空白の日々に
84 Re: 空白の日々に
小田
2026/07/26 (日) 15:06
No.210737



喘ぎ出すのですが、右手に持ったリモコンは放しません。
それどころかマックスにしたようです。
とても短い時間ですが、突いて突いて突きまくると表現できる程の激しさです。

「おおおっ!!・・・おおおおっ!!!・・・」

一際大きな声を発して、彼女の上に倒れ込みます。
時を待たずに、彼女も大きな嬌声と共に逝ったようです。
それに呼応するように、彼女の手からリモコンが滑り落ちて行きます。

仕切り壁にもたれていると言っても、肩から首のあたりまでで、上半身のほとんどはテーブルに
乗っている状態です。
体は折り曲げられている状態ですから、”苦しい”と返答した彼女が、それを望んでいることも
分ってきます。
苦痛と快楽を同時に得られる体勢は、彼女の欲望を一層加速させていると言えそうです。
彼が彼女の欲望を昇華させてくれるオトコの一人であるとしたら、越智に目覚めさせられた
”性奴隷”というワードが、止めるに止められない”制御不能”と同義語のように心に重く
のしかかってきます。

目線は二人に向けているのですが、見えているのは心の中です。
上の空とでも言えそうですが、考えが纏まらずに黒い点が浮遊している状態と言えるかもしれ
ません。

「小田様・・・あれ?小田様?」

何度か呼ばれたようですが、気付くのが遅れます。

「あぁ?・・・呼んだかな?」
「うふふっ、何度も・・・どうでしたか?」

トートバッグを膝の上に置いて、私の隣に坐ってきます。

「まぁ、あんなものじゃないか?」
「まぁ!お気に召さなかったの?・・・」

目でサインを送ってきます。

「・・・菊ちゃんね、下に降りたから」
「それじゃ・・・」

膝をつねって”ダメ!”という表情です。

「・・・これでお終いかな?」
「待っててくれない?用意するから・・・歯磨きからね?」

トートバッグから取り出した小ぶりの化粧ポーチを持って、立ち上がります。

事後処理をしたのかも分からないのですから、何を観ていたのかおかしくなります。
彼女が立った後の椅子に目をやっても、特に濡れた様子もありません。
キツネにつままれたような不思議な気持になるのですが、現実から目を背けていたのではないと
断言出来ます。

彼女が向かった先は洗面所なのですが、二階の踊り場のその奥に位置します。
私からは彼女の後姿が見えるのですが、裸体に比してコルセットが浮かび上がり、生き物のように
宙をフワフワと進んでいる様に見えるのです。
洗面所までは直ぐなのですが、彼女の残像がコマ送りのように瞳に浮かんでは消えていきます。
その姿を一言で言い表せるとしたら、”妖艶”そのものです。
うす暗い照明の中のスポットライトが、それを際立たせていると言えそうです。