空白の日々に
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Re: 空白の日々に
小田
2026/07/20 (月) 11:40
No.210593
続きです。
二階に上がって来る足音が聞こえていたのですが、彼には届かなかったようです。
姿を見せたのは、いずみです。
私が居る事に驚いた表情を見せるのですが、ただ事ではない状況は直ぐに把握したようです。
胸倉を掴まれているのですから、当然と言えば当然です。
駆け寄って来て、彼の右腕を引っ張ります。
「ダメよ!聞いていないの?」
「おっ?!いずみか・・・時間か?」
「そうよ。10分前だけど、閉めるんでしょ?」
「越智さんから聞いてるのか?」
「小田様の事?・・・どうかしましたか?」
聞くまでもないと言いそうになります。
「彼には話したが、理解が追い付かないらしいよ」
「菊本さん、戸締りでしょ?小田様は私が・・・その後でね?」
「そうだな・・・越智さんに聞かなくていいのか?」
「小田様に聞いてからね?早くしないと時間が無くなるでしょ?」
「分かった・・・小田さんよ、貸しだからな。覚えとけよ」
「はははっ、借りた覚えはないがね」
彼の怒りが爆発する前に、彼に抱き付いて耳元で・・・
「ほんとか?」
「ご主人様も知ってるから」
「そうか・・・小田さん、済まなかったよ。忘れてくれないか?」
「コーヒーを飲んでるだけだからね。何かあったのかな?」
「じゃ、いいんがな?」
「いいも何も・・・仕事が残ってるんだろ?」
何も言わずにいずみを一瞥して、一階に降りて行きます。
大きなトートバッグを私の前の椅子に置いて、窓のカーテンを閉めます。
急に暗くなるのですが、照明もかなり落している事に気付きます。
外の明るさが部屋の照度を保っていたようです。
窓側に坐っている私の前に腰を下ろして、目線を隣の椅子に移したトートバッグに誘導します。
小さく頷いて、
「ここは6時が閉店らしいね」
「お昼間だけね、忙しいのは・・・どうされましたか?」
「特に・・・いずみ達が出没しないウィークディの様子が知りたくてね。まぁ、コーヒーもだが
・・・正直言って美味しくないね、はははっ」
「お安いでしょ?仕方ないわね」
”初めてのコーヒーじゃないでしょ?”と、笑顔が言っている様です。