空白の日々に
41 Re: 空白の日々に
小田
2026/06/27 (土) 15:27
No.210164



憐みの押し売りは避けて欲しいと言いたくなります。
傍目にはそう見えるのは致し方ないと理解出来るのですが、いずみを信じていた前提が崩れ
かかっているのも事実です。

「慰めかな?そうなら気にしなくていいし、僕はそのために平野さんに会ってるんじゃないから、
できるだけ感情抜きで事実を聞かせてくれないか?」
「ごめんね?どうしてもご主人様の気持ちに寄り添ってしまうの。今のいずみちゃんもそう
でしょ?」
「ひいき目に見ても、僕への比重は軽そうだね。平野さんの見立てが正しいと思うよ」
「それでも・・・いいのね?」
「あぁ、最初から聞かせてくれないか?」
「最初?・・・そうだわ、前提条件から話さないと・・・今の関係は一ヶ月と決めてるの。
だから、10月末までね。理由は・・・時系列と言うんだった?その時にお話しするでいいでしょ?」

アキさんの期限と一致します。
いずみはその期間が過ぎれば、戻って来ると決めている様ですが、それがそのまま鵜呑みにも
出来ない程、入れ込んでいるようです。

「それでいいよ。途中での質問は了承してくれるかい?」
「いいわよ。小田さんが私を抱いてくれると約束してくれたら?ダメ?」
「報告?」
「うふふっ、ご褒美が欲しいでしょ?」
「まぁ、意図的に操作されていない事実と理解出来たら、その時に返事するよ」
「ほんと難しく言うのね?いずみちゃんも大変だったんじゃないかな?だから・・・」
「越智に・・・思い付いたよ。越智に堕とされたというオチかな?」

越智と口にしたのは、彼女の反応を見るためです。
越智本人から聞いていると理解したのでしょう、表情に何の変化もありません。
本名なのか通称名なのか、分からないとしても、彼の名前は越智だと言うことです。

「オチオチだらけね?落ち着いていられないのに、落ち着いているなんて信じられないわ」
「平野さんもヤルじゃないか?」
「ホントのんきね?この時間にもいずみちゃんは売春してるのよ。信じられないわ」
「信じられないが二回も?否定が二回、マイナスプラスマイナスだろ?信じたいに聞こえる
けどね?」
「呆れて言葉がないわ・・・そうなの?まだいずみちゃんを信じてる、だからそう思いたいのね。
信じられる欠片でも拾いたいんでしょ?」
「粉々になっていなければ、つぎはぎもできるだろ?」
「そういうことね?お惚けは・・・分ったわ。私から見た事実、そう言ったでしょ?その事実を
話すわね・・・茶々を入れないでね?」

躓きながらもイントロは終わったようです。

「あぁ、進めてくれないか?」
「初めていずみちゃんと会ったのは、私鉄のホームだったの。あの時は確か8ヶ月だったと思うわ」
「ん?妊娠中に?」
「そうなの。気分が悪くなったのね、ホームの隅でうずくまってたの。見て見ぬ振りなのよ、
誰も助けに行かないから、私が。それから時々会うようになったの。
考えたら、ありふれた出会いね」
「ないことはないだろうね。数年も前の事だけど、僕からもお礼を言わせてもらうよ」
「いずみちゃんから返せない程のプレゼントをもらったから、今があるのかも?分からない
でしょ?」
「プレゼント?・・・あまり記憶にないね。気が利かないと思っていたが、盛っていないかい?」
「盛れないでしょ?事実だけじゃなくてもいいのなら?」
「プレゼントを頭の片隅に置いておくから、進めてくれないか?」
「形があるんじゃないの。どう言えばいいかな?気持ちかな?」
「謎解きはその時に・・・それからどうなったの?2人の関係は」