空白の日々に
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Re: 空白の日々に
小田
2026/06/27 (土) 17:42
No.210168
「ひろ子ちゃんが生まれてからね、会うようになったのは。小田さんは海外出張だったんでしょ?
寂しがってたわよ。いずみちゃんに叱られるかもしれないけど、何度涙を流したか、ほんとに
愛してるんだって。可哀想になって・・・」
「ん?・・・口籠る?」
「分るでしょ?同情からなの。それが共感になって・・・思いが重なるって分るかしら?」
「いずみの気持ちになって考える、それが平野さんの事のように感じるようになった、そういう
ことかな?」
「今の私はいずみちゃんかもしれないわ。彼女の代弁者かな?」
「じゃ、いずみは平野さん?売春は平野さんの認識かな?」
「そうよ、そう思わないと気分が良くないでしょ?」
「僕のために?事実を知りたいのが分からない?」
「私から見た事実って言ったでしょ?いずみちゃんが私になって売春してるなんて話していないし、
話しても疑問が空回りするだけでしょ?そう思いたい小田さんの代弁かな?あれ?!それなら、
いずみちゃんと小田さん二人の代弁者になるのね?」
「はははっ、平野さんね、言葉を選び過ぎじゃないか?事実は隠せないと思わないか?」
「知ってるの?それはないでしょ?」
「何も知らないし、知りたいとも思わない。ただね、話すことでその人の持っている感性とか知性
が、見えることがあるとか聞いた事が、違うな、知ってるだろ?」
「小田さんが言った故事ね、知ってるわ・・・いずみちゃんが、”ありがとうございます”って
返答した意味を考えていたの。その前も、ご主人様と一触即発の状況の時に、”ありがとう”って
・・・とても小さな声だったけど、空気がピーンと張ってたでしょ?澄んだ空気って小さな音でも
聞えてくるの。小田さんなら分かるでしょ?
いずみちゃんってほんとに頭がいいって感心したの。小田さんには叱責を止めさせた感謝の気持ち、
ご主人様には手を出さなかったことに・・・一瞬で判断できるのね、羨ましいわ」
「知ってたんだね?目の前の彼女の態度が、その気持ちが見たままなら、それが事実でも、真意が
少しでも違っていたら、無意味じゃないかもと。
まぁ、闇雲だったかもしれないね」
「”ありがとう”の一言なのよ。聞き慣れたフレーズなのに、それに付け加えなかった、それが
とても凄い”って心の中で思ったわ。
故事の事ね、難しいと思わない?あの”ありがとうございます”はね、お気遣いの”ありがとう”
なの。”もう決めているから諦めて”と私には聞えたの。とても冷静だったでしょ?
心が決まっていないとああは出来ないわ。それも、小田さんによ。そう見えたのね、私の見た事実
かな?」
この時点では、間違った判断だとは言えません。
平野さんがいずみの真意を確かめてはいないとしても、表出される言動には、真実が滲み出ている
と判断することに異論はありません。
私にもそう見えるのですから、いずみの意志は固いと言っても過言ではないでしょう。
「そうかもしれないが、そうじゃないかもしれない。彼が傍に居る、この事実と乖離した気持なら
その真意を聞く耳は持ってる。真実と事実、その見極めのために、平野さんに会っていると理解
してくれないか?」
「じゃ、小田さんの思惑と違っても、もしそうなら?」
「いずみの人生だからね。ひろ子を盾にするつもりは毛頭ない。いずみが望めば話し合いには
応じるが、そうなるかは神のみぞ知るだね」
「その覚悟があるから、冷静にいられるのね?」
「そう受け取ってもらっても、何ら問題ないからね」
「うふふっ、芯が通ってる人って頼もしいわ。好きかも?」
「はははっ、見え過ぎていないかい?」
「懐柔?」
「彼から?」
「違うかな?」
「いずみ?」
「代弁?・・・私の気持ちかな?」
「意思疎通が出来そうだね?」
「いずみちゃんに寄り過ぎないで、かといって、小田さんにも。可能な限り、事実をお話しします」
フラットに話すと言っているのです。
そう信じる根拠もないのですが、真偽を判断できる材料が話されるのか、それに尽きると思います。