾夏の顔を見てゾクッとして言葉がでなかった。
綾夏がこれまで何度も俺に見せた表情だが、
何度見てもその表情に引き込まれる。
俺は、唖然として何も答えられなかった。

「でも、ゴールデンウィークが終わると、7月まで連休がないのね…
 暫くは難しいかなぁ…」
「・・・・・・・」
「だけど、そのうちに、きっと行こうね。」

綾夏は、そう言って微笑んだ。
俺は、綾夏の言葉に、とりあえず「ああ」と答えたが、
多分、綾夏は、気まぐれでそう言っているのだろう。
綾夏の言葉を鵜呑みにして、期待を持っても仕方がない。

「ふぅー、おいしかった。」

綾夏は、ビールを飲み終えると、そう言いながら立ち上がった。
俺の目からは、綾夏の着たTシャツの裾とテーブルの間に、
彼女の太腿が見えているが、大事なところは見えそうで見えない。
先程、風呂場で散々見たばかりだが、思わず下から覗きそうになる。

「洋祐、目つきが厭らしいよ。」

綾夏は、少し笑みを浮べながらそう言いった。
俺は、ゆっくり立ち上がって綾夏に近づいて行くと、
自分の左腕を綾夏の背中から左脇に回し、彼女を抱き寄せた。

「えっ…」

綾夏は、俺の突然の行動に少し戸惑っていたが、
俺は構わずに、右腕で綾夏の両太腿を掬い、
そのまま彼女を抱き抱えた。
綾夏の着たTシャツの裾が少し捲れあがり、
彼女の恥毛が露わになっていた。

綾夏は暫く俺を見つめると、両腕を俺の首に回して顔を近づけた。
俺は綾夏にキスをし、そのまま彼女を抱えて隣の部屋に行き、
布団の上に綾夏を仰向けにゆっくりと寝かせた後、
俺も服を脱いで彼女の隣に横になった。

「お風呂では、私だけ逝っちゃったから…
 あとは、洋祐の好きにして…」

綾夏はそう言って、仰向けのまま目を閉じた。
俺は綾夏に覆い被さり、Tシャツの上から彼女の胸を揉んだ。
ノーブラのTシャツ越しの感触が心地よかった。

俺は、綾夏の乳首の位置を確かめながら、それを弄り続け、
暫くして、彼女のTシャツを脱がした。
綾夏にキスをしながら、彼女の股間に手を添え、
指先で性器を弄ると、すでにグチョグチョに濡れていた。

俺は、人差し指と中指を綾夏の膣の中に入れ、
指先で膣壁を撫でるようにゆっくりと回していった。
俺の人差し指と中指は、見る見るうちに、
綾夏の愛液でぐっしょりと濡れていく。

「あぁぁ…、うぅぅ…」

綾夏から喘ぎ声が漏れ始める。
俺は、綾夏の膣を拡げるように、2本の指を大きく回した後、
自分の上体を起こし、綾夏の両脚を大きくM字に開いた。
綾夏の膣口はポッカリと開き、中から愛液が溢れ出ていた。

「あぁっ、いやぁ…」

綾夏はそう言って、慌てて右手で股間を隠す。

「見られるの、本当はすごく恥ずかしいんだから…
 先だって、お風呂で恥ずかしかったのに…」

綾夏はそう言ったが、俺は構わずに綾夏の手を払い除け、
綾夏の膣口に俺の亀頭を押し付けた。
すると、綾夏の膣は俺の亀頭をニュルっと簡単に吞み込んだ。

俺は、綾夏の膣の中に、ペニスを根元までゆっくり入れる。
そして、再び綾夏に覆いかぶさり、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「もう、ずるいんだから…、あぁぁ…」

綾夏は口を尖らせてそう言ったが、暫く腰を動かし続けると、
何も喋らなくなった。
俺は、唇を綾夏の唇に重ね合わせて舌を絡めながら、
両腕を綾夏の背中に回し、更に腰を動かし続けた。

その後、俺は、体位を一度も変えることなく、
腰を動かしたり止めたりを繰り返した。
2週間ぶりだったことと、風呂場でのセックスにより、
大量の精液が溜まった俺の精巣は限界を迎え、
綾夏の中に一気に射精した。

いつものように余韻に浸った後、膣からペニスを抜き、
綾夏の隣に寝転がった。

旅行の疲れのせいか、綾夏は両脚を開いたまま、
直ぐに寝息を立てていた。


[135] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2023/07/05 (水) 00:28 ID:l2SaFE/w No.182319
一緒に旅行に行ってほしいなあと思います。
部屋の外での2人を知りたいです。


[136] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/07/06 (木) 11:01 ID:FXQW6gDI No.182362
へたれの洋祐さんが、前に進もうとしないので、綾夏さんが、旅行に誘っていると思いますよー。「好きにして」なんて言葉を言えるのは、愛があるから!告って欲しい綾夏さんの精一杯の気持ちなのでは…。

[137] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/07/06 (木) 19:48 ID:xHloTqTE No.182374
またしばらくの休載かと覚悟してたら更新があり、すごくうれしいです。
私も綾夏さんの言動は洋祐さんをもてあそんでる感じではなく、本音が滲んでる気がしますね。
次回も楽しみにしてます。

[138] Re: 続 せ・ふ・れ  kei :2023/07/12 (水) 21:27 ID:lUhQwiGM No.182559
続き楽しみにしています

[139] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/07/18 (火) 20:52 ID:XB1WXA2E No.182787

ジーンさん、やまさん、まつさん、keiさん、レスありがとうございます。




俺は起き上がり、綾夏の両脚の間に座り、彼女の股間を眺めた。
綾夏の膣口から、彼女の愛液と俺の精液が混ざった液体が垂れている。

・・・見られるのが恥ずかしいとか言っておきながら、
   よくこんな格好をしてスヤスヤと寝られるものだな・・・

俺はそう思ったら、何だか無性に可笑しくなったが、
次の瞬間、俺は全く別のことを考え始めていた。

綾夏は、直ぐには結婚はしない、とは言っていたが、
考えてみれば、直ぐとはいつ頃までのことだろうか。
それは半年なのか、それとも1年なのか?

俺は立ち上がって携帯電話を取り出し、
再び綾夏の両脚の間に座った。

こんなことをやってはいけないと思いながら、
こんな機会はもう訪れないかもしれないという思いが、
俺の頭の中を駆け巡る。

暫く葛藤した後、俺は覚悟を決めた。
去年、綾夏がBと付き合い始めたとき、
俺は綾夏を撮影したことあるわけだから、
一度も二度も変わりはない。

俺は、携帯電話をカメラモードにして、綾夏の性器を映しだし、
シャッターを何度も切った。
それから、少し引いてはシャッターを切り引いては切りを繰り返し、
最後に綾夏の全身を撮影した。

それが終わると、綾夏の寝顔や上半身、胸のアップなどを撮影した後、
ティッシュで綾夏の股間を丁寧に拭い、
俺のペニスを綾夏の膣に挿入し、ペニスの位置を変えながら、
綾夏の股間を何度も撮影した。
撮影が終わった後は、興奮で俺の手が震えていた。

俺は、綾夏の両脚を閉じて彼女に布団を掛け、
彼女の隣に潜り込むように布団に入り、目を閉じた。
俺は、一体綾夏に何を期待し、何をしたいのだろう。
自分でもよくわからなかった。


俺は、一旦は眠ったようだが、夜中に目が覚めた。
時計を見ると、午前2時を過ぎていた。
いつ眠りについたかはよくわからないが、
1時間ほどは眠っただろうか。

俺は、もう一度眠ろうと目を瞑るが、まだ興奮が残っているためか、
なかなか寝付くことができない。
このまま横になっていても眠れそうにないので、
俺は、シャワーを浴びようと思い、布団を出て立ち上がった。

「どこへ行くの?」

突然、綾夏が声を掛けてきたので、俺はびっくりした。
綾夏はいつから目を覚ましていたのだろうか。

「直ぐに眠れそうにないから、シャワーを浴びに…」
「私も一緒にいってもいい?」
「あ、ああ」

綾夏は立ち上がると、俺に抱き着いてきた。
暫くして、綾夏と二人でシャワーを浴びに行った。

シャワーを浴び終えて、二人で身体を拭いていた。
綾夏がタオルで顔を拭っていたとき、彼女の項が俺の目に留まり、
俺は、思わず綾夏の後ろから抱き着いた。

「えっ…、どうしたの?」

綾夏はびっくりしていたが、俺は構わずに、右手で彼女の胸を掴み、
左手で彼女の股間を弄った。
綾夏は慌てて俺の手を掴んだ。

「ちょっと…、あぁ…」

綾夏の股間が湿ってくると、俺は2本の指を綾夏の膣に突っ込み、
グルグルと中を掻き回した。
突然のことで強張っていた綾夏だが、次第に力が抜けていく。
俺は、胸を掴み、指を突っ込んだまま、
綾夏をゆっくりとキッチンに連れて行った。

俺は、キッチンの明かりを点けた後、
綾夏にテーブルに手を突かせ、綾夏の背後からペニスを挿入し、
始めはゆっくり腰を動かし、徐々にスピードを増していった。

「あうっ…、あうっ…、あうっ…、あうっ…」

綾夏の喘ぎ声も次第に大きくなっていく。
俺は腰を動かすのを一旦止め、挿入したまま綾夏を抱えて床に降ろし、
彼女に四つ這いの姿勢で両手を床に突かせた。
そして、再び腰を動かし始めた。

「はぁっ…、はぁっ…、はぁっ…、はぁっ…」

綾夏も再び喘ぎ始める。
俺は両手で綾夏の尻を掴み、左右に広げた。
俺の目の前には、綾夏のアヌスと、ペニスを銜えた膣口が露わになる。

「や、やめて…」

綾夏はそう言って、片手で尻を隠そうとしたが、
俺が腰の動きを激しくすると、片手では身体を支え切れず、
再び両手を床に突いた。

俺は綾夏の尻を両手で広げたまま、激しく腰を動かし続けた。
綾夏のアヌスの下にある膣の中に、俺のペニスが出入りする。
その様子は、俺の征服感を満たしてくれる。

俺が腰を動かす間、綾夏は軽く仰け反ったり首を垂れたりを繰り返していたが、
腕の力が尽きたのか、肘を曲げて、尻を突き出すように顔を伏せた。
俺は、腰の動きを止めて、綾夏の尻を左右に開いたり閉じたりを繰り返す。
綾夏には、もう尻を隠す気力もなくなっているようだ。

俺は、自分の胸を綾夏の背中に重ね合わせ、
両手で綾夏の胸を掴みながら、再び腰を動かし始めた。


[140] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2023/07/19 (水) 21:49 ID:X1tU68y6 No.182823
洋祐さん、
更新待っていましたよ。
SEXでは完全に凌駕してますね、旅行先でも同じように出来ますでしょうか
気になります。


[141] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/07/21 (金) 06:44 ID:jdknwE0U No.182900
更新ありがとうございます。
今回はエロシーン満載でした。
なるほど、そうなりますよね。大好きな女性に彼氏がいて、自分との関係性に不安を感じていたら、その映像は手元に残しておきたいと思うのも理解できる心情です。
中出しも、ある意味自分の痕跡を綾夏さんに残しておきたいという心理でしょう。
洋祐さんの繋がっていたいという気持ちがよく伝わってきます。
続きをお待ちします。

[142] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/07/28 (金) 19:59 ID:r2oYpLU6 No.183202
だいぶ下がってしまったので上げさせて下さい。

[143] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2023/08/13 (日) 22:01 ID:dC2hK.FA No.183847
洋祐さん、
酷暑、お見舞い申し上げます。
引き続きお二人の今までを知りたいと思う1人です。
更新待っています。


[144] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/08/28 (月) 15:08 ID:uc8s0shc No.184860
しばらく更新がありませんね。
なにもないと良いのですが…。
続編をお待ちしてます。

[145] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/09/30 (土) 10:19 ID:o5eFWnbo No.185631
上げます!

[146] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/10/19 (木) 12:38 ID:51.DMqkA No.186085
以前、最後まで書いて下さるとおっしゃっていた事を信じて待ってます。

[147] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2023/10/22 (日) 20:46 ID:ZT8nhKcc No.186205
洋祐さん、
僕も信じてお待ちしています。
お二人の物語を今現在までお聞きしたいです。


[148] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2023/11/07 (火) 11:53 ID:mXBw9JDA No.186751
洋祐さん、お待ちしています。

[149] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/12/12 (火) 08:22 ID:WbadhT6g No.187622
お待ちしてます

[150] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2023/12/30 (土) 00:30 ID:ar/0qqok No.187971

長い間、更新できずに申しわけありません。
夏以降、仕事に忙殺?されておりました。
今後も、暫くは忙しさが続くと思われますので、ご容赦下さい。
この間、レスをしてくださった方々、ありがとうございます。




俺は、綾夏の胸を掴んだまま、ゆっくり彼女を抱き起した。
綾夏は少し朦朧としていたようだが、
俺は構わず、挿入したままで一歩一歩進みながら、彼女を隣の部屋へ行き、
更に窓を開けて、ベランダに連れ出した。

「あっ、いやぁ…」

綾夏は小さい声でそう叫んだが、抵抗しようとはしなかった。
外は、曇り空で月明かりもなく、僅かに街灯が見えるだけで、
辺りは真っ暗に見えた。

部屋の明かりは消えているが、キッチンの明かりは点けたままで、
ベランダにも、キッチンの明かりが差している。
ベランダから外の様子は、それ程よくは見えないが、
外からベランダの様子は窺うことができるかもしれない。

去年の秋、ここで綾夏とセックスした。
そのときは、ベランダの端のフェンスの陰に隠れるようにしていた。
だが、今日はどうしようか…

俺は、綾夏の両手首を掴んで前に伸ばし、
ベランダの中央にある縦格子の柵の手すりを掴ませ、
綾夏の腰をがっちり掴んで腰を動かす。

「えっ、やだぁ…、見られちゃうよ…」

綾夏はそう叫んで、片腕で必死に胸を隠した。
俺は、激しく腰を動かし続ける。
すると、胸を隠した綾夏の片腕が徐々に降りていき、
彼女の胸が丸出しになった。

俺が、更に激しく腰を動かし続けると、
綾夏は、ぐったりと両腕を柵の手すりの上に乗せ、終いには、
手すりに両腕を半分乗り出すように、縦格子の柵にもたれ掛かった。

俺は、暫く腰を動かし続けた後、綾夏の両腕を後ろ手に掴み、
綾夏の胸を前に突き出すような恰好で、
自分の腰を突き上げるように動かした。

綾夏の表情はわからないが、声が出るのを必死に抑えているようだ。
俺は、暫く激しく腰を動かし続けた後、腰の動きを止め、
綾夏の上体を起こし、自分の右腕を綾夏の右の肩越しに前に回して、
彼女の左肩を掴み、左手を綾夏の頬に添えて彼女の首を振り向かせた。
綾夏は、両腕をだらりと下げたまま、目を瞑り、大きく息をしている。

俺は、綾夏にキスをして舌を絡めると、綾夏も舌を絡め返してきた。
俺はキスしたまま、綾夏と一緒に少しずつじりじりと前に寄り、
綾夏の身体を柵の手すりに押し付けると、
彼女は両手で手すりを握りしめる。
綾夏の胸は、柵の手すりより前に突き出た格好となった。

俺は、舌を絡めながら、暫く綾夏にキスを続けた後、
ゆっくりと腰を動かし始めた。
始めは舌を絡め返していた綾夏だったが、徐々に力が抜けていく。

俺は、唇を綾夏から離し、両腕で綾夏の腰を抱き締めながら、
腰の動きを速めていった。

暫く腰を動かし続けていると、俺はふと我に返った。
今、綾夏は、ベランダの縦格子の柵に前から寄り掛かり、
生まれたままの姿を外に向かって晒している。
そんな綾夏を俺は立ちバックで犯しているのだ。

綾夏は、意識がはっきりっしないせいか、
自分の裸体を隠そうともせず、柵の手すりに身を任せていた。

もしも目の前の道を人が通り、このベランダを見上げたら、
綾夏のあられもない姿を目の当たりにするだろう。
そう思うと、俺には異常なほどの興奮が湧き上がった。

実際には、キッチンの明かりが逆光となっているので、
どこまではっきりと見えるかは分からない。
だが、顔、胸、下半身の様子などは、はっきり分からなくても、
全裸の女と男がベランダの柵の前に立ち、
女の背後から男が腰を振っていることぐらいは認識できるかもしれない。

綾夏は、そんな危ない状況に立たされているわけだが、
異常な興奮の中、俺はそれを止めるつもりなどは全くなかった。

辺りを見回してみたが、人影も人の気配も全くなく、
静かさと闇に包まれている。
俺は、その後も黙々と腰を動かし続けた。

一体どれ程の時間が経ったか分からないが、
突然、綾夏の腰が落ちそうになった。
俺は、咄嗟に綾夏の腰を抱え上げ、漸くペニスを抜いた後、
綾夏の身体をゆっくり回して俺の正面を向かせ、彼女を抱き抱えた。

少し顎を上げてぐったりしている綾夏に、俺はキスをしたが、
綾夏にあまり反応はなく、只々なすがままだった。
俺は、暫く綾夏にキスし続けた。

遠くの方から、バイクの音が聞こえてきた。
バイクは、走っては止まり、止まっては走る、それを繰り返している。
多分、新聞配達のバイクの音だろう。

俺は、再び綾夏にベランダの柵の手すりを掴ませ、
彼女の背後から膣の中にペニスを挿入し、ゆっくり腰を動かす。
綾夏の表情はわからないが、彼女に大きな反応はなかった。

バイクの音は、次第にこちらに近づいてくるようだ。
綾夏は相変わらず反応がなく、バイクの音に気づいているのかどうかも、
俺には全くわからない。
このまま綾夏の裸体を晒してやろうかと、そんな悪事を考えながら、
俺は腰を動かし続けた。

バイクの音がいよいよ直ぐ近くに迫ったとき、俺は漸く我に返った。
ペニスを抜き、綾夏を連れて部屋の中に戻り、
布団の上に綾夏を仰向けに寝かせた。
部屋の明かりを点けて、綾夏を眺めたが、
彼女は、ぐったりして全く動かない。

俺は、綾夏の両脚を開き、ペニスを膣の中に入れた後、
綾夏の左足を上げると共に、彼女の右足を跨ぐように座り、
腰を前後に振り始める。

「あぅぅ…、あぅぅ…、あぅぅ…、あぅぅ…」

ゆっくり腰を振り続けると、それまで反応がなかった綾夏が喘ぎ始める。
俺は、綾夏の膣の中にペニスを目一杯押し込み、
腰を小刻みにグリグリと左右に振った後、再び前後に振り始めた。

暫くして、俺は、綾夏の左脚を降して体位を正常位に変え、
綾夏に覆い被さり、彼女の背中に両腕を回すと、
綾夏も両腕を俺の背中に回した。

俺は、綾夏を強く抱き締めながら、腰を激しく動かし続けると、
綾夏が俺の腰に両脚を絡めた。
俺は、更に激しく腰を振り続け、再び綾夏の中に射精した。
俺も綾夏も、互いに抱き合いながら大きく呼吸をしていた。


[151] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2023/12/30 (土) 08:42 ID:2BO8RaX6 No.187976
更新ありがとうございます

続き待っています


[152] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2023/12/30 (土) 22:15 ID:oiCtv0Es No.187988
約5ヶ月半ぶりの更新ありがとうございます。
信じて待っていて良かったです。

そして久々の続編はほとんどが性描写。
興奮します。
また描写が上手い!
そして、あえて過激なブレイを受け入れる綾夏さんの心の中が気になります。
洋祐さんと彼氏との棲み分けをどのように考えているのか?
また、洋祐さんと綾夏さんの関係かどのようになっていくのか?
興味がつきません。

これからも応援をし続けていきたいと思います。

[153] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2023/12/31 (日) 06:34 ID:RI.0Rebc No.187994
洋祐さん、
お帰りなさい。
またお2人の現在に続く物語を読むのが楽しみです。


[154] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/08 (月) 01:10 ID:uElSYCrQ No.188191

けいさん、まつさん、ジーンさん、レスありがとうございます。



射精した後も、俺の興奮は暫く醒めることはなかった。
俺も綾夏も、セックスの最中にすでに全身汗びっしょりとなっていたが、
この日は夜中でも蒸すせいなのか、それとも興奮が醒めぬせいなのか、
終わった後もじとじとと汗が噴き出ていた。
それでも、俺と綾夏は互いに抱きしめ合って相手の体温を感じながら、
セックスの余韻に浸っていた。

俺たちの汗が漸く引き始めたころ、綾夏が呟いた。

「洋祐って…、ときどきすごく意地悪をするよね。」

意地悪か…。
多分、ベランダでセックスしたことだろう。
確かに綾夏にすれば意地悪と思うのは当然のことだ。

「ねえ、なんで?」

何でなのか、俺にもうまく説明ができない。
簡単に答えるとすれば、彼氏に対する嫉妬を彼女にぶつけたということだが、
それはほんの一部の理由であって、それが全てではない。

以前、ベランダでセックスしたときと同じように、
綾夏がどこまで許すのか試したかったということもあるだろう。
だが、それよりも、そのとき綾夏が言った「お嫁に行けない」という言葉が、
俺の心に残っていたと考えるべきだろうか。

俺にこんなことまでされて、おまえは他の男と付き合ったり、
結婚したりすることができるのか…、
そんな気持ちが俺を支配していたのかもしれない。

他にもいろいろな感情が入り混じっていたと思うが、
いずれにしろ、綾夏に説明できる内容ではなかった。

「でも…、仕方ないよね。ふふふ。」

俺が黙っていると、綾夏は分かったような口調でそう言った後、
俺を抱き締める両腕に力を入れ、更に膣をギュッと締めた。
一体何が仕方ないのだろうか、俺には分からなかった。

「せっかくシャワーを浴びたのに、汗だくになっちゃったね。」
「・・・・・・・」
「もう一度、シャワーを浴びに行こうか。」

綾夏はそう言いながら、俺を見つめた。
俺は綾夏を抱き起し、二人でシャワーを浴びた後、
再び寝床についた。

次に俺が目を覚ましたのは、午前7時頃だった。
カーテンの隙間から光が漏れて、部屋の中を照らしている。
隣には、綾夏が寝息を立てて眠っていた。

俺は、綾夏の股間にそっと手を忍ばせ、
指で陰裂をなぞるようにゆっくりと手を動かす。
綾夏は、何事もないように寝息を立てているが、
綾夏の股間は、徐々に湿っていった。

俺は指を曲げて、その指を綾夏の膣の中に入れた。
綾夏は相変わらず、寝息を立てて眠っている。
俺は、綾夏の膣の中に指をゆっくりと出し入れした。

暫く続けると、綾夏の膣の中はぐっしょりと愛液で溢れ、
俺の指は愛液塗れになった。
それでも綾夏は目を覚ます気配がない。

俺は起き上がり、窓のカーテンを開けた。
窓の外は、どんよりと曇り空が広がっていたが、
部屋の中は十分に明るくなっていた。

俺は、綾夏に近づき、彼女から掛布団をそっと剥す。
綾夏の裸体は、自然の光の下で肌の白さが増して見え、
格別に美しかった。

俺は、綾夏の両脚を開き、股間を覗き込むと、
膣口から愛液が垂れていた。
俺は、ペニスを膣口にあてがって上下に擦った後、
ゆっくりと押し込む。
愛液の溢れた綾夏の膣は、俺の亀頭を簡単に飲み込んでいった。

俺は、亀頭を綾夏の膣に出し入れしてみたが、綾夏には何の反応もない。
ここまでされても、目を覚ます気配すらないとは、
いつも思うことだが、そのうちレイプされてしまうのではと不安にはなるが、
俺が、今まさに綾夏をレイプしているような気がして、
そんな不安など吹き飛ぶぐらいの興奮を覚えた。

実際問題として、今、俺がしていることは、綾夏の同意がないので、
レイプしているようなではなく、レイプそのものに違いないのかもしれないが…

暫く亀頭を出し入れしても、綾夏は一向に目を覚まさないので、
俺は、ペニスを根元まで綾夏の膣の中に挿入し、静かに腰を前後に動かし始めた。
柔らかくて程よく締まる綾夏の膣がとても心地よい。
眠ったままの綾夏とセックスするのは、普通にセックスよりも、
綾夏の膣の感触が俺のペニスに伝わるような気がした。

綾夏の膣の中の感触を味わいながら、俺は暫く腰を動かし続けたが、
綾夏はまだ目を覚まさない。
俺は、両腕を前に伸ばし、綾夏の両胸を、乳を搾るように掴んだ。
綾夏の2つの乳首が、俺の指の間から天井に向かって飛び出ている。
俺は、綾夏の両胸を掴んだまま、腰を振り続けた。

「えっ…、何?」

漸く綾夏が目を覚まし、上体を少し起こして俺を見たが、
今の状況を把握できていないようだ。
俺は構わずに腰を振り続ける。

「あぅっ…、どうして…、あぁっ…」

綾夏はそう言いながら、一旦起こしかけた上体を後ろに倒し、
両腕を広げて大の字に寝た。
俺は、綾夏の両胸を掴みながら腰を振り続ける。

「あぁっ…、いやっ…、あぁっ…」

綾夏は、『いやっ』と言いながらも、両手で布団の端を掴み、
ときおり首を左右に振りながら、俺の腰の動きに合せて喘いでいた。
俺は、綾夏の『いやっ』という言葉に興奮が増し、
両手で綾夏の腰を掴み、激しく腰を振った。

「あぁっ…、もうだめ…、お願い…」

綾夏はそう言って、両腕を俺に向けて伸ばしてきた。
俺は、綾夏の両腕を掴みながら、自分の上体を前に倒し、
綾夏に万歳をさせる格好で覆い被さり、腰を振り続ける。

綾夏は、次第に力が抜けてぐったりしてきた。
俺は、綾夏の両腕をクロスさせて自分の左手で押さえながら、
右手で綾夏の胸を掴み、綾夏の口を塞ぐようにキスをした。

綾夏は、すでに反応がなく俺のなすがままだった。
俺は、右手で綾夏の胸を握りしめながら、更に激しく腰を振り、
程なくして綾夏の中に射精した。


[155] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/01/08 (月) 08:28 ID:x5DTLP9M No.188198
洋祐さん、更新ありがとうございます。
綾夏さんの「ふふふ」って言うところ、僕は好きです。
いい意味で 悪い子ですね。


[156] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/01/11 (木) 07:00 ID:k1JmIuQI No.188274
更新ありがとうございます。
楽しみにしています。

今回も性描写がメインでしたが、お二人の間の微妙な空気感が変わらずに伝わってくる描写でした。

やはり洋祐さんの言葉による表現の少なさと、それとは相反する大胆な行動への戸惑い、逆に彼氏が居ると言いながらそれを受け入れる綾夏さんの態度…。
ひょっとしたら似たもの同士なのかもと感じました。
そしてそれが2人の微妙な緊張感や、交錯する想いを複雑なものにしているのかもしれません。

性描写メインなのにちゃんとそこを描き出す筆力に惹き込まれてしまいます。

そしてこれからも応援しています。

[157] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/13 (土) 21:45 ID:/TEHh2F. No.188376

ジーンさん、まつさん、レスありがとうございます。



綾夏は、大きく呼吸をしているものの、
全身の力が抜けたようにぐったりとしている。
そんな綾夏の中で、俺のペニスはビクンビクンと激しく脈動していた。

俺は、綾夏を犯したという気分で一杯だったため、
射精した後も、中々興奮が覚めることなく、勃起したままだ。
いつもなら、静かに余韻を味わうところだが、
このときは、綾夏の胸を強く揉みながら、彼女に激しくキスをしていた。

綾夏の息が俺の口の中に吹き込んでくる。
多分綾夏の口の中にも俺の息が吹き込んでいるはずだが、
綾夏に反応はなかった。
俺も構わずに、綾夏にキスを続けた。

お互いの呼吸が整ってきた頃、俺は両腕を綾夏の背中に回し、
彼女を抱き締めた。
綾夏は頭の上に両腕を伸ばしたまま、脱力して全く動かない。

ベランダでのセックスといい、レイプまがいの行為といい、
何故、こんなことをしてしまったのか、自分でもよくわからない。
ゴールデンウィーク中に、俺の中に溜まった鬱積を、
一挙に吐き出してしまったのだろうか。
そうとすると、鬱積の正体、不平、不満、怒りの原因は何なのだろうか。

こんなことをして、綾夏はきっと怒っているだろう。
ひょっとして嫌われたかもしれない。
そのときは謝り倒すしかないが、綾夏は許してくれるだろうか。

綾夏を抱き締めながら、そんなことをあれこれと考えていたら、
綾夏は、いつの間にか俺の下で眠っていた。
俺は、自分の身体を起し、萎えたペニスを綾夏の膣から抜き、
俺のペニスと綾夏の股間を、ティッシュで拭った後、
カーテンを閉めて、綾夏の隣で横になった。

つい先ほど、俺にレイプまがいのことをされていたのに、
俺のペニスを入れたまま眠ってしまうとは…
自分でこんなことしておいて言うのも何だが、
綾夏がここまで隙だらけとなると、いろいろと考えてしまう。

これからのことも、もちろん心配にはなるが、
これまでのことも気になってしまう。
綾夏が眠ったら簡単には起きないことを、今の彼氏や元彼が知っていたなら、
綾夏が気づかぬうちに何かされていたのではないだろうか。

つい先程まで俺がしていたように、彼氏や元彼が綾夏の裸体を撮影したり、
生で綾夏の感触を味わったりしていたのではないか。
さすがに中出されれば気づくとは思うが、確認のしようがない。
俺は、そんなことを考え悶々としているうちに眠りについた。

俺が次に目を覚ましたとき、下半身に違和感を覚えた。
慌てて上体を起こして確認すると、綾夏が俺のペニスを銜えていた。

「な〜んだ、つまらない、起きちゃったの?」

綾夏は、俺のペニスを口から離してそう言った。

「な、何をしているんだ。」
「洋祐が意地悪なことばかりするから、仕返ししようと思って。」

綾夏はそう言うと、再び俺のペニスを銜え、フェラを始める。
俺のペニスは、すでに痛いぐらいに勃起していた。
暫くすると、綾夏はフェラを止め、笑みを浮べながら俺に跨り、
ペニスを股間にあてがいながら、腰を沈めた。

「ふふふ。私が洋祐を犯しているみたいでしょ。」

綾夏はそう言って、腰をゆっくり上下に振り始める。
初めは笑みを浮べていた綾夏だったが、腰を激しく振り出すと、
次第に表情が変わっていった。

「あっっ…、あっっ…、あっっ…、あっっ…」

綾夏は自分の動きに合せて喘ぎ声を漏らしている。
俺はそんな綾夏の声を聞きながら、
目の前でプルンプルンと揺れる綾夏の両胸を眺めていた。

俺はその様子を暫く眺め続けた後、両手で綾夏の両胸を掴むと、
綾夏は、俺の手首を軽く握って腰を振り続ける。
俺は、綾夏の両胸をゆっくり揉んだり、指先で乳首を弄ったりしながら、
綾夏の顔を見つめていた。

感じているときの綾夏の表情は最高だ。
普段の可愛らしい表情とは全く違う。
綾夏が他の男とセックスすることは、もちろん嫌だが、
その行為以上に、このときの表情を他の男に見せたくはないと、俺は思う。

綾夏は尚も腰を振り続けていると、
彼女の喘ぎ声も次第に大きくなっていった。

「もう…、だめ…」

綾夏はそう呟くと、腰の動きを止めた。

「はぁ…、はぁ…、これじゃあ、はぁ…、全然仕返しに…、はぁ…、
 なっていないじゃない…、はぁ…、はぁ…」

綾夏はそう言って、俺に覆いかぶさるように上体を前に倒した。

「はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…」

綾夏は、俺の上で大きく呼吸をしていたが、
暫くすると、俺に覆い被さったまま、腰をゆっくり振り出す。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…」

綾夏から再び喘ぎ声が漏れ始めた。
俺は、綾夏の背中に両腕を回し、彼女を抱き締めたが、
綾夏は、尚も懸命に腰を動かし続ける。

「あぁぁぁっ…」

綾夏がそう叫ぶと、彼女の動きがピタリと止まり、
俺の上で、はぁーはぁーと、荒い呼吸を繰り返していた。

俺は、そんな綾夏を暫くの間抱き締めた後、
そのまま抱えながら自分の上体を起こし、
更に綾夏を抱き抱えて仰向けに倒した。

そして、綾夏を抱き締めながら、貪るようにキスをすると、
綾夏も俺の背中に両腕を回し、俺のキスに応えた。
俺は、綾夏にキスを続けながら、腰を動かし始める。

「うぅっ…、うぅっ…、うぅっ…、うぅっ…」

俺の動きに合せて、綾夏の息が俺の口の中に吹き込み始め、
彼女の唇の力が徐々に弱っていくと、
綾夏の息遣いは、喘ぎ声に変わっていた。
その後は、俺は、ひたすら腰を動かし続けた。


[158] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/01/13 (土) 22:09 ID:dbluRuAY No.188377
更新ありがとうございます

楽しみに読ませていただいています


[159] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/01/15 (月) 20:49 ID:QHZtSghU No.188483
やはり綾夏さんも洋祐さんとの性的関係を楽しんでいる様子ですよね。
そしてキスの仕方を見ると少なからず愛情が見え隠れしてるのを感じるのは私だけでしょうか?
お二人の微妙な気持ちがどこに向かって行くのか興味がつきません。
楽しみにしています。

[160] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/20 (土) 00:08 ID:Fd/pmtew No.188657

けいさん、まつさん、レスありがとうございます。



どれほどの時間腰を動かしているか定かではないが、
そのときは、俺もすでに3回射精しているので、
射精に及ぶまでには、いつもにも増して時間が掛かっているのは確かだ。
その間、綾夏は俺を抱き締めながら、喘ぎ続けている。

理想の挿入時間は?という女性へのアンケートを、
インターネットで目にしたことがある。
多かった回答は10分前後で、30分以上と答えた女性は数%程度だった。
意外だったのは、5分以下と答えた女性も2割近くいたことだ。

早漏よりも遅漏の方が、女性から嫌がられるということだろうか。
それを考えると、俺は少し絶望的になるが、
綾夏はどんなに長くても決して嫌がることなく、最後までしっかりと応えてくれる。
いや、そればかりか、俺が射精に至らずに終えると、不満を口にするほどだ。

そんな綾夏は、俺にとって、その顔立ちだけでなく、
セックスの相手としても理想の女性なのだろうか。
綾夏以外に、そんな女性は二度と俺の前には現れないことだけは確かだ。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…」

綾夏の喘ぎ声が心地よく聞こえる。
その声を聞きながら、腰の動きを速めていくと、漸く射精感が催してきた。
俺は、更に腰を激しく振り始め、暫くすると、綾夏は両脚を俺の腰に絡めた。
俺の射精が近いことが、綾夏には分かるようだ。

「あぁぁっ…、き、きて…」

綾夏がそう呟いた数秒後に、俺は綾夏の中で射精した。
連休中に溜まった精液と鬱憤を残らず吐き出したように思えた。

射精を終えた後は、いつものように余韻を味わっていた。
時計を見ると、すでに午後1時を過ぎていた。
寝食を忘れてセックスしていたみたいなものだ。

セックスの最中は全く気付かなかったが、
天気予報通り、外は雨が降っているようだ。
俺は、その雨音を聞きながら、綾夏を静かに抱き締めていた。

それから20分程経った頃だろうか。
俺のペニスはすでに萎えていたが、辛うじて挿入したままのときに、
綾夏が話しかけてきた。

「ねえ、洋祐。」
「ん?」
「もう気は晴れた?」
「えっ?」
「洋祐の反応、分かりやすいから…。ふふふ。」

綾夏には、俺の心の中がいつも見透かされているようだ。
だが、綾夏に見透かされていようとも、俺には恍けることしかできない。

「あんなことされたら、女性だったらもの凄く怒るのが普通だよね。」
「・・・・・・」
「絶交されても仕方がないようなことだし…」
「・・・・・・」
「でもね、洋祐がそうしたかったのなら…、許してあげる。」
「・・・・・・」
「私には、それしかしてあげられないから…。」

綾夏が言った『それ』とは、何を指すのか、俺にはよく分からなかった。
セックスのことなのか、それとも許すことなのか…

「洋祐はまだまだなのかもしれないけど…、
 私は、気が晴れたよ。」
「えっ?」

何のことか、綾夏が言っている意味が全く理解できない。

「元々、気が進まない旅行だったし…、
 生理が始まってからは、いろいろ気を使うことも多かったから…」
「・・・・・・」
「でも…、そんなことはみんな忘れちゃった。
 きっと、洋祐のお蔭だね。」

何となくだが、綾夏とBの関係を垣間見たような気がした。
多分、綾夏はBに言いたいことが言えないのではないだろうか。
それはBの性格もあるが、年齢差も関係しているかもしれない。
確かBは俺たちより6歳上だったはずだ。

だが、それは綾夏も承知して交際しているわけだから、
それが原因でBと別れるということもないだろう。

普段、俺には生意気な口を利く綾夏だが、
セックスに関しては、Mで従順だ。
ひょっとしたら、それが男性に対する綾夏の本来の性格で、
自分をリードしてくれて、従順になれる男性に惹かれるのかもしれない。
そうだとすると、俺は綾夏の好みの男性には、到底なれそうにないが…

俺のペニスはすでに綾夏の膣から抜けていたが、
暫くの間、二人で抱き合っていた。


漸く身体を起し、俺がシャワーに誘うと、
綾夏が風呂に入りたいというので、
浴槽の湯を入れ直した。

二人で湯船に足を入れたとき、綾夏が先に腰を落とし、
俺のペニスを銜えてきた。
俺は、その様子を黙って眺めていた。

「ねぇ、入れて…」
「気は晴れたんじゃないの?」
「そんな意地悪なこと言わないで。」

綾夏の股間を触ると、膣の中はすでにヌルヌルだった。
俺は綾夏の片脚を上げてペニスを挿入した後、
そのまま彼女を抱えながら、二人でゆっくり腰を落とし、
対面座位のような恰好で湯船に浸かった。

「動かなくていいから、このままで…、ね。」

綾夏はそう言って、俺の首の後ろに手を回しながら、
俺に顔を近づけてキスをしてきた。
俺は、舌を絡めながら、左腕を綾夏の背中に回し、
右手で綾夏の胸を掴んで、ゆっくりと揉み始める。

綾夏の膣が締まったり拡がったりするのを感じながら、
俺は綾夏の唾液を味わっていた。
そして、そのまま二人で逆上せるまで湯船に浸かった。

風呂から出てから、暫く二人で身体を冷ました後、
二人でファミレスへ食事に出かけた。
外は生憎の雨だが、俺の心は晴れやかだった。
二人で食事した後は、綾夏を部屋まで送って行った。

「寄っていく?」
「いや、帰れなくなりそうだから…」
「ふふ。そうね。その方がいいわね。」
「ああ」
「昨日は、突然部屋に押し掛けてごめんね。」
「いや…、それは構わないけど…」
「ありがとう。じゃあ、またね。連絡するから。」
「うん、また…」

そう挨拶を交わして、俺は、自分の部屋に帰った。
綾夏に『気は晴れた?』と聞かれて、俺は何も答えなかったが、
もちろん、朝から気分は爽快だった。

昨日までは、人生最悪のゴールデンウィークだと思っていたが、
僅か1日足らずで、そんなことはすっかり忘れていた。

こうして、俺にとって長かった大型連休は、漸く終わりを迎えた。


[161] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/01/20 (土) 06:31 ID:CJcMyuwQ No.188660
洋祐さん、
更新ありがとうございます。
綾夏さんは洋祐さんに好きだ!って言って
ほしいんでしょうね。
Bと別れて俺と付き合ってほしいと言ってほしいんでしょう。


[162] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/22 (月) 01:01 ID:p0yE1hK. No.188720

ジーンさん、レスありがとうございます。



ゴールデンウィークが終わった後は、直ぐに日常に戻った。
俺と綾夏の関係で言えば、水曜に綾夏が俺の部屋に泊まりに来て、
金曜に俺が綾夏の部屋に泊まりに行くということに変わりはない。
ただ、それを毎週繰り返すだけで、それ以外のことに全く変化はない。

もちろん、俺は毎週2回、綾夏に逢い、
肌を合わせられることで十分満足だった。
今は、それ以上のことを望むべくもない。

一方、綾夏とBの関係が旅行後にどうなったのかは、俺にはわからない。
ただ、綾夏に刻まれたBのマーキングの跡から、
二人は、旅行後も、週末にセックスしていることは確かなので、
多分、良好な関係を保っているのだろう。


6月の中旬ごろ、サークルの同期のGKから、結婚式の招待状が届いた。
今年の2月に、同期のTTからGKの結婚の話しを聞いて以来、
そのことは綾夏には黙ったままだ。

だが、これ以上黙ったままだと、逆に不自然なような気がした。
それで、招待状が届いてから一週間程経った頃、
綾夏の部屋で、二人で酒を飲んでいるときに、
GKが結婚することを彼女に話した。

「まさかGKがこんなに早く結婚するなんて、思ってもみなかったわ。」

話しを聞いた綾夏も、当然びっくりしていた。
綾夏の口調からすると、ひょっとしたら、『私より早く結婚するなんて…』、
と思ったのかもしれない。

二人で暫くGKのことを話した後、
話題は、その他のサークルの同期のことに移っていった。

「男子の中で、他に結婚が決まっている人はいるの?」
「いや、GK以外はまだ誰もいない。」
「そうだよね。皆まだ24・5歳だものね。」
「女子はどうなの?」
「〇〇と〇〇は、卒業以来会っていないからわからないけど、
 その他は、私が知っている限りでは、結婚した人も決まった人もいないわ。」

綾夏が名前を挙げた二人は、確かそれぞれの地元で就職した女子だ。

「ただ、由美とは暫く会っていないから、今はどうなのかはわからないわ。」

綾夏の口から由美の名前が出て、俺は一瞬ドキッとした。

「由美は、去年退職して、今は実家を離れて〇〇県で働いているから、
 転職してからは一度も会っていないの。」

〇〇県は、俺たちが住んでいる県の先隣の県だった。
図らずも、由美の現況を少しだけ知ることができた嬉しさと、
少し遠くに行ってしまったという寂しさが混ざり合った、
そんな複雑な感情が沸いた。

「でも、由美は、まだ結婚とかはないんじゃないかな。」
「えっ、どうして?」
「実は、由美は、卒業してすぐにWK先輩と別れたんだけど、
 そのとき、当分、彼氏とかはいらないって言っていたし…」
「・・・・・・」
「1年ぐらい前に由美と会ったとき、今度付き合うとしたら、
 本当に好きな人と付き合いたいから、そういう人が現れるまで、
 焦らずゆっくり待とうと思っているって言っていたわ。」
「・・・・・・」
「これは私の勝手な想像なんだけど…、
 由美はWK先輩のことをそれ程好きではなかったんじゃないかな。」
「・・・・・・」
「何となくだけど、当時からそんな気がしていたの。
 ひょっとしたら、由美は他に好きな人がいたのかもしれない。
 もしもそうだったら、言ってくれれば応援したのにね。」

酒のせいなのか、綾夏の話しのせいなのか、
俺は、自分の脈がどんどん上がっていくのがわかった。
まさか綾夏は、俺と由美のことを知っているのではないか、
知っていてそう言っているのだろうか、とさえ感じた。
もちろん、由美が俺とのことを他人に話すとは思えないが…

このまま由美の話しを続けるのは、不味いような気がした。
もしも綾夏に『由美のことはどう思っていたの?』などと聞かれたら、
しどろもどろになり、何も答えられそうにない。
俺は、何とか由美のことから話題を逸らそうと、考えを巡らせた。

「女子の中で、結婚が決まってはいないけど、結婚しそうな人はいる?」
「うーん、可能性があるとしたら…、R恵かなぁ。」

R恵は、小柄だが胸が大きく、特に先輩達から人気があった女子だ。
俺の印象としては、男子、女子関係なく、良く喋る、そんな娘だった。
ただ、何と言うか、俺たちが在学中は、彼氏がころころ変わり、
サークル内の情報に疎かった俺は、今彼が誰なのか分からないこともあるほどだった。

R恵と付き合った男子は、俺が知っているだけでも、先輩が二人、
他大の上級生が二人、そして、4年生のときには、何と1年男子と付き合っていたはずだ。
そのときには、同期の男子達は、R恵は遂に若いつばめを囲ったか、と揶揄していた。

少し酷い言われようだが、言い換えれば、
R恵は、それだけ男子からモテたということだろう。
確かに彼女の胸は、男子にとって魅力的ではある。
直接聞いたわけではないが、R恵と付き合っていた先輩が、
彼女の胸はでかくて真ん丸でびっくりしたと、周囲に自慢していたらしい。

そんなR恵だが、俺とは全くの無縁だったと言っていい。
誰とでもよく喋るR恵だったが、俺自身は、彼女と話した記憶がない。
ただ、俺は、R恵に限らず、サークル内では、
由美以外の女子と話した記憶が殆ど無いので、R恵が特別というわけではないが…

「R恵は、1年半ぐらい前からかな…、彼氏と同棲しているの。」
「えっ、そうなんだ。」
「彼女は直ぐにでも結婚したいと思っているらしいけど、
 彼氏の方がね…、中々そんな雰囲気にならないみたい。」
「・・・・・・」
「だから、結婚するなら出来婚しかないって思って、
 最近は、避妊してないんだって。」
「・・・・・・」
「彼氏の方は、不審に思うどころか、結構喜んでいるみたいで…、
 順調順調って言っていたわ。」
「・・・・・・」
「女って、本当に怖いよね…。
 でも、避妊せずに済んで喜ぶ男の方も、ちょっとね…」

綾夏はそう言って、笑みを浮べながら俺の顔を覗き込んだ。
その目は、洋祐はどうなの?と言っているように思える。
俺には、返す言葉が見当たらなかった。
避妊せずに済んで喜んでいるのは、俺も同じだからだ。


この日は、綾夏の生理が近い日だった。
いつもなら、何の躊躇もなく、避妊せずにセックスするはずだ。
だが、先ほど綾夏から、避妊について釘を刺されたような気もしたので、
今日はどうしたものかと、俺は迷っていた。

避妊せずに済んで喜ぶ男も…と言われて、生でするのは気が引けるし、
そうかと言って、今更ゴムを使うのも、取ってつけたようで躊躇ってしまう。

だが、綾夏は、そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、
自らそのままの俺の股間に跨り、騎乗位で腰を振り始める。
その後は、結局、いつも通り、正常位で綾夏の中に射精した。


「GKが結婚かぁ…」

終わった後、綾夏が独り言のように呟いた。

「TTだったら、しっかりしているし、あまり驚きはなかったと思うけど…」
「・・・・・・」
「私は…、まだ具体的にイメージできないし、当分先のことかなぁ。」
「・・・・・・」
「でも…、出来ちゃったら、そうはいかないけど…、ね。」

綾夏はそう言いながら、俺の顔を見つめて微笑んだ。


[163] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/01/24 (水) 21:35 ID:wX0dRDrE No.188801
更新ありがとうございます!

綾夏さん、なにやら妊娠への意識も垣間見えて、しかも恋人とよりも洋祐さんとの間に望むニュアンスが滲んできてるように見えるのは作者さんの誘導なのか、はたまた事実としてそうだったのか…。
ホントにオモシロイです。
読み手側は見事にころがされてます。
ここのところの間を開けずの投稿に楽しみでしかたありません。
応援してます。

[164] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/26 (金) 23:30 ID:zuIH4SKI No.188869

まつさん、レスありがとうございます。
フラグを立てて回収するなんて技は、私にはできませんので…



7月に入ると、GKの結婚式の日のことについて、TTから連絡があった。
結婚式の日は、秋分の日を含む3連休の中日で、開始時刻は午後なので、
当日の朝にこちらを出発すれば、十分に間に合うはずだった。

だが、TTの話しでは、他の同期達から、GKは参加できないが、
俺たちで前祝いをやろうという話しが持ち上がり、
結局、前日に出発することになった、ということらしい。
まあ、前祝いというよりも、皆で会って飲もうというだけだと思うが…

元々、結婚式の日は一泊して、翌日に帰ることになっていたので、
一泊二日の予定が二泊三日になるわけだが、
俺も特に異論はないので、TTには前日から参加すると答えた。

綾夏がゴールデンウィークの旅行から帰ってきたとき、
彼女は、二人で旅行に行こうかと俺に言っていた。
だが、それ以来、二人の間で旅行の話題が出たことは一度もないまま、
7月の三連休を迎えた。

綾夏にしてみれば、俺の機嫌を取るための、その場限りの方便だったのだろう。
或いは、綾夏は、一時の感情に流されやすい性格でもあるので、
そのときは、本気でそう思っていたのかもしれない。
俺は、綾夏の言葉に多少なりとも期待をしていたが、
結局、三連休の間、綾夏は彼氏と過ごしていたようだ。

お盆休みは、綾夏の彼氏が父親の実家に帰郷するため、
綾夏の部屋と俺の部屋で、合計4泊綾夏と二人で過ごした。
これ程長い時間、綾夏と二人で過ごすのは、本当に久しぶりだった。

この年から35℃以上の日を猛暑日と呼ぶようになり、
お盆休みに入ってからは猛暑日が続いたが、
俺と綾夏は、汗だくになりながら、セックスに明け暮れた。

ただ、このときは、綾夏にとって微妙な時期でもあった。
綾夏は、俺を信用してか、ゴムを着けることまでは求めず、
俺も、あからさまに綾夏の中に射精することを控えた。

だが、何日もセックスしていると、いい加減になるのは否めない。
二日目までは、ペニスを抜いてから射精をしていたが、
それ以降は、射精が始まったと感じてから、ペニスを抜くこともあった。

また、射精した後、暑さのため怠くて、シャワーを浴びにいくのも面倒になり、
少し休んだだけで、直ぐに挿入することもあった。
実際、ペニスの先端から精液が漏れているにも関わらず、
俺は、そのまま綾夏に挿入していた。

避妊という点では、全く意味がないに等しいが、
綾夏は、気づいていないのか、特に何も言わなかったので、
俺は少し罪悪感を持ちつつも、そんな行為を続けてしまった。

幸い?にも、綾夏が妊娠することはなかった。
俺には残念な気持ちがあることはあったが、それよりも、
俺がした行為が綾夏にばれることなく、無事生理がきたことに、
正直、ほっとした気分が強かった。

だが、ばれずに済んだというのは、俺の大きな勘違いだったようだ。
8月の終わり頃、綾夏の生理後に最初に逢ったときに、綾夏から、
『あんなことするから…、もう少しずれていたら、出来ちゃってたかもね。』と、
例の小悪魔のような笑顔で言われた。

綾夏の話しでは、生理の開始が予定日より数日遅く、
周期がもう少し伸びていたら、排卵時期と重なっていたらしい。
綾夏から言われたとき、俺は顔が引き攣り、何の言葉も出なかった。
綾夏自身は、あの笑顔の裏で何を思っていたのだろうか。

早いもので、ゴールデンウィークが終わってから、すでに4カ月が経過していた。
9月に入ってから、8月のように猛暑日になることはなかったが、
30℃を超える暑い日が続くこともあった。

GKの結婚式の1週間前は、敬老の日を含む3連休だった。
幸運なことに、綾夏は、この三連休に彼氏と会う予定がなかったため、
金曜の晩から月曜まで、綾夏と二人で過ごすことになった。

金曜に綾夏の部屋に行ったとき、彼女は少し元気が無いように見えた。
だが、月曜まで綾夏と過ごせるだけでなく、綾夏の生理が近かったこともあって、
かなり有頂天になっていた俺は、大して気にも留めなかった、

それに、セックスを始めると、綾夏は、『好きにして…』、
『何をしてもいいから…』という言葉を何度も口にし、
いつもより激しいと感じるぐらいだったので、
元気がないのは、ただの気のせいだと、俺は思った。

後から思えば、それはそれで、いつもの綾夏ではなかったわけだが、
その時の俺には、そんな考えが全く及ばず、
やれることを全てやり尽くすという思いで、
俺は、綾夏とのセックスに没頭していた。

「結婚かぁ…」

日曜の夜、セックスの後に、綾夏がふっと呟いた。

「来週、GKの結婚式だよね。」
「ああ、そうだな。」
「GKの奥さんになる人、今、どんな気持ちなのかな。」
「んっ、どうして?」
「結婚しようと思うときって、どんな気持ちなのかなって思って…。」
「・・・・・・」
「もちろん、結婚への期待とか、嬉しさとかはあると思うけど、
 迷いとか、不安とか、そういう気持ちはないのかなぁ。」
「・・・・・・」
「将来結婚するつもりでいても、そのことと、実際に結婚を決意することは、
 また別でしょ。」
「GKの結婚相手は、俺たちより4歳も年上だから、
 今の俺たちとは違う考えや、感情があるかもしれないよ。」
「そっか…、4歳上ということは、29歳になるのか…」
「・・・・・・」
「私も29歳だったら…、迷うことなく踏み切れるのかなぁ。」
「えっ…、何のこと?」
「ううん、何でもない。」

綾夏は、そう言って俺に抱き着いてきた。
俺は、綾夏の言葉に疑問を持ちながらも、彼女を抱き締め、
結局、そのままセックスに突入した。


金曜から何回綾夏の中で射精したか、俺は覚えていない。
綾夏は、俺に抱き着きながら全て受け止めてくれた。
綾夏には本当に彼氏がいるのだろうかと、思うほどだった。
それとも彼氏に会えない寂しさを、俺とのセックスで埋めているのだろうか。

セックスが終わった後、さすがに綾夏も疲れたようだ。
余韻に浸った後、俺が綾夏から離れても、彼女はぼーっとしていた。

「ごめん、眠いから先に休ませてね。私が眠った後、何をしてもいいから…」

綾夏はそう言いながら目を瞑ると、直ぐに小さな寝息が聞こえ、
スヤスヤと眠りについた。
何をしてもいいと言われたが、俺も、何もする気が起こらないほど、
疲労感で一杯で、結局何もせず、綾夏の隣で眠りについた。

翌朝、綾夏と挨拶代わりのセックスをした後、一緒に風呂に入った。
昼前には、二人で食事に出かけ、食事の後に綾夏と別れ、自分の部屋に戻った。

俺にとっては、充実した3連休だったが、綾夏はどうなのだろう。
やたらとGKの結婚相手の気持ちを気にしていたが、
いよいよ綾夏も結婚を意識し始めたのかもしれない。
そう考えると、俺の心は穏やかではいられなくなる。
綾夏といつまで、こんなふうに過ごせるのだろうか…

連休後の水曜に、綾夏からメールが届いた。

『洋祐、連休中はありがとう
 生理がきたから安心してね
 それとも、残念だったかしら…、ふふふ

 GKの結婚式、楽しんできてね』

いつものようなメールの内容だが、『ありがとう』とは、どういう意味だろうか。
相変わらず、俺には綾夏の心が分からなかった。


[165] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/01/28 (日) 17:15 ID:pzIPIdBE No.188929
投稿ありがとうございます
毎回楽しみにしてます
続き待っています


[166] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/01/29 (月) 00:39 ID:wMGMZc8U No.188944

けいさん、レスありがとうございます。



敬老の日を含む三連休の後、綾夏の生理が始まったことで、
彼女に逢うことなく、9月2回目の三連休を迎えた。
GKの結婚式の前日、すなわち2回目の三連休の初日に、
俺は、TTら同期男子5人と一緒に、GKの地元へと出発した。
残りの連中とは現地で落ち合う予定だ。

大学時代、俺は、同期の連中とは、サークルの合宿を除けば、
一緒に出掛けたり、旅行したりすることは全くなかったが、
今、こうして皆と一緒に電車に乗り、他愛のない会話をしているだけで、
結構、楽しいものだなと感じた。
以前、綾夏から『二人で旅行に行こうか』と言われたが、
綾夏との旅行は、自分が考えている以上に楽しいことかもしれない。

この日の夜、GKの結婚式に参列する同期全員が集まった後、
俺たちは、GK本人が不在ながら、彼の前祝いを行った。
話しを聞くと、どうやら、俺たちの中で、GKの結婚相手に会ったことがある者も、
写真を見た者も誰もいないようだ。

一体どんな女性なのか、同期全員が興味津々で、あれこれと想像した。
ただ、俺たちが、今分かっている情報としては、
相手の女性が俺たちより4つ年上の29歳であること、
彼女の方から結婚を迫られたらしいこと、GKの人柄ぐらいしかないから、
予想と言うより、ただの当てずっぽうと言った方がいいだろう。

そんな中、同期の一人が、
『俺のイメージだと、大柄で気の強い女性のような気がするんだけど…』
と具体的な予想をすると、数名がその予想に賛同する一方、
『綾夏に纏わりついていたGKが、大柄な女性を選ぶとは思えない』
という意見もあった。

ただ、気が強い女性という点では、皆の意見が一致していた。
それは、GKが女に振り回されるようなタイプで、
GK自身が振り回されることを喜んでいるように見えたからだろう。

まあ、女に振り回されるという点では、俺も同じようなもので、
これは自分ではどうにもならない運命のようなものだろう。
女に振り回される男は、生涯女に振り回され、
女を振り回す男は、生涯女を振り回す、これが世の常だ。

GKの話題が一段落した後は、銘銘が勝手に好きなことを話し始め、
案の定、前祝いはただの飲み会と化した。
お約束通り、綾夏の話題も持ち上がった。
2月に俺たちが集まったときには、OGの連絡先が分かるOBを探し、
そこから情報を集めるということだったが、大きな進展はないようだ。

同期の一人が、俺たちの1年後輩にあたるOGと連絡を取ることができ、
そのOGは、俺たちの同期の女子の、在学中の携帯番号を知っていたが、
彼女は、卒業した後に携帯電話を変えたらしく、
その番号に掛けても既に繋がらなくなっていたようだ。

ナンバーポータビリティ制度が実施されたのは去年からで、
俺たちが大学を卒業した頃は、実施されておらず、
携帯電話会社を変えると、必然的に電話番号も変わってしまう。

そのため、久々に電話を掛けたら繋がらないということは、
よくあることではあったが、その話を聞いて同期の連中は、
皆がっくりと肩を落としていた。

GKの次に結婚するのは誰かという話題も持ち上がり、
TTやその他数名の名前が挙がったが、当の本人たちは、それはないと全員否定していた。

もちろん俺の名前が挙がるわけもなく、
逆に最後に結婚するのは誰という話題で、俺の名前が挙げられた。
自分でも、間違った予想ではないと思う。
そもそも俺が結婚できるとも思えない。

前祝いと言う名の飲み会は、数時間ほど続いたが、
明日の結婚式も、全員、披露宴と二次会に参加する予定だったので、
まだ、早い時間帯ではあったが、お開きとなった。

翌日の結婚式には、式と披露宴の両方に招待されていたが、
式場は教会で行われ、披露宴は別の会場で行われる予定だった。

式が始まる前に、米粒が入った小袋を渡されたが、
ライスシャワーという教会における結婚式の慣習など全く知らぬ俺は、
これは何に使うのだろうと疑問に思ってしまった。
結局、新郎新婦が退場する際に、周りを見ながら見様見真似で米粒を撒いたが、
俺はこのとき、ビートルズの『エリナー・リグビー』という曲を思い出した。

これは全くの蛇足と言っていい話しだが、俺の父親はビートルズのファンで、
CDも買い揃えていたので、中学生の頃、俺もビートルズの曲をよく聴いていた。
そして、ビートルズの『エリナー・リグビー』という曲の中で、
『エリナー・リグビーは、結婚式が行われた教会で米を拾う』という件があるが、
当時の俺は、その意味が全く分からず、教会で米を拾うって何だろうと疑問に思った。
それから10数年が経ったGKの結婚式で、『エリナー・リグビー』を思い出し、
その疑問が氷解したわけだ。

くだらないことで大分脱線してしまったので、話しを戻すと、この式の新婦入場の際に、
初めてGKの結婚相手を拝んだわけだが、彼女は、俺の想像とは大分違っていた。
もちろん化粧をしていたため、素顔は分かるはずもないが、
顔立ちは童顔で可愛らしく、とても29歳には見えない。
また、体型も小柄で華奢な感じだ。

ただ、新婦を連れ立って入場した父親が、途中で段取りを間違えたか忘れたらしく、
そのとき、新婦が父親の袖を何度も引っ張って、何かを促がしていた姿を見ると、
見かけによらず、しっかりした女性なんだなという印象を受けた。

教会から披露宴の会場までは、貸し切りバスで移動したが、そのバスの中では、
同期の連中も、GKの結婚相手のことを想像と全然違うと話していた。

これは、女性にとって、本当に失礼な話ではあるが、
GKの結婚相手が4つ年上の29歳で、相手から結婚を迫られたという話しを聞いて、
同期の連中は、GKはババ抜きのババを引いたように感じていたらしい。

ところが、この結婚式で新婦の顔を拝見すると、そんな考えは吹き飛んでしまったようだ。
事実、GKの結婚話しを聞いても、ある種上から目線で語っていた同期の連中も、
披露宴が終わってからは、『GKの奴、うまいことやりやがって』などと、
それまでの態度を一変させ、羨ましそうに語っていた。

披露宴が終わってから二次会に参加したが、
新郎新婦の地元での友人たちがたくさん参加していたので、
俺たちは騒ぐこともなく、静かに酒を飲んで過ごした。

二次会では、新郎新婦が結婚に至る経緯なども披露され、会場を沸かせた。
二人が交際してから半年以上が経った頃、
彼女から『どういうつもりで付き合っているの』とGKが聞かれ、
その際に、彼女が『結婚を考えていないのなら、私もそのつもりで付き合うから』
とGKに告げたらしい。

GKは、彼女の言葉を『結婚を考えてくれる男性が現れたら、いつでも乗り換えるよ』
と解釈し、思わず『1年後には結婚するつもりで付き合っている』と答えたそうだ。
ただ、彼女の方は、GKが感じたような意図はなく、結婚を考えないなら、
それを期待せずに付き合って行こうと思っていただけのようだが…

その後は、彼女から、1年後に結婚するまでの工程表のようなものを見せられた。
GKは、1年後にはプロポーズをするという意味で答えたらしいが、
嬉しそうに工程表を見せる彼女に、今更、そんなことを言えるはずもなく、
結局、彼女が作った工程表に従って今日に至ったということだった。

この経緯は、多少は話しを盛っているところもあるかもしれないが、
自ら勝手に女に振り回され、自爆?しているところは、
GKらしいと言えば、GKらしい話しだった。
彼女も、GKから1年と聞いて、直ぐに計画を立てるところを見ると、
顔に似合わず、行動力のある女性のようで、GKには相応しいと俺は思った。

こうして、GKの結婚式が終わり、翌日、俺たちは帰路に就いた。
さすがに疲れたのか、帰りの電車の中では、特に話しをすることもなく、
皆眠っていた。
俺は、GKの結婚式を見て、感化されてしまったのか、
もしも綾夏と結婚するとしたら、今住んでいる場所、俺の地元、綾夏の地元のうち、
一体どこで式を挙げればいいだろうかなどと、有りもしない空想に浸りながら、
真剣に考えていた。

皆と一緒に食事をした後、俺が自分の部屋に着いたのは、午後2時頃だった。
少しほっとしながら部屋のドアを開け、中に入った瞬間、俺はギョッとした。
俺の目の前に、綾夏が立っていたのだ。


[167] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/01/31 (水) 22:13 ID:RI.0Rebc No.189048
洋祐さん、
ありがとうございます。
綾夏ちゃんは少しでも早く洋祐さんの顔を見たかったんじゃ
ないのかなあ。
次回も楽しみです。


[168] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/02 (金) 21:10 ID:lmC20nlA No.189109

ジーンさん、レスありがとうございます。



俺は、綾夏がいるのを見て、その場で立ち尽くした。
綾夏は、俺の顔を見つめた後、俯くように下を向く。
俺は、そんな綾夏を茫然と見ていた。

何故、綾夏が俺の部屋にいるのだろうか。
一体、何が何だか、俺にはさっぱり分からない。
ただ、綾夏のうな垂れた様子を見れば、
単に俺に会いに来たわけではないことは明らかだ。

俺は漸く、部屋に上がり、綾夏に近づいた。

「どうしたの?」

俺はそう声を掛けたが、綾夏は黙ったままだ。
綾夏が俺の問い掛けに何も返事をしないなんて、
初めてのことではないだろうか。

高校時代、バスケの試合で負けた後、
いつまでもうな垂れ俯くチームメート達に、
『前を見て胸を張って帰るよ!』と檄を飛ばしたと言っていた綾夏だが、
そんな綾夏が、今は黙ったまま、ずっと俯いている。

俺は、綾夏の様子から何か容易ならざる雰囲気を感じた。
綾夏に何があったのかは、見当もつかないが、
彼女にとって余程のことがあったのだろう。

こんなとき、気の利いた言葉の一つも掛けられればいいが、
俺は、そんな言葉など持ち合わせていない。
ただ、黙って見守ることしかできなかった。

暫く黙っていた綾夏だが、漸く顔を上げた。
よく見ると、綾夏は化粧をしていない。
一体、綾夏に何があったのだろうか…
そう思っていると、綾夏が俺の顔を見ながら重い口を開いた。

「彼氏と…、彼氏と別れたの…」

綾夏は、ゆっくりとそう言って、俺に抱き着き、
俺の胸で静かに泣き始めた。

予想だにしていなかった綾夏の言葉に、
俺は心の中で『えっ』と叫んだ。
彼氏と別れたって…、一体どういうことなのか…

しかも、俺の心の中は複雑だった。
綾夏が彼氏と別れたという事実は、俺にとっては喜ばしいことだ。
だが、目の前の綾夏を見ると、そんな気持ちは少しも沸いてこない。

暫くの間、綾夏は、声を殺すように泣き続けたが、
僅かに聞こえる泣き声も次第に治まっていった。

「俺、風呂に入りたいけど、綾夏も一緒に入らないか。」

綾夏が少し落ち着くのを見計らって、彼女にそう声を掛けたが、
綾夏は何の反応も示さない。

考えてみれば、彼氏と別れて悲しんでいる女性に、
随分頓珍漢なことを言ってしまったものだ。
声を掛けるにしても、もっと良い言葉があるはずだが、
俺には、何も思い浮かばなかった。

とりあえず、綾夏をキッチンの椅子に座らせ、俺は風呂の支度を始めた。
結婚式に出発した一昨日に比べて、今日はそれほど気温が高くはなかったが、
長く湯に浸かりたいと思い、風呂の湯は温めに設定した。

風呂の支度をしながら、これからどうするか、俺は思案したが、
何も思いつかない。
俺は綾夏に何をしてあげられるだろうか。

もちろん、このまま帰すわけにもいかない。
理由はともかく、俺の部屋に来たということは、
俺に会いに来たわけだから…
今、俺にできることは、綾夏が落ち着くのを待つことぐらいしかない。

風呂の支度を終え、キッチンに戻ると、
綾夏は、ぼーっとしながら前を見つめていた。
綾夏の視線の先には、何があるのだろうか。
俺は、綾夏に声を掛けることができなかった。

風呂の用意ができると、綾夏を風呂場に連れて行ったが、
彼女はそこに立っているだけで、自ら何もしようとしなかった。
やはり、こんなときに一緒に風呂に入ろうなんて、
非常識なことなのかもしれない。

だが、俺には、今更止めるつもりはなかった。
綾夏に断られたら、そのときに考えよう。

俺は綾夏の服を脱がそうと思い、
彼女のブラウスのボタンに手を掛けると、
綾夏はそれを制し、ゆっくりと自分で服を脱ぎ始めた。

俺も服を脱ぎ、綾夏と一緒に浴室に入った。
いつものように、湯船の中で、綾夏を、背を向く姿勢で俺の前に座らせた後、
彼女を後ろから抱きしめた。
綾夏は依然として黙ったままだった。

綾夏から彼氏と別れたと聞いて、
正直なところ、俺はあまりにも唐突な印象を受けた。
一週間前の三連休に、俺は綾夏と逢っているが、
そのときは、彼氏と別れるような兆しは何も感じなかったからだ。

もちろん、綾夏は、彼氏の話しをほとんどしないので、
ひょっとして俺が全く気付かないうちに、
別れ話が持ち上げっていたとも考えられる。

だが、彼氏との関係が悪くなれば、多少なりとも態度に現れるだろうし、
ましてや、彼氏と別れ話が持ち上がっていたとすれば、
綾夏なら、きっと尋常ではいられないはずだ。

しかし、一週間前には、綾夏には、そんな様子は一切見られなかった。
そればかりか、綾夏は、GKの結婚に関して、
結婚を決意するに至った相手の女性の気持ちを想像したり、
結婚について、女性の年齢による感じ方の相違を考えたりしていたので、
綾夏も彼氏との結婚を意識するようになったのではないかと、
俺はそう思い、少し焦りを感じていたほどだった。

今の綾夏の様子を見る限り、綾夏が望んで別れたわけではなく、
彼氏から別れを告げられた可能性が高いように思える。
俺からしてみれば、綾夏を振るなんて、と思ってしまうが…

この後、俺はどう振舞ったらいいのだろうか。
綾夏に優しく接していれば、ひょっとして…
俺は、邪なことを考え始めていた。

・・・孤独な人につけこむようなことは・・・

何故か、中島みゆきの『空と君の間に』のフレーズが頭に浮かんだが、
そもそも、俺が綾夏に言い寄ることなど到底無理な話だし、
こんな状況なら、尚更だ。
結局、俺は綾夏に寄り添ってやることしかできない。

「ごめんね…、帰ってきたばかりなのに、迷惑かけて…」

やっと綾夏が話しをしてくれた。
綾夏の表情は見えないが、綾夏の口振りから、
彼女の気持ちが落ち着いているのが分かった。

「一人でいると、何か凄く辛くて…」
「・・・・・・」
「でも…、こんなとき、頼れるのは洋祐しかいないから…
 洋祐が留守ってわかっていても、ここに来ちゃった。」
「別に、迷惑だなんて思っていないよ。」
「びっくりしちゃうよね。
 突然、部屋に来て、彼氏と別れたとか言われたら…」
「・・・・・・」
「だから…、ちゃんと話すね。」

綾夏はそう言って、話しを始めた。


[169] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/03 (土) 22:03 ID:KkpbNOkE No.189140
投稿ありがとうございます
綾夏さんの発言気になりますね


[170] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/05 (月) 00:06 ID:G8eMu3Do No.189168

けいさん、レスありがとうございます。



9月の始めに、Bから、支店への異動の内示を受けたことを告げられた。
支店とは言っても、転勤先の支店は本社に次ぐ規模で、
その支店でのポストを考慮すると、栄転と考えられることから、
Bは直ぐに承諾したということだった。

そのとき、Bが言うには、
転勤となれば、今までのように綾夏に会うことはできないし、
あくまでも予想だが、10年ぐらいは本社に戻ることもないだろう。
自分としては、正直、遠距離恋愛を続けていく自信がないから、
この際、綾夏も一緒に付いてきて欲しい。
もちろん、綾夏にも仕事の都合もあるだろうから、
直ぐに付いて来てくれとは言わない。
ただ、遅くとも来年の春ごろまでには、転勤先に来て欲しい。
とのことだった。

このような話しを、Bから異動の内示と共に伝えられて、
私(綾夏)は、これを事実上のプロポーズと受け止めた。
Bからプロポーズを受けたことについては、素直に嬉しかった。

しかし、これまで、結婚については、漠然とは考えてはいたが、
具体的なことについては、全く考えたことがなかったし、
Bとの間で、結婚に関する話しをしたこともなかった。
そんなこともあり、私は、突然の結婚話に、凄く戸惑い、
その場で返事することはできなかった。

それから、結婚について、自分でもよく考えてみた。
もちろん、Bとの結婚への期待があるが、その一方で、
結婚への迷いや、生活ついての不安も感じた。

一週間が過ぎ、結論が出ぬままBに会ったとき、
Bから返事を求められたが、何も答えることができなかった。

私は、遠距離にはなるけど、休日には私から会いに行くから、
このまま続けられないかと、Bに頼んでみたが、
Bから難しいと言われ、私の頼みは受け入れられなかった。

そして、Bからは、このまま綾夏から返事がなければ、
綾夏に会っていても不安を感じるし、素直に楽しむこともできないから、
この次は、返事が決まったら会うことにしよう、
返事が決まったら連絡してくれ、と言われた。
また、返事は転勤する前までにして欲しいとも言われた。

それから、私は、毎日のように悩み続けたが、
一向に結論を出すことができず、また、一週間が過ぎてしまった。

私の返事が決まらなければ、Bに会うことはできないので、
三連休は、洋祐と過ごすことに決めた。

正直なところ、毎日悩んで、精神的にかなり疲れていたので、
三連休の間だけでも、何も考えるのは止そうと思っていた。
ただ、三連休を洋祐と一緒に過ごす中で、
もしも、このままBのプロポーズを受け入れたとしたら、
もう洋祐と会うこともできないことに、ふと気がついた。

他人からみれば、今の洋祐との関係は、きっとふしだらと思われるだろう。
また、結婚する前であろうと、結婚した後であろうと、
ふしだらな関係には違いないと思われるかもしれない。

しかし、結婚する前であれば、誰と付き合おうと自由だけど、
結婚は、これからはお互いにこの人だけと決めてするものであり、
結婚した後の他人との行為は、法律上の不法行為でもあるから、
結婚前と結婚後では、私は全く違うと思う。
だから、プロポーズを受け入れるからには、けじめはつけなければいけない。

仕事を捨て、今住んでいる環境を捨て、更に、洋祐と会うことも捨ててでも、
今、Bと結婚するのが、自分にとっていいことなのだろうか。

そして、もうひとつ、大事なことがあることを思い出した。
私は、この人の子どもを産みたいと思っているのかどうか。
そう考えたとき、私は産みたいとは、どうしても思うことができず、
その瞬間、自分の気持ちは固まったと感じた。

それから数日間、自分で自分の気持ちを整理し、再度確認した後、
昨日、Bに会い、今、一緒に行くことはできないことと、
遠距離恋愛についてもう一度考えて欲しいことを伝えた。

しかし、Bからは、「とても残念だ」と言われ、
その後、別れを告げられた。


細かい話しまでは覚えていないが、
以上が、綾夏が俺に話してくれた大凡の内容だ。

俺が気づかぬうちに、綾夏の身にこんなことが起こっていたとは、
正直、俺はびっくりした。
それと同時に、一つ間違えれば、綾夏とは二度と逢えなくなっていたので、
そのことを考えると、俺は安堵した気分にもなった。

かなり大雑把に綾夏の話しをまとめると、
綾夏は、Bから、結婚するか、それとも別れるかの選択を迫られたが、
結婚という選択には、踏み切ることができなかったということだろうか。

綾夏には、Bを人生の伴侶として選んでよいかという迷いもあっただろうが、
仕事を辞め、身内や友人もいない見知らぬ土地で生活する不安も、
綾夏にとってはとても大きかったに違いない。

俺が綾夏の立場だったら、突然見知らぬ土地で暮らすというだけで、
絶対に無理な話だと思ってしまうが、
問題は、そんな不安を払拭する何かを、相手に感じるかどうかだ。
綾夏にとって、それが相手の子どもを産みたいと思うかどうかなのだろう。

このときは、綾夏はB自身のことについては、何も語らなかったが、
後年、綾夏から聞いた話しによれば、Bは何でも自分で決め、
それに従って進んで行くタイプの男性のようだ。

綾夏も、初めはそんなBに惹かれていたようだが、
自分に何の相談もせずに物事を決めてしまうBの態度に、
少なからず不安を感じることもあったらしい。
実際、ゴールデンウィークの旅行のことも、綾夏に何も相談せずに、
一人で決めてしまった、と綾夏は言っていた。

ただ、綾夏は、プロポーズは嬉しかったと言っていたので、
Bとの結婚の意思が全くなかった、というわけではないだろう。
だが、それを決意するには時期尚早で、今は、不安を払拭する何かも、
Bに対して感じることができなかったということだと思う。

ひょっとしたら、綾夏にとって、プロポーズを受けるか受けないかは、
紙一重のことだったのかもしれない。
そう考えると、結果的にプロポーズを断ったのは綾夏の方だが、
Bから別れを告げられたことは、綾夏にはとても辛いことであっただろう。

綾夏は、先週の三連休中に、断る気持ちを固めたと言っていた。
先週の三連休と言えば、綾夏がGKの結婚相手の気持ちを随分気にしていたが、
今なら、それも合点がいく。

その際、綾夏は、29歳だったら踏み切れるのかなと言っていたが、
もうそのときは、綾夏の気持ちが固まっていたのだろうか。

綾夏から話しを聞いて、俺はどのように慰めたらいいのか、
掛ける言葉も見つけられずにいた。
『俺がいるから元気出せよ』なんて臭い言葉は、冗談でも言えない。


綾夏は、話しを終えて暫くすると、自分の身体を俺の方に向け、
両手を俺の首に回した。

「ねえ、入れて…」

綾夏は自分の顔を俺の顔に近づけながら、そう言った。
綾夏の顔を間近で見ると、
俺の頭には再び『空と君の間に』のフレーズが浮かんだ。

だが、考えてみれば、俺と綾夏は、ほぼセックスだけの関係だ。
そんな関係でしかない俺に、綾夏が会いに来たということは、
彼女が求めることは一つしかない。

俺も綾夏にしてあげられることは一つしかなかった。


[171] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/02/06 (火) 00:02 ID:XHh8YhzM No.189198
更新ありがとうございます。
ここ3回ほどの投稿でだいぶ動きましたね。
どのように展開するのかがわからず、思わず息を飲んで静観してしまいました。
綾夏さんの結婚や妊娠への意識はそういう事だったんですね。
納得です。聞いてみないとわからないもんです。

でも洋祐さんとの子供に関しては嫌そうではないと感じてもいます。
どうなっていくのか…気が気でないです。
楽しみにしています。

[172] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/02/09 (金) 06:37 ID:eVuW7BZ6 No.189272
今現在に続くお2人の関係がより一層興味深くなってきています。

[173] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/09 (金) 22:48 ID:2RUX0nCA No.189286

まつさん、ジーンさん、レスありがとうございます。



俺は綾夏と一緒に立ち上がり、彼女の股間を弄った。
すると、綾夏の膣の中は、見る見るうちに濡れていった。

俺は綾夏の片脚を持ち上げ、ゆっくりとペニスを挿入すると、
綾夏から「あぁぁっ…」という声が漏れた。
俺は、綾夏を抱えながら、ゆっくりと腰を落とした。

暫くすると、綾夏は俺の肩に手を掛け、上下に身体を動かし始めた。
俺は左腕を綾夏の右脇から背中に回して彼女の身体を支えながら、
右手で綾夏の左胸を掴んで揉みほぐす。
綾夏の動きは徐々に激しくなっていった。

「あぁっ……、あぁっ……、あぁっ…、あぁっ…」

綾夏から喘ぎ声が漏れ始め、その声は次第に大きくなっていく。
綾夏の動きに合せて、湯船の水面がザブンザブンと波立ち、
浴槽から湯が零れ落ちていた。

「あぁぁぁぁ……」

綾夏はそう叫ぶと、脱力して俺にもたれ掛かった。
俺は、右手で綾夏の右胸を揉みながら、左腕で抱き寄せた。

「はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー」

綾夏は顔を俺の肩に乗せ、荒く呼吸をしている。
暫くして綾夏の呼吸が整うと、
俺は彼女の口を塞ぐようにキスをした。

「彼氏と別れて、直ぐに洋祐とこんなことするなんて…
 やっぱり、私、おかしいよね。」

長いキスの後、綾夏がそう呟いた。
俺の勃起したペニスは、綾夏の膣に突き刺さったままだ。

「でも…、ふしだらと思われても、淫乱と思われても…、
 それでいいから…、だから…」

綾夏はそう言って、再び上下に身体を動かし始めると、
激しく喘ぎ声を上げていた。
湯船の水面も再びザブンザブンと波立っていたが、
すでに湯の量が大分減っていたので、
浴槽から湯が零れ落ちることはなかった。

俺は、綾夏の背中に両腕を回し、
彼女の動きを補助するように、両腕を上下に動かした。
さすがに射精することはないが、
綾夏の動きで、俺のペニスも強烈に勃起していた。

「あぁぁぁぁ……」

綾夏は再びそう叫ぶと、そのままぐったりと脱力した。
湯気のせいなのか、汗のせいなのか、
綾夏の顔は、びっしょりと濡れ、
その雫が額から頬へ、頬から顎へと滴り落ちている。
その表情は、言い表せない色気を漂わせていた。

「はぁー、私だけ…、はぁー、先にいっちゃって…、はぁー、ごめんね…」

綾夏は息を切らせながらそう言うと、膣をきゅっと締めた。
そして、やや上を向きながら、目を固く閉じると、
膣を締めたり緩めたりを繰り返していた。

「あぁっ…、後で…、後で、好きにしていいから…
 もう少し…、もう少し、このままで…」

綾夏が喘ぐようにそう言うと、
俺は再び綾夏にキスをし、互いに舌を絡め合った。

二人で湯船から上がると、お互いの身体と髪を洗い合った。
身体を洗い終え、俺が浴槽の縁に座ると、綾夏は俺のペニスを銜えた。
これまで、綾夏にどう対応したよいかで頭が一杯だった俺だが、
ここにきて、漸く落ち着きを取り戻した。

綾夏が彼氏と別れたということは、今、俺は綾夏の身体を独占できるものだ。
今、他の男が、この綾夏の身体を見ることも触れることもなく、
こうして、ペニスを銜える綾夏の姿を、他の男が目にすることもないのだ。
もちろん、綾夏が他の男とセックスすることもなければ、
あのときの表情を他の男に見せることもない。

今頃になって、そんな思いが俺に沸々と湧き上がった。
俺は、綾夏を立たせた後、壁に両手を突かせ、
彼女の背後からペニスを膣に挿入した。
もちろん、綾夏は何の抵抗もしない。
俺は、綾夏の両胸を鷲掴みにして、突き上げるように腰を動かした。

「あぅぅっ…、あぅぅっ…、あぅぅっ…」

直ぐに、綾夏から喘ぎ声が漏れ始める。
その声を聞いて、俺は激しく腰を動かした。
綾夏の胸を掴む手にも自然と力が入り、
彼女の両胸は、左右に拡がるように大きく変形していた。

暫くすると、綾夏は「あぁぁぁっ」と言いながら、
がっくりと腰を落とした。
俺は、綾夏の両胸を掴んだまま、彼女を抱き起した。
そして、シャワーで綾夏の身体を軽く洗い流すと、二人で浴室を出た。

風呂から上がったときには、すでに午後4時半を回っていた。
少しは元気を取り戻したかのように見えた綾夏だが、
相変わらず口数が少なく、いつもの綾夏からは程遠い。

聞けば、綾夏は、朝から真面に食事をしていないようなので、
気分転換を兼ねて、二人で買い物に出かけ、
夕食のおかずや、酒を買って帰った。

綾夏の気持ちを考えれば、不謹慎この上ないが、
二人で買い物をしているとき、綾夏と新婚生活を送っているような、
そんな幸せな気分に、俺は浸っていた。

買物を終えて部屋に戻ると、俺は御飯を焚き、
綾夏と二人で、キッチンで酒を飲みながら食事を始めた。
初めは口が重かった綾夏だったが、酒が進むにつれて、
ぽつりぽつりと話しを始めた。

綾夏が最初に話したことは、プロポーズを断ったことだった。

結果的に、Bからのプロポーズを断った形になったが、
それが良かったのかどうかは、今はまだ分からない。
ただ、仕事を辞めず、この地を離れずに済んだことは、
今はそれで良かったと思える。
だけど、これは、今回だけの問題ではないとも思う。

結婚しても、仕事を辞めずに働き続けたいと思っていたけど、
もしも、結婚したいと思っている彼氏が、異動で遠方に赴任したら、
私はどうすればよいのだろうか。

私が仕事を辞めればよいのか、
彼氏が転勤を断る、或いは仕事を辞めればよいのか、
遠距離恋愛を続けながら、彼氏が戻るまで待てばよいのか、
初めから別居することを覚悟して、結婚すればよいのか、
それとも、諦めて彼氏と別れてしまえばよいのか…

総合職だけでなく、私のようなエリア職や、一般職で働く女性でも、
結婚しても仕事を辞めたくないと考えている人は少なくないと思うが、
そんなとき、どんな判断を下すのか、皆の意見を聞いてみたい。


綾夏は、そのようなことを途切れ途切れに話した。
綾夏の話しを聞く限りでは、彼氏と別れたこと自体が、
最もショックが大きいことであったとは思うが、
それだけでなく、彼氏と別れるきっかけとなった出来事についても、
大きなショックを受けていたようだ。


[174] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/11 (日) 21:42 ID:en37LtfY No.189336
続き読みたいです

[175] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/02/12 (月) 11:18 ID:G1wmjwBM No.189352
出来事、気になります。

[176] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/14 (水) 00:35 ID:rZtjLSjg No.189396

けいさん、ジーンさん、レスありがとうございます。



綾夏が次に話し始めたことは、会社でのことだった。

Bは、仕事のできるエリート社員で、容姿も良いということもあって、
私(綾夏)が入社する前から、一部の社員の間では有名で、
また、女性社員にはそれなりに人気があったらしい。

そんなBと私が付き合うようになってからは、
二人の関係が、今後どうなっていくのか周りから注目され、
この一年、私が知らない間に、有らぬ噂も立てられていたようだ。

実際に、今年のゴールデンウィークの旅行のことも、何故か皆に知られていて、
旅行後も、旅行に纏わるデマが私の耳にも入ってきた。

そんな中、Bの人事異動の辞令がすでに発表され、
私は今後どうするのか、皆興味津々のようだった。
Bに、私をどうするのか尋ねる人もいるだろうが、
私にも、「あなたはどうするの?」と実際に聞かれることもあった。

そんなとき、これまでは「突然のことで、まだ何も」と答えていた。
だが、昨日、Bと別れたことで、Bが自発的に言うとは思わないが、
周りから聞かれれば、そう答えるだろう。
そうなれば、明日以降、そのことが社内で広まるに違いない。

そして、また、有らぬ噂やデマが流されるかもしれない。
それを考えると、明日から会社に行くのに気が重い。

綾夏は、そんな話しをした後、更に話しを続けた。
大分、饒舌になってきたようだ。

「社内恋愛で良かったこともあるの。
 身近にいれば、お互い安心するし、仕事や悩みも相談できるし…」
「・・・・・・」
「噂やデマも、付き合っているときは、それ程気にもしていなかったけど、
 別れたときのことなんか、あまり考えてもいなかったな。」
「・・・・・・」
「私の場合、彼が転勤で、来月から顔を合わせることはないから、
 まだ、マシな方だとは思うけど…」
「・・・・・・」
「でも、それを考えると、同じ会社の人とは…、もういいかな。」

綾夏はそう言って、少し溜息をついた。
綾夏にとって、社内の噂は、余程煩わしかったのだろうか。
結婚まで辿り着ければ、煩わしさも笑い話になるのかもしれないが…

「洋祐が働いているところは、社内恋愛とかは?」
「俺の勤務先は工場だから…、そもそも女性社員があまりいない。
 本社とかは、わからないけど…」
「そうなんだ。でも、少しは女性がいるんでしょ。」
「製造部がいくつかあって、そこが一番社員の数が多いんだけど、
 現場は正社員の女性がゼロで、パートのおばさんがいるだけだし、
 それぞれの業務課に数人いるだけだよ。
 技術部も女性は各課に数人しかいないし…
 あとは、総務課も女性は数人だったかな。」

俺は、工場内の女性社員のことなど、ほとんど気にしたことがなかったので、
正直、具体的な人数までは把握していない。

「洋祐は女性社員と話すことはあるの?」
「同じ課の人とは話すけど、それ以外はほとんど話したことはないな。
 同じ技術部の他の課の人とは、挨拶ぐらいはするけど、
 仕事で話すこともほとんどないし…」
「業務課や総務課の女性とは?」
「業務とは、そもそも接点がないし、誰がどこの業務に配属なのかもわからない。
 総務は、出張の旅費を精算するときに、行くだけだから…」
「ふーん、なるほど…、洋祐に彼女ができないわけだ。」
「は?、別に、そんなこと関係ないだろ。
 そもそも、女性社員をそういう目で見たこともないし…」
「そんなんじゃ…」
「ん?」
「そんなんじゃ、いつまで経っても、彼女なんかできないわよ。
 洋祐のことは、まだ私が面倒をみないといけないじゃない。」

綾夏は可笑しそうにそう言うと、俺の顔を覗き込んだ。

「ねぇ、しよ。お風呂で言ったように、好きにしていいから…」

俺は、綾夏を隣の部屋に連れて行き、二人で布団を敷いた後、
互いの服を脱がせ合い、二人で布団の上に倒れ込んだ。


長い長いセックスが終わり、二人で余韻に浸っていた。
風呂場での行為があったせいか、何時にも増して勢いのある射精だった。
何度も続く脈動を感じてか、綾夏も「凄い」と漏らしていた。

特に普段と変わったことをしたわけではない。
ただ、俺は、心の中で「俺の女になれ」と何度も何度も叫びながら、
綾夏を抱き締め、腰を動かしていた。
綾夏も、喘ぎ方がいつもより激しいような気がした。

「ビクン、ビクンって、今日は凄かったね。」
「・・・・・・」
「いつもそうなんだけど、私の中でビクンって動くたびに、
 ああ、洋祐の精子が私の子宮に入っていくって、そう感じているの。」
「・・・・・・」
「今日は、たくさん入ったんだろうね。ふふふ。」

相変わらず、綾夏は怖いことをサラッと言う。

「ねえ、今日、泊っていってもいい?」
「いいけど…、明日は仕事だろ。」
「明日は、休もうかなと思って…」
「・・・・・・」
「洋祐は、仕事に行っていいよ。私、見送ってあげる。」
「綾夏が休むなら、俺も休もうかな。」
「無理しなくていいよ。」
「いや、今は、仕事も比較的落ち着いているし、
 それに、今年はほとんど有休使っていないから…」

実際、今年度に入ってから、奨励日を除けば、有休を使っていない。
労使間の協議で、有休取得率の目標が掲げられたこともあって、
上司からも、仕事を調整して有休を取るように言われていた。

この後、二人でシャワーを浴びてから、もう一度セックスした後、
そのまま眠りについた。


[177] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/02/14 (水) 06:37 ID:P01QI5WM No.189398
綾夏ちゃんは気持ちも身体も彼に捧げていたのですね。
ただ、身体の相性は洋祐さんの方が良いはずだし、気持ちも洋祐さんがはっきりと
表明すればきっと綾夏ちゃんは待っているのではと思います。
さあその頃の洋祐さんにそれをやれる勇気はあったのでしょうか?
気になります。


[178] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/16 (金) 20:43 ID:MTyunZKw No.189440

ジーンさん、レスありがとうございます。



翌朝、俺と綾夏は、勤め先に連絡してから、二人でシャワーを浴びた後、
再び布団の中に潜り込んだ。
二人の間に会話はなく、少し気怠さを感じながら、互いの身体を愛撫し合い、
暫くして、俺は、身体の向きを変え、シックスナインを始めた。

綾夏の股間を眺めると、今はもう、Bとのセックスの痕跡は全くない。
俺は、ペニスに絡みつく綾夏の舌を感じながら、
綾夏のクリトリスや陰唇を執拗にしゃぶっていた。

シックスナインを終えると、俺は身体の向きを戻し、
再び互いの身体を愛撫し合った後、
どちらともなく、セックスへと移行した。

このときも、普段と変わったことをしたわけではないが、
昨日とは違い、静かなセックスだった。
俺は、綾夏に正常位で挿入したまま、腰を動かすこともなく、
彼女の上半身を、手や唇で愛撫した。

綾夏は、俺の背中に両腕を回したり、両腕を左右に拡げたり、
身体を捩ったりはしていたが、激しく動くことはなく、
また、ときおり「はぁぁ…」という声を漏らすものの、
大きな喘ぎ声を出すこともなかった。

綾夏の身体を堪能するには、やはり静かなセックスの方がいい。
カーテンも全開で、窓から陽が差す明るい部屋の中、
綾夏の裸体を間近でじっくり見ながら、彼女の身体を愛撫していく。

すでに25歳になった綾夏だが、その身体は相変わらず白くて綺麗だった。
綾夏の身体を間近で見ながら、この身体が今は自分だけのものだと思うと、
俺は、思わず身震いしてしまった。

愛撫を終えると、俺は綾夏に唇を合わせて舌を入れる。
お互いに舌を絡め合って静かにキスをしながら、
ゆっくりと腰を動かし始めた。

暫くキスを続けた後、再び綾夏の身体を愛撫し始める。
そんなことを何度も繰り返した。
そして、最後は、互いに抱きしめ合いながら、腰の動きを速め、
綾夏の中に射精した。

「すごく…、すごく気持ちよかった。」

余韻に浸った後、下半身が繋がったまま、綾夏がそう呟いた。

「激しいのも嫌いじゃないけど、
 こういうのは、終わった後も、気持ちよさがずっと続くから…」

綾夏はそう言って、ニコっと笑い、俺に抱き着いた。

「こういうの、またしてくれる?」

綾夏は、俺の耳元で甘えるように言った。
こういう静かなセックスは、時間が掛かるため、
綾夏がBと付き合い始めてからは、ほとんどすることがなかった。

「これからは、土曜はゆっくりしていってもいいんだろ。」
「うん。」
「それなら、大丈夫かな。」
「ありがとう。」

綾夏は、俺に抱き着く両腕に力を入れる。
そして、俺たちは長いキスをした。

気が付くと、すでに昼を過ぎていた。
二人でシャワーを浴びた後、ファミレスに食事に出かけた。

「もう、噂になっているのかなぁ…」

食事を終えた後、綾夏がふと呟いた。

「噂って、彼氏と別れたことの?」
「うん。」
「周りから何か言われたり、聞かれたりするの?」
「私に直接はないと思うけど…
 好奇な目で見られたり、変に気を使われたりはするかもね。」
「・・・・・・」
「それに、尾ひれ背ひれがついて、事実と関係ない話しになっているとか…」
「・・・・・・」
「以前、社内で付き合っていた人が別れたときも、そんな感じだった…」

綾夏の表情が暗くなっていた。

「明日もできれば出勤したくないなぁ…
 でも、休むわけにもいかないけど。」
「・・・・・・」
「ねえ、明日はちゃんと出勤するつもりだけど…、
 今日も洋祐の部屋に泊まってもいい?」
「えっ、ああ、別に俺はいいけど…、
 でも、今日はこれからスイミングに行くんだろ?」
「今日は休むつもりだから…。
 スイミングと同じぐらい体力使えば、同じでしょ。ふふ。」
「・・・・・・」
「じゃあ、明日の準備をしてくるから、この後、自分の部屋に戻るね。」

二人でファミレスを出た後、綾夏は一旦自分の部屋に帰り、
俺は、少し散歩してから自分の部屋に帰った。
綾夏が戻るのは夕方ごろかなと思っていたが、
午後3時頃には、綾夏が大きなボストンバッグを持ってやって来た。

「歩いて来ると、結構重かった。」
「随分、早かったね。」
「一人でいると、嫌なことばかり考えちゃうから…」
「そのバッグは?」
「私の着替え。」
「えっ、そんなにたくさん?」
「毎回、持って行ったり持って帰ったりするのは面倒でしょ。
 だから、何着か洋祐の部屋に置いといてもらおうと思って。」
「何でいきなりそんなことを…」
「せっかく合鍵を貰って、私のセカンドハウスになったのはいいけど、
 今まで彼氏がいたから、さすがに服を置いておくのは気が引けていたのよ。
 だけど、もう、そんなことは考えなくてよくなったから…」
「・・・・・・」
「もう少し置いときたい服があるから、またいつか持ってくるね。」
「着替え終えた下着とかは、持って帰るのか?」
「ううん、下着も何枚か持ってきたから…、着替え終えた下着は、
 洋祐が洗濯するときに、一緒にしてもらえれば助かるんだけど…
 それまでは、洗濯機に入れておいてくれればいいよ。」
「・・・・・・」
「そんな困った顔をしないでよ。」
「別に困ってなんかは…」
「厚かましくてごめんね。でも、そうしてもらえると本当に助かるから。
 それに、洋祐の服も、私の部屋に置いといていいから、ね。」

結局、綾夏に強引に押し切られ、彼女の服を俺の部屋に置いておくことになった。

それからは、綾夏から誘われてセックスし、
綾夏が夕食を作ってくれるというので、二人で買い物に行った。
夕食を終えてから、二人で風呂に入った後、
少し酒を飲んでから、二人で布団に入った。

「明日は水曜だから、また泊まりにきてもいいでしょ。」

今日3回目のセックスを終えた後、綾夏が尋ねてきた。

「別に構わないけど…」
「じゃあ、明日も夕食を作って待っているね。」

綾夏は、俺の前では明るく振舞ってはいるが、
まだショックはあるだろし、不安もあるのだろう。
俺にできることは、綾夏が一緒にいたいと言うのであれば、
一緒にいてあげることだけだ。

それから、二人でシャワー浴びて、眠りについた。


[179] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/17 (土) 12:05 ID:l6pW5uzo No.189447
続きが気になります。

[180] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/18 (日) 22:53 ID:42oyzh5s No.189487

けいさん、レスありがとうございます。



翌朝、綾夏と一緒に部屋を出て、それぞれ勤め先に向かった。
綾夏が会社で噂が流れることを気にしていたので、
俺は、仕事をしていても、気が気ではなかった。
綾夏が噂で傷つくようなことがなければいいが…

俺は定時後に、凡その帰宅時刻を綾夏にメールで知らせてから、
大急ぎで帰宅の途に就いた。

「お帰りなさい。夕飯の支度、出来ているわよ。」

俺が部屋に入ると、綾夏は笑みを浮べて迎えてくれた。
俺は、綾夏の顔をじっと見つめたが、
彼女には、暗い表情は見られず、
とりあえず、俺は安心した。

会社で噂は流れていなかったのか、或いは、
噂は流れていたが、気にする程のことではなかったのだろうか。
もちろん、わざと明るく振舞っている可能性がないわけではないが…

こうして、綾夏と二人で食事をしていると、
俺は、綾夏と新婚生活を送っているような気分になった。
もしも俺が綾夏と結婚することができれば、
きっと毎日、こんな気分を味わえるのだろう。

綾夏から会社での噂のことを聞いてみたかったが、
彼女が何も話さないなら、俺から聞くわけにもいかない。
綾夏が俺に対して明るく振舞っているのであれば、
今はそっとしておくべきだろう。

夕食を終えて、二人で風呂に入った後は、
昨日と同じように、綾夏とセックスし、彼女はそのまま眠りについた。
俺は、一人でシャワーを浴びた後、綾夏の隣に横たわった。

綾夏は、寝息を立ててぐっすり眠っている。
これからどうなっていくのだろうと、そんなことを考えながら、
俺も眠りについた。

翌朝起きた後、俺は綾夏の顔をじっくり眺めたが、
彼女が暗い表情をしている様子は、特に見受けられなかった。
俺が心配し過ぎているだけなのだろうか。
二人で部屋を出るときも、特に綾夏の表情が変わることもなかった。

今日は、綾夏がジムに通う日なので、彼女に逢うこともないが、
昨日からの様子を見る限り、多分大丈夫だろう。
それに、明日の金曜は、俺が綾夏の部屋に行くつもりだ。

午後4時頃だろうか。
仕事中に、綾夏からメールが届いた。
俺は慌ててメールを開いた。

『今日も泊まりにいきたい
 身勝手で、迷惑かけてばかりで、ごめんね
 ジムも休んで洋祐の部屋に行くから
 夕食の支度をして待っているね』

綾夏が、こんなメールを送ってくるのは、本当に珍しい。
会社で嫌な噂、或いは酷いデマでも流されたのだろうか。
帰ったらすぐにでも聞きたいところではあるが、
綾夏が何も話したくないのであれば、俺は何も聞かずに、
彼女の気持ちを尊重するべきだろう。

俺は、残りの仕事を終えてから、
昨日と同じように帰宅時刻を綾夏にメールで知らせ、
急いで退勤した。

「お帰りなさい。」

俺が帰宅すると、綾夏は、昨日と同じように笑顔で迎えてくれた。
俺が帰る前に、綾夏は洗濯をしてくれたようで、
部屋の中には、服や下着が干してあった。

「我儘ばかり言って、ごめんね。
 あんなメールが送られてきたら、びっくりしちゃうよね。
 でも、大丈夫だから。」

綾夏はそう言って笑った。
本当に大丈夫なのか、それとも俺に心配を掛けまいと思っているのか、
綾夏の笑顔からは、俺は判断をすることができなかった。

「洋祐が何も聞かないでいてくれるから、私、それに甘えちゃって…
 でも、ちゃんと話さないといけないよね。」

二人で食事をしているときに、綾夏がそう言った。

「別に綾夏が話したくなければ、話さなくてもいいよ。
 もし話せるようになったら、そのときに話しは聞くから…」
「ありがとう。でも、何も話さないと心配かけちゃうから…」
「・・・・・・」
「今日ね、彼が挨拶しに来たの。
 引っ越しとかで、明日からは、もう本社に顔を出さないからって…」
「・・・・・・」
「それでね…、そのとき彼がね、
 こんな結果になったけど、これまで本当に楽しかったって…」
「・・・・・・」
「もう自分は何もできないけど、幸せになって欲しいって…」
「・・・・・・」
「最後に、彼がそう言ってくれたの。」
「・・・・・・」
「それを聞いたら、急に涙が出てきて止まらなくなっちゃった。」
「・・・・・・」
「彼と一緒に行くのを断ったことを、
 決して後悔しているわけじゃないんだけど…」
「・・・・・・」
「他に何かいい方法があったんじゃないかって思って…」
「・・・・・・」
「ごめんね、こんな話しで…」

綾夏はそう言って、静かに泣き始めた。
そんな綾夏を見て、俺は彼女に何の言葉も掛けてあげられなかった。

「でも、大丈夫…。もう終わったことだから。」

少し落ち着いた綾夏が俺の顔を見ながら、そう言った。
俺は、綾夏の何の力にもなれないと思った。
今は、綾夏に寄り添うことしか、俺にはできない。

その夜、俺は、昨日までと違って、激しく綾夏を抱いた。
彼氏と別れてから一週間も経っていないことを考えれば、
当たり前のことなのかもしれないが、
元彼に未練を残す綾夏に、俺は嫉妬していたのだろう。

元彼に未練があるくせに、俺に抱かれにくる女、
そんなことを思いながら、俺はバックで激しく腰を動かし、
更に、俯せになった綾夏に跨り、俺のペニスを彼女に突っ込み、
容赦なく腰を振り続けた。

昨日までとは違う俺の抱き方に、綾夏も気づいているはずだが、
そのことについて、彼女からは何も言われなかった。

「明日は、私の部屋に来てくれるんでしょ?」

セックスが終わった後、綾夏が俺に尋ねた。

「ああ、そのつもりだよ。」
「そう…、よかった。」
「・・・・・・」
「明日も夕食を支度して待っているね。
 土曜は、ゆっくりしていっていいから…」

綾夏は優しい声で、そう言った。
俺は綾夏の声を聞いて、まだ情緒が不安定なのかもしれないと思った。

それから、二人でシャワーを浴びた後、
もう一度、綾夏とセックスして、そのまま眠りについた。


[181] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/02/19 (月) 21:46 ID:v8yOIn6A No.189523
このままゴールインしたのかな?
続きお願いします


[182] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/22 (木) 21:12 ID:p0yE1hK. No.189639

けいさん、レスありがとうございます。



翌日の金曜、俺は仕事を終えると急いで退勤し、
一旦自分の部屋に帰ってから、綾夏の部屋を訪れた。

「いらっしゃい。夕飯の支度、出来ているわよ。」

俺が部屋に上がると、綾夏は、そう言って俺を迎えてくれた。
綾夏から『いらっしゃい』と迎えられるのは、もちろん嬉しい。
だが、昨日や一昨日のように、『お帰りなさい』と言われた方が、
俺としてはやはり気分がいい。

この日は、二人で酒を飲みながら食事をしたが、
このときは、綾夏が会社でのことを口にすることはなかった。
綾夏自身も昨日のように落ち込んでいる様子はない。
今日は、会社では何もなかったのだろうか。

食事を終えてからは、二人で風呂に入った後、
俺たちは、直ぐにセックスを始めた。


「今日、会社に行ったら、なんかね…、
 私が彼に一方的に振られたことになっているんだよね。」

セックスを終えて暫くしてから、綾夏がそう呟いた。

「どこでそんな話しになったんだろう…」
「・・・・・・」
「そりゃ、別れを告げられたのは、私の方なんだから、
 私が彼に振られたことには違いはないけど…」
「具体的には、どんな話しになっているの?」
「彼が転勤でもう会えないから別れようみたいな感じかな…」
「・・・・・・」
「それは、まあ、いいんだけど…」
「・・・・・・」
「その後、私が彼に別れないでと何度も頼んでいたとか…」
「・・・・・・」
「嫌がる彼にしつこく付き纏っていたとか…」
「・・・・・・」
「それじゃ、私、ストーカーみたいじゃない。」

綾夏としては、そういう言われ方をされると、
自分のプライドが許さないのだろうか。
落ち込んでいるというよりは、憤慨している感じだった。

「親しい人には、大まかな事情は話せるし、
 話せば分かってもらえるからいいけど…」
「・・・・・・」
「親しいわけではない人には、話したくもないし…」
「・・・・・・」
「本当、こういうの困るのよね。」
「・・・・・・」
「でも、まあ、いいか。分かってくれる人に分かってもらえば…」
「・・・・・・」
「それに会社の人とは、もう付き合うつもりもないし…」
「・・・・・・」
「どう思われようが、もうどうでもいいわ。」

綾夏は独り言のように、そう呟いた。
何はともあれ、昨日に比べれば、随分元気になったようだ。
まだ、これから情緒が不安定になる可能性もあるが、
きっと時間が解決してくれるだろう。


この後は結局、日曜まで綾夏と一緒に過ごした。
日曜の晩、俺が帰る前に、最後のセックスをし、
いつものように、余韻に浸っていた。

綾夏が俺の部屋に来て、彼氏と別れたと言ってから、
早いもので、今日で一週間が経つ。
綾夏は、明日はどうするのだろうか。

このままなし崩し的に、綾夏と一緒に暮らすなんてことは…
そんなことになれば、俺にとってはこの上ないが、
金曜から今日までの綾夏の様子を見れば、
そんなあり得ないことを想像しても仕方がない。

思い返すと、この一週間、毎日綾夏と逢ってセックスしていたが、
避妊は全くしていない。
今も、射精を終えた後、綾夏の中にペニスを入れたままだ。

考えてみれば、綾夏から生理がきたとメールが届いてから、
すでに10日以上が過ぎている。
綾夏は何も言わないが、大丈夫なのだろうか。

そんなことを考えていたら、綾夏が話しかけてきた。

「一週間も付き合わせちゃって…、ごめんね。」
「大したことは何もしていないから。」
「明日からは、もう大丈夫だと思うから…」
「・・・・・・」
「洋祐に…、洋祐に借りができちゃったね。」
「別にそんなこと思っていないし…、気にしなくていいよ。」
「でも、それじゃあ、私の気が済まないわ。」
「・・・・・・」
「返すとしたら、私は、洋祐に何をしてあげられるのかなぁ…」
「えっ?」
「ねぇ、私、洋祐に何をしてあげたらいい?」

綾夏は俺の顔を見つめながらそう言った。
俺と結婚してずっと傍にいて欲しいと、俺は思ったが、
もちろん、そんなことは口に出せるわけもない。

「どうして黙っているの?」
「突然そんなことを言われても…、何とも答えられないよ。」
「そうぉ?」
「別にお返しを期待していたわけでもないし。」
「ふーん、じゃあ、私が決めていいよね。」
「・・・・・・」
「うーん、何にしようか…」
「・・・・・・」
「そうね…、洋祐の…、洋祐の子どもを産んであげようか?」
「えっ?!」

俺は、その場で飛び起きそうになるぐらいびっくりした。
俺の脈が急激に速くなり、それに合わせて俺のペニスも反応した。
ふと、綾夏の顔を見ると、可笑しそうに笑っていた。

「何か急に大きくなったみたいね。ふふふ。」
「・・・・・・」
「それに何?その顔。そんなに驚かなくてもいいでしょ。」
「あっ…、いや…」
「私も洋祐も、子どもが出来るようなことをしているんだから…」

綾夏はそう言いながら、俺のペニスからザーメンを絞り出すように、
自分の膣をキュッと締めた。

「それとも、私に子どもを産んで欲しくないの?」

俺は、綾夏の言葉に驚くばかりで、何の言葉も出なかった。
綾夏は、俺の顔をじっと見つめると、今にも吹き出しそうに笑い始めた。

「ふふふ、可笑しい…。」
「・・・・・・」
「もう…、冗談よ。冗談。」
「えっ?」
「それに、彼氏と別れて、直ぐに妊娠したなんてことになったら、
 私の周りでは、それはもう大騒ぎよ。」
「・・・・・・」
「一体、誰の子だとか、皆、きっと興味津々になるわ。
 別れた彼氏の子どもじゃないかって疑われるかもしれないし、
 何を言われるか、分かったものじゃない…」
「・・・・・・」
「それで、相手が職場では誰も知らない洋祐だってことがわかったら、
 私、皆からどう思われるんだろうね。」
「・・・・・・」
「でも…、本当にそうなるかもしれないわ。ふふふ。」

綾夏はそう呟き、笑みを浮べながら、再び膣をキュッと締めた。


[183] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/02/23 (金) 07:03 ID:q2A5tss. No.189650
いやいや。
駄目ですって。
そんなされたら、また綾夏さんにキュンとなってしまいます。
でもやっぱり妊娠に関しては彼氏だったB氏より洋祐さんとを望んでいるように見えますよね。
まだまだ目が離せません。

[184] Re: 続 せ・ふ・れ  stop :2024/02/23 (金) 08:34 ID:c9zrrueg No.189653
楽しみに読んでおります。
自分なら彩夏さんにこんな事言われたらすぐに告白してしまいます。
洋祐さん、続き期待しております

[185] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/02/25 (日) 21:01 ID:fkgKp2cI No.189787
まつさん、stopさん、レスありがとうございます。



後年、綾夏から聞いた話しでは、別れた彼氏への未練を断ち切れないとき、
俺の子を妊娠すれば、未練を断ち切れるのではないか、
そんな考えに支配されることが何度かあったそうだ。

未練が断ち切れない彼氏が一体誰なのかは、綾夏から聞いていないが、
その話しを聞いて、俺には思い当たる節がいくつかあった。
その一つが、まさにBと別れた後の綾夏だった。

「今思えば、本当に幼稚な発想だし、
 そんなことで、洋祐を利用しようとするなんて、
 私、ひどい女だよね。
 洋祐、ごめんね。」

このとき、綾夏はそう言って謝ったが、綾夏が俺の子を妊娠するなんて、
俺にとっては願ってもないことなので、謝られる筋合いはない。
それはともかく、当時の俺は、綾夏の気持ちなど何も気づかず、
只々、綾夏が元気になることを願っていた。

10月に入ると、俺と綾夏が逢う機会は、彼女がBと付き合う以前程に戻った。
もちろん、俺は綾夏と逢う機会が増えただけで嬉しかった。
それ以外については、俺と思い過ごしかもしれないが、
二人の会話が増えたような気がする。
まあ、会話と言っても、綾夏からの話しが殆どではあるが…

10月の第2水曜、綾夏が俺の部屋に来たときも、
二人で食事をしながら、綾夏はよく喋っていた。

「ねえ、洋祐、お願いがあるんだけど。」
「何?」
「明日、会社の同期女子の飲み会なんだけど、終わったら迎えに来てくれない?」
「えっ、迎えって…、どこに?」
「SB駅」
「SB駅って…、結構遠いな。」
「いつもその駅の近くで飲み会を開いているの。」
「何でSB駅まで迎えに行かなきゃいけないんだ?」
「だめ?」
「部屋の最寄りのJ駅じゃいけないのか?」
「明日は、彼氏と別れてから最初の飲み会だから、
 いろいろ聞かれるかもしれないでしょ。」
「・・・・・・」
「そういうとき、素面だと中々答えられないこともあるじゃない。」
「・・・・・・」
「でも、飲み過ぎると、洋祐が怒るし…」
「怒っているんじゃなくて、注意しろと言っただけだけど…」
「私にとっては、どっちでも同じようなものよ。」
「・・・・・・」
「だから、飲み過ぎたときのために、予め洋祐に迎えを頼んでおけば、安心じゃない?」
「・・・・・・」
「ねっ、いいでしょ。」

飲み過ぎたときのためにではなく、初めからそのつもりだろと思ったが、
結局、綾夏に押し切られ、迎えに行くことになってしまった。

「いつも、8時頃には終わるから…、
 8時10分にSB駅の〇〇線のホームで待っていてね。」
「ホームの何処で待っていればいい?」
「うーん、じゃあ、一番〇〇駅寄りのところでお願い。」

翌日、自分の部屋に帰ってからだと時間に間に合わないため、
仕事を終えて食事をした後、直接、SB駅に向かった。
ホームで待っていると、8時15分頃、綾夏が歩いて来るのが見えた。

「遅くなって、ごめんね。」

綾夏を見ると、特に飲み過ぎた様子もなく、しっかりしていた。
そのときは、別に迎えに行かなくても大丈夫なんじゃないかと思ったが、
電車に乗り、途中のAB駅で乗り換えるとき、綾夏の様子が少し怪しくなり、
J駅に到着した頃には、かなり危うい状態になっていた。
俺は、綾夏を支えながらゆっくりと歩き、彼女の部屋に連れ帰った。

「洋祐に、お持ち帰りされちゃった…」

ドアを開けて中に入るなり、綾夏がそう呟いた。
全然違うだろと思いながら、綾夏の靴を脱がして部屋に上った。

「これからどうする?」
「もう、動ける気がしない…。このまま、ベッドに寝かせて…」

綾夏をベッドに連れて行き、そのまま寝かせた。
さすがに、服を着たままにしておくのはどうかと思い、
ブラジャーとショーツを残し、それ以外の服を全て脱がせた。

綾夏の裸体は今まで数えきれない程目にしてきたはずが、
不思議なもので、今、俺の目の前で、こんな格好の綾夏を見せられると、
彼女の下着の中が気になって仕方がない。

気づかぬ間に、綾夏は寝息を立てて眠っていた。
綾夏を眺めていると、自分で自分を抑えられなくなりそうなので、
俺は、綾夏に布団を掛けて、早々に彼女の部屋を出た。

翌日、昼過ぎに綾夏からメールが届いた。

『昨日、ベッドにちゃんと寝かせてくれたんだね
 ありがとう
 今日は、お礼に夕食を作って待っているから』

綾夏のメールの文面から考えると、部屋に着いた頃には、すでに記憶がなかったようだ。
SB駅で待ち合わせをした時は、しっかりしていると思ったのだが…

仕事を終えて綾夏の部屋に行くと、メールの通り、夕食を作って待っていてくれた。

「昨日は、ごめんね。私ばかり迷惑かけて…」

二人で食事をしていると、綾夏が昨日のことを謝ってきた。

「別に…、頼まれただけだから。」
「でも…、エッチはしなかったんだね。」
「はっ?」
「迎えに来てって言ったときから、絶対すると思っていたんだけどなぁ…」
「酔っぱらって寝ている女に、何かしようとは思わないよ。」
「そうなの?」
「大体、昨日のこと、どこまで覚えているんだよ。
 メールを見る限り、部屋に着いたときのことは覚えてなさそうだったし…」
「へへへ、電車に乗って、乗り換えたところまでは、覚えているんだけど…」
「だから、飲み過ぎるなって言っているんだよ。」
「でも、いいじゃない、そのために洋祐に迎えに来てもらったんだから…」
「俺だって、何をするかわからないんだぞ。」
「別に、洋祐に何かされても、私、怒らないよ。」
「・・・・・・」
「だから、昨日もエッチしてもよかったのに…」
「そういうことじゃないだろ。呆れてものが言えない…」
「昨日、エッチしなかったから、今日は好きにしていいから…、ね。」
「・・・・・・」
「それと、私が先に寝ちゃうとさ、エッチしてもいいって言えないでしょ。」
「・・・・・・」
「だから、私が寝ているときは、洋祐はエッチしてもいいって、
 予め決めておけば問題ないんじゃない?」
「・・・・・・」
「今度からは、そうしようね。ふふふ。」

何か、話しが全く噛み合わないので、話題を変えた。

「昨日の飲み会は、どうだった?」
「うん、楽しかった。」
「いろいろ聞かれたのか?」
「まあね。でも、皆の話しも聞けたし…、よかったよ。」
「どんな話しをしたんだ?」
「内緒。」
「・・・・・・」
「女子だけの話しだから…、野暮なことは聞かないで…、ね。」

以前、綾夏は、女子だけの話しをしてくれたことがあったが、
今は、野暮なことを聞くなとは、どういうことだろうか。
昨日の飲み会では、俺には聞かせられない話しがあったのかもしれない。

それが綾夏自身のことなのか、他の女子のことなのかは分からないが、
綾夏自身のことであれば、別れた彼氏に纏わる話しなのかもしれない。
そう考えると、俺は少し複雑な気分になった。


[186] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2024/02/26 (月) 14:19 ID:2iWCa3AQ No.189814
綾夏さんは、洋祐さんからのひと言を待ってたと思いますよ。…そのひと言が言えてたら、人生が違っていたのかも。

[187] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/01 (金) 20:39 ID:SuJR5qPw No.189943

やまさん、レスありがとうございます。



昨日の飲み会は、綾夏にとっては良い気分転換にはなったようだ。
綾夏の話し方から、彼女の機嫌が良いことが俺にも伝わった。
綾夏が彼氏と別れて4週間が経とうとしていることもあるのかもしれない。
綾夏にとって、まだ4週間なのか、すでに4週間なのかは俺には分からないが…

「そう言えば、昨日、駅のホームで私と洋祐が一緒にいるところ、
 同期の女子に見られちゃった。」
「えっ?」
「隣のホームに居たらしくて、私は気が付かなかったけど、
 向こうは気付いたみたいなの。」
「・・・・・・」
「顔はよく分からなかったって言っていたけど、今日、他の同期にも囲まれて、
 あの男の人は誰?って聞かれて、焦っちゃった。」
「そ、それで…、何て答えたんだ?」
「別に嘘をつく必要もないから、大学のサークルの同期って答えたわ。」
「・・・・・・」
「さすがに迎えに来てもらったとは言えないから、
 ホームで偶然会ったって答えたけど…」
「・・・・・・」
「そうは見えなかったけどとか、何か怪しいぞって言われて、困ったわ。」
「・・・・・・」
「でも、考えてみれば、隠す必要もないけどね。」
「・・・・・・」
「ねえ、今度、私の同期に会ってみる?」
「えっ、い、いや、別にいいよ。」
「そうぉ?会ってみたいなら、紹介してあげるよ。
 洋祐は、彼女がいないわけだし…」

綾夏はそう言って、俺の顔を覗き込んだ。
俺は直ぐに言葉が出ず、首を左右に振るだけだった。

「そんなに嫌がることないじゃない。」
「・・・・・・」
「付き合ってみたらって言っているわけじゃないし…」
「何で急にそんなことを言うんだよ。」
「別に急にというわけではないわ。」
「・・・・・・」
「前から少し考えていたことだし…」
「・・・・・・」
「この間の話しだと、洋祐は、あまりにも女っ気がないし…」
「・・・・・・」
「少しは女性と話す機会を増やした方がいいかなって、そう思っただけよ。」
「・・・・・・」
「それで、どう?」
「どうって言われても…」
「今すぐとは言わないから、少し考えておいてね。」

綾夏はそう言って微笑んだ。

正直、綾夏の話しは唐突過ぎて、俺には付いて行けない。

食事を終えた後、いつものように二人で風呂に入った。
そして、身体を洗い終えて湯船に浸かったときには、
綾夏は正面座位で激しく動いていた。

「あぁっ…、あぁっ…、あぁっ…、あぁっ…」

心なしか、綾夏の喘ぎ方がいつもより激しいように感じた。
つい先ほど、俺に同期の女性を紹介すると言っておきながら、
今は、俺とこんなことをしている。

一体、綾夏は何を考えているのか…
そもそも、自分自身とこんな関係になっている男性を、
親しい女性に紹介できるものなのだろうか。

もしも俺と綾夏が逆の立場だったら…
俺と散々セックスしてきた女性を、俺の友人に紹介するなんて、
とてもできることではない。

そう考えると、俺に同期の女性を紹介すると言っても、
どこまで本気で考えているのか、全く分からなくなる。
どうせなら、私が彼女になってあげる、と言ってくれれば、
俺にとってはどんなに嬉しいことか…

翌週の水曜、綾夏が俺の部屋に泊まりに来た。
食事を終えた後、いつものように二人で風呂に入り、
綾夏を前に座らせて一緒に湯船に浸かった。

俺は、両手を綾夏の背後から前に回し、彼女の両胸を掴む。
綾夏と一緒に風呂に入るときは、かなり前からこの体勢だが、
綾夏が彼氏と別れてからは、この体勢になると、
今は、綾夏の身体は俺だけのものだと実感する。

俺は、綾夏の胸をゆっくりと揉み始める。
俺にとっては、至高のひとときだ。
綾夏の胸を揉み続けていると、彼女が話しを始めた。

「最近、男性社員から飲み会に誘われることが増えたんだよね。」
「・・・・・・」
「先週も誘いがあったし、昨日も誘いがあったし…」
「・・・・・・」
「今まで、誘われたことがなかった人からも誘われるの。」
「・・・・・・」
「やっぱり、彼氏がいないのが分かると、誘いやすいのかなぁ…」

彼氏がいないから誘われやすいのではなく、
今までも誘いたかったが、彼氏がいたから遠慮していたのだろう。

「それに、女子からも、合コンに誘わることもよくあるし…」

男性から見ても、女性から見ても、綾夏は魅力的な女性なのだろう。

「誘いはOKしたの?」
「合コンは断ったわ。まだそういう気になれないって…」

今はまだ、新しい彼氏を見つけるどころではないということか…
Aと別れたときもそうだったが、綾夏は、一見立ち直ったように見えても、
気持ちの整理がつくまで時間がかかるタイプなのかもしれない。

だが、気持ちの整理がつけば、いずれは新しい彼氏と…、きっとそうなるに違いない。
そのとき、俺はどうなっているのだろうか。
知らず知らずのうちに、綾夏の胸を揉む俺の手に力が入っていく。

「でも、それとは関係なく、合コンとかには行く気はないけどね。」

綾夏が独り言のように、そう呟いた。
綾夏は、もともとチャラい男が好きではなく、
合コンに参加する男は、チャラいイメージを持っているのだろう。

「飲み会の誘いは?」
「飲み会の方は、1件だけ、まだ検討中…
 あとは、また今度お願いしますって、とりあえず断ったわ。」

そんなに何件も男性社員から誘われているということは、
やはり会社でも、綾夏はモテる女ということなのだろう。
誘う男性社員達も、今がチャンスと思っているのかもしれない。

「検討中って?」
「二つ年上の先輩から誘われたんだけど、私だけでなく、
 もう一人一緒に誘われている同期の子がいるの。」
「・・・・・・」
「彼女は飲み会に行きたいらしくて、一緒に来てって頼まれているから、
 どうしようかと思って…」
「・・・・・・」
「断ってばかりだと、それはそれで角が立つような気もするし…」
「・・・・・・」
「まだ、決めたわけではないけど、彼女と一緒ならいいかなって…」
「・・・・・・」
「でも、飲み会に行くとしても、あまり飲むつもりはないから、安心して。」

綾夏はそう言うと、身体の向きを変えて俺と向かい合い、
俺に顔を近づけてキスをした。

風呂から上がると、二人で少しだけ酒を飲んだ後、
二人で布団に入った。

「今日も、洋祐の好きにしていいよ…」

綾夏はそう言って、俺に抱きついてきた。


[188] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2024/03/02 (土) 12:53 ID:Q7yDzC/. No.189965
彼女になって欲しい!!
結婚しようか!!
このひと言が言えてたら、私の人生も違っていたと思います。
若かったから、言えないひと言たったと…。
中身は少し違うけど、洋祐さんに感情移入している自分が〜(笑)

[189] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/04 (月) 00:59 ID:77pLCuxg No.190011

やまさん、レスありがとうございます。



翌日の夜、綾夏から長いメールが届いた。

『うーん、おかしいな
 今日、奇跡的に生理がきちゃったんだよね

 一週間、洋祐と毎日だったし
 危ない時期にも差し掛かっていたし
 少しだけドキドキしていたんだけどね

 何でかなぁ
 さすがに今回は妊娠するって思っていたんだけど…

 洋祐の子ども、産んであげられなくなっちゃったね
 借りを返すって約束したのに…
 あっ、そう言えば、それは冗談だったっけ?

 でも、また試してみてもいいよ。

 えっ、冗談がきつ過ぎるって?
 そうだよね
 ごめんね
 こんな私の傍にいてくれて、ありがとう

 じゃあ、また来週ね
 おやすみなさい』

俺は、綾夏のメールを見ると、胸が急にドキドキしてきた。
綾夏に返事をしようとしたが、手が震え、動悸は中々鎮まらず、
何て返事をしたらよいか、考えつかない。
暫くして、『わかった』とだけメールを打って返信した。
だが、俺は、綾夏に生理がきたこと以外、何もわかっていない

綾夏の本音と冗談の区別がつかない。
綾夏の放つジャブなら、何とかあしらえるようになったが、
最近の綾夏はストレートの連続で、俺はダウン寸前だ。
いや、すでにダウンして、ノックアウト寸前かもしれない。

メールの言葉を信じれば、綾夏は俺の子を妊娠するかもと思っていたことになる。
文面から考えると、妊娠を期待していたようにも思える。
だが、もしそうなら、それを承知で、俺に女性を紹介すると言っていたわけだ。

これは何を意味するのだろう。
俺の子を産んでも、俺と結婚するつもりはないということだろうか。
それとも、紹介する気などなく、俺を揶揄っているだけなのか。
この夜、俺はそんなことばかり考えて、遅くまで眠ることができなかった。

翌週の火曜の夜、綾夏からメールが届いた。

『生理終わったから
 明日は泊まりに行くね
 夕食を作って待っているから…』

俺は『わかった』と返信した。
一週間ぶりに綾夏に逢えるが、あんなメールが届いた後では、
俺は、一体どんな顔をして綾夏に逢えばいいのか分からなかった。

翌日、仕事を終えた後、俺はかなり緊張しながら、帰途に就いた。
俺はどんな顔をして、いや、綾夏はどんな顔をして待っているのだろうと、
そればかり考えていた。

「おかえり〜。ごはんできているよ。」

自分の部屋に入ると、いつもと変わることなく、綾夏が迎えてくれた。
まるで、あのメールのことなど、何も無かったかのようだ。
二人で食事をしているときも、綾夏がメールのことに触れることは全くなかった。
とりあえず、俺はほっとした。

食事を終えた後、二人で風呂に入った。

「そう言えば、誘われていた飲み会だけど、
 結局、行くことになったから…」

二人で湯船に浸かっているときに、綾夏がそう言った。

「そうなんだ。」
「同期の子がどうしても行きたがっているから。」
「飲み会って、いつ?」
「明後日の金曜。」
「・・・・・・」
「何時ごろ終わるか分からないけど、私の部屋で待っていてくれる?」
「ああ、わかった。」
「終わったら直ぐに帰って来るから…」
「今度は迎えに行かなくてもいいのか?」
「そうね…、じゃあ、終わったら連絡するから、J駅まで迎えに来てくれる?」
「J駅で大丈夫なのか?」
「知らない人も結構いるみたいだし、そんなに飲まないわ。
 料理でも漁りながら、適当に話して帰るから…」

まあ、飲まなければ大丈夫か。
また、遠いところまで迎えに行くのは大変だし…
俺はそう思いながら、綾夏の胸を強く握った。

風呂から上がると、直ぐに二人で布団に入った。

「生理終わったばかりだからね。」

フェラをしているとき、綾夏がそう呟いた。
そして、綾夏はウフッと笑みを零しながら、俺に跨り、
ペニスを股間に当てがいながら、腰を落とす。

「はぁぁ…」

綾夏が静かに喘いだ。
この間、あんなメールを俺に送っておきながら、
今はまた俺とこんなことをしている…

綾夏の心は俺には分からない。
だが、今の俺にはどうでもよかった。
綾夏がいいよと言うなら、俺はしたいことをするだけだ。

いつものように正常位で綾夏の中に射精して、この日を終えた。


金曜の午後8時半頃に、俺は約束通り、綾夏の部屋で待っていた。
だが、9時を過ぎても、綾夏から連絡はない。
綾夏自身も、何時に終わるか分からないとは言っていたが、
少しでも遅くなると、やはり不安になってくる。

綾夏本人に、酒を飲むつもりがなかったとしても、
周りから勧められて飲んでしまうこともある。

さすがに10時を過ぎても連絡がなければ、
俺から綾夏に連絡してみようかと考えていると、
漸く9時半頃に綾夏から電話があった。

「もしもし、洋祐?」
「ああ」
「ごめんね。連絡が遅くなって…」
「別に構わないよ。」
「それで、お願いがあるんだけど…」
「何?」
「今からで悪いんだけど、直ぐにIB駅に来てくれない?」
「IB駅?」

IB駅は、綾夏の勤め先に近い駅でも、通勤途中の駅でもない。

「何でIB駅?」
「ごめん、ちょっとトラブルが発生して…」
「トラブル?」
「来れば分かるから…、お願い。」
「分かった。」
「〇番線ホームのベンチで待っているから。ごめんね。」

IB駅までなら、J駅から20数分というところか。
ここからなら、40分は掛からないだろう。
俺は、大急ぎで綾夏の部屋を出て、J駅に向かい、電車に乗った。


[190] Re: 続 せ・ふ・れ  stop :2024/03/04 (月) 06:57 ID:fjazX9ns No.190017
いつも楽しみにしております。
トラブルとは何の事なんでしょうか?
気になります!

[191] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/03/04 (月) 09:55 ID:35VYLxCI No.190023
気になります。
なかなか平穏無事な展開にはなってきませんね。


[192] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/03/07 (木) 00:09 ID:DtkeCc22 No.190092
続きお願いします

[193] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/08 (金) 22:15 ID:uElSYCrQ No.190135

stopさん、ジーンさん、けいさん、レスありがとうございます。



綾夏はトラブルが発生と言っていたが、トラブルって何だろう。
面倒なことに巻き込まれていなければいいが…
俺は、そんなことを考えながら電車に乗っていた。

IB駅の〇番線ホームに到着して、ベンチを探していると、
ホームの向こうの方で綾夏が手を振っているのが見えた。
俺は急いで綾夏のもとへ行った。

「どうしたの?」

俺が綾夏に尋ねると、彼女は顔をベンチの方に向けた。
そこには、小柄な女性が俯いて座っていた。

「この女性は?」
「会社の同期で、美穂という子なの。少し飲み過ぎたみたいで…
 飲み会が終わったときは、もう少ししっかりとしていたけど、
 少し危なっかしいから、放っておくわけにも行かなくて…
 自宅の最寄り駅が〇〇線のNT駅というのは知っていたから、
 ここまで、何とか連れて来たけど、これ以上はちょっと…」

〇〇線はIB駅から出ている私鉄だ。

「腕を支えてあげれば、ゆっくりだけど、まだ歩けることは歩けるの。
 でも、荷物もあるし、階段とかは、私一人では無理だから…。
 こんなことになって、本当にごめんね。」
「まあ、仕方ないよ。綾夏が悪いわけではないし…」

綾夏もこういう状況では、途方に暮れていただろう。
確かに綾夏一人でこの娘を電車に乗せるのは、無理な話だ。
俺は、綾夏のバッグと美穂のバッグを担ぎ、
綾夏と二人で美穂の腕を支えながら、〇〇線へと向かった。

歩いている途中、綾夏とは違う女性の香りが、美穂から漂ってきた。
考えてみれば、綾夏以外の女性に触れたのは、いつ以来だろうか。
綾夏の言う通り、俺に女っ気が無いのは確かだ。

「このまま、彼女を電車に乗せられるのか?」
「この駅が始発だから、何本か待てば座れると思うの。」

電車を数本見送って、漸く座れる電車に乗り込んだ。
IB駅からNT駅までは、20分弱ぐらいだろうか。

「NT駅に着いた後は?この娘の家の場所を知っているの?」
「ううん、場所は分からないけど、美穂は実家暮らしだから…。
 飲み会が終わった後に、美穂の家の電話番号を聞いておいたから、
 NT駅に着いたら、電話して家の人に迎えに来てもらうつもりよ。」

NT駅に到着し、駅を出たところで、綾夏は俺と美穂から離れて電話を掛けた。
美穂は、すでに片腕を支えただけでは立っていられないほどだった。
俺は、綾夏が電話をしている間、美穂の右腕を俺の首に掛けさせ、
俺の左腕を美穂の背中から腰に回し、彼女の身体全体を支えていた。
美穂の身体は、綾夏とは違い、とても華奢で軽い感じだ。

ここで、ちょっとしたハプニングが起きる。
美穂を支えている途中、彼女の膝が落ちて身体がずり落ちそうになった。
俺は、慌てて美穂を支え直そうとしたとき、誤って美穂の胸をもろに掴んでしまった。
掴んだ胸から手を放すと、美穂が地面に落ちてしまうので、放そうにも放せない。
自分では不可抗力だと思うが、美穂自身や周りから見れば、痴漢と思われるかもしれない。
俺は、咄嗟に綾夏を見たが、まだ電話の最中で、こちらを見てはいないようだ。
俺はホッとして、美穂の胸を掴んだまま、彼女の身体を支え直した。

俺の手には、服越しではあるが、美穂の胸の感触が残っていた。
美穂の胸は綾夏よりも明らかに小さいが、女性らしい柔らかさは感じられた。
俺は、胸がドキドキしだしたが、丁度電話を終えた綾夏が戻ってきた。

「美穂のお母さんが、車で迎えに来るそうよ。」

綾夏がそう言いながら、美穂の左腕を支えたので、俺は、美穂の右腕を支えた。

「俺はここに居ない方がいいかな?この子と面識もないし…」
「大丈夫よ。何か聞かれたら、私から説明するから。
 それに、私一人じゃ美穂を支えられないわ。」

それから、10分ほどで迎えの車が来た。
美穂の母親らしき女性が車から降りて、綾夏と挨拶を交わした。
美穂の母親なら50代だとは思うが、可愛らしい感じで、とても50代には見えない。

「あの…、失礼ですが、こちらの方は?」

案の定、美穂の母親が俺のことを尋ねてきたが、直ぐに綾夏が対応した。

「すみません。私一人では無理だったので、私が連絡して来てもらったんです。」
「あっ…、あぁー、そうなんですね。この度はご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」
「いいえ…。」

俺と綾夏で美穂を車の後部座席に乗せた後、母親が運転する車を見送り、
俺たちがNT駅でIB駅行の電車に乗ったときには、午後11時20分を回っていた。

「何か、疲れたわね。」
「綾夏は大丈夫なのか?」
「私?大丈夫よ。ビール1杯ぐらいしか飲んでないし…
 まあ、ひたすら料理を食べていたかな。
 男子からは、こいつ食ってばかりだなって思われたかもしれないけどね。」
「・・・・・・」
「でも、酔って美穂みたいになったら、確かに危ないかもしれないわね。
 洋祐の言う通り、これからも気をつけるわ。
 でも、どうしてもというときは、この前みたいに迎えに来てもらってもいいでしょ?」
「ああ」
「ありがとう。」

綾夏の部屋に到着したときには、すでに午前0時半を回っていた。

「これからどうする?」
「とりあえず、疲れたからお風呂に入って…、
 その後は、少し飲みたいな。ビール1杯じゃ、全然飲み足りないし…
 洋祐も飲むでしょ?」
「そうだな。」

綾夏が風呂の支度をし、二人で風呂に入った。

「あー、やっと落ち着いたぁ〜。」

二人で湯船に浸かっていると、綾夏がそう叫んだ。

「こんなことになるとは思ってもみなかったわ。今日は、本当にごめんね。」
「・・・・・・」
「洋祐は、私のことを危ないから気をつけろって言うけど、
 美穂は、私よりもっと危ないわね。」
「綾夏も同じようなものだろ。」
「ううん。私は、目上の人からお酒を勧められてもはっきり断れるけど、
 美穂は、勧められるまま飲んじゃうんだもん。」
「・・・・・・」
「今日も、自分からお酒を飲んだって言うよりも、
 断れなくて飲み過ぎたみたいだし…」
「・・・・・・」
「私と同い年なんだけど、妹みたいな感じの子だから、
 今日も一人じゃ行かせられなくて、私も行くことに決めたの。
 まあ、私の本当の妹は、妹とは思えないぐらいしっかりしているけど…」
「・・・・・・」
「月曜に会ったら、洋祐みたいに、美穂に説教しなくちゃ。」
「俺は綾夏に説教なんかしてないぞ。」
「洋祐はそう思ってなくても、あれは絶対に説教なの。
 でも、説教してくれる人が近くにいるって、ありがたいよね。」
「・・・・・・」
「私、思ったんだけど…、先週や今日の飲み会のようなことがあったとき、
 身近で頼れる人は洋祐しかいないんだよね。」
「・・・・・・」
「それで、もしも洋祐に彼女が出来たとしたら、
 私、頼れる人が誰もいなくなるんだなって思って…」
「・・・・・・」
「大学のときは、いっぱい居たのにね。」

多分、サークルの同期の男子達のことだろう。

「皆、元気にしているかなぁ…」
「頼れる人が現れるまで、俺でよければ頼っていいよ。」
「本当に?ありがとう。やっぱり洋祐は優しいね。」

綾夏はそう言って俺の方に振り向き、俺に抱きつきながらキスをした。


[194] Re: 続 せ・ふ・れ  まつ :2024/03/08 (金) 23:22 ID:pTUwUeRE No.190140
いやいや
駄目ですって
やっぱり綾夏さんのこと好きになっちゃいますよ

やってる事は結構下衆な事なんですが、なぜか憎めないし、下品にも感じない
かといって小悪魔的なあざとい計算も感じられない
また天然不思議ちゃんとも違う

惹かれる存在です

応援してます

[195] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/11 (月) 00:11 ID:PJXqbIn6 No.190201

まつさん、レスありがとうございます。



翌週、10月最後の水曜の夜、仕事から帰宅すると、
綾夏が「お帰り」と言って、俺を迎えてくれた。
綾夏が彼氏と別れてから1カ月以上が経つが、
毎週水曜は、これが俺と綾夏の日常となっていた。
綾夏が彼氏と別れてからは、俺と綾夏の間では会話が増えたと思う。
会話と言っても、そのほとんどは綾夏が喋っているのだが…

綾夏が彼氏と付き合っていた頃は、俺の前では彼氏に関わることを殆ど話さず、
それは、綾夏が俺に隠し事をしながら話しをしていたということなので、
綾夏の会話には、自ずと制限がかかっていたのかもしれない。

今は、綾夏は、何ら制限がなく、いろいろな話しを俺にしてくれる。
この日も、綾夏は、食事をしながら、会社での出来事などを話してくれた。

「月曜に美穂に会ったら、金曜のことのお礼を言われたわ。」
「・・・・・・」
「それで、金曜のことを美穂に説教しようとしたら、
 もうそのことは勘弁してって言われちゃった。」
「どうして?」
「土曜の朝、起きた途端、母親からかなり怒られたみたい。」
「・・・・・・」
「人様に迷惑をかけるなら、もう飲み会には行くなとか…、
 こんなだらしのない娘に育てた覚えはないとか…
 お友達が送ってくれたからよかったようなものの、
 もしもそのまま寝込んで、男性から悪戯されたらどうするのとか…」
「・・・・・・」
「母親から延々と怒られて、もう散々だったらしいわ。」

美穂の母親とは一度会っただけだが、とても優しそうで、
俺には、そんな説教をするような人には見えなかったが…

「25歳にもなって、母親からこっ酷く叱られるなんてね…
 実家で暮らしていると、ほんと大変よね。」
「・・・・・・」
「それと、母親から、私と彼氏さんが駅まで送ってくれたって聞いたらしいの。」
「えっ?」
「彼氏さんなんか、連絡してわざわざ来てもらったみたいだって…」

そう言えば思い返すと、綾夏が美穂の母親に俺のことを説明したとき、
母親は、何かを察したような、そんな顔をしていた気がする。

「それで、美穂から、彼氏さんって誰なの〜?って聞かれて、焦ったわ。」
「何て答えたの?」
「詳しいことは言えるわけないし、
 そうかと言って、他に言い表せる言葉は見つからないし…、
 私と洋祐の関係って、一言では言い表せない関係なんだなって思ったけど…」
「どうせ、アッシー君とか、メッシー君とかの類の関係だからな。」
「アッシー君って…、一体いつの時代の言葉を使っているの?
 それにそんなこと思ったこともないわ。」
「まあいいや。それで、結局何て答えたの?」
「大学のサークルの同期で、彼氏ではないけど、
 私が頼りにしている人って答えたんだけど…」
「・・・・・・」
「美穂から、もしかしたらこの前の同期の飲み会の後に、
 綾夏と一緒に居た人なのって聞かれたら、言葉に詰まってしまって…」
「・・・・・・」
「そうしたら、美穂が、ふーんって顔をしてから、私の顔をじっと見て、
 とりあえず皆には黙っていてあげるから、話せるときがきたら話してねって、
 そう言われちゃった。」
「それ、完全に怪しまれているよな…。」
「まあ、そうなんだけど…」
「・・・・・・」
「それで、母親から、彼氏さんにもきちんと謝罪とお礼をしなさいって言われたらしくて、
 美穂から、直接お礼をしたいから紹介して欲しいって頼まれたんだけど。」
「えっ?!」
「私、何て答えたらいいか本当に困ったけど、
 とりあえず彼がOKしたら、美穂に紹介するねって言っておいたわ。」
「・・・・・・」
「どうする?美穂に会ってみる?」
「えっ、突然、そんなこと言われても…」
「ちなみに、美穂は、彼氏いない歴=年齢の娘よ。ふふふ。」
「・・・・・・」
「小柄で可愛らしい娘だったでしょ。」

俺は、美穂という娘の顔を思い出そうとしたが、
彼女を送って行ったとき、顔のことなど全く気にせずにいたし、
彼女は終始俯いていたため、よく思い出せない。

「それで?どうする?」
「それでって言われても…」
「もちろん、私も一緒に行くけど、美穂と二人だけにしてあげてもいいわよ。」
「なっ、何を…」
「そうすれば、私も美穂から怪しまれずに済むし、
 ひょっとして洋祐に彼女ができるかもしれないでしょ。」
「そっ、そんなこと…」
「まあ、直ぐに返事はしなくてもいいけどね。」
「いや、会うだけは会うけど、二人きりにはするなよ。」
「そうなの?遠慮することはないわよ。」
「遠慮なんて…。とにかく、二人きりはなしだからな。
 二人きりにしたら、その娘に俺と綾夏のことを喋るから…」
「分かったから、そんなに向きにならないで…、ね。」

綾夏は、駄々っ子を諭すように笑みを浮べながら、そう言った。
相変わらず、綾夏は、本音なのか、からかっているだけなのか、
俺にはよくわからない。

食事を終えた後、いつものように、綾夏と風呂に入った。

「そう言えば、飲み会に誘ってくれた先輩が、あの娘、大丈夫だったって、
 美穂のことを心配してくれたわ。」

綾夏はそう言って、先日の飲み会に関わることを話し始めた。
綾夏の話しを纏めると、以下の通りだ。

誘ってくれた先輩に、経緯を簡単に説明すると、
先輩は、迷惑かけて申しわけないと謝罪した上で、
皆、飲むことを無理強いするような人ではないはずなので、
初めて参加してくれたから、ついつい酒を勧めてしまったんだろうと言った。

また、先輩は、あまり酒を勧めないように、皆に伝えておくので、
また誘うから、これに懲りずにぜひ参加して欲しいと言ったそうだ。

綾夏は、私は飲まずに食べてばかりでしたけど、いいんですかと聞いたら、
先輩から、飲みなくなければ飲まなくてもいいし、
食べたければもちろん注文していいので、
二人が参加してくれれば、皆喜ぶからぜひ参加して欲しいと言われたらしい。

美穂という娘のことはわからないが、綾夏が飲み会に参加すれば、
それは、男子なら皆喜ぶだろう。

また、先日の飲み会は、女子は綾夏たちを含めて5人、男子は8人で、
皆、綾夏たちより年上で、20代後半から30代半ばぐらいの人達だったらしい。
未婚の人が多かったが、既婚者も何人かいたそうだ。

飲み会によく集まるメンバーは全部で15、6人程いるらしいが、
毎回全員が集まるわけではなく、また、もともと女子のメンバーが少なく、
先月末で一人退職してしまったから、綾夏たちを誘ってくれたらしい。

「飲み会に誘われたら、また行くの?」
「そうね、美穂が一緒なら行くかもしれないけど、
 私だけだったら…、どうしようかなって感じかな。」
「・・・・・・」
「実は、この前の同期の飲み会のときに、私に噂が立つのは、
 社内に知り合いが少ないからじゃないかって言われたの。」
「・・・・・・」
「人脈というと大げさだけど、飲み会を通じて知り合いを増やすと、
 親しくならなくても、ある程度好感を持ってもらえさえすれば、
 変な噂も広まることも無くなるんじゃないかって…」
「・・・・・・」
「確かにそれは一理あって、同じ社内でも、仕事で絡まない限り、
 互いに顔見知りになることはほとんどないから、
 飲み会で社内交流するのも必要なのかなって思った。」
「・・・・・・」
「でも、そんなに頻繁に行くつもりはないから、
 メンバーとか、いろいろ考えて行くことにするわ。
 それと、水曜と金曜は、できるだけ避けるようにするからね。」

綾夏はそう言って振り向き、俺の顔を見ながら微笑んだ。


[196] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/03/11 (月) 00:28 ID:1jbMGCbI No.190203
綾夏ちゃんは本当に洋祐さんに彼女をつくってあげたいとは思わないのですがねえ。
俺は綾香以外には彼女になってほしいとは思わない‼︎って言わせたいのでは?


[197] Re: 続 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/03/16 (土) 00:15 ID:MTyunZKw No.190341

ジーンさん、レスありがとうございます。



それから2日後、11月の最初の金曜の夜、俺は綾夏の部屋に泊まりに行った。
二人で風呂に入り、俺は、湯船で綾夏の背後から抱き着くように手を回し、
ときおり、首筋にキスをしながら、彼女の胸をゆっくりと揉んでいた。

「昨日、美穂に洋祐を紹介するって伝えたよ。」
「それでどうだって?」
「来週は都合がつかないから、再来週の土曜か日曜はどうかって聞かれたけど、
 洋祐はどう?」
「俺は、どっちでも構わないよ。」
「わかった。じゃあ、土曜にしようか。美穂にそう伝えておくね。」
「ああ」
「待ち合わせの時間や場所は、私と美穂で決めていい?」
「うん。そっちで決めていい。」
「決まったら、連絡するから。」

一昨日は、綾夏が挑発と言うかからかうと言うか、そんなことを言ってきたので、
ついつい美穂に会ってもいいと答えてしまったが、
こうして日程が決まると、何だか面倒に思えてきた。
まあ、彼女がお礼を言いたいと言うなら、それを聞いて終わりにしよう。

風呂から上がると、二人で酒を飲み始めた。

「美穂という子って、どんな性格の子なの?」
「うーん、一言で言えば、可愛らしくて人懐っこい性格かな。」
「俺が会ってもいいって伝えたとき、何か言っていた?」
「よかったって言って、安心していたよ。」
「・・・・・・」
「母親から、彼氏さんにお礼を言ったの?って何度も言われていたみたいだから…」
「それで、他には?」
「洋祐がどういう人か聞かれたわ。」
「綾夏は何て言ったの?」
「ぶっきら棒で口下手」
「はっ?」
「だって、それ以外に直ぐに思いつかなかったから…」
「・・・・・・」
「その後、洋祐の人となりを話したんだけど、
 美穂は、私の言ったこととは違った解釈をしたみたい。」
「違った解釈って?」
「シャイで温厚な性格…、みたいな感じ?」
「・・・・・・」
「相手の話しを黙って聞いてくれるタイプなのかな、とも言っていたわ。」
「・・・・・・」
「そしたら、そういう人って大事だよねとか言い始めたの。」
「・・・・・・」
「美穂が言うには、自分はただ話しを聞いてもらいだけなのに、
 途中で遮られたり、的外れなアドバイスをしてくる人が多いんだって…」
「・・・・・・」
「私の話しも聞いてくれるかなぁとか言い出すし…」
「・・・・・・」
「彼女は会いたくてうずうずしている感じ…」
「・・・・・・」
「まあ、今度会えばどんな娘か分かるわ。」

綾夏の話しを聞いていると、段々気が重くなってきた。
まあ、彼女と会うのも最初で最後になるだろうから、
綾夏もいるし、なんとかやり過ごせばいいか。

その後、二人でベッドに入り、
暫くして、バックで腰を動かしていたときに、俺はふと思った。
綾夏は、最近、俺を挑発するというか、からかうというか、
そんな態度を取ることが多くなった。

俺の子どもを産んであげると言ってみたり、それは冗談と言ってみたり、
美穂を俺の彼女に勧めようとしてみたり、一体何がしたいのか、支離滅裂だ。
正直、そんな綾夏に、仕返しと言うか、お仕置きと言うか、
とにかく、一泡吹かせてみたくなった。

バックのとき、綾夏はいつも、四つん這いで伸ばした肘が徐々に曲がり、
ある程度曲がると再び肘を伸ばす、という動作を繰り返しながら、
最後には、肘を大きく曲げて顔を伏せてしまう。
そして今、いつもと同じように、綾夏は顔を伏せてしまった。

いつもなら、ここでバックから体位を変えるのだが、
今日は、俺は綾夏の両腕を掴んで抱き起し、再びバックで腰を動かした。

「あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…、あぅっ…」

綾夏の声が大きくなっていく。
俺が一旦綾夏の腕を降ろすと、綾夏は横を向いて顔を突っ伏した。
俺も綾夏も大きくて荒い呼吸をしていた。
俺は、再び綾夏の両腕を引いて上体を起こし、バックで腰を動かし始める。
俺は、これを何度も繰り返した。

「も、もうだめ…、お願い…」

途中、綾夏はそう言って懇願してきたが、俺はそれを無視して何度か繰り返し続けた後、
綾夏の腕をゆっくりと降ろし、綾夏が顔を突っ伏すと、漸く彼女の腕を放した。

だが、これで終わりにしたわけではない。
今度は綾夏の臀部を両手で掴み、腰を動かし続けた。
漸く腰の動きを止め、ペニスを抜くと、綾夏は膝と腰を伸ばし、俯せの格好になった。

「はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー、はぁぁー」

大きな呼吸をする綾夏に、俺は跨って馬乗りになり、
臀部を開いてペニスを挿入すると、臀部を両手で掴み、腰をゆっくりと動かし始めた。
すると、綾夏は、俺が腰を動かす度に、顔を上げたり、腕を動かしたりしながら、
大きな喘ぎ声をあげていた。

俺は徐々に腰の動きを速め、綾夏の腰に両手を軽く添えて、
まるでロデオマシーンに乗るように、腰を動かし続けると、
綾夏は悲鳴をあげるように声を出し始めた。

俺は、暫く腰を動かし続けた後、漸く綾夏から降り、
彼女の身体を仰向けに反転させ、いつものように正常位で腰を動かし始めた。

腰を動かし続けて、射精感を催してきたとき、
俺には、このまま出してやろうかと、そんな思いが湧いてきた。
俺は、綾夏を抑え込むように綾夏を抱き締め、腰の動きを速めていった。

そして、いよいよ射精が間近に迫り、更に腰の動きを速めたとき、
綾夏が俺の耳元で囁いた。

「で…、出来ちゃうよ…」

俺は、綾夏の声を聞いたその刹那、ペニスを抜くと、
綾夏の腹の上に、激しく射精していた。

俺も綾夏も、呼吸が激しく乱れていた。
綾夏の身体を見ると、彼女の陰毛から胸辺りにかけて、ザーメンが飛び散っていた。

暫くして俺の呼吸が落ち着くと、俺はティッシュを取り、
綾夏の身体に飛び散ったザーメンを拭い、別のティッシュでペニスを拭った。
そして、俺は、ティッシュを屑籠に捨てると、綾夏の隣に仰向けに寝た。

俺は、何故こんなことをしてしまったのだろうか。
バックでの行為に関しては、確かに綾夏へのお仕置きのつもりだった。
だが、正常位で中に射精しようとしたのは、お仕置きなどではなく、
綾夏を妊娠させるつもりだった。
綾夏が妊娠すれば、俺は綾夏を手にすることができるからだ。

では、何故最後に止めたのか。
それは、綾夏の声を聞き、彼女が妊娠を望んでいないと思ったからだ。
そう、綾夏は俺の子を妊娠することなんて望んでいない…
俺は、自分の頭を整理しながら、そんなことを考えていたら、
俺の隣で綾夏が呟いた。

「もうー、洋祐は意地悪で意気地なしだってことが分かったわ。」

俺は心の中で、はっ?と思った。
意地悪と言われるのは仕方がないが、意気地なしとはどういうことだ。
俺がそう考えていると、綾夏が続けて呟いた。

「洋祐らしいと言えば、洋祐らしいけど…」

俺は起き上がり、どういう意味か問い質そうと、綾夏に顔を近づけると、
綾夏は、恨めしそうに俺を見つめた後、直ぐに表情が変わり、微笑んだ。
俺は、綾夏の顔を見ると、何も言えなくなってしまった。


[198] Re: 続 せ・ふ・れ  けい :2024/03/17 (日) 21:04 ID:3ZSX7cww No.190407
続きが気になります

[199] Re: 続 せ・ふ・れ  ジーン :2024/03/18 (月) 05:19 ID:kJUAtr4Q No.190416
やっぱり試してみえますよ。
私のこと本気なの?って

洋祐さん、新たな3回目のスレをどうか立ち上げていただきたく思います。


[200] Re: 続 せ・ふ・れ  やま :2024/03/18 (月) 10:14 ID:GLc2t/kM No.190430
洋祐さん、新スレを楽しみに待っています。
宜しくお願いします!!


このスレッドはレス数が200を超えましたので書き込めません。
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