空白の日々に
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Re: 空白の日々に
小田
2026/06/07 (日) 12:52
No.209857
「頭が真っ白?戻してあげるわね?」
「ん?・・・」
「いいわね?・・・いずみちゃん!」
大きな声ではないのですが、私には突き刺さるような響きです。
この状況になることは想定済みだったという風に、驚くこともなく、その男性の背中から顔を
出して、
「さっきの・・・またお会いしましたね」
臆する事もなく笑顔を見せるのですから、私を意識したくないのか、できない理由があると
思うしか理解できません。
「・・・そうだね・・・」
何を思ったのか、その男性の耳元でほんの少し話して、直ぐに席を立って、平野さんと私の間に
密着さすように体を入れてきます。
「莉子ちゃん、代わってくれない?」
「分ってるの?」
「うん・・・ご挨拶するだけだもの。ご主人様から言われてるでしょ?」
「ほんとね?」
「それしかないでしょ?」
「分かったわ・・・少しだけよ」
席を立った平野さんのお尻を押すように、滑り込んできます。
「大きな声で話せないのね。聞えるかしら?」
そう言って、ショルダーバッグを少し開いて、見るように目線を落します。
そこには、偽装されていないボイスレコーダーがこちらを向いています。
「・・・聞こえるよ」
いずみの顔が近付いてきて、
「興奮しなかった?」
「どうかな?」
「お相手したいわ。ご主人様からね、セックスするように命令されてるの。時間を作ってくれ
ない?」
「あぁ・・・急だからね。魅力的な・・・はははっ・・・」
「オメコでしょ?嬉しいな・・・あのね、私から連絡出来ないから、莉子ちゃんからするわね。
それとね、避妊していないから楽しみも倍増するでしょ?早くしないと誰かに・・・あの人かも?
孕まされたくないでしょ?」
「楽しみだね」
「じゃ・・・ハハッ、ハクション!・・・ごめんなさい・・・ハンカチを・・・」
畳まれたガーゼ地のハンカチを開いて、中に包まれていた紙切れを右手の平に隠して、鼻をそっと
押さえます。
「・・・それじゃ、お待ちしていますね・・・握手ね?・・・」
それを持ったまま手を握ってきます。
「握手?」
「だって・・・オメコまで温もりを忘れないように、待たせないでね?」