空白の日々に
30 Re: 空白の日々に
小田
2026/06/20 (土) 15:22
No.210033



帰宅したのは。午後11時を回った頃です。
私を待っていたアキさんから、いずみの依頼内容を確認するのですが、明日香ちゃんから聴取した
以外に特筆することもありません。

午後からの一連の出来事を反芻するのですが、彼女の置かれている状況は、好むと好まざるに
関わらず、理解するしかありません。
性欲が人一倍強いこと、目覚めた時には手が付けられなくなることも承知しています。
私では対処できない事も彼女は認識していながら、性的な痴態を何の躊躇もなく曝け出すのです
から、あの男に飼いならされていると言わざる負えません。
彼女の急所を押さえているとしたら、性調教を受けた事実を何らかの方法で入手したか、彼自身が
その要素を持っている稀な存在だとしたら、平野さんが言うように、戻って来ないかもしれません。
そうであっても、一筋の光を感じた一瞬は、勘違いだとは思いたくありません。


あくる月曜日の昼休みが終わる頃に、携帯に着信です。
いずみからですが、平野さんです。


『もしもし・・・』
『いずみちゃんじゃなくて、ごめんね?』
『間違うこともないね。で?』
『冷たいのね?知らない間柄じゃないでしょ?』
『一日も経っていないからね。それには無理があるだろ?』
『そうね・・・まだだものね?いずみちゃんと私、どっちが先かな?』
『時間がないだろ?用件を聞かせてくれないか?』
『この時間帯なら、迷惑にはならないからって、いずみちゃんが。考えてお電話したのよ』

色ボケはカモフラージュか、一時的に覚醒したのか、前者であることを信じたいのです。

『いずみから?そんな話を・・・』
『必要な事だけよ。それ以外はセックスにドップリだから、希望があるなんて考えない方が体に
いいわよ』

平野さんの声の向こうに、空気の動きを微かに感じます。
誰かいると思っても、確かめる手立てもありません。

『まぁ、その時だが・・・』
『謝らないといけないの。明後日って言ったけど、ダメになったのね。それでね、土曜日の午後に
したいんだけど、大丈夫かしら?』
『Noとは言えないだろ?』
『そうよね、理解が早いから大好きよ。いずみちゃんより先にお願いしたいわ』
『それじゃないだろ?場所は?』
『昨夜と同じところ、分かるでしょ?』
『駅前?』
『違うわよ・・・喫茶店、分かった?』
『僕だけ?』
『大丈夫よ、鍵は掛かってないから。じゃ、1時でいいかしら?』
『今度は説明してくれるんだね?』
『そのためでしょ?じゃ、その時に』