空白の日々に
50 Re: 空白の日々に
小田
2026/07/04 (土) 20:49
No.210269



「いずみの意思だとしても、相手がいる事だろ?」
「それを利用したと言われたら・・・最初はそうだったかも?とも言い切れないの。
いずみちゃんの気持ちに寄り添った振り、全てではないのね、それは分かって欲しいし、彼女も
傾いていたと思ったし、お互いに求めるモノが一致したとは言わないけど、それに向かっていた
のは間違いないし、間違っていなかったと、今でも言えるわ」
「微妙な心理状態かな?」
「そう、微妙な駆け引きだったかもしれないわ。いずみちゃんも悩んでいた事でしょ?
誰にも言えないと思っていたのに、私と関係を持ったことから、呪縛から解放されたと思うの。
言い過ぎかもしれないけど・・・私がキッカケになったのはホントだと思うし、そこから大きく
羽ばたいたと思えるの。小田さんから見れば、私が元凶の様に思うのは分かるし、それを否定は
しないわ。小田さんも分っていると思うのね、いずみちゃんの本性が導き出されただけ、元々持っ
ていた、隠れていたかもしれないけど、それが現実の日々に少しずつ現れる様になって、
最後のほんとに最後の欲望が、ご主人様に呼び起こされたと思うの」
「何かのキッカケで人は変わると言うだろ?いずみは過去にも躓いた事があってね。
彼女の性事情は分かってるつもりだが、それを遥かに超える強い欲求が爆発することがあって、
手が付けられない状態になったこともあるが、時間の経過と共に沈静化してきた事実も嘘じゃない」
「それで・・・落ち着いていられるのね?」
「事情を聞く意味が分ると思うが・・・過去との比較だけで、今の事実を把握できるとも思えない。
過去と現在を検証して、未来を考察するしかない状況になっていることは、認めない訳ではないよ」
「帰って来ないかもしれない事も含めてなの?」
「認めたくないが、選択肢の一つなのは間違いないよ」
「いずみちゃんが望んだら、認めるってことね?」
「追わないよ、いずみの人生だからね。ただ、複雑な手続きが待っていることは覚悟してもらう
必要があるが」
「それでもってことね?」
「二言はない。ただね、夫婦という観点からは、彼女からは何も要求できる立場じゃないのは
分ってると思うが、全て理解した上でなら、飲まない訳ではない」
「覚悟が出来てると思っていいのね?」
「何度も確認しなくてもいいだろ?」

少し考えるような素振りの後、

「小田さんに、いずみちゃんとご主人様との深い関係を話したし、それを見せたでしょ?
一ヶ月の期間限定と話したけど、その後を決めるのはいずみちゃんなの。
彼女の決断を尊重することも確認してるし、このままなら、今まで通りに売春する事は暗黙の了解
なの。もし、小田さんの元に帰ると決めたら、それを阻止する事はしないと確約もしてるのね。
でも・・・話したと思うけど、彼女がご主人様から離れるなんて考えられないの。私が感じた事
なのね、間違ってるかもしれないけど、ご主人様にベッタリなのは、そう見せてるだけじゃないか
とも思えるのよ。それでも、離れる選択肢は彼女にあるとは思えないわ」
「意識的?」
「考えようだと思うのね。もっと好きになって欲しいからとも思えるから、小田さんの都合のいい
ようにはいかないと思った方がいいんじゃない?」

懐に入り込む、気のゆるみを誘う、彼女には想像もつかない大胆な行動に出ることがあります。
天然の為せる業がここでも生きているとしたら、それは何を意味するのか、全く意味のない事
なのか、一ヶ月後に分るかもしれません。

「諦めさせるための追い打ちかい?」
「まぁ!そこまでは・・・私の見た事実よ。追加しない方が良かった?」

その逆です。明らかに何らかのサインを出していると思いたいし、あからさまに大袈裟に表現する
ことで、平野さんの脳裏に刻み込ませることに成功しているからこそ、私にこうして話すのだと
思えるのです。

越智が望んでの事だとしても、私に見せる事実は、明らかに度を越しています。
正常な神経の持ち主なら、あり得ないと切って捨てられることは分り切っています。
敢えてそうする意味を考えれば、彼女のメッセージが読み解けそうです。
そうは言っても、私の勝手な判断ですから、彼女からの言及があるまで待つしかない様です。